画像形成装置
【課題】画像に乱れが生じることがなく、画像品位を向上させることができるようにする。
【解決手段】第1の搬送部と、第1、第2の搬送部材を備えた第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えるので、媒体の搬送に伴って振動等が発生しても、媒体の前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。
【解決手段】第1の搬送部と、第1、第2の搬送部材を備えた第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えるので、媒体の搬送に伴って振動等が発生しても、媒体の前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面をLEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、現像装置によって静電潜像を現像して感光体ドラム上にトナー像を形成した後、該トナー像を用紙に転写し、定着させるようになっている。
【0003】
前記トナー像を用紙に転写する方法として、感光体ドラム上のトナー像を用紙に直接転写する第1の方法、及び感光体ドラム上のトナー像を一次転写部で中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルトに転写されたトナー像を二次転写部で用紙に転写する第2の方法がある。
【0004】
第2の方法でトナー像を転写するために、二次転写部に一対のローラが配設され、該各ローラによって、中間転写ベルトが挟まれる形態の転写部が構成されるようになっている。そして、用紙の搬送方向における二次転写部より上流側にガイド部材が配設され、該ガイド部材によって用紙が二次転写部に案内される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−113275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、例えば、用紙の搬送に伴って振動等が発生して用紙の前端が搬送方向と異なる方向に向くと、二次転写部に用紙が進入する前に、用紙の前端が中間転写ベルト上の定着前のトナー像に当たり、トナー像に乱れが生じてしまう。その場合、画像に乱れが生じ、画像品位が低下してしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像に乱れが生じることがなく、画像品位を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体を搬送する第1の搬送部と、前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。
【0009】
そして、該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体を搬送する第1の搬送部と、前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。
【0011】
そして、該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。
【0012】
この場合、媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えるので、媒体の搬送に伴って振動等が発生しても、媒体の前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。したがって、媒体の前端が定着前の現像剤像に当たることがないので、現像剤像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0013】
また、画像形成装置内においてジャムが発生したり、媒体にしわ等が発生したりすることがなく、媒体を円滑に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第6の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第7の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図28】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタ、すなわち、カラープリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの概略図である。
【0017】
図において、11は媒体としての用紙Pが収容される媒体収容部としての用紙カセット(用紙トレイ)であり、該用紙カセット11は、カラープリンタの本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設される。前記用紙カセット11の前端部には、用紙Pを1枚ずつ分離させて繰り出す用紙繰出部20が配設される。該用紙繰出部20は、最も上の用紙Pに圧接させて配設され、回転に伴って用紙Pを繰り出すホッピングローラ(ピックアップローラ)22、並びに該ホッピングローラ22によって繰り出された用紙Pを1枚ずつ分離させるための、フィードローラ23及びリタードローラ24から成るローラ対を備える。前記ホッピングローラ22は、給紙用の駆動部としての図示されない給紙モータを駆動することによって回転させられる。なお、ホッピングローラ22によって繰出部が、フィードローラ23及びリタードローラ24によって分離部が構成される。
【0018】
また、30は前記用紙繰出部20から繰り出された用紙Pを搬送する第1の搬送部としての用紙搬送部、40は、直列に並べられた複数の、本実施の形態においては、四つの画像形成ユニットC、M、Y、Bk、及び露光装置としてのLEDヘッド43を備え、各画像形成ユニットC、M、Y、Bk及びLEDヘッド43によって、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成部、50は、ベルト部材としての中間転写ベルト51を備え、該中間転写ベルト51に前記各色のトナー像を順次重ねて転写することによってカラーのトナー像を形成するとともに、中間転写ベルト51上のカラーのトナー像を用紙搬送部30によって搬送された用紙Pに転写するための転写ユニット、60は、用紙Pに転写されたカラーのトナー像を、加熱し、加圧することによって用紙Pに定着させ、カラー画像を形成するための定着装置としての定着器である。
【0019】
そして、64は前記定着器60から排出された用紙Pを装置本体外に排出するための排出ローラ対、65は排出ローラ対64によって装置本体外に排出された用紙Pを積載するためのスタッカ部である。
【0020】
前記用紙搬送部30は、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側にかけて配設された第1の搬送要素としての搬送ローラ対32、34、35を備える。該搬送ローラ対32、34、35は、搬送用の駆動部としての図示されない搬送モータを駆動することによって回転させられる。
【0021】
また、前記画像形成部40において、前記各画像形成ユニットC、M、Y、Bkは、前記トナー像を担持するための感光体ドラム41、該感光体ドラム41の表面を負の極性に一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ42、感光体ドラム41の表面に形成された潜像としての静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ45、現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部46等を備える。前記感光体ドラム41は画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータを駆動することによって回転させられる。
【0022】
なお、前記感光体ドラム41によって第1の像担持体が、中間転写ベルト51によって第2の像担持体が構成される。また、前記静電潜像は、前記感光体ドラム41の表面をLEDヘッド43によって照射し、露光することにより形成される。
【0023】
そして、前記転写ユニット50は、前記中間転写ベルト51、第1のローラとしての駆動ローラ52、中間転写ベルト51にテンションを加える第2のローラとしてのテンションローラ53、第3のローラとしてのバックアップローラ55、前記中間転写ベルト51を介して前記各画像形成ユニットC、M、Y、Bkの感光体ドラム41と対向させられる第1の転写部材としての、かつ、第1の転写ローラとしての一次転写ローラ54、前記中間転写ベルト51を介して前記バックアップローラ55に押し当てられ、バックアップローラ55との間にニップ部を形成する第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57、中間転写ベルト51の内側においてバックアップローラ55と隣接させて配設され、中間転写ベルト51と二次転写ローラ57との接触領域の接触面積を調整するための第4のローラとしてのサポートローラ56等を備える。前記中間転写ベルト51は、前記駆動ローラ52、テンションローラ53及びバックアップローラ55によって張設させられ、矢印方向に走行させられる。そして、前記駆動ローラ52は、図示されないベルト走行用の駆動部としてのベルトモータを駆動することによって回転させられ、中間転写ベルト51を走行させる。なお、前記中間転写ベルト51の走行方向において、駆動ローラ52より上流側にテンションローラ53が、テンションローラ53より上流側にバックアップローラ55が、バックアップローラ55より上流側にサポートローラ56が配設される。また、二次転写ローラ57によって第1の搬送部材が、バックアップローラ55及びサポートローラ56によって第2の搬送部材が構成される。
【0024】
そして、前記各感光体ドラム41と一次転写ローラ54との間に第1の転写部としての一次転写部T1が形成され、該一次転写部T1において、中間転写ベルト51の走行に伴って、感光体ドラム41上の各色のトナー像がクーロン力によって中間転写ベルト51に順次重ねて転写(一次転写)され、カラーのトナー像が形成される。そのために、電源装置によって一次転写ローラ54に電圧が印加され、一次転写ローラ54と感光体ドラム41との間に形成される電界によって各色のトナー像が中間転写ベルト51に転写される。なお、前記ドラムモータ及びベルトモータが同期させて駆動されることによって、各感光体ドラム41及び駆動ローラ52が回転させられる。また、中間転写ベルト51及びバックアップローラ55と二次転写ローラ57との間に第2の転写部としての二次転写部T2が形成され、該二次転写部T2において、中間転写ベルト51上のカラーのトナー像がクーロン力によって用紙Pに転写(二次転写)される。そのために、前記電源装置によって二次転写ローラ57に電圧が印加され、二次転写ローラ57とグラウンドに接地させられたバックアップローラ55との間に形成される電界によって前記カラーのトナー像が用紙Pに転写される。
【0025】
なお、各一次転写ローラ54は図示されない第1の転写用の駆動部としての一次転写モータを駆動することによって、前記バックアップローラ55は図示されない第2の転写用の駆動部としての二次転写モータを駆動することによって回転させられる。また、本実施の形態において、前記二次転写ローラ57は、中間転写ベルト51の走行及びバックアップローラ55の回転に伴って連れ周りで回転させられるようになっているが、二次転写ローラ57に接続された図示されない第3の転写用の駆動部としての転写モータを駆動することによって回転させることができる。
【0026】
前記二次転写部T2において、中間転写ベルト51、バックアップローラ55及び二次転写ローラ57は、用紙Pの搬送方向における用紙搬送部30より下流側において、用紙搬送部30から供給された用紙Pを搬送する第2の搬送部を構成する。なお、バックアップローラ55及び二次転写ローラ57は、二次転写部T2において、中間転写ベルト51の走行方向に対して、及び用紙Pの搬送方向に対して垂直の方向に対向させて配設される。
【0027】
そして、前記搬送ローラ対35と二次転写部T2との間に、用紙Pを案内する第1のガイド部材としての上側ガイド部材36、及び第2のガイド部材としての下側ガイド部材37が配設される。
【0028】
前記定着器60は、第1の定着用ローラとしてのアッパローラ61、及び第2の定着用ローラとしてのロワローラ62を備え、前記アッパローラ61及びロワローラ62は、表面が弾性体によって形成され、内部に熱源としての、かつ、加熱体としてのハロゲンランプ63を備える。
【0029】
なお、図において、フィードローラ23及びリタードローラ24から成るローラ対間、各搬送ローラ対32、34、35間、上側ガイド部材36と下側ガイド部材37との間、二次転写ローラ57と中間転写ベルト51との間、アッパローラ61とロワローラ62との間、及び各排出ローラ対64間を抜けて延在させられる実線は、用紙Pの搬送路を表す。
【0030】
次に、前記構成のカラープリンタの動作について説明する。
【0031】
まず、給紙モータを駆動し、用紙繰出部20においてホッピングローラ22を回転させると、用紙Pが用紙カセット11から繰り出され、フィードローラ23及びリタードローラ24のローラ対のニップ位置まで搬送され、1枚ずつ分離させられる。続いて、用紙Pは用紙搬送部30に送られ、搬送ローラ対32、34、35によって搬送され、二次転写部T2に送られる。
【0032】
そして、画像形成部40の各画像形成ユニットC、M、Y、Bkにおいて、帯電ローラ42が感光体ドラム41の表面を負の極性に一様に帯電させると、LEDヘッド43が感光体ドラム41の表面を照射し、露光し、静電潜像を形成する。続いて、トナー収容部46から供給されたトナーが、現像ローラ45によって感光体ドラム41に付着させられて現像が行われ、感光体ドラム41の表面にトナー像が形成される。そして、前記各感光体ドラム41上の各色のトナー像が、一次転写ローラ54によって中間転写ベルト51に順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0033】
続いて、中間転写ベルト51の走行に伴って、中間転写ベルト51上に転写されたカラーのトナー像が二次転写部T2に送られ、該二次転写部T2において用紙Pに転写される。
【0034】
そして、用紙Pは定着器60に送られ、該定着器60においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられ、カラー画像が形成される。その後、用紙Pは排出ローラ対64によってスタッカ部65に排出される。
【0035】
次に、前記構成のカラープリンタの制御装置について説明する。
【0036】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【0037】
図に示されるように、カラープリンタの制御装置は、カラープリンタ全体の制御を行う制御部70、図示されない外部装置(ホストコンピュータ等)との間で情報の送受信を行うインタフェース76、カラープリンタを動作させるための設定値の情報、外部装置から受信した情報等を記録するための記憶部77、カラープリンタの設定内容、カラープリンタの状態等を表示するためのユーザインタフェースであり、操作部及び表示部として機能する操作パネル78、搬送モータ73を駆動して前記搬送ローラ対32、34、35(図2)を回転させ、前記用紙搬送部30における用紙Pの搬送の制御を行う第1の搬送制御部としての媒体搬送制御部72、ベルトモータ75を駆動して前記駆動ローラ52を回転させ、中間転写ベルト51を走行させて、二次転写部T2における用紙Pの搬送の制御を行う第2の搬送制御部としての媒体搬送制御部74、及び用紙Pに対してトナー像の形成、転写、定着等を行う印刷制御部71を備える。
【0038】
この場合、媒体搬送制御部72、74によって、搬送モータ73及びベルトモータ75の回転速度が制御され、用紙搬送部30による用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2による用紙Pの搬送速度より高くされ、用紙搬送部30と二次転写部T2との間において用紙Pに撓みが発生させられる。したがって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送状態が、二次転写部T2における用紙Pの搬送に対する負荷になるのを防止することができるので、二次転写部T2においてカラーのトナー像を用紙Pに転写する際に、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、搬送モータ73及びベルトモータ75の回転速度を制御することによって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くされるようになっているが、搬送モータ73と搬送ローラ対32、34、35との間に配設されるギヤの歯数と、ベルトモータ75と駆動ローラ52との間に配設されるギヤの歯数とを異ならせることによって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くすることができる。
【0040】
次に、前記用紙搬送部30及び二次転写部T2から成る搬送系について説明する。
【0041】
図1は本発明の第1の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0042】
図において、u1は搬送系、30は用紙搬送部、31は用紙搬送部30と二次転写部T2との間に配設され、用紙搬送部30から二次転写部T2に向けて用紙P(図2)を案内する媒体案内部としての用紙案内部であり、該用紙案内部31は、上側ガイド部材36及び下側ガイド部材37から成る。また、35は搬送ローラ対、55はバックアップローラ、56はサポートローラ、57は二次転写ローラである。
【0043】
前記バックアップローラ55は、金属製の、本実施の形態においては、アルミニウム製のローラから成り、カラープリンタの筐体によって形成されるフレームグラウンドに接地させられる。
【0044】
また、前記二次転写ローラ57は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、SUS製のシャフト部、及びシャフト部を被覆するゴム製の、本実施の形態においては、ウレタンゴム製のゴム部(被覆層)から成り、前記シャフト部の両端が露出させられ、両端以外の部分に前記ゴム部が形成される。したがって、ゴム部の径は、シャフト部の径よりウレタンゴムの厚さ分だけ大きい。また、前記シャフト部の両端に軸受けが配設され、前記二次転写ローラ57は軸受けによって回転自在に支持される。前記ウレタンゴムは、導電性を有し、ゴム材にカーボン、顔料等の導電材を添加することによって形成され、体積抵抗率は、102 〔Ωcm〕以上、かつ、108 〔Ωcm〕以下、例えば106 〔Ωcm〕にされる。
【0045】
また、前記シャフト部には電源装置が接続され、該電源装置によって、二次転写ローラ57に+1〔kV〕以上、かつ、+5〔kV〕以下の電圧、例えば+2〔kV〕の電圧が印加され、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との間に、電位差が形成され、電界が形成される。
【0046】
ところで、前述されたように、二次転写ローラ57は、中間転写ベルト51を介してバックアップローラ55に押し当てられ、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との接触領域にニップ部が形成される。
【0047】
この場合、前記バックアップローラ55が、アルミニウムによって形成され、剛性を有するのに対して、二次転写ローラ57のゴム部がウレタンゴムによって形成され、弾性を有するので、ニップ部において、バックアップローラ55によって二次転写ローラ57のゴム部が潰され、二次転写ローラ57の表面に、前記バックアップローラ55の表面の形状に対応する形状を有し、バックアップローラ55の外径と等しい曲率半径を有する凹面(凹部)が形成される。
【0048】
したがって、二次転写部T2に進入した用紙Pは前記凹面に沿って変形させられ、その結果、用紙Pにおける二次転写部T2の近傍が、バックアップローラ55側に向けて付勢される。
【0049】
次に、用紙案内部31について説明する。
【0050】
上側ガイド部材36は用紙Pの印刷面と対向させて、下側ガイド部材37は用紙Pの非印刷面(印刷面に対して反対側の面)と対向させて、前記搬送ローラ対35と二次転写部T2との間に配設され、いずれも、プラスチック製のプレートから成り、用紙Pを二次転写部T2に案内する。
【0051】
前記下側ガイド部材37は、搬送ローラ対35から二次転写部T2までの間において、用紙Pを支持することができるように配設され、上側ガイド部材36と対向する面によって形成された案内面としてのガイド部37fを備える。
【0052】
そして、用紙Pの搬送方向における下側ガイド部材37の下流側の端部37aは、二次転写ローラ57の近傍において二次転写ローラ57と対向させられる。前記ガイド部37fを二次転写ローラ57に向けて延長したときの延長面は、二次転写ローラ57の表面と交差する。したがって、非印刷面をガイド部37fに接触させて用紙Pを搬送すると、用紙Pは二次転写ローラ57に向けて案内され、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接させられる。
【0053】
また、前記上側ガイド部材36は、搬送ローラ対35からサポートローラ56の近傍までの間において、搬送路を覆うように配設され、用紙Pの搬送方向における上側ガイド部材36の下流側の端部36aは、端部37aより上流側において、二次転写ローラ57と所定の距離を置いて対向させられる。そして、サポートローラ56の中心をe1とし、中間転写ベルト51とサポートローラ56とが接触を開始する点を表す接触開始点をp1としたとき、端部36aは、用紙Pの搬送方向における中心e1より所定の距離だけ上流側の位置に置かれ、該位置において、中心e1と接触開始点p1とを結ぶ線の延長線と上側ガイド部材36とが交差させられる。このように、端部36aは、二次転写ローラ57と所定の距離を置いて対向させられるので、端部36aと二次転写ローラ57との間において、中間転写ベルト51と用紙Pとを直接対向させることができる。
【0054】
また、前記上側ガイド部材36における、下側ガイド部材37と対向する面によって案内面としてのガイド部36fが形成される。該ガイド部36fを二次転写ローラ57に向けて延長したときの延長面Xは、二次転写ローラ57の表面と交差する。すなわち、ガイド部36fは鉛直方向において二次転写部T2より下側(二次転写ローラ57側)に位置する。
【0055】
そして、前記サポートローラ56は、金属製の、本実施の形態においては、SUS製のローラから成り、前記フレームグラウンドに接地させられ、中間転写ベルト51の走行方向におけるバックアップローラ55より上流側において、バックアップローラ55と近接させて配設され、中間転写ベルト51を「く」字状に曲折させるとともに、中間転写ベルト51におけるバックアップローラ55との間(中間転写ベルト51の走行方向における二次転写部Tより上流側)に、用紙Pの搬送路に対してほぼ平行に、かつ、搬送路と近接して延在し、用紙Pと対向する領域Saを形成する。
【0056】
なお、サポートローラ56を配設しない場合は、バックアップローラ55が配設される領域外に、前記上側ガイド部材36の端部36aが位置させられる。
【0057】
次に、前記搬送系u1の動作について説明する。
【0058】
図4は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図6は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図7は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【0059】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて二次転写部T2に送られる(供給される)。そして、用紙Pの前端は、領域Saより二次転写ローラ57側に形成されたガイド部36f、37fによって向きが規制され、図4に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0060】
このとき、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、図5に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられる。このとき、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くされているので、用紙Pは、印刷面が上側ガイド部材36に接触する方向に撓み始める。
【0061】
続いて、図6に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、用紙Pの撓みは、図5の状態より大きくなり、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入するのとほぼ同じタイミング、又はわずかに遅れたタイミングで、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0062】
次に、図7に示されるように、用紙Pが更に搬送されると、用紙Pの撓みは図6の状態より大きくなり、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する面積が更に大きくなる。
【0063】
なお、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れると、搬送速度の速度差によって発生させられる用紙Pの撓みがなくなるが、前述されたように、二次転写部T2において用紙Pは前記凹面に沿って変形させられるので、用紙Pにおける二次転写部T2の近傍はバックアップローラ55側に向けて付勢される。したがって、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れた後も、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができる。
【0064】
このように、本実施の形態においては、非印刷面をガイド部37fに接触させて搬送される用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接すると、印刷面の一部が領域Saに接触させられる。したがって、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送し、二次転写部T2に進入させることができるので、用紙Pの搬送に伴って振動等が発生しても、用紙Pの前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。その結果、二次転写部T2に用紙Pが進入する前に、用紙Pの前端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たることがないので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0065】
また、カラープリンタ内においてジャムが発生したり、用紙Pにしわ等が発生したりすることがなく、用紙Pを円滑に搬送することができる。
【0066】
そして、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との間に形成される電界は、二次転写部T2から離れるほど弱いので、電界の弱い部分で用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させることができるようになる。したがって、中間転写ベルト51上の定着前のトナー像のトナーの一部が電界によって飛散することがなくなるので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0067】
また、二次転写部T2における用紙Pの搬送が進むと、図7に示されるように、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する面積が大きくなるので、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れた後も、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができる。したがって、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0068】
そして、端部36aが、用紙Pの搬送方向における前記接触開始点p1より上流側に配設されるので、用紙Pの後端は、接触開始点p1より上流側において上側ガイド部材36から離れることになる。したがって、上側ガイド部材36から離れる際に用紙Pの後端が跳ね上がっても、接触開始点p1より上流側においては、中間転写ベルト51が用紙Pの搬送路から離れているので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51に衝突することはない。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0069】
このように、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れ(画ちり)が生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0070】
なお、上側ガイド部材36の下流側の端部を、本実施の形態における端部36aより上流側の位置に置くと、上側ガイド部材36が用紙Pを案内することができる距離が短くなり、上側ガイド部材36によって用紙Pを案内する機能が低くなる。
【0071】
ところで、前述されたように、用紙Pの撓みは、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くすることによって発生させられるようになっているが、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度と二次転写部T2における用紙Pの搬送速度との速度差が過剰に大きいと、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する前に、用紙Pの撓んだ部分が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たる可能性がある。
【0072】
そこで、本実施の形態においては、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接してから二次転写部T2に到達するまでの間に、用紙Pの撓んだ部分が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たらないように前記速度差が設定され、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度の0.3〔%〕以上、かつ、1.5〔%〕以下にされる。なお、用紙Pの搬送速度は、用紙搬送部30、中間転写ベルト51、バックアップローラ55、二次転写ローラ57等の特性、配置等によって変動するので、カラープリンタごとに設定するのが好ましい。
【0073】
また、本実施の形態においては、下側ガイド部材37を二次転写部T2より二次転写ローラ57側に配設することによって、用紙Pの前端を二次転写ローラ57に当接させることができるようになっているが、例えば、用紙案内部31の全体をバックアップローラ55側に向けて傾けて配設した場合においても、下側ガイド部材37及び上側ガイド部材36の用紙Pの搬送方向における下流側の端部の近傍を、二次転写ローラ57に向けて屈曲させることによって、用紙Pを屈曲させて案内し、前端を二次転写ローラ57に当接させることができる。
【0074】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0075】
図8は本発明の第2の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0076】
この場合、第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57の中心と第3のローラとしてのバックアップローラ55の中心とを結ぶ線と、ベルト部材としての、かつ、第2の像担持体としての中間転写ベルト51におけるバックアップローラ55と第4のローラとしてのサポートローラ56との間の領域Saとが成す角度θが90〔°〕より小さい角度、すなわち、鋭角になるように、二次転写ローラ57の配設位置が、第1の実施の形態より媒体としての用紙Pの搬送方向における上流側に設定される。
【0077】
したがって、二次転写ローラ57の回転方向における凹面よりわずかに上流側の部分を中間転写ベルト51が覆い、二次転写ローラ57と中間転写ベルト51との接触面積が大きくなる。
【0078】
この場合、用紙Pが中間転写ベルト51と二次転写ローラ57との第2の転写部としての二次転写部T2に進入すると、用紙Pの剛性によって、印刷面が中間転写ベルト51に向けて付勢され、中間転写ベルト51に接触させられる。
【0079】
次に、媒体案内部としての用紙案内部31について説明する。
【0080】
この場合、第1のガイド部材としての上側ガイド部材36は、第2のガイド部材としての下側ガイド部材37と対向する面によって形成される案内面としてのガイド部36fを備える。前記上側ガイド部材36は、下側ガイド部材37と平行に延在させられる本体部39、及び用紙Pの搬送方向における前記本体部39の下流側の端部から離れる側に向けて(すなわち、用紙Pの搬送方向及び前記ガイド部36f(案内面)に対して垂直の方向において、搬送路からバックアップローラ55に向けて)傾斜させて形成された退避部38を備える。そして、前記ガイド部36fは、前記本体部39に形成された第1の案内面としての本体部案内面36g、及び退避部38に形成された第2の案内面としての退避部案内面36hを備える。
【0081】
そして、該退避部案内面36hと、用紙Pの搬送方向における退避部38より下流側における前記中間転写ベルト51の領域Saとが成す角度θ2は90〔°〕より大きい角度、すなわち、鈍角にされる。なお、角度θ2は、退避部38の先端38aと用紙Pの搬送路との距離、及び用紙Pの搬送方向における先端38aと二次転写ローラ57との距離に基づいて決定される。
【0082】
また、前記領域Saを用紙搬送部30側に向けて延長すると、延長面A(バックアップローラ55及びサポートローラ56によって形成され、用紙Pの搬送路に対してほぼ平行な平面を構成する。)と退避部38とが交差し、前記先端38aは、延長面Aより中間転写ベルト51側に位置させられる。そして、前記先端38aと中間転写ベルト51との間には、所定の距離tの隙間が形成される。この場合、前記距離tは短いほど好ましいが、中間転写ベルト51が走行させられるときの振動によって発生する中間転写ベルト51の振れを考慮して、退避部38と中間転写ベルト51とが接触しないように設定される。本実施の形態においては、中間転写ベルト51の振動によって発生する中間転写ベルト51の振れはほぼ1〔mm〕であるので、距離tは1〔mm〕以上、かつ、2〔mm〕以下にされる。なお、本実施の形態においては、前記退避部38の前端が尖った形状にされるので、前記距離tを正確に設定することができる。
【0083】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0084】
図9は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図10は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図11は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図12は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図13は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図、図14は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第6の図、図15は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第7の図である。
【0085】
まず、用紙Pは、第1の搬送要素としての搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて、二次転写部T2に送られる。そして、用紙Pの前端は、ガイド部36f、37fによって向きが規制され、図9に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0086】
このとき、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、図10に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられ、用紙Pの所定の箇所が本体部案内面36gの前端に当接させられる。
【0087】
続いて、図11に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設され、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0088】
そして、図12に示されるように、用紙Pの後端が搬送ローラ対35を抜けると、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢されているので、用紙Pは、所定の箇所が本体部案内面36gの前端に当接させられたまま搬送される。
【0089】
続いて、図13に示されるように、用紙Pの後端が本体部案内面36gの前端を通過すると、用紙Pは、後端を退避部38の退避部案内面36hに接触させながら搬送される。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面36hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面36hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0090】
続いて、図14及び15に示されるように、用紙Pの後端は、退避部38と前記延長面Aとが交差する点より手前に到達すると、退避部案内面36hから離れる。このとき、直前まで用紙Pの後端の鉛直方向における動作に一定の負荷が加えられているので、後端が退避部案内面36hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しない。
【0091】
その後、用紙Pは二次転写ローラ57の回転に伴って、更に搬送され、用紙Pの後端は、延長面A上を移動する。
【0092】
このように、本実施の形態においては、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入すると、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢されるので、印刷面の一部を領域Saに接触させることができる。したがって、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができるので、現像剤像としてのトナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0093】
また、用紙Pが印刷面を領域Saに接触させながら搬送されるので、用紙Pの後端は退避部38の退避部案内面36hに接触しながら移動させられる。したがって、後端が退避部案内面36hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しないので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができる。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0094】
このように、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0095】
また、用紙Pの後端が跳ね上がることがなくなるので、跳上げ音が発生するのを防止することもできる。
【0096】
ところで、本実施の形態においては、前述されたように、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢される。したがって、第1の実施の形態のように、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くしないようにしても、用紙搬送部30と二次転写部T2との間において用紙Pに撓みを発生させることができ、用紙Pの印刷面を二次転写ベルト51の領域Saに接触させることができる。
【0097】
したがって、搬送ローラ対35と二次転写部T2との速度差を小さくすることができ、速度差を零(0)とすることもできる。ただし、構成部品の製造誤差、組立誤差等によって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より低くなると、用紙搬送部30における用紙Pの搬送状態が、二次転写部T2における用紙Pの搬送に対する負荷になってしまう。そこで、本実施の形態においては、速度差が、好ましくは、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度の0.1〔%〕以上、かつ、0.2〔%〕以下にされる。
【0098】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0099】
図16は本発明の第3の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0100】
図において、31は媒体案内部としての用紙案内部であり、該用紙案内部31は、第1のガイド部材としての上側ガイド部材91及び第2のガイド部材としての下側ガイド部材37から成る。
【0101】
前記上側ガイド部材91は、下側ガイド部材37と対向する面によって形成される案内面としてのガイド部91fを備える。また、前記上側ガイド部材91は、本体部92、媒体としての用紙Pの搬送方向における本体部92の下流側の端部において、矢印Y方向に揺動自在に配設された退避部95、該退避部95を支持する支持部材としてのヒンジ93、及び付勢部材としてのばね96を備える。該ばね96は、一端を退避部95に当接させて、他端をカラープリンタ内の所定の固定部としての図示されないばね受け部に当接させて配設され、前記退避部95を下側ガイド部材37側に向けて付勢する。そして、前記ガイド部91fは、本体部92に形成された第1の案内面としての本体部案内面91g、及び退避部95に形成された第2の案内面としての退避部案内面91hを備える。前記上側ガイド部材の用紙Pの搬送方向における下流側の延長面Xと二次転写ローラ57とが交差する。
【0102】
なお、上側ガイド部材91、本体部92及び退避部95は、いずれもプラスチック製であり、用紙Pと接する面は滑らかに形成される。
【0103】
そして、前記退避部95の先端95aは、延長面Aより第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57側、及び第3のローラとしてのバックアップローラ55側に選択的に位置させられる。すなわち、前記退避部95が、ばね96の付勢力によって斜め下方に(下側ガイド部材37側に)向けられると、先端95aが延長面A及びXより下方に位置させられ、前記退避部95が、ばね96の付勢力に抗して斜め上方に(中間転写ベルト51側に)向けられると、先端95aが延長面A及びXより上方に位置させられる。
【0104】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0105】
図17は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図18は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図19は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図20は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図21は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【0106】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて第2の転写部としての二次転写部T2に送られる。ここで、用紙Pの前端が本体部92を通過すると、用紙Pの前端は退避部95によって案内される。このとき、図17に示されるように、退避部95はばね96の付勢力によって斜め下方に向けられているので、用紙Pは退避部95によって下側ガイド部材37に向けられた後、下側ガイド部材37に沿って搬送され、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0107】
そして、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられる。
【0108】
続いて、図18に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設されていて、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0109】
このとき、退避部95は、用紙Pから上向きの力を受けるので、ばね96の付勢力に抗して、図18における時計回りに回動させられ、前記上向きの力と前記付勢力とがつり合う位置で停止させられる。
【0110】
そして、用紙Pの後端が退避部95に到達すると、用紙Pの復元力が退避部95に加わるので、退避部95は図18における時計回りに更に回動させられ、図19に示されるように、斜め上方に向けられる。その結果、用紙Pは、後端を退避部案内面91hに接触させながら、領域Saの延長面Aに沿って搬送される。その間、退避部95はばね96の付勢力によって図19における反時計回りに回動させられる。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面91hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面91hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0111】
なお、この状態において、退避部95の先端95aは延長面Aより中間転写ベルト51側に位置させられる。
【0112】
続いて、用紙Pが更に搬送されると、図20に示されるように、用紙Pの後端が退避部95の先端95aに到達し、用紙Pの後端が延長面A上に置かれるので、退避部95の先端95aも延長面A上に置かれる。
【0113】
そして、図21に示されるように、用紙Pの後端が退避部95から離れると、退避部95はばね96の付勢力によって斜め下方に向けられ、先端95aが延長面Aより下方に置かれる。
【0114】
このように、本実施の形態においては、用紙Pの表面及び裏面に印刷を行う両面印刷時に、裏面に印刷を行うときのように、カールが発生しやすい場合でも、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接させられるまで、用紙Pを下側ガイド部材37に沿って搬送することができる。したがって、カールが発生するのを抑制することができるので、二次転写部T2に用紙Pが進入する前に、用紙Pの前端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たることがなくなる。
【0115】
その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0116】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0117】
図22は本発明の第4の実施の形態における搬送系を示す図、図23は本発明の第4の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【0118】
この場合、媒体としての用紙Pの搬送方向における第1の搬送要素としての搬送ローラ対35より下流側、かつ、退避部95より上流側に、用紙Pの前端を検出する媒体検出部としての、非接触式(光学式)のペーパセンサ81が配設され、該ペーパセンサ81は制御部70に接続される。該制御部70の図示されない媒体判定処理手段は、媒体判定処理を行い、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けると、用紙Pが搬送ローラ対35を通過したと判断する。なお、前記ペーパセンサ81として、接触式のものを使用することもできる。
【0119】
また、第1のガイド部材としての上側ガイド部材91は、本体部92、用紙Pの搬送方向における本体部92の下流側の端部において揺動自在に配設された退避部95、該退避部95を支持する支持部材としてのヒンジ93、付勢部材としてのばね98、及び退避部95を回動させるための駆動部としてのプッシュ型のソレノイド80を備える。前記ばね98は、一端を退避部95に係止させて、他端をカラープリンタ内の所定の固定部としての図示されないばね受け部に係止させて配設され、前記退避部95をベルト部材としての、かつ、第2の像担持体としての中間転写ベルト51側に向けて付勢する。
【0120】
また、前記ソレノイド80は、退避部制御部79を介して制御部70に接続され、該制御部70の図示されない退避部制御処理手段は、退避部制御処理を行い、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けて退避部制御部79を介してソレノイド80をオン・オフさせる(駆動する)。ソレノイド80は、オンの状態でばね98の付勢力に抗して退避部95を反時計回りに回動させて退避部95を斜め下方に(下側ガイド部材37側に)向け、退避部95の前端95aを延長面Xより下に置き、オフの状態でばね98の付勢力によって退避部95を時計回りに回動させて退避部95を斜め上方に(中間転写ベルト51側に)向け、退避部95の前端95aを延長面Aより上に置く。
【0121】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0122】
図24は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図25は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図26は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図27は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図28は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【0123】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内される。図24に示されるように、用紙Pの前端がペーパセンサ81に到達する前は、ソレノイド80がオフの状態にされ、退避部95は斜め上方に向けられる。
【0124】
そして、用紙Pの前端がペーパセンサ81に到達すると、ペーパセンサ81によって用紙Pの前端が検出され、ペーパセンサ81のセンサ出力が制御部70に送られる。そして、前記媒体判定処理手段は、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けると、用紙Pが搬送ローラ対35を通過したと判断し、前記退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオンの状態にし、退避部95を斜め下方に向ける。なお、ペーパセンサ81は、用紙Pの後端が通過するまでセンサ出力を制御部70に送り続け、退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオンの状態に維持し、退避部95を斜め下方に向け続ける。
【0125】
したがって、図25に示されるように、用紙Pは下側ガイド部材37に沿って搬送され、用紙Pの前端が、第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57に当接させられる。
【0126】
そして、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、第2の転写部としての二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられる。
【0127】
続いて、図26に示されるように、用紙Pの前端が前記二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設されていて、中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0128】
そして、図27に示されるように、用紙Pの後端がペーパセンサ81を通過すると、前記退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオフの状態にし、退避部95を斜め上方に向ける。続いて、図28に示されるように、用紙Pの後端が退避部95に到達すると、用紙Pは、後端を退避部95の第2の案内面としての退避部案内面91hに接触させた状態で搬送される。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面91hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面91hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0129】
続いて、用紙Pの後端は、退避部95と延長面Aとが交差する点より手前に到達すると、退避部案内面91hから離れる。このとき、直前まで用紙Pの後端の鉛直方向における動作に一定の負荷が加えられているので、後端が退避部案内面91hから離れるのに伴って、用紙Pに振動は発生しない。
【0130】
その後、用紙Pは二次転写ローラ57の回転に伴って、更に搬送され、用紙Pの後端は、延長面A上を移動する。
【0131】
このように、本実施の形態においては、ソレノイド80をオン・オフさせることによって退避部95を斜め下方に向けることにより、用紙Pの前端を二次転写ローラ57と当接させ、二次転写部T2に導くことができる。したがって、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分を中間転写ベルト51に向けて付勢し、用紙Pの印刷面を二次転写ベルト51の領域Saに接触させることができる。そして、カラープリンタ内においてジャムが発生したり、用紙Pにしわ等が発生したりすることがなく、用紙Pを円滑に搬送することができる。
【0132】
また、退避部95を斜め上方に向けることによって、用紙Pの後端を退避部95の退避部案内面91hに接触させながら移動させることができる。したがって、後端が退避部案内面91hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しないので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができる。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0133】
さらに、ソレノイド80を駆動することによって退避部95を斜め下方に向けたり、斜め上方に向けたりすることができるので、厚紙、剛性の高い用紙P、カールの発生しやすい用紙P等を使用する場合でも、用紙Pの前端及び後端の動きをコントロールすることができる。
【0134】
したがって、用紙Pの前端及び後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができるので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。その結果、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0135】
前記各実施の形態においては、電子写真式のカラープリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0136】
また、前記各実施の形態においては、二次転写部T2において用紙Pをほぼ水平方向に搬送する場合について説明しているが、用紙Pの搬送方向を適宜変更することができ、用紙Pの搬送方向に対応させて、ガイド部材、退避部等の向きを変更することもできる。
【0137】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0138】
30 用紙搬送部
31 用紙案内部
36 上側ガイド部材
36f、37f ガイド部
36g、91g 本体部案内面
36h、91h 退避部案内面
37 下側ガイド部材
51 中間転写ベルト
55 バックアップローラ 56 サポートローラ
57 二次転写ローラ
P 用紙
T2 二次転写部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面をLEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、現像装置によって静電潜像を現像して感光体ドラム上にトナー像を形成した後、該トナー像を用紙に転写し、定着させるようになっている。
【0003】
前記トナー像を用紙に転写する方法として、感光体ドラム上のトナー像を用紙に直接転写する第1の方法、及び感光体ドラム上のトナー像を一次転写部で中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルトに転写されたトナー像を二次転写部で用紙に転写する第2の方法がある。
【0004】
第2の方法でトナー像を転写するために、二次転写部に一対のローラが配設され、該各ローラによって、中間転写ベルトが挟まれる形態の転写部が構成されるようになっている。そして、用紙の搬送方向における二次転写部より上流側にガイド部材が配設され、該ガイド部材によって用紙が二次転写部に案内される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−113275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、例えば、用紙の搬送に伴って振動等が発生して用紙の前端が搬送方向と異なる方向に向くと、二次転写部に用紙が進入する前に、用紙の前端が中間転写ベルト上の定着前のトナー像に当たり、トナー像に乱れが生じてしまう。その場合、画像に乱れが生じ、画像品位が低下してしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像に乱れが生じることがなく、画像品位を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体を搬送する第1の搬送部と、前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。
【0009】
そして、該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体を搬送する第1の搬送部と、前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有する。
【0011】
そして、該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備える。
【0012】
この場合、媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えるので、媒体の搬送に伴って振動等が発生しても、媒体の前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。したがって、媒体の前端が定着前の現像剤像に当たることがないので、現像剤像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0013】
また、画像形成装置内においてジャムが発生したり、媒体にしわ等が発生したりすることがなく、媒体を円滑に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第6の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第7の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態における搬送系を示す図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【図28】本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタ、すなわち、カラープリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの概略図である。
【0017】
図において、11は媒体としての用紙Pが収容される媒体収容部としての用紙カセット(用紙トレイ)であり、該用紙カセット11は、カラープリンタの本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設される。前記用紙カセット11の前端部には、用紙Pを1枚ずつ分離させて繰り出す用紙繰出部20が配設される。該用紙繰出部20は、最も上の用紙Pに圧接させて配設され、回転に伴って用紙Pを繰り出すホッピングローラ(ピックアップローラ)22、並びに該ホッピングローラ22によって繰り出された用紙Pを1枚ずつ分離させるための、フィードローラ23及びリタードローラ24から成るローラ対を備える。前記ホッピングローラ22は、給紙用の駆動部としての図示されない給紙モータを駆動することによって回転させられる。なお、ホッピングローラ22によって繰出部が、フィードローラ23及びリタードローラ24によって分離部が構成される。
【0018】
また、30は前記用紙繰出部20から繰り出された用紙Pを搬送する第1の搬送部としての用紙搬送部、40は、直列に並べられた複数の、本実施の形態においては、四つの画像形成ユニットC、M、Y、Bk、及び露光装置としてのLEDヘッド43を備え、各画像形成ユニットC、M、Y、Bk及びLEDヘッド43によって、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成部、50は、ベルト部材としての中間転写ベルト51を備え、該中間転写ベルト51に前記各色のトナー像を順次重ねて転写することによってカラーのトナー像を形成するとともに、中間転写ベルト51上のカラーのトナー像を用紙搬送部30によって搬送された用紙Pに転写するための転写ユニット、60は、用紙Pに転写されたカラーのトナー像を、加熱し、加圧することによって用紙Pに定着させ、カラー画像を形成するための定着装置としての定着器である。
【0019】
そして、64は前記定着器60から排出された用紙Pを装置本体外に排出するための排出ローラ対、65は排出ローラ対64によって装置本体外に排出された用紙Pを積載するためのスタッカ部である。
【0020】
前記用紙搬送部30は、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側にかけて配設された第1の搬送要素としての搬送ローラ対32、34、35を備える。該搬送ローラ対32、34、35は、搬送用の駆動部としての図示されない搬送モータを駆動することによって回転させられる。
【0021】
また、前記画像形成部40において、前記各画像形成ユニットC、M、Y、Bkは、前記トナー像を担持するための感光体ドラム41、該感光体ドラム41の表面を負の極性に一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ42、感光体ドラム41の表面に形成された潜像としての静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ45、現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部46等を備える。前記感光体ドラム41は画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータを駆動することによって回転させられる。
【0022】
なお、前記感光体ドラム41によって第1の像担持体が、中間転写ベルト51によって第2の像担持体が構成される。また、前記静電潜像は、前記感光体ドラム41の表面をLEDヘッド43によって照射し、露光することにより形成される。
【0023】
そして、前記転写ユニット50は、前記中間転写ベルト51、第1のローラとしての駆動ローラ52、中間転写ベルト51にテンションを加える第2のローラとしてのテンションローラ53、第3のローラとしてのバックアップローラ55、前記中間転写ベルト51を介して前記各画像形成ユニットC、M、Y、Bkの感光体ドラム41と対向させられる第1の転写部材としての、かつ、第1の転写ローラとしての一次転写ローラ54、前記中間転写ベルト51を介して前記バックアップローラ55に押し当てられ、バックアップローラ55との間にニップ部を形成する第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57、中間転写ベルト51の内側においてバックアップローラ55と隣接させて配設され、中間転写ベルト51と二次転写ローラ57との接触領域の接触面積を調整するための第4のローラとしてのサポートローラ56等を備える。前記中間転写ベルト51は、前記駆動ローラ52、テンションローラ53及びバックアップローラ55によって張設させられ、矢印方向に走行させられる。そして、前記駆動ローラ52は、図示されないベルト走行用の駆動部としてのベルトモータを駆動することによって回転させられ、中間転写ベルト51を走行させる。なお、前記中間転写ベルト51の走行方向において、駆動ローラ52より上流側にテンションローラ53が、テンションローラ53より上流側にバックアップローラ55が、バックアップローラ55より上流側にサポートローラ56が配設される。また、二次転写ローラ57によって第1の搬送部材が、バックアップローラ55及びサポートローラ56によって第2の搬送部材が構成される。
【0024】
そして、前記各感光体ドラム41と一次転写ローラ54との間に第1の転写部としての一次転写部T1が形成され、該一次転写部T1において、中間転写ベルト51の走行に伴って、感光体ドラム41上の各色のトナー像がクーロン力によって中間転写ベルト51に順次重ねて転写(一次転写)され、カラーのトナー像が形成される。そのために、電源装置によって一次転写ローラ54に電圧が印加され、一次転写ローラ54と感光体ドラム41との間に形成される電界によって各色のトナー像が中間転写ベルト51に転写される。なお、前記ドラムモータ及びベルトモータが同期させて駆動されることによって、各感光体ドラム41及び駆動ローラ52が回転させられる。また、中間転写ベルト51及びバックアップローラ55と二次転写ローラ57との間に第2の転写部としての二次転写部T2が形成され、該二次転写部T2において、中間転写ベルト51上のカラーのトナー像がクーロン力によって用紙Pに転写(二次転写)される。そのために、前記電源装置によって二次転写ローラ57に電圧が印加され、二次転写ローラ57とグラウンドに接地させられたバックアップローラ55との間に形成される電界によって前記カラーのトナー像が用紙Pに転写される。
【0025】
なお、各一次転写ローラ54は図示されない第1の転写用の駆動部としての一次転写モータを駆動することによって、前記バックアップローラ55は図示されない第2の転写用の駆動部としての二次転写モータを駆動することによって回転させられる。また、本実施の形態において、前記二次転写ローラ57は、中間転写ベルト51の走行及びバックアップローラ55の回転に伴って連れ周りで回転させられるようになっているが、二次転写ローラ57に接続された図示されない第3の転写用の駆動部としての転写モータを駆動することによって回転させることができる。
【0026】
前記二次転写部T2において、中間転写ベルト51、バックアップローラ55及び二次転写ローラ57は、用紙Pの搬送方向における用紙搬送部30より下流側において、用紙搬送部30から供給された用紙Pを搬送する第2の搬送部を構成する。なお、バックアップローラ55及び二次転写ローラ57は、二次転写部T2において、中間転写ベルト51の走行方向に対して、及び用紙Pの搬送方向に対して垂直の方向に対向させて配設される。
【0027】
そして、前記搬送ローラ対35と二次転写部T2との間に、用紙Pを案内する第1のガイド部材としての上側ガイド部材36、及び第2のガイド部材としての下側ガイド部材37が配設される。
【0028】
前記定着器60は、第1の定着用ローラとしてのアッパローラ61、及び第2の定着用ローラとしてのロワローラ62を備え、前記アッパローラ61及びロワローラ62は、表面が弾性体によって形成され、内部に熱源としての、かつ、加熱体としてのハロゲンランプ63を備える。
【0029】
なお、図において、フィードローラ23及びリタードローラ24から成るローラ対間、各搬送ローラ対32、34、35間、上側ガイド部材36と下側ガイド部材37との間、二次転写ローラ57と中間転写ベルト51との間、アッパローラ61とロワローラ62との間、及び各排出ローラ対64間を抜けて延在させられる実線は、用紙Pの搬送路を表す。
【0030】
次に、前記構成のカラープリンタの動作について説明する。
【0031】
まず、給紙モータを駆動し、用紙繰出部20においてホッピングローラ22を回転させると、用紙Pが用紙カセット11から繰り出され、フィードローラ23及びリタードローラ24のローラ対のニップ位置まで搬送され、1枚ずつ分離させられる。続いて、用紙Pは用紙搬送部30に送られ、搬送ローラ対32、34、35によって搬送され、二次転写部T2に送られる。
【0032】
そして、画像形成部40の各画像形成ユニットC、M、Y、Bkにおいて、帯電ローラ42が感光体ドラム41の表面を負の極性に一様に帯電させると、LEDヘッド43が感光体ドラム41の表面を照射し、露光し、静電潜像を形成する。続いて、トナー収容部46から供給されたトナーが、現像ローラ45によって感光体ドラム41に付着させられて現像が行われ、感光体ドラム41の表面にトナー像が形成される。そして、前記各感光体ドラム41上の各色のトナー像が、一次転写ローラ54によって中間転写ベルト51に順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0033】
続いて、中間転写ベルト51の走行に伴って、中間転写ベルト51上に転写されたカラーのトナー像が二次転写部T2に送られ、該二次転写部T2において用紙Pに転写される。
【0034】
そして、用紙Pは定着器60に送られ、該定着器60においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられ、カラー画像が形成される。その後、用紙Pは排出ローラ対64によってスタッカ部65に排出される。
【0035】
次に、前記構成のカラープリンタの制御装置について説明する。
【0036】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【0037】
図に示されるように、カラープリンタの制御装置は、カラープリンタ全体の制御を行う制御部70、図示されない外部装置(ホストコンピュータ等)との間で情報の送受信を行うインタフェース76、カラープリンタを動作させるための設定値の情報、外部装置から受信した情報等を記録するための記憶部77、カラープリンタの設定内容、カラープリンタの状態等を表示するためのユーザインタフェースであり、操作部及び表示部として機能する操作パネル78、搬送モータ73を駆動して前記搬送ローラ対32、34、35(図2)を回転させ、前記用紙搬送部30における用紙Pの搬送の制御を行う第1の搬送制御部としての媒体搬送制御部72、ベルトモータ75を駆動して前記駆動ローラ52を回転させ、中間転写ベルト51を走行させて、二次転写部T2における用紙Pの搬送の制御を行う第2の搬送制御部としての媒体搬送制御部74、及び用紙Pに対してトナー像の形成、転写、定着等を行う印刷制御部71を備える。
【0038】
この場合、媒体搬送制御部72、74によって、搬送モータ73及びベルトモータ75の回転速度が制御され、用紙搬送部30による用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2による用紙Pの搬送速度より高くされ、用紙搬送部30と二次転写部T2との間において用紙Pに撓みが発生させられる。したがって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送状態が、二次転写部T2における用紙Pの搬送に対する負荷になるのを防止することができるので、二次転写部T2においてカラーのトナー像を用紙Pに転写する際に、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、搬送モータ73及びベルトモータ75の回転速度を制御することによって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くされるようになっているが、搬送モータ73と搬送ローラ対32、34、35との間に配設されるギヤの歯数と、ベルトモータ75と駆動ローラ52との間に配設されるギヤの歯数とを異ならせることによって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くすることができる。
【0040】
次に、前記用紙搬送部30及び二次転写部T2から成る搬送系について説明する。
【0041】
図1は本発明の第1の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0042】
図において、u1は搬送系、30は用紙搬送部、31は用紙搬送部30と二次転写部T2との間に配設され、用紙搬送部30から二次転写部T2に向けて用紙P(図2)を案内する媒体案内部としての用紙案内部であり、該用紙案内部31は、上側ガイド部材36及び下側ガイド部材37から成る。また、35は搬送ローラ対、55はバックアップローラ、56はサポートローラ、57は二次転写ローラである。
【0043】
前記バックアップローラ55は、金属製の、本実施の形態においては、アルミニウム製のローラから成り、カラープリンタの筐体によって形成されるフレームグラウンドに接地させられる。
【0044】
また、前記二次転写ローラ57は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、SUS製のシャフト部、及びシャフト部を被覆するゴム製の、本実施の形態においては、ウレタンゴム製のゴム部(被覆層)から成り、前記シャフト部の両端が露出させられ、両端以外の部分に前記ゴム部が形成される。したがって、ゴム部の径は、シャフト部の径よりウレタンゴムの厚さ分だけ大きい。また、前記シャフト部の両端に軸受けが配設され、前記二次転写ローラ57は軸受けによって回転自在に支持される。前記ウレタンゴムは、導電性を有し、ゴム材にカーボン、顔料等の導電材を添加することによって形成され、体積抵抗率は、102 〔Ωcm〕以上、かつ、108 〔Ωcm〕以下、例えば106 〔Ωcm〕にされる。
【0045】
また、前記シャフト部には電源装置が接続され、該電源装置によって、二次転写ローラ57に+1〔kV〕以上、かつ、+5〔kV〕以下の電圧、例えば+2〔kV〕の電圧が印加され、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との間に、電位差が形成され、電界が形成される。
【0046】
ところで、前述されたように、二次転写ローラ57は、中間転写ベルト51を介してバックアップローラ55に押し当てられ、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との接触領域にニップ部が形成される。
【0047】
この場合、前記バックアップローラ55が、アルミニウムによって形成され、剛性を有するのに対して、二次転写ローラ57のゴム部がウレタンゴムによって形成され、弾性を有するので、ニップ部において、バックアップローラ55によって二次転写ローラ57のゴム部が潰され、二次転写ローラ57の表面に、前記バックアップローラ55の表面の形状に対応する形状を有し、バックアップローラ55の外径と等しい曲率半径を有する凹面(凹部)が形成される。
【0048】
したがって、二次転写部T2に進入した用紙Pは前記凹面に沿って変形させられ、その結果、用紙Pにおける二次転写部T2の近傍が、バックアップローラ55側に向けて付勢される。
【0049】
次に、用紙案内部31について説明する。
【0050】
上側ガイド部材36は用紙Pの印刷面と対向させて、下側ガイド部材37は用紙Pの非印刷面(印刷面に対して反対側の面)と対向させて、前記搬送ローラ対35と二次転写部T2との間に配設され、いずれも、プラスチック製のプレートから成り、用紙Pを二次転写部T2に案内する。
【0051】
前記下側ガイド部材37は、搬送ローラ対35から二次転写部T2までの間において、用紙Pを支持することができるように配設され、上側ガイド部材36と対向する面によって形成された案内面としてのガイド部37fを備える。
【0052】
そして、用紙Pの搬送方向における下側ガイド部材37の下流側の端部37aは、二次転写ローラ57の近傍において二次転写ローラ57と対向させられる。前記ガイド部37fを二次転写ローラ57に向けて延長したときの延長面は、二次転写ローラ57の表面と交差する。したがって、非印刷面をガイド部37fに接触させて用紙Pを搬送すると、用紙Pは二次転写ローラ57に向けて案内され、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接させられる。
【0053】
また、前記上側ガイド部材36は、搬送ローラ対35からサポートローラ56の近傍までの間において、搬送路を覆うように配設され、用紙Pの搬送方向における上側ガイド部材36の下流側の端部36aは、端部37aより上流側において、二次転写ローラ57と所定の距離を置いて対向させられる。そして、サポートローラ56の中心をe1とし、中間転写ベルト51とサポートローラ56とが接触を開始する点を表す接触開始点をp1としたとき、端部36aは、用紙Pの搬送方向における中心e1より所定の距離だけ上流側の位置に置かれ、該位置において、中心e1と接触開始点p1とを結ぶ線の延長線と上側ガイド部材36とが交差させられる。このように、端部36aは、二次転写ローラ57と所定の距離を置いて対向させられるので、端部36aと二次転写ローラ57との間において、中間転写ベルト51と用紙Pとを直接対向させることができる。
【0054】
また、前記上側ガイド部材36における、下側ガイド部材37と対向する面によって案内面としてのガイド部36fが形成される。該ガイド部36fを二次転写ローラ57に向けて延長したときの延長面Xは、二次転写ローラ57の表面と交差する。すなわち、ガイド部36fは鉛直方向において二次転写部T2より下側(二次転写ローラ57側)に位置する。
【0055】
そして、前記サポートローラ56は、金属製の、本実施の形態においては、SUS製のローラから成り、前記フレームグラウンドに接地させられ、中間転写ベルト51の走行方向におけるバックアップローラ55より上流側において、バックアップローラ55と近接させて配設され、中間転写ベルト51を「く」字状に曲折させるとともに、中間転写ベルト51におけるバックアップローラ55との間(中間転写ベルト51の走行方向における二次転写部Tより上流側)に、用紙Pの搬送路に対してほぼ平行に、かつ、搬送路と近接して延在し、用紙Pと対向する領域Saを形成する。
【0056】
なお、サポートローラ56を配設しない場合は、バックアップローラ55が配設される領域外に、前記上側ガイド部材36の端部36aが位置させられる。
【0057】
次に、前記搬送系u1の動作について説明する。
【0058】
図4は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図6は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図7は本発明の第1の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図である。
【0059】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて二次転写部T2に送られる(供給される)。そして、用紙Pの前端は、領域Saより二次転写ローラ57側に形成されたガイド部36f、37fによって向きが規制され、図4に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0060】
このとき、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、図5に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられる。このとき、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くされているので、用紙Pは、印刷面が上側ガイド部材36に接触する方向に撓み始める。
【0061】
続いて、図6に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、用紙Pの撓みは、図5の状態より大きくなり、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入するのとほぼ同じタイミング、又はわずかに遅れたタイミングで、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0062】
次に、図7に示されるように、用紙Pが更に搬送されると、用紙Pの撓みは図6の状態より大きくなり、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する面積が更に大きくなる。
【0063】
なお、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れると、搬送速度の速度差によって発生させられる用紙Pの撓みがなくなるが、前述されたように、二次転写部T2において用紙Pは前記凹面に沿って変形させられるので、用紙Pにおける二次転写部T2の近傍はバックアップローラ55側に向けて付勢される。したがって、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れた後も、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができる。
【0064】
このように、本実施の形態においては、非印刷面をガイド部37fに接触させて搬送される用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接すると、印刷面の一部が領域Saに接触させられる。したがって、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送し、二次転写部T2に進入させることができるので、用紙Pの搬送に伴って振動等が発生しても、用紙Pの前端が搬送方向と異なる方向に向くことがない。その結果、二次転写部T2に用紙Pが進入する前に、用紙Pの前端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たることがないので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0065】
また、カラープリンタ内においてジャムが発生したり、用紙Pにしわ等が発生したりすることがなく、用紙Pを円滑に搬送することができる。
【0066】
そして、二次転写ローラ57とバックアップローラ55との間に形成される電界は、二次転写部T2から離れるほど弱いので、電界の弱い部分で用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させることができるようになる。したがって、中間転写ベルト51上の定着前のトナー像のトナーの一部が電界によって飛散することがなくなるので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0067】
また、二次転写部T2における用紙Pの搬送が進むと、図7に示されるように、用紙Pの印刷面が中間転写ベルト51の領域Saに接触する面積が大きくなるので、用紙Pの後端が搬送ローラ対35から離れた後も、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができる。したがって、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0068】
そして、端部36aが、用紙Pの搬送方向における前記接触開始点p1より上流側に配設されるので、用紙Pの後端は、接触開始点p1より上流側において上側ガイド部材36から離れることになる。したがって、上側ガイド部材36から離れる際に用紙Pの後端が跳ね上がっても、接触開始点p1より上流側においては、中間転写ベルト51が用紙Pの搬送路から離れているので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51に衝突することはない。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0069】
このように、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れ(画ちり)が生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0070】
なお、上側ガイド部材36の下流側の端部を、本実施の形態における端部36aより上流側の位置に置くと、上側ガイド部材36が用紙Pを案内することができる距離が短くなり、上側ガイド部材36によって用紙Pを案内する機能が低くなる。
【0071】
ところで、前述されたように、用紙Pの撓みは、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くすることによって発生させられるようになっているが、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度と二次転写部T2における用紙Pの搬送速度との速度差が過剰に大きいと、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する前に、用紙Pの撓んだ部分が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たる可能性がある。
【0072】
そこで、本実施の形態においては、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接してから二次転写部T2に到達するまでの間に、用紙Pの撓んだ部分が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たらないように前記速度差が設定され、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度の0.3〔%〕以上、かつ、1.5〔%〕以下にされる。なお、用紙Pの搬送速度は、用紙搬送部30、中間転写ベルト51、バックアップローラ55、二次転写ローラ57等の特性、配置等によって変動するので、カラープリンタごとに設定するのが好ましい。
【0073】
また、本実施の形態においては、下側ガイド部材37を二次転写部T2より二次転写ローラ57側に配設することによって、用紙Pの前端を二次転写ローラ57に当接させることができるようになっているが、例えば、用紙案内部31の全体をバックアップローラ55側に向けて傾けて配設した場合においても、下側ガイド部材37及び上側ガイド部材36の用紙Pの搬送方向における下流側の端部の近傍を、二次転写ローラ57に向けて屈曲させることによって、用紙Pを屈曲させて案内し、前端を二次転写ローラ57に当接させることができる。
【0074】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0075】
図8は本発明の第2の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0076】
この場合、第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57の中心と第3のローラとしてのバックアップローラ55の中心とを結ぶ線と、ベルト部材としての、かつ、第2の像担持体としての中間転写ベルト51におけるバックアップローラ55と第4のローラとしてのサポートローラ56との間の領域Saとが成す角度θが90〔°〕より小さい角度、すなわち、鋭角になるように、二次転写ローラ57の配設位置が、第1の実施の形態より媒体としての用紙Pの搬送方向における上流側に設定される。
【0077】
したがって、二次転写ローラ57の回転方向における凹面よりわずかに上流側の部分を中間転写ベルト51が覆い、二次転写ローラ57と中間転写ベルト51との接触面積が大きくなる。
【0078】
この場合、用紙Pが中間転写ベルト51と二次転写ローラ57との第2の転写部としての二次転写部T2に進入すると、用紙Pの剛性によって、印刷面が中間転写ベルト51に向けて付勢され、中間転写ベルト51に接触させられる。
【0079】
次に、媒体案内部としての用紙案内部31について説明する。
【0080】
この場合、第1のガイド部材としての上側ガイド部材36は、第2のガイド部材としての下側ガイド部材37と対向する面によって形成される案内面としてのガイド部36fを備える。前記上側ガイド部材36は、下側ガイド部材37と平行に延在させられる本体部39、及び用紙Pの搬送方向における前記本体部39の下流側の端部から離れる側に向けて(すなわち、用紙Pの搬送方向及び前記ガイド部36f(案内面)に対して垂直の方向において、搬送路からバックアップローラ55に向けて)傾斜させて形成された退避部38を備える。そして、前記ガイド部36fは、前記本体部39に形成された第1の案内面としての本体部案内面36g、及び退避部38に形成された第2の案内面としての退避部案内面36hを備える。
【0081】
そして、該退避部案内面36hと、用紙Pの搬送方向における退避部38より下流側における前記中間転写ベルト51の領域Saとが成す角度θ2は90〔°〕より大きい角度、すなわち、鈍角にされる。なお、角度θ2は、退避部38の先端38aと用紙Pの搬送路との距離、及び用紙Pの搬送方向における先端38aと二次転写ローラ57との距離に基づいて決定される。
【0082】
また、前記領域Saを用紙搬送部30側に向けて延長すると、延長面A(バックアップローラ55及びサポートローラ56によって形成され、用紙Pの搬送路に対してほぼ平行な平面を構成する。)と退避部38とが交差し、前記先端38aは、延長面Aより中間転写ベルト51側に位置させられる。そして、前記先端38aと中間転写ベルト51との間には、所定の距離tの隙間が形成される。この場合、前記距離tは短いほど好ましいが、中間転写ベルト51が走行させられるときの振動によって発生する中間転写ベルト51の振れを考慮して、退避部38と中間転写ベルト51とが接触しないように設定される。本実施の形態においては、中間転写ベルト51の振動によって発生する中間転写ベルト51の振れはほぼ1〔mm〕であるので、距離tは1〔mm〕以上、かつ、2〔mm〕以下にされる。なお、本実施の形態においては、前記退避部38の前端が尖った形状にされるので、前記距離tを正確に設定することができる。
【0083】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0084】
図9は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図10は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図11は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図12は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図13は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図、図14は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第6の図、図15は本発明の第2の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第7の図である。
【0085】
まず、用紙Pは、第1の搬送要素としての搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて、二次転写部T2に送られる。そして、用紙Pの前端は、ガイド部36f、37fによって向きが規制され、図9に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0086】
このとき、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、図10に示されるように、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられ、用紙Pの所定の箇所が本体部案内面36gの前端に当接させられる。
【0087】
続いて、図11に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設され、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0088】
そして、図12に示されるように、用紙Pの後端が搬送ローラ対35を抜けると、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢されているので、用紙Pは、所定の箇所が本体部案内面36gの前端に当接させられたまま搬送される。
【0089】
続いて、図13に示されるように、用紙Pの後端が本体部案内面36gの前端を通過すると、用紙Pは、後端を退避部38の退避部案内面36hに接触させながら搬送される。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面36hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面36hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0090】
続いて、図14及び15に示されるように、用紙Pの後端は、退避部38と前記延長面Aとが交差する点より手前に到達すると、退避部案内面36hから離れる。このとき、直前まで用紙Pの後端の鉛直方向における動作に一定の負荷が加えられているので、後端が退避部案内面36hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しない。
【0091】
その後、用紙Pは二次転写ローラ57の回転に伴って、更に搬送され、用紙Pの後端は、延長面A上を移動する。
【0092】
このように、本実施の形態においては、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入すると、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢されるので、印刷面の一部を領域Saに接触させることができる。したがって、用紙Pの印刷面と中間転写ベルト51とを接触させながら用紙Pを搬送することができるので、現像剤像としてのトナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0093】
また、用紙Pが印刷面を領域Saに接触させながら搬送されるので、用紙Pの後端は退避部38の退避部案内面36hに接触しながら移動させられる。したがって、後端が退避部案内面36hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しないので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができる。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。
【0094】
このように、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0095】
また、用紙Pの後端が跳ね上がることがなくなるので、跳上げ音が発生するのを防止することもできる。
【0096】
ところで、本実施の形態においては、前述されたように、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢される。したがって、第1の実施の形態のように、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度を、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より高くしないようにしても、用紙搬送部30と二次転写部T2との間において用紙Pに撓みを発生させることができ、用紙Pの印刷面を二次転写ベルト51の領域Saに接触させることができる。
【0097】
したがって、搬送ローラ対35と二次転写部T2との速度差を小さくすることができ、速度差を零(0)とすることもできる。ただし、構成部品の製造誤差、組立誤差等によって、用紙搬送部30における用紙Pの搬送速度が、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度より低くなると、用紙搬送部30における用紙Pの搬送状態が、二次転写部T2における用紙Pの搬送に対する負荷になってしまう。そこで、本実施の形態においては、速度差が、好ましくは、二次転写部T2における用紙Pの搬送速度の0.1〔%〕以上、かつ、0.2〔%〕以下にされる。
【0098】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0099】
図16は本発明の第3の実施の形態における搬送系を示す図である。
【0100】
図において、31は媒体案内部としての用紙案内部であり、該用紙案内部31は、第1のガイド部材としての上側ガイド部材91及び第2のガイド部材としての下側ガイド部材37から成る。
【0101】
前記上側ガイド部材91は、下側ガイド部材37と対向する面によって形成される案内面としてのガイド部91fを備える。また、前記上側ガイド部材91は、本体部92、媒体としての用紙Pの搬送方向における本体部92の下流側の端部において、矢印Y方向に揺動自在に配設された退避部95、該退避部95を支持する支持部材としてのヒンジ93、及び付勢部材としてのばね96を備える。該ばね96は、一端を退避部95に当接させて、他端をカラープリンタ内の所定の固定部としての図示されないばね受け部に当接させて配設され、前記退避部95を下側ガイド部材37側に向けて付勢する。そして、前記ガイド部91fは、本体部92に形成された第1の案内面としての本体部案内面91g、及び退避部95に形成された第2の案内面としての退避部案内面91hを備える。前記上側ガイド部材の用紙Pの搬送方向における下流側の延長面Xと二次転写ローラ57とが交差する。
【0102】
なお、上側ガイド部材91、本体部92及び退避部95は、いずれもプラスチック製であり、用紙Pと接する面は滑らかに形成される。
【0103】
そして、前記退避部95の先端95aは、延長面Aより第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57側、及び第3のローラとしてのバックアップローラ55側に選択的に位置させられる。すなわち、前記退避部95が、ばね96の付勢力によって斜め下方に(下側ガイド部材37側に)向けられると、先端95aが延長面A及びXより下方に位置させられ、前記退避部95が、ばね96の付勢力に抗して斜め上方に(中間転写ベルト51側に)向けられると、先端95aが延長面A及びXより上方に位置させられる。
【0104】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0105】
図17は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図18は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図19は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図20は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図21は本発明の第3の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【0106】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内されて第2の転写部としての二次転写部T2に送られる。ここで、用紙Pの前端が本体部92を通過すると、用紙Pの前端は退避部95によって案内される。このとき、図17に示されるように、退避部95はばね96の付勢力によって斜め下方に向けられているので、用紙Pは退避部95によって下側ガイド部材37に向けられた後、下側ガイド部材37に沿って搬送され、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられる。
【0107】
そして、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられる。
【0108】
続いて、図18に示されるように、用紙Pの前端が二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設されていて、二次転写部T2の近傍において中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0109】
このとき、退避部95は、用紙Pから上向きの力を受けるので、ばね96の付勢力に抗して、図18における時計回りに回動させられ、前記上向きの力と前記付勢力とがつり合う位置で停止させられる。
【0110】
そして、用紙Pの後端が退避部95に到達すると、用紙Pの復元力が退避部95に加わるので、退避部95は図18における時計回りに更に回動させられ、図19に示されるように、斜め上方に向けられる。その結果、用紙Pは、後端を退避部案内面91hに接触させながら、領域Saの延長面Aに沿って搬送される。その間、退避部95はばね96の付勢力によって図19における反時計回りに回動させられる。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面91hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面91hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0111】
なお、この状態において、退避部95の先端95aは延長面Aより中間転写ベルト51側に位置させられる。
【0112】
続いて、用紙Pが更に搬送されると、図20に示されるように、用紙Pの後端が退避部95の先端95aに到達し、用紙Pの後端が延長面A上に置かれるので、退避部95の先端95aも延長面A上に置かれる。
【0113】
そして、図21に示されるように、用紙Pの後端が退避部95から離れると、退避部95はばね96の付勢力によって斜め下方に向けられ、先端95aが延長面Aより下方に置かれる。
【0114】
このように、本実施の形態においては、用紙Pの表面及び裏面に印刷を行う両面印刷時に、裏面に印刷を行うときのように、カールが発生しやすい場合でも、用紙Pの前端が二次転写ローラ57に当接させられるまで、用紙Pを下側ガイド部材37に沿って搬送することができる。したがって、カールが発生するのを抑制することができるので、二次転写部T2に用紙Pが進入する前に、用紙Pの前端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たることがなくなる。
【0115】
その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0116】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0117】
図22は本発明の第4の実施の形態における搬送系を示す図、図23は本発明の第4の実施の形態におけるカラープリンタの制御ブロック図である。
【0118】
この場合、媒体としての用紙Pの搬送方向における第1の搬送要素としての搬送ローラ対35より下流側、かつ、退避部95より上流側に、用紙Pの前端を検出する媒体検出部としての、非接触式(光学式)のペーパセンサ81が配設され、該ペーパセンサ81は制御部70に接続される。該制御部70の図示されない媒体判定処理手段は、媒体判定処理を行い、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けると、用紙Pが搬送ローラ対35を通過したと判断する。なお、前記ペーパセンサ81として、接触式のものを使用することもできる。
【0119】
また、第1のガイド部材としての上側ガイド部材91は、本体部92、用紙Pの搬送方向における本体部92の下流側の端部において揺動自在に配設された退避部95、該退避部95を支持する支持部材としてのヒンジ93、付勢部材としてのばね98、及び退避部95を回動させるための駆動部としてのプッシュ型のソレノイド80を備える。前記ばね98は、一端を退避部95に係止させて、他端をカラープリンタ内の所定の固定部としての図示されないばね受け部に係止させて配設され、前記退避部95をベルト部材としての、かつ、第2の像担持体としての中間転写ベルト51側に向けて付勢する。
【0120】
また、前記ソレノイド80は、退避部制御部79を介して制御部70に接続され、該制御部70の図示されない退避部制御処理手段は、退避部制御処理を行い、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けて退避部制御部79を介してソレノイド80をオン・オフさせる(駆動する)。ソレノイド80は、オンの状態でばね98の付勢力に抗して退避部95を反時計回りに回動させて退避部95を斜め下方に(下側ガイド部材37側に)向け、退避部95の前端95aを延長面Xより下に置き、オフの状態でばね98の付勢力によって退避部95を時計回りに回動させて退避部95を斜め上方に(中間転写ベルト51側に)向け、退避部95の前端95aを延長面Aより上に置く。
【0121】
次に、搬送系u1の動作について説明する。
【0122】
図24は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第1の図、図25は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第2の図、図26は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第3の図、図27は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第4の図、図28は本発明の第4の実施の形態における搬送系の動作を説明するための第5の図である。
【0123】
まず、用紙Pは、搬送ローラ対35によって搬送され、用紙案内部31によって案内される。図24に示されるように、用紙Pの前端がペーパセンサ81に到達する前は、ソレノイド80がオフの状態にされ、退避部95は斜め上方に向けられる。
【0124】
そして、用紙Pの前端がペーパセンサ81に到達すると、ペーパセンサ81によって用紙Pの前端が検出され、ペーパセンサ81のセンサ出力が制御部70に送られる。そして、前記媒体判定処理手段は、ペーパセンサ81のセンサ出力を受けると、用紙Pが搬送ローラ対35を通過したと判断し、前記退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオンの状態にし、退避部95を斜め下方に向ける。なお、ペーパセンサ81は、用紙Pの後端が通過するまでセンサ出力を制御部70に送り続け、退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオンの状態に維持し、退避部95を斜め下方に向け続ける。
【0125】
したがって、図25に示されるように、用紙Pは下側ガイド部材37に沿って搬送され、用紙Pの前端が、第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ57に当接させられる。
【0126】
そして、二次転写ローラ57は回転させられているので、用紙Pの前端は、二次転写ローラ57に当接させられたまま、上方に、かつ、第2の転写部としての二次転写部T2に向けて移動させられ、それに伴って、用紙Pが湾曲させられる。
【0127】
続いて、図26に示されるように、用紙Pの前端が前記二次転写部T2に進入する。このとき、前記角度θが鋭角となるように二次転写ローラ57が配設されていて、中間転写ベルト51が二次転写ローラ57を覆っているので、用紙Pは二次転写ローラ57の外周面に沿って湾曲させられて搬送される。そして、用紙Pには、用紙Pの剛性によって、湾曲を戻す方向に復元力が発生するので、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分が中間転写ベルト51に向けて付勢され、撓みを発生させる。したがって、用紙Pの印刷面が二次転写ベルト51の領域Saに接触する。
【0128】
そして、図27に示されるように、用紙Pの後端がペーパセンサ81を通過すると、前記退避部制御処理手段は、ソレノイド80をオフの状態にし、退避部95を斜め上方に向ける。続いて、図28に示されるように、用紙Pの後端が退避部95に到達すると、用紙Pは、後端を退避部95の第2の案内面としての退避部案内面91hに接触させた状態で搬送される。この状態において、用紙Pの後端の鉛直方向における動作には、後端と退避部案内面91hとの摩擦によって、一定の負荷が加えられる。そして、該負荷によって、退避部案内面91hは用紙Pの動作に対するダンパとして機能する。
【0129】
続いて、用紙Pの後端は、退避部95と延長面Aとが交差する点より手前に到達すると、退避部案内面91hから離れる。このとき、直前まで用紙Pの後端の鉛直方向における動作に一定の負荷が加えられているので、後端が退避部案内面91hから離れるのに伴って、用紙Pに振動は発生しない。
【0130】
その後、用紙Pは二次転写ローラ57の回転に伴って、更に搬送され、用紙Pの後端は、延長面A上を移動する。
【0131】
このように、本実施の形態においては、ソレノイド80をオン・オフさせることによって退避部95を斜め下方に向けることにより、用紙Pの前端を二次転写ローラ57と当接させ、二次転写部T2に導くことができる。したがって、用紙Pの二次転写部T2より上流側の部分を中間転写ベルト51に向けて付勢し、用紙Pの印刷面を二次転写ベルト51の領域Saに接触させることができる。そして、カラープリンタ内においてジャムが発生したり、用紙Pにしわ等が発生したりすることがなく、用紙Pを円滑に搬送することができる。
【0132】
また、退避部95を斜め上方に向けることによって、用紙Pの後端を退避部95の退避部案内面91hに接触させながら移動させることができる。したがって、後端が退避部案内面91hから離れるのに伴って用紙Pに振動は発生しないので、用紙Pの後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができる。その結果、トナー像に乱れが生じるのを防止することができるので、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0133】
さらに、ソレノイド80を駆動することによって退避部95を斜め下方に向けたり、斜め上方に向けたりすることができるので、厚紙、剛性の高い用紙P、カールの発生しやすい用紙P等を使用する場合でも、用紙Pの前端及び後端の動きをコントロールすることができる。
【0134】
したがって、用紙Pの前端及び後端が中間転写ベルト51上の定着前のトナー像に当たるのを防止することができるので、トナー像に乱れが生じるのを防止することができる。その結果、画像に乱れが生じるのを防止することができ、画像品位を向上させることができる。
【0135】
前記各実施の形態においては、電子写真式のカラープリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0136】
また、前記各実施の形態においては、二次転写部T2において用紙Pをほぼ水平方向に搬送する場合について説明しているが、用紙Pの搬送方向を適宜変更することができ、用紙Pの搬送方向に対応させて、ガイド部材、退避部等の向きを変更することもできる。
【0137】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0138】
30 用紙搬送部
31 用紙案内部
36 上側ガイド部材
36f、37f ガイド部
36g、91g 本体部案内面
36h、91h 退避部案内面
37 下側ガイド部材
51 中間転写ベルト
55 バックアップローラ 56 サポートローラ
57 二次転写ローラ
P 用紙
T2 二次転写部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)媒体を搬送する第1の搬送部と、
(b)前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、
(c)前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有するとともに、
(d)該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記案内面は、媒体の搬送方向に対して垂直の方向において、媒体の搬送路より第1の搬送部材側に形成される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の搬送部は像担持体を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の搬送部に二次転写部が形成される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記媒体案内部は、前記案内面が形成された第1のガイド部材、及び該第1のガイド部材より第2の搬送部材側に配設された第2のガイド部材を備え、
(b)媒体の搬送方向における前記第2のガイド部材の下流側の端部は、第1のガイド部材の下流側の端部より上流側に配設される請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の搬送部による媒体の搬送速度は、第2の搬送部による媒体の搬送速度より高くされる請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の搬送部は、前記第1、第2の搬送部材によって挟持されるベルト部材を更に備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2の搬送部材は複数配設される請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
(a)前記各第2の搬送部材によってベルト部材が張設され、
(b)前記各第2の搬送部材のうちの一つの第2の搬送部材に前記第1の搬送部材がベルト部材を介して押し当てられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体案内部は、本体部、及び媒体の搬送方向における本体部より下流側に配設された退避部を備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記退避部は、媒体の搬送方向に対して垂直の方向において、本体部の端部から第2の搬送部の第1の搬送部材側に向けて形成される請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記退避部の先端は鋭角に形成される請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
(a)前記媒体案内部は、媒体の搬送方向における下流側の端部に退避部を備え、
(b)該退避部の先端は、前記各第2の搬送部材によって形成される平面より第1の搬送部材側に置かれる請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記退避部における媒体の案内面と前記平面とが成す角度が鈍角にされる請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記平面は、媒体の搬送方向とほぼ平行に形成される請求項13又は14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記ベルト部材は中間転写ベルトである請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記案内面は、前記平面より第1の搬送部材側に形成される請求項8、13、14又は15に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第1、第2の搬送部材の各中心を結ぶ線と前記平面とが成す角度が鋭角にされる請求項1又は13に記載の画像形成装置。
【請求項19】
(a)前記退避部は本体部に対して揺動自在に配設され、
(b)前記退避部の先端は、退避部の揺動に伴って、前記平面より第1の搬送部材側及び第2の搬送部材側に選択的に置かれる請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記退避部は付勢部材によって前記第1の搬送部材側に付勢される請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
(a)媒体を検出する媒体検出部と、
(b)媒体の検出に基づいて、前記退避部の先端を第1の搬送部材側、及び第2の搬送部材側に選択的に置くための駆動部とを有する請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項1】
(a)媒体を搬送する第1の搬送部と、
(b)前記媒体の搬送方向における第1の搬送部より下流側において、媒体の搬送路を挟んで両側に配設された第1、第2の搬送部材を備え、前記第1の搬送部から供給された媒体を搬送する第2の搬送部と、
(c)前記第1、第2の搬送部間に配設され、前記第1の搬送部から供給された媒体を第2の搬送部に向けて案内する媒体案内部とを有するとともに、
(d)該媒体案内部は、搬送路に対向させて形成され、前記第2の搬送部における第1の搬送部材に向けて媒体を案内するための案内面を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記案内面は、媒体の搬送方向に対して垂直の方向において、媒体の搬送路より第1の搬送部材側に形成される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の搬送部は像担持体を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の搬送部に二次転写部が形成される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記媒体案内部は、前記案内面が形成された第1のガイド部材、及び該第1のガイド部材より第2の搬送部材側に配設された第2のガイド部材を備え、
(b)媒体の搬送方向における前記第2のガイド部材の下流側の端部は、第1のガイド部材の下流側の端部より上流側に配設される請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の搬送部による媒体の搬送速度は、第2の搬送部による媒体の搬送速度より高くされる請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の搬送部は、前記第1、第2の搬送部材によって挟持されるベルト部材を更に備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2の搬送部材は複数配設される請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
(a)前記各第2の搬送部材によってベルト部材が張設され、
(b)前記各第2の搬送部材のうちの一つの第2の搬送部材に前記第1の搬送部材がベルト部材を介して押し当てられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体案内部は、本体部、及び媒体の搬送方向における本体部より下流側に配設された退避部を備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記退避部は、媒体の搬送方向に対して垂直の方向において、本体部の端部から第2の搬送部の第1の搬送部材側に向けて形成される請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記退避部の先端は鋭角に形成される請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
(a)前記媒体案内部は、媒体の搬送方向における下流側の端部に退避部を備え、
(b)該退避部の先端は、前記各第2の搬送部材によって形成される平面より第1の搬送部材側に置かれる請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記退避部における媒体の案内面と前記平面とが成す角度が鈍角にされる請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記平面は、媒体の搬送方向とほぼ平行に形成される請求項13又は14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記ベルト部材は中間転写ベルトである請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記案内面は、前記平面より第1の搬送部材側に形成される請求項8、13、14又は15に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第1、第2の搬送部材の各中心を結ぶ線と前記平面とが成す角度が鋭角にされる請求項1又は13に記載の画像形成装置。
【請求項19】
(a)前記退避部は本体部に対して揺動自在に配設され、
(b)前記退避部の先端は、退避部の揺動に伴って、前記平面より第1の搬送部材側及び第2の搬送部材側に選択的に置かれる請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記退避部は付勢部材によって前記第1の搬送部材側に付勢される請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
(a)媒体を検出する媒体検出部と、
(b)媒体の検出に基づいて、前記退避部の先端を第1の搬送部材側、及び第2の搬送部材側に選択的に置くための駆動部とを有する請求項20に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−81164(P2011−81164A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233036(P2009−233036)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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