説明

画像形成装置

【課題】 樹脂フレームに大きな歪みが発生することを防止する。
【解決手段】 板金フレーム18に対してほぼ不動となる第1位置決め穴18A、第1位置決め穴18Bに対して、固定用雌ねじ穴18C及び固定用雌ねじ穴18Dそれぞれを第1位置決め穴18A、第1位置決め穴18Bの近傍に設け、特定方向の変位のみ許容する第2位置決め穴18E及び第2位置決め穴18Fそれぞれを第1位置決め穴18A、第1位置決め穴18Bに対して、固定用雌ねじ穴18C、固定用雌ねじ穴18Dより離隔した位置に設けるとともに、樹脂フレームの外周側で樹脂フレームを板金フレーム18側に押圧する。これにより、十分な保持力を得ながら、樹脂フレームに大きな歪みは発生することを防止することができるので、樹脂フレームが早期に疲労してしまうことを防止でき得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトユニット等のユニット部品が着脱可能に装着された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトユニット等のユニット部品は、通常、画像形成装置の骨格を成すフレームに着脱可能に装着されており、このフレームは、例えば特許文献1に記載されているように、主に機械的強度を発生する金属製の板金フレーム、及びこの板金フレームに組み付けられた樹脂製の樹脂フレーム等から構成されている。そして、ユニット部品は、樹脂フレームに設けられた位置決め部用の突起等により、その装着位置が設定される。
【0003】
ところで、板金フレームと樹脂フレームとは、一般的に熱による線膨張係数が大きく(10倍程度)相違するので、特許文献1に記載の発明では、板金フレームに対して樹脂フレームをネジ止めするとともに、温度変化が生じた場合においても十分な位置精度を保てるように、ネジボスの外周が撓むような構成としている。
【特許文献1】特開2008−9260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明では、樹脂フレームの熱膨張又は熱収縮によってネジボス周辺に歪が生じるので、樹脂フレームが早期に疲労してしまう可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、樹脂フレームに大きな歪みが発生することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、着脱可能なユニット部品(13、15)を支持する骨格を構成する金属製の金属フレーム(18)と、金属フレーム(18)に組み付けられ、金属フレーム(18)と共に骨格を構成するとともに、ユニット部品(13、15)の装着位置を決めるユニット位置決め部(19A、20A)が設けられた樹脂製の樹脂フレーム(19、20)と、金属フレーム(18)に設定された原点位置と樹脂フレーム(19、20)に設定された原点位置とを一致させた状態で、金属フレーム(18)に対して樹脂フレーム(19、20)を位置決めする第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)と、金属フレーム(18)に対して樹脂フレーム(19、20)を固定する固定部(18C、18D、S1、S2)と、金属フレーム(18)に対して樹脂フレーム(19、20)が特定方向に変位することを規制するとともに一定方向の変位を許容した状態で、金属フレーム(18)に対して樹脂フレーム(19、20)を位置決めする第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)と、樹脂フレーム(19、20)を金属フレーム(18)に押圧する押圧部(19H〜19P、20F)とを備え、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から固定部(18C、18D、S1、S2)までの寸法は、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)までの寸法より小さく、さらに、押圧部(19H〜19P、20F)は、樹脂フレーム(19、20)のうち、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)又は固定部(18C、18D、S1、S2)が設定された位置より外周縁側の位置に設定されていることを特徴とする。
【0006】
これにより、請求項1に記載の発明では、熱により樹脂フレーム(19、20)が金属フレーム(18)に対して大きく膨張又は収縮したときには、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)の位置を不動点(原点)として、他の部位が金属フレーム(18)に対して相対的に変位しようとする。
【0007】
一方、第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)において、樹脂フレーム(19、20)は、金属フレーム(18)に対して特定方向に変位することが規制されるものの、他の方向の変位は許容される。そして、押圧部(19H〜19P、20F)は、樹脂フレーム(19、20)を金属フレーム(18)に押圧しているのみであるので、押圧部(19H〜19P、20F)において、樹脂フレーム(19、20)は金属フレーム(18)に対してずれるように変位することができる。
【0008】
一方、固定部(18C、18D、S1、S2)において、樹脂フレーム(19、20)は金属フレーム(18)に固定されているので、熱により樹脂フレーム(19、20)が金属フレーム(18)に対して大きく膨張又は収縮しようとすると、特に、樹脂フレーム(19、20)のうち第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)と固定部(18C、18D、S1、S2)との間で熱歪みが発生し易い。
【0009】
しかし、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から固定部(18C、18D、S1、S2)までの寸法が、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)までの寸法より小さいので、樹脂フレーム(19、20)のうち第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)と固定部(18C、18D、S1、S2)との間で発生する熱歪みの量を小さな量とすることが可能となる。
【0010】
一方、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から固定部(18C、18D、S1、S2)までの寸法が、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)までの寸法より小さいので、樹脂フレーム(19、20)を金属フレーム(18)に保持するための力(以下、この力を保持力という。)が小さくなるおそれがあり、これを回避するには、押圧部(19H〜19P、20F)での押圧力を大きくする必要がある。
【0011】
しかし、押圧部(19H〜19P、20F)での押圧力を大きくすると、樹脂フレーム(19、20)が熱膨張又は熱収縮する際に、押圧部(19H〜19P、20F)にて樹脂フレーム(19、20)が金属フレーム(18)に対してずれるように変位することができなくなるおそれがある。
【0012】
これに対して、請求項1に記載の発明では、押圧部(19H〜19P、20F)は、樹脂フレーム(19、20)のうち、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)又は固定部(18C、18D、S1、S2)が設定された位置より外周縁側の位置に設定されているので、押圧部(19H〜19P、20F)から第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)までの寸法を大きくすることが可能となり、押圧部(19H〜19P、20F)での押圧力を過度に大きくすることなく、十分な保持力を得ることが可能となる。
【0013】
したがって、請求項1に記載の発明では、十分な保持力を得ながら、樹脂フレーム(19、20)に大きな歪みが発生することを防止することができるので、樹脂フレーム(19、20)が早期に疲労してしまうことを防止でき得る。
【0014】
なお、請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載の発明のごとく、押圧部(19H〜19P、20F)を複数箇所に設け、さらに、複数箇所の押圧部(19H〜19P、20F)のうち少なくとも1箇所の押圧部(19H〜19P、20F)は、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)に対して第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)側に設けられているとともに、その押圧部(19H〜19P、20F)から第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)までの寸法が、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)から固定部(18C、18D、S1、S2)までの寸法より大きくなるように設定することが望ましい。
【0015】
ところで、仮に、複数のユニット部品が樹脂フレームに組み付けられる場合には、当然ながら、複数のユニット部品に対応した複数のユニット位置決め部を樹脂フレームに設ける必要があるが、前述したように、樹脂フレームは、金属フレームより線膨張係数が大きいので、熱によりユニット位置決め部間の寸法が大きく変動してしまうおそれがある。
【0016】
これに対しては、仮に、複数のユニット位置決め部(19A、20A)を金属フレーム(18)に設ければ、金属フレーム(18)の線膨張係数が樹脂フレーム(19、20)の線膨張係数に比べて小さいので、樹脂フレーム(19、20)に複数のユニット位置決め部(19A、20A)を設けた場合に比べて、熱によるユニット位置決め部(19A、20A)間の寸法変動量を小さくすることができる。
【0017】
しかし、金属フレーム(18)にユニット位置決め部(19A、20A)を設けることは、樹脂フレーム(19、20)にユニット位置決め部(19A、20A)を設ける場合に比べて、加工性(製造)上の困難性が高いので、画像形成装置の製造原価上昇を招いてしまう。
【0018】
そこで、請求項3に記載の発明では、樹脂フレーム(19、20)を、金属フレーム(18)に組み付けられた複数個のサブフレーム(19、20)から構成し、さらに、複数個のサブフレーム(19、20)各々にユニット位置決め部(19A、20A)を設けるとともに、第1位置決め部(18A、18B、19F、20D)、固定部(18C、18D、S1、S2)、第2位置決め部(18E、19G、18F、20E)及び押圧部(19H〜19P、20F)を複数個のサブフレーム(19、20)各々に設定することを特徴としている。
【0019】
したがって、請求項3に記載の発明では、熱によるユニット位置決め部(19A、20A)間の寸法変動量に占める、樹脂フレーム(19、20)の熱膨張量又は熱収縮量の割合が小さくなり、金属フレーム(18)の熱膨張量又は熱収縮量の占める割合が大きくなるので、複数のユニット位置決め部(19A、20A)を全て1つの樹脂フレームに設けた場合に比べて、熱によるユニット位置決め部(19A、20A)間の寸法変動量を小さくすることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明では、複数のサブフレーム(19、20)のうち一のサブフレーム(19)は、隣り合う他のサブフレーム(20)により押圧されて押圧部(19J〜19L)が構成されていることを特徴とする。
【0021】
これにより、請求項4に記載の発明では、押圧部(19J〜19L)を構成するために、別途、新たな部材を設ける必要がないので、画像形成装置の部品点数の増加を抑制できる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明では、複数のサブフレーム(19、20)間には、隙間(22)が設けられていることを特徴としているので、複数のサブフレーム(19、20)のうち一のサブフレーム(19)が、隣り合う他のサブフレーム(20)から熱膨張の影響を受けてしまうことを防止できる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明では、金属フレーム(18)は、装置本体の幅方向両端側各々に配設されているとともに、それら一対の金属フレーム(18)を連結する連結フレーム(21)を備えており、さらに、樹脂フレーム(19、20)が、連結フレーム(21)により金属フレーム(18)に押圧されて押圧部(19H、19M、19N、19P、20F)が構成されていることを特徴とする。
【0024】
これにより、請求項6に記載の発明では、押圧部(19H、19M、19N、19P、20F)を構成するために、別途、新たな部材を設ける必要がないので、画像形成装置の部品点数の増加を抑制できる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明では、樹脂フレーム(19、20)には、その外周縁から外方側に突出した突起部(19H〜19P、20F)が形成されており、さらに、突起部(19H〜19P、20F)が金属フレーム(18)側に押圧されることにより、押圧部が構成されていることを特徴とする。
【0026】
これにより、請求項7に記載の発明では、容易に押圧部(19H〜19P、20F)を構成できるので、画像形成装置の組立作業性を向上させることができ、組立工数を低減できる。
【0027】
請求項8に記載の発明では、複数のサブフレーム(19、20)のうち一のサブフレーム(19)には、ユニット部品として、駆動ローラ(13B)、従動ローラ(13C)及びこれらのローラ(13B、13C)に架け渡されたベルト(13A)を有するベルトユニット(13)が装着され、複数のサブフレーム(19、20)のうち一のサブフレーム(19)と隣り合う他のサブフレーム(20)には、ユニット部品として、ベルト(13A)に付着した付着物を除去するベルトクリーナユニット(15)が装着され、ベルト(13A)の張架面(13D)と対向する位置には、ベルト(13A)の移動方向に沿って複数の感光ドラム(7A)が配設されており、さらに、一のサブフレーム(19)と他のサブフレーム(20)とは、隙間(22)を介して感光ドラム(7A)の並びの方向に並んで配置されていることを特徴とする。
【0028】
これにより、請求項8に記載の発明では、ベルト(13A)の移動方向と平行な部位の寸法が長くなり、この方向において、樹脂フレーム(19、20)が顕著に熱膨張又は熱収縮するが、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の発明を用いれば、効果的に、熱によるユニット位置決め部(19A、20A)間の寸法変動量を小さくしつつ、複数のサブフレーム(19、20)のうち一のサブフレーム(19)が、隣り合う他のサブフレーム(20)から熱膨張の影響を受けてしまうことを防止できる。
【0029】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本実施形態は、本発明に係る画像形成装置を電子写真方式の画像形成装置に適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す中央断面図であり、図2は本実施形態に係るフレーム16の斜視図であり、図3はフレーム16にベルトユニット13を装着した状態を示す上面側からの斜視図であり、図4はフレーム16にベルトユニット13を装着した状態を示す上面から見た図である。
【0031】
また、図5はフレーム16からベルトユニット13を取り外した状態を示す上面側からの斜視図であり、図6はフレーム16の分解斜視図であり、図7は第1樹脂フレーム19をベルトユニット13側から見た正面図であり、図8は図7を裏面側から見た図であり、図9は図4のA−A断面図である。
【0032】
また、図10は図9のA部拡大図であり、図11は第2樹脂フレーム20をベルトユニット13側から見た正面図であり、図12は図11の裏面図であり、図13は図9のB部拡大図であり、図14は板金フレーム18をベルトユニット13側から見た正面図であり、図15は図9の裏面図である。
【0033】
さらに、図16はサイドフレーム17をベルトユニット13側から見た正面図であり、図17(a)は図16のA部拡大図であり、図17(b)は、図17(a)のA−A断面図であり、図18(a)は図16のB部拡大図であり、図18(b)は、図18(a)のA−A断面図である。
【0034】
2.画像形成装置の構成
2.1.画像形成装置の概略構造
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成部5が収納されており、この画像形成部5は、周知のごとく、プロセスカートリッジ7、露光器9及び定着器11等から構成されている。
【0035】
なお、本実施形態に係る画像形成装置1は、ダイレクトタンデム方式のカラーレーザプリンタであるため、用紙の搬送方向に沿って直列に複数個(本実施形態では、4個)のプロセスカートリッジ7が配設されている。
【0036】
具体的には、用紙の搬送方向上流側から順に、ブラック用のプロセスカートリッジ7K、イエロー用のプロセスカートリッジ7Y、マゼンタ用のプロセスカートリッジ7M、シアン用のプロセスカートリッジ7Cであり、これらのプロセスカートリッジ7K〜7Cは、画像形成装置1の骨格部材を構成するフレーム16(図2等参照)に着脱可能に装着されている。
【0037】
また、各プロセスカートリッジ7K〜7Cは、収納されている現像剤の色が異なるのみで、その構造等は殆ど同じであり、具体的には、各プロセスカートリッジ7K〜7Cは、現像剤像が担持される感光ドラム7A、感光ドラム7Aを帯電させる帯電器7B、及び転写が終わった感光ドラム7Aの表面をクリーニングするクリーナ7D等から構成されている。
【0038】
このため、各感光ドラム7Aは、後述する転写ベルト13Aの張架面13Dと対向する位置において、転写ベルト13Aの移動方向に沿って直列に配設された構成となる。
また、露光器9は、各プロセスカートリッジ7K〜7Cに対応した4つの露光器9K〜9Cから構成されており、具体的には、プロセスカートリッジ7K用の露光器9K、プロセスカートリッジ7Y用の露光器9Y、プロセスカートリッジ7M用の露光器9M、及びプロセスカートリッジ7C用の露光器9Cである。
【0039】
なお、各露光器9K〜9Cは、多数個のLEDを感光ドラム7Aの軸方向と平行な方向に並べ、これらのLEDの点滅制御を行うことにより感光ドラム7Aを露光する露光手段である。
【0040】
また、定着器11は、用紙の印刷面側に配設されて現像剤を加熱しながら用紙に搬送力を付与する加熱ローラ11A、及び用紙を挟んで加熱ローラ11Aと反対側に配設されて用紙を加熱ローラ11A側に押圧する加圧ローラ11B等を有して構成されている。
【0041】
そして、帯電した感光ドラム7Aを露光器9にて露光して感光ドラム7Aの外周面に静電潜像を形成した後、電荷を帯びた現像剤を感光ドラム7Aに供給すると、感光ドラム7Aの外周面に現像剤像が担持(形成)される。
【0042】
また、ベルトユニット13の転写ベルト13Aを挟んで感光ドラム7Aと対向する位置には、感光ドラム7Aに担持された現像剤を用紙に転写させる転写ローラ14が設けられており、現像剤像が転写された用紙は、定着器11に搬送されて加熱され、用紙に転写された現像剤像が用紙に溶着(定着)する。
【0043】
また、ベルトユニット13は、転写ベルト13A、駆動ローラ13B、従動ローラ13C、並びに駆動ローラ13B及び従動ローラ13Cを保持するフレーム13D(図3又は図4等参照)等から構成されており、このベルトユニット13は、フレーム16(装置本体)に対して着脱可能に組み付けられている。
【0044】
そして、転写ベルト13Aは、樹脂材料(本実施形態では、熱可塑性エラストマー)からなる無端状のベルト部材であって、駆動ローラ13Bと従動ローラ13Cとの間に架け渡されている。
【0045】
また、駆動ローラ13Bは、装置本体に設けられた電動モータ(図示せず。)等の駆動源から動力を得て回転することにより転写ベルト13Aを回転させ、従動ローラ13Cは転写ベルト13Aの回転と共に従動回転する。
【0046】
また、ベルトユニット13の下方側には、転写ベルト13Aに付着した現像剤等の付着物を除去するベルトクリーナユニット15が配設されており、このベルトクリーナユニット15もフレーム16に着脱可能に装着されている(図5参照)。
【0047】
なお、ベルトクリーナユニット15は、クリーニングローラ15A、クリーニングシャフト15B、剥離ブレード15C、バックアップローラ15D、及び現像剤収容箱15E等から構成されている。
【0048】
そして、転写ベルト13Aの表面に付着した付着物(主に、現像剤)は、クリーニングローラ15Aにより回収され、クリーニングローラ15Aの表面に付着した現像剤は、静電吸引力によりクリーニングシャフト15Bに転写されるように回収された後、剥離ブレード15Cにより掻き落とされて現像剤収容箱15Eに収容される。
【0049】
2.2.フレームの構造
フレーム16は、プロセスカートリッジ7、ベルトユニット13及びベルトクリーナユニット15等を保持する骨格部材を構成するものであり、このフレーム16は、図2示すように、置本体の幅方向両端側各々に配設された略板状のサイドフレーム17、及びこれら一対のサイドフレーム17を連結する梁状の連結フレーム21等から構成されている。
【0050】
なお、連結フレーム21は、その軸方向両端側に設けられた鍔状のフランジ部21Aを介してネジやリベット等の機械的締結手段により板金フレーム18に固定されている。
また、サイドフレーム17は、図6に示すように、主に機械的強度を発生する金属(本実施形態では、SPCC等の冷間圧延鋼板)製の板金フレーム18、この板金フレーム18に組み付けられた樹脂(本実施形態では、ABS等の熱可塑性樹脂)製の第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20等から構成されている。
【0051】
また、第1樹脂フレーム19には、図7に示すように、ベルトクリーナユニット15の装着位置を決めるためクリーナ位置決め部19Aが設けられており、このクリーナ位置決め部19Aは、下方側に向けて窪んだ凹状の溝部である。
【0052】
そして、ベルトクリーナユニット15に設けられた円筒状の位置決め突起部15Fが、図10に示すように、クリーナ位置決め部19Aに填り込んでクリーナ位置決め部19Aの両側面19B及び底面19Cに接触することにより、第1樹脂フレーム19に対するベルトクリーナユニット15の装着位置が決定される。
【0053】
因みに、ベルトクリーナユニット15は、位置決め突起部15Fが両側面19Bに接触することより前後方向位置が決定され、位置決め突起部15Fが底部19Cに接触することにより上下方向位置が決定され、位置決め突起部15Fの先端がクリーナ位置決め部19Aの壁面19D(図6参照)に接触することにより左右方向位置が決定される。
【0054】
一方、第2樹脂フレーム20には、図11に示すように、ベルトユニット13の装着位置を決めるためベルトユニット位置決め部20Aが設けられており、このベルトユニット位置決め部20Aは、図13に示すようにベルトユニット13の前後方向(転写ベルト13Aの張架方向)に対して直交する基準面20Bを有する突起状のものである。
【0055】
そして、ベルトユニット13のフレーム13Dに設けられた角筒状の位置決め突起部13Eが基準面20Bに接触することにより、ベルトユニット13の前後方向位置が決定される。なお、ベルトユニット13の左右方向位置及び上下方向位置は、図9に示すように、突起部13F、13Gが第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20それぞれに設けられた穴部19E、20Cに填め込まれることにより決定される。
【0056】
また、第2樹脂フレーム20は、図16に示すように、画像形成装置1の前後方向(複数の感光ドラム7Aの並びの方向)において、第1樹脂フレーム19に対して所定寸法の隙間22(図16の斜線部分)を介して隣り合うように配設されている。
【0057】
また、板金フレーム18には、図14に示すように、第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20(以下、両樹脂フレームを総称するときは、第1樹脂フレーム19等と記す。)を板金フレーム18に位置決めした状態で固定するための手段として、第1位置決め穴18A、18B、固定用雌ねじ穴18C、18D、及び第2位置決め穴18E、18Fが設けられている。
【0058】
なお、第1位置決め穴18A、18B、固定用雌ねじ穴18C、18D、及び第2位置決め穴18E、18Fは、板金フレーム18の成形と同時にプレス加工により形成されたものであるが、固定用雌ねじ穴18C、18Dの雌ねじは、プレス加工により形成することは不可能であるので、本実施形態では、固定用雌ねじ穴18C、18Dに装着するネジとしてタッピングネジを用いることにより、ネジ締めを行いながら雌ねじを形成している。
【0059】
そして、図15に示すように、第1位置決め穴18Aに第1樹脂フレーム19に設けられた第1突起部19Fが填め込まれることにより、板金フレーム18に設定された第1樹脂フレーム19用の原点位置(第1位置決め穴18Aの中心)と第1樹脂フレーム19に設定された原点位置(第1突起部19Fの中心)とが一致した状態で、板金フレーム18に対して第1樹脂フレーム19が位置決めされる。
【0060】
同様に、第1位置決め穴18Bに第2樹脂フレーム20に設けられた第1突起部20Dが填め込まれることにより、板金フレーム18に設定された第2樹脂フレーム20用の原点位置(第1位置決め穴18Bの中心)と第2樹脂フレーム20に設定された原点位置(第1突起部20Dの中心)とが一致した状態で、板金フレーム18に対して第2樹脂フレーム20が位置決めされる。
【0061】
なお、第1位置決め穴18Aと第1突起部19Fとのはめあい公差、及び第1位置決め穴18Bと第1突起部20Dとのはめあい公差は、ガタツキが発生しない程度(中間ばめ程度)とすることが望ましい。
【0062】
また、固定用雌ねじ穴18Cは、第1樹脂フレーム19を貫通するネジS1が締め込まれるネジ穴であり、この固定用雌ねじ穴18Cに締め込まれるネジS1の締結力により第1樹脂フレーム19が板金フレーム18に対して固定される。
【0063】
同様に、固定用雌ねじ穴18Dは、第2樹脂フレーム20を貫通するネジS2が締め込まれるネジ穴であり、この固定用雌ねじ穴18Dに締め込まれるネジS2の締結力により第2樹脂フレーム20が板金フレーム18に対して固定される。
【0064】
また、第2位置決め穴18Eは、第1樹脂フレーム19が板金フレーム18に対して特定方向に変位(本実施形態では、第1位置決め穴18Aを中心に回転)することを規制するとともに、その特定方向と直交する方向(本実施形態では、画像形成装置1の前後方向)の変位を許容した状態で、板金フレーム18に対して第1樹脂フレーム19を位置決めするための長円状の長穴である。
【0065】
すなわち、第1樹脂フレーム19には、第2位置決め穴18Eに挿入される円柱状の突起部19Gが設けられている。そして、第2位置決め穴18Eの短径寸法は、突起部19Gの直径寸法とほぼ同じであり、第2位置決め穴18Eの長径方向は、特定方向と直交する方向(本実施形態では、画像形成装置1の前後方向)と一致している。
【0066】
このため、突起部19G(第1樹脂フレーム19)は、板金フレーム18に対して前後方向には変位することができるが、これと直交する上下方向に変位することができない。
また、第2位置決め穴18Fも第2位置決め穴18Eと同様に、長径方向が画像形成装置1の前後方向と一致するような長円状の長穴として形成され、かつ、第2位置決め穴18Fには第2樹脂フレーム20に設けられた円柱状の突起部20Eが挿入されているため、突起部20E(第2樹脂フレーム20)は、板金フレーム18に対して前後方向には変位することができるが、これと直交する上下方向に変位することができない。
【0067】
ところで、第1樹脂フレーム19には、図7に示すように、その外周縁から外方側に突出した押圧用爪部19H〜19Pが形成されており、これらの押圧用爪部19H〜19Pは、図16に示すように、連結フレーム21のフランジ部21A及び第2樹脂フレーム20により板金フレーム18側に押圧されている。
【0068】
すなわち、連結フレーム21の長手方向両端側には、フランジ部21Aが設けられており、押圧用爪部19H、19M、19Nは、フランジ部21Aを介して連結フレーム21により板金フレーム18側に押圧され(図17(a)及び図17(b)参照)、押圧用爪部19J、19K、19Lは、第2樹脂フレーム20により板金フレーム18側に押圧されている(図18(a)及び図18(b)参照)。
【0069】
一方、第2樹脂フレーム20にも、図11に示すように、その外周縁から外方側に突出した押圧用爪部20Fが設けられおり、この押圧用爪部20Fも、図16に示すように、フランジ部21Aを介して連結フレーム21により板金フレーム18側に押圧されている。
【0070】
因みに、本実施形態に係る第2樹脂フレーム20は、押圧用爪部20Fに作用する押圧力に加えて、第2樹脂フレーム20の外周縁側に設けられたネジ3Sによっても板金フレーム18側に押圧されている。
【0071】
3.本実施形態に係る画像形成装置(特に、フレーム構造)の特徴
本実施形態では、板金フレーム18の第1位置決め穴18Aに第1樹脂フレーム19の第1突起部19Fが填め込まれ、第1位置決め穴18Bに第1突起部20Dが填め込まれているので、熱により第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20が板金フレーム18に対して大きく膨張又は収縮したときには、第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20それぞれは、第1位置決め穴18A、第1位置決め穴18Bの中心位置を不動点(原点)として、他の部位が板金フレーム18に対して相対的に変位しようとする。
【0072】
一方、板金フレーム18の第2位置決め穴18Eに第1樹脂フレーム19の突起部19Gが挿入され、板金フレーム18の第2位置決め穴18Fに第2樹脂フレーム20の突起部20Eが挿入されているので、第1樹脂フレーム19等は、板金フレーム18に対して特定方向(画像形成装置1の前後方向)に変位することが規制されるものの、他の方向の変位は許容される。
【0073】
また、押圧用爪部19H〜19P、20Fにおいては、第1樹脂フレーム19等が板金フレーム18側に押圧されているのみであるので、押圧用爪部19H〜19P、20Fにおいて、第1樹脂フレーム19等は板金フレーム18に対してずれるように変位することができる。
【0074】
一方、固定用雌ねじ穴18C及び固定用雌ねじ穴18Dにおいて、第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20それぞれは板金フレーム18に固定されているので、熱により第1樹脂フレーム19等が板金フレーム18に対して大きく膨張又は収縮しようとすると、特に、第1樹脂フレーム19のうち第1位置決め穴18Aと固定用雌ねじ穴18Cとの間、及び第2樹脂フレーム20のうち第1位置決め穴18Bと固定用雌ねじ穴18D第との間で熱歪みが発生し易い。
【0075】
しかし、本実施形態では、図14に示すように、第1位置決め穴18Aから固定用雌ねじ穴18Cまでの寸法L1が、第1位置決め穴18Aから第2位置決め穴18Eまでの寸法L2より小さいので、第1位置決め穴18Aと固定用雌ねじ穴18Cとの間で発生する熱歪みの量を小さな量とすることが可能となる。
【0076】
同様に、第2位置決め穴18Eから固定用雌ねじ穴18Dまでの寸法L3が、第1位置決め穴18Bから第2位置決め穴18Fまでの寸法L4より小さいので、第2位置決め穴18Eと固定用雌ねじ穴18Dとの間で発生する熱歪みの量を小さな量とすることが可能となる。なお、寸法L1〜L4は、各穴18A〜18Dの中心(面心)間の距離を表している。
【0077】
一方、第1位置決め穴18Aから固定用雌ねじ穴18Cまでの寸法L1が、第1位置決め穴18Aから第2位置決め穴18Eまでの寸法L2より小さく、かつ、第2位置決め穴18Eから固定用雌ねじ穴18Dまでの寸法L3が、第1位置決め穴18Bから第2位置決め穴18Fまでの寸法L4より小さいので、第1樹脂フレーム19等を板金フレーム18に保持するための保持力が小さくなるおそれがあるが、これを回避するには、押圧用爪部19H〜19P、20Fでの押圧力を大きくする必要がある。
【0078】
しかし、押圧用爪部19H〜19P、20Fでの押圧力を大きくすると、第1樹脂フレーム19等が熱膨張又は熱収縮する際に、押圧用爪部19H〜19P、20Fにて第1樹脂フレーム19等が板金フレーム18に対してずれるように変位することができなくなるおそれがある。
【0079】
これに対して、本実施形態では、押圧用爪部19H〜19Pは、第1樹脂フレーム19のうち、第1位置決め穴18A、第2位置決め穴18E又は固定用雌ねじ穴18Cが設定された位置より外周縁側の位置に設定されているので、押圧用爪部19H〜19Pから第1位置決め穴18Aまでの寸法を大きくすることが可能となり、押圧用爪部19H〜19Pでの押圧力を過度に大きくすることなく、十分な保持力を得ることが可能となる。
【0080】
つまり、本実施形態においては、図15及び図16に示すように、第1樹脂フレーム19に設けられた複数の押圧用爪部のうち押圧用爪部19H〜19L、19Pは、第1位置決め穴18Aに対して第2位置決め穴18E側に設けられているとともに、押圧用爪部19H〜19L、19Pから第1位置決め穴18Aまでの寸法が、第1位置決め穴18Aから固定用雌ねじ穴18Cまでの寸法より大きくなるように設定されているので、少なくとも押圧用爪部19H〜19L、19Pでの押圧力を過度に大きくすることなく、十分な保持力を得ることが可能となる。
【0081】
同様に、第2樹脂フレーム20では、押圧用爪部20Fが第1位置決め穴18B、第2位置決め穴18F又は固定用雌ねじ穴18Dが設定された位置より外周縁側の位置に設定されていることにより、押圧用爪部20Fが第1位置決め穴18Bに対して第2位置決め穴18F側に設けられ、かつ、押圧用爪部20Fから第1位置決め穴18Bまでの寸法が、第1位置決め穴18Bから固定用雌ねじ穴18Dまでの寸法より大きくなるように設定された構成となっている。
【0082】
このため、第2樹脂フレーム20においても、押圧用爪部20Fから第1位置決め穴18Bまでの寸法を大きくすることが可能となるので、押圧用爪部20Fでの押圧力を過度に大きくすることなく、十分な保持力を得ることが可能となる。
【0083】
以上の説明したように、本実施形態では、十分な保持力を得ながら、第1樹脂フレーム19等に大きな歪みは発生することを防止することができるので、第1樹脂フレーム19等が早期に疲労してしまうことを防止でき得る。
【0084】
また、本実施形態では、第1樹脂フレーム19に設けられたクリーナ位置決め部19Aにてベルトクリーナユニット15の位置決めがされ、第2樹脂フレーム20に設けられたベルトユニット位置決め部20Aにてベルトユニット13の位置決めがされるので、熱による両ユニット位置決め部19A、20A間の寸法変動量に占める、第1樹脂フレーム19及び第2樹脂フレーム20の熱膨張量又は熱収縮量の割合が小さくなり、板金フレーム18の熱膨張量又は熱収縮量の占める割合が大きくなる。
【0085】
このため、本実施形態では、両ユニット位置決め部19A、20A間の寸法変動量は、両樹脂フレーム19、20の原点位置間の寸法変動とほぼ同等となり、この原点位置間の寸法変動は、両ユニット13、15を共に板金フレーム18に対して直接的に位置決め装着した状態とほぼ同等となる。
【0086】
したがって、本実施形態では、第1樹脂フレーム19と第2樹脂フレーム20とを一体化して1つの樹脂フレームとして、この一体化された樹脂フレームに両ユニット13、15を装着した場合に比べて、熱による両ユニット位置決め部19A、20A間の寸法変動量を小さくすることができる。
【0087】
また、本実施形態では、第1樹脂フレーム19の押圧用爪部19J〜19Lが第2樹脂フレーム20により押圧されているので、押圧用爪部19J〜19Lを押圧するために、別途、新たな部材を設ける必要がないので、画像形成装置1の部品点数の増加を抑制できる。
【0088】
また、本実施形態では、第1樹脂フレーム19と第2樹脂フレーム20との間には、隙間22が設けられているので、複数の樹脂フレーム19、20のうち一方の樹脂フレームが、他方の樹脂フレーム20から熱膨張の影響を受けてしまうことを防止できる。
【0089】
また、本実施形態では、押圧用爪部19H、19M、19N、19P、20Fが連結フレーム21(フランジ部21A)により板金フレーム18側に押圧されているので、押圧用の部材を、別途、新たに設ける必要がなく、画像形成装置1の部品点数の増加を抑制できる。
【0090】
また、本実施形態では、押圧用爪部19H〜19P、20Fは、各樹脂フレーム19、20の外周縁から外方側に突出するように形成されているので、容易に押圧用爪部19H〜19P、20Fを押圧することができ、画像形成装置1の組立作業性を向上させることができ、組立工数を低減できる。
【0091】
また、本実施形態では、ダイレクトタンデム方式の画像形成装置であるので、転写ベルト13Aの移動方向と平行な部位の寸法が長くなり、この方向において、第1樹脂フレーム19等が顕著に熱膨張又は熱収縮する。
【0092】
しかし、本実施形態に係る画像形成装置1では、前述したように、効果的に、熱による両ユニット位置決め部19A、20A間の寸法変動量を小さくしつつ、複数の樹脂フレーム19、20のうち一方の樹脂フレームが、隣り合う他の樹脂フレームから熱膨張の影響を受けてしまうことを防止できるので、ダイレクトタンデム方式の画像形成装置に適用して特に効果的である。
【0093】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、第1位置決め穴18Aに第1突起部19Fが填め込まれ、第1位置決め穴18Bに第1突起部20Dが填め込まれることにより、特許請求の範囲に記載された第1位置決め部が構成され、固定用雌ねじ穴18CにネジS1が締め込まれ、固定用雌ねじ穴18DにネジS2が締め込まれることにより特許請求の範囲に記載された固定部が構成されている。
【0094】
また、第2位置決め穴18Eに突起部19Gが挿入され、第2位置決め穴18Fに突起部20Eが挿入されることにより第2位置決め部が構成され、押圧用爪部19H〜19P、20Fがフランジ部21A等により板金フレーム18側に押圧されることにより、特許請求の範囲に記載された押圧部が構成されている。
【0095】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1位置決め部及び第2位置決め部を構成するにあたり、板金フレーム18に穴を設け、樹脂フレーム19、20側に突起を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、板金フレーム18に突起を設け、樹脂フレーム19、20側に穴を設けてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態では、固定部を構成するにあたり、板金フレーム18にネジ穴を設け、ネジにて樹脂フレーム19、20を板金フレーム18に固定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばリベットや溶着等により樹脂フレーム19、20を板金フレーム18に固定して固定部を構成してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、樹脂フレーム19、20の外周縁から外方側に向けて突出する押圧用爪部19H〜19P、20Eを板金フレーム18側に押圧することにより、押圧部を構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
また、上述の実施形態では、樹脂フレーム19、20の外周縁から外方側に向けて突出する押圧用爪部19H、19M〜19P、20Eを連結フレーム21で押圧したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
また、上述の実施形態に係る露光器9は、LEDにて構成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光を走査しながら感光ドラム7Aを露光する露光器であってもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、ダイレクトタンデム式のレーザプリンタに本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、モノクロ方式の電子写真方式の画像形成装置、又は中間転写方式のカラーレーザプリンタ等にも適用することができる。
【0101】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す中央断面図である。
【図2】本実施形態に係るフレーム16の斜視図である。
【図3】フレーム16にベルトユニット13を装着した状態を示す上面側からの斜視図である。
【図4】フレーム16にベルトユニット13を装着した状態を示す上面から見た図である。
【図5】フレーム16からベルトユニット13を取り外した状態を示す上面側からの斜視図である。
【図6】フレーム16の分解斜視図である。
【図7】第1樹脂フレーム19をベルトユニット13側から見た正面図である。
【図8】図7を裏面側から見た図であり、図9は図4のA−A断面図である。
【図9】図4のA−A断面図である。
【図10】図9のA部拡大図である。
【図11】第2樹脂フレーム20をベルトユニット13側から見た正面図である。
【図12】図11の裏面図である。
【図13】図9のB部拡大図である。
【図14】板金フレーム18をベルトユニット13側から見た正面図である。
【図15】図9の裏面図である。
【図16】サイドフレーム17をベルトユニット13側から見た正面図である。
【図17】(a)は図16のA部拡大図であり、(b)は、図17(a)のA−A断面図である。
【図18】(a)は図16のB部拡大図であり、(b)は、図18(a)のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0103】
1…画像形成装置、5…画像形成部、7…プロセスカートリッジ、
7A…感光ドラム、7B…帯電器9…露光器、11…定着器、
13…ベルトユニット、13A…転写ベルト、13B…駆動ローラ、
13C…従動ローラ、13D…フレーム、13D…張架面、
13E…位置決め突起部、13F…突起部、14…転写ローラ、
15…ベルトクリーナユニット、15A…クリーニングローラ、
15B…クリーニングシャフト、15C…剥離ブレード、
15D…バックアップローラ、15E…現像剤収容箱、
15F…位置決め突起部、16…フレーム、17…サイドフレーム、
18…板金フレーム、18A…第1位置決め穴、18B…第1位置決め穴、
18C、18D…穴、18E…第2位置決め穴、18F…第2位置決め穴、
19…第1樹脂フレーム、19A…クリーナ位置決め部、19E…穴部、
19F…第1突起部、19G…突起部、19H…押圧用爪部、19J…押圧用爪部、
20…第2樹脂フレーム、20A…ベルトユニット位置決め部、20B…基準面、
20D…第1突起部、20E…突起部、20F…押圧用爪部、21…連結フレーム、
21A…フランジ部、22…隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なユニット部品を支持する骨格を構成する金属製の金属フレームと、
前記金属フレームに組み付けられ、前記金属フレームと共に骨格を構成するとともに、前記ユニット部品の装着位置を決めるユニット位置決め部が設けられた樹脂製の樹脂フレームと、
前記金属フレームに設定された原点位置と前記樹脂フレームに設定された原点位置とを一致させた状態で、前記金属フレームに対して前記樹脂フレームを位置決めする第1位置決め部と、
前記金属フレームに対して前記樹脂フレームを固定する固定部と、
前記金属フレームに対して前記樹脂フレームが特定方向に変位することを規制するとともに一定方向の変位を許容した状態で、前記金属フレームに対して前記樹脂フレームを位置決めする第2位置決め部と、
前記樹脂フレームを前記金属フレームに押圧する押圧部とを備え、
前記第1位置決め部から前記固定部までの寸法は、前記第1位置決め部から前記第2位置決め部までの寸法より小さく、
さらに、前記押圧部は、前記樹脂フレームのうち、前記第1位置決め部又は前記固定部が設定された位置より外周縁側の位置に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記押圧部は、複数箇所に設けられており、
さらに、複数箇所の前記押圧部のうち少なくとも1箇所の前記押圧部は、前記第1位置決め部に対して前記第2位置決め部側に設けられているとともに、その押圧部から前記第1位置決め部までの寸法が、前記第1位置決め部から前記固定部までの寸法より大きくなるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記樹脂フレームは、前記金属フレームに組み付けられた複数個のサブフレームから構成されており、
さらに、前記複数個のサブフレーム各々には、前記ユニット位置決め部が設けられているとともに、前記第1位置決め部、前記固定部、前記第2位置決め部及び前記押圧部が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数のサブフレームのうち一のサブフレームは、隣り合う他のサブフレームにより押圧されて前記押圧部が構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数のサブフレーム間には、隙間が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記金属フレームは、装置本体の幅方向両端側各々に配設されているとともに、それら一対の金属フレームを連結する連結フレームを備えており、
さらに、前記樹脂フレームが、前記連結フレームにより前記金属フレームに押圧されて前記押圧部が構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記樹脂フレームには、その外周縁から外方側に突出した突起部が形成されており、
さらに、前記突起部が前記金属フレーム側に押圧されることにより、前記押圧部が構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のサブフレームのうち一のサブフレームには、前記ユニット部品として、駆動ローラ、従動ローラ及びこれらのローラに架け渡されたベルトを有するベルトユニットが装着され、
前記複数のサブフレームのうち前記一のサブフレームと隣り合う他のサブフレームには、前記ユニット部品として、前記ベルトに付着した付着物を除去するベルトクリーナユニットが装着され、
前記ベルトの張架面と対向する位置には、前記ベルトの移動方向に沿って複数の感光ドラムが配設されており、
さらに、前記一のサブフレームと前記他のサブフレームとは、隙間を介して前記感光ドラムの並びの方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項3ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−79046(P2010−79046A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248597(P2008−248597)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】