説明

画像形成装置

【課題】 省エネ性能を従来より向上することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 通常状態と、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有するMFPは、ホストPC90と通信を行うためのホストI/F部25と、ホストI/F部25を介してホストPC90からデータを受信するメインシステム30と、メインシステム30より起動が速いサブシステム40とを備えており、メインシステム30およびサブシステム40は、省エネ状態である場合に停止し、ホストI/F部25は、省エネ状態である場合にホストPC90から接続要求があったときにサブシステム40を起動し、サブシステム40は、接続要求に対する応答をホストI/F部25を介して行う接続応答手段と、メインシステム30を起動するメインシステム起動手段とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の装置との通信のタイムアウトを防止することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の装置との通信のタイムアウトを防止することができる画像形成装置として、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態である場合に外部の装置からのデータの受信を検出したとき、省エネ状態から通常状態への移行を開始するとともに、低速の通信速度でのデータの受信を開始することによって、外部の装置との通信のタイムアウトを防止することができるプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このプリンタは、省エネ状態から通常状態への移行が終了した場合に、高速の通信速度でのデータの受信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−84116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプリンタは、省エネ状態である場合に低速の通信速度でのデータの受信を実行するので、省エネ状態であってもCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などの各装置に電力が供給される必要があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、省エネ性能を従来より向上することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有する画像形成装置であって、外部の装置と通信を行うためのインターフェース部と、前記インターフェース部を介して前記外部の装置からデータを受信するメインシステムと、前記メインシステムより起動が速いサブシステムとを備えており、前記メインシステムおよび前記サブシステムは、前記省エネ状態である場合に停止し、前記インターフェース部は、前記省エネ状態である場合に前記外部の装置から接続要求があったときに前記サブシステムを起動し、前記サブシステムは、前記接続要求に対する応答を前記インターフェース部を介して行う接続応答手段と、前記メインシステムを起動するメインシステム起動手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、省エネ状態である場合にメインシステムおよびサブシステムが停止するので、省エネ性能を従来より向上することができる。また、本発明の画像形成装置は、メインシステムより起動が速いサブシステムの接続応答手段によって外部の装置に接続要求の応答を行うので、外部の装置との通信のタイムアウトを防止することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記インターフェース部による前記外部の装置との通信は、前記接続要求があった後、所定の時間の経過時にタイムアウトし、前記接続応答手段が前記応答を行うタイミングは、前記接続要求があった後、前記所定の時間の経過前であり、前記メインシステムが起動するタイミングは、前記接続要求があった後、前記所定の時間の経過以降であっても良い。
【0009】
本発明の画像形成装置は、メインシステムによって外部の装置に接続要求の応答を行うようになっている場合、外部の装置からの接続要求があった後、メインシステムが起動する前に、所定の時間が経過して外部の装置との通信がタイムアウトしてしまう可能性がある。しかしながら、本発明の画像形成装置は、メインシステムによって外部の装置に接続要求の応答を行うのではなく、メインシステムより起動が速いサブシステムの接続応答手段によって外部の装置に接続要求の応答を行うので、外部の装置との通信のタイムアウトを防止することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記接続応答手段が前記応答を行うために必要な情報である応答用情報を記憶するための応答用情報記憶部を備えており、前記応答用情報記憶部は、前記メインシステムおよび前記サブシステムを実現するハードウェアのうち揮発性記憶装置とは別に設けられており、前記メインシステムおよび前記サブシステムの少なくとも一方は、前記通常状態から前記省エネ状態に移行するときに前記応答用情報記憶部に前記応答用情報を書き込んでも良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、応答用情報を記憶するための応答用情報記憶部がメインシステムおよびサブシステムを実現するハードウェアのうち揮発性記憶装置とは別に設けられているので、揮発性記憶装置への電力の供給を省エネ状態である場合に停止することができる。したがって、本発明の画像形成装置は、省エネ性能を向上することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の前記メインシステムおよび前記サブシステムは、同一のハードウェアによって実現されていても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、メインシステムおよびサブシステムが別々のハードウェアによって実現されている構成と比較して消費電力が少なくて済むので、省エネ性能を向上することができる。
【0014】
また、本発明の省エネプログラムは、通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有し、外部の装置と通信を行うためのインターフェース部を備えている画像形成装置を、前記インターフェース部を介して前記外部の装置からデータを受信するメインシステム、および、前記メインシステムより起動が速いサブシステムとして機能させ、前記メインシステムおよび前記サブシステムは、前記省エネ状態である場合に停止し、前記インターフェース部は、前記省エネ状態である場合に前記外部の装置から接続要求があったときに前記サブシステムを起動し、前記サブシステムは、前記接続要求に対する応答を前記インターフェース部を介して行う接続応答手段と、前記メインシステムを起動するメインシステム起動手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明の省エネプログラムを実行する画像形成装置は、省エネ状態である場合にメインシステムおよびサブシステムが停止するので、省エネ性能を従来より向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置は、省エネ性能を従来より向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPのハードウェアのブロック図である。
【図3】図1に示すMFPの機能のブロック図である。
【図4】起動されるときの図1に示すMFPの動作のシーケンス図である。
【図5】通常状態から省エネ状態に移行するときの図1に示すMFPの動作のシーケンス図である。
【図6】省エネ状態から通常状態に移行するときの図1に示すMFPの動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成システム10は、本発明の画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20の外部の装置であるホストPC(Personal Computer)90とを備えている。MFP20およびホストPC90は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル11経由で互いに接続されることが可能である。
【0022】
図2は、MFP20のハードウェアのブロック図である。
【0023】
図2に示すMFP20は、通常状態と、通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有している。
【0024】
MFP20は、MFP20を制御するCPU21と、本発明の省エネプログラムを含むプログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)22と、CPU21の作業領域として用いられるRAM23と、ホストPC90からの接続要求に対する応答を行うために必要な情報である応答用情報を記憶するための本発明の応答用情報記憶部としてのRAMである省エネ用RAM24と、ホストPC90と通信を行うためのインターフェース部であるホストI/F(interface)部25と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷制御部26と、CPU21、ROM22、RAM23、省エネ用RAM24、ホストI/F部25および印刷制御部26を接続する伝送路であるシステムバス29とを備えている。
【0025】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムを実行する演算処理装置である。RAM23は、CPU21によってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。RAM23は、メインシステム30およびサブシステム40を実現するハードウェアのうち記憶を維持するために電力を消費する記憶装置、すなわち揮発性記憶装置である。
【0026】
省エネ用RAM24は、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)など、記憶を維持するために電力を消費する必要がない記憶装置、すなわち不揮発性記憶装置である。省エネ用RAM24に記憶される応答用情報には、例えばホストPC90を特定するための情報が含まれている。なお、省エネ用RAM24は、省エネを実現するための情報の記憶用の装置であるが、省エネを実現するための情報以外の情報の記憶用の装置としても兼用されることが可能である。
【0027】
なお、ホストI/F部25によるホストPC90との通信は、ホストPC90からの接続要求があった後、500msecなどの所定の時間(以下「タイムアウト時間」という。)の経過時にタイムアウトするように、USBの通信プロトコルのうちプラグアンドプレイの規定によって定められている。
【0028】
図3は、MFP20の機能のブロック図である。
【0029】
図3に示すように、MFP20は、ホストI/F部25を介してホストPC90からデータを受信するメインシステム30と、メインシステム30よりプログラムのサイズが小さく起動が速いサブシステム40とを備えている。
【0030】
メインシステム30およびサブシステム40は、CPU21、ROM22、RAM23および省エネ用RAM24によって実現されている。省エネ用RAM24は、RAM23とは別に設けられている。
【0031】
メインシステム30は、通常状態から省エネ状態に移行するときに省エネ用RAM24に応答用情報を書き込む。
【0032】
サブシステム40は、ホストPC90からの接続要求に対する応答をホストI/F部25を介して行う接続応答手段41、および、メインシステム30を起動するメインシステム起動手段42として機能する。接続応答手段41は、ホストPC90からの接続要求に対する応答を行うために、省エネ用RAM24に記憶されている応答用情報を使用する。
【0033】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0034】
図4は、起動されるときのMFP20の動作のシーケンス図である。
【0035】
MFP20が起動されるとき、CPU21、ROM22およびRAM23に電力の供給が開始される。そして、CPU21は、図4に示すように、ROM22に記憶されたサブシステム40用のプログラムを読み出してサブシステム40を起動し、サブシステム40に処理を開始させる(S101)。
【0036】
サブシステム40のメインシステム起動手段42は、MFP20の起動によって起動させられたと判断すると、ROM22に記憶されたメインシステム30用のプログラムを読み出してメインシステム30を起動して(S111)、サブシステム40自身を停止する。
【0037】
メインシステム30は、S111においてサブシステム40によって起動させられると、所定の起動処理を行った後(S121)、ホストI/F部25に電力を供給する(S122)とともに、印刷制御部26に電力を供給する(S123)。したがって、MFP20は、通常状態になる。メインシステム30は、ホストI/F部25に電力が供給されると、ホストPC90と通信を行うことができるようになる。メインシステム30は、印刷制御部26に電力が供給されると、印刷制御部26による印刷を実行することができるようになる。なお、メインシステム30は、S122の処理と、S123の処理との何れを先に実行するようになっていても良い。
【0038】
図5は、通常状態から省エネ状態に移行するときのMFP20の動作のシーケンス図である。
【0039】
図5に示すように、MFP20のメインシステム30は、利用者による操作が所定の時間無かったなど、所定の条件が満たされると、通常状態から省エネ状態への移行を開始する(S151)。
【0040】
まず、メインシステム30は、印刷制御部26への電力の供給を停止する(S152)。
【0041】
次いで、メインシステム30は、応答用情報を省エネ用RAM24に書き込む(S153)。なお、省エネ用RAM24への応答用情報の書き込みは、メインシステム30によってではなくサブシステム40によって実行されるようになっていても良い。
【0042】
最後に、メインシステム30は、サブシステム40に残りの動作を実行させるために、ROM22に記憶されたサブシステム40用のプログラムを読み出してサブシステム40を起動した後、サブシステム40に制御を移動して(S154)、メインシステム30自身を停止する。
【0043】
サブシステム40は、メインシステム30から制御を移動させられると、CPU21への電力の供給を停止する(S161)。CPU21に電力が供給されなくなると、CPU21によって実現されているサブシステム40も停止する。なお、図5には示されていないが、サブシステム40は、CPU21への電力の供給を停止する前に、ROM22およびRAM23への電力の供給も停止する。もっとも、サブシステム40は、RAM23への電力の供給を完全に停止せずに、RAM23に供給される電力をRAM23がセルフリフレッシュモードで動作する程度の少ない電力に低減するようになっていても良い。
【0044】
MFP20は、図5に示す処理が終了することによって、ホストI/F部25を除いた各部への電力の供給が停止された省エネ状態となる。
【0045】
図6は、省エネ状態から通常状態に移行するときのMFP20の動作のシーケンス図である。ここで、MFP20は、最初にホストPC90からの接続要求に対して応答した後、ホストPC90からのデータの受信を行うという一連の受信処理を実行する。
【0046】
MFP20およびホストPC90がUSBケーブル11で接続されると、図6に示すように、ホストPC90は、USBケーブル11を介してMFP20に接続要求を送信する(S201)。
【0047】
MFP20のホストI/F部25は、ホストPC90からUSBケーブル11を介して接続要求を受信すると、CPU21、ROM22およびRAM23への電力の供給を開始して、CPU21に対して受信割込みを行う(S211)。CPU21は、S211においてホストI/F部25によって受信割込みが行われると、ROM22に記憶されたサブシステム40用のプログラムを読み出してサブシステム40を起動し、サブシステム40に処理を開始させる(S221)。つまり、ホストI/F部25は、省エネ状態である場合にホストPC90から接続要求があったときにサブシステム40を起動するようになっている。
【0048】
サブシステム40は、MFP20が省エネ状態であるときにホストI/F部25がUSBケーブル11を介して接続要求を受信したことによって起動させられたと判断すると、S153においてメインシステム30によって省エネ用RAM24に書き込まれた応答用情報を省エネ用RAM24から取得する(S231)。
【0049】
次いで、サブシステム40は、上述した一連の受信処理の途中でメインシステム30がサブシステム40から処理を引き継ぐために必要な情報である接続情報を省エネ用RAM24に書き込む(S232)。
【0050】
次いで、サブシステム40の接続応答手段41は、ホストPC90からの接続要求に対する応答である接続応答を、S231において取得した応答用情報に基づいて、ホストI/F部25に送信する(S233)。ホストI/F部25は、S233においてサブシステム40によって送信された接続応答を受信すると、受信した接続応答をUSBケーブル11を介してホストPC90に送信する(S212)。なお、接続応答手段41がホストI/F部25を介してホストPC90に接続応答を行うタイミングは、ホストPC90からの接続要求があった後、上述したタイムアウト時間の経過前である。
【0051】
最後に、サブシステム40のメインシステム起動手段42は、ROM22に記憶されたメインシステム30用のプログラムを読み出してメインシステム30を起動して(S234)、サブシステム40自身を停止する。なお、サブシステム40は、上述した一連の受信処理の途中であることを、メインシステム30の起動時にメインシステム30に通知する。
【0052】
また、メインシステム30は、S234においてサブシステム40によって起動させられると、所定の起動処理を行う(S241)。なお、メインシステム30が起動するタイミングは、ホストPC90からの接続要求があった後、上述したタイムアウト時間の経過以降であっても良い。
【0053】
次いで、メインシステム30は、S232においてサブシステム40によって省エネ用RAM24に書き込まれた接続情報を省エネ用RAM24から取得する(S242)。
【0054】
ホストPC90は、S212においてホストI/F部25によって送信された接続応答を受信すると、USBケーブル11を介してMFP20にデータを送信する(S202)。
【0055】
MFP20のホストI/F部25は、ホストPC90からUSBケーブル11を介してデータを受信すると、CPU21、すなわち、メインシステム30に対して受信割込みを行う(S213)。
【0056】
メインシステム30は、S213においてホストI/F部25によって受信割込みが行われると、ホストPC90からのデータの受信に関する応答である受信応答を、S242において取得した接続情報に基づいて、ホストI/F部25に送信する(S243)。つまり、メインシステム30は、上述した一連の受信処理をサブシステム40から引き継いで実行することができる。
【0057】
ホストI/F部25は、S243においてメインシステム30によって送信された受信応答を受信すると、受信した受信応答をUSBケーブル11を介してホストPC90に送信する(S214)。
【0058】
なお、S202、S213、S243およびS214からなる一連の処理は、ホストPC90からMFP20に送信されるデータに応じて複数回実行されるようになっていても良い。
【0059】
また、メインシステム30は、印刷制御部26に電力を供給して(S244)、MFP20の状態を通常状態に移行する。メインシステム30は、印刷制御部26に電力が供給されると、印刷制御部26による印刷を実行することができるようになる。なお、メインシステム30は、例えばS242の処理からS243の処理までの間や、S202、S213、S243およびS214からなる一連の処理が複数回実行される場合の各処理の間など、上述した一連の受信処理の途中で、S244の処理を実行するようになっていても良い。
【0060】
以上に説明したように、MFP20は、通常状態から省エネ状態に移行する場合に、メインシステム30が停止する(S154)とともに、サブシステム40が停止する(S161)。つまり、MFP20は、メインシステム30およびサブシステム40を実現するCPU21、ROM22およびRAM23への電力の供給を省エネ状態である場合に停止することができるので、省エネ性能を従来より向上することができる。
【0061】
MFP20は、メインシステム30によってホストPC90に接続要求の応答を行うようになっている場合、ホストPC90からの接続要求があった後、メインシステム30が起動する前に、上述したタイムアウト時間が経過してホストPC90との通信がタイムアウトしてしまう可能性がある。しかしながら、MFP20は、メインシステム30によってホストPC90に接続要求の応答を行うのではなく、メインシステム30より起動が速いサブシステム40の接続応答手段41によってホストPC90に接続要求の応答を行うので、ホストPC90との通信のタイムアウトを防止することができる。
【0062】
MFP20は、応答用情報を記憶するための省エネ用RAM24がRAM23とは別に設けられているので、省エネ状態である場合にRAM23への電力の供給を停止することができる。したがって、MFP20は、省エネ性能を向上することができる。なお、MFP20は、RAM23に応答用情報を記憶して省エネ状態である場合にRAM23に電力を供給し続けるようになっていても良い。
【0063】
MFP20は、メインシステム30およびサブシステム40がCPU21、ROM22、RAM23および省エネ用RAM24という同一のハードウェアによって実現されているので、メインシステム30およびサブシステム40が別々のハードウェアによって実現されている構成と比較して消費電力が少なくて済む。したがって、MFP20は、省エネ性能を向上することができる。
【0064】
また、MFP20は、メインシステム30およびサブシステム40が同一のハードウェアによって実現されているので、メインシステム30およびサブシステム40が別々のハードウェアによって実現されている構成と比較して製造コストが少なくて済む。
【0065】
MFP20は、通常状態において電力が供給されて省エネ状態において電力の供給が停止される制御部として印刷制御部26を備えているが、通常状態において電力が供給されて省エネ状態において電力の供給が停止される制御部として印刷制御部26以外にも種々の制御部を備えていても良い。
【0066】
ホストI/F部25によるホストPC90との通信は、本実施の形態においてUSBによる通信であるが、USBによる通信以外の通信であっても良い。
【0067】
MFP20の外部の装置は、本実施の形態においてホストPCであるが、ホストPC以外の装置であっても良い。
【0068】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、コピー機、プリンタなど、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0069】
20 MFP(画像形成装置)
23 RAM(揮発性記憶装置)
24 省エネ用RAM(応答用情報記憶部)
25 ホストI/F部(インターフェース部)
30 メインシステム
40 サブシステム
41 接続応答手段
42 メインシステム起動手段
90 ホストPC(外部の装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有する画像形成装置であって、
外部の装置と通信を行うためのインターフェース部と、前記インターフェース部を介して前記外部の装置からデータを受信するメインシステムと、前記メインシステムより起動が速いサブシステムとを備えており、
前記メインシステムおよび前記サブシステムは、前記省エネ状態である場合に停止し、
前記インターフェース部は、前記省エネ状態である場合に前記外部の装置から接続要求があったときに前記サブシステムを起動し、
前記サブシステムは、前記接続要求に対する応答を前記インターフェース部を介して行う接続応答手段と、前記メインシステムを起動するメインシステム起動手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記インターフェース部による前記外部の装置との通信は、前記接続要求があった後、所定の時間の経過時にタイムアウトし、
前記接続応答手段が前記応答を行うタイミングは、前記接続要求があった後、前記所定の時間の経過前であり、
前記メインシステムが起動するタイミングは、前記接続要求があった後、前記所定の時間の経過以降であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記接続応答手段が前記応答を行うために必要な情報である応答用情報を記憶するための応答用情報記憶部を備えており、
前記応答用情報記憶部は、前記メインシステムおよび前記サブシステムを実現するハードウェアのうち揮発性記憶装置とは別に設けられており、
前記メインシステムおよび前記サブシステムの少なくとも一方は、前記通常状態から前記省エネ状態に移行するときに前記応答用情報記憶部に前記応答用情報を書き込むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メインシステムおよび前記サブシステムは、同一のハードウェアによって実現されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
通常状態と、前記通常状態よりエネルギーの消費が少ない省エネ状態との少なくとも2つの状態を有し、外部の装置と通信を行うためのインターフェース部を備えている画像形成装置を、前記インターフェース部を介して前記外部の装置からデータを受信するメインシステム、および、前記メインシステムより起動が速いサブシステムとして機能させ、
前記メインシステムおよび前記サブシステムは、前記省エネ状態である場合に停止し、
前記インターフェース部は、前記省エネ状態である場合に前記外部の装置から接続要求があったときに前記サブシステムを起動し、
前記サブシステムは、前記接続要求に対する応答を前記インターフェース部を介して行う接続応答手段と、前記メインシステムを起動するメインシステム起動手段とを備えていることを特徴とする省エネプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−139863(P2012−139863A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292950(P2010−292950)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】