説明

画像形成装置

【課題】画像読取部のみの移動と、画像読取部の移動に連動させた画像形成部の開放、を切換可能な画像形成装置を得る。
【解決手段】引出操作部50を手前側に引き出すと、押圧突起53によりロック部材60の被押圧部61が押され、軸部63を中心に回転して、フック62と係合突部62との係合が解除される。この状態で、原稿読取部12の手前側を持ち上げると、原稿読取部12が開放されると共に、カバー部材40も、ねじりコイルバネ49Bにより押されて、中間軸部49を中心に手前側が上方へ向かう方向へ回転し、原稿読取部12と共に開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(プリンタ)に、フラットベッド構成の画像読取装置(スキャナ)を一体化させた、MFP(Multi Function Printer)、AIO(All In One)と呼ばれるものがある。このような画像形成装置では、画像読取装置によって読み取られた原稿の画像データに基づいて画像形成部で記録媒体に画像が形成される。
【0003】
ところで、このような画像形成装置で、電子写真方式を利用したものについて、感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されていることがある。この場合には、プロセスカートリッジを着脱するために、画像形成部の筐体を開放する必要がある。例えば、特許文献1には、画像読取部の動作に連動して開閉部材の開閉が行われる構成が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−189551
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像読取部のみの移動と、画像読取部の移動に連動させた画像形成部の開放、を切換可能な画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部の上部に前記画像形成部から排出された記録媒体を受ける受空間を構成しつつ前記画像形成部の上側を覆う通常位置と、一端辺に沿った回転軸を中心に回転して前記受空間を開放する開放位置と、の間を移動可能とされた画像読取部と、前記画像読取部の一端辺に沿ったカバー回転軸を中心に回転して前記画像形成部の上部を開閉可能とされたカバー部材と、前記画像読取部の前記開放位置への移動に伴って前記カバー部材を開放させる複数開放位置と、前記画像読取部のみを前記開放位置へ移動させる単独開放位置と、の間を移動可能とされた切換操作部材と、を備えている。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、前記切換操作部材が、非操作時には前記単独開放位置に配置され、ユーザーによる操作によって前記複数開放位置へ配置されること、を特徴としている。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、前記切換操作部材は、前記カバー部材を開放する方向へ付勢する付勢部材と、前記カバー部材の前記開放する方向への移動を規制する規制部材と、前記規制部材による規制を解除する解除部材と、含んで構成されていること、を特徴としている。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、前記切換操作部材が、ユーザーによって操作される操作部を備え、この操作部が前記画像読取部に設けられていること、を特徴としている。
【0010】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、前記画像読取部と前記カバー部材との間に、さらに前記画像形成部からによって画像から排出された記録媒体が載せられる排出トレイを備えたこと、を特徴としている。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、前記カバー部材の、手前側の一部に切欠きが構成されていること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、切換操作部材が単独開放位置に配置されているときには、画像読取部のみを開放位置へ移動させることができ、切換操作部材が複数開放位置に配置されているときには、画像読取部の開放位置への移動に連動させてカバー部材も開放させることができる。
【0013】
請求項2の発明では、ユーザーによる操作によって切換操作部材が複数開放位置へ配置され、画像読取部の開放位置への移動に連動させてカバー部材も開放させることができる。
【0014】
請求項3の発明では、付勢部材によってカバー部材が開放する方向へ付勢されているので、解除部材によって規制部材による規制が解除されることにより、カバー部材が画像読取部の移動に連動した開放が可能となる。
【0015】
請求項4の発明では、ユーザーによって操作される操作部が画像読取部に設けられているので、画像読取部を保持した状態で切換操作部材を操作することができる。
【0016】
請求項5の発明では、画像読取部を開放位置へ移動させることにより、排出トレイ上に排出された記録媒体を容易に取り出すことができる。
【0017】
請求項6の発明では、カバー部材の上に排出された記録媒体を容易に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1実施形態]
【0019】
本発明の画像形成装置の実施形態を図面に基づき説明する。
【0020】
図1〜図4には、本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、原稿を読み取る原稿読取部12と、原稿読取部12の下部に配置された本体部14とを有している。本体部14では、原稿読取部12で読み取られた画像データに基づいて記録用紙Sへの画像形成が行われる。
【0021】
本体部14は、本体下部に配設された給紙トレイ26と、給紙トレイ26の上部に配置され画像形成を行う画像形成部30とを有している。本体部14の側部は、側部筐体14Aで構成されている。
【0022】
原稿読取部12には、ユーザーが原稿読取、或いは複写指示等を入力操作するための表示部(パネル)23及びスタートボタン25を含む操作部(テンキー、スタートボタン等)を備えた操作パネルユニット24が配設されている。また、原稿読取部12上には、当該原稿読取部12の開閉蓋を兼用する原稿搬送部16が設けられている。
【0023】
原稿搬送部16には、複写しようとする原稿を(複数枚の場合は重ねて)載せるフィーダートレイ18が設けられている。また、フィーダートレイ18の下方には、フィーダートレイ18から送り込まれて読み取られた原稿が排出される排紙トレイ20が設けられている。
【0024】
図4に示すように、原稿読取部12は、底面奥側に配置された上部取付部材38によって、本体部14に取り付けられている。原稿読取部12は、上部取付部材38の軸部材39を中心に回転可能に保持されている。原稿読取部12は、底面が略水平方向に配置され画像形成部30の上側を覆う閉鎖位置P1と、図5に示すように、画像形成部30から離れる方向へ移動して後述する受空間R1を開放する開放位置P2との間を移動可能とされている。
【0025】
なお、本実施形態では、便宜上、操作パネルユニット24の配置された側を画像形成装置10の手前側、その逆側を奥側という。そして、手前−奥の方向をX方向とし、このX方向と直交する方向をY方向とする。
【0026】
図2及び図4に示すように、原稿読取部12の底面側には、引出操作部50が設けられている。引出操作部50は、操作把手51、連結部52、押圧突起53を含んで構成されている。操作把手51は、原稿読取部12の底面手前中央部に配置され、Y方向に長尺とされて原稿読取部12の底面から下側に突出されている。押圧突起53は、原稿読取部12の底面のY方向両端部に1個ずつ、X方向中央からやや奥側に配置されている。各々の押圧突起53は、棒状とされ、原稿読取部12の底面から下側に突出されている。連結部52は、1方の押圧突起53から原稿読取部12の底面手前側へ延出され、Y方向に沿うように屈曲されて逆側端部付近まで延び、さらにX方向に沿うように屈曲されて他方の押圧突起53へ連結されている。操作把手51は、連結部52のY方向に沿って配置された部分の中央部に連結されている。引出操作部50は、不図示のガイドに沿って、全体がX方向にスライド可能とされている。連結部52の各々の奥側端部には、引張りばね54の一端が固定されている。引張りばね54の他端は、原稿読取部12の奥側に固定されている。引張りばね54により、引出操作部50は、X方向の奥側に向かう方向へ付勢されている。非操作時には、図4に示すように、引出操作部50は、押圧突起53が奥側に配置される単数開放位置Q1に配置されている。ユーザーが、操作把手51を手前側へ引き出すことにより、図7に示すように、引出操作部50は、押圧突起53が手前側へ移動して、後述するロック部材60を押圧する複数開放位置P2に配置される。
【0027】
図4に示すように、画像形成部30には、露光装置32、及び、画像形成ユニット34が設けられている。
【0028】
露光装置32は、原稿読取部12で読み取られた画像情報に基づいて、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応した光ビームを出射するようになっている。各色の光ビームは、それぞれ対応する各感光体ドラムに導かれる。
【0029】
画像形成ユニット34は、感光体ドラム、帯電ローラ、クリーナー、中間転写体ロール、転写ロール、現像器などを含んで構成されている。
【0030】
画像形成部30の下方側には、前述の給紙トレイ26が配設されており、給紙トレイ26の上方には、記録用紙Sの先端部位置を調整する一対のレジストロール27が設けられている。
【0031】
記録用紙Sが搬送される用紙搬送路Wの下流には、定着装置36が設けられている。定着装置36は、定着ロール36Aと加圧ロール36Bを有しており、記録用紙Sを加熱・加圧してトナー像を記録用紙Sに定着させる。
【0032】
画像形成が開始されると、各感光体ドラムの表面が帯電ローラによって一様に帯電される。露光装置32から出力画像に対応した光ビームが、帯電後の感光体ドラムの表面に照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像に対して、現像器がトナーを付与し、感光体ドラム上にトナー像が形成される。その後、中間転写体ロール、転写ロールを経て、トナー画像が記録用紙Sに転写される。記録用紙Sは、その後、定着装置36に送られ、トナー像が記録用紙Sに定着される。定着後、記録用紙Sは後述するカバー部材40上へ排出される。
【0033】
画像形成部30の上部は、カバー部材40で覆われている。図2に示すように、カバー部材40は、トレイ部42、把手部43、段差プレート44、奥部プレート46、及び、側部プレート48を備えている。
【0034】
奥部プレート46は、画像形成部30の奥側で原稿読取部12の底面と接することが可能な位置に配置されている。段差プレート44は、上側の一端辺が奥部プレート46と連続され、奥部プレート46の手前側から下方へ向かって奥部プレート46と略直交するように配置されている。段差プレート44には、Y方向に長尺の排出口44Aが構成されている。排出口44Aからは、トナー像が定着された記録用紙Sが排出される。
【0035】
トレイ部42は、段差プレート44の下端辺と連続され、X方向手前側に向かって配置されている。トレイ部42の上面は、排出口44Aから排出された記録用紙Sの受面とされている。トレイ部42の上面と原稿読取部12の底面との間に受空間R1が構成されている。
【0036】
側部プレート48は、カバー部材40のY方向両端に、側部筐体14Aの内面と対向するように配置されている。側部プレート48の上端辺は、Y方向中央側へわずかに屈曲され、奥部プレート46の上面と面一となる側部上面48Aが構成されている。
【0037】
把手部43は、トレイ部42の手前端辺から下側へ向かって配置されている。把手部43の前面側(手前面側)には、凹部43Aが構成されている。凹部43Aは、ユーザーのための把手として機能する。
【0038】
カバー部材40は、奥部プレート46の奥側端辺に沿った中間軸部49に回転可能に取り付けられている。中間軸部49は、軸部材39と平行に配置されている。中間軸部49には、ねじりコイルばね49Aが取り付けられている。ねじりコイルばね49Aは、一端が奥部プレート46の手前側に固定され、他端が本体部14の背面側筺体に固定されている。原稿読取部12が閉鎖位置P1に配置されているときには、ねじりコイルばね49Aは弾性変形され、カバー部材40は、受空間R1が開放される方向、すなわち、原稿読取部12が開放位置P2へ向かう方向と同方向に付勢されている。
【0039】
側部プレート48の略中央部には、ロック部材60が取り付けられている。ロック部材60は、側部プレート48に軸部63を中心に回転可能に取り付けられている。
【0040】
ロック部材60は、図4に示すように、一端側に被押圧部61、他端側にフック62を備えている。被押圧部61は、図5に示すように、側部プレート48を貫通し、押圧突起53の先端が接触可能な位置に配置されている。フック62は、側部プレート48の外側に配置され、先端部が鉤状とされている。
【0041】
本体部14の側部筐体14Aには、ロック部材60の先端付近に対応する位置の各々に、係合突部64が形成されている。非操作状態(原稿読取部12が閉鎖位置P1に配置され、ユーザーにより引出操作部50が操作さていない状態)では、フック62が係合突部64に係合されている。これにより、カバー部材40は上方への移動が規制され、開放が不能な状態とされている。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0043】
原稿読取部12のみを開放する場合には、引出操作部50を操作せずに、単数開放位置Q1に配置したままの状態で原稿読取部12の手前側を持ち上げる。すると、図2及び図6に示すように、原稿読取部12が軸部材39を中心に回転して開放位置P2に至り、受空間R1が開放される。この状態で、ユーザーは、カバー部材40上に排出された記録用紙Sを、容易に取り出すことができる。
【0044】
原稿読取部12、及び、カバー部材40の両方を開放する場合には、まず、引出操作部50を手前側に引き出す。これにより、図7に示すように、引出操作部50が複数開放位置Q2に移動され、押圧突起53によりロック部材60の被押圧部61が押され、ロック部材60が軸部63を中心に回転して、フック62と係合突部64との係合が解除される。この状態で、原稿読取部12の手前側を持ち上げると、原稿読取部12が前述の場合と同様にして開放されると共に、カバー部材40も、ねじりコイルバネ49Bにより押されて、中間軸部49を中心に手前側が上方へ向かう方向へ回転し、原稿読取部12と共に開放される(図8、9参照)。これにより、一操作で画像形成部30の内部が開放され、画像形成ユニット34が露出される。この状態で、ユーザーは、画像形成ユニット34の交換を行うことができる。
【0045】
[第2実施形態]
【0046】
次に第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態の画像形成装置70は、図10及び図11に示すように、原稿読取部12とカバー部材40の間に、排出トレイ71を備えている。排出トレイ71は、図11に示すように、受部72、段差板74、上板76、及び、側板78を備えている。
【0048】
上板76は、Y方向の両端部に奥部プレート46と面一になるように配置されている。段差板74は、上辺のY方向の両端部が上板76と連続され、上板76の手前側から下方へ向かって上板76及び奥部プレート46と略直交するように配置されている。段差プレート44には、段差板74に対応する位置に段差板74を収容可能な切欠き(不図示)が構成されている。また、奥部プレート46の手前中央上面には、凹部46Aが構成されている。段差板74の上端部には、奥部プレート46の凹部46Aに嵌め込まれるストッパ74Bが形成されている。段差板74には、Y方向に長尺の排出口74Aが構成されている。段差プレート44には、排出口74Aに対応する位置に排出口44Bが構成されている(図15参照)。排出トレイ71上には、排出口74Aを介してトナー像が定着された記録用紙Sが排出される。
【0049】
なお、本実施形態では、定着装置36の下流側で用紙搬送路WがW1とW2に分岐され、用紙搬送路W1が排出口44Aに至り、用紙搬送路W2が排出口44B、76Aへ至っている。
【0050】
受部72は、段差板74の下端辺と連続され、第1実施形態の受空間R1の中間部に受空間R1を仕切るように配置されている。受部72と原稿読取部12の底面との間に上受空間R2が構成され、受部72とトレイ部42の上面との間に下受空間R3が構成されている。上受空間R2には、排出口44B、76Aから排出された記録用紙Sが配置され、下受空間R3には、排出口44Aから排出された記録用紙Sが配置される。
【0051】
図12に示すように、側板78は、受部72のY方向両端に、側部プレート48の内側(側部プレート48が互いに対向している側)と対向するように配置されている。側板78の外側面(側部プレート48と対向する側)には、後述する引掛部53Aと係合される突部79が設けられている。
【0052】
排出トレイ71は、上板76の奥側で、中間軸部49に、中間軸部49を中心として回転可能に取り付けられている。排出トレイ71は、ストッパ74Bが奥部プレート46に当てられることによって下方向への回転が規制され、図11に示す受位置P3に配置されている。
【0053】
引出操作部50の押圧突起53の先端部には、引掛部53Aが形成されている。図12に示すように、引掛部53Aは、押圧突起53から側板78側へ突出する形状とされ、原稿読取部12が閉鎖位置P1に配置されているときに突部79の下側を引掛け可能な高さ位置に配置されている。
【0054】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0055】
原稿読取部12のみを開放する場合には、図11に示すように、引出操作部50を操作せずに単数開放位置Q1に配置したままの状態で原稿読取部12の手前側を持ち上げる。すると、図13に示すように、原稿読取部12が軸部材39を中心に回転し、上受空間R2が開放される。これにより、排出トレイ71上に排出された記録用紙Sを、容易に取り出すことができる。
【0056】
原稿読取部12、及び、排出トレイ71を開放する場合には、まず、図14に示すように、引出操作部50を手前側に引き出し、引掛部53Aが突部79の下側に配置される中間位置Q3まで移動させる。この状態で、原稿読取部12の手前側を持ち上げると、図15に示すように、原稿読取部12が前述の場合と同様にして開放されると共に、引掛部53Aにより突部79が引き上げられ、排出トレイ71は、中間軸部49を中心に手前側が上方へ向かう方向へ回転し、原稿読取部12と共に開放される。これにより、カバー部材40上に排出された記録用紙Sを、容易に取り出すことができる。
【0057】
原稿読取部12、排出トレイ71、及び、カバー部材40のすべてを開放する場合には、まず、図16に示すように、引出操作部50を手前側に引き出し、複数開放位置Q2へ配置する。ここでの引出操作部50の引き出しは、引掛部53Aが突部79の下側を通過して、押圧突起53によりロック部材60の被押圧部61が押され、軸部63を中心に回転して、フック62と係合突部62との係合が解除される位置まで行う。
【0058】
この状態(フック62と係合突部64との係合が解除された状態)で、原稿読取部12の手前側を持ち上げると、図17に示すように、原稿読取部12が前述の場合と同様にして開放されると共に、カバー部材40も、ねじりコイルバネ49Bにより押されて、中間軸部49を中心に手前側が上方へ向かう方向へ回転し、原稿読取部12と共に開放される。このとき、排出トレイ71は、ストッパ74Bが奥部プレート46に押されて、カバー部材40と共に開放される。これにより、一操作で画像形成部30の内部が開放されて、画像形成ユニット34が露出される。この状態で、ユーザーは、画像形成ユニット34の交換を行うことができる。
【0059】
なお、上記第1実施形態、第2実施形態のカバー部材40には、図18に示すように、手前側中央上面に、切欠部45を構成することもできる。切欠部45を構成することにより、カバー部材40上に排出された記録用紙Sを容易につかみ取ることができる。
【0060】
また、上記第1実施形態、第2実施形態では、カバー部材40を開放することにより、画像形成ユニット34が露出される構成としているが、図19に示すように、画像形成ユニット34を覆うインナーカバー55を設ける構成とすることもできる。
【0061】
また、上記第1実施形態、第2実施形態のカバー部材40を、図20に示すように、カバー部材40の下面側に、画像形成ユニット34を保持する保持枠35を取り付けて、カバー部材40の上方への移動により、保持枠35と共に画像形成ユニット34を上方へ引き上げる構成とすることもできる。これにより、画像形成部30の内部の開放と共に画像形成ユニット34が持ち上げられ、容易に画像形成ユニット34の交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態の画像形成装置で原稿読取部が開放された状態の斜視図である。
【図3】第1実施形態の画像形成装置で原稿読取部及びカバー部材が開放された状態の斜視図である。
【図4】第1実施形態の画像形成装置の側面一部破断図である。
【図5】第1実施形態の画像形成装置のロック部材付近を正面側からみた断面図である。
【図6】第1実施形態の画像形成装置の原稿読取部が開放された状態の側面一部破断図である。
【図7】第1実施形態の画像形成装置の引出操作部が引き出された状態の側面一部破断図である。
【図8】第1実施形態の画像形成装置の原稿読取部及びカバー部材が開放された状態の側面図である。
【図9】第1実施形態の画像形成装置の原稿読取部及びカバー部材が図6に示す状態からさらに開放された状態の側面図である。
【図10】第2実施形態の画像形成装置の斜視図である。
【図11】第2実施形態の画像形成装置の側面一部破断図である。
【図12】第2実施形態の画像形成装置のロック部材付近を正面側からみた断面図である。
【図13】第2実施形態の画像形成装置の原稿読取部が開放された状態の側面一部破断図である。
【図14】第2実施形態の画像形成装置の引出操作部が引き出された状態を示す側面一部破断図である。
【図15】第2実施形態の画像形成装置の原稿読取部及び排出トレイが開放された状態を示す側面一部破図である。
【図16】第2実施形態の画像形成装置の引出操作部が図14よりさらに引き出された状態の側面一部破断図である。
【図17】第2実施形態の画像形成装置の原稿読取部、排出トレイ、及びカバー部材が開放された状態を示す側面図である。
【図18】第1実施形態の画像形成装置のカバー部材の変形例を示す斜視図である。
【図19】第1実施形態の画像形成装置にインナーカバーを設けた例を示す斜視図である。
【図20】第1実施形態の画像形成装置のカバー部材に保持枠を設けた例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
10 画像形成装置
12 原稿読取部
34 画像形成ユニット
39 軸部材
40 カバー部材
45 切欠部
49B ねじりコイルバネ
49 中間軸部
50 引出操作部
51 操作把手
60 ロック部材
61 被押圧部
70 画像形成装置
71 排出トレイ
P1 閉鎖位置
P2 開放位置
Q1 単数開放位置
Q2 複数開放位置
Q3 中間位置
R1 受空間
R2 上受空間
R3 下受空間
S 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の上部に前記画像形成部から排出された記録媒体を受ける受空間を構成しつつ前記画像形成部の上側を覆う通常位置と、一端辺に沿った回転軸を中心に回転して前記受空間を開放する開放位置と、の間を移動可能とされた画像読取部と、
前記画像読取部の一端辺に沿ったカバー回転軸を中心に回転して前記画像形成部の上部を開閉可能とされたカバー部材と、
前記画像読取部の前記開放位置への移動に伴って前記カバー部材を開放させる複数開放位置と、前記画像読取部のみを前記開放位置へ移動させる単独開放位置と、の間を移動可能とされた切換操作部材と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記切換操作部材は、非操作時には前記単独開放位置に配置され、ユーザーによる操作によって前記複数開放位置へ配置されること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切換操作部材は、前記カバー部材を開放する方向へ付勢する付勢部材と、前記カバー部材の前記開放する方向への移動を規制する規制部材と、前記規制部材による規制を解除する解除部材と、含んで構成されていること、を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記切換操作部材は、ユーザーによって操作される操作部を備え、この操作部が前記画像読取部に設けられていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読取部と前記カバー部材との間に、さらに前記画像形成部から排出された記録媒体が載せられる排出トレイを備えたこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カバー部材には、手前側の一部に切欠きが構成されていること、を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−300930(P2009−300930A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157851(P2008−157851)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】