説明

画像形成装置

【課題】外部装置上の表示画面が制御対象MFPの表示画面と異なるレイアウトでも操作入力を受け付けることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】標準接続の操作パネルの表示画面構成要素の位置座標と外部操作パネルの構成要素の位置座標を変換テーブルで関連付けて外部操作パネル内に記憶し、外部操作パネル上の構成要素が入力指示されると、変換テーブルを使用してシステムコントローラが標準接続の操作パネルでの座標値と同座標として認識するので、外部操作パネル上の表示画面が標準接続の操作パネルの表示画面と異なるレイアウトでも操作入力受付け可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の操作パネル表示とそれらの操作を可能とする外部装置の表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機(以下、「MFP」という)の操作パネルを、MFPが標準的に内蔵している1つの操作パネルだけではなく、使用者の使いやすい形状や設置場所に別途設けたいという要望がある。
【0003】
MFPの操作パネルは、通常1台の機器に対して1つの操作パネルが内蔵され画面表示と操作が可能となっているが、ネットワーク接続されたPCに操作画面を表示することで使用者の使いやすい環境での操作が可能となるが、このようなシステムは既に知られている。
【0004】
特許文献1では、表示機器を遠隔操作する目的で、操作装置からの入力信号を制御対象装置側において変換して操作指示コマンドとして変換し受け付ける方法について開示されている。
【0005】
特許文献2では、メインディスプレイ/操作部とサブディスプレイとを備え、画像形成装置の各種情報を相互に関連付けて、あるいはそれぞれ別個に表示・操作し、サブディスプレイは予め画像形成装置に設置されている設置位置から取り外して移動させることができるので、画像形成装置の近傍に使用者がいない場合であっても、画像形成装置の情報をサブディスプレイによって把握することができる主操作表示部と副操作表示部とを備え、当該副操作表示部が予め設置された位置から移動することの可能な画像形成装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今までのネットワーク接続されたPCによる操作では、MFPの設定はPC上で独自の操作画面を構成して操作出来るが、MFPを動作させるためにはMFPの持つ操作画面と同一の画面構成しか使用出来ないという問題があった。
【0007】
これはMFPでコピーやスキャナなどを動作させるための操作画面は単一のものとしてMFP側で保有しており、ネットワーク越しにMFPの持つ操作画面レイアウトに対応した座標値をPCからMFPに送り込むためにはMFPの持つ操作画面レイアウトと同一のレイアウトをPC画面上に表示して対応する座標値をMFPに送出する必要があるからである。
【0008】
また、上記の従来技術であっても、外部装置からの操作指示入力を変換して制御対象機器を動作させるに過ぎず、MFPの持つ操作画面と同一の画面構成でしか遠隔操作側の装置に表示できないという問題は解消できていなかった。
【0009】
本発明の目的は、画像形成装置の操作パネル表示とそれらの操作を可能とする外部装置で、外部装置上の表示画面が制御対象MFPの表示画面と異なるレイアウトでも操作入力を受け付けることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、操作画面に表示するための機器情報を管理し、接続された操作パネルに操作画面情報を出力する機器情報管理手段と、利用者に対して機器が有する機能を提供するソフトウエアである機能アプリケーションあるいは機器自体を制御するシステムソフトウエアを格納する不揮発性および揮発性記憶手段と、機能アプリケーションおよびシステムソフトウエアを実行しアプリケーションおよびシステムソフトウエアから操作パネルに対して表示内容指示情報を出力するプログラム実行手段と、複数の操作パネルに対して機器管理情報及びアプリケーションからの表示内容指示情報あるいは操作パネルからの操作指示情報を送受信する通信情報管理手段と、複数の操作パネルと通信するための通信接続手段と、を有するシステムコントローラと、操作画面管理アプリケーションを実行するプログラム実行手段と、操作画面管理アプリケーションを含む操作パネル用制御プログラムとワークデータおよび操作画面表示用構成データを格納する不揮発性および揮発性記憶手段と、システムコントローラと機器管理情報及び画面表示アプリケーション情報あるいはシステムコントローラからの表示指示情報を送受信する通信管理手段と、システムコントローラとの通信するための通信接続手段と、操作画面アプリケーションにより生成された操作画面データと画面表示タイミング制御信号を表示装置に対して所定のタイミングで出力する表示制御手段と、標準接続された操作パネルでの表示画面の構成要素の位置座標と外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標とを関連付ける変換テーブルとをそれぞれ有する外部接続操作パネルとで構成され、システムコントローラと接続された外部接続操作パネルは、標準接続された操作パネルでの表示画面の構成要素の位置座標と外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標を変換テーブルとして関連付けて外部接続操作パネル内に記憶することで、外部接続操作パネル上の構成要素が入力指示された時に変換テーブルで変換した座標をシステムコントローラに送信することを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、外部接続操作パネルは、標準接続された操作パネルでの表示画面サイズと外部接続操作パネルでの表示画面サイズを変換式として外部接続操作パネル内に記憶することで、外部接続操作パネル上の構成要素が入力指示された時に変換式で変換した座標をシステムコントローラに送信することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、外部操作パネルは、外部操作パネル画面上に配置した構成要素のうち標準接続された操作パネルでは同じ表示階層にない構成要素までの操作経路にあたる一連のボタンの押下手順とその座標位置範囲と外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標とを関連付ける変換テーブルを有することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、外部操作パネルは、標準接続された操作パネルでの操作中に自画像形成装置への操作がなされた場合、自画像形成装置に対する操作指示手順を順次記憶しておき、同時にシステムコントローラに対してアプリケーション切り替え要求を発行し、アプリケーション切り替えが完了を検知した後、記憶しておいた操作指示手順に応じた座標値を、変換テーブルにて変換してシステムコントローラに送信することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、外部操作パネルは、一連の設定手順を記憶する中で設定内容が解除されたり初期値と同じ設定に戻したりする操作入力が現れた場合、該当する部分の操作手順記憶を消去し、その後の操作入力を引き続き記憶することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、外部操作パネルおよび標準接続される操作パネルでは、表示画像に対して押下指示により位置が指定されたとき、表示ウインドウ上の位置と表示変倍率から逆算して変倍していない状態での座標に変換し、システムコントローラに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、MFPの操作パネル表示とそれらの操作を可能とする外部操作パネルで、外部操作パネル上の表示画面が標準接続された操作パネルの表示画面と異なるレイアウトでも操作入力を受け付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】複数操作パネルを接続したMFPの主な外観について説明する図である。
【図2】本実施の形態のシステム構成について説明する図である。
【図3】本実施の形態のシステムコントローラにおける操作パネル表示関連制御について説明する図である。
【図4】本実施の形態の操作パネルにおけるキー入力およびタッチパネル入力制御について説明する図である。
【図5】外部操作パネル拡張時の具体的な構成について説明する図である。
【図6】本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。
【図7】座標変換テーブルを表した図である。
【図8】本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。
【図9】本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。
【図10】本実施の形態の外部操作パネルにおける異なる表示階層を含む座標変換テーブルの一例を示す図である。
【図11】本実施の形態の外部操作パネルにおける異なる階層を含む座標検知制御について説明する図である。
【図12】外部操作パネルが標準接続操作パネルよりも広い画像表示エリアを持つ場合に、外部操作パネル上で画像表示エリアへの押下指示による表示画像上の位置取得制御について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
図1は、複数操作パネルを接続したMFPの主な外観について説明する図である。
【0019】
本実施の形態の構成では、画像形成装置本体1−1、スキャナ部1−2と、操作パネル1−3と、ARDF1−4を備えており、さらに外部操作パネル1−5が接続されている。
【0020】
図2は、本実施の形態のシステム構成について説明する図である。
この画像形成装置のシステムコントローラ2−1は、機器内部の情報を管理し制御するCPU3−1を備え、システムコントローラ用CPU制御プログラムとワークデータ格納用のROM/RAM3−2、システムコントローラ用CPUプログラムと画像データ格納用HDD3−3、操作パネルとの通信用インターフェースとしてUSB HOST3−4を備えている。
【0021】
操作パネル2−5は、表示制御ユニット3−5と、表示パネル3−11、LED出力部3−12、キー入力部3−13、タッチパネル部3−14を備えている。
【0022】
また、表示制御ユニット3−5は、操作画面管理アプリケーションを実行する操作パネル用CPU3−6、本体とのUSB通信用インターフェースユニット3−9、操作パネル用CPU制御プログラムとワークデータおよび操作画面表示用構成データを格納するROM/RAM3−10を備えている。操作パネル用CPU3−6は表示制御部3−7、入出力制御部3−8を備えている。
【0023】
システムコントローラ2−1は機器の状態に応じた操作画面を表示させるため、MFPの持つ複数の機能アプリケーションのうち操作パネルに表示して操作可能とするアプリケーションを指定し、USB−HOST3−4を通じて操作パネル2−5のCPU3−6に操作可能とするアプリケーション情報を表示内容指示情報として送信する。また、上記アプリケーション情報と合わせ、給紙トレイ内の用紙残量やトナー残量、周辺機接続情報などの機器情報もUSB−HOST3−4を通じて操作パネル2−5のCPU3−6に送信する。
【0024】
操作パネル2−5内のCPU3−6上では操作画面管理アプリケーションが実行されており、メインシステムから送信されてきた表示内容指示情報を元にROM3−10から画面構成データを読み出し、システムコントローラから送られてきた機器情報を反映して対応する表示画面を生成する。生成した表示画面は表示制御ユニット内のRAM3−10に一時格納され、CPU3−6内の表示制御部3−7がこれを再度読み出して表示パネル用データを出力し、表示パネル3−11上に操作画面が表示される。
【0025】
また、機器内の情報に応じてLEDの点灯可否情報もシステムコントローラから操作パネルに送られ、LED出力部3−12でLEDが点灯または消灯される。
【0026】
操作パネルに対し、操作者からキー入力または画面上のタッチパネルに入力があった時にはキー入力部3−13ないしタッチパネル3−14から電気信号がCPU3−6内の入出力制御部3−8に伝達され、CPU3−6の処理により入力されたキー番号またはタッチパネル座標が認識される。このキー番号またはタッチパネル座標は、機器状態や画面表示に応じて決められたアクションが発生する。たとえばコピー画面でスタートキーが押されればコピー開始のイベントが発生し、給紙トレイ変更ボタンがタッチされれば給紙トレイ変更のイベントが発生する。操作画面管理アプリケーションで上記イベントが発生すると、USB I/F3−9を通じてメインシステムのCPU3−1にイベント内容が送信される。メインシステムのCPU3−1は機器状態と受信したイベント内容から、実施すべき処理内容を決定し、実行する。
たとえば、コピー動作の開始や、新たな画面構成データの操作パネルへの送信などである。
【0027】
図3は、本実施の形態のシステムコントローラにおける操作パネル表示関連制御について説明する図である。
システムコントローラに搭載された各動作アプリケーションは操作画面を生成し(4−1)、操作パネルにデータを転送して表示させ(4−2)、操作者からの入力指示を待つ(4−3)。
【0028】
図4は、本実施の形態の操作パネルにおけるキー入力およびタッチパネル入力制御について説明する図である。
表示内容に対する操作者からの入力指示はハードキーの押下もしくはタッチパネルへの押下となる。操作パネルではキー入力およびタッチパネル入力がなされたことを示す割り込み信号を処理装置が検知すると(5−1、5−2)、キー種別の取得あるいはタッチパネル押下座標の検出動作を実施し(5−3)、システムコントローラに送信する(5−4)。
タッチパネルへの押下位置の検出は、操作パネル上では座標値の検出までを実施し、検出した座標値が操作画面上のどのボタンに相当するかの判定はシステムコントローラに搭載された各アプリケーションで実施される。
【0029】
これは、操作画面上のボタンの種別まで操作パネル上で判定するためには操作画面のどの座標範囲にどのボタンが定義されているのかというシステムコントローラが規定する情報を操作パネル側にも全て通知する必要があり、また操作パネル上で判定するための処理性能を操作パネル側のシステムに上積みする必要もあるため、操作にかかるシステムを簡易にする、すなわちコストを抑えるために座標値のみを操作パネルで検出するのが合理的だからである。
【0030】
押下されたボタンの判定がシステムコントローラ上の各アプリケーションで実施されると、当該ボタンの機能に応じた動作が各アプリケーションで実行され、その内容に応じて操作画面が更新されて操作者の次の指示を待つ。
【0031】
図5は、外部操作パネル拡張時の具体的な構成について説明する図である。
【0032】
図6は、本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。
【0033】
ここで、外部操作パネルが接続されている場合について解説をする。
外部操作パネルでもMFPに標準搭載されている操作パネルと同じ操作画面、すなわち同じ座標位置に同じ機能のボタンが配置されている場合には標準操作パネルと同様に押下された座標値をそのままシステムコントローラに送信すればよい。
【0034】
外部操作パネルでの表示内容を構成する要素は同じであるが、配置位置が異なったり表示サイズが異なる場合には、外部操作パネル側で図6の制御を実施する。
【0035】
外部操作パネル側で表示画面を構成する際に、MFP標準画面での構成要素それぞれを代表する位置座標と、外部操作パネル画面での上記構成要素それぞれに対応する構成要素の位置座標範囲を図7に示すような外部操作パネルにおける座標変換テーブルとして関連付けて外部操作パネル内に予め作成しておく(7−1)。
ここで、変換テーブルを必要とする構成要素は、システムコントローラへの押下位置情報送信が必要なボタンや文字入力ウインドウであり、情報を伝えるだけの文字やアイコンについては変換テーブルは不要である。
【0036】
外部操作パネル上の操作画面に表示された構成要素に対して操作者から入力があった時は(7−2、7−3、7−4)、外部操作パネルで作成した変換テーブルを使用して外部操作パネル上の入力座標値から対応するMFP標準搭載操作画面上の座標値に変換し(7−5、7−6)、システムコントローラに変換後の座標値を送信する(7−7)。
【0037】
この制御を実施することで、外部操作パネル上の表示画面が制御対象MFPの表示画面と異なるレイアウトでもシステムコントローラ側で外部操作パネルの操作入力を受け付けることが可能となる。
【0038】
図8は、本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。
外部操作パネルでの表示デバイスの画面解像度がMFP標準搭載の解像度と異なっており表示内容自体は同一である場合には、外部操作パネル側で下記の制御を実施すればよい。
【0039】
外部操作パネル側で予め、標準操作画面の縦横方向の解像度と外部操作パネル自身の縦横方向の解像度の比率から変換式を設定しておく(8−1)。
【0040】
外部操作パネル上の操作画面に表示された構成要素に対して操作者から入力があった時は(8−2、8−3、8−4)、上記変換式を使用して対応するMFP標準搭載操作画面上の座標値に変換し(8−5、8−6)、システムコントローラに変換後の座標値を送信する(8−7)。
【0041】
この構成と制御を実施することで、外部操作パネル上の表示解像度が制御対象MFPの表示解像度と異なる構成であってもシステムコントローラ側で外部操作パネルの操作入力を受け付けることが可能となる。
【0042】
図9は、本実施の形態の外部操作パネルにおける座標検知制御について説明する図である。表示階層が異なる場合の画面イメージである。
【0043】
図10は、本実施の形態の外部操作パネルにおける異なる表示階層を含む座標変換テーブルの一例を示す図である。
【0044】
図11は、本実施の形態の外部操作パネルにおける異なる階層を含む座標検知制御について説明する図である。
【0045】
外部操作パネルでの表示内容を構成する要素が、MFP標準搭載の操作画面では別の表示階層に配置されている場合には、外部操作パネル側で下記の制御を実施する。
【0046】
外部操作パネル側で表示画面を構成する際に、MFP標準画面での構成要素それぞれを代表する位置座標と、外部操作パネル画面での上記構成要素それぞれに対応する構成要素の位置座標範囲、さらに外部操作パネル画面上に配置したボタンや入力エリアのうちMFP標準画面では同じ表示階層にない構成要素までの操作経路にあたる一連のボタンの押下手順とその座標位置範囲を変換テーブルとして関連付けて外部操作パネル内に予め作成しておく(11−1)。
【0047】
ここで、変換テーブルを必要とする構成要素は、システムコントローラへの押下位置情報送信が必要なボタンや文字入力ウインドウであり、情報を伝えるだけの文字やアイコンについては変換テーブルは不要である。
【0048】
外部操作パネル上の操作画面に表示された構成要素に対して操作者から入力があった時は(11−2、11−3、11−4)、外部操作パネルで作成した変換テーブルを使用して外部操作パネル上の入力座標値から対応するMFP標準搭載操作画面上の座標値に変換し(11−5、11−6)、システムコントローラに変換後の座標値を送信する(11−7)。
【0049】
標準操作画面と表示階層が異なる構成要素が外部操作パネルで押下された場合、変換テーブルに従ってまず表示階層を移動するための構成要素に対応する座標位置がシステムコントローラに送信される。システムコントローラから画面遷移完了の通知を受け付けた後、更に階層を移動させるのであれば再度変換テーブルに従って表示階層を移動するための構成要素に対応する座標位置をシステムコントローラに送信し、システムコントローラからの画面遷移完了の通知を待つ(11−8、11−9)。階層の移動を実施し、階層の移動が不要となったところで、操作者から入力された構成要素に対応するMFP標準搭載操作画面上の座標値を、システムコントローラに送信する。
【0050】
この構成と制御を実施することで、外部操作パネル上の表示画面が制御対象MFPの表示画面と階層を含めて異なるレイアウトでもシステムコントローラ側で外部操作パネルの操作入力を受け付けることが可能となる。
【0051】
次に、複数接続された操作パネル間で表示内容および設定内容の同期を取る仕組みについて説明する。
【0052】
標準接続された操作パネルおよび拡張接続された一つないし複数の外部操作パネルを、一つのMFPに対する操作パネルとして使用する場合、それぞれの操作パネルから別のアプリケーションあるいは同一のアプリケーションに対して操作指示されることが考えられる。
【0053】
標準接続された操作パネルからアプリケーションAに対して操作中に外部操作パネルからアプリケーションBに対する操作がなされた場合、システムコントローラは標準接続された操作パネルに対してアプリケーションAの表示を継続する。
【0054】
外部操作パネル側では、アプリケーションBに対する操作指示手順を順次記憶しておき、同時にシステムコントローラに対してアプリケーション切り替え要求を発行する。
【0055】
アプリケーション切り替えが完了した後、外部操作パネルは記憶しておいた操作指示手順に応じた座標値を、図7あるいは図10で示した変換テーブルにて置き換えてシステムコントローラに送信する。なお、変換テーブルでの座標置き換えは操作手順を記憶する前の段階で実施して、置き換え後の座標値で操作手順を記憶する制御としても良い。
【0056】
システムコントローラ側では、アプリケーション切り替え要求に対して画面表示を変更しないままアプリケーションBへの操作を受け付けてもよいし、アプリケーションAへの操作が完了した後にアプリケーションBに表示を切り替えて操作を受け付ける制御としても良い。
【0057】
また、外部操作パネルからアプリケーションBに対して操作中に、標準接続された操作パネルからアプリケーションAに対する操作がなされた場合についても同様の制御を実施する。
【0058】
具体的には外部操作パネルでは、アプリケーションBに対する操作指示手順を順次記憶しておく。外部操作パネルから操作中であったアプリケーションBをシステムコントローラが切り替えてしまったことを検知すると、システムコントローラに対してアプリケーションBへの切り替え要求を発行する。
【0059】
アプリケーションBへの切り替えが完了した後、外部操作パネルは記憶しておいた操作指示手順に応じた座標値を、図7あるいは図10で示した変換テーブルにて置き換えてシステムコントローラに送信する。
【0060】
次に、外部操作パネルで、一度設定した内容を解除あるいは初期値と同じ設定に戻す場合の制御について説明する。
【0061】
本実施の形態での外部操作パネルでは、標準接続された操作パネルとの競合を避けるため、先ほどの説明のように操作指示手順を順次記憶する。ここで、一度設定した内容を解除したり初期値と同じ設定に戻したりする場合に手順をそのまま記憶しても動作は可能であるが、複数の設定により元の状態に戻ってしまうような場合無駄な操作指示がシステムコントローラに送信されてしまう。具体的には外部操作パネルから操作指示がシステムコントローラに送信され、システムコントローラの応答を待って次の操作指示をシステムコントローラに送信し、最終的に設定した内容を解除することとなる操作指示に対するシステムコントローラからの応答を待つといった動作に不要な時間を消費してしまう。
【0062】
このような動作を防ぐため、外部操作パネルで操作入力を順次手順として記憶してゆく際に、一連の設定手順の中で設定内容が解除されたり初期値と同じ設定に戻したりする操作入力が現れた場合、該当する部分の操作手順記憶を消去し、その後の操作入力を引き続き記憶する。消去した記憶領域はその後の操作入力で上書きしても良いし、消去部分は無効データとして置き換えてシステムコントローラへの送信時に読み飛ばす制御としてもよい。
【0063】
図12は、外部操作パネルが標準接続操作パネルよりも広い画像表示エリアを持つ場合に、外部操作パネル上で画像表示エリアへの押下指示による表示画像上の位置取得制御について説明する図である。外部操作パネルが標準接続操作パネルよりも広い画像表示エリアを持つ場合の画面イメージである。
【0064】
外部操作パネルが標準接続操作パネルよりも広い画像表示エリアを持つ場合に、外部操作パネル上で画像表示エリアへの押下指示による表示画像上の位置取得制御について説明する。
【0065】
MFPで保存している画像を操作パネル上に表示してその画像上の指定した位置をシステムコントローラに送信する用途がある。例えば、指定した位置にステープルを打つ、指定した位置に文字や別イメージを重ねる、指定した位置より外側を消去する、などの用途が考えられる。
【0066】
このような場合、標準接続操作パネルよりも外部操作パネルのほうが画像の表示エリアが広くなると、単純に押下位置を表示エリアに応じて移動させただけでは該当する画像に対する正しい指定位置をシステムコントローラに通知することが出来ない。標準接続の表示ウインドウよりも外部操作パネル表示ウインドウの方が大きい時、そのままの座標を伝えてしまうと標準接続の操作パネルでは表示ウインドウの外を指定したことになり指示がキャンセルされてしまい、ウインドウのサイズ比率に応じて変換して送信すると画像上の異なる位置を示してしまう。
【0067】
これを防ぐため、外部操作パネルおよび標準接続される操作パネルでは表示画像に対して押下指示により位置が指定されるとウインドウ上の位置をまず取得し、表示画像での原点からの座標に変換する。さらに、システムコントローラから送られた画像を表示した際の変倍率から逆算して変倍していない場合の座標に変換し、システムコントローラに送信する。
【0068】
システムコントローラ側では操作パネルの送信した画像のdpi(インチあたりのドット数)を認識しているので、変倍しない場合のdot位置が通知されれば画像上の実座標を取得可能である。
【0069】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1−1 画像形成装置本体
1−2 スキャナ部
1−3 操作パネル
1−4 ARDF
1−5 外部操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2010−109947号公報
【特許文献2】特開2007−312318号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面に表示するための機器情報を管理し、接続された操作パネルに操作画面情報を出力する機器情報管理手段と、利用者に対して機器が有する機能を提供するソフトウエアである機能アプリケーションあるいは機器自体を制御するシステムソフトウエアを格納する不揮発性および揮発性記憶手段と、前記機能アプリケーションおよびシステムソフトウエアを実行し前記アプリケーションおよびシステムソフトウエアから前記操作パネルに対して表示内容指示情報を出力するプログラム実行手段と、複数の操作パネルに対して機器管理情報及び前記アプリケーションからの表示内容指示情報あるいは操作パネルからの操作指示情報を送受信する通信情報管理手段と、複数の操作パネルと通信するための通信接続手段と、を有するシステムコントローラと、
操作画面管理アプリケーションを実行するプログラム実行手段と、前記操作画面管理アプリケーションを含む操作パネル用制御プログラムとワークデータおよび操作画面表示用構成データを格納する不揮発性および揮発性記憶手段と、システムコントローラと機器管理情報及び画面表示アプリケーション情報あるいは前記システムコントローラからの表示指示情報を送受信する通信管理手段と、前記システムコントローラとの通信するための通信接続手段と、前記操作画面アプリケーションにより生成された操作画面データと画面表示タイミング制御信号を表示装置に対して所定のタイミングで出力する表示制御手段と、標準接続された操作パネルでの表示画面の構成要素の位置座標と外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標とを関連付ける変換テーブルとをそれぞれ有する外部接続操作パネルと、
で構成され、
前記システムコントローラと接続された前記外部接続操作パネルは、標準接続された操作パネルでの表示画面の構成要素の位置座標と前記外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標を前記変換テーブルとして関連付けて前記外部接続操作パネル内に記憶することで、前記外部接続操作パネル上の構成要素が入力指示された時に前記変換テーブルで変換した座標を前記システムコントローラに送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記外部接続操作パネルは、標準接続された操作パネルでの表示画面サイズと外部接続操作パネルでの表示画面サイズを変換式として前記外部接続操作パネル内に記憶することで、前記外部接続操作パネル上の構成要素が入力指示された時に前記変換式で変換した座標を前記システムコントローラに送信することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外部操作パネルは、外部操作パネル画面上に配置した構成要素のうち標準接続された操作パネルでは同じ表示階層にない構成要素までの操作経路にあたる一連のボタンの押下手順とその座標位置範囲と前記外部接続操作パネルでの構成要素の位置座標とを関連付ける前記変換テーブルを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外部操作パネルは、標準接続された操作パネルでの操作中に自画像形成装置への操作がなされた場合、自画像形成装置に対する操作指示手順を順次記憶しておき、同時に前記システムコントローラに対してアプリケーション切り替え要求を発行し、アプリケーション切り替えが完了を検知した後、記憶しておいた操作指示手順に応じた座標値を、前記変換テーブルにて変換して前記システムコントローラに送信することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外部操作パネルは、一連の設定手順を記憶する中で設定内容が解除されたり初期値と同じ設定に戻したりする操作入力が現れた場合、該当する部分の操作手順記憶を消去し、その後の操作入力を引き続き記憶することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部操作パネルおよび標準接続される操作パネルでは、表示画像に対して押下指示により位置が指定されたとき、表示ウインドウ上の位置と表示変倍率から逆算して変倍していない状態での座標に変換し、前記システムコントローラに送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−114694(P2012−114694A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262307(P2010−262307)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】