説明

画像形成装置

【課題】良好な外観デザインを備えながら、騒音が響くのを抑制し、且つ内部冷却に必要な空気吸入量を十分確保でき、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、外装カバー30正面に設けた凹部32と、凹部32に設け、装置内部に対して開口した複数の連通口34と、複数の連通口34間を仕切る仕切り部35と、凹部32の正面側に、下辺の箇所に隙間33を設けて嵌合する部分カバー部材31と、部分カバー部材31下端、仕切り部35下端、及び凹部32内面で取り囲む形で形成され、隙間33を通して、部分カバー部材31の内部と外部との間で空気を流通させる通気口38とを備える。これにより、外観デザインを損なわないようにしながら、装置内部で発生する騒音が外部にまで響くのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタに代表される画像形成装置においては、ニップを形成するローラ対の少なくとも一方のローラに熱源を内蔵させ、この熱源によって加熱されたローラ対のニップに未定着トナー画像を担持した用紙を挿通することによって用紙にトナーを定着する熱ローラ定着方式が広く用いられている。また、定着装置の熱ローラの他にも、モータなどの駆動装置や電装部品、ローラの摺動部、軸受などといった、装置内部の温度上昇に係る様々な構成要素が設けられている。
【0003】
このような構成により、画像形成装置では、内部に熱がこもり易いので、これに起因する内部の温度上昇が、装置の運転に支障をきたすとして懸念されている。特に、昨今の画像形成装置においては高速化が推進されており、その内部の温度上昇が著しい。そして、感光体ドラム表面の静電潜像をトナー像に現像する現像装置周辺の温度上昇も深刻な問題となっている。現像装置周辺の温度が上昇すると、現像装置内のトナーが溶融して流動性が悪くなり、現像ローラ表面のトナーによる薄層形成に乱れが生じる可能性が高くなる。これにより、感光体ドラム表面のトナー像に悪影響が及び、用紙に形成される画像に不良が発生する恐れがある。
【0004】
また同様に、感光体ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニング装置においても、その温度上昇が懸念されている。クリーニング装置の温度が上昇すると、クリーニング装置内の廃棄トナーが溶融して流動性が悪くなり、廃棄トナー回収容器に対して円滑に廃棄トナーを送り出せなくなる可能性がある。これにより、クリーニング装置内に廃棄トナーが充満し、感光体ドラム表面からトナーを回収できなくなったり、廃棄トナーがクリーニング装置周辺に飛散したりする恐れがある。
【0005】
そこで、上記のような問題を解決すべく、画像形成装置内部の温度上昇を回避する様々な手法が提案され、その一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された画像形成装置の冷却構造では、画像形成装置のハウジング正面に吸気口を設け、この吸気口から装置内部に設けられたファンによって定着装置や画像形成部に空気を導き、これらを冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4184170号公報(第7頁、図3、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された画像形成装置では、ハウジング正面の上部であって、左右方向の略中央部に配置し、表面に社名や商品名等を表示したエンブレムとして機能するカバー部材の外縁部に設けた隙間から、ファンで吸引した空気を装置内部に導くことにより、装置内部の発熱箇所を効率良く冷却している。しかしながら、このカバー部材外縁部の比較的狭く、小さい隙間から吸気を行い、定着装置や画像形成部に対して空気の流通経路を分岐することにより、隙間及び分岐の箇所で乱気流による異音が発生する恐れがあるとともに、空気の吸入量が不十分になる可能性がある。そして、カバー部材外縁部の隙間は、カバー部材の上部にもあるので、ファンによる騒音がユーザーの耳に入り易く、且つ塵埃を吸い込み易くなることが懸念される。
【0008】
一方、十分な空気の吸入量を確保するために隙間(通気口)を大きくすると、ファンの騒音が大きくなるとともに、画像形成に係る内部駆動音も外部に響く恐れがある。また、隙間(通気口)の拡大は、画像形成装置正面の見栄えを悪くし、外観デザインに不利が作用する可能性もある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、良好な外観デザインを備えながら、装置正面側へ騒音が響くのを抑制し、且つ装置内部の冷却に必要な空気の吸入量を十分に確保することができ、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、画像形成装置において、外装カバー正面に設けられ、背面側に向かって窪んだ凹部と、この凹部に設けられ、装置内部に対して開口した複数の連通口と、この複数の連通口の間を仕切る仕切り部と、前記凹部に対応した形状で構成され、凹部の正面側に、下辺の箇所に隙間を設けて嵌合する部分カバー部材と、部分カバー部材下端、仕切り部下端、及び凹部内面で取り囲む形で形成され、前記隙間を通して、部分カバー部材の内部と外部との間で空気を流通させる通気口とを備えることとした。
【0011】
また、上記構成の画像形成装置において、前記仕切り部の正面側に設けられ、前記部分カバー部材の裏面との間に配置したシール部材を備えることとした。
【0012】
また、上記構成の画像形成装置において、前記凹部及び前記部分カバー部材は、外装カバー正面の左右方向の全域にわたって形成されていることとした。
【0013】
また、上記構成の画像形成装置において、前記部分カバー部材は、その表面に、特定の模様や記号等の装飾が形成されていることとした。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、画像形成装置が、外装カバー正面に設けられ、背面側に向かって窪んだ凹部と、この凹部に設けられ、装置内部に対して開口した複数の連通口と、この複数の連通口の間を仕切る仕切り部と、前記凹部に対応した形状で構成され、凹部の正面側に、下辺の箇所に隙間を設けて嵌合する部分カバー部材と、部分カバー部材下端、仕切り部下端、及び凹部内面で取り囲む形で形成され、前記隙間を通して、部分カバー部材の内部と外部との間で空気を流通させる通気口とを備えることとしたので、外観デザインを損なわないようにしながら、装置内部で発生する騒音が外部にまで響くのを抑制することができる。さらに、定着装置や画像形成部等に対応した複数の空気流通経路を確保することが可能である。したがって、良好な外観デザインを備えながら、装置正面側へ騒音が響くのを抑制し、且つ装置内部の冷却に必要な空気の吸入量を十分に確保することができ、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置を提供することができる。
【0015】
また、前記仕切り部の正面側に設けられ、前記部分カバー部材の裏面との間に配置したシール部材を備えることとしたので、仕切り部の正面側先端の箇所を、確実に部分カバー部材の裏面に当接させることができる。これにより、隣り合う連通口間の空気の流通を阻止する作用を一層高めることが可能である。したがって、気流を乱すことなく空気を流通させることができ、さらに静音性能、冷却性能が優れた画像形成装置を提供することができる。
【0016】
また、前記凹部及び前記部分カバー部材は、外装カバー正面の左右方向の全域にわたって形成されていることとしたので、より一層多くの通気口を形成することができ、多くの内部構成要素、領域を冷却可能な空気流通経路を確保することができる。さらに、応力が局部的な箇所に偏って発生することを阻止でき、外装カバーの剛性が低下するのを防止することが可能である。これにより、冷却性能が一層向上し、それに加えて外装カバーの強度を好適に維持することが可能な画像形成装置を得ることができる。
【0017】
また、前記部分カバー部材は、その表面に、特定の模様や記号等の装飾が形成されていることとしたので、社名や商品名等を好適な配置、色調、デザインでまとめることができ、画像形成装置全体としての外観デザインの美観を高めることが可能である。したがって、より一層良好な外観デザインを備えた、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の斜視図である。
【図3】図2に示す画像形成装置正面の外装カバーの前方やや下方から見た斜視図である。
【図4】図3の外装カバーの部分カバー部材を展開した状態を示す斜視図である。
【図5】図3の外装カバーの背面側から見た斜視図である。
【図6】図3の外装カバーの、部分カバー部材の箇所における水平断面を描画し、背面側下方から見た斜視図である。
【図7】図3の外装カバーの、部分カバー部材の箇所を示す部分水平断面上面図である。
【図8】図3の外装カバーの、部分カバー部材の箇所を示す部分垂直断面右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
【0020】
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の斜視図である。なお、図1において、実線矢印は用紙の搬送経路及び搬送方向を示す。また、図2では、画像形成装置本体上方の原稿送り部の描画を省略している。
【0021】
図1及び図2に示すように、画像形成装置1の本体2の下部には、カセット式給紙部20が配置されている。カセット式給紙部20には、通常の汎用給紙カセット21、及び大容量給紙カセット22が備えられている。汎用給紙カセット21は、同容量のものが上下方向に2個並べられている。大容量給紙カセット22は、同容量のものが水平方向に同じ高さで2個並べられている。これらの給紙カセットには、印刷前のカットペーパー等の用紙Pが積載して収容され、ここから1枚ずつ分離して用紙Pが送り出される。
【0022】
本体2の右側面上部の外部には、手差し給紙部3が備えられている。手差し給紙部3には、カセット式給紙部20に入っていないサイズの用紙や、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ手で送り込みたいものが載置される。
【0023】
画像形成装置1は、その内部に垂直搬送部4を備えている。垂直搬送部4は、カセット式給紙部20に関して言えば、その給紙方向である右方に位置し、手差し給紙部3に関して言えば、その左方に位置する。カセット式給紙部20から送り出された用紙Pは垂直搬送部4により本体2の側面に沿って垂直上方に、手差し給紙部3から送り出された用紙Pは略水平左方に搬送される。2個の大容量給紙カセット22のうち、左側の大容量給紙カセット22から送り出された用紙Pは、右側の大容量給紙カセット22のすぐ上方を略水平に右方に送られた後、本体2の側面に沿って垂直上方に搬送される。
【0024】
一方、図1に示すように、画像形成装置1の本体2の上面には原稿送り部5が、その下方には光学部6が備えられている。原稿送り部5の前方には、ユーザーが外部から表示を確認したり、ボタンを押して操作をしたりできる位置に操作パネル7が備えられている(図2参照)。ユーザーが原稿の複写を行う場合には、原稿送り部5に文字や図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載し、操作パネル7に印刷条件等を入力して印刷を開始する。原稿送り部5では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、光学部6によってその画像データが読み取られる。その後、光学部6は、レーザ光を、画像データに基づいて制御しながら画像形成部8に向かって照射する。
【0025】
垂直搬送部4の用紙搬送方向下流側であって、光学部6の下方には、図1に示すように、画像形成部8及び転写部9が備えられている。画像形成部8では、光学部6によって照射されたレーザ光により原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。画像形成部8で形成されたトナー像は、垂直搬送部4によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに、転写部9にて転写される。
【0026】
転写部9の下流側には、定着装置10が備えられている。転写部9にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着装置10へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0027】
定着装置10の下流側であって、本体2の左側面の近傍には、分岐部11が備えられている。定着装置10から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合、分岐部11から、画像形成装置1の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ12(図1参照)に排出される。
【0028】
画像形成部8から分岐部11にかけての部分の下方であって、カセット式給紙部20の上方には、両面印刷装置である両面印刷部13が備えられている。両面印刷を行う場合には、第一面の印刷が終了して定着装置10から排出された用紙Pが、分岐部11を通って両面印刷部13へと送られる。両面印刷部13へ送られた用紙Pは、続いて第二面の印刷のために搬送方向が切り替えられて本体2の右側に向かって送られ、再度垂直搬送部4を経て転写部9へと送られる。
【0029】
続いて、画像形成装置1の正面部分の詳細な構成を、図2に加えて、図3〜図8を用いて説明する。図3は画像形成装置正面の外装カバーの前方やや下方から見た斜視図、図4は外装カバーの部分カバー部材を展開した状態を示す斜視図、図5は外装カバーの背面側から見た斜視図、図6は外装カバーの、部分カバー部材の箇所における水平断面を描画し、背面側下方から見た斜視図、図7は外装カバーの、部分カバー部材の箇所を示す部分水平断面上面図、図8は外装カバーの、部分カバー部材の箇所を示す部分垂直断面右側面図である。なお、図7及び図8では、空気の流通方向及び流通経路を白抜き矢印で示している。
【0030】
図2に示すように、画像形成装置1の本体2には、正面部分の、大容量給紙カセット22の上方に外装カバー30が備えられている。外装カバー30は、正面から見て右端の箇所に設けられた開閉機構(図示せず)により本体2のフレーム(図示せず)に支持されている。外装カバー30は、その開閉機構の箇所を中心として水平面内で回動可能である。外装カバー30は本体2の正面に対して開閉自在であり、これを開放することによって画像形成装置1の内部構造を露出させることが可能である。ユーザーは、外装カバー30を開放して、トナーカートリッジ(図示せず)の交換や用紙ジャムの処理などを行う。
【0031】
外装カバー30の上部には、図2及び図3に示すように、部分カバー部材31が備えられている。部分カバー部材31は、正面から見て横方向に長く延びる長方形形状の平板で構成され、外装カバー30正面の左右方向の全域にわたって形成されている。また、部分カバー部材31は、外装カバー30正面に設けられた、図4に示す凹部32に対応した形状で構成され、凹部32の正面側に、下辺の箇所に隙間33を設けて嵌合する。そして、部分カバー部材31は、図5及び図8に示すように、その下端に形成された係合片31aと、上端に形成されたフック31bとを用いて、凹部32に対して着脱が自在である。
【0032】
なお、部分カバー部材31の表面には、模様や記号等を用いて、社名や商品名等の装飾が形成されている。
【0033】
凹部32は、図4に示すように、外装カバー30の正面に設けられ、背面側に向かって窪んだ形状で形成されている。凹部32は、部分カバー部材31同様、正面から見て横方向に長く延びる長方形形状をなし、外装カバー30正面の左右方向の全域にわたって形成されている。
【0034】
凹部32の内側であって、その背面側の箇所には、図5に示すように、連通口34が備えられている。連通口34は、横方向に並べて3箇所形成され、図5〜図7に示すように、凹部32の正面側から背面側に向かって貫通する形で、装置内部に対して開口されている。なお、3箇所の連通口34は各々、画像形成部8、定着装置10等の所定箇所を冷却すべく図示しないファンや通風ダクトに接続している。
【0035】
3箇所の連通口34各々の間、及び左右両端の連通口34のさらに両外側には、図4及び図6〜図8に示すように、仕切り部35及びシール部材36が備えられている。仕切り部35は、凹部32内側の背面側壁部から前方に向かって突出し、上下方向に延びる板状形状にして形成され、3箇所の連通口34の間を仕切るように配置されている。この仕切り部35と、部分カバー部材31裏面と、凹部32内面とで囲まれた空間が、3箇所の連通口34各々に対応したダクト部37として機能する。
【0036】
シール部材36は、スポンジなどの弾性材料で構成され、仕切り部35の正面側端部に設けられている。凹部32に部分カバー部材31を取り付けると、シール部材36は、部分カバー部材31裏面と仕切り部35先端との間で圧縮される形になり、隣り合う連通口34間の空気の流通を阻止することができる。
【0037】
図3、図7、及び図8に示すように、正面から見て隙間33の奥側の箇所であって、部分カバー部材31の下端に対応する箇所には、通気口38が備えられている。通気口38は、部分カバー部材31下端、仕切り部35下端、及び凹部32内面で取り囲む形で形成され、複数が設けられている。そして、通気口38は、隙間33を通して、部分カバー部材31の内部と外部との間で空気を流通させることができる。したがって、画像形成装置1は、通気口38の箇所から、3箇所のダクト部37及び連通口34を経由し、本体2内部に向かって複数の経路で空気を流通させることができる。
【0038】
上記のように、画像形成装置1が、外装カバー30正面に設けられ、背面側に向かって窪んだ凹部32と、この凹部32に設けられ、装置内部に対して開口した複数の連通口34と、この複数の連通口34の間を仕切る仕切り部35と、凹部32に対応した形状で構成され、凹部32の正面側に、下辺の箇所に隙間33を設けて嵌合する部分カバー部材31と、部分カバー部材31下端、仕切り部35下端、及び凹部32内面で取り囲む形で形成され、前記隙間33を通して、部分カバー部材31の内部と外部との間で空気を流通させる通気口38とを備えているので、外観デザインを損なわないようにしながら、装置内部で発生する騒音が外部にまで響くのを抑制することができる。さらに、定着装置10や画像形成部8等に対応した複数の空気流通経路を確保することが可能である。したがって、良好な外観デザインを備えながら、装置正面側へ騒音が響くのを抑制し、且つ装置内部の冷却に必要な空気の吸入量を十分に確保することができ、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置1を提供することができる。
【0039】
また、仕切り部35の正面側に設けられ、部分カバー部材31の裏面との間に配置したシール部材36を備えているので、仕切り部35の正面側先端の箇所を、確実に部分カバー部材31の裏面に当接させることができる。これにより、隣り合う連通口34間の空気の流通を阻止する作用を一層高めることが可能である。したがって、気流を乱すことなく空気を流通させることができ、さらに静音性能、冷却性能が優れた画像形成装置1を提供することができる。
【0040】
また、凹部32及び部分カバー部材31は、外装カバー30正面の左右方向の全域にわたって形成されているので、より一層多くの通気口38を形成することができ、多くの内部構成要素、領域を冷却可能な空気流通経路を確保することができる。さらに、応力が局部的な箇所に偏って発生することを阻止でき、外装カバー30の剛性が低下するのを防止することが可能である。これにより、冷却性能が一層向上し、それに加えて外装カバー30の強度を好適に維持することが可能な画像形成装置1を得ることができる。
【0041】
さらに、部分カバー部材31は、その表面に、特定の模様や記号等の装飾が形成されているので、社名や商品名等を好適な配置、色調、デザインでまとめることができ、画像形成装置1全体としての外観デザインの美観を高めることが可能である。したがって、より一層良好な外観デザインを備えた、静音性能、冷却性能に優れた画像形成装置1を提供することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0043】
例えば、外装カバー30正面に部分カバー部材31、凹部32などを備えた画像形成装置1は、上記実施形態ではブラックトナーのみを使用したモノクロ印刷用の画像形成装置であるが、このような機種に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを備え、複数色を重ね合わせて画像形成することが可能なタンデム方式、或いはロータリーラック方式のカラー印刷用画像形成装置であっても構わない。
【0044】
また、上記実施形態では、画像形成装置1の本体2内部に対して、通気口38から外部の空気を吸気することとしたが、通気口38から本体2内部の空気を排気することにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、画像形成装置全般において利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置
2 本体
8 画像形成部
10 定着装置
14 通風ダクト
30 外装カバー
31 部分カバー部材
32 凹部
33 隙間
34 連通口
35 仕切り部
36 シール部材
37 ダクト部
38 通気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装カバー正面に設けられ、背面側に向かって窪んだ凹部と、この凹部に設けられ、装置内部に対して開口した複数の連通口と、この複数の連通口の間を仕切る仕切り部と、前記凹部に対応した形状で構成され、凹部の正面側に、下辺の箇所に隙間を設けて嵌合する部分カバー部材と、部分カバー部材下端、仕切り部下端、及び凹部内面で取り囲む形で形成され、前記隙間を通して、部分カバー部材の内部と外部との間で空気を流通させる通気口とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記仕切り部の正面側に設けられ、前記部分カバー部材の裏面との間に配置したシール部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記凹部及び前記部分カバー部材は、外装カバー正面の左右方向の全域にわたって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記部分カバー部材は、その表面に、特定の模様や記号等の装飾が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−197447(P2010−197447A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38993(P2009−38993)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】