画像形成装置
【課題】媒体と媒体に記録される画像とのズレを低減すること。
【解決手段】画像が記録される媒体(S)を搬送する媒体搬送部材(Rr)と、媒体が搬出される搬出口(Rr1)と、を有する媒体搬送ユニット(31)と、前記搬出口(Rr1)側に配置された画像記録領域(Q5)において、前記媒体搬送ユニット(31)から搬送された媒体(S)に画像を記録する画像記録装置(UY〜UK+B)を有する画像記録ユニット(1)と、媒体搬送ユニット(31)の搬出口(Rr1)側に配置され且つ搬送される媒体(S)の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部(38)および第2の支持部(39)と、媒体搬送ユニット(31)の搬出口(Rr1)とは反対側に配置された第3の支持部(48)と、を有し、画像記録ユニット(1)を支持する記録ユニット支持部(39+39+48)と、を備えた画像形成装置(U)。
【解決手段】画像が記録される媒体(S)を搬送する媒体搬送部材(Rr)と、媒体が搬出される搬出口(Rr1)と、を有する媒体搬送ユニット(31)と、前記搬出口(Rr1)側に配置された画像記録領域(Q5)において、前記媒体搬送ユニット(31)から搬送された媒体(S)に画像を記録する画像記録装置(UY〜UK+B)を有する画像記録ユニット(1)と、媒体搬送ユニット(31)の搬出口(Rr1)側に配置され且つ搬送される媒体(S)の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部(38)および第2の支持部(39)と、媒体搬送ユニット(31)の搬出口(Rr1)とは反対側に配置された第3の支持部(48)と、を有し、画像記録ユニット(1)を支持する記録ユニット支持部(39+39+48)と、を備えた画像形成装置(U)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、床面の凹凸等に伴う装置の歪みにより、画質が低下する等の問題を解決するための技術として、以下の特許文献1〜5に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2000−310930号公報には、給送ローラ(11)、リタードローラ対(12)、搬送ローラ対(13)、レジストローラ対(14)、中間転写ベルト(16)、二次転写ローラ(17)、定着器(15)および排出ローラ対(19a、19b)がベースユニット(2)に設けられ、4つの感光体ドラム(31)、帯電手段(32)、現像手段(33)、クリーニング手段(34)および光学走査系(18Y,18M,18C,18Bk)を有するコアユニット(1)が、ベースユニット(2)に対して、3カ所の筐体受け部材(4a,4b,4c)で支持されることで、設置面の凹凸によるベースユニット(2)の歪みを、光学走査系(18Y〜18Bk)や感光体ドラム等に影響させないようにする技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献1には、中間転写ベルト(16)、二次転写ローラ(17)およびレジストローラ対(14)もコアユニット(1)に設ける構成も記載されている。この構成では、筐体受け部材(4a,4b,4c)の二点で支持される筐体支持部材(3a)の側で、ベースユニット(2)からの記録シートが搬入されており、レジストローラ対(14)や二次転写ローラ(17)の二次転写領域は、筐体支持部材(3a,3b)の両方から離れた位置に配置されている。
さらに、特許文献1には、1つの感光体ドラム(30)と、1つの光学走査系(18)と、1つの中間転写ベルト(36)と、二次転写ローラ(37)、レジストローラ対(14)と、回転式、いわゆるロータリ式の現像ユニット(35)とをコアユニット(1)に設ける構成も記載されている。
【0005】
特許文献2としての特開2003−186372号公報には、画像形成装置が本体フレーム(51)を有し、感光体ドラム(20)、帯電装置(21)、クリーニング装置(27)、中間転写ベルト(30)、ベルトクリーニング装置(36)を有する作像ユニット(61)の係合軸(67,68)が、本体フレーム(51)の前後一対の壁に形成された被係合溝(52,53)に支持され、作像ユニット(61)の係合片(69)が本体フレーム(51)の側壁に形成された被係合凹部(54)に支持される構成が記載されている。
【0006】
特許文献3としての特開平10−194506号公報には、カラー複写機(1)が装置本体フレーム(2)を有し、無端ベルト(4)を有するベルトユニット(3)が、第1支持部(12)、第2支持部(14)および第3支持部(17)の3点で、装置本体フレーム(2)に支持される技術が記載されている。
特許文献4としての特開平10−104998号公報には、画像形成装置(100)が、フレームとして、前側の本体側板(42)と後側の本体側板(43)とを有し、無端のベルト(3)を有するベルトユニット装置(20)が、3つのピン(37,38,39)により、本体側板(42,43)に3点で位置決めされた状態で支持される技術が記載されている。
【0007】
特許文献5としての特開2007−226007号公報には、感光体ドラム(52)等を支持する感光体ユニット(50)と、現像装置(42)を有する現像ユニット(40)と、中間転写体(62)等を支持する転写ユニット(60)と、を有する作像ユニット(30)を備えた画像形成装置において、作像ユニット(30)を収容する画像形成装置のフレームとしての収容部(10a)に、3カ所の支持脚(41b,51b)と係合穴(10d)で支持する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−310930号公報(「0018」〜「0022」、「0025」、「0027」、図2、図4、図7〜図10)
【特許文献2】特開2003−186372号公報(「0027」〜「0028」、図3〜図7)
【特許文献3】特開平10−194506号公報(「0014」〜「0018」、図1〜図3)
【特許文献4】特開平10−104998号公報(「0043」〜「0048」、図1、図2)
【特許文献5】特開2007−226007号公報(「0015」〜「0016」、「0030」〜「0042」、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、媒体と、媒体に記録される画像とのズレを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
画像が記録される媒体を搬送する媒体搬送部材と、前記媒体が搬出される搬出口と、を有する媒体搬送ユニットと、
前記搬出口側に配置された画像記録領域において、前記媒体搬送ユニットから搬送された媒体に画像を記録する画像記録装置を有する画像記録ユニットと、
前記画像記録ユニットにおける前記搬出口側に配置され且つ搬送される媒体の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部および第2の支持部と、前記画像記録ユニットにおける前記搬出口とは反対側に配置された第3の支持部と、を有し、少なくとも前記第1の支持部および前記第2の支持部が前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に支持されるとともに、前記媒体を使用する使用者に対して前記画像記録ユニットが前記媒体搬送ユニットに対して着脱不能に支持される記録ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像記録領域に媒体を搬送する時期を調整する時期調整部材により構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
表面に像を保持して回転する像保持体と、無端帯状体により構成され且つ前記像保持体表面の像が転写されると共に前記画像形成領域において前記像保持体から転写された像が媒体に転写される中間転写体と、前記像保持体表面の像を前記中間転写体に転写する一次転写器と、を有する前記画像記録ユニット、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記画像記録ユニットは、側壁を有し、前記側壁により、前記像保持体、前記中間転写体、および前記像保持体に潜像を形成する潜像形成装置が支持されたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の画像形成装置において、
前記媒体に転写された像を定着する定着装置を有する定着ユニットと、
前記画像記録ユニットの前記画像記録領域側に設けられ、前記定着ユニットを支持する定着ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に設けられ、前記画像記録ユニットを位置決めし且つ回転可能に支持する位置決め部材、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記位置決め部材に支持され、且つ、前記画像記録ユニットに支持された第1の回転伝達部材と、前記媒体搬送ユニットに支持された第2の回転伝達部材と、に接続されて回転を伝達する中間伝達部材、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットの前記媒体の幅方向略中央に設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットに対して水平方向から締結される締結構造を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記媒体搬送ユニットに支持され、且つ、画像形成装置の外表面を構成する外装部材、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記外装部材は、複数の外装部材から構成され、
前記外装部材が、複数の外装部材どうしを固定する外装間固定部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、媒体と、媒体に記録される画像とのズレを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、時期調整部材から搬送された媒体と画像記録領域との位置ズレを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、3カ所で固定しない場合に比べて、画像記録ユニットの歪みを低減でき、無端帯状体の片寄りや蛇行を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、潜像形成装置が画像記録ユニットに支持されていない構成に比べて、画像のズレを低減することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、定着ユニットが画像記録ユニットに支持されていない場合に比べて、定着ユニットと画像記録領域との位置ズレを低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、第1および第2の支持部側を中心として、画像記録ユニットを回転可能に支持することができ、第3の支持部に画像記録ユニットを位置決めするのが容易になる。
請求項7に記載の発明によれば、中間伝達部材と第1の回転伝達部材との間の駆動反力で画像記録ユニットに歪みが発生することを抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、第3の支持部が媒体の幅方向端部で記録ユニット支持部を支持する場合に比べて、画像記録ユニットの媒体幅方向の歪みを許容でき、媒体搬送ユニットの歪みに倣って変形させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、画像記録ユニットのねじれを低減することができる。
請求項10に記載の発明によれば、外装部材に外力が作用した場合の悪影響を画像記録ユニットに与えることを防止できる。
請求項11に記載の発明によれば、複数の外装部材を画像記録ユニットに固定することなく、互いに固定させることができ、外装部材全体で剛性を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像記録ユニットのユニット本体部分の要部説明図である。
【図3】図3は図2に示すユニット本体部分に駆動ユニットが取り付けられた状態の説明図である。
【図4】図4は図3に示す状態に回路基板等が取り付けられた状態の説明図である。
【図5】図5は定着ユニット支持部の要部拡大図であり、図5Aは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着される途中の状態の説明図、図5Bは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着された状態の説明図である。
【図6】図6は、実施例1の第2のユニットの一例としての媒体搬送ユニットの要部斜視説明図である。
【図7】図7は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットとが連結された状態の説明図である。
【図8】図8は第1の固定部の要部説明図である。
【図9】図9は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットが連結された状態で、右斜め後方から見た斜視図である。
【図10】図10は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め後方から見た斜視図である。
【図11】図11は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め前方から見た斜視図である。
【図12】図12は、画像記録ユニットが歪んだ影響の説明図であり、図12Aは2点支持側に搬出口側に画像記録領域が配置されている実施例1の場合の説明図、図12Bは2点支持側および搬出口から離れた位置に画像記録領域が配置された従来の場合の説明図である。
【図13】図13は実施例1の画像記録ユニットの固定方向と許容される歪みとの関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0026】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の画像形成装置の実施例1のプリンタUは、上端部に媒体の一例としてのシートSが排出される排出部の一例としての排出トレイTRhが設けられている。排出トレイTRhの下方には、各種制御回路や記憶媒体等が配列された制御基板SCが配置されている。前記制御基板SCには、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、潜像形成装置駆動回路DL、および電源装置の一例としての電源回路E等が設けられている。電源回路Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0027】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPC等から入力された印刷情報を、イエロー、マゼンタ、シアン、黒、すなわち、Y,M,C,Kの4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒色のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0028】
プリンタUの中央下部には、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。図4において、黒色、すなわち、K色の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、感光体表面Pkを帯電させる帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に構成されている。
【0029】
前記感光体Py〜Pkは、帯電ロールCRy〜CRkと対向する帯電領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kで帯電ロールCRy〜CRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kでLEDヘッドLHy〜LHkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gy〜Gkと対向する現像領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいてトナー像に現像される。現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kに搬送される。実施例1の中間転写ベルトBは、無端帯状体、いわゆるベルト状の部材により構成されており、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdと、従動部材の一例であり且つ二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、各感光体Py〜Pkに対向して配置された前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、からなる中間転写支持系により回転可能に支持されている。なお、中間転写体は、ベルト形状に限定されず、ドラム状等、従来公知の形態を採用することが可能である。
【0030】
前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。
【0031】
1次転写後の感光体Py,Pm,Pc,Pk表面の転写残トナーや放電生成物等の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された感光体Py,Pm,Pc,Pk表面は、帯電ローラCRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。なお、前記感光体クリーナCLy〜CLkで除去しきれず、帯電ローラCRy〜CRkに付着した残留物等は、前記帯電ローラCRy〜CRkに接触して配置された帯電器清掃部材の一例としての帯電器クリーナCCy,CCm,CCc,CCkによりクリーニングされる。
【0032】
前記中間転写ベルトBの後側上部には、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。前記ベルトクリーナCLbは、清掃容器CLb1と、清掃容器CLb1に支持され且つ中間転写ベルトBに接触して中間転写ベルトB表面に残留した残留物を除去して清掃する清掃部材の一例としてのベルト用クリーニングブレードCLb2と、ベルト用クリーニングブレードCLb2で除去された残留物が飛散、漏出することを防止するための漏出防止部材の一例としてのフィルムCLb3と、前記清掃容器CLb1内に配置され且つ除去された残留物を搬送して排出する残留物搬送部材CLb4とを有する。なお、実施例1の清掃容器CLb1は、黒色の感光体クリーナCLkの上方に対応する位置に配置されている。
【0033】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して、二次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aおよび二次転写ロールT2bにより、実施例1の二次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域により、画像記録領域の一例としての2次転写領域Q5が形成される。
前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kで1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q5に搬送される。
前記可視像形成装置UY〜UKおよび中間転写ベルトB等により、記録シートSに記録される画像を形成する画像記録装置UY〜UK+Bが構成されている。
【0034】
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写装置T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
なお、図1に示すように、実施例1の中間転写ベルトBは、1次転写領域Q1y〜Q1kが水平面に対して、後側に行くに連れて下方に傾斜した状態で配置されており、これに対応して、可視像形成装置UY〜UKもベルト回転方向下流側に行くに連れて、重力方向下方にずれた位置に配置されている。
【0035】
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1が設けられている。前記給紙トレイTR1は、下壁の一例としての底壁TR1aと、前記底壁TR1aの後端から上方に延びる後端壁TR1bと、底壁TR1aの上方に対向して配置された上壁TR1cとを有する。前記給紙トレイTR1の前端部には、新たな記録シートSを補充するための補充口TR1dが形成されている。前記上壁TR1cの前端部は、補充口TR1dの外側、すなわち、前側に行くに連れて上方に傾斜して形成されている。したがって、前記補充口TR1dは、前側に行くほど上壁TR1cと底壁TR1aとの間隔が広くなり、補充口TR1dが前側に行くほど広くなるように形成されている。
【0036】
前記底壁TR1a上には、回転中心PL1aを中心として回転可能に支持され且つシートSが積載されて、シートSを昇降させる媒体積載部の一例としての昇降プレートPL1が配置されている。前記昇降プレートPL1の後端部には、昇降プレートPL1の後端部を上方に付勢する付勢部材の一例としての昇降バネPL2が配置されている。前記昇降プレートPL1は、画像形成が行われていない場合は、左右両端部に配置された偏心カム状の押下げ部材PL3により昇降プレートPL1が底壁TR1aに平行な状態に保持される下降位置に移動する。そして、画像形成が行われている間は、押下げ部材PL3が回転して昇降バネPL2により昇降プレートPL1が上昇した図1に示す上昇位置との間で移動可能に支持されている。
したがって、補充口開閉部材の一例としての補充口カバーU2が開放されると、補充口TR1dが開放されて、後端壁TR1bに突き当たるまで新たな記録シートSの束を挿入して、下降位置の昇降プレートPL1上に積載された状態で収容される。
【0037】
前記上壁TR1cの後方には、媒体搬送部材の一例であって、送出部材の一例としての給紙ロールRpが配置されている。前記給紙ロールRpは、前記昇降プレートPL1が上昇位置に移動した状態で、積載された記録シートSの束の最上面の記録シートSが昇降バネPL2のバネ力で押し当てられる位置に配置されている。前記後端壁TR1bの上方には、捌き部材の一例としてリタードロールRsが配置されている。
前記給紙トレイTR1に積載された記録シートSは、給紙ロールRpにより送り出され、前記リタードロールRsと給紙ロールRpとの接触領域で1枚ずつ分離されて捌かれ、媒体搬送路SHに搬送される。前記媒体搬送路SHの記録シートSは、媒体搬送部材の一例であって、シートSの搬送時期、いわゆるタイミングを調整する時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、中間転写ベルトBのトナー像が二次転写領域Q5に到達する時期に合わせて、レジロールRrの搬出口Rr1から二次転写領域Q5に送り出される。
【0038】
二次転写領域Q5でトナー像が転写された後の中間転写ベルトBは、ベルトクリーナCLbにより表面に残留した転写残トナーや放電生成物等の残留物が除去されて清掃される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、定着装置Fの定着領域Q6に搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、前記加熱ロールFhと加圧ロールFpとが予め設定された圧力で接触した領域により定着領域Q6が構成されている。前記記録シートS表面の未定着トナー像は、定着領域Q6通過時に、熱と圧力により定着される。
画像が定着された記録媒体Sは、媒体搬送路SHを搬送されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから排出トレイTRhに排出される。
【0039】
図2は実施例1の画像記録ユニットのユニット本体部分の要部説明図である。
図3は図2に示すユニット本体部分に駆動ユニットが取り付けられた状態の説明図である。
図4は図3に示す状態に回路基板等が取り付けられた状態の説明図である。
図5は定着ユニット支持部の要部拡大図であり、図5Aは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着される途中の状態の説明図、図5Bは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着された状態の説明図である。
図6は、実施例1の第2のユニットの一例としての媒体搬送ユニットの要部斜視説明図である。
図7は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットとが連結された状態の説明図である。
図8は第1の固定部の要部説明図である。
図9は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットが連結された状態で、右斜め後方から見た斜視図である。
図10は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め後方から見た斜視図である。
図11は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め前方から見た斜視図である。
なお、各図面において、理解と説明の容易のために、説明に必要な部品以外の図示は、適宜省略されている。例えば、図7では駆動ユニットの図示が省略され、図9〜図11では現像装置等の表示が省略されている。
【0040】
(画像記録ユニットの説明)
図2〜図4において、実施例1の第1のユニットの一例としての画像記録ユニット1は、記録ユニット本体2を有する。図2において、記録ユニット本体2は、側壁の一例として、板状の左端壁3および右端壁4を有し、左端壁3と右端壁4との間には、前記感光体Py〜Pkや中間転写ベルトBを支持するバックアップロールT2a、ベルトクリーナCLb、帯電ロールCRy〜CRk、帯電器クリーナCCy〜CCk、感光体クリーナCLy〜CLk、LEDヘッドLHy〜LHkが支持されており、ユニット化されている各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkも下部に支持されている。
【0041】
前記左端壁3の後側下部、すなわち、搬出口Rr1側であって、バックアップロールT2aの下方には、第1の支持部の一例としての左固定部6が形成されている。前記左固定部6には、第1の位置決め部の一例として、後下方から前上方に延びるU字状の左位置決め溝6aが形成されており、左位置決め溝6aの上下両側には、第1の固定部の一例として、ネジが通過可能な左側のネジ通過孔6b,6cが形成されている。
図11において、前記右端壁4の搬出口Rr1側、すなわち、後側下部にも、第2の支持部の一例として、左端壁2と同様に構成された右固定部7が形成されており、第2の位置決め部の一例としての右位置決め溝7a、第2の固定部の一例としての右側のネジ通過口7b,7cが形成されている。
【0042】
図2、図3において、各端壁3,4の後側上部、すなわち、バックアップロールT2aの上方には、第3のユニット支持部の一例としての定着ユニット支持部8,9が設けられている。
図2、図5において、定着ユニット支持部8,9は、各端壁3,4の後面から後方に突出する位置決め固定部8a,9aを有する。また、位置決め固定部8a,9aには、ネジ孔8b,9bが形成されている。
図2、図5において、定着ユニット支持部8,9の上面には、第3のユニット位置決め部の一例として、円柱状の定着位置決め部8c,9cが形成されている。前記定着位置決め部8c,9cの後方には、前方に行くに連れて下方に傾斜する傾斜面8d,9dと、定着位置決め部8c,9cの下方に形成された位置決め下面8e,9eとが形成されている。
【0043】
前記定着ユニット支持部8,9の前側には、第1の基板支持部の一例として、高圧電源支持部11が支持されている。実施例1の高圧電源支持部11は、高圧電源基板で使用される回路素子が収容される収容空間11aが形成されている。
高圧電源支持部11の前側には、第2の基板支持部の一例として、板状の制御基板支持部12が形成されている。制御基板支持部12の前端部には、第3の位置決め部の一例として、前方に突出する前位置決め片13が左右一対形成されている。前位置決め片13の下方の記録ユニット本体2の前面には、第3の固定部の一例として、前ねじ穴14が形成されている。
したがって、前記前位置決め片13および前ねじ穴14により、画像記録ユニット1の搬出口Rr1とは反対側、すなわち、前側に配置された実施例1の第3の支持部の一例としての前固定部13+14が構成されている。また、前記左固定部6と、右固定部7と、前固定部13+14により、実施例1の記録ユニット支持部6+7+13+14が構成されている。
なお、本願明細書では、「搬出口側」と「搬出口とは反対側」について、「媒体搬送ユニットを水平方向に3分割、すなわち、中央部、一方側、他方側とした場合に、一方側を搬出口側とし、他方側を搬出口とは反対側とする」ものとする。尚、後述する媒体搬送ユニット31は、補充口カバーU2が開いた状態で3分割するのでは無く閉じた状態で3分割するものとする。
【0044】
図3において、記録ユニット本体2の左面には、駆動ユニット16が支持されている。駆動ユニット16は、駆動源の一例として、感光体Py〜Pkや中間転写ベルトBを駆動する駆動ロールRd、現像装置Gy〜Gkの現像ロールG1y〜G1k等を駆動する駆動モータ17を有する。駆動ユニット16内には、駆動モータ17の駆動を感光体Py〜Pk等に伝達する複数の歯車や、回転の伝達、切断を制御するクラッチ等を有する図示しない伝達系が収容されている。なお、駆動ユニット16の後部には、第3の基板支持部の一例として、上下方向に延びる板状の端子基板支持部18が支持されている。
【0045】
図4において、制御基板支持部12の右部には、プリンタUの外部の電源から図示しない供給線であるハーネスを介して電力が供給されると共に、モータやセンサ等に供給される電圧が生成される低圧電源基板21が支持されている。低圧電源基板21の左方には、低圧電源基板21に電気的に接続され、前記制御部Cや画像処理部GS等の回路が設けられた制御基板22が支持されている。
高圧電源支持部11には、低圧電源基板21に電気的に接続され、帯電ロールCRy〜CRkに印加される帯電電圧や現像ロールG1y〜G1kに印加される現像電圧、一次転写ロールT1y〜T1kに印加される一次転写電圧等を生成する高圧電源基板23が支持される。前記低圧電源基板21と高圧電源基板23とに設置された回路により、実施例1の電源回路Eが構成されている。
【0046】
また、端子基板支持部18には、前記コンピュータPCに電気的に接続されて画像情報や制御信号等が入出力される端子基板24が支持されている。駆動ユニット16の左面の前側には、各基板21〜24に電気的に接続された追加基板26が支持されている。
駆動モータ17の上方には、送風機の一例として、冷却用のファン27が支持されている。
前記符号2〜27を付した各部材により、実施例1の画像記録ユニット1が構成されている。
【0047】
(媒体搬送ユニットの説明)
図6、図7において、実施例1の媒体搬送ユニット31は、底壁32を有する。底壁32の前端部には、上下方向に延びる左右一対の外装固定部33,34が形成されている。外装固定部33,34の下端部には、外装固定用の下固定ねじ穴33a,34aが形成されている。前記外装固定部33,34の後方には、後方に延び、給紙トレイTR1の左右両側壁を構成する左側壁36および右側壁37が形成されている。
【0048】
底壁32の後端部には、第1ユニット固定部の一例として、上方に延びる左右一対の記録ユニット固定部38,39が形成されている。第1の被支持部の一例としての左側の記録ユニット固定部38には、第1の被位置決め部材の一例として、左位置決め溝6aに対応して配置され且つ左方に突出する左位置決め軸38aが形成されている。左位置決め軸38aの上下両側には、第1の被固定部の一例として、前記ネジ通過孔6b,6cに対応して配置された左ねじ穴38b,38cが形成されている。図9において、記録ユニット固定部38の後面には、外装固定部の一例として、上下一対の後ねじ穴38dが形成されている。
【0049】
なお、第2の被支持部の一例としての右側の記録ユニット固定部39は、左側の記録ユニット固定部38と同様に構成されている。よって、図11に示すように、右側の記録ユニット固定部39にも、第2の被位置決め部材の一例として、右位置決め溝7aに対応する右位置決め軸39aが形成され、第2の被固定部の一例として、ネジ通過孔7b,7cに対応する右ねじ穴39b,39cが形成されている。また、図9に示すように、右側の記録ユニット固定部39の後面には、外装固定部の一例として、上下一対の後ねじ穴39dが形成されている。
【0050】
図6、図7において、記録ユニット固定部38,39の間には、位置決め軸38a,39aの近傍に前記レジロールRrが支持されている。なお、レジロールRrの左端には、駆動が伝達される被伝達歯車の一例として、回転の伝達、切断が制御されるクラッチが内蔵されたレジロールギア41が支持されている。なお、レジロールRrの前側下方には、前記給紙ロールRpが支持されており、給紙ロールRpの左端には、被伝達歯車の一例としての給紙ロールギア42が支持されている。
図8において、実施例1のレジロールギア41は、左側の位置決め軸38aに回転可能に支持された中間伝達部材の一例としての中間ギア43を介して、回転が伝達可能に支持されている。中間ギア43は、画像記録ユニット1の駆動モータ17から駆動が伝達される第1の回転伝達部材の一例としてのギア44に噛み合うと共に、媒体搬送ユニット31に回転可能に支持され且つレジロールギア41に噛み合う第2の回転伝達部材の一例としてのギア45に噛み合っている。駆動モータ17が駆動すると、各ギア43〜45を介して、レジロールギア41が回転可能に構成されている。
【0051】
外装固定部33,34の前面には、縦案内部材の一例として、上方に延びる左右一対の縦ガイド部材46,47が支持される。実施例1の縦ガイド部材46,47の下端は、底面32の上面に支持されている。縦ガイド部材46,47の上端部には、外装固定部の一例として、上ねじ穴46a,47aが形成されている。
上ねじ穴46a,47aの下方には、第3の被支持部の一例として、左右方向に延び且つ縦ガイド部材46,47どうしを連結する横ガイド部材48が支持されている。横ガイド部材48の左右方向中央部には、第3の被固定部の一例として、画像記録ユニット1の前ねじ穴14に対応して、前ネジ貫通孔48aが形成されている。また、横ガイド部材48の上面には、第3の被位置決め部の一例として、前位置決め片13が接触する前位置決め面48bが形成されている。
【0052】
底壁32の上方には、前記給紙トレイTR1の上壁TR1cが配置されており、上壁TR1cの前端は、縦ガイド部材46,47に支持されている。
前記底壁32、外装固定部33,34、縦ガイド部材46,47および横ガイド部材48により囲まれた空間により、前記給紙トレイTR1の補充口TR1dが構成されている。
また、実施例1の媒体搬送ユニット31では、縦ガイド部材46,47および横ガイド部材48により、各基板21〜26まで延びる信号伝達や給電用の配線、いわゆるハーネスを、補充口TR1dを避けて引き回すために案内する配線案内部材、いわゆるハーネスガイド46〜48が構成されている。
【0053】
(定着ユニットの説明)
図7において、実施例1の第3のユニットの一例としての定着ユニット51は、定着左壁52と、定着右壁53とを有する。定着左壁52と定着右壁53との間には、前記定着装置Fと、排出ロールR1とが支持されている。
図7において、定着左壁52の下端には、定着用の被支持部材の一例として、前後方向に延びる定着連結部材56が支持されている。図5、図7において、定着連結部材56の後端には、定着用の被固定部の一例として、位置決め固定部8aに対応して、下方に折り曲げられた形状の被位置決め固定部56aが形成されている。図5において、定着固定部56aには、位置決め固定部8a,9aが嵌った状態で貫通可能な後位置決め孔56bが形成されている。
【0054】
図5、図7において、定着連結部材56の前端には、定着用の被位置決め部の一例として、二又状に形成され、前記定着位置決め部8cを挟み込んで上下方向の位置決めがされる被位置決め部56cが形成されている。
なお、前記定着右壁53の下端にも、左側の定着連結部材56と同様に、右側の定着ユニット支持部9に対応する右側の定着連結部材56が形成されている。
【0055】
(外装部材の説明)
図10、図11において、実施例1のプリンタUでは、外装部材の一例として、頂部を覆うトップカバー61と、前面を覆うフロントカバー62と、後面を覆うリアカバー63と、を有する。
図11において、トップカバー61の前面には、前記排出トレイTRhが形成されており、前端部には、外装部材をユニットに固定する外装用の被固定部の一例として、縦ガイド部材46,47に対応して形成された下方に延びる上被固定片61aが左右一対形成されている。各上被固定片61aには、縦ガイド部材46,47の上端部の上ねじ穴46a,47aに対応して、ねじ貫通孔61bが形成されている。
【0056】
図11において、トップカバー61の後端部には、外装部材どうしを固定する外装間被固定部の一例として、左右一対のカバー間被固定部61cが形成されており、カバー間被固定部61cには、図示しないネジ孔が形成されている。
また、図11において、前記トップカバー61の前端部には、外装間位置決め部の一例として、左右一対の半円状の位置決め凹部61dが形成されている。位置決め凹部61dの左右方向内側には、外装間固定部の一例として、四角形の孔状に形成され且つ左右方向に間隔をあけて配置された3つの固定口61eが形成されている。
【0057】
前記フロントカバー62は、補充口TR1dに対応する開口62aが形成されている。開口62aの左右両側の下部には、外装用の被固定部の一例として、媒体搬送ユニット31の下固定ねじ穴33a,34aに対応する位置に、ネジ通過孔62bが左右一対形成されている。図11において、フロントカバー62の上端部には、外装間の被位置決め部の一例として、位置決め凹部61dに対応する位置に、円柱状の突起により構成された左右一対の位置決め突起62cが前方に突出して形成されている。また、位置決め突起62cの左右方向の内側には、外装間の被固定部の一例として、固定口61eに対応する位置に、爪状に形成された固定爪62dが形成されている。
なお、前記補充口カバーU2は、フロントカバー62に回転可能に支持されている。
【0058】
リアカバー63には、中央部に開閉扉用の開口63aが形成されている。開口63aの左右両側部には、外装被固定部の一例として、4つの後ねじ穴38dに対応する位置に、後ネジ通過孔63bが4つ形成されている。また、リアカバー63の上端部には、外装間固定部の一例として、カバー間被固定部61cの後面に対向するカバー間固定部63cが形成されており、カバー間固定部63cには、カバー間被固定部61cのネジ孔に対応してネジ貫通孔63dが形成されている。
【0059】
リアカバー63の開口63aには、開閉部材の一例としての開閉扉64が支持されている。開閉扉64は、下端部が、媒体搬送ユニット31の外装固定部33,34に回転可能に支持されており、内面には、二次転写ロールT2bや媒体搬送路SHの後側の案内部材66が支持されている。
【0060】
(各ユニット、部材の固定の説明)
(画像記録ユニットと媒体搬送ユニットの固定)
画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に支持される場合、図3、図6、図7、図8、図11に示すように、位置決め溝6a,7aが位置決め軸38a,39aに嵌められることで位置決めされると共に、位置決め軸38a,39aを中心として画像記録ユニット1が回転可能に支持される。そして、画像記録ユニット1の前位置決め片13が前位置決め面48bに接触するまで回転することで、画像記録ユニット1の前側が位置決めされる。この状態で、左側のネジ通過孔6b,6cを通過してねじ穴38b,38cに嵌るネジにより、画像記録ユニット1の左側後端が左方から固定される。同様にして、右側のネジ通過孔7b,7cを通過してねじ穴39b,39cに嵌るネジにより、画像記録ユニット1の右側後端が右方から固定され、前ネジ貫通孔48aを通過して前ねじ穴14に嵌るネジにより、画像記録ユニット1の前端が前方から固定される。すなわち、実施例1では、左右の固定部6,7や、第3の支持部である前固定部13+14は、画像記録ユニット1に対して水平方向から締結される締結構造を有する。これにより、実施例1の画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、記録ユニット固定部38,39と、横ガイド部材48の3カ所で位置決めされた状態で固定される。
【0061】
したがって、画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、媒体(記録シートS)を使用する使用者にとって、着脱不能に支持される。なお、「媒体を使用する使用者」とは、「オフィス、店舗、空港・ホテル等のラウンジ、家庭等でデータをプリントする者とし、画像形成装置に不具合があった際に当該装置を点検・修理するサービスマンや倉庫・工場で点検・修理する工員は含まない」ものとする。したがって、サービスマンや工員等の非使用者は、工具等を用いて画像記録ユニットを媒体搬送ユニットから着脱できる。
前記記録ユニット固定部38,39および横ガイド部材48により、実施例1の記録ユニット被支持部39+39+48が構成されている。
【0062】
(画像記録ユニットと定着ユニットの固定)
定着ユニット51が画像記録ユニット1に支持される場合、図5、図7において、定着ユニット51の二又状の被位置決め部56cが、図5Aに示すように、画像記録ユニット1の傾斜面8d,9dおよび位置決め下面8e,9eに案内されて、被位置決め部56cが定着位置決め部8c,9cに嵌る。従って、被位置決め部56bと定着位置決め部8c,9cの嵌り合いで、定着ユニット51は画像記録ユニット1に対して、前後方向に移動可能な状態で支持される。そして、定着ユニット51の被位置決め固定部56aの後位置決め孔56bに位置決め固定部8a,9aが嵌った状態となるまで定着ユニット51の移動されると、定着ユニット51の位置決めがされる。そして、定着ユニット支持部8,9のネジ孔8b,9cに嵌るネジで固定されることで、定着ユニット51が画像記録ユニット1に固定される。
【0063】
(外装カバーの固定)
図10、図11において、トップカバー61は、前端部が、各上被固定片61aのねじ貫通孔61bを貫通して、縦ガイド部材46,47の上ねじ穴46a,47aに嵌るネジにより固定されている。トップカバー61の後端は、リアカバー63のカバー間固定部63cのネジ貫通口63dを貫通して、カバー間被固定部61cの図示しないネジ孔に嵌るネジにより、リアカバー63に固定されている。
フロントカバー62は、上端の縁がトップカバー61の前側の縁の内側に挿入された状態で、位置決め突起62cが位置決め凹部61dに嵌って位置決めされ、トップカバー61の固定口61eに固定爪62dが引っ掛かる。したがって、トップカバー61の前端は、フロントカバー62に固定される。そして、フロントカバー62の下部は、ネジ通過孔62bを貫通して、媒体搬送ユニット31の下固定ねじ穴33a,34aに嵌るネジにより、媒体搬送ユニット31に固定される。
【0064】
リアカバー63は、後ネジ通過孔63bを貫通して、媒体搬送ユニット31の後ねじ穴38dに嵌るネジにより固定される。
したがって、トップカバー61、フロントカバー62、リアカバー63は、画像記録ユニット1や定着ユニット51に固定されず、媒体搬送ユニット31に固定されている。なお、左右両側の図示しない実施例1のサイドカバーは、各カバー61〜63または底壁32に支持される。
【0065】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、媒体搬送ユニット31に画像記録ユニット1が直接位置決めされた状態で固定されると共に、定着ユニット51が画像記録ユニット1に対して位置決めされた状態で固定されている。すなわち、媒体搬送ユニット31と定着ユニット51が、画像記録ユニット1に対して位置決めされた状態で固定されていると見なすこともできる。よって、実施例1のプリンタUでは、従来から一般的な枠体、いわゆるフレームを有するプリンタとは異なり、フレームの無い構成、いわゆるフレームレスの構成となっている。よって、各ユニット間で直接位置決めされず、フレームを介して位置決めされていた従来のプリンタに比べて、フレームを介することで発生する各部材の製造上の誤差や取り付け誤差等の累積誤差が少なくなる。よって、画像形成時の各色の画像どうしの位置ズレや画像と記録シートSとの位置ズレ等が低減されており、画質が向上している。さらに、フレームが省略されており、フレームを有する従来の構成に比べて、小型化、軽量化、低コスト化されている。
【0066】
また、実施例のプリンタUでは、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に対して、前端の左右方向中央部と、後端左部と、後端右部との3カ所で固定されている。なお、実施例1では、正確には、左右のネジ通過孔6b,6c,7b,7cで4カ所で固定されているが、ネジ通過孔6b,6cとネジ通過孔7b,7cの位置が接近しており、画像記録ユニット1の全体から見て擬似的に2カ所と見ることが可能である。
したがって、4カ所で画像記録ユニット1が固定される場合では、媒体搬送ユニット31に歪みがあると、固定される画像記録ユニット1が歪み、Y,M,C,Kの画像の位置がずれたり、二次転写領域Q5で記録シートSに転写される画像がずれたりすることがあるが、実施例1では、3カ所で固定されており、媒体搬送ユニット31に歪みがあっても画像記録ユニット1に歪みが影響しにくくなっている。したがって、4カ所以上で固定する場合に比べて、画像のずれの発生等の歪みの悪影響が発生しにくくなっている。
【0067】
特に、実施例1の画像記録ユニット1は、無端帯状部材である中間転写ベルトBを有しており、画像記録ユニット1が歪むと、中間転写ベルトBが片寄ったり、蛇行したりする恐れがあるが、実施例1の画像記録ユニット1では、従来の構成に比べて媒体搬送ユニット31の歪みの悪影響を受けにくく、中間転写ベルトBの片寄り等が低減されている。
【0068】
図12は、画像記録ユニットが歪んだ影響の説明図であり、図12Aは2点支持側に搬出口側に画像記録領域が配置されている実施例1の場合の説明図、図12Bは2点支持側および搬出口から離れた位置に画像記録領域が配置された従来の場合の説明図である。
また、実施例1では、媒体搬送ユニット31から画像記録ユニット1に記録シートSが搬出される搬出口Rr1の側である後側で、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に対して、左右両側から2カ所で固定されている。すなわち、実施例1では、媒体搬送ユニット31に3点支持される画像記録ユニット1において、後側で二点支持されている。
図12Aにおいて、搬出口Rr1側に画像記録領域である転写領域Q5が配置された実施例1のプリンタUでは、プリンタUが設置される面の凹凸等により、媒体搬送ユニット31が歪んだ場合、図12Aに示すように、搬出口Rr1の歪みに連動して転写領域Q5側が歪み、相対的に搬出口Rr1から搬送される記録シートSと転写領域Q5で転写される画像との間の歪みは少なくなる。
【0069】
一方、図12Bにおいて、二点支持部01および1点支持部02から離れた位置に画像記録領域03が設けられた従来の構成では、図12Bの破線で示すように下側のユニットが歪みが影響した場合、その歪みは各支持部01、02の部分において連動する歪みが発生するが、画像記録領域03では歪みは一致せずズレが発生する。したがって、一点鎖線で示す搬送路04に沿って、歪みが異なり、搬入された記録シートSが画像記録領域03に搬送されるまでの間に、記録シートSは傾斜しやすくなる。すなわち、傾斜、いわゆるスキューした記録シートSと画像とのズレが発生しやすくなる恐れがある。仮に、記録シートSのスキューを画像記録領域03の上流側のレジロール等で補正される構成を採用しても、スキューが補正しきれなかったり、レジロールから画像記録領域03までの歪みのズレで、スキュー補正後から転写されるまでの間にスキューが発生して、画像と記録シートSとがずれる恐れもある。これに対して、実施例1では、従来の構成に比べて、搬出口Rr1の歪みと、転写領域Q5の歪みとのズレが相対的に少なく、画像の位置ズレが少なく、画質が向上している。
【0070】
また、実施例1の画像記録ユニット1では、左右両端壁3,4に、感光体Py〜Pkと中間転写ベルトBだけでなく、LEDヘッドLHy〜LHkも支持されており、画像記録ユニット1の歪みに対して、同様の挙動を示す。したがって、潜像形成装置が画像記録ユニットの外部に設けられている構成に比べて、相対的な位置ズレが軽減されており、画質の低下が低減されている。
【0071】
さらに、実施例1では、画像記録ユニット1は、上下方向ではなく、水平方向からネジ止めがされており、画像記録ユニット1のねじれを生じさせ難い方向から締結されている。すなわち、図12Aに示すように、左固定部6および右固定部7が、プリンタUの設置面の凹凸に伴う媒体搬送ユニット31の歪みに連れて上下方向に歪んだ際、前側では、前ねじ穴14を中心として回転し、画像記録ユニット1の左固定部6または右固定部7側が歪む歪み量と近い歪み量が、前固定部13+14側でも生じるようにすることが可能である。特に、画像記録ユニット1が傾く際の回動中心の方向と、螺子などの締結部材の先端の向きとが、同じ向きに揃っており、螺子を中心として回転可能となっている。仮に、螺子などの締結部材の先端の向きが下向きの場合、画像記録ユニットの前固定部13+14側が画像記録ユニット1の傾きを、阻害することになるが、実施例1では、水平方向から固定されており、阻害されにくい。したがって、実施例1の画像記録ユニット1では、ねじれが生じにくく、媒体Sと、媒体Sに記録される画像とのズレを低減することが可能である。
【0072】
また、実施例1のプリンタUでは、転写領域Q5の上方に定着ユニット51が支持されており、定着領域Q6も搬出口Rr1側で、位置決め、固定されている。したがって、媒体搬送ユニット31の歪みが発生した場合に、定着ユニット51も連動して歪みやすく、定着領域Q6と記録シートS等との相対的なズレが抑制されており、定着不良や傾斜した記録シートSの紙詰まり等の発生が、従来の構成に比べて低減されている。
【0073】
さらに、実施例1のプリンタUでは、外装カバーであるトップカバー61、フロントカバー62、リアカバー63、開閉扉64等が画像記録ユニット1や定着ユニット51に固定されておらず、媒体搬送ユニット31に固定支持されている。従来のフレームを用いた構造では、外装カバーはフレームに取り付けており、外力を受けても画像記録ユニットに外力が直接作用することがないが、本発明のようにフレームを用いない構造では、外装カバー61〜64を画像記録ユニット1に取り付けてしまうと外力が直接作用して画像記録部材のズレを招く恐れがある。したがって、実施例1では、外装カバー62〜64が媒体搬送ユニット31に取り付けられており、トップカバー61は、カバー間固定部63cとカバー間被固定部61c、位置決め突起62cと位置決め凹部61d、固定口61eと固定爪62dにより、他の外装カバー62,63に固定されている。
したがって、実施例1では、外装カバー61〜64は、画像記録ユニット1に固定することなく複数の外装カバー61〜64が固定されており、外装カバー全体で剛性が確保されている。よって、フレームがない構成、いわゆるフレームレスであっても、外装部材に対する衝撃や歪みが画像記録ユニット1に伝わることが防がれている。したがって、画像記録ユニット1に外装カバー61〜64が取り付けられる場合に比べて、実施例1では、外装カバー61〜64が受ける外力等が画像記録ユニット1に悪影響を与えることが低減されており、画像記録ユニット1の歪みや、中間転写ベルトBの片寄り等の発生が低減されている。
【0074】
図13は実施例1の画像記録ユニットの固定方向と許容される歪みとの関係を説明する説明図である。
実施例1のプリンタUでは、画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、位置決め軸38a,39aを中心として、図13の矢印Yaに示す回転方向に対して、回転可能に支持されている。したがって、回転不能な場合に比べて、画像記録ユニットの第3の支持部への位置決めが容易となる。
そして、画像記録ユニット1は、後端側では、左方または右方から固定されると共に、前端側では、前方から固定されている。したがって、上方や下方からネジ止めを行う構成に比べて、ネジを締結する際のドライバー等の工具を差し込みやすく、組み立て作業性が向上している。また、ドライバー等の差し込むための通路や口を形成する必要が無く、通路等を確保するための空間が不要となり、小型化に寄与する。また、上方向からネジ止めする場合に比べて、縦ガイド部材46、47に前側から支持された横ガイド部材48の変形による位置ズレを防止することが可能な構成となっている。
【0075】
また、画像記録ユニット1は、2点支持側である後端側では、左方または右方から固定されると共に、1点支持側である前端側では、左方や右方とは異なる方向である前方から、左右方向の中央部で固定されている。したがって、一点支持側において、前方からでなく、左方や右方から固定される構成に比べて、画像記録ユニット1の前側の左右両側において、図13の矢印Ybで示す回転方向の歪みが許容されている。したがって、中間転写ベルトの片寄りや蛇行を低減することができる。すなわち、画像記録ユニット1の前端部で、左方または右方から固定される場合、画像記録ユニット1の左側または右側が拘束されており、矢印Ybで示す歪みが右側または左側で許容されない場合は、媒体搬送ユニットの歪みに倣って画像記録ユニット1が歪むことになり中間転写ベルトBの片寄りや蛇行を低減することができない。
【0076】
また、実施例1の画像記録ユニット1では、ネジで上下両側のねじ穴38b,38cで固定される位置決め軸38aには、中間ギア43が支持されており、画像記録ユニット1の回転中心と、共通化されている。一般に、ギアどうしが噛み合って回転すると、噛み合い時の反力(駆動反力)で、ギアどうしが離れる方向の力が作用する。仮に、中間ギア43が位置決め軸38aとは異なる位置に配置されている場合、反力が作用すると、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31から離れる方向、すなわち、浮き上がる方向の力を受け、画像記録ユニット1が歪んだり、転写領域Q5の位置がずれたりする恐れがある。これに対して、実施例1では、位置決め軸38a,39aに中間ギア43が支持されており、噛み合い時の反力が作用しても、近傍のネジ孔38b,38cで固定されており、歪み等の悪影響を受けにくくなっている。
【0077】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、その他の画像記録方式、例えば、インクジェット記録方式や熱転写方式の画像形成装置等にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、前記プリンタUは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0078】
(H03)前記実施例において、画像記録ユニット1は、位置決め軸38a,39aを中心として、回転可能に構成することが望ましいが、この構成に限定されず、回転不能に支持される構成、例えば、下方から支持される構成とすることも可能である。また、位置決め軸38a,39aは、例示した構成に限定されず、例えば、レジロールRrの回転軸と共通化することも可能である。この場合、レジロールRrに対する画像記録ユニット1の位置決め精度がさらに向上し、搬送される記録シートSと二次転写領域Q5のズレがさらに低減される。ただし、レジロールRrの回転軸や近傍には、レジロールギア41や図示しないレジセンサ等が配置されており、共通化した場合には、レジロールRrの回転軸を軸方向に長くする必要がある可能性があり、プリンタUが大型化する可能性がある。よって、プリンタUの許容される大きさやギア41等の部品との関係で、位置決め軸38a,39aと共通化可能である場合には、共通化することが望ましい。
【0079】
(H04)前記実施例において、定着ユニット51を画像記録ユニット1の上方に支持する構成が望ましいが、この構成に限定されず、定着ユニットを画像記録ユニット1に内包したり、定着ユニット51を媒体搬送ユニット31に支持する構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、外装カバー61〜64は、画像記録ユニット1や定着ユニットに固定しない構成が望ましいが、この構成に限定されず、画像記録ユニット1等に固定することも可能である。
【0080】
(H06)前記実施例において、画像記録ユニット1の前側の固定方向は、前方から、あるいは、左右方向に垂直な上下方向、例えば、前位置決め片13で上方から固定することが望ましいが、この構成に限定されず、左方、または、右方から固定することも可能である。
(H07)前記実施例において、レジロールRrを媒体搬送ユニット31に設ける構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば、レジロールRrを画像記録ユニット1に内蔵することも可能である。この場合、レジロールRrの上流側の搬送部材からの記録シートSの搬出口が、媒体搬送ユニット31から画像記録ユニット1への搬出口となる。同様に、二次転写ロールT2bを画像記録ユニット1に内蔵することも可能である。
【0081】
(H08)前記実施例において、中間ギア44は位置決め軸38aに回転可能に支持される構成が望ましいが、この構成に限定されず、位置決め軸38a以外の場所に支持される構成も可能である。
(H09)前記実施例において、各ユニット1,31,51を固定方法、締結機構として、ネジ止めを例示したが、この構成に限定されず、例えば、いわゆるスナップフィットやリベット止め等の固定方法、締結機構を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…画像記録ユニット、
6…第1の支持部、
6+7+13+14…記録ユニット支持部、
6a,7a…位置決め部材、
7…第2の支持部、
8,9…定着ユニット支持部、
13+14…第3の支持部、
31…媒体搬送ユニット、
44…第1の回転伝達部材、
45…第2の回転伝達部材、
46…中間伝達部材、
51…定着ユニット、
61,62,63,64…外装部材、
B…中間転写体、
F…定着装置、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持体、
Q5…画像記録領域、
Rr…時期調整部材,媒体搬送部材、
Rr1…搬出口、
S…媒体、
T1y,T1m,T1c,T1k…一次転写器、
T2…二次転写器、
U…画像形成装置、
UY〜UK+B…画像記録装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、床面の凹凸等に伴う装置の歪みにより、画質が低下する等の問題を解決するための技術として、以下の特許文献1〜5に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2000−310930号公報には、給送ローラ(11)、リタードローラ対(12)、搬送ローラ対(13)、レジストローラ対(14)、中間転写ベルト(16)、二次転写ローラ(17)、定着器(15)および排出ローラ対(19a、19b)がベースユニット(2)に設けられ、4つの感光体ドラム(31)、帯電手段(32)、現像手段(33)、クリーニング手段(34)および光学走査系(18Y,18M,18C,18Bk)を有するコアユニット(1)が、ベースユニット(2)に対して、3カ所の筐体受け部材(4a,4b,4c)で支持されることで、設置面の凹凸によるベースユニット(2)の歪みを、光学走査系(18Y〜18Bk)や感光体ドラム等に影響させないようにする技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献1には、中間転写ベルト(16)、二次転写ローラ(17)およびレジストローラ対(14)もコアユニット(1)に設ける構成も記載されている。この構成では、筐体受け部材(4a,4b,4c)の二点で支持される筐体支持部材(3a)の側で、ベースユニット(2)からの記録シートが搬入されており、レジストローラ対(14)や二次転写ローラ(17)の二次転写領域は、筐体支持部材(3a,3b)の両方から離れた位置に配置されている。
さらに、特許文献1には、1つの感光体ドラム(30)と、1つの光学走査系(18)と、1つの中間転写ベルト(36)と、二次転写ローラ(37)、レジストローラ対(14)と、回転式、いわゆるロータリ式の現像ユニット(35)とをコアユニット(1)に設ける構成も記載されている。
【0005】
特許文献2としての特開2003−186372号公報には、画像形成装置が本体フレーム(51)を有し、感光体ドラム(20)、帯電装置(21)、クリーニング装置(27)、中間転写ベルト(30)、ベルトクリーニング装置(36)を有する作像ユニット(61)の係合軸(67,68)が、本体フレーム(51)の前後一対の壁に形成された被係合溝(52,53)に支持され、作像ユニット(61)の係合片(69)が本体フレーム(51)の側壁に形成された被係合凹部(54)に支持される構成が記載されている。
【0006】
特許文献3としての特開平10−194506号公報には、カラー複写機(1)が装置本体フレーム(2)を有し、無端ベルト(4)を有するベルトユニット(3)が、第1支持部(12)、第2支持部(14)および第3支持部(17)の3点で、装置本体フレーム(2)に支持される技術が記載されている。
特許文献4としての特開平10−104998号公報には、画像形成装置(100)が、フレームとして、前側の本体側板(42)と後側の本体側板(43)とを有し、無端のベルト(3)を有するベルトユニット装置(20)が、3つのピン(37,38,39)により、本体側板(42,43)に3点で位置決めされた状態で支持される技術が記載されている。
【0007】
特許文献5としての特開2007−226007号公報には、感光体ドラム(52)等を支持する感光体ユニット(50)と、現像装置(42)を有する現像ユニット(40)と、中間転写体(62)等を支持する転写ユニット(60)と、を有する作像ユニット(30)を備えた画像形成装置において、作像ユニット(30)を収容する画像形成装置のフレームとしての収容部(10a)に、3カ所の支持脚(41b,51b)と係合穴(10d)で支持する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−310930号公報(「0018」〜「0022」、「0025」、「0027」、図2、図4、図7〜図10)
【特許文献2】特開2003−186372号公報(「0027」〜「0028」、図3〜図7)
【特許文献3】特開平10−194506号公報(「0014」〜「0018」、図1〜図3)
【特許文献4】特開平10−104998号公報(「0043」〜「0048」、図1、図2)
【特許文献5】特開2007−226007号公報(「0015」〜「0016」、「0030」〜「0042」、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、媒体と、媒体に記録される画像とのズレを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
画像が記録される媒体を搬送する媒体搬送部材と、前記媒体が搬出される搬出口と、を有する媒体搬送ユニットと、
前記搬出口側に配置された画像記録領域において、前記媒体搬送ユニットから搬送された媒体に画像を記録する画像記録装置を有する画像記録ユニットと、
前記画像記録ユニットにおける前記搬出口側に配置され且つ搬送される媒体の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部および第2の支持部と、前記画像記録ユニットにおける前記搬出口とは反対側に配置された第3の支持部と、を有し、少なくとも前記第1の支持部および前記第2の支持部が前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に支持されるとともに、前記媒体を使用する使用者に対して前記画像記録ユニットが前記媒体搬送ユニットに対して着脱不能に支持される記録ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像記録領域に媒体を搬送する時期を調整する時期調整部材により構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
表面に像を保持して回転する像保持体と、無端帯状体により構成され且つ前記像保持体表面の像が転写されると共に前記画像形成領域において前記像保持体から転写された像が媒体に転写される中間転写体と、前記像保持体表面の像を前記中間転写体に転写する一次転写器と、を有する前記画像記録ユニット、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記画像記録ユニットは、側壁を有し、前記側壁により、前記像保持体、前記中間転写体、および前記像保持体に潜像を形成する潜像形成装置が支持されたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の画像形成装置において、
前記媒体に転写された像を定着する定着装置を有する定着ユニットと、
前記画像記録ユニットの前記画像記録領域側に設けられ、前記定着ユニットを支持する定着ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に設けられ、前記画像記録ユニットを位置決めし且つ回転可能に支持する位置決め部材、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記位置決め部材に支持され、且つ、前記画像記録ユニットに支持された第1の回転伝達部材と、前記媒体搬送ユニットに支持された第2の回転伝達部材と、に接続されて回転を伝達する中間伝達部材、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットの前記媒体の幅方向略中央に設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットに対して水平方向から締結される締結構造を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記媒体搬送ユニットに支持され、且つ、画像形成装置の外表面を構成する外装部材、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記外装部材は、複数の外装部材から構成され、
前記外装部材が、複数の外装部材どうしを固定する外装間固定部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、媒体と、媒体に記録される画像とのズレを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、時期調整部材から搬送された媒体と画像記録領域との位置ズレを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、3カ所で固定しない場合に比べて、画像記録ユニットの歪みを低減でき、無端帯状体の片寄りや蛇行を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、潜像形成装置が画像記録ユニットに支持されていない構成に比べて、画像のズレを低減することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、定着ユニットが画像記録ユニットに支持されていない場合に比べて、定着ユニットと画像記録領域との位置ズレを低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、第1および第2の支持部側を中心として、画像記録ユニットを回転可能に支持することができ、第3の支持部に画像記録ユニットを位置決めするのが容易になる。
請求項7に記載の発明によれば、中間伝達部材と第1の回転伝達部材との間の駆動反力で画像記録ユニットに歪みが発生することを抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、第3の支持部が媒体の幅方向端部で記録ユニット支持部を支持する場合に比べて、画像記録ユニットの媒体幅方向の歪みを許容でき、媒体搬送ユニットの歪みに倣って変形させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、画像記録ユニットのねじれを低減することができる。
請求項10に記載の発明によれば、外装部材に外力が作用した場合の悪影響を画像記録ユニットに与えることを防止できる。
請求項11に記載の発明によれば、複数の外装部材を画像記録ユニットに固定することなく、互いに固定させることができ、外装部材全体で剛性を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像記録ユニットのユニット本体部分の要部説明図である。
【図3】図3は図2に示すユニット本体部分に駆動ユニットが取り付けられた状態の説明図である。
【図4】図4は図3に示す状態に回路基板等が取り付けられた状態の説明図である。
【図5】図5は定着ユニット支持部の要部拡大図であり、図5Aは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着される途中の状態の説明図、図5Bは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着された状態の説明図である。
【図6】図6は、実施例1の第2のユニットの一例としての媒体搬送ユニットの要部斜視説明図である。
【図7】図7は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットとが連結された状態の説明図である。
【図8】図8は第1の固定部の要部説明図である。
【図9】図9は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットが連結された状態で、右斜め後方から見た斜視図である。
【図10】図10は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め後方から見た斜視図である。
【図11】図11は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め前方から見た斜視図である。
【図12】図12は、画像記録ユニットが歪んだ影響の説明図であり、図12Aは2点支持側に搬出口側に画像記録領域が配置されている実施例1の場合の説明図、図12Bは2点支持側および搬出口から離れた位置に画像記録領域が配置された従来の場合の説明図である。
【図13】図13は実施例1の画像記録ユニットの固定方向と許容される歪みとの関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0026】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の画像形成装置の実施例1のプリンタUは、上端部に媒体の一例としてのシートSが排出される排出部の一例としての排出トレイTRhが設けられている。排出トレイTRhの下方には、各種制御回路や記憶媒体等が配列された制御基板SCが配置されている。前記制御基板SCには、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、潜像形成装置駆動回路DL、および電源装置の一例としての電源回路E等が設けられている。電源回路Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0027】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPC等から入力された印刷情報を、イエロー、マゼンタ、シアン、黒、すなわち、Y,M,C,Kの4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒色のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0028】
プリンタUの中央下部には、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。図4において、黒色、すなわち、K色の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、感光体表面Pkを帯電させる帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に構成されている。
【0029】
前記感光体Py〜Pkは、帯電ロールCRy〜CRkと対向する帯電領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kで帯電ロールCRy〜CRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kでLEDヘッドLHy〜LHkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gy〜Gkと対向する現像領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいてトナー像に現像される。現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kに搬送される。実施例1の中間転写ベルトBは、無端帯状体、いわゆるベルト状の部材により構成されており、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdと、従動部材の一例であり且つ二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、各感光体Py〜Pkに対向して配置された前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、からなる中間転写支持系により回転可能に支持されている。なお、中間転写体は、ベルト形状に限定されず、ドラム状等、従来公知の形態を採用することが可能である。
【0030】
前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。
【0031】
1次転写後の感光体Py,Pm,Pc,Pk表面の転写残トナーや放電生成物等の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された感光体Py,Pm,Pc,Pk表面は、帯電ローラCRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。なお、前記感光体クリーナCLy〜CLkで除去しきれず、帯電ローラCRy〜CRkに付着した残留物等は、前記帯電ローラCRy〜CRkに接触して配置された帯電器清掃部材の一例としての帯電器クリーナCCy,CCm,CCc,CCkによりクリーニングされる。
【0032】
前記中間転写ベルトBの後側上部には、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。前記ベルトクリーナCLbは、清掃容器CLb1と、清掃容器CLb1に支持され且つ中間転写ベルトBに接触して中間転写ベルトB表面に残留した残留物を除去して清掃する清掃部材の一例としてのベルト用クリーニングブレードCLb2と、ベルト用クリーニングブレードCLb2で除去された残留物が飛散、漏出することを防止するための漏出防止部材の一例としてのフィルムCLb3と、前記清掃容器CLb1内に配置され且つ除去された残留物を搬送して排出する残留物搬送部材CLb4とを有する。なお、実施例1の清掃容器CLb1は、黒色の感光体クリーナCLkの上方に対応する位置に配置されている。
【0033】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して、二次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aおよび二次転写ロールT2bにより、実施例1の二次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域により、画像記録領域の一例としての2次転写領域Q5が形成される。
前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kで1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q5に搬送される。
前記可視像形成装置UY〜UKおよび中間転写ベルトB等により、記録シートSに記録される画像を形成する画像記録装置UY〜UK+Bが構成されている。
【0034】
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写装置T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
なお、図1に示すように、実施例1の中間転写ベルトBは、1次転写領域Q1y〜Q1kが水平面に対して、後側に行くに連れて下方に傾斜した状態で配置されており、これに対応して、可視像形成装置UY〜UKもベルト回転方向下流側に行くに連れて、重力方向下方にずれた位置に配置されている。
【0035】
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1が設けられている。前記給紙トレイTR1は、下壁の一例としての底壁TR1aと、前記底壁TR1aの後端から上方に延びる後端壁TR1bと、底壁TR1aの上方に対向して配置された上壁TR1cとを有する。前記給紙トレイTR1の前端部には、新たな記録シートSを補充するための補充口TR1dが形成されている。前記上壁TR1cの前端部は、補充口TR1dの外側、すなわち、前側に行くに連れて上方に傾斜して形成されている。したがって、前記補充口TR1dは、前側に行くほど上壁TR1cと底壁TR1aとの間隔が広くなり、補充口TR1dが前側に行くほど広くなるように形成されている。
【0036】
前記底壁TR1a上には、回転中心PL1aを中心として回転可能に支持され且つシートSが積載されて、シートSを昇降させる媒体積載部の一例としての昇降プレートPL1が配置されている。前記昇降プレートPL1の後端部には、昇降プレートPL1の後端部を上方に付勢する付勢部材の一例としての昇降バネPL2が配置されている。前記昇降プレートPL1は、画像形成が行われていない場合は、左右両端部に配置された偏心カム状の押下げ部材PL3により昇降プレートPL1が底壁TR1aに平行な状態に保持される下降位置に移動する。そして、画像形成が行われている間は、押下げ部材PL3が回転して昇降バネPL2により昇降プレートPL1が上昇した図1に示す上昇位置との間で移動可能に支持されている。
したがって、補充口開閉部材の一例としての補充口カバーU2が開放されると、補充口TR1dが開放されて、後端壁TR1bに突き当たるまで新たな記録シートSの束を挿入して、下降位置の昇降プレートPL1上に積載された状態で収容される。
【0037】
前記上壁TR1cの後方には、媒体搬送部材の一例であって、送出部材の一例としての給紙ロールRpが配置されている。前記給紙ロールRpは、前記昇降プレートPL1が上昇位置に移動した状態で、積載された記録シートSの束の最上面の記録シートSが昇降バネPL2のバネ力で押し当てられる位置に配置されている。前記後端壁TR1bの上方には、捌き部材の一例としてリタードロールRsが配置されている。
前記給紙トレイTR1に積載された記録シートSは、給紙ロールRpにより送り出され、前記リタードロールRsと給紙ロールRpとの接触領域で1枚ずつ分離されて捌かれ、媒体搬送路SHに搬送される。前記媒体搬送路SHの記録シートSは、媒体搬送部材の一例であって、シートSの搬送時期、いわゆるタイミングを調整する時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、中間転写ベルトBのトナー像が二次転写領域Q5に到達する時期に合わせて、レジロールRrの搬出口Rr1から二次転写領域Q5に送り出される。
【0038】
二次転写領域Q5でトナー像が転写された後の中間転写ベルトBは、ベルトクリーナCLbにより表面に残留した転写残トナーや放電生成物等の残留物が除去されて清掃される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、定着装置Fの定着領域Q6に搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、前記加熱ロールFhと加圧ロールFpとが予め設定された圧力で接触した領域により定着領域Q6が構成されている。前記記録シートS表面の未定着トナー像は、定着領域Q6通過時に、熱と圧力により定着される。
画像が定着された記録媒体Sは、媒体搬送路SHを搬送されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから排出トレイTRhに排出される。
【0039】
図2は実施例1の画像記録ユニットのユニット本体部分の要部説明図である。
図3は図2に示すユニット本体部分に駆動ユニットが取り付けられた状態の説明図である。
図4は図3に示す状態に回路基板等が取り付けられた状態の説明図である。
図5は定着ユニット支持部の要部拡大図であり、図5Aは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着される途中の状態の説明図、図5Bは定着ユニットの被支持部が定着ユニット支持部に装着された状態の説明図である。
図6は、実施例1の第2のユニットの一例としての媒体搬送ユニットの要部斜視説明図である。
図7は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットとが連結された状態の説明図である。
図8は第1の固定部の要部説明図である。
図9は媒体搬送ユニットと画像記録ユニットが連結された状態で、右斜め後方から見た斜視図である。
図10は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め後方から見た斜視図である。
図11は外装部材が装着される状態の説明図であり、右斜め前方から見た斜視図である。
なお、各図面において、理解と説明の容易のために、説明に必要な部品以外の図示は、適宜省略されている。例えば、図7では駆動ユニットの図示が省略され、図9〜図11では現像装置等の表示が省略されている。
【0040】
(画像記録ユニットの説明)
図2〜図4において、実施例1の第1のユニットの一例としての画像記録ユニット1は、記録ユニット本体2を有する。図2において、記録ユニット本体2は、側壁の一例として、板状の左端壁3および右端壁4を有し、左端壁3と右端壁4との間には、前記感光体Py〜Pkや中間転写ベルトBを支持するバックアップロールT2a、ベルトクリーナCLb、帯電ロールCRy〜CRk、帯電器クリーナCCy〜CCk、感光体クリーナCLy〜CLk、LEDヘッドLHy〜LHkが支持されており、ユニット化されている各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkも下部に支持されている。
【0041】
前記左端壁3の後側下部、すなわち、搬出口Rr1側であって、バックアップロールT2aの下方には、第1の支持部の一例としての左固定部6が形成されている。前記左固定部6には、第1の位置決め部の一例として、後下方から前上方に延びるU字状の左位置決め溝6aが形成されており、左位置決め溝6aの上下両側には、第1の固定部の一例として、ネジが通過可能な左側のネジ通過孔6b,6cが形成されている。
図11において、前記右端壁4の搬出口Rr1側、すなわち、後側下部にも、第2の支持部の一例として、左端壁2と同様に構成された右固定部7が形成されており、第2の位置決め部の一例としての右位置決め溝7a、第2の固定部の一例としての右側のネジ通過口7b,7cが形成されている。
【0042】
図2、図3において、各端壁3,4の後側上部、すなわち、バックアップロールT2aの上方には、第3のユニット支持部の一例としての定着ユニット支持部8,9が設けられている。
図2、図5において、定着ユニット支持部8,9は、各端壁3,4の後面から後方に突出する位置決め固定部8a,9aを有する。また、位置決め固定部8a,9aには、ネジ孔8b,9bが形成されている。
図2、図5において、定着ユニット支持部8,9の上面には、第3のユニット位置決め部の一例として、円柱状の定着位置決め部8c,9cが形成されている。前記定着位置決め部8c,9cの後方には、前方に行くに連れて下方に傾斜する傾斜面8d,9dと、定着位置決め部8c,9cの下方に形成された位置決め下面8e,9eとが形成されている。
【0043】
前記定着ユニット支持部8,9の前側には、第1の基板支持部の一例として、高圧電源支持部11が支持されている。実施例1の高圧電源支持部11は、高圧電源基板で使用される回路素子が収容される収容空間11aが形成されている。
高圧電源支持部11の前側には、第2の基板支持部の一例として、板状の制御基板支持部12が形成されている。制御基板支持部12の前端部には、第3の位置決め部の一例として、前方に突出する前位置決め片13が左右一対形成されている。前位置決め片13の下方の記録ユニット本体2の前面には、第3の固定部の一例として、前ねじ穴14が形成されている。
したがって、前記前位置決め片13および前ねじ穴14により、画像記録ユニット1の搬出口Rr1とは反対側、すなわち、前側に配置された実施例1の第3の支持部の一例としての前固定部13+14が構成されている。また、前記左固定部6と、右固定部7と、前固定部13+14により、実施例1の記録ユニット支持部6+7+13+14が構成されている。
なお、本願明細書では、「搬出口側」と「搬出口とは反対側」について、「媒体搬送ユニットを水平方向に3分割、すなわち、中央部、一方側、他方側とした場合に、一方側を搬出口側とし、他方側を搬出口とは反対側とする」ものとする。尚、後述する媒体搬送ユニット31は、補充口カバーU2が開いた状態で3分割するのでは無く閉じた状態で3分割するものとする。
【0044】
図3において、記録ユニット本体2の左面には、駆動ユニット16が支持されている。駆動ユニット16は、駆動源の一例として、感光体Py〜Pkや中間転写ベルトBを駆動する駆動ロールRd、現像装置Gy〜Gkの現像ロールG1y〜G1k等を駆動する駆動モータ17を有する。駆動ユニット16内には、駆動モータ17の駆動を感光体Py〜Pk等に伝達する複数の歯車や、回転の伝達、切断を制御するクラッチ等を有する図示しない伝達系が収容されている。なお、駆動ユニット16の後部には、第3の基板支持部の一例として、上下方向に延びる板状の端子基板支持部18が支持されている。
【0045】
図4において、制御基板支持部12の右部には、プリンタUの外部の電源から図示しない供給線であるハーネスを介して電力が供給されると共に、モータやセンサ等に供給される電圧が生成される低圧電源基板21が支持されている。低圧電源基板21の左方には、低圧電源基板21に電気的に接続され、前記制御部Cや画像処理部GS等の回路が設けられた制御基板22が支持されている。
高圧電源支持部11には、低圧電源基板21に電気的に接続され、帯電ロールCRy〜CRkに印加される帯電電圧や現像ロールG1y〜G1kに印加される現像電圧、一次転写ロールT1y〜T1kに印加される一次転写電圧等を生成する高圧電源基板23が支持される。前記低圧電源基板21と高圧電源基板23とに設置された回路により、実施例1の電源回路Eが構成されている。
【0046】
また、端子基板支持部18には、前記コンピュータPCに電気的に接続されて画像情報や制御信号等が入出力される端子基板24が支持されている。駆動ユニット16の左面の前側には、各基板21〜24に電気的に接続された追加基板26が支持されている。
駆動モータ17の上方には、送風機の一例として、冷却用のファン27が支持されている。
前記符号2〜27を付した各部材により、実施例1の画像記録ユニット1が構成されている。
【0047】
(媒体搬送ユニットの説明)
図6、図7において、実施例1の媒体搬送ユニット31は、底壁32を有する。底壁32の前端部には、上下方向に延びる左右一対の外装固定部33,34が形成されている。外装固定部33,34の下端部には、外装固定用の下固定ねじ穴33a,34aが形成されている。前記外装固定部33,34の後方には、後方に延び、給紙トレイTR1の左右両側壁を構成する左側壁36および右側壁37が形成されている。
【0048】
底壁32の後端部には、第1ユニット固定部の一例として、上方に延びる左右一対の記録ユニット固定部38,39が形成されている。第1の被支持部の一例としての左側の記録ユニット固定部38には、第1の被位置決め部材の一例として、左位置決め溝6aに対応して配置され且つ左方に突出する左位置決め軸38aが形成されている。左位置決め軸38aの上下両側には、第1の被固定部の一例として、前記ネジ通過孔6b,6cに対応して配置された左ねじ穴38b,38cが形成されている。図9において、記録ユニット固定部38の後面には、外装固定部の一例として、上下一対の後ねじ穴38dが形成されている。
【0049】
なお、第2の被支持部の一例としての右側の記録ユニット固定部39は、左側の記録ユニット固定部38と同様に構成されている。よって、図11に示すように、右側の記録ユニット固定部39にも、第2の被位置決め部材の一例として、右位置決め溝7aに対応する右位置決め軸39aが形成され、第2の被固定部の一例として、ネジ通過孔7b,7cに対応する右ねじ穴39b,39cが形成されている。また、図9に示すように、右側の記録ユニット固定部39の後面には、外装固定部の一例として、上下一対の後ねじ穴39dが形成されている。
【0050】
図6、図7において、記録ユニット固定部38,39の間には、位置決め軸38a,39aの近傍に前記レジロールRrが支持されている。なお、レジロールRrの左端には、駆動が伝達される被伝達歯車の一例として、回転の伝達、切断が制御されるクラッチが内蔵されたレジロールギア41が支持されている。なお、レジロールRrの前側下方には、前記給紙ロールRpが支持されており、給紙ロールRpの左端には、被伝達歯車の一例としての給紙ロールギア42が支持されている。
図8において、実施例1のレジロールギア41は、左側の位置決め軸38aに回転可能に支持された中間伝達部材の一例としての中間ギア43を介して、回転が伝達可能に支持されている。中間ギア43は、画像記録ユニット1の駆動モータ17から駆動が伝達される第1の回転伝達部材の一例としてのギア44に噛み合うと共に、媒体搬送ユニット31に回転可能に支持され且つレジロールギア41に噛み合う第2の回転伝達部材の一例としてのギア45に噛み合っている。駆動モータ17が駆動すると、各ギア43〜45を介して、レジロールギア41が回転可能に構成されている。
【0051】
外装固定部33,34の前面には、縦案内部材の一例として、上方に延びる左右一対の縦ガイド部材46,47が支持される。実施例1の縦ガイド部材46,47の下端は、底面32の上面に支持されている。縦ガイド部材46,47の上端部には、外装固定部の一例として、上ねじ穴46a,47aが形成されている。
上ねじ穴46a,47aの下方には、第3の被支持部の一例として、左右方向に延び且つ縦ガイド部材46,47どうしを連結する横ガイド部材48が支持されている。横ガイド部材48の左右方向中央部には、第3の被固定部の一例として、画像記録ユニット1の前ねじ穴14に対応して、前ネジ貫通孔48aが形成されている。また、横ガイド部材48の上面には、第3の被位置決め部の一例として、前位置決め片13が接触する前位置決め面48bが形成されている。
【0052】
底壁32の上方には、前記給紙トレイTR1の上壁TR1cが配置されており、上壁TR1cの前端は、縦ガイド部材46,47に支持されている。
前記底壁32、外装固定部33,34、縦ガイド部材46,47および横ガイド部材48により囲まれた空間により、前記給紙トレイTR1の補充口TR1dが構成されている。
また、実施例1の媒体搬送ユニット31では、縦ガイド部材46,47および横ガイド部材48により、各基板21〜26まで延びる信号伝達や給電用の配線、いわゆるハーネスを、補充口TR1dを避けて引き回すために案内する配線案内部材、いわゆるハーネスガイド46〜48が構成されている。
【0053】
(定着ユニットの説明)
図7において、実施例1の第3のユニットの一例としての定着ユニット51は、定着左壁52と、定着右壁53とを有する。定着左壁52と定着右壁53との間には、前記定着装置Fと、排出ロールR1とが支持されている。
図7において、定着左壁52の下端には、定着用の被支持部材の一例として、前後方向に延びる定着連結部材56が支持されている。図5、図7において、定着連結部材56の後端には、定着用の被固定部の一例として、位置決め固定部8aに対応して、下方に折り曲げられた形状の被位置決め固定部56aが形成されている。図5において、定着固定部56aには、位置決め固定部8a,9aが嵌った状態で貫通可能な後位置決め孔56bが形成されている。
【0054】
図5、図7において、定着連結部材56の前端には、定着用の被位置決め部の一例として、二又状に形成され、前記定着位置決め部8cを挟み込んで上下方向の位置決めがされる被位置決め部56cが形成されている。
なお、前記定着右壁53の下端にも、左側の定着連結部材56と同様に、右側の定着ユニット支持部9に対応する右側の定着連結部材56が形成されている。
【0055】
(外装部材の説明)
図10、図11において、実施例1のプリンタUでは、外装部材の一例として、頂部を覆うトップカバー61と、前面を覆うフロントカバー62と、後面を覆うリアカバー63と、を有する。
図11において、トップカバー61の前面には、前記排出トレイTRhが形成されており、前端部には、外装部材をユニットに固定する外装用の被固定部の一例として、縦ガイド部材46,47に対応して形成された下方に延びる上被固定片61aが左右一対形成されている。各上被固定片61aには、縦ガイド部材46,47の上端部の上ねじ穴46a,47aに対応して、ねじ貫通孔61bが形成されている。
【0056】
図11において、トップカバー61の後端部には、外装部材どうしを固定する外装間被固定部の一例として、左右一対のカバー間被固定部61cが形成されており、カバー間被固定部61cには、図示しないネジ孔が形成されている。
また、図11において、前記トップカバー61の前端部には、外装間位置決め部の一例として、左右一対の半円状の位置決め凹部61dが形成されている。位置決め凹部61dの左右方向内側には、外装間固定部の一例として、四角形の孔状に形成され且つ左右方向に間隔をあけて配置された3つの固定口61eが形成されている。
【0057】
前記フロントカバー62は、補充口TR1dに対応する開口62aが形成されている。開口62aの左右両側の下部には、外装用の被固定部の一例として、媒体搬送ユニット31の下固定ねじ穴33a,34aに対応する位置に、ネジ通過孔62bが左右一対形成されている。図11において、フロントカバー62の上端部には、外装間の被位置決め部の一例として、位置決め凹部61dに対応する位置に、円柱状の突起により構成された左右一対の位置決め突起62cが前方に突出して形成されている。また、位置決め突起62cの左右方向の内側には、外装間の被固定部の一例として、固定口61eに対応する位置に、爪状に形成された固定爪62dが形成されている。
なお、前記補充口カバーU2は、フロントカバー62に回転可能に支持されている。
【0058】
リアカバー63には、中央部に開閉扉用の開口63aが形成されている。開口63aの左右両側部には、外装被固定部の一例として、4つの後ねじ穴38dに対応する位置に、後ネジ通過孔63bが4つ形成されている。また、リアカバー63の上端部には、外装間固定部の一例として、カバー間被固定部61cの後面に対向するカバー間固定部63cが形成されており、カバー間固定部63cには、カバー間被固定部61cのネジ孔に対応してネジ貫通孔63dが形成されている。
【0059】
リアカバー63の開口63aには、開閉部材の一例としての開閉扉64が支持されている。開閉扉64は、下端部が、媒体搬送ユニット31の外装固定部33,34に回転可能に支持されており、内面には、二次転写ロールT2bや媒体搬送路SHの後側の案内部材66が支持されている。
【0060】
(各ユニット、部材の固定の説明)
(画像記録ユニットと媒体搬送ユニットの固定)
画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に支持される場合、図3、図6、図7、図8、図11に示すように、位置決め溝6a,7aが位置決め軸38a,39aに嵌められることで位置決めされると共に、位置決め軸38a,39aを中心として画像記録ユニット1が回転可能に支持される。そして、画像記録ユニット1の前位置決め片13が前位置決め面48bに接触するまで回転することで、画像記録ユニット1の前側が位置決めされる。この状態で、左側のネジ通過孔6b,6cを通過してねじ穴38b,38cに嵌るネジにより、画像記録ユニット1の左側後端が左方から固定される。同様にして、右側のネジ通過孔7b,7cを通過してねじ穴39b,39cに嵌るネジにより、画像記録ユニット1の右側後端が右方から固定され、前ネジ貫通孔48aを通過して前ねじ穴14に嵌るネジにより、画像記録ユニット1の前端が前方から固定される。すなわち、実施例1では、左右の固定部6,7や、第3の支持部である前固定部13+14は、画像記録ユニット1に対して水平方向から締結される締結構造を有する。これにより、実施例1の画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、記録ユニット固定部38,39と、横ガイド部材48の3カ所で位置決めされた状態で固定される。
【0061】
したがって、画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、媒体(記録シートS)を使用する使用者にとって、着脱不能に支持される。なお、「媒体を使用する使用者」とは、「オフィス、店舗、空港・ホテル等のラウンジ、家庭等でデータをプリントする者とし、画像形成装置に不具合があった際に当該装置を点検・修理するサービスマンや倉庫・工場で点検・修理する工員は含まない」ものとする。したがって、サービスマンや工員等の非使用者は、工具等を用いて画像記録ユニットを媒体搬送ユニットから着脱できる。
前記記録ユニット固定部38,39および横ガイド部材48により、実施例1の記録ユニット被支持部39+39+48が構成されている。
【0062】
(画像記録ユニットと定着ユニットの固定)
定着ユニット51が画像記録ユニット1に支持される場合、図5、図7において、定着ユニット51の二又状の被位置決め部56cが、図5Aに示すように、画像記録ユニット1の傾斜面8d,9dおよび位置決め下面8e,9eに案内されて、被位置決め部56cが定着位置決め部8c,9cに嵌る。従って、被位置決め部56bと定着位置決め部8c,9cの嵌り合いで、定着ユニット51は画像記録ユニット1に対して、前後方向に移動可能な状態で支持される。そして、定着ユニット51の被位置決め固定部56aの後位置決め孔56bに位置決め固定部8a,9aが嵌った状態となるまで定着ユニット51の移動されると、定着ユニット51の位置決めがされる。そして、定着ユニット支持部8,9のネジ孔8b,9cに嵌るネジで固定されることで、定着ユニット51が画像記録ユニット1に固定される。
【0063】
(外装カバーの固定)
図10、図11において、トップカバー61は、前端部が、各上被固定片61aのねじ貫通孔61bを貫通して、縦ガイド部材46,47の上ねじ穴46a,47aに嵌るネジにより固定されている。トップカバー61の後端は、リアカバー63のカバー間固定部63cのネジ貫通口63dを貫通して、カバー間被固定部61cの図示しないネジ孔に嵌るネジにより、リアカバー63に固定されている。
フロントカバー62は、上端の縁がトップカバー61の前側の縁の内側に挿入された状態で、位置決め突起62cが位置決め凹部61dに嵌って位置決めされ、トップカバー61の固定口61eに固定爪62dが引っ掛かる。したがって、トップカバー61の前端は、フロントカバー62に固定される。そして、フロントカバー62の下部は、ネジ通過孔62bを貫通して、媒体搬送ユニット31の下固定ねじ穴33a,34aに嵌るネジにより、媒体搬送ユニット31に固定される。
【0064】
リアカバー63は、後ネジ通過孔63bを貫通して、媒体搬送ユニット31の後ねじ穴38dに嵌るネジにより固定される。
したがって、トップカバー61、フロントカバー62、リアカバー63は、画像記録ユニット1や定着ユニット51に固定されず、媒体搬送ユニット31に固定されている。なお、左右両側の図示しない実施例1のサイドカバーは、各カバー61〜63または底壁32に支持される。
【0065】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、媒体搬送ユニット31に画像記録ユニット1が直接位置決めされた状態で固定されると共に、定着ユニット51が画像記録ユニット1に対して位置決めされた状態で固定されている。すなわち、媒体搬送ユニット31と定着ユニット51が、画像記録ユニット1に対して位置決めされた状態で固定されていると見なすこともできる。よって、実施例1のプリンタUでは、従来から一般的な枠体、いわゆるフレームを有するプリンタとは異なり、フレームの無い構成、いわゆるフレームレスの構成となっている。よって、各ユニット間で直接位置決めされず、フレームを介して位置決めされていた従来のプリンタに比べて、フレームを介することで発生する各部材の製造上の誤差や取り付け誤差等の累積誤差が少なくなる。よって、画像形成時の各色の画像どうしの位置ズレや画像と記録シートSとの位置ズレ等が低減されており、画質が向上している。さらに、フレームが省略されており、フレームを有する従来の構成に比べて、小型化、軽量化、低コスト化されている。
【0066】
また、実施例のプリンタUでは、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に対して、前端の左右方向中央部と、後端左部と、後端右部との3カ所で固定されている。なお、実施例1では、正確には、左右のネジ通過孔6b,6c,7b,7cで4カ所で固定されているが、ネジ通過孔6b,6cとネジ通過孔7b,7cの位置が接近しており、画像記録ユニット1の全体から見て擬似的に2カ所と見ることが可能である。
したがって、4カ所で画像記録ユニット1が固定される場合では、媒体搬送ユニット31に歪みがあると、固定される画像記録ユニット1が歪み、Y,M,C,Kの画像の位置がずれたり、二次転写領域Q5で記録シートSに転写される画像がずれたりすることがあるが、実施例1では、3カ所で固定されており、媒体搬送ユニット31に歪みがあっても画像記録ユニット1に歪みが影響しにくくなっている。したがって、4カ所以上で固定する場合に比べて、画像のずれの発生等の歪みの悪影響が発生しにくくなっている。
【0067】
特に、実施例1の画像記録ユニット1は、無端帯状部材である中間転写ベルトBを有しており、画像記録ユニット1が歪むと、中間転写ベルトBが片寄ったり、蛇行したりする恐れがあるが、実施例1の画像記録ユニット1では、従来の構成に比べて媒体搬送ユニット31の歪みの悪影響を受けにくく、中間転写ベルトBの片寄り等が低減されている。
【0068】
図12は、画像記録ユニットが歪んだ影響の説明図であり、図12Aは2点支持側に搬出口側に画像記録領域が配置されている実施例1の場合の説明図、図12Bは2点支持側および搬出口から離れた位置に画像記録領域が配置された従来の場合の説明図である。
また、実施例1では、媒体搬送ユニット31から画像記録ユニット1に記録シートSが搬出される搬出口Rr1の側である後側で、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31に対して、左右両側から2カ所で固定されている。すなわち、実施例1では、媒体搬送ユニット31に3点支持される画像記録ユニット1において、後側で二点支持されている。
図12Aにおいて、搬出口Rr1側に画像記録領域である転写領域Q5が配置された実施例1のプリンタUでは、プリンタUが設置される面の凹凸等により、媒体搬送ユニット31が歪んだ場合、図12Aに示すように、搬出口Rr1の歪みに連動して転写領域Q5側が歪み、相対的に搬出口Rr1から搬送される記録シートSと転写領域Q5で転写される画像との間の歪みは少なくなる。
【0069】
一方、図12Bにおいて、二点支持部01および1点支持部02から離れた位置に画像記録領域03が設けられた従来の構成では、図12Bの破線で示すように下側のユニットが歪みが影響した場合、その歪みは各支持部01、02の部分において連動する歪みが発生するが、画像記録領域03では歪みは一致せずズレが発生する。したがって、一点鎖線で示す搬送路04に沿って、歪みが異なり、搬入された記録シートSが画像記録領域03に搬送されるまでの間に、記録シートSは傾斜しやすくなる。すなわち、傾斜、いわゆるスキューした記録シートSと画像とのズレが発生しやすくなる恐れがある。仮に、記録シートSのスキューを画像記録領域03の上流側のレジロール等で補正される構成を採用しても、スキューが補正しきれなかったり、レジロールから画像記録領域03までの歪みのズレで、スキュー補正後から転写されるまでの間にスキューが発生して、画像と記録シートSとがずれる恐れもある。これに対して、実施例1では、従来の構成に比べて、搬出口Rr1の歪みと、転写領域Q5の歪みとのズレが相対的に少なく、画像の位置ズレが少なく、画質が向上している。
【0070】
また、実施例1の画像記録ユニット1では、左右両端壁3,4に、感光体Py〜Pkと中間転写ベルトBだけでなく、LEDヘッドLHy〜LHkも支持されており、画像記録ユニット1の歪みに対して、同様の挙動を示す。したがって、潜像形成装置が画像記録ユニットの外部に設けられている構成に比べて、相対的な位置ズレが軽減されており、画質の低下が低減されている。
【0071】
さらに、実施例1では、画像記録ユニット1は、上下方向ではなく、水平方向からネジ止めがされており、画像記録ユニット1のねじれを生じさせ難い方向から締結されている。すなわち、図12Aに示すように、左固定部6および右固定部7が、プリンタUの設置面の凹凸に伴う媒体搬送ユニット31の歪みに連れて上下方向に歪んだ際、前側では、前ねじ穴14を中心として回転し、画像記録ユニット1の左固定部6または右固定部7側が歪む歪み量と近い歪み量が、前固定部13+14側でも生じるようにすることが可能である。特に、画像記録ユニット1が傾く際の回動中心の方向と、螺子などの締結部材の先端の向きとが、同じ向きに揃っており、螺子を中心として回転可能となっている。仮に、螺子などの締結部材の先端の向きが下向きの場合、画像記録ユニットの前固定部13+14側が画像記録ユニット1の傾きを、阻害することになるが、実施例1では、水平方向から固定されており、阻害されにくい。したがって、実施例1の画像記録ユニット1では、ねじれが生じにくく、媒体Sと、媒体Sに記録される画像とのズレを低減することが可能である。
【0072】
また、実施例1のプリンタUでは、転写領域Q5の上方に定着ユニット51が支持されており、定着領域Q6も搬出口Rr1側で、位置決め、固定されている。したがって、媒体搬送ユニット31の歪みが発生した場合に、定着ユニット51も連動して歪みやすく、定着領域Q6と記録シートS等との相対的なズレが抑制されており、定着不良や傾斜した記録シートSの紙詰まり等の発生が、従来の構成に比べて低減されている。
【0073】
さらに、実施例1のプリンタUでは、外装カバーであるトップカバー61、フロントカバー62、リアカバー63、開閉扉64等が画像記録ユニット1や定着ユニット51に固定されておらず、媒体搬送ユニット31に固定支持されている。従来のフレームを用いた構造では、外装カバーはフレームに取り付けており、外力を受けても画像記録ユニットに外力が直接作用することがないが、本発明のようにフレームを用いない構造では、外装カバー61〜64を画像記録ユニット1に取り付けてしまうと外力が直接作用して画像記録部材のズレを招く恐れがある。したがって、実施例1では、外装カバー62〜64が媒体搬送ユニット31に取り付けられており、トップカバー61は、カバー間固定部63cとカバー間被固定部61c、位置決め突起62cと位置決め凹部61d、固定口61eと固定爪62dにより、他の外装カバー62,63に固定されている。
したがって、実施例1では、外装カバー61〜64は、画像記録ユニット1に固定することなく複数の外装カバー61〜64が固定されており、外装カバー全体で剛性が確保されている。よって、フレームがない構成、いわゆるフレームレスであっても、外装部材に対する衝撃や歪みが画像記録ユニット1に伝わることが防がれている。したがって、画像記録ユニット1に外装カバー61〜64が取り付けられる場合に比べて、実施例1では、外装カバー61〜64が受ける外力等が画像記録ユニット1に悪影響を与えることが低減されており、画像記録ユニット1の歪みや、中間転写ベルトBの片寄り等の発生が低減されている。
【0074】
図13は実施例1の画像記録ユニットの固定方向と許容される歪みとの関係を説明する説明図である。
実施例1のプリンタUでは、画像記録ユニット1は、媒体搬送ユニット31に対して、位置決め軸38a,39aを中心として、図13の矢印Yaに示す回転方向に対して、回転可能に支持されている。したがって、回転不能な場合に比べて、画像記録ユニットの第3の支持部への位置決めが容易となる。
そして、画像記録ユニット1は、後端側では、左方または右方から固定されると共に、前端側では、前方から固定されている。したがって、上方や下方からネジ止めを行う構成に比べて、ネジを締結する際のドライバー等の工具を差し込みやすく、組み立て作業性が向上している。また、ドライバー等の差し込むための通路や口を形成する必要が無く、通路等を確保するための空間が不要となり、小型化に寄与する。また、上方向からネジ止めする場合に比べて、縦ガイド部材46、47に前側から支持された横ガイド部材48の変形による位置ズレを防止することが可能な構成となっている。
【0075】
また、画像記録ユニット1は、2点支持側である後端側では、左方または右方から固定されると共に、1点支持側である前端側では、左方や右方とは異なる方向である前方から、左右方向の中央部で固定されている。したがって、一点支持側において、前方からでなく、左方や右方から固定される構成に比べて、画像記録ユニット1の前側の左右両側において、図13の矢印Ybで示す回転方向の歪みが許容されている。したがって、中間転写ベルトの片寄りや蛇行を低減することができる。すなわち、画像記録ユニット1の前端部で、左方または右方から固定される場合、画像記録ユニット1の左側または右側が拘束されており、矢印Ybで示す歪みが右側または左側で許容されない場合は、媒体搬送ユニットの歪みに倣って画像記録ユニット1が歪むことになり中間転写ベルトBの片寄りや蛇行を低減することができない。
【0076】
また、実施例1の画像記録ユニット1では、ネジで上下両側のねじ穴38b,38cで固定される位置決め軸38aには、中間ギア43が支持されており、画像記録ユニット1の回転中心と、共通化されている。一般に、ギアどうしが噛み合って回転すると、噛み合い時の反力(駆動反力)で、ギアどうしが離れる方向の力が作用する。仮に、中間ギア43が位置決め軸38aとは異なる位置に配置されている場合、反力が作用すると、画像記録ユニット1が媒体搬送ユニット31から離れる方向、すなわち、浮き上がる方向の力を受け、画像記録ユニット1が歪んだり、転写領域Q5の位置がずれたりする恐れがある。これに対して、実施例1では、位置決め軸38a,39aに中間ギア43が支持されており、噛み合い時の反力が作用しても、近傍のネジ孔38b,38cで固定されており、歪み等の悪影響を受けにくくなっている。
【0077】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、その他の画像記録方式、例えば、インクジェット記録方式や熱転写方式の画像形成装置等にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、前記プリンタUは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0078】
(H03)前記実施例において、画像記録ユニット1は、位置決め軸38a,39aを中心として、回転可能に構成することが望ましいが、この構成に限定されず、回転不能に支持される構成、例えば、下方から支持される構成とすることも可能である。また、位置決め軸38a,39aは、例示した構成に限定されず、例えば、レジロールRrの回転軸と共通化することも可能である。この場合、レジロールRrに対する画像記録ユニット1の位置決め精度がさらに向上し、搬送される記録シートSと二次転写領域Q5のズレがさらに低減される。ただし、レジロールRrの回転軸や近傍には、レジロールギア41や図示しないレジセンサ等が配置されており、共通化した場合には、レジロールRrの回転軸を軸方向に長くする必要がある可能性があり、プリンタUが大型化する可能性がある。よって、プリンタUの許容される大きさやギア41等の部品との関係で、位置決め軸38a,39aと共通化可能である場合には、共通化することが望ましい。
【0079】
(H04)前記実施例において、定着ユニット51を画像記録ユニット1の上方に支持する構成が望ましいが、この構成に限定されず、定着ユニットを画像記録ユニット1に内包したり、定着ユニット51を媒体搬送ユニット31に支持する構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、外装カバー61〜64は、画像記録ユニット1や定着ユニットに固定しない構成が望ましいが、この構成に限定されず、画像記録ユニット1等に固定することも可能である。
【0080】
(H06)前記実施例において、画像記録ユニット1の前側の固定方向は、前方から、あるいは、左右方向に垂直な上下方向、例えば、前位置決め片13で上方から固定することが望ましいが、この構成に限定されず、左方、または、右方から固定することも可能である。
(H07)前記実施例において、レジロールRrを媒体搬送ユニット31に設ける構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば、レジロールRrを画像記録ユニット1に内蔵することも可能である。この場合、レジロールRrの上流側の搬送部材からの記録シートSの搬出口が、媒体搬送ユニット31から画像記録ユニット1への搬出口となる。同様に、二次転写ロールT2bを画像記録ユニット1に内蔵することも可能である。
【0081】
(H08)前記実施例において、中間ギア44は位置決め軸38aに回転可能に支持される構成が望ましいが、この構成に限定されず、位置決め軸38a以外の場所に支持される構成も可能である。
(H09)前記実施例において、各ユニット1,31,51を固定方法、締結機構として、ネジ止めを例示したが、この構成に限定されず、例えば、いわゆるスナップフィットやリベット止め等の固定方法、締結機構を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…画像記録ユニット、
6…第1の支持部、
6+7+13+14…記録ユニット支持部、
6a,7a…位置決め部材、
7…第2の支持部、
8,9…定着ユニット支持部、
13+14…第3の支持部、
31…媒体搬送ユニット、
44…第1の回転伝達部材、
45…第2の回転伝達部材、
46…中間伝達部材、
51…定着ユニット、
61,62,63,64…外装部材、
B…中間転写体、
F…定着装置、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持体、
Q5…画像記録領域、
Rr…時期調整部材,媒体搬送部材、
Rr1…搬出口、
S…媒体、
T1y,T1m,T1c,T1k…一次転写器、
T2…二次転写器、
U…画像形成装置、
UY〜UK+B…画像記録装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録される媒体を搬送する媒体搬送部材と、前記媒体が搬出される搬出口と、を有する媒体搬送ユニットと、
前記搬出口側に配置された画像記録領域において、前記媒体搬送ユニットから搬送された媒体に画像を記録する画像記録装置を有する画像記録ユニットと、
前記画像記録ユニットにおける前記搬出口側に配置され且つ搬送される媒体の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部および第2の支持部と、前記画像記録ユニットにおける前記搬出口とは反対側に配置された第3の支持部と、を有し、少なくとも前記第1の支持部および前記第2の支持部が前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に支持されるとともに、前記媒体を使用する使用者に対して前記画像記録ユニットが前記媒体搬送ユニットに対して着脱不能に支持される記録ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像記録領域に媒体を搬送する時期を調整する時期調整部材により構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
表面に像を保持して回転する像保持体と、無端帯状体により構成され且つ前記像保持体表面の像が転写されると共に前記画像形成領域において前記像保持体から転写された像が媒体に転写される中間転写体と、前記像保持体表面の像を前記中間転写体に転写する一次転写器と、を有する前記画像記録ユニット、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像記録ユニットは、側壁を有し、前記側壁により、前記像保持体、前記中間転写体、および前記像保持体に潜像を形成する潜像形成装置が支持されたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体に転写された像を定着する定着装置を有する定着ユニットと、
前記画像記録ユニットの前記画像記録領域側に設けられ、前記定着ユニットを支持する定着ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に設けられ、前記画像記録ユニットを位置決めし且つ回転可能に支持する位置決め部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記位置決め部材に支持され、且つ、前記画像記録ユニットに支持された第1の回転伝達部材と、前記媒体搬送ユニットに支持された第2の回転伝達部材と、に接続されて回転を伝達する中間伝達部材、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットの前記媒体の幅方向略中央に設けられたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットに対して水平方向から締結される締結構造を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体搬送ユニットに支持され、且つ、画像形成装置の外表面を構成する外装部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記外装部材は、複数の外装部材から構成され、
前記外装部材が、複数の外装部材どうしを固定する外装間固定部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像が記録される媒体を搬送する媒体搬送部材と、前記媒体が搬出される搬出口と、を有する媒体搬送ユニットと、
前記搬出口側に配置された画像記録領域において、前記媒体搬送ユニットから搬送された媒体に画像を記録する画像記録装置を有する画像記録ユニットと、
前記画像記録ユニットにおける前記搬出口側に配置され且つ搬送される媒体の幅方向に離れた位置に配置された第1の支持部および第2の支持部と、前記画像記録ユニットにおける前記搬出口とは反対側に配置された第3の支持部と、を有し、少なくとも前記第1の支持部および前記第2の支持部が前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に支持されるとともに、前記媒体を使用する使用者に対して前記画像記録ユニットが前記媒体搬送ユニットに対して着脱不能に支持される記録ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像記録領域に媒体を搬送する時期を調整する時期調整部材により構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
表面に像を保持して回転する像保持体と、無端帯状体により構成され且つ前記像保持体表面の像が転写されると共に前記画像形成領域において前記像保持体から転写された像が媒体に転写される中間転写体と、前記像保持体表面の像を前記中間転写体に転写する一次転写器と、を有する前記画像記録ユニット、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像記録ユニットは、側壁を有し、前記側壁により、前記像保持体、前記中間転写体、および前記像保持体に潜像を形成する潜像形成装置が支持されたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体に転写された像を定着する定着装置を有する定着ユニットと、
前記画像記録ユニットの前記画像記録領域側に設けられ、前記定着ユニットを支持する定着ユニット支持部と、
を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記媒体搬送ユニットの前記搬出口側に設けられ、前記画像記録ユニットを位置決めし且つ回転可能に支持する位置決め部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記位置決め部材に支持され、且つ、前記画像記録ユニットに支持された第1の回転伝達部材と、前記媒体搬送ユニットに支持された第2の回転伝達部材と、に接続されて回転を伝達する中間伝達部材、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットの前記媒体の幅方向略中央に設けられたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第3の支持部は、前記画像記録ユニットに対して水平方向から締結される締結構造を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体搬送ユニットに支持され、且つ、画像形成装置の外表面を構成する外装部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記外装部材は、複数の外装部材から構成され、
前記外装部材が、複数の外装部材どうしを固定する外装間固定部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−262086(P2010−262086A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111625(P2009−111625)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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