説明

画像形成装置

【課題】装置の小型化、抵コスト化が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置を冷却する第1液冷装置の第4冷却部115−4と定着後の用紙を冷却する第2冷却装置11bの第1冷却部125−1との間にダクト99が設けられている。ダクト99には、露光ユニットの制御基板を冷やすための放熱フィン98K、98C、98M、98Yが貫通するための穴が4つ設けられており、各穴に放熱フィン98K、98C、98M、98Yが貫通している。第1液冷装置11aの第4冷却部の冷却ファン115b−4が取り込んだ外気が、ラジエータ115a−4を通過後、ダクト99へと流入しダクト内に流入し、各放熱フィン98K、98C、98M、98Yを強制空冷する。その後、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1へ排出され、ラジエータ125a−1を強制空冷した後、装置外へ排気される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置においては、露光ユニット、現像ユニット、定着ユニット等に複数の発熱体(例えば、駆動モータ、ヒータ等)を備えていている。装置内の複数の発熱体の熱により装置内が高温になると、トナー凝集などが生じ形成画像の品質低下等の不具合が生じる。そのため、従来においては、空冷ファンと、ダクトとを有し空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで発熱体により温度上昇する温度上昇箇所(例えば、定着ユニットの筐体など)へ案内し、温度上昇箇所に外気を当てて、温度上昇箇所を強制空冷する空冷装置を設けて、温度上昇箇所を冷却している。
【0003】
近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化してユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、温度上昇箇所に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、装置内部の温度上昇箇所を強制空冷することが困難となっている。
【0004】
特許文献1、2には、冷却液を循環させて温度上昇箇所を冷却する液冷装置を用いた画像形成装置が記載されている。液冷装置は、冷却液が温度上昇箇所の熱を受ける受熱手段と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段たるラジエータと、ラジエータを空冷する冷却気流発生手段たる冷却ファンとを備えている。また、冷却液が受熱手段とラジエータとを循環するように配管された循環パイプ、循環パイプ内の冷却液を受熱手段へ搬送するための搬送手段たる搬送ポンプも備えている。冷却液は、受熱手段へ搬送され、温度上昇箇所の熱を奪い、温度上昇箇所を冷やした後、ラジエータへ搬送される。ラジエータは、冷却ファンによって取り込まれた外気によって冷やされることで放熱効率を高めている。ラジエータによって加熱された空気は、排気ダクトを通って装置外部へ排出される。液冷装置は、空冷装置よりも効率良く冷却できるため、温度上昇箇所の温度上昇を効率よく抑制することができる。また、冷却液を循環させるためのパイプは、ダクトよりも小さいため、ユニットの周囲の空間が狭くても、温度上昇箇所へ循環パイプを配置することが可能である。このため、ユニット間の隙間が狭い現像ユニットの冷却、発熱量の多い定着ユニット周辺や定着後の用紙の冷却に好適に用いられている。
【0005】
装置内部の全ての温度上昇箇所を液冷装置で冷却するのは、コスト面などから不利なため、空冷でも十分冷却可能であり、周辺にダクトなどが配置できるスペースがある温度上昇箇所は、上述の空冷装置で冷やしている。
【特許文献1】特開平11−174795号公報
【特許文献2】特開2006−3819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空冷装置と液冷装置とを有する画像形成装置においては、冷却ファンが外気を取込むための吸気口を有する吸気ダクトと、空冷ファンが外気を取込むための吸気口を有する吸気ダクトとをそれぞれ別個に設けるため、部品点数の増加による装置の大型化、コストアップなどを招く問題があった。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、装置の小型化、抵コスト化が可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、装置内の第1の温度上昇箇所に熱的に接するように設置された受熱手段と、冷却液の熱を放出させる放熱手段と、前記冷却液を前記受熱手段と前記放熱手段との間で循環させるための循環パイプと、前記循環パイプ内の冷却液を搬送するための搬送手段と、前記放熱手段を冷却するための気流を発生する冷却気流発生手段とを有する液冷装置を備えた画像形成装置において、前記冷却気流発生手段によって取り込んだ気体が、第2の温度上昇箇所へ流れ込むよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記第2温度上昇箇所の温度が、前記放熱手段の温度よりも高温となるものであって、前記第2温度上昇箇所よりも前記冷却気流発生手段によって取り込まれた気体の移動方向上流側に前記放熱手段を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記第2の温度上昇箇所が、前記放熱手段の温度よりも低温となるものであって、前記第2の温度上昇箇所よりも前記冷却気流発生手段によって取り込まれた気体の移動方向下流側に前記放熱手段を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、定着ユニット、定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構、定着後の用紙が積載される用紙積載機構および定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するよう前記液冷装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2の画像形成装置において、装置内の第3の温度上昇箇所に熱的に接するように設置された第2受熱手段と、冷却液の熱を放出させる第2放熱手段と、前記冷却液を前記第2受熱手段と前記第2放熱手段との間で循環させるための第2循環パイプと、前記第2循環パイプ内の冷却液を搬送するための第2搬送手段とを有する第2液冷装置を備え、前記第2放熱手段の温度が第2の温度上昇箇所の温度より高温である構成であって、第2の温度上昇箇所空冷後の気体が、前記第2放熱手段へ流れ込むよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2または5の画像形成装置において、前記第1の温度上昇箇所が、少なくとも像担持体および現像ユニットを備えた画像形成ユニットであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記第1の温度上昇箇所が、現像ユニットであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5または請求項5の構成を備えた請求項6、7の画像形成装置において、定着ユニット、定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構、定着後の用紙が積載される用紙積載機構および定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するよう前記第2液冷装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2、5、6、7または8の画像形成装置において、前記放熱手段を定着ユニットの熱の影響を受けない位置に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項2、5、6、7、8または9の画像形成装置において、前記放熱手段を用紙積載機構に積載された用紙の熱の影響を受けない位置に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかの画像形成装置において、前記放熱手段冷却後の気体を、前記第2の温度上昇箇所へ流すためのダクトを設け、該ダクトに前記第2の温度上昇箇所へ流れる流量を調整するための流量調整手段を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至11の発明によれば、冷却気流発生手段によって取り込んだ気体が、第2の温度上昇箇所へ流れ込むよう構成して、冷却気流発生手段によって取り込んだ気体で第2の温度上昇箇所を冷却することができる。これにより、少なくとも放熱手段を冷却するための冷却気流を取り入れるための吸気ダクトと、第2の温度上昇箇所を冷却するための冷却気流を取り入れるための吸気ダクトとを共有化することができる。その結果、装置の大型化、コストアップなどを避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。図1の画像形成装置は、像担持体としての感光体18Y,M,C,Kを並列に配置し、それぞれ個別に現像ユニット19Y,M,C,Kを備え、画像形成ユニット1を形成している。画像形成ユニット1の上方には、潜像形成手段としての露光ユニット9が設けられている。この露光ユニット9は、正多角柱構造の形状からなるポリゴンミラー91を備えている。ポリゴンミラー91は、その6つの側面に反射鏡を有している。そして、ポリゴンモータ92によって同一回転軸線上で高速回転する。これにより、露光ユニットの側面に設けられた不図示のレーザーダイオードなどの光源からの書込光(レーザ光)が入射すると、この書込光が偏向・走査される。
【0012】
露光ユニット9においては、ポリゴンミラー91やポリゴンモータ92により、光ビームとしての書込光Lを偏向せしめる偏向手段が構成されている。露光ユニット9は、かかる偏向手段の他、4つの反射光学系、fθレンズ93a,93bなども有している。
【0013】
ポリゴンミラー91によって主走査方向に偏向せしめられたY,M用の書込光Ly,Lmは、それぞれ上下方向に並んだ状態でfθレンズ93aを透過する。このfθレンズ93aは、ポリゴンミラー91による主走査方向の等角度運動を等速直線運動へと変える。一方、C,K用の書込光Lc,Lkは、前述のfθレンズ93aとは反対側に位置しているfθレンズ93bを透過する。
【0014】
露光ユニット9における4つの反射光学系は、それぞれ、上述したレーザーダイオード、反射鏡、長尺レンズ等から構成されている。具体的には、Y,M,C,Kの各色のうち、Y用の反射光学系を例にすると、これは、図示しないY用のレーザーダイオード、第1反射鏡94Y、第2反射鏡95Y、第3反射鏡96Y、長尺レンズ97Yなどを有している。これら反射鏡は、何れもレンズ機能を有さないミラーである。M,C,K用の反射光学系も、同様にして、レーザーダイオード、第1反射鏡94(M〜K)、第2反射鏡95(M〜K)、第3反射鏡96(M〜K)、長尺レンズ97(M〜K)を有している。
【0015】
fθレンズ93a,93bを透過したY,M,C,K用の書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、Y,M,C,K用の反射光学系の各反射鏡に向かう。例えば、走査レンズ93aを透過したY用の書込光Lyは、長尺レンズ97Y、第1反射鏡44Y、第2反射鏡45Y、第3反射鏡46Yの鏡面を順次反射することで3回折り返されることで、Y用の感光体18Yの表面に導かれていく。M,C,K用のレーザ光Lm,Lc,Lkも同様にしてそれぞれ専用の3つの反射鏡で折り返されることで、M,C,K用の感光体18M,C,Kの表面に導かれていく。
【0016】
また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置10が設けられている。画像形成ユニット1の下方には、中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。転写ユニット2の下方には2次転写装置4が設けられている。2次転写装置4は、2次転写ローラ17を備えており、2次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ17には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。また、転写対向ローラ16は、電気的に接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。2次転写装置4の図中左方には、用紙上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、2次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の用紙を定着ユニット7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送された用紙を2次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7を通過した用紙を機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0017】
この画像形成装置でコピーをとるときは、読取装置10により原稿を読み取る。この原稿読み取りに並行して、中間転写ベルト15が図中時計回り方向に移動する。これと同時に、画像形成ユニット1では、各感光体18Y,M,C,K上に、読み取った原稿内容に基づきイエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いて露光ユニット9によりそれぞれ露光して潜像を形成する。次いで、各感光体18Y,M,C,K上の潜像を現像ユニット19Y,M,C,Kにより現像し、単色のトナー像(顕像)を形成する。そして、各感光体18Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト15上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト15上に合成トナー像を形成する。
【0018】
このようなトナー像形成に並行して、図示しない給紙収容部から1枚づつ用紙を繰り出し、レジストローラ14に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト15上の合成トナー像の形成にタイミングを合わせてレジストローラ14を回転し、中間転写ベルト15と2次転写装置4との間に用紙を送り込み、2次転写装置4で転写して用紙上にトナー像を転写する。トナー像転写後の用紙は、搬送ベルト6で搬送して定着ユニット7へと送り込み、定着ユニット7で熱と圧力とを加えてトナー像を定着して後、排紙ユニット8へ送り込む。排紙ユニット8では切換爪で切換えて、機外(装置左側)の図示しない排紙トレイまたは下方の両面ユニット5へ案内する。両面ユニット5では、用紙を反転して再び2次転写位置(2次転写装置4と中間転写ベルト15とのニップ位置)へと導き、裏面にも画像を記録して後、排紙ユニット8で排紙トレイ上に排出する。なお、画像転写後の中間転写ベルト15は、不図示のベルトクリーニング装置で、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去し、画像形成ユニット1による再度の画像形成に備える。
【0019】
ここで、画像形成装置では機械サイズを小型化する観点から機械内部の高密度化と共に定着ユニット7を転写ユニット2の下側にもぐりこませるような配置としている。図1の画像形成装置では、中間転写ベルト15は、定着ユニット7の上面および右側面を覆うよう屈曲している。この構成により装置の高さ方向と幅方向をコンパクトにしている。
【0020】
しかし、中間転写ベルト15に対して定着ユニット7を近接させると、発熱体である定着ユニット7によって中間転写ベルト15が熱的影響を受け、色ずれ等の画像不具合が発生する恐れがある。これは、装置が高速化するにつれて装置内部の発熱量が増大することにより、顕著になってきている。また、両面印刷時は、定着ユニット7で加熱された用紙が両面ユニット5を通過し、再び2次転写位置にて中間転写ベルト15に接触するため、用紙からの熱伝達により、さらに中間転写ベルト15の温度が上昇して、より厳しい条件となる。また、中間転写ベルト15に接触している感光体18Y,M,C,K、さらには現像ユニット19Y,M,C,Kにも熱が伝わり、ベルト変形による画像不具合、及びトナーの固化等の不具合がより一層発生しやすくなる。
【0021】
そこで、発熱源である定着ユニット7と、定着ユニット7と近接して配置される中間転写ベルト15との間に断熱装置20を設けている。断熱装置20は、ダクトによる気流から成る場合も多いが、ここではヒートパイプを使った断熱装置について説明する。これは、主として受熱板21と、ヒートパイプ22と、放熱板23と、ダクト24及び図示しない排気ファンとで構成される。受熱部材である受熱板21は熱を吸収しやすい材料(例えば、アルミや銅などの金属)で形成され、発熱源である定着ユニット7と、その熱の影響から保護したい保護対象部である転写ユニット2との間に配置されている。伝熱手段(熱輸送手段)としてのヒートパイプ22は、受熱板21の下面に装着され、その一端部(下端部)側が受熱部となっている。ヒートパイプ22の他端側は放熱部であり、受熱部よりも高い位置で放熱板23に装着されている。放熱部材である放熱板23は、熱を放出しやすい材料で形成され、必要に応じてヒートシンクを設けても良い。ダクト24は本例では画像形成装置本体の前面から背面に延設され、そのダクト内部に放熱板23が位置するように設けられる。ダクト24の装置前面側端部には空気流入口が設けられ、背面側端部には排気口が有り、その排気口部には図示しない排気ファンが設けられている。このように構成された断熱装置20は、発熱部(本例では定着ユニット7)からの熱を受熱板21で受け、その熱が伝熱手段であるヒートパイプ22によって放熱部(放熱板23)まで輸送される。そして、ダクト24内にある放熱板23から熱が放出され、放出された熱は図示しない排気ファンにより機外に排出される。なお、排気ファンを設けず、自然冷却とすることも可能である。このように、定着熱の影響を遮断し、保護対象である画像形成ユニット1及び転写ユニット2を効果的に保護することにより、中間転写ベルト15の変形による色ズレ等の不具合や、トナー固化等による不具合の発生を未然に防止する。
【0022】
また、現像ユニット19Y,M,C,Kにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により現像ユニット内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により現像ユニット内を温度上昇させる。
【0023】
現像ユニット内の温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下してトナー付着量が増加し、所定の画像濃度が得られなくなる。また、温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、感光体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。また、印刷スピードの高速化により、現像ユニットが高温になりやすくなっている。
【0024】
そのため、現像ユニット19Y,M,C,Kは、高画像品質、高信頼達成のため非常に重要な冷却部位である。従来においては空冷ファンなどによって現像ユニット周辺に気流を発生させ温度上昇箇所である現像ユニット19Y,M,C,Kを空冷し、現像ユニット19Y,M,C,Kの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、小型化の要請に伴い、現像ユニットの周辺に流路形成するためのダクトを小さくする必要がある。ダクトが小さくなると、現像ユニットの周囲に流れ込む気体の流量が減り、十分に現像ユニットを冷却することができない。
【0025】
また、定着ユニット通過後の用紙は、100℃近くに熱せられ、この用紙に蓄積された熱が搬送途中で放出され、画像形成装置内部温度を上昇させる。特に、両面印刷を連続して行う場合、定着後の加熱された用紙が、両面ユニット5、給紙ユニット3、2次転写ニップ、搬送ベルト6を通っていくため、画像形成装置内部温度が上昇しやすい。よって、用紙を冷却するのが好ましいが、定着ユニット通過後の用紙は高温であるため、空冷装置では十分に用紙を冷却することができない。
【0026】
このため、本実施形態の画像形成装置においては、現像ユニットの冷却および用紙の冷却を液冷装置で行っている。
【0027】
図2は、液冷却装置の基本構成を示す図である。液冷装置11は、受熱手段としての受熱板12、冷却液が循環する循環パイプ13、搬送手段たるポンプ14、放熱手段たるラジエータ15aおよび冷却気流発生手段たる冷却ファン15bからなる冷却部15、リザーブタンク16を備えている。受熱板12は、熱伝導性の高い部材(例えば、アルミや銅などの金属)で形成されており、冷却される温度上昇箇所Aから熱を奪う冷却液が流動する流路が貼り付けまたは埋め込みにより形成されている。また、受熱板12自体が流路を形成する構成としても良い。受熱板12は、温度上昇箇所Aに熱的に接するように設置されている。なお、温度上昇箇所Aに熱的に接するとは、温度上昇箇所Aから発した熱と接触することを意味し、温度上昇箇所Aに接触するよう受熱板を設置してもよいし、温度上昇箇所Aから離れた位置に受熱板を設置してもよい。温度上昇箇所Aに熱的に接していれば、受熱板は温度上昇箇所Aから熱を受けることができる。受熱板12は、温度上昇箇所Aからの熱を受け、効率よく流路内の冷却液に伝達する。循環パイプ13は、熱を奪った冷却液を受熱板12から冷却部15へ移動させて冷却した後に再び受熱板12へ戻して、冷却液を受熱板12と冷却部15との間で循環させる管である。その使用場所により、適宜アルミ管、ゴムチューブ等を使用している。冷却部15では、循環経路13からの冷却媒体を内包する収容部(熱伝導率が高いアルミ等で構成)を介して冷却液を伝熱・放熱する放熱手段であるラジエータ15aを備え、放熱量に応じて冷却ファン15bによる強制空冷、または自然空冷がとられる。ポンプ14は冷却液を受熱板12と冷却部15とで循環させる駆動源であり、冷却液は図2中矢印のように循環させる。また、リザーブタンク16は冷却液保管用のタンクである。冷却液は、受熱板12で受けた熱をラジエータ15aまで輸送する熱輸送媒体であり、プロピレングリコール系不凍液等が用いられている。
【0028】
次に、現像ユニット19Y,M,C,Kを冷却する第1液冷装置11aについて説明する。
図3は、第1液冷装置11aの概略構成図である。この第1液冷装置11aは、温度上昇箇所である各現像ユニット19Y,M,C,Kに当接する4つの受熱板112Y、M、C,Kを有しており、これらが直列に連結されている。また、4つの冷却部115−1,115−2,115−3,115−4を備えている。冷却部は、一つでもよいし、4つ以上であっても構わない。また、冷却部毎に冷却ファンを設けているが、一つの冷却ファンで各冷却部のラジエータに外気を供給するよう構成してもよい。冷却部を複数備えることで各冷却部の冷却効率が低くても、全ての現像ユニット19Y,M,C,Kの温度上昇を良好に抑制することができる。その結果、ひとつの冷却部で全ての現像ユニット19Y,M,C,Kの温度上昇を抑制するものに比べて、放熱面積が小さく冷却効率のあまり高くない小型のラジエータを用いることができ、冷却部を小型化することが可能となる。また、図4に示すように、各受熱板112Y、M、C,Kを並列に連結してもよい。さらには、図5に示すように、冷却部を4つ設け、それぞれの冷却部を各現像ユニットに対応させ、冷却部で冷却された冷却液が、対応する現像ユニットに設けられた受熱板に流れるまでの間に、対応しない現像ユニットに設けられた受熱部に流れないように循環パイプを構成してもよい。図5に示すように構成することで、各受熱板には、受熱板の上流に設けられた対応する冷却部で冷却された冷却液を流すことができる。よって、受熱板には、対応する現像ユニットを冷やすのに必要な分だけ冷却された冷却液を流すことができ、現像ユニットが冷やされすぎるのを抑制することができ、現像ユニットに結露が生じるのを抑制することができる。
【0029】
本実施形態においては、各受熱板112Y、M、C,Kは、図1に示すように現像ユニットの下部に当接している。現像ユニットの下部に現像剤攪拌搬送部材が配置されているため、現像ユニットの下部が、現像剤攪拌部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により最も温度上昇する箇所である。このため、受熱板を現像ユニットの下部に当接させて現像ユニットの下部を積極的に冷やすことで、現像ユニットを効率よく冷却することができる。
【0030】
次に、定着ユニット通過後の用紙を冷却する第2液冷装置11bについて説明する。
図16は、第2液冷装置11bの概略構成図である。この第2液冷装置11bは、図1に示す排紙ユニット8の定着ユニット7近傍に設けられた第1搬送ローラ8aを受熱手段として利用する。また、この第2冷却装置11bも、第1冷却装置11a同様、4つの冷却部125−1〜125−4を備えている。第2液冷装置11bの冷却部も、第1液冷装置同様、一つでもよいし、4つ以上であっても構わない。また、冷却部毎に冷却ファンを設けているが、一つの冷却ファンで各冷却部のラジエータに気体を供給するよう構成してもよい。
図6(a)は、第1搬送ローラ8aの概略斜視図であり、(b)は、第1搬送ローラ8aの概略断面図である。搬送ローラ8aは、内部が中空管状であり、シール用のゴムリング80を介して非回転の循環パイプ13に回転可能に嵌合している。冷却液は矢印で示すように搬送ローラ8aの左側の端部(流体入口8N)から流入し、反対側の右側端部(流体出口8T)から流出する。搬送ローラ8aは回転するため、回転シール材であるゴムリング80によって回転可能にし、かつ、漏れを防止している。
定着ユニット通過後の用紙が搬送ローラ8aを通過する間に用紙の熱を受熱手段である搬送ローラ8aで奪い、温度上昇箇所である用紙は冷却される。
また、排紙ユニット8に設けられた第2搬送ローラ8bや、排紙ローラ8cを受熱手段として用いてもよい。また、第1搬送ローラ8a、第2搬送ローラ8b、排紙ローラ8cを直列や並列に連結して、複数のローラで用紙を冷却してもよい。
【0031】
また、第2液冷装置11bは、用紙冷却の他に用紙搬送機構たる排紙ユニット8の冷却を行ってもよい。例えば、排紙ユニット8の用紙搬送ガイド板8dに受熱板を貼り付けて、搬送ローラ8aと用紙搬送ガイド板8dに設けられた受熱板とを直列または並列に連結する。これにより、用紙の冷却と排紙ユニット8の冷却とを第2液冷装置11bで行うことができる。
また、第2液冷装置11bで、用紙搬送機構たる両面ユニット5の冷却も行ってもよい。この場合も、両面ユニット5に設けられた用紙搬送ガイド板などに受熱板を貼り付けて、搬送ローラ8aと両面ユニットに設けられた受熱板とを直列または並列に連結する。これにより、用紙の冷却と両面ユニット5の冷却とを第2液冷装置11bで行うことができる。
さらに、排紙ローラ8cから機外へ排紙された用紙が積載される用紙積載機構たる不図示の排紙トレイの冷却を第2液冷装置11bで行ってもよい。
また、第2液冷装置11bは、定着ユニット7の筐体を冷却してもよいし、断熱装置の受熱板22を冷却して、定着ユニット周辺を冷却してもよい。
すなわち、第2液冷装置11bは、定着ユニット7、定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構である排紙ユニット8や両面ユニット5、定着後の用紙が積載される用紙積載機構である不図示の排紙トレイ、定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するものである。
【0032】
上記した現像ユニット19Y,M,C,K、定着後の用紙、定着ユニット7、定着ユニット周辺、排紙ユニット8、両面ユニット5、排紙トレイのほかに、露光ユニット9なども冷却が必要である。露光ユニット9には、ポリゴンモータ92の発熱、ポリゴンモータ92を制御する不図示の制御基板に実装されたCPUの発熱、不図示のレーザーダイオードを画像データに基づいて制御する不図示の制御基板に実装されたCPUの発熱などがある。このため、露光ユニット9の冷却も必要である。露光ユニット9の周辺には、空冷のためのダクトを配置することのできるスペースが十分にあり、また、定着後の用紙ほど温度上昇していないため、安価な空冷装置で十分対応可能である。しかしながら、露光ユニット9を冷却するための空冷装置を設けた場合は、外気を取込むための空冷ファンや吸気口を備えた吸気ダクトなどを備える必要が生じ、ファン数増加による騒音の増加、消費電力の増加、部品点数の増加によるコストアップや装置の大型化などの不具合が生じる。
【0033】
通常、第1液冷装置11aのラジエータ115a−1〜115a−4は、それほど温度上昇していない。このため、冷却ファンによるラジエータ冷却後の気流は、それ程温度が上がっておらず、このラジエータ冷却後の気体を機外に捨ててしまうのは、非常に効率が悪く、無駄が多い。また、定着後の用紙の温度は、非常に高いため、用紙冷却後の第2液冷装置11bのラジエータの温度は、露光ユニット9冷却後の気体よりも温度が高い。このため、露光ユニット9冷却後の気体を用いても、第2液冷装置11bのラジエータの冷却を十分に行うことができる。
そこで、本実施形態においては、第1液冷装置11aのラジエータを通った後の気体で、露光ユニット9の熱を放熱する放熱手段を冷却し、放熱手段通過後の気体で第2液冷装置11bのラジエータを冷却している。
【0034】
図7は、画像形成装置の露光ユニット周辺の概略構成図である。なお、図中の下側が、装置手前側であり、図中上側が装置奥側である。
図に示すように、装置の図中右側(給紙側)には、第1液冷装置11aの4つの冷却部115−1〜115−4が配置されており、図中左側(排紙側)には、第2液冷装置11bの4つの冷却部125−1〜125−4が配置されている。露光ユニット9の手前側側面(図中下側側面)には、第2の温度上昇箇所たる4つの放熱フィン98K、98C、98M、98Yが配置されている。各放熱フィンは、各レーザーダイオードの発光を制御する制御基板に実装されたCPUに貼り付けられており、各CPUの熱を放熱している。また、装置手前側の第1液冷装置11aの第4冷却部115−4(4つの冷却部のうち、最下流の冷却部)と第2冷却装置11bの第1冷却部125−1(4つの冷却部のうち、最上流の冷却部)との間には、ダクト99が設けられており、ダクト99には、放熱フィン98K、98C、98M、98Yが貫通するための穴が4つ設けられており、各穴に放熱フィン98K、98C、98M、98Yが貫通している。
【0035】
第1液冷装置11aの4つの冷却部115−1〜115−4は、給紙側(図中右側)に配置して定着ユニットから離している。これにより、第1液冷装置11aの各冷却部のラジエータ115a−1〜115a−4が定着ユニット7の熱の影響を受けて、加熱されるおそれが少ない。また、第1液冷装置11aの4つの冷却部115−1〜115−4を、図中右側に配置することで、第1液冷装置11aの各冷却部のラジエータ115a−1〜115a−4が排紙トレイ上の熱の影響を受けるおそれが少ない。
【0036】
第1液冷装置11aの各冷却部115−1〜115−4は、外気を装置内へ取り込んで、外気でラジエータを冷却している。一方、第2液冷装置11bの各冷却部125−1〜125−4は、装置内から気体を取り込んで、装置内の気体でラジエータを冷却している。そして、第2液冷装置11bの各冷却部のラジエータ125a−1〜125a−4を冷やした気体は、外部へ排出される。また、第1液冷装置11aの第4冷却部の冷却ファン115b−4が取り込んだ外気は、ラジエータ115a−4を通過した後、ダクト99へと流入する。ダクト内に流入した気体は、ダクト内を図中右から左へ流れていきながら、各放熱フィン98K、98C、98M、98Yを強制空冷し、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1へ排出される。第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1へ排出された気体は、ラジエータ125a−1を強制空冷した後、装置外へ排気される。
【0037】
第1液冷装置11aの4つの冷却部115−1〜115−4のうち、冷却液移動方向最下流の第4冷却部115−4のラジエータ115a−4を通過した気体をダクト99に流すことで、次の利点を得ることができる。すなわち、第4冷却部のラジエータには、第4冷却部よりも上流の3つの冷却部115−1〜115−3で冷却された冷却液が流れ込むため、第4冷却部のラジエータの温度は、他の冷却部のラジエータよりも温度が低い。よって、この第4冷却部のラジエータを通過した気体は、他の冷却部のラジエータを通過後の気体温度よりも低い。よって、第4冷却部のラジエータを通過した気体をダクト99へ流すことで、他の冷却部のラジエータを通過した気体をダクト99へ流す場合に比べて、放熱フィンを良好に冷却することができ、露光ユニット9の冷却効率を高めることができる。
【0038】
また、ダクト99から排気された気体で、第2液冷装置11bの4つの冷却部125−1〜125−4のうち、冷却液移動方向最上流の第1冷却部125−1のラジエータ125a−1を冷やすことで、次の利点を得ることができる。すなわち、第1冷却部のラジエータ125a−1には、用紙の熱によって加熱された冷却液が流入するため、他の冷却部のラジエータ125a−2〜125a−4よりも温度が高い。一方、ダクト99から排気される気体は、放熱フィン98K、98C、98M、98Yによって加熱されるため、温度が高くなっている。このため、ダクト99から排気された気体を、第2液冷装置11bの4つの冷却部125−1〜125−4のうち、冷却液移動方向最上流の第1冷却部のラジエータ125a−1に当てることで、他の冷却部のラジエータ125a−2〜125a−4に当てるよりもラジエータと気体との温度差を大きくすることができる。これにより、他の冷却部のラジエータ125a−2〜4に当てるよりもダクト99から排気される気体で効率よくラジエータを冷やすことができる。
【0039】
図8は、ダクト内に流れる気体の温度推移および各温度上昇箇所の温度変化について説明するグラフである。なお、図8における現像ユニット温度は、Y色の現像ユニット19Yの温度である。また、図8における露光ユニット温度は、露光ユニット内部の温度である。また用紙温度は、搬送ローラ8a通過前と搬送ローラ8a通過直後との用紙温度である。また、放熱フィンの温度は、放熱フィン98K〜98Yの平均温度である。また、ラジエータの温度は、ラジエータを通過する冷却液の温度を測定することで計測した。具体的には、ラジエータの入口直前および出口直後にミスミ社製測定器を設置し、レコーダと接続することで、ラジエータ通過前後の液体温度を測定した。なお、放熱手段たるラジエータの温度は、ラジエータに入る冷却液温度とした。
ダクト内に流れる気体の温度推移は、次のように測定した。ダクト99内のラジエータ115a−4の気体移動方向上流と下流側、放熱フィン98Kの気体移動方向上流と放熱フィン98Yの下流側、ラジエータ125a−1の気体移動方向上流と下流側に石川産業社製熱電対を設置し、この熱電対をレコーダに接続することで、ラジエータ115a−4、放熱フィン98K〜98Yおよびラジエータ125a−1通過前後の気体の温度を測定した。
現像ユニット温度および露光ユニット温度は、所定期間第1液冷装置を駆動させずに印刷を行って、Y色の現像ユニット19Yおよび露光ユニット内部が十分高温になった後、所定期間第1液冷装置11aおよび第2液冷装置11bを駆動させて所定期間印刷を行なったときの温度変化である。また、気流温度は、上記温度変化測定時における温度推移を示すものである。また、上記においては、Y色の現像ユニット19Yの温度が所定期間内に目標温度45℃となるように各冷却部の冷却ファンの回転数を設定した。なお、図8に示す温度はあくまでも一例である。
【0040】
図8に示すように、上記温度変化測定時における第1液冷装置11aの第4冷却部115−4のラジエータ115a−4通過前後における冷却液の温度は37℃から34℃になっていた。また、第4冷却部のラジエータ115a−4通過前後の気体温度は、32℃から34℃に上昇していた。次に気体は、気体移動方向最上流側に配置されている放熱フィン98Kに流れるまでに、機内温度により多少温度が上がる。そして、ダクト内を流れながら4つの放熱フィン98K〜98Yの熱を奪い、放熱フィン98K〜98Y通過後の気体の温度は39℃まで上昇した。このとき、放熱フィン98K〜98Yの冷却前の平均温度は、45℃であり、第4冷却部のラジエータ115a−4通過後の気体温度(34℃)よりも十分高い。よって、第4冷却部のラジエータ115a−4通過後の気体でも、各放熱フィン98K〜98Yを良好に強制空冷することができる。その結果、露光ユニット内の内部温度を、70℃から50℃にまで下げることができ、露光ユニット9を十分に冷やすことができた。
【0041】
各放熱フィン98K〜98Yとの熱交換が行われ、39℃まで上昇した気体は、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1へ流れるまでに多少温度上昇する。そして、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1を通過すると、気体は、40℃から42℃にまで温度上昇した。このとき、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1の温度は、ラジエータの入口直前の冷却液温度である48℃であり、放熱フィン98Yの通過後の気体温度39℃よりも高い。よって、放熱フィン98Y通過後の気体でも、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1を良好に強制空冷することができる。その結果、用紙温度を、100℃から70℃にまで下げることができ、第3温度上昇箇所である用紙を十分に冷やすことができた。
【0042】
一方、気体の流れを逆した場合は、第2液冷装置の第1冷却部におけるラジエータ125a−1の温度:48℃、放熱フィン98K〜98Yの冷却前の平均温度:45℃、第1液冷装置の第4冷却部115−4におけるラジエータ125a−1の温度:37℃となり、空冷対象物の温度の高い順に気体を流すことになる。そのため、第2液冷装置の第1冷却部におけるラジエータ125a−1通過後の気体の温度が、放熱フィン98K〜98Yの温度よりも高くなり、放熱フィン98K〜98Yや第1液冷装置11aのラジエータ115a−4が逆に加熱されてしまい、温度上昇箇所である露光ユニット9や現像ユニット19Y〜19Kを冷却することができないおそれがある。よって、本実施形態のように、空冷対象物の温度の低い順に気体を流すことによって、現像ユニット19Y〜19K、露光ユニット9、用紙を良好に冷却することができる。
【0043】
本実施形態においては、第1液冷装置11aの冷却ファンで取り込んだ気体(外気)を露光ユニット9の放熱フィン98K〜98Yへ送りんで、この冷却ファンで取り入れた気体で放熱フィン98K〜98Yを冷却している。これにより、放熱フィン98K〜98Yを冷却するための空冷ファンを上記冷却ファンとは別に設けるものに比べて、ファンの数を削減することができ、装置の騒音を減少させることができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。また、ファンの数が減ることで、装置のコストダウンを図ることができる。また、ファンの数を削減できた分、装置を小型化することができる。また、放熱フィンを冷やすための気体を取込むための吸気口を備え、取り込んだ気体を放熱フィンへ流すとともに、放熱フィンによって加熱された気体を外気へ排気するためのダクトと、ラジエータを冷やすための気体を取込むための吸気口を備え、取り込んだ気体をラジエータへ流すとともに、ラジエータによって加熱された気体を外気へ排気するためのダクトとを共有化することができる。これにより、部品点数を削減することができ、装置の大型化、装置のコストアップを避けることができる。
【0044】
また、第1液冷装置11aのラジエータ115a−1〜115a−4が、定着ユニット7の熱的影響や不図示の排紙トレイ上の用紙の熱的影響を受けないよう、第1液冷装置11aのラジエータ115a−1〜115a−4を給紙側(図7中の右側)に配置することによって、第1液冷装置11aのラジエータ115a−1〜115a−4が、定着ユニット7の熱的影響や不図示の排紙トレイ上の用紙の熱的影響を受けて、温度上昇するのを抑制することができる。これにより、現像ユニット19Y〜19Kの冷却効率の低下を抑制することができる。また、第1液冷装置11aの第4冷却部のラジエータ115a−4通過後の気体の温度上昇を抑制することができ、放熱フィン、用紙の冷却効率の低下を抑制することができる。
【0045】
また、上記においては、第1液冷装置11aの第4冷却部の冷却ファン115b−4と第2液冷装置11bの第1冷却部の冷却ファン125b−1とを設けているが、いずれか一方のみでもよい。いずれか一方のみだけでも、外気が第1液冷装置11aの第4冷却部のラジエータ115a−4、放熱フィン98K〜98Y、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1を通って、排気させることができる。
【0046】
また、第1液冷装置11aの第1〜第3冷却部のラジエータ115a−1〜115a−3を冷却した気体も、あまり温度上昇していないので、そのまま排気せず、例えば、感光体を駆動するための駆動モータに流して、その他の温度上昇箇所である駆動モータを強制空冷するようにしたり、読取装置10へ流して読取装置10を強制空冷するようにしたりしてもよい。
【0047】
また、図9に示すように、放熱フィン98K〜98Y通過後の気体を第2液冷装置の第1冷却部のラジエータに通さずにそのまま装置外部へ排気する構成でもよい。また、図10に示すように、装置内に取り込んだ外気を第1液冷装置の第4冷却部のラジエータを通過させずに、直接放熱フィン98K〜98Yを冷却するよう構成してもよい。また、図11に示すように、第1液冷装置11aの第4冷却部のラジエータ115a−4を通過した後の気体を、放熱フィンを通さずに直接第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1へ流してもよい。この場合、第2液冷装置の第1冷却部のラジエータ125a−1が第2の温度上昇箇所に該当する。
【0048】
現像ユニットの温度が所定期間内に目標温度45℃となるように第1液冷装置11aの冷却ファン115b−1〜115b−4の回転数を設定しているが、設定した冷却ファンの回転数では、ダクト99に流れる気体の流量が多すぎる場合がある。ダクト99に流れる流量が多いと、放熱フィンの周辺で乱流が発生し、圧力損出により、ダクト内の気体の流速が低下する場合がある。気体の流速が低下すると、放熱フィン98K〜98Yや第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1を十分に冷やすことができず、露光ユニット9および用紙の冷却効率が低下してしまうおそれがある。
このため、図12に示すように、ダクト99の第1液冷装置の第4冷却部115−4とK色の放熱フィン98Kとの間に、流量調整手段たる流出バイパス99aを設けてもよい。このように流出バイパス99aを設けることで、ダクト99に流れる気体の流量が多いときは、一部が流出バイパス99aへ流れ、放熱フィン98K〜98Yへ流れる気体の流量が所定量に調整される。これにより、放熱フィン周辺で圧力損失が発生することなく、所定の流速で気体を流すことができる。その結果、放熱フィン98K〜98Yや第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1を良好に冷却することができ、露光ユニット9や用紙の冷却効率が低下するのを抑制することができる。
また、流出バイパス99aを、例えば、駆動モータなどの装置内の他の温度上昇箇所周辺にまで延ばして、装置内の他の温度上昇箇所を流出バイパス99aに流れ込んだ気体で空冷するようにしてもよい。このように構成することで、装置全体の冷却効率のアップに繋がる。
【0049】
また、放熱フィン98K〜98Yへ流れる気体の流量が所定量であっても、第2液冷装置11bの第1冷却部125−1に流れる流量としては、不十分であり、用紙を所定の温度にまで低下させることができない場合がある。このため、第2液冷装置11bの第1冷却部の冷却ファン125b−1の回転数を上げると、ダクト99に流れる流量が多くなり、上述同様、放熱フィンの周辺で圧力損失が起こり、さらに第2液冷装置の第1冷却部125−1に流れる流量が低下してしまうおそれがある。このため、図13に示すように、Y色の放熱フィン98Yと第2液冷装置11bとの間に流入バイパス99bを設けてもよい。これにより、第2液冷装置11b第1冷却部の冷却ファン125b−1の回転数を上げると、流入バイパス99bから気体が流入して、第2液冷装置11bの第1冷却部のラジエータ125a−1に流れる気体の流量が上がり、用紙を所定の温度にまで確実に低下させることができる。また、第2液冷装置11bの第1冷却部125−1へ流れる流量が上がっても、放熱フィン98K〜98Yへ流れる流量の増加を抑制することができ、放熱フィン周辺で圧力損失が起きることがなく、所定の流速で気体が放熱フィン98K〜98Yを通過し、露光ユニット9の冷却効率が低下するのを抑制することができる。この図13に示す構成の場合は、流入バイパスが流量調整手段となる。
【0050】
また、図14に示すように、ダクト99に流出バイパス99aと流入バイパス99bの両方を設けてもよい。このように構成することで、第1液冷装置11aの第4冷却部115−4に流れる流量が増しても、放熱フィン98K〜98Yへ流れる流量を一定することができる。また、第2液冷装置11bの第1冷却部125−1に流れる流量が増しても、放熱フィン98K〜98Yへ流れる流量を一定することができる。これにより、現像ユニット、露光ユニット、用紙いずれも所定の温度にまで確実に低下させることができる。この図14に示す構成の場合は、流入バイパスおよび流出バイパスが流量調整手段となる。
【0051】
また、本発明は、中間転写タンデム方式のカラー画像形成装置に限られない。例えば、図15に示すように、直接転写タンデム方式のカラー画像形成装置にも適用できる。
【0052】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱手段たるラジエータを冷却するために冷却気流発生手段たる冷却ファンによって取り込んだ気体が、第1の温度上昇箇所たる現像ユニットとは異なる第2の温度上昇箇所たる放熱フィンへ流れ込むよう構成した。これにより、放熱フィンを冷却するための空冷ファンを上記冷却ファンとは別に設けるものに比べて、ファンの数を削減することができ、装置の騒音を減少させることができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。また、ファンの数が減ることで、装置のコストダウンを図ることができる。また、外気を取り込んで放熱フィンに気体を流すためのダクトと、液冷装置のダクトとを共有化することができ、ダクト数を減らすことができ、装置のコストダウン、装置の小型化を図ることができる。
【0053】
また、放熱フィンの温度が、ラジエータの温度よりも高温となるものである場合、放熱フィンよりも冷却ファンによって取り込まれた気体の移動方向上流側にラジエータを配置する。これにより、ラジエータ通過後の気体の温度が、放熱フィンの温度よりも高温となることがない。よって、液冷装置が冷却する第1の温度上昇箇所と、放熱フィンとを良好に冷却することができる。
【0054】
また、放熱フィンの温度が、ラジエータの温度よりも低温となるものである場合、放熱フィンよりも冷却ファンによって取り込まれた気体の移動方向下流側にラジエータを配置する。これにより、放熱フィン通過後の気体の温度が、ラジエータの温度よりも高温となることがない。よって、液冷装置が冷却する第1の温度上昇箇所と、放熱フィンとを良好に冷却することができる。
【0055】
また、定着ユニットまたは定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構(排紙ユニット、両面ユニット)、定着後の用紙が積載される用紙積載機構(排紙トレイ)、定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するよう液冷装置を構成した。定着ユニットまたは定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構(排紙ユニット、両面ユニット)、定着後の用紙が積載される用紙積載機構(排紙トレイ)、定着後のうちの少なくとも一つ以上を冷却することで、装置内部が高温になるのを抑制することができる。これにより、中間転写ベルトの変形などを抑制することができ、高品位な画像を得ることができる。
【0056】
また、第2液冷装置を備え、第2液冷装置の第2放熱手段たるラジエータの温度が放熱フィンの温度より高温である構成であって、放熱フィン空冷後の気体を、第2液冷装置のラジエータへ流れるよう構成した。これにより、放熱フィン通過後の気体の温度が、第2冷却装置のラジエータの温度よりも高温となることがない。よって、第2液冷装置が冷却する第3の温度上昇箇所と、放熱フィンとを良好に冷却することができる。
【0057】
また、画像形成ユニット1を第1液冷装置で冷却することで、画像形成ユニット内のトナーが溶融したり、帯電量が低下したりすることが抑制され、高品位な画像を得ることができる。
【0058】
特に、画像ユニットの中で自己発熱してもっとも温度が上昇する現像ユニットを冷却することによって、効率よく画像形成ユニットを冷却することができる。また、装置の小型化によって現像ユニットの周辺が高密度化しても、受熱板や循環パイプを配置することができ、現像ユニットを冷却することができる。
【0059】
また、第1液冷装置のラジエータを定着ユニットの熱の影響を受けない位置に配置することで、第1液冷装置のラジエータが定着ユニットの熱で温度上昇するのを抑制することができ、第1の温度上昇箇所を良好に冷却することができる。また、第1液冷装置のラジエータ通過後の気体の温度上昇を抑制することができ、放熱フィンを効率よく冷却することができる。
【0060】
また、第1液冷装置のラジエータを排紙トレイに積載された用紙の熱の影響を受けない位置に配置することで、第1液冷装置のラジエータが排紙トレイ上の用紙の熱で温度上昇するのを抑制することができ、第1の温度上昇箇所を良好に冷却することができる。また、第1液冷装置のラジエータ通過後の気体の温度上昇を抑制することができ、放熱フィンを効率よく冷却することができる。
【0061】
また、ダクト99に放熱フィンへ流れる流量を調整するための流量調整手段を設けることによって、放熱フィンへ流れる流量を所定量に調整することができる。これにより、放熱フィンの周辺で圧力損失が発生し、ダクト内の気体の流速が低下するのを抑制することができ、放熱フィンを良好に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】液冷装置の基本構成を示す図。
【図3】第1液冷装置の概略構成図。
【図4】第1液冷装置の第1変形例の概略構成図。
【図5】第1液冷装置の第2変形例の概略構成図。
【図6】(a)は、第1搬送ローラの概略斜視図。(b)は、第1搬送ローラの概略断面図。
【図7】画像形成装置の露光ユニット周辺の概略構成図。
【図8】ダクト内に流れる気体の温度推移および各温度上昇箇所の温度変化について説明するグラフ。
【図9】気体が放熱フィン通過後、そのまま装置外部へ排気した構成を示す図。
【図10】装置内に取り込んだ外気を第1液冷装置のラジエータを通過させずに、直接放熱フィンを冷却する構成を示す図。
【図11】第1液冷装置のラジエータを通過した後の気体を直接第2液冷装置のラジエータへ流す構成を示す図。
【図12】ダクトに流出バイパスを設けた構成を示す図。
【図13】ダクトに流入バイパスを設けた構成を示す図。
【図14】ダクトに流入バイパスと流出バイパスとを設けた構成を示す図。
【図15】直接転写タンデム方式のカラー画像形成装置を示す図。
【図16】第2液冷装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0063】
1:画像形成ユニット
3:給紙ユニット
4:2次転写装置
7:定着ユニット
9:露光ユニット
10:読取装置
11a:第1液冷装置
11b:第2液冷装置
12,112:受熱板
13,113,123:循環パイプ
14,114,124:ポンプ
15,115,125:冷却部
15a,115a,125a:ラジエータ
15b,115b,125b:冷却ファン
16,116,126リザーブタンク
17:中間転写ベルト
18:感光体
19:現像ユニット
98:放熱フィン
99:ダクト
99a:流出バイパス
99b:流入バイパス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内の第1の温度上昇箇所に熱的に接するように設置された受熱手段と、
冷却液の熱を放出させる放熱手段と、
前記冷却液を前記受熱手段と前記放熱手段との間で循環させるための循環パイプと、
前記循環パイプ内の冷却液を搬送するための搬送手段と、
前記放熱手段を冷却するための気流を発生する冷却気流発生手段とを有する液冷装置を備えた画像形成装置において、
前記冷却気流発生手段によって取り込んだ気体が、第2の温度上昇箇所へ流れ込むよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記第2温度上昇箇所の温度が、前記放熱手段の温度よりも高温となるものであって、
前記第2温度上昇箇所よりも前記冷却気流発生手段によって取り込まれた気体の移動方向上流側に前記放熱手段を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
前記第2の温度上昇箇所が、前記放熱手段の温度よりも低温となるものであって、
前記第2の温度上昇箇所よりも前記冷却気流発生手段によって取り込まれた気体の移動方向下流側に前記放熱手段を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
定着ユニット、定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構、定着後の用紙が積載される用紙積載機構および定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するよう前記液冷装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2の画像形成装置において、
装置内の第3の温度上昇箇所に熱的に接するように設置された第2受熱手段と、
冷却液の熱を放出させる第2放熱手段と、
前記冷却液を前記第2受熱手段と前記第2放熱手段との間で循環させるための第2循環パイプと、
前記第2循環パイプ内の冷却液を搬送するための第2搬送手段とを有する第2液冷装置を備え、
前記第2放熱手段の温度が第2の温度上昇箇所の温度より高温である構成であって、
第2の温度上昇箇所空冷後の気体が、前記第2放熱手段へ流れ込むよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2または5の画像形成装置において、
前記第1の温度上昇箇所が、少なくとも像担持体および現像ユニットを備えた画像形成ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
前記第1の温度上昇箇所が、現像ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5または請求項5の構成を備えた請求項6、7の画像形成装置において、
定着ユニット、定着ユニット周辺、定着ユニット通過後の用紙を搬送する用紙搬送機構、定着後の用紙が積載される用紙積載機構および定着後の用紙のうちの少なくとも一つ以上を冷却するよう前記第2液冷装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項2、5、6、7または8の画像形成装置において、
前記放熱手段を定着ユニットの熱の影響を受けない位置に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
前記放熱手段を用紙積載機構に積載された用紙の熱の影響を受けない位置に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれかの画像形成装置において、
前記放熱手段冷却後の気体を、前記第2の温度上昇箇所へ流すためのダクトを設け、
該ダクトに前記第2の温度上昇箇所へ流れる流量を調整するための流量調整手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−128081(P2010−128081A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301013(P2008−301013)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】