説明

画像形成装置

【課題】 メンテナンス作業以外の際には、廃トナーボックスを装置本体に維持したままにし、廃トナーこぼれにより装置本体や床等を汚すことを防止する。
【解決手段】 装置本体1aに廃トナーボックス40を係止する係止フック115と、開閉扉1bに廃トナーボックス40を係止する係止爪104a、105aと、を備え、開閉扉1bに廃トナーボックス40を係止爪104a、105aで係止し、開閉扉1bと共に廃トナーボックス40を回動可能な状態と、装置本体1aに廃トナーボックス40を係止爪115で係止し、廃トナーボックス40を装置本体1aに維持する状態とを切り替え可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置に係り、特に、感光体ユニット等のメンテナンス作業時に廃トナーボックスを取り外すことなく、装置本体に残ったまま回避できる位置に移動可能な機構を備えた点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体や中間転写ベルトなどのトナー像を保持する像担持体に保持されたトナー像を記録媒体などの転写媒体に転写させたのち、転写されずにこの像担持体に残ったトナーをクリーニング装置により像担持体から除去し、このように除去したトナーは廃トナーとして廃トナーボックスに回収されている。廃トナーボックスが満杯になると、ユーザが新しい廃トナーボックスに交換している。
【0003】
ところで、廃トナーボックスの不必要な着脱により、装置本体側のトナー排出口からトナーが落下し、装置本体や設置場所を汚す場合がある。そこで、廃トナーボックスの不必要な脱着を抑制するために、廃トナーが所定量以上であると検知された場合に、廃トナーボックスが着脱可能となるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、廃トナー量には関係なく、開閉扉と必ず一緒に回動する廃トナーボックスの構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−26419号公報
【特許文献2】特開2002−149025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、廃トナーボックスが感光体ユニット等と開閉扉との間に位置し、廃トナーボックスを取り外さないと感光体ユニット等の交換ができない構成を持つ画像形成装置においては、ユーザやサービスマンが感光体ユニット等の交換等のメンテナンス作業を行うときには、廃トナーボックスを装置本体より取り外して床や机の上に置く必要がある。
【0007】
しかし、このような場合、メンテナンス作業中に誤って廃トナーボックスを倒してしまい、トナーこぼれにより床や机の上を汚す虞がある。
【0008】
上記した特許文献1に記載のものは、装置本体や設置場所を汚すことを抑制するために、廃トナーが所定量以上であると検知されると、廃トナーボックスが着脱可能に構成している。しかし、廃トナーボックスを取り外さないとメンテナンス作業が行えないような構成においては、やはり、廃トナーボックスを装置本体より取り外して床や机の上に置く必要があり、上記の問題は依然として残っている。
【0009】
また、特許文献2に記載のものは、廃トナーボックスは、開閉扉を開けるといつも一緒に回動するように構成されているので、感光体ユニット等のメンテナンス作業を必要としていないときにも開閉カバーを開けると廃トナーボックスも装置本体から離れることになり、装置本体内に廃トナーが落下し、装置本体や設置場所を汚す虞がある。
【0010】
この発明は、感光体ユニット等のメンテナンス作業をする場合には、廃トナーボックスを装置に残したままメンテナンス作業を妨げない位置まで移動できるようにして廃トナーボックスを回避させ、メンテナンス作業以外の際には、廃トナーボックスを装置本体に維持したままにし、廃トナーこぼれにより装置本体や床等を汚すことを防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明においては、上記のような課題を解決するため、装置本体に対して開閉自在に取り付けられた開閉扉と感光体ユニットとの間に廃トナーボックスが配置されている画像形成装置において、廃トナーボックスが前記感光体ユニットの交換が可能な第1の位置と、装置本体内に維持させる第2の位置とに選択して支持されることを特徴とする。
【0012】
また、この発明は、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを係止する第1の係止手段と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを係止する第2の係止手段と、前記第1の係止手段と第2の係止手段の状態を切り換える手段と、を備え、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを前記第1の係止手段で係止し、前記開閉扉と共に前記廃トナーボックスを回動させて前記第1の位置に前記廃トナーボックスが支持され、前記装置本体に前記廃トナーボックスを前記第2の係止手段で係止し、前記廃トナーボックスを装置本体に維持して前記第2の位置に前記廃トナーボックスが支持されるように構成することができる。
【0013】
また、この発明は、装置本体に対して開閉自在に取り付けられた開閉扉と感光体ユニットとの間に廃トナーボックスが配置されている画像形成装置において、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを係止する第1の係止手段と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを係止する第2の係止手段と、を備え、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを前記第1の係止手段で係止し、前記開閉扉と共に前記廃トナーボックスを回動可能な状態と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを第2の係止手段で係止し、前記廃トナーボックスを前記装置本体に維持する状態とを切り替え可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、開閉扉と感光体ユニットとの間に廃トナーボックスが配置されている画像形成装置において、感光体ユニットのメンテナンス時には、開閉扉と共に廃トナーボックスを開くことができるので、廃トナーボックスを外す必要がなくなり、廃トナー等を机や床の上等にこぼして汚す虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置を示した概略説明図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、廃トナーボックスを開閉扉と一緒に感光体ユニットの交換が可能な第1の位置に移動させる状態を示した概略平面図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、廃トナーボックスを開閉扉と分離させて、廃トナーボックスを装置本体内に維持させる第2の位置に保持させる状態を示した概略平面図である。
【図4】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、廃トナーボックスが通常の使用時などで装置本体の内部にロックされている状態を示す模式図である。
【図5】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、メンテナンス作業時に廃トナーボックスが開閉扉にロックされている状態を示す模式図である。
【図6】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、メンテナンス作業時に廃トナーボックスが開閉扉にロックされている状態で開閉扉を開いた状態を示す模式図である。
【図7】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、廃トナーボックスが通常の使用時などで装置本体の内部にロックされている状態で開閉扉を開いた状態を示す模式図である。
【図8】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、廃トナーボックスのロック動作を制御するためのブロック図である。
【図9】この発明の一実施形態に係る画像形成装置において、感光体ユニットの交換動作のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態に係る画像形成装置について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。また、この発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0017】
この実施形態に係る画像形成装置においては、図1に示すように、感光体11と、この感光体11を帯電させる帯電装置12と、転写後における感光体11の表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置13とを備えた感光体ユニット10と、現像装置21を備えた現像ユニット20を備え、4つの感光体ユニット10と現像ユニット20とを画像形成装置1内に設け、各現像ユニットにおける現像装置21には、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の色彩の異なるトナーを収容させるようにしている。
【0018】
そして、この画像形成装置1によりフルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各感光体ユニット10における感光体11をそれぞれ回転させ、各感光体11の表面をそれぞれ帯電装置12によって帯電させた後、このように帯電された各感光体11の表面に、画像形成装置1内に設けられた露光装置4によりそれぞれ画像情報に応じた露光を行って、各感光体11の表面にそれぞれ画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、このように静電潜像が形成された各感光体11に、上記の各現像装置21からそれぞれ色彩の異なるトナーを供給して、各感光体11の表面にそれぞれ色彩の異なるトナー像を形成する。
【0019】
次いで、このように各感光体11の表面に形成された色彩の異なるトナー像を回転駆動される中間転写ベルト5に順々に転写させて、この中間転写ベルト6の上にフルカラーのトナー像を形成する一方、上記の各感光体11の表面に残留するトナーを各感光体11に対応して設けられた各クリーニング装置13によって除去させるようにする。
【0020】
そして、上記のようにフルカラーのトナー像が形成された中間転写ベルト5と転写ローラ7との間に記録媒体8を導き、中間転写ベルト5上に形成されたフルカラーのトナー像をこの記録媒体8に転写させ、このように転写されたフルカラーのトナー像を定着装置9によって記録媒体8に定着させる一方、上記の中間転写ベルト5の表面に残留するトナーをクリーニング装置13によって除去させるようにする。
【0021】
各クリーニング装置13によって各感光体11や中間転写ベルト5から除去された廃トナーが廃トナーボックス20に導かれて貯蔵されるようにしている。
【0022】
ここで、この実施形態における画像形成装置1においては、図2及び図3に示すように、廃トナーボックス40が、感光体ユニット10等と開閉扉1bとの間に位置するように構成されている。このため、この廃トナーボックス40を取り外さないと感光体ユニット10等の交換等のメンテナンス作業が行えない構成になっている。
【0023】
また、通常の画像形成動作時などは、廃トナーボックス40は、装置本体1aの内部に設けた部品により、所定の位置に固定され、各感光体11や中間転写ベルト5から除去された廃トナーが廃トナーボックス20に導かれて貯蔵される。
【0024】
図2及び図3に示すように、この実施形態の画像形成装置1は、装置本体1aに対して開閉扉1bが左右方向に回動可能に取り付けられている。そして、感光体ユニット10を交換する時には、図2の矢印Aで示す方向に感光体ユニット10を引き出し、感光体ユニット10を取り付けるときには、矢印A1に示す方向に感光体ユニット10を差し込む。
【0025】
この実施形態では、感光体ユニット10の交換または取り付けの際には、廃トナーボックス40を感光体ユニット10が移動する方向から退避させる必要がある。そのため、この実施形態では、図2に示すように、感光体ユニット10のメンテナンス作業時には、開閉扉1bに廃トナーボックス40をロックするように構成し、開閉扉1bを開いた際には、廃トナーボックス40が開閉扉1bとともに回動して、廃トナーボックス40が感光体ユニット10の交換または取り付けの際に邪魔にならない回避位置(第1の位置)に導かれるようにしている。
【0026】
上記のように、感光体ユニット10のメンテナンス作業が必要な場合にのみ、廃トナーボックス40は、開閉扉1bに係合してロックされ、開閉扉1bと一緒に回動するように構成されている。
【0027】
一方、感光体ユニット10のメンテナンス作業時以外は、図3に示すように、廃トナーボックス40は、装置本体1aの内部の機構によりロックされ、開閉扉1bを開いても廃トナーボックス40は、廃トナーを回収する所定の位置(第2の位置)に固定された状態を保っている。
【0028】
廃トナーボックス40は、装置本体1aの内部にロックされた位置と、開閉扉1bと共に回動する位置にロックされた位置に変化する。このロック機構につき図4ないし図7に従い説明する。
【0029】
図4は、廃トナーボックス40が通常の使用時などで装置本体1aの内部にロックされている状態を示す模式図である。
【0030】
開閉扉1bは、装置本体1aに対して回転軸100を中心に開閉自在に取り付けられている。開閉扉1bには、図中上下方向に移動可能なスライダ装置103と、このスライダ本体103の一端部から装置本体1aの内部方向に延びて形成され、先端に係止爪104aを有するレバー部材104と、スライダ本体103の他端部から装置本体1aの内部方向に延び、廃トナーボックス40のロック状態を変更させる移動レバー106とが設けられる。
【0031】
廃トナーボックス40には、前記係止爪104aと係合可能な先端部に係止爪105aを有する係止レバー105が設けられている。係止爪104aと係止爪105aが第1の係止手段を構成し、係止爪104aと係止爪105aが係合することで、開閉扉1bに廃トナーボックス40がロックされる。
【0032】
また、装置本体1aの内部には、廃トナーボックス40を装置本体1a側にロックするための係止レバー111が設けられている。この係止レバー111は、装置本体1a内部に設けられた支持軸110に揺動自在に取り付けられる。係止レバー111の一端には、廃トナーボックス40を装置本体1aの内部にロックしているときに、廃トナーボックス40と係合する係止爪115が設けられている。係止爪115が第2の係止手段を構成し、係止爪115が廃トナーボックス40に係合することで、廃トナーボックス40が装置本体1aにロックされる。
【0033】
さらに、係止レバー111には、上記レバー部材106と当接する傾斜部を有する作動部材114が設けられている。
【0034】
係止レバー111の他端には、係止爪115を廃トナーボックス40側に付勢する付勢バネ113が設けられている。さらに、係止レバー111には、付勢バネ113の付勢力に抗して係止爪115を廃トナーボックス40から離間させるためのソレノイド112が設けられている。
【0035】
スライダ本体105、移動レバー106、係止レバー111、付勢バネ113、ソレノイド113、作動部材114が第1の係止手段と第2の係止手段との状態を切り換える切り換え手段を構成する。
【0036】
図4に示す状態では、ソレノイド112がオフでトナーボックス40が装置本体1aの内部にロックされた状態を示している。この状態では、付勢バネ113により係止レバー111が支持軸110を中心として係止爪115が廃トナーボックス40と係合する方向に回転移動し、係止爪115と廃トナーボックス40とが係合した状態が維持され、装置本体1aにロックされた状態が保たれる。
【0037】
次に、ユーザやサービスマンが感光体ユニット10の交換等のメンテナンス作業を行いたい場合に、廃トナーボックス40が開閉扉1bにロックされたまま回避可能な位置に移動できるように変化する場合につき、図5を参照して説明する。
【0038】
ユーザやサービスマンが感光体ユニット10のメンテナンス作業を行うときには、ユーザやサービスマンが感光体ユニット10の交換可能にするための指示を行う。この交換可能の指示により、ソレノイド11がオンし、付勢バネ113の付勢力に抗して支持軸110を中心として係止レバー111は図中矢印D方向に回転する。この係止レバー111の回転により、係止爪115と廃トナーボックス40の係合が解かれる。そして、係止レバー111の一端が移動レバー106と当接し、移動レバー106を押し上げることにより、スライド本体103が図中矢印E方向に移動する。係止爪104aを有するレバー部材104もスライダ本体103の移動に伴い、係止レバー105の係止爪105aと係合する方向に移動する。そして、係止爪104aと係止爪105aとが係合し、開閉扉1b側に廃トナーボックス40がロックされた状態となる。
【0039】
尚、廃トナーボックス40は、開閉扉1bに設けられた支持板101または装置本体1a内部に設けられた支持板102に支持されている。
【0040】
係止爪104aと係止爪105aとが係合し、開閉扉1b側に廃トナーボックス40がロックされた状態で開閉扉1bを開くと、図6に示すように、廃トナーボックス40が開閉扉1bとともに回動して、廃トナーボックス40が感光体ユニット10の交換または取付の際に邪魔にならない回避位置に到達する。このとき、廃トナーボックス40は開閉扉1bに設けられた支持板101に支持されている。
【0041】
開閉扉1b側に廃トナーボックス40がロックされた状態で、開閉扉1bを閉めると、図5に示す状態となる。そして、メンテナンス作業が終了したことを指示すると、ソレノイド112がオフする。ソレノイド112がオフすると、係止レバー111は付勢バネ113の付勢力により、係止爪115と廃トナーボックス40とが係合する方向に回転する。また、この係止レバー111の回転により、作動部材114と移動レバー106が当接する。この係止レバー111の付勢バネ113による回転により、作動部材114は、移動レバー106を押し下げ、スライダ本体103が移動し、係止爪105a、104aの係合が解放される。そして、図4に示す状態となる。
【0042】
この状態で開閉扉1bを開くと、図7に示すように、装置本体1a内部に廃トナーボックス40がロックされた状態が維持され、開閉扉1bだけが開かれる。このように、メンテナンス作業以外の際には、廃トナーボックス40を装置本体1に維持したままで開閉扉1bが開かれるので、廃トナーこぼれにより装置本体1aや床等を汚す虞は無くなる、
【0043】
次に、この発明の廃トナーボックス40のロック状態の変更を制御する動作につき、図8及び図9を参照して説明する。
【0044】
制御部200は、CPUとこれを動作させるプログラムを記憶したROM、データの一次保存などを行うRAMなどにより構成され、画像形成装置1の各種動作を制御する。
【0045】
制御部200には、感光体ユニット10のメンテナンス時期等を検知するための検知手段201からの情報が与えられる。この検知手段201は、例えば、記録枚数などに基づき、感光体ユニット10の交換等のメンテナンス時期の情報を制御部200に与える。
【0046】
制御部200には、表示制御部202が制御可能に接続されている。表示操作部202は、制御部200によって制御され、ユーザが画像形成装置1に対し所定の操作を行うことができる。表示操作部202では、表示と操作とは独立してなされるものであってもよく、また、LCDタッチパネルのように表示画面上で操作を行えるようにしたものであっても良い。表示操作部202では、画像形成装置1に対する各種の設定を入力することができる。また、表示操作部202では、感光体ユニット10のメンテナンス時を知らせる表示、また、この表示に従って感光体ユニット1の交換を指示する指示入力、感光体ユニット10のメンテナンスが終了したことを指示する指示入力等が行われる。
【0047】
制御部200は、ソレノイド112を駆動する駆動部203に制御信号を与える。駆動部203は、制御部200からの制御信号に基づき、ソレノイド112をオン、オフする。
【0048】
次に、この実施形態の動作につき、図9に従い説明する。通常、廃トナーボックス40は、装置本体1a内部の係止爪115により係合され、装置本体1aにロックされて印刷可能状態となっている(ステップS1)。この状態で制御部200は検知手段201からの情報を得る(ステップS2)。そして、制御部200は、検知手段201から情報に基づき、感光体ユニット10のメンテナンス時期か否か判断する(ステップS3)。メンテナンス時期になるまで、前述の動作を繰り返す。
【0049】
この状態では、廃トナーボックス40は、装置本体1a内部にロックされた状態であるので、開閉扉1bを開けると図3及び図7に示すように、開閉扉1bだけ開くことになる。
【0050】
開閉扉1bを開けるだけの場合には、この状態で問題ないが、感光体ユニット10のメンテナンス作業や廃トナーボックス40の交換作業の時には、廃トナーボックス40の装置本体のロックを解除しないと作業できない。まず、感光体ユニット10のメンテナンス作業につき説明する。
【0051】
感光体ユニット10のメンテナンス時であると制御部200が判断すると、操作表示部202にロック解除の作業ボタンを表示させて、交換可能状態への切り換えを選択するための表示を行う(ステップS4)。ユーザはこの操作表示部202の表示により、ロック解除が必要であることを認識する。
【0052】
ユーザが操作表示部202により、感光体ユニット10の交換可能ボタンを押すと、制御部200は、その操作に基づきロック解除動作に入る(ステップS5)。
【0053】
制御部200は、ソレノイド112をオンにするために駆動部203に制御信号を送り、ソレノイド112をオン駆動する(ステップS6)。
【0054】
ソレノイド112がオンすることにより、付勢バネ113の付勢力に抗して支持軸110を中心として係止レバー111は、係止爪115の廃トナーボックス40との係合を解除する方向(図5中矢印D方向)に回転する。この係止レバー111の回転により、係止爪115と廃トナーボックス40の係合が解かれる。そして、係止レバー111の一端が移動レバー106と当接し、移動レバー106を押し上げることにより、スライド本体103が係止爪104aと係止爪105aが係合する方向(図5中矢印E方向)に移動する。そして、係止爪104aと係止爪105aとが係合し、開閉扉1b側に廃トナーボックス40がロックされた状態となる(ステップS7)。
【0055】
このロック状態で開閉扉1bを開けると、廃トナーボックス40が開閉扉1bと一緒に回動する(ステップS8)。
【0056】
この状態で、感光体ユニットのメンテナンス作業を行う(ステップS9)。
【0057】
メンテナンス作業を終了後、開閉扉1bを閉じた後、メンテナンスの終了を表示操作部202等を用いて指示すると、制御部200は、駆動部203に制御信号を送り、ソレノイド112をオフする。ソレノイド112がオフすることにより、開閉扉1bとのロックが解除され、係止爪115と廃トナーボックス40とを係合され、廃トナーボックス40が装置本体1aにロックして固定される。
【0058】
また、廃トナーボックス40の交換は、図7に示すように、まず、廃トナーボックス40を装置本体1aにロックした状態で開閉扉1bを開く。そして、この状態で、操作表示部202より、廃トナーボックスの交換を指示するボタンを押す。制御部200は、廃トナーボックス40を交換するボタンが押されると、係止爪115と廃トナーボックス40の係合を解除するために駆動部203に制御信号を送り、ソレノイド112をオンさせる。ソレノイド112がオンすることにより、係止レバー111は、付勢バネ113に抗して係止爪115の係合を解除する方向に回転する。そして、装置本体1aと廃トナーボックス40のロックが解除される。装置本体1aと廃トナーボックス40のロックが解除されると、廃トナーボックス40を装置本体1aから取り外すことができる。
【0059】
また、廃トナーボックス40の交換する他の方法としては、感光体ユニット10のメンテナンス作業と同様に、開閉扉1bに廃トナーボックス40を係合させる。そして、図6に示すように、開閉扉1bと廃トナーボックス40を一緒に開いた後、スライダ本体103をスライドさせ、係止爪104a、105aの係合を外すことで、廃トナーボックス40を取り外すことができる。
【0060】
尚、上記した実施形態では、開閉扉1bは装置本体1aに対して左右方向に回動するように構成されているが、これに限らず、装置本体1aに対して、上下方向の回動するように構成することもできる。
【0061】
また、廃トナーボックス40の装置本体1a内部、開閉扉1bへのロック機構は上記した機構に限らず、必要なときにだけ開閉扉1bへのロックできるような機構であればよい。
【0062】
尚、上記した実施形態では、感光体ユニット10の交換等のメンテナンス作業について説明したが、同様に現像ユニット20の交換等のメンテナンス作業においても同様に廃トナーボックス40を開閉扉1bと共に回動させればよい。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
1a 装置本体
1b 開閉扉
10 感光体ユニット
40 廃トナーボックス40
100 回転軸
103 スライダ本体
104 レバー部材
104a 係止爪
105 係止レバー
105a 係止爪
106 レバー部材
110 支持軸
111 係止レバー
112 ソレノイド
113 付勢バネ
114 作動部材
115 係止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して開閉自在に取り付けられた開閉扉と感光体ユニットとの間に廃トナーボックスが配置されている画像形成装置において、
廃トナーボックスが前記感光体ユニットの交換が可能な第1の位置と、装置本体内に維持させる第2の位置とに選択して支持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉扉に前記廃トナーボックスを係止する第1の係止手段と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを係止する第2の係止手段と、前記第1の係止手段と第2の係止手段の状態を切り換える手段と、を備え、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを前記第1の係止手段で係止し、前記開閉扉と共に前記廃トナーボックスを回動させて前記第1の位置に前記廃トナーボックスが支持され、前記装置本体に前記廃トナーボックスを前記第2の係止手段で係止し、前記廃トナーボックスを装置本体内に維持して前記第2の位置に前記廃トナーボックスが支持されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
装置本体に対して開閉自在に取り付けられた開閉扉と感光体ユニットとの間に廃トナーボックスが配置されている画像形成装置において、
前記開閉扉に前記廃トナーボックスを係止する第1の係止手段と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを係止する第2の係止手段と、を備え、前記開閉扉に前記廃トナーボックスを前記第1の係止手段で係止し、前記開閉扉と共に前記廃トナーボックスを回動可能な状態と、前記装置本体に前記廃トナーボックスを第2の係止手段で係止し、前記廃トナーボックスを前記装置本体内に維持する状態とを切り替え可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−232703(P2011−232703A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105578(P2010−105578)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】