説明

画像形成装置

【課題】転写紙の巻付きを確実に検知する。
【解決手段】トナー像が形成される感光体と、前記感光体のトナー像を記録紙に転写する転写部と、前記転写部により前記感光体からトナー像が転写される記録紙と、前記感光体と前記転写部との間で前記記録紙を通過させるベルト状の搬送部と、前記転写部の下流側で前記搬送部により搬送される前記記録紙の有無を前記搬送部を介して検知する検知部と、前記検知部の検知結果を受けて給紙された記録紙が到達すべきタイミングに検知されない場合に前記感光体への巻付きと判断する制御部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式によって感光体に形成したトナー像を記録紙に転写して画像形成を行う画像形成装置に関し、該感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態の検知に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置では、回転する感光体ドラムや感光体ベルトの像担持体上にトナー像を形成し、形成されたトナー像を直接或いは間接に記録紙上に転写し、さらに定着して画像を形成することが行われている。
【0003】
ここで、感光体上のトナー像を記録紙に転写した後に、該記録紙が感光体に巻き付いてしまうことがある。
ここで、感光体の転写後には、クリーニング部により感光体上の不用トナーの除去が行われる。この際に、記録紙が感光体に巻き付いた場合には、記録紙がクリーニング部に巻き込まれてしまう。特に、記録紙の後端部分までがクリーニング部に入ってしまうと、該クリーニング部を分解しないと記録紙を取り出すことができない状態になる。
【0004】
そこで、記録紙が感光体に巻き付いた場合に速やかに検知できるよう、転写後の感光体を光学センサで検知することが行われている。これに近い技術が、以下の特許文献1と2とに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−327278号公報
【特許文献2】特許第3081473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献1では物品搬送コンベア上の物品の通過を、光センサあるいは超音波センサにより、光あるいは超音波を送信部から受信部に向けて送信し、送信部と受信部との間を物品が通過し、光あるいは超音波を遮断することにより、物品通過の検知がなされる。
【0007】
以上の特許文献2では紙葉分離装置において、紙葉の通過を、光センサあるいは超音波センサにより、光あるいは超音波を送信部から受信部に向けて送信し、送信部と受信部との間を紙葉が通過し、光あるいは超音波を遮断することにより、紙葉通過の検知や紙葉の厚みの検知がなされる。
【0008】
本願発明で想定する巻き付きの状態では、記録紙が感光体表面に貼り付いている状態である。このため、感光体に表面を光学センサで検知する必要がある。また、正しく検知するためには、なるべく感光体表面に近いところで検知を行う必要がある。
【0009】
たとえば、図9に示す画像形成装置の場合、感光体110で帯電・露光・現像により生成されたトナー像は転写分離部160にて記録紙pに転写される。その転写紙は、本来であれば、搬送ベルト153上を搬送されて定着部180に向かう。
【0010】
しかし、転写紙pが感光体110に巻き付いてしまって、クリーニング部170に向かうことがあるため、転写後であってクリーニング以前の感光体近傍領域にセンサ191を配置し、このセンサ191で感光体110の表面を光学的に監視している。
【0011】
この場合、このクリーニング部より前の段階では感光体表面や記録紙上には静電的に付着したトナーが存在しているため、トナー飛散が発生しやすい状況になっている。このため、センサの表面がトナーにより汚損されやすい環境になっている。ここで、光学センサの表面とは、撮像や受光を行う面であり、この面がトナーで汚損されてしまうと、正確な検知ができない状態に陥る。
【0012】
このような画像形成装置のトナー汚損しやすい環境において、該感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態について確実で適切に検知することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決する本願発明は、以下に述べる通りである。
(1)請求項1記載の発明は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体のトナー像を記録紙に転写する転写部と、前記転写部により前記感光体からトナー像が転写される記録紙と、前記感光体と前記転写部との間で前記記録紙を通過させるベルト状の搬送部と、前記転写部の下流側で前記搬送部により搬送される前記記録紙の有無を前記搬送部を介して検知する検知部と、前記検知部の検知結果を受けて給紙された記録紙が到達すべきタイミングに検知されない場合に前記感光体への巻付きと判断する制御部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
(2)請求項2記載の発明は、前記感光体の回転方向の前記転写部の下流側にクリーニング部を備え、前記記録紙が前記感光体に巻き付いた場合において前記記録紙の後端が前記クリーニング部に到達するタイミングより早いタイミングで、前記制御部が前記巻付きを検知できるよう、前記検知部の位置が定められる、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
【0015】
(3)請求項3記載の発明は、前記検知部は、前記搬送部の前記ベルト状の部材、あるいは、該搬送部に設けられた搬送ガイドを介して検知を行う、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置である。
【0016】
(4)請求項4記載の発明は、前記検知部は、超音波送信部と超音波受信部とを備えた反射型の超音波センサを備えて構成される、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【0017】
(5)請求項5記載の発明は、前記検知部は、記録紙の通過中心軸位置からいずれかオフセットされた位置に配置され、前記制御部は、前記記録紙の先端が前記検知部で検知される本来のタイミングと実際の検知タイミングとの時間差により、記録紙の傾きを判断する、ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
以上の発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)請求項1記載の発明では、ベルト状の搬送部が感光体と転写部との間で記録紙を通過させ、感光体に形成されたトナー像が転写部によって記録紙に転写される画像形成装置であって、転写部の下流側で搬送部により搬送される記録紙の有無を検知部が搬送部を介して検知しており、検知部の検知結果を受けて給紙された記録紙が到達すべきタイミングに検知されない場合には制御部が感光体への巻付きと判断する。
【0019】
この結果、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0020】
(2)請求項2記載の発明では、感光体の回転方向の転写部の下流側にクリーニング部を備え、記録紙が感光体に巻き付いた場合において記録紙の後端がクリーニング部に到達するタイミングより早いタイミングにて、転写部の下流側で搬送部により搬送される記録紙の有無を検知部が搬送部を介して検知しており、記録紙が感光体に巻き付いた場合であっても記録紙の後端がクリーニング部に到達することがなくなる。
【0021】
なお、この場合、記録紙の最小サイズでもタイミング的に問題なく検知できるような構成であってもよいし、記録紙のサイズに応じて検知のタイミングが調整される構成であってもよい。
【0022】
この結果、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することができ、記録紙が感光体に巻き付いた場合であっても記録紙の後端がクリーニング部に到達することがないためジャム処理が簡単に行える。
【0023】
(3)請求項3記載の発明では、上記(1)または(2)において、検知部は、搬送部のベルト状の部材、あるいは、該搬送部に設けられた搬送ガイドを介して検知を行う。この結果、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0024】
(4)請求項4記載の発明では、(1)−(3)において、検知部は、超音波送信部と超音波受信部とを備えた反射型の超音波センサを備えて構成されているため、搬送部の裏側から検知することになるため、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0025】
(5)請求項5記載の発明では、(1)−(4)において、記録紙の通過中心軸位置からいずれかオフセットされた位置に検知部が配置され、記録紙の先端が検知部で検知される本来のタイミングと実際の検知タイミングとの時間差により制御部が記録紙の傾きを判断する。これにより、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無や斜行)について確実で適切に検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図6】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】従来の画像形成装置の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置を実施するための形態(実施形態)を詳細に説明する。
〔画像形成装置100の構成〕
ここで、第一実施形態の電子写真方式の画像形成装置100の構成を、図1と図2とに基づいて詳細に説明する。なお、画像形成装置100として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0028】
本実施形態の画像形成装置100は、各部を制御する制御手段としてCPU(Central Processing Unit)等により構成された制御部101を有している。この制御部101は、インストールされているOS(Operating System)またはファームウェア等に基づいて、画像形成装置100の制御プログラムに従って、画像形成装置100を構成する各部を制御して、各種の演算処理を行うことによって、画像形成装置を統括的に制御する。なお、この実施形態においては、制御部101は、後述するセンサの検知結果を受けて、給紙された記録紙pが本来到達すべきタイミングに検知されない場合には、感光体への巻付きと判断する。
【0029】
また、この画像形成装置は、露光に応じた潜像が現像されてトナー像が形成される感光体110、感光体110を所定の回転数で回転させる感光体モータ110M、感光体110に所定の電圧で帯電をさせる帯電部120、感光体110に対して画像データに応じて露光して静電潜像を形成する露光部130、感光体110上に形成された静電潜像を現像してトナー像とする現像部140、記録紙pを所定の搬送速度で感光体110近傍を通過するよう搬送する搬送部150、搬送部150を所定の搬送速度で搬送させる搬送モータ150M、感光体110のトナー像を記録紙pに転写させる転写分離部160、感光体110において記録紙pに転写されずに残ったトナーを除去するクリーニング部170、トナー像が転写された状態の記録紙pに熱と圧力とを加えてトナー像を安定化(定着)させる定着部180、搬送部150の搬送ベルト上の記録紙pの存在を搬送ベルト下から検知するセンサ190、を備えて構成されている。
【0030】
なお、この図1では、感光体モータ110Mを駆動するモータ駆動回路、搬送モータ150Mを駆動するモータ駆動回路については、省略した状態で記載してある。従って、この実施形態では、制御部101の指示により、感光体モータ110Mや搬送モータ150Mが感光体110や搬送部150を所定の速度で駆動しており、制御部101の指示により停止状態になる。
【0031】
また、搬送部150は、搬送部の一端に配置されており搬送モータ150Mにより回転力が与えられる搬送ローラ151、搬送部の他端に配置された搬送ローラ152、搬送ローラ151と搬送ローラ152とに張掛されて記録紙pを搬送する搬送ベルト153とを備えて構成されている。
【0032】
図2はセンサ190の転写紙pの検知の様子を示す説明図である。ここで、センサ190は超音波センサ190Sで構成されており、送信部と受信部とを備えた反射型のセンサである。ここで、反射型のセンサとは、送信部と受信部とが一体、あるいは、近傍に配置されており、送信部からの超音波が対象物で反射されて、該反射超音波を受信部で受信する構成のセンサを言う。
【0033】
ここで、センサ190の送信部は所定の周波数で所定の振幅(パワー)の超音波を、搬送ベルト153の転写紙pが存在しない側から搬送ベルト153に向けて送信する。
ここで、記録紙pが搬送ベルト上に無い場合、送信された超音波の一部は搬送ベルト153を透過してしまうが、残余の成分は搬送ベルト153で反射されてセンサ190の受信部に到達する(図2(a))。
【0034】
また、記録紙pが搬送ベルト上に有る場合、搬送ベルト153で反射されてセンサ190の受信部に到達する成分と、送信された超音波の一部は搬送ベルト153を透過するものの記録紙pにて反射されてセンサ190の受信部に到達する成分とが存在する(図2(b))。
【0035】
すなわち、搬送ベルト153だけで記録紙pが存在しない場合と、搬送ベルト153上に記録紙pが存在する場合とで、センサ190の受信部で得られる受信信号の強度が変化する。したがって、この違いを判別することで、搬送ベルト153上の記録紙pの有無が検知できる。
【0036】
この場合、信号強度の変化については、受信信号の増幅率や閾値を調整し、記録紙pの有無が区別できるように調整することが望ましい。記録紙pの厚みや、温度、湿度、センサ190の経時変化、搬送ベルト153の材質や経時変化、などで、受信信号の強度の絶対値は変化することが予想される。このため、画像形成装置の電源オン後や、動作中の所定タイミング毎などに受信信号の増幅率の調整や閾値の設定を適宜行うことが望ましい。
【0037】
なお、この図1では、搬送ベルト153により記録紙pを水平方向に搬送する際に搬送ベルト153上の記録紙pの有無を搬送ベルト153下のセンサ190で検知する構成であるが、垂直方向に搬送する場合であっても搬送ベルト153を介してセンサ190により記録紙pの有無を検知するものであってもよい。
【0038】
また、センサ190を配置する位置について、図3を用いて説明する。従来の問題点として指摘もしたように、感光体110に巻き付いた記録紙pの全部がクリーニング部170の内部に入り込んでしまうと取り出すことが困難になる(図3(b))。また、記録紙pの後端の一部でもクリーニング部170に入り込んでいなければ、記録紙pをクリーニング部170から引き出すことが容易になる。
【0039】
ここで、感光体110の半径をR[mm]、
感光体110が搬送ベルト153と接する位置(=転写分離部160の位置)からクリーニング部170端部までの角度をθ[rad]、
感光体110が搬送ベルト153と接する位置(=転写分離部160の位置)からクリーニング部170端部までの感光体110の外周面上の距離をL[mm]、
使用する最小の記録紙の搬送方向長さをXmin[mm]とする。
【0040】
この場合に、感光体110が搬送ベルト153と接する位置(=転写分離部160の位置)から、下流側にセンサ190を配置する位置までの距離A[mm]は、
A[mm]=L[mm]+Xmin[mm]=R[mm]×θ+Xmin[mm]となる。
【0041】
したがって、このA以下の距離の位置にセンサ190を配置することで、記録紙pが感光体110に巻き付いた場合において記録紙pの後端がクリーニング部170に到達するタイミングより早いタイミングにて、転写分離部160の下流側で搬送部150により搬送される記録紙pの有無をセンサ190が搬送ベルト153を介して検知しており、記録紙pが感光体110に巻き付いた場合であっても記録紙pの後端がクリーニング部170に到達することがなくなる。
【0042】
〔実施形態の動作(1)〕
以下、図4のフローチャートを参照して実施形態の動作説明を行う。なお、以下の説明では記録紙の巻き付きに関連する部分を中心に説明し、画像形成の一般的な動作については説明を省略する。
【0043】
図示されない操作部や外部機器から画像形成の指示があった場合、制御部101は各部に画像形成の指示を与え、記録紙pを給紙トレイなどから取り出して搬送部150の搬送ベルト153上を搬送させる(図4中のステップS401)。この際、搬送モータ150Mを介して搬送部150は所定の搬送速度で記録紙pを搬送する状態に制御されている。
【0044】
なお、この際に記録紙pについて、記録紙pを所定の位置から所定のタイミングで送り出すタイミング合わせのためのレジストローラがオンになったときに(図4中のステップS402でYES)、制御部101はタイマをスタートさせ、計時を開始する(図4中のステップS403)。
【0045】
そして、レジストローラの位置からセンサ190の位置までの距離と搬送速度とから算出されるタイミングに(指定時間a)おいて、センサ190にて記録紙pが検知されるか否かを、制御部101が監視している。この所定のタイミング(指定時間a)において記録紙pが検知されない場合には(図4中のステップS404でNO、S408)、制御部101は感光体110への記録紙pの巻付きが発生したと判断する(図4中のステップS409)。そして、制御部101は、感光体モータ110Mや搬送モータ150Mを始め、画像形成装置100の各部を停止させ、異常が発生した旨の表示あるいは報知を行う。
【0046】
一方、記録紙pが所定タイミングで検知されれば(図4中のステップS404でYES)、タイマをクリアして(図4中のステップS406)、完了するまで画像形成を繰り返す(図4中のステップS405、S407よう、制御部101が各部を制御する)。画像形成が終了すれば(図4中のステップS407)、制御部101は各部に画像形成終了と動作停止とを命じる(図4中のステップS407)。
【0047】
この実施形態では、転写分離部160の下流側で搬送部150により搬送される記録紙pの有無をセンサ190が搬送ベルト153を介して検知しており、センサ190の検知結果を受けて、給紙された記録紙pが到達すべきタイミングに検知されない場合には制御部101が、感光体110への記録紙pの巻付きと判断する。
【0048】
この結果、センサ190がトナーで汚損されることなく、感光体110近傍を通過する記録紙pの搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0049】
また、感光体110の回転方向の転写分離部160の下流側にクリーニング部170を備え、記録紙pが感光体110に巻き付いた場合において記録紙pの後端がクリーニング部170に到達するタイミングより早いタイミングにて、転写分離部160の下流側で搬送部150により搬送される記録紙pの有無をセンサ190が搬送ベルト153を介して検知しており、記録紙pが感光体110に巻き付いた場合であっても記録紙pの後端がクリーニング部170に到達することがなくなる。この結果、センサ190がトナーで汚損されることなく、感光体110近傍を通過する記録紙pの搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することができ、記録紙pが感光体110に巻き付いた場合であっても記録紙pの後端がクリーニング部に到達することがないためジャム処理が簡単に行える。
【0050】
また、センサ190は、搬送部150のベルト状の部材(搬送ベルト153)、あるいは、該搬送部150に設けられた搬送ガイド155(図5参照)を介して検知を行う。この結果、センサ190がトナーで汚損されることなく、感光体110近傍を通過する記録紙pの搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0051】
また、センサ190は、超音波送信部と超音波受信部とを備えた反射型の超音波センサ190Sを備えて構成されているため、搬送ベルト153の裏側から検知することになるため、センサ190がトナーで汚損されることなく、感光体110近傍を通過する記録紙pの搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0052】
また、以上の実施形態では搬送ベルト153を介しての記録紙pの検知であったが、これに限定されるものではない。たとえば、図6のように、カラー画像形成装置において各感光体で形成されたトナー像を重ね合わせる中間転写ベルト115を用いる場合には、該中間転写ベルト115の外側の転写分離部160以降に転写紙pが巻き付く可能性があるため、該中間転写ベルト115の内側からセンサ190によって検知を行えばよい。
【0053】
図7は搬送ベルト153上の転写紙pの様子を示す斜視図である。この場合、記録紙pの通過中心軸(一点鎖線)位置からいずれかオフセットされた端部に近い位置にセンサ190が配置されている。そして、記録紙pの先端がセンサ190で検知される本来のタイミングと実際の検知タイミングとの時間差により、制御部101が記録紙pの傾き(斜行:図7の転写紙pの二点鎖線)の有無を判断する。これにより、検知部がトナーで汚損されることなく、感光体近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無や斜行)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0054】
このような斜行検知を行う場合の動作を図8のフローチャートに示す。なお、図4と同一ステップに関しては同一ステップ番号を付し、重複説明を省略する。
図示されない操作部や外部機器から画像形成の指示があった場合、制御部101は各部に画像形成の指示を与え、記録紙pを給紙トレイなどから取り出して搬送部150の搬送ベルト153上を搬送させる(図4中のステップS401)。この際、搬送モータ150Mを介して搬送部150は所定の搬送速度で記録紙pを搬送する状態に制御されている。
【0055】
なお、この際に記録紙pについて、記録紙pを所定の位置から所定のタイミングで送り出すタイミング合わせのためのレジストローラがオンになったときに(図4中のステップS402でYES)、制御部101はタイマをスタートさせ、計時を開始する(図4中のステップS403)。
【0056】
そして、レジストローラの位置からセンサ190の位置までの距離と搬送速度とから算出されるタイミングに(指定時間a)おいて、センサ190にて記録紙pが検知されるか否かを、制御部101が監視している。
【0057】
この所定のタイミング(指定時間a)において記録紙pが検知されない場合には(図8中のステップS404でNO、S408)、制御部101は感光体110への記録紙pの巻付きが発生したと判断する(図8中のステップS409)。そして、制御部101は、画像形成装置100の各部を停止させ、異常が発生した旨の表示あるいは報知を行う。
【0058】
なお、この場合の指定時間aについては、斜行検知と区別するため、斜行により変化する時間範囲を超えた値に設定しておく。
以上の所定のタイミング(指定時間a)未満で記録紙pが検知された場合(図8中のステップS404でYES、S408)であっても、斜行で変化しうるタイミング(指定時間b以下、指定時間c以上)で記録紙pが検知された場合には(図8中のステップS412でNO、S413でNO)、制御部101は感光体110への記録紙pの斜行が発生したと判断する(図8中のステップS414)。そして、制御部101は、異常が発生した旨の表示あるいは報知などの斜行時の所定の処理を行う(図8中のステップS415)。
【0059】
このように、記録紙pの通過中心軸位置からいずれかオフセットされた位置にセンサ190が配置され、記録紙pの先端がセンサ190で検知される本来のタイミングと実際の検知タイミングとの時間差により制御部101が記録紙pの傾き(斜行)を判断する。これにより、センサ190がトナーで汚損されることなく、感光体110近傍を通過する記録紙の搬送状態(感光体への記録紙の巻付きの有無や斜行)について確実で適切に検知することが可能になる。
【0060】
〔その他の実施形態〕
なお、以上の実施形態では、センサ190として反射型の超音波センサ190Sを用いた例を説明してきたが、このような反射型の超音波センサに限定されるものではない。たとえば、搬送ベルト153を挟むように送信部と受信部とが別体に構成された透過型の超音波センサを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 画像形成装置
101 制御部
110 感光体
120 帯電部
130 露光部
140 現像部
150 搬送部
153 搬送ベルト
160 転写分離部
170 クリーニング部
180 定着部
190 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される感光体と、
前記感光体のトナー像を記録紙に転写する転写部と、
前記転写部により前記感光体からトナー像が転写される記録紙と、
前記感光体と前記転写部との間で前記記録紙を通過させるベルト状の搬送部と、
前記転写部の下流側で前記搬送部により搬送される前記記録紙の有無を前記搬送部を介して検知する検知部と、
前記検知部の検知結果を受けて給紙された記録紙が到達すべきタイミングに検知されない場合に前記感光体への巻付きと判断する制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体の回転方向の前記転写部の下流側にクリーニング部を備え、
前記記録紙が前記感光体に巻き付いた場合において前記記録紙の後端が前記クリーニング部に到達するタイミングより早いタイミングで、前記制御部が前記巻付きを検知できるよう、前記検知部の位置が定められる、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記搬送部の前記ベルト状の部材、あるいは、該搬送部に設けられた搬送ガイドを介して検知を行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知部は、超音波送信部と超音波受信部とを備えた反射型の超音波センサを備えて構成される、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知部は、記録紙の通過中心軸位置からいずれかオフセットされた位置に配置され、
前記制御部は、前記記録紙の先端が前記検知部で検知される本来のタイミングと実際の検知タイミングとの時間差により、記録紙の傾きを判断する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−249868(P2010−249868A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96051(P2009−96051)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】