説明

画像形成装置

【課題】高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置3の装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジ1と、転写ニップ部においてシート材上に転写された画像を該シート材上に定着する定着ユニット2と、を備え、転写ニップ部から定着ユニット2に至るシート材の搬送路が略水平方向に形成されている画像形成装置3において、装置本体におけるシート材が排出される側から定着ユニット2を装置本体に対して着脱する際の着脱方向をガイドする定着14と、定着ユニット2が装置本体から取り外されたことによって形成される空間から装置本体におけるシート材が排出される側へプロセスカートリッジ1を着脱する際の着脱方向をガイドするカートリッジガイド15と、が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より画像形成装置には、給送されてくるシート材に画像を形成するプロセスカートリッジと、プロセスカートリッジよりもシート材の搬送方向下流側でシート材上に画像を定着する定着ユニットとが設けられている。プロセスカートリッジは、像担持体としての感光体ドラム、帯電器、現像器などが一体にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とすることで、トナーの補給、ジャムの処理等のメンテナンスを容易に行なうことができる。特許文献1には、画像形成装置の筺体に開閉可能なフロントカバーを設け、さらにフロントカバーの内側にシート材の搬送系の一部、及び定着ユニットの一部を取り付ける構成が開示されている。かかる構成によると、フロントカバーを開くことにより搬送系、及び定着ユニットがフロントカバーと共に外側へ開き、プロセスカートリッジを露出させることが出来るので、プロセスカートリッジに対して容易にアクセスすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−70480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置の小型化に対する要求が高まっている。この要求に応えるべく、シート材の搬送路を略水平方向に形成し、プロセスカートリッジと定着ユニットとを略水平に配置した画像形成装置が提案されている。かかる構成によると、画像形成装置の高さ寸法を抑えることが可能になるので、画像形成装置を小型化することができる。図7(a)に、このような構成を有する画像形成装置の概略構成を示す。図7(a)に示す画像形成装置では、給送カセット40から給送ローラ60、搬送ローラ80を経て排出ローラ130に至るシート材の搬送路において、プロセスカートリッジ410から定着ユニット420に至るシート材の搬送路が略水平方向に形成されている。これにより、プロセスカートリッジ410と定着ユニット420とが略水平に配置されることになり、画像形成装置の高さ寸法を抑えることが可能になる。なお、100は感光体ドラム、110は現像器、90は感光体ドラム100の表面をレーザ光によって走査露光する露光装置である。また、かかる構成によれば、給送カセット40へのシート材の補充と画像形成済みのシート材の取り出しを一方向(図中右方向)から行なうことができるので、ユーザビリティの向上にもつながる。
【0005】
しかしシート材の搬送路を略水平方向に形成することでプロセスカートリッジと定着ユニットとを搬送路に沿って略水平に配置し、高さ寸法を抑えた小型の画像形成装置では次の課題がある。高さ寸法が抑えられた小型の画像形成装置に上記構成を適用した場合、プロセスカートリッジの交換、ジャムの処理等のメンテナンス作業を行う際にフロントカバーを開いたとしてもプロセスカートリッジを十分に露出させることが出来ない。フロントカバーの高さ寸法が小さいので、フロントカバーの開閉動作ではプロセスカートリッジを露出させるために必要なトルク、ストロークの確保が難しくなるからである。
【0006】
そこで、従来例に係る小型の画像形成装置では、図7(b)に示す構成を採用してプロセスカートリッジ410へのアクセスを可能にしている。つまり、画像形成装置の上面を
開閉可能な構成とし、上面内側に露光装置90を取り付け、上面を開くことにより画像形成装置の上方からプロセスカートリッジ410へのアクセスを可能にしている。しかしこの場合、ユーザが画像形成装置の上方のスペースを利用することが出来ない。また、開閉する画像形成装置の上面内側に露光装置90が設けられているので、感光体ドラム100に対する露光装置90の位置決め精度が低下する。また、画像形成装置の上面にファクシミリや複写機を追加して設置する場合、画像形成装置上面を、開閉自在でかつ、これらの追加装置の重量に耐えうる構成にする必要があるので、製造コストの増大を招く。
【0007】
そこで本発明は、高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
シート材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム、及び前記静電潜像をトナー像として現像する現像器を有するプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジが装置本体に対して装着された状態において、前記感光体ドラムに接触してニップ部を形成し、該ニップ部において前記感光体ドラムからシート材上にトナー像を転写する転写部材と、装置本体に対して着脱可能に構成され、前記ニップ部においてシート材上に転写された画像を該シート材上に定着し、画像が定着したシート材を装置本体外部へ排出する定着ユニットと、を備え、前記ニップ部から前記定着ユニットに至るシート材の搬送路が略水平方向に形成され、装置本体に装着された状態における前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが前記搬送路に沿って略水平方向に配置されている画像形成装置にあって、装置本体におけるシート材が排出される側から前記定着ユニットを装置本体に対して着脱する際の着脱方向をガイドする第1ガイド部と、前記定着ユニットが装置本体から取り外されたことによって形成される空間から装置本体におけるシート材が排出される側へ前記プロセスカートリッジを着脱する際の着脱方向をガイドする第2ガイド部と、が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、シート材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム、及び前記静電潜像をトナー像として現像する現像器を有するプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジが装置本体に対して装着された状態において、前記感光体ドラムに接触してニップ部を形成し、該ニップ部において前記感光体ドラムからシート材上にトナー像を転写する転写部材と、装置本体に対して着脱可能に構成され、前記ニップ部においてシート材上に転写された画像を該シート材上に定着し、画像が定着したシート材を装置本体外部へ排出する定着ユニットと、を備え、前記ニップ部から前記定着ユニットに至るシート材の搬送路が略水平方向に形成され、装置本体に装着された状態における前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが前記搬送路に沿って略水平方向に配置されている画像形成装置にあって、装置本体におけるシート材が排出される側から装置本体に対して着脱可能なトレイによって前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが保持されており、少なくとも前記プロセスカートリッジが前記トレイに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図3】第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図4】第3の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図5】第3の実施形態におけるトレイの概略構成図。
【図6】第3の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図7】従来例に係る画像形成装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<第1の実施形態>
図1、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の断面における概略構成図であり、図2は、図1に示す画像形成装置から定着ユニット、プロセスカートリッジを取り外す際の様子を示した図である。なお、ここでは電子写真方式を採用するレーザビームプリンタについて説明するが、本発明に係る画像形成装置はこれに限られるものではない。
【0014】
(画像形成装置の概略構成)
図1に示すように、画像形成装置3にはプロセスカートリッジ1と定着ユニット2とが設けられており、シート材の搬送路に沿ってプロセスカートリッジ1と定着ユニット2とが略水平方向に配置されている。
【0015】
プロセスカートリッジ1には、像担持体としての感光体ドラム10、感光体ドラム10の表面を帯電する帯電部材(不図示)、及びトナーを収容する現像器11が一体に設けられている。また、プロセスカートリッジ1の上方には、レーザ光を射出して感光体ドラム10の表面を走査露光する露光装置9が設けられている。さらにシート材の搬送路を挟んで感光体ドラム10と対向する位置には、感光体ドラム10に接触可能な位置に転写ローラ12(転写部材)が設けられており、転写ローラ12と感光体ドラム10とで転写ニップ部が形成されている。
【0016】
シート材上に画像を形成する際は、まず帯電部材の作用によって感光体ドラム10の表面が一様に帯電され、露光装置9からレーザ光が照射されることで該表面に静電潜像が形成される。さらに静電潜像に対して現像器11からトナーが供給され、静電潜像がトナー像として現像される。その後、給送カセット4に積載されているシート材Pが給送ローラ6によって1枚ずつ給送され、搬送路7を通過し、搬送ローラ8によって転写ニップ部に搬送される。そして転写ニップ部において、不図示の電圧印加手段により転写ローラ12に転写電圧が印加されることにより、トナー像が感光体ドラム10からシート材P上に静電気的に転写される。
【0017】
トナー像が転写されたシート材Pは略水平方向に形成されている搬送路を通って定着ユニット2内に搬送され、定着ユニット2内において加熱・加圧されることでトナー像がシート材P上に定着され、シート材Pが装置本体外部に排出される。定着ユニット2には、加熱ローラ、加圧ローラによって構成される定着器と、画像が定着したシート材を装置本体外部に排出する排出ローラ13とが設けられている。
【0018】
本実施形態では、給送カセット4が装置本体に対して着脱可能に構成されており、図1
の右方向から着脱することが可能である。また、シート材Pは略U字形状の搬送路を経由し、排出ローラ13によって図1の右方向から装置本体外に排出される。つまり、シート材の補給動作と画像形成済みのシート材の取り出し動作を、画像形成装置3の同一方向(シート材Pが排出される側)から行う事が可能になるので、ユーザビリティの向上につながる。また、転写ニップ部から定着ユニット2に至るシート材Pの搬送路が略水平方向に形成されており、搬送路に沿ってプロセスカートリッジ1と定着ユニット2とが略水平方向に配置されているので、画像形成装置3の高さ寸法を抑えることが可能になる。なお、以下では画像形成済みのシート材が排出される側(図1中右側)を画像形成装置の「前面」として説明する。
【0019】
(画像形成装置の前面からプロセスカートリッジへのアクセスを可能にする構成)
図2を参照して、画像形成装置3の前面からプロセスカートリッジ1へのアクセスを可能にする構成について説明する。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置3には、定着ユニット2の着脱をガイドする定着ガイド14(第1ガイド部)と、プロセスカートリッジ1の着脱をガイドするカートリッジガイド15(第2ガイド部)とが設けられていることを特徴とする。定着ガイド14は定着ユニット2の筺体に接触しつつ定着ユニット2の着脱方向をガイドし、カートリッジガイド15はプロセスカートリッジ1の筺体に接触しつつプロセスカートリッジ1の着脱方向をガイドするものである。
【0021】
ジャムの処理、プロセスカートリッジ1の交換等を行うためにプロセスカートリッジ1にアクセスする場合は、まず画像形成装置3の前面から定着ガイド14に沿って図中A方向(シート材が排出される方向)に定着ユニット2を取り外す(図2(a))。この定着ユニット2は、不図示の付勢部材によって画像形成装置本体に固定されている。さらに、定着ユニット2を取り外したことによって形成された空間から、プロセスカートリッジ1をカートリッジガイド15に沿って図中A方向に取り外す(図2(b))。プロセスカートリッジ1も定着ユニット2と同様に、画像形成装置本体に対して付勢部材によって固定されている。
【0022】
以上の着脱操作を行なうことにより、画像形成装置3の前面からユーザがプロセスカートリッジ1に容易にアクセスすることが可能になる。なお、プロセスカートリッジ1、及び定着ユニット2を画像形成装置本体に対して装着する際は、取り外す際の手順と逆の手順を行うことでこれらの部材を装着することができる。
【0023】
また、本実施形態では、転写ローラ12が感光体ドラム10に対してシート材Pの搬送方向上流側にオフセットして配置されているので、プロセスカートリッジ1を取り外す際に感光体ドラム1が転写ローラ12と干渉する虞がない。つまり、感光体ドラム1と転写ローラ12とが接触することによってプロセスカートリッジ1を着脱する際の操作性が低下する虞がない。
【0024】
よって、本実施形態によれば、画像形成装置3に定着ガイド14とカートリッジガイド15とを設け、画像形成装置3の前面から定着ユニット2、プロセスカートリッジ15を着脱可能としているので、画像形成装置3の上面を開閉可能な構成とする必要がない。つまり、画像形成装置3の高さ寸法を抑えつつ、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることで生じていた従来の課題を解決することが可能になる。
【0025】
以上より、高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0026】
<第2の実施形態>
図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置3の断面における概略構成を示すものであり、図3(a)は定着ユニット22、プロセスカートリッジ21が装着されている図である。また、図3(b)は定着ユニット22、プロセスカートリッジ21を取り外した際の様子を示した図である。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
第1の実施形態では、定着ユニット、プロセスカートリッジのそれぞれに対応したガイド部を設ける構成であったが、本実施形態では、定着ユニット22とプロセスカートリッジ21とを一体に保持する保持部材24が設けられている点が特徴である。
【0028】
プロセスカートリッジ21には、その筺体の側面にボス21a、ボス21bが設けられており、定着ユニット22には、その筺体の側面にボス22a、ボス22bが設けられている。また、保持部材24は画像形成装置内に固定されており、保持部材24にはガイド溝24aが形成されており、ガイド溝24aには略水平方向に延びる面Cが形成されている。定着ユニット22、プロセスカートリッジ21が画像形成装置3に装着された状態では、ボス21a、21b、22a、22bがガイド溝24aに嵌入し、これらが面Cに支持されることにより、定着ユニット22、プロセスカートリッジ21が位置決めされる。
【0029】
プロセスカートリッジ21にアクセスする際は、図3(b)に示すように、ボス21a、21b、22a、22bを面Cに沿わせながら、定着ユニット22とプロセスカートリッジ21とを矢印B方向に取り外す。これにより、画像形成装置の前面からプロセスカートリッジ21にアクセスすることが可能になる。
【0030】
本実施形態によれば、単一の保持部材24によって、定着ユニット22とプロセスカートリッジ21とを画像形成装置内に位置決めしているので、画像形成装置の高さ方向における定着ユニット22、プロセスカートリッジ21のアライメントの精度が向上する。よって、シート材Pを良好に搬送でき、画像品質を安定させることができる。なお、本実施形態では、同一面C内において定着ユニット22、プロセスカートリッジ21を支持しているが、同一の保持部材24を用いる構成であれば、互いに異なる面によって定着ユニット22、プロセスカートリッジ21を支持する構成でもよい。また、保持部材24は、第1の実施形態で説明した「定着ガイド14」と「カートリッジガイド15」とが一体に形成されたものと言い換えることが可能である。
【0031】
以上より、高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0032】
<第3の実施形態>
図4〜図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置3の断面構成図であり、図5は、本実施形態におけるトレイ35を画像形成装置3から引き出した際の概略構成図である。また、図6は、本実施形態において定着ユニット32、プロセスカートリッジ31を画像形成装置3から取り外す際の様子を示した図である。なお、第1、第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
本実施形態では、定着ユニット32とプロセスカートリッジ31とを、画像形成装置3に対して着脱可能なトレイ35によって、互いに略水平方向に配置されるように保持して
いる点を特徴とする。図4、図6に示すように、プロセスカートリッジ31は、その筺体の側面に設けられているボス31a、31bによって、トレイ35に形成されている保持部36(図6(b))に保持されている。なお、ここでは定着ユニット32がトレイ35に固定されている場合について説明する。
【0034】
トレイ35には、その側面にボス35a、35bが形成されており、一方でトレイ35の着脱をガイドするガイド部34が、画像形成装置内に設けられている。また、ガイド部34には略水平方向に延びる面Gが形成されている。トレイ35が画像形成装置3に取り付けられている状態(位置E)では、面Gがボス35a、35bを支持することにより、トレイ35を画像形成装置3内において位置決めすることが可能になる。
【0035】
プロセスカートリッジ31にアクセスする際は、図4の状態からトレイ35を画像形成装置3の前面(図中右方向)に引き出す。この際、トレイ35のボス35a、35bがガイド部34内の面G上を滑りながら略水平方向に引き出されることになる。図5にトレイ35を画像形成装置3から矢印D方向に引き出した際の様子を示す。
【0036】
その後、トレイ35を画像形成装置3から引き出した状態(図6の位置F)において、プロセスカートリッジ31をトレイ35から取り外すことが可能になる。なお、トレイ35には、その着脱動作をさらに容易にするために画像形成装置3の前面を構成する側に把持部が設けられてもよい。
【0037】
かかる構成によると、トレイ35を引き出した状態でプロセスカートリッジ31を取り外すので、十分な作業スペースを確保した状態でプロセスカートリッジ31を取り外すことが可能になり、操作性を向上させることができる。さらに少ない手順でプロセスカートリッジ31へのアクセスを可能にしている。また、ユーザが定着ユニット32に直接手を触れることなくプロセスカートリッジ31にアクセスできるので、定着ユニット32が高温状態の場合でもジャム処理、プロセスカートリッジ31の交換等の作業を行うことができる。
【0038】
また、トレイ35によってプロセスカートリッジ31と定着ユニット32とを一体に保持しているので、プロセスカートリッジ31、定着ユニット32の画像形成装置3に対する高さ方向、(トレイ35の)着脱方向のアライメントの精度が向上する。よって、シート材Pを良好に搬送でき、画像品質を安定させることができる。なお、本実施形態では定着ユニット32をトレイ35に固定する構成としたが、プロセスカートリッジ31と同様に定着ユニット32をトレイ35に対して着脱可能な構成としても同様の効果を得ることが可能である。つまり少なくともプロセスカートリッジ31がトレイ35に対して着脱可能であればよい。
【0039】
また、本実施形態ではトレイ35を画像形成装置本体から位置Fまで引き出してプロセスカートリッジ31の取り外しを行なっているが、プロセスカートリッジ31が取り外し可能な位置であれば、トレイ35を位置Fまで引き出す必要はない。
【0040】
以上より、高さ寸法が抑えられている小型の画像形成装置において、上面からプロセスカートリッジにアクセスすることなくプロセスカートリッジへのアクセスが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0041】
1:プロセスカートリッジ 2:定着ユニット 3:画像形成装置 10:感光体ドラム 11:現像器 12:転写ローラ 13:排出ローラ 14:定着ガイド(第1ガイド部) 15:カートリッジガイド(第2ガイド部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム、及び前記静電潜像をトナー像として現像する現像器を有するプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが装置本体に対して装着された状態において、前記感光体ドラムに接触してニップ部を形成し、該ニップ部において前記感光体ドラムからシート材上にトナー像を転写する転写部材と、
装置本体に対して着脱可能に構成され、前記ニップ部においてシート材上に転写された画像を該シート材上に定着し、画像が定着したシート材を装置本体外部へ排出する定着ユニットと、
を備え、
前記ニップ部から前記定着ユニットに至るシート材の搬送路が略水平方向に形成され、装置本体に装着された状態における前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが前記搬送路に沿って略水平方向に配置されている画像形成装置にあって、
装置本体におけるシート材が排出される側から前記定着ユニットを装置本体に対して着脱する際の着脱方向をガイドする第1ガイド部と、
前記定着ユニットが装置本体から取り外されたことによって形成される空間から装置本体におけるシート材が排出される側へ前記プロセスカートリッジを着脱する際の着脱方向をガイドする第2ガイド部と、が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
シート材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム、及び前記静電潜像をトナー像として現像する現像器を有するプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが装置本体に対して装着された状態において、前記感光体ドラムに接触してニップ部を形成し、該ニップ部において前記感光体ドラムからシート材上にトナー像を転写する転写部材と、
装置本体に対して着脱可能に構成され、前記ニップ部においてシート材上に転写された画像を該シート材上に定着し、画像が定着したシート材を装置本体外部へ排出する定着ユニットと、
を備え、
前記ニップ部から前記定着ユニットに至るシート材の搬送路が略水平方向に形成され、装置本体に装着された状態における前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが前記搬送路に沿って略水平方向に配置されている画像形成装置にあって、
装置本体におけるシート材が排出される側から装置本体に対して着脱可能なトレイによって前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットとが保持されており、
少なくとも前記プロセスカートリッジが前記トレイに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセスカートリッジを装置本体に装着した状態において、
前記転写部材が前記感光体ドラムよりもシート材の搬送方向において上流側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−22279(P2011−22279A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165907(P2009−165907)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】