画像形成装置
【課題】像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くする。
【解決手段】像を保持する感光体ドラム4を露出させた状態で収容する収容器と、収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、その位置まで差し込まれた収容器に収容されている像保持体に対して現像剤を供給する現像スリーブを露出させた状態で収容する現像器5と、収容器が装置本体に差し込まれるときに現像器5に収容された現像部が感光体ドラム4に近づく方向にその現像器5を押す押部材54と、収容器に設けられた接触部であって、その収容器が装置本体のその位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って現像器5に接して、押部材により押される方向に抗う方向へその現像器5を押し、収容器がその位置に到るまでにその現像器5を押さなくなる接触部31とを具備する。
【解決手段】像を保持する感光体ドラム4を露出させた状態で収容する収容器と、収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、その位置まで差し込まれた収容器に収容されている像保持体に対して現像剤を供給する現像スリーブを露出させた状態で収容する現像器5と、収容器が装置本体に差し込まれるときに現像器5に収容された現像部が感光体ドラム4に近づく方向にその現像器5を押す押部材54と、収容器に設けられた接触部であって、その収容器が装置本体のその位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って現像器5に接して、押部材により押される方向に抗う方向へその現像器5を押し、収容器がその位置に到るまでにその現像器5を押さなくなる接触部31とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、潜像を保持する像保持体を収容する収容器と、その像保持体に現像剤を供給する現像部を収容する装置本体とを分離可能に構成したものがある。このような画像形成装置においては、利用者が装置本体に収容器を差し込むことで、像保持体と現像部とが互いに適正な位置関係となり、画像の形成が可能となる。このような画像形成装置においては、収容器の抜き差しの際に、外部に露出している各部を保護する必要がある。特許文献1には、像形成ユニットを画像形成装置本体に装着する作業時に、感光体ドラムや中間転写ベルトの露出部に傷がつかないようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本願の請求項1に係る画像形成装置は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する前記現像部収容器と、前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す前記押手段と、前記収容器に設けられた接触部であって、当該収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、その後、前記収容器が前記位置に到った際には当該現像部収容器を前記抗う方向に押さなくなる前記接触部とを具備することを特徴とする。
【0006】
本願の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の態様において、前記接触部は、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、前記収容器が前記装置本体から抜き出されるまでに当該現像部収容器を押さなくなり、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに最初に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が抜き出される方向の第一成分と前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第二成分とを有することを特徴とする。
【0007】
本願の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記現像部は、軸を中心に回転し、前記現像部収容器は、前記現像部と前記像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、前記像保持体と接触しながら前記軸を中心に回転する前記距離保持手段を備え、前記接触部は、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに前記距離保持手段に接して前記現像部収容器を押すことを特徴とする。
【0008】
本願の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3のいずれか1に記載の態様において、前記収容器は、前記像保持体の表面を清掃する清掃部と、前記清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された前記支持部材とを備え、前記現像部は磁気吸引力を有し、前記支持部材は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるとき、または前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに前記現像部の露出した部分に対向し、前記磁気吸引力によって当該現像部に引き寄せられることを特徴とする。
【0009】
本願の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜4のいずれか1に記載の態様において、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分は、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近いことを特徴とする。
【0010】
本願の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1に記載の態様において、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最後に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分と、前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第四成分とを有し、前記現像部収容器は、前記収容器が前記位置に到るまでに徐々に前記現像部収容器を押さなくなるように、前記面に接しながら移動することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項7に係る画像形成装置は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器と、前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す押手段と、前記収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接する接触部であって、前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向に突出している接触部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1に係る画像形成装置によれば、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、接触部を具備しない態様に比べて、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くなる。
本願の請求項2に係る画像形成装置によれば、最初に現像部収容器に接する面の法線が、第一成分および第二成分を有しない場合に比べて、像を保持する像保持体を収容した収容器を、現像部が収容された装置本体から抜き出し易くなる。
本願の請求項3に係る画像形成装置によれば、現像部と像保持体との距離を保つために予め設けられている距離保持手段を、収容器が装置本体に差し込まれ易くするための部材として利用することができる。
本願の請求項4に係る画像形成装置によれば、清掃部を支持する支持部材を、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成した場合であっても、収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、現像部が支持部材と接触し難くなる。
本願の請求項5に係る画像形成装置によれば、接触部において、収容器が装置本体に差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分が、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近くない場合に比べて、収容器が装置本体の予め定めた位置に向かって差し込まれるときに現像部収容器の退避がはじまるタイミングが早くなる。
本願の請求項6に係る画像形成装置によれば、最後に現像部収容器に接する面の法線が、第三成分および第四成分を有しない場合に比べて、像を保持する像保持体を収容した収容器を、現像部が収容された装置本体に対して差し込む際に、像保持体または現像部が他の部位と急に衝突する可能性が低減される。
本願の請求項7に係る画像形成装置によれば、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、接触部を具備しない態様に比べて、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図である。
【図2】蓋部を開いたときの画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蓋部を開いたときの画像形成装置の内部を示す図である。
【図4】感光体ユニットの斜視図である。
【図5】図4における矢視V−Vから感光体ユニットを見た断面図である。
【図6】現像器の斜視図である。
【図7】図6における矢視VII−VIIから現像器を見た断面図である。
【図8】装置本体に感光体ユニットを差し込むときの動作を示す図である。
【図9】接触部とトラッキングロールとの接触状態を示す図である。
【図10】接触部と保護壁との接触状態を示す図である。
【図11】接触部と保護壁との接触状態を示す図である。
【図12】接触部が保護壁から離間した状態を示す図である。
【図13】画像形成位置にある収容器を示す図である。
【図14】装置本体から感光体ユニットを抜き出すときの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.実施形態の構成
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の構造を模式的に示す図である。以下、利用者が画像形成装置1を正面から見たときの左右の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、重力方向の上方向をZ(+)・下方向をZ(−)として説明する。
【0015】
(1)画像形成装置の構成
画像形成装置1は、画像形成ユニットが中間転写ベルトに沿って直列に配置されたカラープリンターである。この画像形成装置1の内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられているほか、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kが設けられる。これらの4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同じ構成であるため、以下、これらを特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2と総称する。
画像形成ユニット2は、像保持体となる感光体ドラム4や帯電装置などを備えた感光体ユニット3と、現像器5とを具備している、感光体ユニット3は装置本体80に対して着脱可能であり、現像器5はフレーム(図示せず)を介して装置本体80側に固定されている。
【0016】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通の画像露光装置6が設けられる。この画像露光装置6は、Y,M,C,Kの各色の画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を4つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向され、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4の表面を走査し、静電潜像を書き込む。感光体ドラム4に形成された静電潜像は、現像器5Y,5M,5C,5Kによって、各色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー像となる。各々の画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方に配置される中間転写体としての中間転写ベルト10に、それぞれ一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0017】
中間転写ベルト10は、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14などの複数のロールによって張架された無端のベルト状部材であり、駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール12により、矢印A方向に循環駆動されるようになっている。中間転写ベルト10は、下辺に相当する領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kに接触している。この中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
これらの中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14等は、中間転写ユニット9を構成する。
【0018】
記録媒体としての記録用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、各ロール対によって形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の記録用紙18が、給紙ロール25および用紙分離搬送用のロール対26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。そして、この記録用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。この二次転写位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触する二次転写ロール17が配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、ドライブロール12に圧接する二次転写ロール17によって、圧接力および静電気力で記録用紙18上に二次転写される。この二次転写を経て各色のトナー像が転写された記録用紙18は、定着器19によって熱および圧力が加えられる定着処理を経た後、排出ロール20によって画像形成装置1の上部に設けられた用紙受部23上に排出される。なお、搬送路21には、記録用紙18の表裏を反転させる反転機構22が備えられている。
【0019】
(2)装置本体の構成
次に、画像形成装置1の構造について、図2および図3を参照しつつ説明する。図2は蓋部を開いたときの画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、図3は蓋部を開いたときの画像形成装置1の内部を示す図である。
画像形成装置1の装置本体80には、支持軸82を中心にして開閉可能な側面側開閉部81が取り付けられる。この側面側開閉部81には、さらに供給用開閉部83が開閉自在に設けられる。この供給用開閉部83は、通常は側面側開閉部81に対して閉じられているが、用紙収容部24に収納された記録用紙18とは異なる種類の記録用紙18を用いる際に、側面側開閉部81に対して開かれて、ここからその記録用紙18が搬送路21に供給される。
【0020】
また、装置本体80の上面には、支持軸86を中心にして開閉可能な蓋部85が設けられている。蓋部85の上側の面は、トナー像が形成された記録用紙18が排出される用紙受部23となる。また、装置本体80の上面には、操作部(図示せず)が取り付けられている。この操作部は、例えば、記録用紙18の枚数などを入力するテンキーなどを有する。
【0021】
蓋部85は、通常は装置本体80に対して閉じられており、感光体ユニット3Y、3M、3C、3Bを装置本体80内に着脱する際に開かれる。蓋部85には、この蓋部85に対して開閉可能なサブ蓋部87が取り付けられている。サブ蓋部87は、トナー回収ユニット70の全部又は一部を装置本体80に対して着脱する際に開かれる。トナー回収ユニット70は、中間転写ベルト10の表面に接して、その表面に付着したトナーを掻き落とす除去部となるクリーニング部材71と、掻き落とされたトナーを回収する回収部となる回収室72と、を有する。
【0022】
(3)感光体ユニットの構成
図4は、感光体ユニット3の斜視図である。感光体ユニット3は、感光体ドラム4と、この感光体ドラム4を露出させた状態で収容する収容器30を有する。すなわち収容器30は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器の一例である。具体的には、収容器30の軸受32により感光体ドラム4の軸41を受けることにより、収容器30は感光体ドラム4を収容する。以下、軸41の延びる方向は、Y軸方向と平行な方向とする。軸41は収容器30よりもY軸方向に長く、Y(+)側とY(−)側の両方の軸受32から軸41の端部が突出している。軸41の両端部が装置本体80に設けられたガイド(図示せず)に挟まれることによって、感光体ユニット3はX軸方向およびY軸方向の動きを制限され、Z軸方向に動くようになる。感光体ユニット3は、Z(−)方向に移動して装置本体80に差し込まれる。そして感光体ユニット3の収容器30は予め定められた位置まで差し込まれると、この位置に固定され、画像形成装置1は画像形成が可能な状態となる。以下、この位置を画像形成位置という。また、画像形成位置に固定された収容器30は、Z(+)方向に移動して装置本体80から抜き出される。したがって、装置本体80は、収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体の一例である。
【0023】
図5は、図4における矢視V−Vから感光体ユニット3を見た断面図である。帯電器42は矢線D5方向に回転する感光体ドラム4を帯電させる。ブレード34は、感光体ドラム4の表面に接触し、付着したまま中間転写ベルト10(図1参照)に転写されずに残ったトナーを感光体ドラム4の表面から取り除く。すなわち、ブレード34は、像保持体の表面を清掃する清掃部の一例である。板金33は、ブレード34を支持する部材である。板金33は、ブレード34を支えるだけの強度が必要であるため、鉄や鋼などで形成される。鉄や鋼は強度を有するが、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられ易い材質である。すなわち、板金33は、清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された支持部材の一例である。感光体ユニット3の収容器30は省スペース化のため小さくする必要があり、板金33の端部のうちブレード34を支持する側ではない端部はX(+)方向に露出している。したがって、板金33は、収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるとき、または装置本体80から抜き出されるときに現像スリーブ50の露出した部分に対向することとなる。
【0024】
接触部31は、収容器30の下端(Z(−))にある壁面であって、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれるときに、この感光体ユニット3に対応する現像器5に対向する壁面である壁面300に設けられている。画像形成位置まで差し込まれた収容器30からみて、感光体ユニット3に対応する現像器5はX(+)方向にあるから、壁面300は、X(+)方向に延びる法線を有している。図5に示すように、接触部31は、先端面311と、側面312と、後端面313とを有しており、収容器30から現像器5へ向かう方向(X(+)方向)に突出している。先端面311は、側面312に近い側に曲面311aを、側面312から遠い側に平面311bをそれぞれ有している。この曲面311aは、X(+)方向の成分とZ(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。そして、この平面は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面311bである。側面312は、X(−)方向に延びる法線を有する。後端面313は、図5に示すようにZ(+)方向に対して傾斜している。すなわち、後端面313は、Z(+)方向の成分(収容器が抜き出される方向の第一成分・収容器が装置本体の画像形成位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分)とX(+)方向の成分(画像形成位置まで差し込まれたときの収容器から現像部収容器へ向かう方向の第二成分・第四成分)とを合成した方向に延びる法線を有する。
【0025】
図5に示すように、先端面311は板材で形成され、これを支える3枚のリブによって側面312と後端面313とが形成されている。なお、接触部31における壁面300との境界面は境界面314である。したがって、境界面314は、接触部31の収容器30側の部分である。また、側面312は、壁面300よりもX(+)方向にあるので、接触部31の現像器5側の部分である。そして、曲面311aは、境界面314よりも側面312に近いので、接触部31の収容器30側の部分よりも接触部31の現像器5側の部分に近い部分である。すなわち、接触部31において収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるときに最初に現像器5の筐体55に接する曲面311aは、接触部の収容器側の部分よりも接触部の現像部収容器側の部分に近い部分の一例である。
【0026】
(4)現像器の構成
図6は、現像器5の斜視図である。現像器5は、現像スリーブ50と、この現像スリーブ50を収容する筐体55を有する。具体的には、筐体55の軸受により現像スリーブ50の軸51を受けることにより、筐体55は現像スリーブ50を露出させた状態で収容する。以下、軸51の延びる方向は、Y軸方向と平行な方向とする。現像スリーブ50は、図示しないマグネットロールの外周に軸51を中心として回転自在に設けられており、マグネットロールの磁気吸引力によって現像剤を表面に吸着するとともに、感光体ドラム4の表面に形成された静電潜像に対応する領域にトナーを付着させることで現像を行う。このマグネットロールと現像スリーブ50とは、画像形成位置まで差し込まれた収容器30に収容されている感光体ドラム4に対して現像剤を供給する現像部の一例であり、筐体55は現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器の一例である。ここで、現像部は、軸51を中心に回転する。また、現像部は、マグネットロールを有しているので、磁気吸引力を有している。
【0027】
図7は、図6における矢視VII−VIIから現像器5を見た断面図である。押部材54はバネなどであり、現像器5を矢線D7方向に押す。現像器5の軸51は、筐体55よりもY軸方向に長く、Y(+)側とY(−)側の両方の軸受から軸51の端部が突出している。軸51の両端部が装置本体80に設けられたガイド(図示せず)に挟まれることによって、現像器5は矢線D7方向およびその反対方向以外の動きを制限される。押部材54によって矢線D7方向に押されることにより、現像器5の筐体55に収容された現像スリーブ50は、収容器30が装置本体80に差し込まれるときに、その収容器30に収容された感光体ドラム4に近づく方向に現像器5の筐体55を押す押手段の一例である。
【0028】
トラッキングロール52は、現像スリーブ50と同じ軸51を中心として回転する部材であり、現像スリーブ50の長手方向の両端に設けられている。現像器5は押部材54により矢線D7方向に押されているので、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれて画像形成位置に固定されると、トラッキングロール52は感光体ドラム4に密着し感光体ドラム4の回転に伴って回転する。トラッキングロール52の半径は、現像スリーブ50の半径よりも大きいので、感光体ドラム4の表面から現像スリーブ50の表面までの距離は、この2つの半径の差になる。すなわち、トラッキングロール52は、現像部と像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、像保持体と接触しながら軸を中心に回転する距離保持手段の一例である。
【0029】
保護壁53は、筐体55のうち、この現像器5に対応する感光体ユニット3が差し込まれる側(X(−)側)に設けられた壁状の部材である。保護壁53は、現像器5の内部にある現像剤供給器や現像剤規制部材などを外部から保護する。保護壁53は、上部壁面531、側部壁面532、下部壁面533の3つの面を有している。上部壁面531は、図7に示すようにZ(−)方向に対して傾斜している。すなわち、上部壁面531は、Z(+)方向の成分とX(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。側部壁面532は、X(−)方向に延びる法線を有する平面である。下部壁面533は、側部壁面532に近い側に曲面を、側部壁面532から遠い側に平面をそれぞれ有している。この曲面は、X(−)方向の成分とZ(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。そして、この平面は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面である。
【0030】
2.実施形態の動作
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。以下、装置本体80に対して、感光体ユニット3を差し込むときの動作と、感光体ユニット3を抜き出すときの動作とに分けて説明する。
【0031】
(1)感光体ユニットを差し込むときの動作
図8は、装置本体80に感光体ユニット3を差し込むときの動作を示す図である。利用者の操作によって感光体ユニット3は、矢線D8方向に移動し装置本体80に差し込まれる。現像器5は、押部材54によって矢線D7方向に押されているため、差し込まれる感光体ユニット3の軌道上に位置している。感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する部分は接触部31の先端面311のうち、曲面311aである。このとき、先端面311の曲面311aは現像器5のトラッキングロール52に接触する。
【0032】
図9は、接触部31とトラッキングロール52との接触状態を示す図である。感光体ユニット3が、矢線D8方向に移動し装置本体80に差し込まれると、接触部31の先端面311の曲面311aがトラッキングロール52を押す。現像器5は、図示しないガイドによって移動方向を制限されているため、矢線D7方向の逆方向である矢線D9方向、すなわち、現像器5が押部材54に押される方向に抗う方向(以下、現像器5を退避させる方向である「退避方向」という)に移動する。これに伴って、トラッキングロール52は、同図に二点鎖線で示した位置から移動するとともに、軸51を中心として矢線D91方向に回転する。すなわち、接触部31は、収容器が装置本体に差し込まれるときに距離保持手段に接して現像部収容器を押す接触部の一例である。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31はトラッキングロール52から離れ、保護壁53に接触する。
【0033】
なお、感光体ユニット3が差し込まれる最初の段階において、先端面311のうちトラッキングロール52に接する部分である曲面311aは、接触部31の収容器30側の部分、例えば境界面314等よりも接触部31の現像器5側の部分、例えば側面312に近い。つまり、感光体ユニット3が差し込まれるとき、最初から接触部31は現像器5側の部分で接するので、接して直ぐ現像器5を退避方向へ押し出しはじめる。つまり、接触部31の先端面311がこの形状をしていることにより、差し込み動作によって現像器5の退避がはじまるタイミングが早くなる。また、これにより感光体ユニット3のZ軸方向の長さは短くなる。
【0034】
図10は、接触部31と保護壁53との接触状態を示す図である。接触部31の先端面311は、保護壁53の上部壁面531に接触する。上部壁面531は、感光体ユニット3が差し込まれる方向である矢線D8方向に対して傾斜しており、その法線D10は、現像器5から見て感光体ユニット3が着脱される軌道を向いた方向(すなわちX(−)方向)の成分を有している。そのため、感光体ユニット3が差し込まれると、先端面311は上部壁面531に接しながらその傾斜に沿って側部壁面532に向かって移動する。そして、このとき先端面311は、X軸方向およびY軸方向には動かずに、Z(−)方向に進んでいるため、上部壁面531が傾斜している分だけ矢線D9方向すなわち退避方向に現像器5を押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31は、側部壁面532に乗り上げる。
【0035】
図11は、接触部31と保護壁53との接触状態を示す図である。接触部31の先端面311が上部壁面531から離れると、接触部31の側面312が側部壁面532に乗り上げる。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、側面312は、側部壁面532の上を下部壁面533に向かってこの側部壁面532に接しながら移動する。側部壁面532は、矢線D8方向に平行な面であるため、側面312が側部壁面532の上を移動する期間において、現像器5は移動せず、現像器5の押部材54は、側面312と側部壁面532との接触面を介して感光体ユニット3を矢線D7方向に押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31は、側部壁面532から離れ、後端面313の傾斜に沿って下部壁面533がこの後端面313に接しながら移動する。これに伴って、現像器5は矢線D7方向に徐々に移動する。その後、接触部31は保護壁53から離間する。したがって、後端面313は、収容器が装置本体の予め定められた位置(画像形成位置)に向かって差し込まれるときに最後に現像部収容器に接する面である。
【0036】
図12は、接触部31が保護壁53から離間した状態を示す図である。後端面313の傾斜に沿って下部壁面533がこの後端面313に接しながら移動していき、接触部31が保護壁53よりも下方(Z(−))に移動すると、接触部31は、保護壁53の矢線D7方向における軌道上から外れる。このとき、保護壁53の側部壁面532は、収容器30の壁面300に接触する。この接触面を介して、現像器5の押部材54は、感光体ユニット3を矢線D7方向に押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、壁面300は側部壁面532に接しながらこの側部壁面532の上をZ(−)方向に移動し、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触したときに、感光体ユニット3は固定される。このとき、接触部31は、保護壁53から離間しているため、現像器5を退避方向に押さなくなる。なお、ここではトラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するまでに、接触部31は保護壁53から離間しているが、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するときに接触部31が保護壁53を退避方向に押す力がなくなっていれば、接触部31と保護壁53とが接触していてもよい。つまり、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するのと同時に、接触部31が、現像器5を退避方向に押さなくなっていればよい。すなわち、接触部31は、収容器に設けられた接触部であって、収容器が装置本体の予め定められた位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って現像部収容器に接して、現像部収容器が押手段により押される方向に抗う方向へその現像部収容器を押し、その後、収容器が予め定められたその位置に到った際には現像部収容器を抗う方向に押さなくなる接触部の一例である。
【0037】
図13は、画像形成位置にある収容器30を示す図である。収容器30が画像形成位置に到ると、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触し、感光体ドラム4と現像スリーブ50との間隔が一定に保たれる。この状態で、現像スリーブ50の表面から感光体ドラム4へトナーが供給されることにより、画像形成装置1は記録用紙18に画像を形成することが可能となる。
【0038】
(2)感光体ユニットを抜き出すときの動作
図14は、装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときの動作を示す図である。収容器30が画像形成位置にある状態において、図13に示したように壁面300は側部壁面532に接触しており、この接触面を介して、押部材54は現像器5を矢線D7方向に押している。この状態のとき、利用者が感光体ユニット3を抜き出す操作を行うと、感光体ユニット3は矢線D14方向に移動する。感光体ユニット3が矢線D14方向に移動していくと、最初に接触部31の後端面313が現像器5の下部壁面533と接触する。すなわち、後端面313は、収容器が装置本体の予め定められた位置から抜き出されるときに最初に現像部収容器に接する面の一例である。後端面313は傾斜しており、感光体ユニット3は図示しないガイドによってX軸方向およびY軸方向の動きを制限されているので、このとき下部壁面533は、後端面313の傾斜に沿ってこの後端面313に接しながら移動する。
【0039】
ところで、装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときに接触部31が現像器5に最初に接触する部分は、感光体ユニット3を差し込むときと異なり、トラッキングロール52のように回転する部分ではない。そのため、感光体ユニット3を抜き出す力を、現像器5を退避させる力に変換することが困難な場合がある。画像形成装置1において、上述したとおり後端面313が傾斜していることにより、感光体ユニット3を抜き出す力は、後端面313と下部壁面533との接触部分によって現像器5を退避させる力に変換され易くなり、感光体ユニット3は装置本体80から抜き出し易くなる。
【0040】
さらに感光体ユニット3が抜き出されると、接触部31は、現像器5を矢線D9方向すなわち退避方向に押し、現像器5の保護壁53が接触部31に乗り上げる。その結果、側面312が側部壁面532の上を移動する状態となる。そして、その後、さらに感光体ユニット3をZ(+)方向に移動させると、接触部31が保護壁53やトラッキングロール52から離れ、感光体ユニット3は、装置本体80から抜き出された状態となる。このとき、接触部31は、保護壁53やトラッキングロール52などの現像器5の部分から離れているので、現像器5を押さなくなる。つまり、接触部31は、収容器が装置本体の予め定められた位置から抜き出されている或る期間に亘って現像部収容器に接して、現像部収容器が押手段により押される方向に抗う方向へその現像部収容器を押し、収容器が装置本体から抜き出されるまでにその現像部収容器を押さなくなる接触部の一例である。
【0041】
以上のように、画像形成装置1において、感光体ユニット3を装置本体80に差し込むと、感光体ユニット3の接触部31は現像器5の保護壁53に接触する。そして、接触部31がX軸方向に厚みがあり、感光体ユニット3がZ軸方向以外の方向への移動を制限されているので、感光体ユニット3を差し込む過程において、現像器5が退避方向に退避する期間が生じる。また、感光体ユニット3を装置本体80から抜き出す過程においても、現像器5が退避方向に退避する期間が生じる。つまり、画像形成装置1では、感光体ユニット3を脱着するに先立って現像器5を予め退避させておく機構を設けなくても、感光体ユニット3の脱着動作と連動して現像器5は退避させられる。
【0042】
特に、板金33の端部はX(+)方向に露出しており、強度の要請から磁気吸引力を有する物質に引き寄せられ易い材質である鉄や鋼などで形成されている。また、板金33は、収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるとき、または装置本体80から抜き出されるときに現像スリーブ50の露出した部分に対向する。そのため、板金33の端部は感光体ユニット3の着脱に際して、マグネットロールによって磁気吸引力を帯びた現像スリーブ50に引き寄せられ易く、接触部31が設けられていない場合には、板金33の端部が現像スリーブ50を傷つける可能性がある。画像形成装置1では、壁面300に接触部31が設けられており、感光体ユニット3の脱着動作と連動して現像器5が退避させられるので、現像スリーブ50が、板金33の端部と接触して傷つく可能性は低減する。
【0043】
また、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれ、収容器30が画像形成位置に到ったときには、現像器5の位置は退避させられた位置から戻り、感光体ユニット3と密着する。したがって、例えば、感光体ユニット3の位置を検知することにより、現像器5を感光体ユニット3に密着させるきっかけを与える必要はない。
また、退避させた位置から感光体ユニット3と密着する位置へ現像器5を急に戻すと、現像器5が衝撃を受けて破損する場合がある。したがって、上記の接触部31を設けない場合には、収容器30が画像形成位置に到ったときに、現像器5が感光体ユニット3に向かって移動する速度を減速させたり、衝撃をやわらげたりする構成が必要である。画像形成装置1においては、接触部31の後端面313が傾斜しており、この傾斜に沿って下部壁面533が移動するため、現像器5は、退避させられた位置から徐々に感光体ユニット3と密着する位置へと戻される。このため、画像形成装置1において、露出した現像スリーブ50や感光体ドラム4が、他の部材と接触して傷つく可能性は低減する。
【0044】
3.変形例
上記実施形態を次のように変形してもよい。
(1)接触部31の先端面311は、側面312に近い側に曲面311aを有していたが、先端面311は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面311bそのものであってもよい。この場合であっても、感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する接触部31の部分は、先端面311のうち側面312側の頂点であり、この頂点は接触部31の収容器30側の部分よりも現像器5側の部分に近いことには変わりはない。したがって、感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する接触部31の部分が、接触部31の現像器5側の部分よりも収容器30側の部分に近い場合に比べて、差し込み動作によって現像器5の退避がはじまるタイミングが早くなり、感光体ユニット3のZ軸方向の長さは短くなる。
また、下部壁面533は、側部壁面532に近い側に曲面を有していたが、下部壁面533は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面そのものであってもよい。
なお、これらの曲面があることによって、接触部31と保護壁53との接触部分は、曲面に沿って移動することとなるので、装置本体80に対する感光体ユニット3の着脱がなめらかになる。
【0045】
(2)装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときに接触部31が現像器5に最初に接触する部分は、回転する部分であってもよい。これにより、感光体ユニット3を抜き出す力は、この部分が回転することによって現像器5を退避させる力に変換され易くなり、感光体ユニット3は装置本体80から抜き出し易くなる。
【符号の説明】
【0046】
1…画像形成装置、10…中間転写ベルト、11…一次転写ロール、12…ドライブロール、17…二次転写ロール、18…記録用紙、19…定着器、2…画像形成ユニット、20…排出ロール、21…搬送路、22…反転機構、23…用紙受部、24…用紙収容部、26…ロール対、28…レジストロール、3…感光体ユニット、30…収容器、300…壁面、31…接触部、311…先端面、312…側面、313…後端面、32…軸受、33…板金、34…ブレード、4…感光体ドラム、41…軸、42…帯電器、5…現像器、50…現像スリーブ、51…軸、52…トラッキングロール、53…保護壁、531…上部壁面、532…側部壁面、533…下部壁面、54…押部材、55…筐体、6…画像露光装置、70…トナー回収ユニット、71…クリーニング部材、72…回収室、80…装置本体、81…側面側開閉部、82…支持軸、83…供給用開閉部、85…蓋部、86…支持軸、87…サブ蓋部、9…中間転写ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、潜像を保持する像保持体を収容する収容器と、その像保持体に現像剤を供給する現像部を収容する装置本体とを分離可能に構成したものがある。このような画像形成装置においては、利用者が装置本体に収容器を差し込むことで、像保持体と現像部とが互いに適正な位置関係となり、画像の形成が可能となる。このような画像形成装置においては、収容器の抜き差しの際に、外部に露出している各部を保護する必要がある。特許文献1には、像形成ユニットを画像形成装置本体に装着する作業時に、感光体ドラムや中間転写ベルトの露出部に傷がつかないようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本願の請求項1に係る画像形成装置は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する前記現像部収容器と、前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す前記押手段と、前記収容器に設けられた接触部であって、当該収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、その後、前記収容器が前記位置に到った際には当該現像部収容器を前記抗う方向に押さなくなる前記接触部とを具備することを特徴とする。
【0006】
本願の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の態様において、前記接触部は、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、前記収容器が前記装置本体から抜き出されるまでに当該現像部収容器を押さなくなり、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに最初に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が抜き出される方向の第一成分と前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第二成分とを有することを特徴とする。
【0007】
本願の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記現像部は、軸を中心に回転し、前記現像部収容器は、前記現像部と前記像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、前記像保持体と接触しながら前記軸を中心に回転する前記距離保持手段を備え、前記接触部は、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに前記距離保持手段に接して前記現像部収容器を押すことを特徴とする。
【0008】
本願の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3のいずれか1に記載の態様において、前記収容器は、前記像保持体の表面を清掃する清掃部と、前記清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された前記支持部材とを備え、前記現像部は磁気吸引力を有し、前記支持部材は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるとき、または前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに前記現像部の露出した部分に対向し、前記磁気吸引力によって当該現像部に引き寄せられることを特徴とする。
【0009】
本願の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜4のいずれか1に記載の態様において、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分は、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近いことを特徴とする。
【0010】
本願の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1に記載の態様において、前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最後に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分と、前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第四成分とを有し、前記現像部収容器は、前記収容器が前記位置に到るまでに徐々に前記現像部収容器を押さなくなるように、前記面に接しながら移動することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項7に係る画像形成装置は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器と、前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す押手段と、前記収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接する接触部であって、前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向に突出している接触部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1に係る画像形成装置によれば、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、接触部を具備しない態様に比べて、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くなる。
本願の請求項2に係る画像形成装置によれば、最初に現像部収容器に接する面の法線が、第一成分および第二成分を有しない場合に比べて、像を保持する像保持体を収容した収容器を、現像部が収容された装置本体から抜き出し易くなる。
本願の請求項3に係る画像形成装置によれば、現像部と像保持体との距離を保つために予め設けられている距離保持手段を、収容器が装置本体に差し込まれ易くするための部材として利用することができる。
本願の請求項4に係る画像形成装置によれば、清掃部を支持する支持部材を、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成した場合であっても、収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、現像部が支持部材と接触し難くなる。
本願の請求項5に係る画像形成装置によれば、接触部において、収容器が装置本体に差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分が、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近くない場合に比べて、収容器が装置本体の予め定めた位置に向かって差し込まれるときに現像部収容器の退避がはじまるタイミングが早くなる。
本願の請求項6に係る画像形成装置によれば、最後に現像部収容器に接する面の法線が、第三成分および第四成分を有しない場合に比べて、像を保持する像保持体を収容した収容器を、現像部が収容された装置本体に対して差し込む際に、像保持体または現像部が他の部位と急に衝突する可能性が低減される。
本願の請求項7に係る画像形成装置によれば、像を保持する像保持体を収容した収容器を装置本体に対して差し込み、または抜き出す際に、接触部を具備しない態様に比べて、像保持体に対して現像剤を供給する現像部が収容器に接触し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図である。
【図2】蓋部を開いたときの画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蓋部を開いたときの画像形成装置の内部を示す図である。
【図4】感光体ユニットの斜視図である。
【図5】図4における矢視V−Vから感光体ユニットを見た断面図である。
【図6】現像器の斜視図である。
【図7】図6における矢視VII−VIIから現像器を見た断面図である。
【図8】装置本体に感光体ユニットを差し込むときの動作を示す図である。
【図9】接触部とトラッキングロールとの接触状態を示す図である。
【図10】接触部と保護壁との接触状態を示す図である。
【図11】接触部と保護壁との接触状態を示す図である。
【図12】接触部が保護壁から離間した状態を示す図である。
【図13】画像形成位置にある収容器を示す図である。
【図14】装置本体から感光体ユニットを抜き出すときの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.実施形態の構成
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の構造を模式的に示す図である。以下、利用者が画像形成装置1を正面から見たときの左右の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、重力方向の上方向をZ(+)・下方向をZ(−)として説明する。
【0015】
(1)画像形成装置の構成
画像形成装置1は、画像形成ユニットが中間転写ベルトに沿って直列に配置されたカラープリンターである。この画像形成装置1の内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられているほか、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kが設けられる。これらの4つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同じ構成であるため、以下、これらを特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2と総称する。
画像形成ユニット2は、像保持体となる感光体ドラム4や帯電装置などを備えた感光体ユニット3と、現像器5とを具備している、感光体ユニット3は装置本体80に対して着脱可能であり、現像器5はフレーム(図示せず)を介して装置本体80側に固定されている。
【0016】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通の画像露光装置6が設けられる。この画像露光装置6は、Y,M,C,Kの各色の画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を4つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向され、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4の表面を走査し、静電潜像を書き込む。感光体ドラム4に形成された静電潜像は、現像器5Y,5M,5C,5Kによって、各色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー像となる。各々の画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方に配置される中間転写体としての中間転写ベルト10に、それぞれ一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0017】
中間転写ベルト10は、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14などの複数のロールによって張架された無端のベルト状部材であり、駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール12により、矢印A方向に循環駆動されるようになっている。中間転写ベルト10は、下辺に相当する領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kに接触している。この中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
これらの中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14等は、中間転写ユニット9を構成する。
【0018】
記録媒体としての記録用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、各ロール対によって形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の記録用紙18が、給紙ロール25および用紙分離搬送用のロール対26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。そして、この記録用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。この二次転写位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触する二次転写ロール17が配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、ドライブロール12に圧接する二次転写ロール17によって、圧接力および静電気力で記録用紙18上に二次転写される。この二次転写を経て各色のトナー像が転写された記録用紙18は、定着器19によって熱および圧力が加えられる定着処理を経た後、排出ロール20によって画像形成装置1の上部に設けられた用紙受部23上に排出される。なお、搬送路21には、記録用紙18の表裏を反転させる反転機構22が備えられている。
【0019】
(2)装置本体の構成
次に、画像形成装置1の構造について、図2および図3を参照しつつ説明する。図2は蓋部を開いたときの画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、図3は蓋部を開いたときの画像形成装置1の内部を示す図である。
画像形成装置1の装置本体80には、支持軸82を中心にして開閉可能な側面側開閉部81が取り付けられる。この側面側開閉部81には、さらに供給用開閉部83が開閉自在に設けられる。この供給用開閉部83は、通常は側面側開閉部81に対して閉じられているが、用紙収容部24に収納された記録用紙18とは異なる種類の記録用紙18を用いる際に、側面側開閉部81に対して開かれて、ここからその記録用紙18が搬送路21に供給される。
【0020】
また、装置本体80の上面には、支持軸86を中心にして開閉可能な蓋部85が設けられている。蓋部85の上側の面は、トナー像が形成された記録用紙18が排出される用紙受部23となる。また、装置本体80の上面には、操作部(図示せず)が取り付けられている。この操作部は、例えば、記録用紙18の枚数などを入力するテンキーなどを有する。
【0021】
蓋部85は、通常は装置本体80に対して閉じられており、感光体ユニット3Y、3M、3C、3Bを装置本体80内に着脱する際に開かれる。蓋部85には、この蓋部85に対して開閉可能なサブ蓋部87が取り付けられている。サブ蓋部87は、トナー回収ユニット70の全部又は一部を装置本体80に対して着脱する際に開かれる。トナー回収ユニット70は、中間転写ベルト10の表面に接して、その表面に付着したトナーを掻き落とす除去部となるクリーニング部材71と、掻き落とされたトナーを回収する回収部となる回収室72と、を有する。
【0022】
(3)感光体ユニットの構成
図4は、感光体ユニット3の斜視図である。感光体ユニット3は、感光体ドラム4と、この感光体ドラム4を露出させた状態で収容する収容器30を有する。すなわち収容器30は、像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器の一例である。具体的には、収容器30の軸受32により感光体ドラム4の軸41を受けることにより、収容器30は感光体ドラム4を収容する。以下、軸41の延びる方向は、Y軸方向と平行な方向とする。軸41は収容器30よりもY軸方向に長く、Y(+)側とY(−)側の両方の軸受32から軸41の端部が突出している。軸41の両端部が装置本体80に設けられたガイド(図示せず)に挟まれることによって、感光体ユニット3はX軸方向およびY軸方向の動きを制限され、Z軸方向に動くようになる。感光体ユニット3は、Z(−)方向に移動して装置本体80に差し込まれる。そして感光体ユニット3の収容器30は予め定められた位置まで差し込まれると、この位置に固定され、画像形成装置1は画像形成が可能な状態となる。以下、この位置を画像形成位置という。また、画像形成位置に固定された収容器30は、Z(+)方向に移動して装置本体80から抜き出される。したがって、装置本体80は、収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体の一例である。
【0023】
図5は、図4における矢視V−Vから感光体ユニット3を見た断面図である。帯電器42は矢線D5方向に回転する感光体ドラム4を帯電させる。ブレード34は、感光体ドラム4の表面に接触し、付着したまま中間転写ベルト10(図1参照)に転写されずに残ったトナーを感光体ドラム4の表面から取り除く。すなわち、ブレード34は、像保持体の表面を清掃する清掃部の一例である。板金33は、ブレード34を支持する部材である。板金33は、ブレード34を支えるだけの強度が必要であるため、鉄や鋼などで形成される。鉄や鋼は強度を有するが、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられ易い材質である。すなわち、板金33は、清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された支持部材の一例である。感光体ユニット3の収容器30は省スペース化のため小さくする必要があり、板金33の端部のうちブレード34を支持する側ではない端部はX(+)方向に露出している。したがって、板金33は、収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるとき、または装置本体80から抜き出されるときに現像スリーブ50の露出した部分に対向することとなる。
【0024】
接触部31は、収容器30の下端(Z(−))にある壁面であって、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれるときに、この感光体ユニット3に対応する現像器5に対向する壁面である壁面300に設けられている。画像形成位置まで差し込まれた収容器30からみて、感光体ユニット3に対応する現像器5はX(+)方向にあるから、壁面300は、X(+)方向に延びる法線を有している。図5に示すように、接触部31は、先端面311と、側面312と、後端面313とを有しており、収容器30から現像器5へ向かう方向(X(+)方向)に突出している。先端面311は、側面312に近い側に曲面311aを、側面312から遠い側に平面311bをそれぞれ有している。この曲面311aは、X(+)方向の成分とZ(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。そして、この平面は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面311bである。側面312は、X(−)方向に延びる法線を有する。後端面313は、図5に示すようにZ(+)方向に対して傾斜している。すなわち、後端面313は、Z(+)方向の成分(収容器が抜き出される方向の第一成分・収容器が装置本体の画像形成位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分)とX(+)方向の成分(画像形成位置まで差し込まれたときの収容器から現像部収容器へ向かう方向の第二成分・第四成分)とを合成した方向に延びる法線を有する。
【0025】
図5に示すように、先端面311は板材で形成され、これを支える3枚のリブによって側面312と後端面313とが形成されている。なお、接触部31における壁面300との境界面は境界面314である。したがって、境界面314は、接触部31の収容器30側の部分である。また、側面312は、壁面300よりもX(+)方向にあるので、接触部31の現像器5側の部分である。そして、曲面311aは、境界面314よりも側面312に近いので、接触部31の収容器30側の部分よりも接触部31の現像器5側の部分に近い部分である。すなわち、接触部31において収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるときに最初に現像器5の筐体55に接する曲面311aは、接触部の収容器側の部分よりも接触部の現像部収容器側の部分に近い部分の一例である。
【0026】
(4)現像器の構成
図6は、現像器5の斜視図である。現像器5は、現像スリーブ50と、この現像スリーブ50を収容する筐体55を有する。具体的には、筐体55の軸受により現像スリーブ50の軸51を受けることにより、筐体55は現像スリーブ50を露出させた状態で収容する。以下、軸51の延びる方向は、Y軸方向と平行な方向とする。現像スリーブ50は、図示しないマグネットロールの外周に軸51を中心として回転自在に設けられており、マグネットロールの磁気吸引力によって現像剤を表面に吸着するとともに、感光体ドラム4の表面に形成された静電潜像に対応する領域にトナーを付着させることで現像を行う。このマグネットロールと現像スリーブ50とは、画像形成位置まで差し込まれた収容器30に収容されている感光体ドラム4に対して現像剤を供給する現像部の一例であり、筐体55は現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器の一例である。ここで、現像部は、軸51を中心に回転する。また、現像部は、マグネットロールを有しているので、磁気吸引力を有している。
【0027】
図7は、図6における矢視VII−VIIから現像器5を見た断面図である。押部材54はバネなどであり、現像器5を矢線D7方向に押す。現像器5の軸51は、筐体55よりもY軸方向に長く、Y(+)側とY(−)側の両方の軸受から軸51の端部が突出している。軸51の両端部が装置本体80に設けられたガイド(図示せず)に挟まれることによって、現像器5は矢線D7方向およびその反対方向以外の動きを制限される。押部材54によって矢線D7方向に押されることにより、現像器5の筐体55に収容された現像スリーブ50は、収容器30が装置本体80に差し込まれるときに、その収容器30に収容された感光体ドラム4に近づく方向に現像器5の筐体55を押す押手段の一例である。
【0028】
トラッキングロール52は、現像スリーブ50と同じ軸51を中心として回転する部材であり、現像スリーブ50の長手方向の両端に設けられている。現像器5は押部材54により矢線D7方向に押されているので、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれて画像形成位置に固定されると、トラッキングロール52は感光体ドラム4に密着し感光体ドラム4の回転に伴って回転する。トラッキングロール52の半径は、現像スリーブ50の半径よりも大きいので、感光体ドラム4の表面から現像スリーブ50の表面までの距離は、この2つの半径の差になる。すなわち、トラッキングロール52は、現像部と像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、像保持体と接触しながら軸を中心に回転する距離保持手段の一例である。
【0029】
保護壁53は、筐体55のうち、この現像器5に対応する感光体ユニット3が差し込まれる側(X(−)側)に設けられた壁状の部材である。保護壁53は、現像器5の内部にある現像剤供給器や現像剤規制部材などを外部から保護する。保護壁53は、上部壁面531、側部壁面532、下部壁面533の3つの面を有している。上部壁面531は、図7に示すようにZ(−)方向に対して傾斜している。すなわち、上部壁面531は、Z(+)方向の成分とX(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。側部壁面532は、X(−)方向に延びる法線を有する平面である。下部壁面533は、側部壁面532に近い側に曲面を、側部壁面532から遠い側に平面をそれぞれ有している。この曲面は、X(−)方向の成分とZ(−)方向の成分とを合成した方向に延びる法線を有する。そして、この平面は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面である。
【0030】
2.実施形態の動作
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。以下、装置本体80に対して、感光体ユニット3を差し込むときの動作と、感光体ユニット3を抜き出すときの動作とに分けて説明する。
【0031】
(1)感光体ユニットを差し込むときの動作
図8は、装置本体80に感光体ユニット3を差し込むときの動作を示す図である。利用者の操作によって感光体ユニット3は、矢線D8方向に移動し装置本体80に差し込まれる。現像器5は、押部材54によって矢線D7方向に押されているため、差し込まれる感光体ユニット3の軌道上に位置している。感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する部分は接触部31の先端面311のうち、曲面311aである。このとき、先端面311の曲面311aは現像器5のトラッキングロール52に接触する。
【0032】
図9は、接触部31とトラッキングロール52との接触状態を示す図である。感光体ユニット3が、矢線D8方向に移動し装置本体80に差し込まれると、接触部31の先端面311の曲面311aがトラッキングロール52を押す。現像器5は、図示しないガイドによって移動方向を制限されているため、矢線D7方向の逆方向である矢線D9方向、すなわち、現像器5が押部材54に押される方向に抗う方向(以下、現像器5を退避させる方向である「退避方向」という)に移動する。これに伴って、トラッキングロール52は、同図に二点鎖線で示した位置から移動するとともに、軸51を中心として矢線D91方向に回転する。すなわち、接触部31は、収容器が装置本体に差し込まれるときに距離保持手段に接して現像部収容器を押す接触部の一例である。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31はトラッキングロール52から離れ、保護壁53に接触する。
【0033】
なお、感光体ユニット3が差し込まれる最初の段階において、先端面311のうちトラッキングロール52に接する部分である曲面311aは、接触部31の収容器30側の部分、例えば境界面314等よりも接触部31の現像器5側の部分、例えば側面312に近い。つまり、感光体ユニット3が差し込まれるとき、最初から接触部31は現像器5側の部分で接するので、接して直ぐ現像器5を退避方向へ押し出しはじめる。つまり、接触部31の先端面311がこの形状をしていることにより、差し込み動作によって現像器5の退避がはじまるタイミングが早くなる。また、これにより感光体ユニット3のZ軸方向の長さは短くなる。
【0034】
図10は、接触部31と保護壁53との接触状態を示す図である。接触部31の先端面311は、保護壁53の上部壁面531に接触する。上部壁面531は、感光体ユニット3が差し込まれる方向である矢線D8方向に対して傾斜しており、その法線D10は、現像器5から見て感光体ユニット3が着脱される軌道を向いた方向(すなわちX(−)方向)の成分を有している。そのため、感光体ユニット3が差し込まれると、先端面311は上部壁面531に接しながらその傾斜に沿って側部壁面532に向かって移動する。そして、このとき先端面311は、X軸方向およびY軸方向には動かずに、Z(−)方向に進んでいるため、上部壁面531が傾斜している分だけ矢線D9方向すなわち退避方向に現像器5を押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31は、側部壁面532に乗り上げる。
【0035】
図11は、接触部31と保護壁53との接触状態を示す図である。接触部31の先端面311が上部壁面531から離れると、接触部31の側面312が側部壁面532に乗り上げる。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、側面312は、側部壁面532の上を下部壁面533に向かってこの側部壁面532に接しながら移動する。側部壁面532は、矢線D8方向に平行な面であるため、側面312が側部壁面532の上を移動する期間において、現像器5は移動せず、現像器5の押部材54は、側面312と側部壁面532との接触面を介して感光体ユニット3を矢線D7方向に押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、接触部31は、側部壁面532から離れ、後端面313の傾斜に沿って下部壁面533がこの後端面313に接しながら移動する。これに伴って、現像器5は矢線D7方向に徐々に移動する。その後、接触部31は保護壁53から離間する。したがって、後端面313は、収容器が装置本体の予め定められた位置(画像形成位置)に向かって差し込まれるときに最後に現像部収容器に接する面である。
【0036】
図12は、接触部31が保護壁53から離間した状態を示す図である。後端面313の傾斜に沿って下部壁面533がこの後端面313に接しながら移動していき、接触部31が保護壁53よりも下方(Z(−))に移動すると、接触部31は、保護壁53の矢線D7方向における軌道上から外れる。このとき、保護壁53の側部壁面532は、収容器30の壁面300に接触する。この接触面を介して、現像器5の押部材54は、感光体ユニット3を矢線D7方向に押す。そして、さらに感光体ユニット3が差し込まれると、壁面300は側部壁面532に接しながらこの側部壁面532の上をZ(−)方向に移動し、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触したときに、感光体ユニット3は固定される。このとき、接触部31は、保護壁53から離間しているため、現像器5を退避方向に押さなくなる。なお、ここではトラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するまでに、接触部31は保護壁53から離間しているが、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するときに接触部31が保護壁53を退避方向に押す力がなくなっていれば、接触部31と保護壁53とが接触していてもよい。つまり、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触するのと同時に、接触部31が、現像器5を退避方向に押さなくなっていればよい。すなわち、接触部31は、収容器に設けられた接触部であって、収容器が装置本体の予め定められた位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って現像部収容器に接して、現像部収容器が押手段により押される方向に抗う方向へその現像部収容器を押し、その後、収容器が予め定められたその位置に到った際には現像部収容器を抗う方向に押さなくなる接触部の一例である。
【0037】
図13は、画像形成位置にある収容器30を示す図である。収容器30が画像形成位置に到ると、トラッキングロール52が感光体ドラム4に接触し、感光体ドラム4と現像スリーブ50との間隔が一定に保たれる。この状態で、現像スリーブ50の表面から感光体ドラム4へトナーが供給されることにより、画像形成装置1は記録用紙18に画像を形成することが可能となる。
【0038】
(2)感光体ユニットを抜き出すときの動作
図14は、装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときの動作を示す図である。収容器30が画像形成位置にある状態において、図13に示したように壁面300は側部壁面532に接触しており、この接触面を介して、押部材54は現像器5を矢線D7方向に押している。この状態のとき、利用者が感光体ユニット3を抜き出す操作を行うと、感光体ユニット3は矢線D14方向に移動する。感光体ユニット3が矢線D14方向に移動していくと、最初に接触部31の後端面313が現像器5の下部壁面533と接触する。すなわち、後端面313は、収容器が装置本体の予め定められた位置から抜き出されるときに最初に現像部収容器に接する面の一例である。後端面313は傾斜しており、感光体ユニット3は図示しないガイドによってX軸方向およびY軸方向の動きを制限されているので、このとき下部壁面533は、後端面313の傾斜に沿ってこの後端面313に接しながら移動する。
【0039】
ところで、装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときに接触部31が現像器5に最初に接触する部分は、感光体ユニット3を差し込むときと異なり、トラッキングロール52のように回転する部分ではない。そのため、感光体ユニット3を抜き出す力を、現像器5を退避させる力に変換することが困難な場合がある。画像形成装置1において、上述したとおり後端面313が傾斜していることにより、感光体ユニット3を抜き出す力は、後端面313と下部壁面533との接触部分によって現像器5を退避させる力に変換され易くなり、感光体ユニット3は装置本体80から抜き出し易くなる。
【0040】
さらに感光体ユニット3が抜き出されると、接触部31は、現像器5を矢線D9方向すなわち退避方向に押し、現像器5の保護壁53が接触部31に乗り上げる。その結果、側面312が側部壁面532の上を移動する状態となる。そして、その後、さらに感光体ユニット3をZ(+)方向に移動させると、接触部31が保護壁53やトラッキングロール52から離れ、感光体ユニット3は、装置本体80から抜き出された状態となる。このとき、接触部31は、保護壁53やトラッキングロール52などの現像器5の部分から離れているので、現像器5を押さなくなる。つまり、接触部31は、収容器が装置本体の予め定められた位置から抜き出されている或る期間に亘って現像部収容器に接して、現像部収容器が押手段により押される方向に抗う方向へその現像部収容器を押し、収容器が装置本体から抜き出されるまでにその現像部収容器を押さなくなる接触部の一例である。
【0041】
以上のように、画像形成装置1において、感光体ユニット3を装置本体80に差し込むと、感光体ユニット3の接触部31は現像器5の保護壁53に接触する。そして、接触部31がX軸方向に厚みがあり、感光体ユニット3がZ軸方向以外の方向への移動を制限されているので、感光体ユニット3を差し込む過程において、現像器5が退避方向に退避する期間が生じる。また、感光体ユニット3を装置本体80から抜き出す過程においても、現像器5が退避方向に退避する期間が生じる。つまり、画像形成装置1では、感光体ユニット3を脱着するに先立って現像器5を予め退避させておく機構を設けなくても、感光体ユニット3の脱着動作と連動して現像器5は退避させられる。
【0042】
特に、板金33の端部はX(+)方向に露出しており、強度の要請から磁気吸引力を有する物質に引き寄せられ易い材質である鉄や鋼などで形成されている。また、板金33は、収容器30が装置本体80の画像形成位置に向かって差し込まれるとき、または装置本体80から抜き出されるときに現像スリーブ50の露出した部分に対向する。そのため、板金33の端部は感光体ユニット3の着脱に際して、マグネットロールによって磁気吸引力を帯びた現像スリーブ50に引き寄せられ易く、接触部31が設けられていない場合には、板金33の端部が現像スリーブ50を傷つける可能性がある。画像形成装置1では、壁面300に接触部31が設けられており、感光体ユニット3の脱着動作と連動して現像器5が退避させられるので、現像スリーブ50が、板金33の端部と接触して傷つく可能性は低減する。
【0043】
また、感光体ユニット3が装置本体80に差し込まれ、収容器30が画像形成位置に到ったときには、現像器5の位置は退避させられた位置から戻り、感光体ユニット3と密着する。したがって、例えば、感光体ユニット3の位置を検知することにより、現像器5を感光体ユニット3に密着させるきっかけを与える必要はない。
また、退避させた位置から感光体ユニット3と密着する位置へ現像器5を急に戻すと、現像器5が衝撃を受けて破損する場合がある。したがって、上記の接触部31を設けない場合には、収容器30が画像形成位置に到ったときに、現像器5が感光体ユニット3に向かって移動する速度を減速させたり、衝撃をやわらげたりする構成が必要である。画像形成装置1においては、接触部31の後端面313が傾斜しており、この傾斜に沿って下部壁面533が移動するため、現像器5は、退避させられた位置から徐々に感光体ユニット3と密着する位置へと戻される。このため、画像形成装置1において、露出した現像スリーブ50や感光体ドラム4が、他の部材と接触して傷つく可能性は低減する。
【0044】
3.変形例
上記実施形態を次のように変形してもよい。
(1)接触部31の先端面311は、側面312に近い側に曲面311aを有していたが、先端面311は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面311bそのものであってもよい。この場合であっても、感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する接触部31の部分は、先端面311のうち側面312側の頂点であり、この頂点は接触部31の収容器30側の部分よりも現像器5側の部分に近いことには変わりはない。したがって、感光体ユニット3が差し込まれるときに最初に現像器5に接触する接触部31の部分が、接触部31の現像器5側の部分よりも収容器30側の部分に近い場合に比べて、差し込み動作によって現像器5の退避がはじまるタイミングが早くなり、感光体ユニット3のZ軸方向の長さは短くなる。
また、下部壁面533は、側部壁面532に近い側に曲面を有していたが、下部壁面533は、Z(−)方向に延びる法線を有する平面そのものであってもよい。
なお、これらの曲面があることによって、接触部31と保護壁53との接触部分は、曲面に沿って移動することとなるので、装置本体80に対する感光体ユニット3の着脱がなめらかになる。
【0045】
(2)装置本体80から感光体ユニット3を抜き出すときに接触部31が現像器5に最初に接触する部分は、回転する部分であってもよい。これにより、感光体ユニット3を抜き出す力は、この部分が回転することによって現像器5を退避させる力に変換され易くなり、感光体ユニット3は装置本体80から抜き出し易くなる。
【符号の説明】
【0046】
1…画像形成装置、10…中間転写ベルト、11…一次転写ロール、12…ドライブロール、17…二次転写ロール、18…記録用紙、19…定着器、2…画像形成ユニット、20…排出ロール、21…搬送路、22…反転機構、23…用紙受部、24…用紙収容部、26…ロール対、28…レジストロール、3…感光体ユニット、30…収容器、300…壁面、31…接触部、311…先端面、312…側面、313…後端面、32…軸受、33…板金、34…ブレード、4…感光体ドラム、41…軸、42…帯電器、5…現像器、50…現像スリーブ、51…軸、52…トラッキングロール、53…保護壁、531…上部壁面、532…側部壁面、533…下部壁面、54…押部材、55…筐体、6…画像露光装置、70…トナー回収ユニット、71…クリーニング部材、72…回収室、80…装置本体、81…側面側開閉部、82…支持軸、83…供給用開閉部、85…蓋部、86…支持軸、87…サブ蓋部、9…中間転写ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、
前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、
前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する前記現像部収容器と、
前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す前記押手段と、
前記収容器に設けられた接触部であって、当該収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、その後、前記収容器が前記位置に到った際には当該現像部収容器を前記抗う方向に押さなくなる前記接触部と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、前記収容器が前記装置本体から抜き出されるまでに当該現像部収容器を押さなくなり、
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに最初に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が抜き出される方向の第一成分と前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第二成分とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像部は、軸を中心に回転し、
前記現像部収容器は、前記現像部と前記像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、前記像保持体と接触しながら前記軸を中心に回転する前記距離保持手段を備え、
前記接触部は、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに前記距離保持手段に接して前記現像部収容器を押す
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記収容器は、
前記像保持体の表面を清掃する清掃部と、
前記清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された前記支持部材と
を備え、
前記現像部は磁気吸引力を有し、
前記支持部材は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるとき、または前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに前記現像部の露出した部分に対向し、前記磁気吸引力によって当該現像部に引き寄せられる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分は、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近い
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最後に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分と、前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第四成分とを有し、
前記現像部収容器は、前記収容器が前記位置に到るまでに徐々に前記現像部収容器を押さなくなるように、前記面に接しながら移動する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、
前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、
前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器と、
前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す押手段と、
前記収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接する接触部であって、前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向に突出している接触部と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、
前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、
前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する前記現像部収容器と、
前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す前記押手段と、
前記収容器に設けられた接触部であって、当該収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、その後、前記収容器が前記位置に到った際には当該現像部収容器を前記抗う方向に押さなくなる前記接触部と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されている或る期間に亘って前記現像部収容器に接して、当該現像部収容器が前記押手段により押される方向に抗う方向へ当該現像部収容器を押し、前記収容器が前記装置本体から抜き出されるまでに当該現像部収容器を押さなくなり、
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに最初に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が抜き出される方向の第一成分と前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第二成分とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像部は、軸を中心に回転し、
前記現像部収容器は、前記現像部と前記像保持体との距離を保つ距離保持手段であって、前記像保持体と接触しながら前記軸を中心に回転する前記距離保持手段を備え、
前記接触部は、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに前記距離保持手段に接して前記現像部収容器を押す
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記収容器は、
前記像保持体の表面を清掃する清掃部と、
前記清掃部を支持する支持部材であって、磁気吸引力を有する物質に引き寄せられる材質で形成された前記支持部材と
を備え、
前記現像部は磁気吸引力を有し、
前記支持部材は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるとき、または前記装置本体の前記位置から抜き出されるときに前記現像部の露出した部分に対向し、前記磁気吸引力によって当該現像部に引き寄せられる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最初に前記現像部収容器に接する部分は、当該接触部の前記収容器側の部分よりも当該接触部の前記現像部収容器側の部分に近い
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記接触部において、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれるときに最後に前記現像部収容器に接する面の法線は、前記収容器が前記装置本体の前記位置に向かって差し込まれる方向の逆方向の第三成分と、前記位置まで差し込まれたときの前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向の第四成分とを有し、
前記現像部収容器は、前記収容器が前記位置に到るまでに徐々に前記現像部収容器を押さなくなるように、前記面に接しながら移動する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
像を保持する像保持体を露出させた状態で収容する収容器と、
前記収容器が予め定めた位置まで差し込まれる装置本体と、
前記装置本体に設けられた現像部収容器であって、前記位置まで差し込まれた前記収容器に収容されている前記像保持体に対して現像剤を供給する現像部を露出させた状態で収容する現像部収容器と、
前記装置本体に設けられた押手段であって、前記収容器が前記装置本体に差し込まれるときに、前記現像部収容器に収容された前記現像部が前記像保持体に近づく方向に当該現像部収容器を押す押手段と、
前記収容器が前記装置本体の前記位置へ向かって差し込まれている或る期間に亘って前記現像部収容器に接する接触部であって、前記収容器から前記現像部収容器へ向かう方向に突出している接触部と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−180418(P2011−180418A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45284(P2010−45284)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]