説明

画像形成装置

【課題】装置本体に開閉自在に設けられた開閉扉に開閉自在に支持された手差しトレイの開放角度を規制可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】シートを上方に搬送する搬送路の途中から、装置本体110の外部からのシートPを手差し供給し得る画像形成装置100において、下部を回動軸50aとして装置本体110に開閉自在に支持され、両面搬送路27を開放可能な開閉扉50と、下部を回転軸35pとして開閉扉50に開閉自在に支持され、開放された際にシートPを積載し得る手差しトレイ35と、開閉扉50を閉じた状態で手差しトレイ35の開閉を阻害しない退避位置となり、開閉扉50が開放されると開閉扉50の開放動作に連動して手差しトレイ35に向かって移動し、開閉扉50を全開にしても手差しトレイ35が水平角度以上開かないように当接して手差しトレイ35の開放角度を規制する規制位置となるリンクストッパ45と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像形成装置本体に開閉自在に設けられた開閉扉に開閉自在に支持された手差し給送部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置においては、メンテナンス時やジャム(紙詰まり)処理時に画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)の内部に配置されるシート搬送路を開放するための開閉扉が設けられたものがある。開閉扉は、例えば、装置本体の下部に軸支され、装置本体に対して傾けるようにして上方側から開くことにより装置本体の内部に配置されるシート搬送路が解放され、メンテナンスやジャム処理等を容易にする。
【0003】
また、従来の画像形成装置には、給送カセットに収納された定型サイズのシートを給送するシート給送部のほか、不定型サイズのシート等を給送する、いわゆる手差し(マルチ)給送部を備えたものがある。手差し給送部は、例えば、上述の開閉扉に開閉自在に設けられた手差しトレイを有し、この手差しトレイにシートを積載し、給送ローラで装置本体の内部に設けられたシート搬送路にシートを給送する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−118453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の画像形成装置においては、通常、開閉扉を閉じた状態で手差しトレイを開放することによりシートが積載可能となるため、シートの積載時においては、開閉扉を開くことはない。しかしながら、手差しトレイにシートを積載した後、例えば、ジャム処理等のために開閉扉を開くと、開放された手差しトレイが開閉扉の傾斜により下方に傾くため、積載したシートが手差しトレイから落ちることがある。手差しトレイからシートが落ちると、シートが折れて使えなくなったり、使用者が再度手差しトレイにシートを積載し直さなければならなかったりする。そして、このシートを積載し直す作業は、使用者にとって煩雑な作業であった。また、例えば、開閉扉を開くことで開放された手差しトレイが更に下方に傾くことにより、手差しトレイが床面等と衝突し、手差しトレイを損傷させるおそれもある。
【0006】
そこで、本発明は、画像形成装置本体に開閉自在に設けられた開閉扉に開閉自在に支持された手差しトレイを備えた画像形成装置において、開閉扉を全開にした際における手差しトレイの開放角度を規制可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、画像形成装置本体の下部に設けられるシート給送部から給送されるシートを画像形成部に向けて上方に搬送する搬送路の途中から、前記画像形成装置本体の内部へシートを手差し供給する手差し給送部を備える画像形成装置において、下部を回動支点として前記画像形成装置本体に開閉自在に支持され、前記搬送路を開放可能な開閉扉を有し、前記手差し給送部は、下部を回動支点として前記開閉扉に開閉自在に支持され、開放された際に手差し給送するシートを積載することができる手差しトレイと、前記開閉扉を閉じた状態では、前記手差しトレイの開閉を阻害しない退避位置に位置し、前記開閉扉の開放動作に連動して前記退避位置から前記手差しトレイに向かって移動し、前記開閉扉を全開したときに前記手差しトレイが水平角度以上開かないように前記手差しトレイに当接して前記手差しトレイの開放角度を規制する規制位置に位置する規制部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、開閉扉を全開したときに手差しトレイを水平角度以上となるように規制することにより、開閉扉を開くことにより発生し得る手差しトレイからのシートの落下や積載状態の乱れ及び手差しトレイの床面との衝突を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)は、図1に示す本実施形態に係る画像形成装置の手差しトレイを開放した状態の斜視図であり、(b)は、(a)に示す画像形成装置の開閉扉に手差しトレイを収納した状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は、図2(a)に示す第1実施形態に係る画像形成装置のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図4】(a)は、図2(a)に示す手差しトレイを開放した状態の画像形成装置の開閉扉を40度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図5】(a)は、図2(a)に示す手差しトレイを開放した状態の画像形成装置の開閉扉を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図6】(a)は、図2(a)に示す第2実施形態に係る画像形成装置のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図7】(a)は、第2実施形態に係るギア機構を示す斜視図であり、(b)は、(a)の平面図であり、(c)は、(a)の側面図である。
【図8】(a)は、図2(a)に示す手差しトレイを開放した状態の画像形成装置の開閉扉を40度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図9】(a)は、図2(a)に示す手差しトレイを開放した状態の画像形成装置の開閉扉を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図10】(a)は、図2(a)に示す第3実施形態に係る画像形成装置のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図11】(a)は、図2(a)に示す手差しトレイを開放した状態の画像形成装置の開閉扉を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図12】(a)は、搬送ガイド部の規制部に手差しトレイの突出部が当接した状態を示す部分拡大斜視図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれら複合機器等を構成する画像形成装置であって、画像形成装置本体に開閉自在に設けられた開閉扉に開閉自在に支持された手差しトレイを備えている。以下の実施形態においては、4色のトナー像を形成する電子写真式のカラー画像形成装置(以下、「画像形成装置」という)を用いて説明する。
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100について、図1から図5(b)を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について、図1から図3(b)を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100を模式的に示す断面図である。図2(a)は、図1に示す本実施形態に係る画像形成装置100の手差しトレイ35を開放した状態の斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す画像形成装置100の開閉扉50に手差しトレイ35を収納した状態を示す斜視図である。図3(a)は、図2(a)に示す第1実施形態に係る画像形成装置100のX−X矢視断面を示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)の側面図である。
【0012】
第1実施形態に係る画像形成装置100は、画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)110と、装置本体110に開閉自在の開閉扉50と、開閉扉50に開閉自在の手差し給送部30と、リンクストッパ45と、を備える。
【0013】
図1に示すように、装置本体110は、シートPを給送するシート給送部としてのカセット給送部1と、レジストローラ対2と、画像を形成する画像形成部18と、画像を定着させる定着部13と、シートPを排紙する排紙部14と、を備える。
【0014】
カセット給送部1は、装置本体110における最下部に配置されている。カセット給送部1は、カセット本体28に収容されたシートPをピックアップローラ21でピックアップし、フィードローラ22及びリタードローラ23で1枚ずつ分離しながらレジストローラ対2に給送する。レジストローラ対2は、フィードローラ22及びリタードローラ23の下流側に配置されており、カセット給送部1又は後に詳述する手差し給送部30により1枚ずつ分離して給送されたシートPのレジストを合わせて画像形成部18に搬送する。
【0015】
画像形成部18は、カセット給送部1の上方に配置されており、所定の画像情報に基づいてシートPに画像を形成する。画像形成部18は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの計4色の1次画像を形成するプロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写ユニット5と、を備える。
【0016】
プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Bkは、感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bkと、帯電部(図示せず)と、スキャナユニット4と、現像部(図示せず)と、を備える。感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bkは、帯電極性が負極性の感光層を表面に形成した金属円筒で構成されており、帯電部は、像担持体である感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bkのドラム表面を均一に帯電する。スキャナユニット4は、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bk上に静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bk上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。
【0017】
中間転写ユニット5は、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Bkと、中間転写ベルト6と、2次転写ローラ12と、駆動ローラ8と、テンションローラ9と、クリーナ部11と、を備える。1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Bkは、感光体ドラム20Y,20M,20C,20Bk上に顕像化された各色のトナー像を順次、中間転写ベルト6に転写する。中間転写ベルト6は、感光体ドラム20Y,20M,20C,20BkからシートPに転写された各色のトナー像(以下、「フルカラーのトナー像」ともいう)を担持する。2次転写ローラ12は、中間転写ベルト6を挟んで駆動ローラ8に押圧された状態で対向配置されており、中間転写ベルト6が担持するトナー像をシートPに転写する。駆動ローラ8及びテンションローラ9は、図1に示す矢印A方向に中間転写ベルト6を回転させる。クリーナ部11は、中間転写ベルト6の走行面に接して、転写後の中間転写ベルト6の表面に残ったトナーを分離して除去する。
【0018】
定着部13は、2次転写ローラ12のシートPの搬送方向における下流側に配置されており、シートPに転写されたトナー像をシートPに定着させる。定着部13は、回転速度を可変可能な駆動部(図示せず)と接続される加圧ローラ13aと、加圧ローラ13aに対して所定圧で回動自在に接触する加熱ローラ13bと、ヒーター(図示せず)と、を備える。排紙部14は、画像が定着されたシートPを機外に排紙する。
【0019】
また、装置本体110は、搬送路としてのシート搬送路26と、反転搬送路15と、搬送路としての両面搬送路27と、を備える。シート搬送路26は、カセット給送部1又は手差し給送部30から給送されるシートPを上方に位置した画像形成部18に搬送するための搬送路である。反転搬送路15は、排紙部14に向かうシート搬送路26から分岐して片面に画像が定着されたシートPを反転させて両面搬送路27に搬送する。反転搬送路15には、不図示の駆動機構と連結され正逆回転可能な反転ローラ対16及び切替部材17が配置されている。両面搬送路27は、シートPを画像形成部18に再搬送するための搬送路である。両面搬送路27には、両面搬送ローラ対27aと、Uターンローラ対32とが配置されている。両面搬送ローラ対27aは、反転ローラ対16により搬送されたシートPをUターンローラ対32まで搬送する。Uターンローラ対32は、シートPをレジストローラ対2まで搬送する。
【0020】
開閉扉50は、装置本体110の内部に配置された両面搬送路27及びシート搬送路26を開放可能に、下部に設けられた回動支点としての回動軸50aを中心に装置本体110に軸支されている。本実施形態においては、開閉扉50は、装置本体110の側面において所定角度(0〜70度)、上方側が開放するように装置本体110に軸支されている。また、開閉扉50の上端部には、不図示の係合部が設けられている。係合部は、装置本体110に設けられた不図示の被係合部に係合可能に形成されている。例えば、ジャム処理を行う場合には、ユーザ等が開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除した後、回動軸50aを中心に開閉扉50を回動させて両面搬送路27等を開放する。
【0021】
図3(a)及び図3(b)に示すように、開閉扉50には、後述の手差しトレイ35が収納される側にマルチフレーム40が設けられている。マルチフレーム40は、開閉扉50と一体となるように開閉扉50に固定されており、手差しトレイ35を開閉自在に支持する。また、マルチフレーム40は、回転軸42を回転自在に支持している。回転軸42には、手差しトレイ35に積載されたシートPを給送する給送ローラ34及び後述のリフト板37を昇降させるためのカム39a,39bが固着されている。また、マルチフレーム40は、給送ローラ34によって給送されるシートPを1枚ずつ分離する分離パッド33が給送ローラ34に付勢されるように分離パッド33を給送ローラ34側に付勢している。
【0022】
更に、マルチフレーム40は、開閉扉50に対する手差しトレイ35の開放角度を規制するヒンジ部36a,36bの基端部を支持している。ヒンジ部36a,36bは、回転軸42を支持する支持部の上側に設けられた回転中心40hで回動自在に支持されている。また、マルチフレーム40には、装置本体110側の端部における回転軸42の支持部の近傍に、突出形成されたボス40aが設けられている。ボス40aは、後に詳述する規制部材としてのリンクストッパ45のスライド部としての長穴開口部45bにスライド自在に係合する。
【0023】
図2(a)に示すように、手差し給送部30は、画像形成装置本体110の外部から不定型サイズのシート等を手差し供給し得る手差しトレイ35を備える。手差しトレイ35は、下端部が回動支点としての回転軸35pによりマルチフレーム40に軸支されており(図3(b)参照)、ヒンジ部36a,36bにより開閉扉50に対する開放角度が規制されている。
【0024】
図2(b)に示すように、手差しトレイ35は、使用しない状態においては開閉扉50に収納可能に構成されている。手差しトレイ35の上端部には、不図示の係合部が設けられており、係合部は、開閉扉50に設けられた不図示の被係合部に係合可能に形成されている。手差し給送部30の使用時には、ユーザが手差しトレイ35の係合部と開閉扉50の被係合部との係合状態を解除した後、回転軸35pを中心に手差しトレイ35を回動させて給送位置に移動する。また、手差しトレイ35の下端には、リンクストッパ45と当接可能に形成された突出部35sが設けられている。突出部35sは、手差しトレイ35の回転軸35pに対してシートPを積載し得るシート積載部としてのリフト板37が設けられる側と反対側に突出するように形成されている。手差しトレイ35は、リンクストッパ45が上方から突出部35sに当接することで回動が規制され、開放状態における姿勢が所定の角度で保持される。つまり、開放角度が規制される。
【0025】
手差しトレイ35の上部側の両側面には、長穴開口部35a,35bが形成されている。長穴開口部35a,35bは、ヒンジ部36a,36bの先端部に形成された軸部36c,36dをスライド自在に支持する。また、ヒンジ部36a,36bの先端部に形成された軸部36c,36dは、リフト板37の上部側の両側面に回動自在に連結されており、リフト板37は、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dのスライド移動に連動して移動する。つまり、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dは、手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bの範囲で移動可能である。図3(a)及び図3(b)に示す給送位置においては、長穴開口部35a,35bの下部にヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが当接することにより、手差しトレイ35及びリフト板37の開放角度が決定する。
【0026】
リフト板37には、シートPの幅方向にスライドすることにより、シートの幅方向のサイズを調整可能なサイド規制板41a,41bが設けられている。シートPを給送する際には、使用者は、シートPをリフト板37(手差しトレイ35)の上に積載した後、サイド規制板41a,41bを使用するシートサイズに合わせて移動させてシートPを幅方向に保持する。また、リフト板37の両側部には、ヒンジ部36a,36bとの間に付勢バネ38a,38bが掛けられており、付勢バネ38a,38bは、リフト板37をヒンジ部36a,36b側に付勢している。リフト板37の下部側の両側部は、回転軸42に固着されたカム39a,39bと当接することにより上下方向における位置が決まるように構成されている。つまり、給送時においては、回転軸42が図3(a)に示す矢印B方向に回転することによりカム39a,39bが矢印B方向に回転し、リフト板37に積載されたシートが、回転している給送ローラ34に当接することにより、シートPが給送される。
【0027】
図3(a)及び図3(b)に示すように、リンクストッパ45は、装置本体110と開閉扉50とを連結すると共に、装置本体110に対する開閉扉50の開放角度を規制する。リンクストッパ45は、屈曲した長板状に形成されており、一端部に支持部45cを備える。支持部45cは、開閉扉50の回動軸50aの近傍(装置本体110側)において回動軸50aと平行に装置本体110に突出形成された回転軸45aに回転自在に支持されている。また、リンクストッパ45の他端部側には、前述のマルチフレーム40に設けられたボス40aとスライド自在に係合するスライド部としての長穴開口部45bが形成されている。長穴開口部45bは、開閉扉50を閉じた状態で上下方向に延びるように形成されている。更に、リンクストッパ45には、給送位置に位置する手差しトレイ35の下端に形成された突出部35sと対向する側に突出部35sと当接し得る当接面45dが形成されている。上述のように構成されたリンクストッパ45は、開閉扉50の開放動作に連動して前記当接面45dが長穴開口部45bのスライドにより突出部35sに向かって回動する。
【0028】
次に、開閉扉50及び手差し給送部30の開放時におけるリンクストッパ45の動作について、図3(a)及び図3(b)に加え、図4(a)から図5(b)を参照しながら説明する。図4(a)は、図2(a)に示す手差しトレイ35を開放した状態の画像形成装置100の開閉扉50を40度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)の側面図である。図5(a)は、図2(a)に示す手差しトレイ35を開放した状態の画像形成装置100の開閉扉50を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)の側面図である。
【0029】
図3(a)及び図3(b)に示すように、ユーザが手差しトレイ35の係合部と開閉扉50の被係合部との係合状態を解除すると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に図3(b)に示す矢印B方向に回動する。手差しトレイ35が回転軸35pを中心に回動すると、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドする。そして、長穴開口部35a,35bの下端にヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが当接すると、手差しトレイ35が係止され、手差しトレイ35の開放角度が決定する。同様に、リフト板37の開放角度も決定する。この状態において、ユーザによるシートPの積載が可能になり、手差し給送部30が使用可能となる。なお、この状態においては、リンクストッパ45は、手差しトレイ35の開閉動作を阻害しない退避位置となり、ユーザによる手差し給送部30の使用等において邪魔になることはない。
【0030】
ここで、例えば、両面搬送路27でジャムが発生すると、ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除する。ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除すると、開閉扉50が回動軸50aを中心に図4(b)に示す矢印C方向に回動する。開閉扉50が回動軸50aを中心に回動すると、マルチフレーム40に設けられたボス40aがリンクストッパ45の長穴開口部45bをスライドしながら上方に移動する。ボス40aが長穴開口部45bをスライドしながら上方に移動すると、リンクストッパ45が回転軸45aを中心に図4(b)に示す矢印C方向に回動する。つまり、リンクストッパ45が開閉扉50の回動に連動して回動する。
【0031】
図4(a)及び図4(b)に示すように、開閉扉50が40度回転すると、下方に移動したリンクストッパ45の当接面45dが手差しトレイ35に形成された突出部35sに上方から当接する。このとき、手差しトレイ35は、水平角度以上にあり、リフト板37(手差しトレイ35)からシートPが落ちることはない。リンクストッパ45の当接面45dが手差しトレイ35の突出部35sに上方から当接すると、手差しトレイ35の回動がリンクストッパ45により止められ、手差しトレイ35の開放角度が水平角度以上開いた状態で保持される。つまり、リンクストッパ45が規制位置となり、手差しトレイ35の開放角度がこれ以上大きくならない(開かない)ように手差しトレイ35の開放角度を規制する。
【0032】
次に開閉扉50が図5(b)に示す矢印C方向に更に回動し、図5(a)及び図5(b)に示すように開閉扉50が70度(全開)回転すると、リンクストッパ45の当接面45dが当接位置を移動させながら、手差しトレイ35の突出部35sを上方から押圧する。突出部35sが当接面45dに上方から押圧されると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に開閉扉50に近づく方向に回動する。つまり、手差しトレイ35は、開閉扉50の開放に影響されることなく、手差しトレイ35が水平角度以上開かないように開放角度が保持される。なお、このとき、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドするため、開閉扉50が手差しトレイ35に近接することが可能となる。
【0033】
以上のような構成を有する第1実施形態に係る画像形成装置100によれば、以下のような効果を奏する。第1実施形態に係る画像形成装置100は、開閉扉50を全開にしても手差しトレイ35が水平角度以上開かないように手差しトレイ35の開放角度をリンクストッパ45が規制する。そのため、手差しトレイ35にシートPを積載させた状態で開閉扉50を全開にした場合においても、シートPが手差しトレイ35から落下したり、シートPの積載状態が乱れることを防止することができる。また、手差しトレイ35が床面等と接触(衝突)することを防止することができる。
【0034】
また、リンクストッパ45は簡単かつ簡易な構成であるため、手差しトレイ35を水平角度以上に規制する規制部材を容易に設置することができる。
【0035】
また、リンクストッパ45は、開閉扉50を閉じた状態においては、手差しトレイ35の回動を阻害しない退避位置にある。そのため、手差しトレイ35の使用時においても、リンクストッパ45が手差しトレイ35からのシートPの給送の邪魔になることはなく、ユーザ等が接触してリンクストッパ45を破損させることを防止することができる。
【0036】
また、リンクストッパ45は、当接面45dが上方から突出部35sに当接するため、例えば、開閉扉50の全開時においても、手差しトレイ35のリフト板37が配置される側と反対側の面から突出しない。そのため、例えば、ユーザ等がリンクストッパ45に接触してリンクストッパ45を損傷させることを防止することができる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100Aについて、図6(a)から図9(b)を参照しながら説明する。第2実施形態に係る画像形成装置100Aは、規制部材としてのギアストッパ65をギア機構60で回動させて手差しトレイ35を規制する点が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、ギアストッパ65及びギアストッパ65を回動させるギア機構60を中心に説明する。
【0038】
なお、第2実施形態において、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0039】
まず、第2実施形態に係るギアストッパ65及びギア機構60の構成について、図6(a)から図7(c)を参照しながら説明する。図6(a)は、図2(a)に示す第2実施形態に係る画像形成装置100AのX−X矢視断面を示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)の側面図である。図7(a)は、第2実施形態に係るギア機構60を示す斜視図である。図7(b)は、図7(a)の平面図である。図7(c)は、図7(a)の側面図である。
【0040】
図6(a)から図7(a)に示すように、ギアストッパ65は、開閉扉50の回動軸50aに回転自在に支持されている。また、ギアストッパ65は、手差しトレイ35の突出部35sと当接し得るストッパ面65sと、ストッパ面65sの回動方向に対して相対回転不能に形成された第2ギアとしての欠け歯部65pと、を備えている。本実施形態においては、欠け歯部65pは、歯数が17歯に形成されている。
【0041】
ギア機構60は、開閉扉50の回動軸50aに開閉扉50の回動方向に対して相対回転不能に固定された第1ギア63と、装置本体110に設けられた回転軸66を中心に回転自在に支持された段ギア64と、を備えて構成されている。第1ギア63は、欠け歯状に形成されており、本実施形態においては、歯数が22歯に形成されている。
【0042】
図7(b)に示すように、段ギア64は、第1ギア63と噛合する第1段ギア64aと、ギアストッパ65の欠け歯部65pと噛合する第2段ギア64bとを備えて構成されている。第1段ギア64aは、歯数が17歯に形成され、第2段ギア64bは、歯数が22歯に形成されており、ギアストッパ65の回転角が、開閉扉50の回転角の1.7倍となるように形成されている。
【0043】
次に、開閉扉50及び手差し給送部30の開放時におけるギアストッパ65の動作について、図6(a)及び図6(b)に加え、図8(a)から図9(b)を参照しながら説明する。図8(a)は、図2(a)に示す手差しトレイ35を開放した状態の画像形成装置100Aの開閉扉50を40度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図である。図8(b)は、図8(a)の側面図である。図9(a)は、図2(a)に示す手差しトレイ35を開放した状態の画像形成装置100Aの開閉扉50を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図である。図9(b)は、図9(a)の側面図である。
【0044】
図6(a)及び図6(b)に示すように、ユーザが手差しトレイ35の係合部と開閉扉50の被係合部との係合状態を解除すると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に回動する。手差しトレイ35が回転軸35pを中心に回動すると、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドする。そして、長穴開口部35a,35bの下端にヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが当接すると、手差しトレイ35が係止され、手差しトレイ35の開放角度が決定する。同様に、リフト板37の開放角度も決定する。この状態において、ユーザによるシートPの積載が可能になり、手差し給送部30が使用可能となる。なお、この状態においては、ギアストッパ65は、手差しトレイ35の回動動作を阻害しない退避位置となり、ユーザによる手差し給送部30の使用において邪魔になることはない。
【0045】
ここで、例えば、両面搬送路27でジャムが発生すると、ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除する。ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除すると、開閉扉50が回動軸50aを中心に図8(b)に示す矢印F方向に回動する。開閉扉50が回動軸50aを中心に矢印F方向に回動すると、開閉扉50の回動軸50aに固定された第1ギア63が図7(c)に示す矢印D方向に回転する。第1ギア63が矢印D方向に回転すると、第1ギア63に噛合する第1段ギア64a及び第2段ギア64bが回転軸66を中心に図7(c)に示す矢印E方向に回転する。第2段ギア64が矢印E方向に回転すると、第2段ギア64と噛合する欠け歯部65pが増速回転し、ギアストッパ65が増速回転する。つまり、ギアストッパ65が開閉扉50の回動に連動して増速回転する。
【0046】
図8(a)及び図8(b)に示すように、開閉扉50が40度回転すると、増速回転したギアストッパ65のストッパ面65sが手差しトレイ35に形成された突出部35sに上方から当接する。このとき、手差しトレイ35は、水平角度以上にあり、リフト板37(手差しトレイ35)からシートPが落ちることはない。ギアストッパ65のストッパ面65sが手差しトレイ35の突出部35sに上方から当接すると、開閉扉50に支持された手差しトレイ35の回動がギアストッパ65により止められ、手差しトレイ35の開放角度が水平角度以上で保持される。つまり、ギアストッパ65が規制位置となり、手差しトレイ35の開放角度がこれ以上大きくならない(開かない)ように手差しトレイ35の開放角度を規制する。
【0047】
次に開閉扉50が図9(b)に示す矢印F方向に更に回動し、図9(a)及び(b)に示すように開閉扉50が70度(全開)回転すると、ギアストッパ65のストッパ面65sが当接位置を移動させながら、手差しトレイ35の突出部35sを上方から押圧する。ストッパ面65sに突出部35sが上方から押圧されると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に開閉扉50に近づく方向に回動する。つまり、手差しトレイ35は、開閉扉50の開放に影響されることなく、手差しトレイ35が水平角度以上開かないように開放角度が保持される。なお、このとき、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドするため、開閉扉50が手差しトレイ35に近接することが可能となる。
【0048】
以上のような構成を有する第2実施形態に係る画像形成装置100Aによれば、第1実施形態と同様の構成により生じる効果に加え、以下のような効果を奏する。第2実施形態に係る画像形成装置100Aは、開閉扉50と連動して回転する規制部材としてのギアストッパ65をギア機構60により回動させる。そのため、第1実施形態に係る構成に比べて、手差しトレイ35を規制する規制部材を小型化することができる。
【0049】
また、ギア機構60を用いてギアストッパ65を回動させるため、第1実施形態に係る構成に比べて手差しトレイ35を強固に保持させることができる。また、ギアストッパ65が手差しトレイ35の突出部35sと当接した後は、手差しトレイ35の開放角度は、開閉扉50の開放角度に応じて変化するが、手差しトレイ35の開放角度は少しずつ連続的に変化する。そのため、手差しトレイ35に積載してあるシートPに衝撃を与えない。これにより、積載されたシートPが乱れることを防止できる。
【0050】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100Bについて、図10(a)から図12(b)を参照しながら説明する。第3実施形態に係る画像形成装置100Bは、搬送ガイドユニット85に規制部材を一体形成し、搬送ガイドユニット85を引き出すことにより手差しトレイ35の開放角度を規制する点が第1実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、搬送ガイドユニット85を中心に説明する。
【0051】
なお、第3実施形態において、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。また、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
まず、第3実施形態に係るユニット体としての搬送ガイドユニット85の構成について、図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。図10(a)は、図2(a)に示す第3実施形態に係る画像形成装置100BのX−X矢視断面を示す斜視図である。図10(b)は、図10(a)の側面図である。
【0053】
図1及び図10(a)に示すように、搬送ガイドユニット85は、開閉扉50が閉じられた状態でシート搬送路26の途中に連結される搬送路(搬送路の一部)の下面を構成するユニット体であり、手差し給送部30の下流に位置している。搬送ガイドユニット85は、下部を回動支点85pとして装置本体110に回動自在に連結されており、図10(b)に示す給送位置で不図示のロック部材により固定されている。
【0054】
搬送ガイドユニット85は、搬送路の下面を構成する搬送ガイド部85bと、搬送ガイド部85bを回動させる回動レバー85cと、回動レバー85cに連結され搬送ガイド部85bを牽引する連動部材としてのリンクアーム80と、を備える。搬送ガイド部85bは、開閉扉50を閉じた状態においては手差しトレイ35の開閉動作を阻害しない退避位置に位置するように形成されている。また、搬送ガイド部85bには、手差しトレイ35と対向する側に規制部材としての規制面85aが一体形成されている。
【0055】
回動レバー85cは、搬送ガイド部85bと一体形成されており、回動レバー85cの下部には、上述の回動支点85pが形成されている。また、回動レバー85cの両側面には、第1連結部としての連結軸86が設けられており、連結軸86は、リンクアーム80の一端側に形成された長穴部にスライド自在に連結されている。リンクアーム80の他端側は、マルチフレーム40に設けられた第2連結部としての連結軸40gに回転自在に連結されている。なお、リンクアーム80は、搬送ガイドユニット85の両側面(装置本体の前方側と後方側)にそれぞれ設けられている。
【0056】
次に、開閉扉50及び手差し給送部30の開放時における搬送ガイドユニット85の動作について、図10(a)及び図10(b)に加え、図11(a)から図12(b)を参照しながら説明する。図11(a)は、図2(a)に示す手差しトレイ35を開放した状態の画像形成装置100Bの開閉扉50を70度開放した状態のX−X矢視断面を示す斜視図である。図11(b)は、図11(a)の側面図である。図12(a)は、搬送ガイド部85bの規制面85aに手差しトレイ35の突出部35sが当接した状態を示す部分拡大斜視図である。図12(b)は、図12(a)の側面図である。
【0057】
図10(a)及び図10(b)に示すように、ユーザが手差しトレイ35の係合部と開閉扉50の被係合部との係合状態を解除すると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に回動する。手差しトレイ35が回転軸35pを中心に回動すると、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドする。そして、長穴開口部35a,35bの下端にヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが当接すると、手差しトレイ35が係止され、手差しトレイ35の開放角度が決定する。同様に、リフト板37の開放角度も決定する。この状態において、ユーザによるシートPの積載が可能になり、手差し給送部30が使用可能となる。なお、この状態においては、搬送ガイド部85bの規制面85aは、手差しトレイ35の回動動作を阻害しない退避位置となり、ユーザによる手差し給送部30の使用において邪魔になることはない。
【0058】
ここで、例えば、両面搬送路27でジャムが発生すると、ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除する。ユーザが開閉扉50の係合部と装置本体110の被係合部の係合状態を解除すると、開閉扉50が回動軸50aを中心に回動する。開閉扉50が回動軸50aを中心に回動すると、開閉扉50(マルチフレーム40)の連結軸40gに連結されたリンクアーム80が開閉扉50に牽引され、リンクアーム80と連結軸86で連結された回動レバー85cが回動支点85pを中心に傾動する。回動レバー85cが傾動すると、回動レバー85cの先端に一体形成された搬送ガイド部85bが手差しトレイ35の突出部35s側に向かって傾動する。搬送ガイド部85bが傾動すると、搬送ガイド部85bの手差しトレイ35側に一体形成された規制面85aが突出部35sに向かって移動する。
【0059】
開閉扉50が40度回転すると、突出部35sに向かって移動する規制面85aが手差しトレイ35に形成された突出部35sに上方から当接する。このとき、手差しトレイ35は、水平角度以上にあり、リフト板37(手差しトレイ35)からシートPが落ちることはない。搬送ガイド部85bの規制面85aが手差しトレイ35の突出部35sに上方から当接すると、開閉扉50に支持された手差しトレイ35の回動が搬送ガイドユニット85により止められ、手差しトレイ35の開放角度が水平角度以上で保持される。つまり、搬送ガイドユニット85の規制面85aが規制位置となり、手差しトレイ35の開放角度がこれ以上大きくならない(開かない)ように手差しトレイ35の開放角度を規制する。
【0060】
次に、開閉扉50が更に回動し、図11(a)から図12(b)に示すように、開閉扉50が70度(全開)回転すると、搬送ガイド部85bの規制面85aが当接位置を移動させながら、手差しトレイ35の突出部35sを上方から押圧する(図12(a)参照)。規制面85aに突出部35sが上方から押圧されると、手差しトレイ35が回転軸35pを中心に開閉扉50に近づく方向に回動する。つまり、手差しトレイ35は、開閉扉50の開放に影響されることなく、手差しトレイ35が水平角度以上開かないように開放角度が保持される。なお、このとき、ヒンジ部36a,36bの軸部36c,36dが手差しトレイ35の長穴開口部35a,35bに沿ってスライドするため、開閉扉50が手差しトレイ35に近接することが可能となる。
【0061】
以上のような構成を有する第3実施形態に係る画像形成装置100Bによれば、第1実施形態と同様の構成により生じる効果に加え、以下のような効果を奏する。第3実施形態に係る画像形成装置100Bは、搬送路の一部を構成する搬送ガイドユニット85に一体形成した規制面85aを手差しトレイ35の突出部35sに当接させる。そのため、手差しトレイ35に当接して水平角度以上開かないように手差しトレイ35の開放角度を規制するための部品を新たに設ける必要がなくなる。そのため、コストダウンを図ることが可能になる。また、規制部材を新たに設けるためのスペースを確保する必要がなくなり、小型化が可能となる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0063】
例えば、本実施形態においては、規制部材として、時計回りに回動して手差しトレイ35の開放角度を規制するリンクストッパ45、ギアストッパ65及び搬送ガイドユニット85を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。規制部材は、開閉扉50を全開にしても手差しトレイ35を水平角度以上に規制可能であればよい。例えば、装置本体110に固定支持された態様ものや装置本体110から水平に突出される態様のもの、又は反時計回りに回動して手差しトレイ35を規制する態様のものであってもよい。
【0064】
また、第1及び第2実施形態においては、リンクストッパ45及びギアストッパ65を装置本体110の手前(正面)側に設けた形態を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。リンクストッパ45及びギアストッパ65は、装置本体110の後側に設けてもよく、前後2か所に設けてもよい。前後2か所に設けると、リンクストッパ45及びギアストッパ65のたわみ等の影響を少なくすることできるため、手差しトレイ35の角度をより確実に規制することができる。また、リンクストッパ45を所定角度で装置本体110とも係止させることにより、リンクストッパ45を開閉扉50のストッパとしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 シート給送部
18 画像形成部
26 シート搬送路(搬送)
27 両面搬送路(搬送路)
30 手差し給送部
35 手差しトレイ
35p 回転軸(回動支点)
45 リンクストッパ(規制部材)
45d 当接面
50 開閉扉
50a 回動軸(回動支点)
60 ギア機構
65 ギアストッパ
65s ストッパ面
80 リンクアーム(連動部材)
85 搬送ガイドユニット
85a 規制面
100,100A,100B 画像形成装置
110 装置本体(画像形成装置本体)
P シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の下部に設けられるシート給送部から給送されるシートを画像形成部に向けて上方に搬送する搬送路の途中から、前記画像形成装置本体の内部へシートを手差し供給する手差し給送部を備える画像形成装置において、
下部を回動支点として前記画像形成装置本体に開閉自在に支持され、前記搬送路を開放可能な開閉扉を有し、
前記手差し給送部は、
下部を回動支点として前記開閉扉に開閉自在に支持され、開放された際に手差し給送するシートを積載することができる手差しトレイと、
前記開閉扉を閉じた状態では、前記手差しトレイの開閉を阻害しない退避位置に位置し、前記開閉扉の開放動作に連動して前記退避位置から前記手差しトレイに向かって移動し、前記開閉扉を全開したときに前記手差しトレイが水平角度以上開かないように前記手差しトレイに当接して前記手差しトレイの開放角度を規制する規制位置に位置する規制部材と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記手差しトレイは、前記手差しトレイの回動支点に対してシートを積載するシート積載部が設けられる側と反対側に突出した突出部を有し、
前記規制部材は、前記開閉扉の開放動作に連動して前記退避位置から前記規制位置に回動して、上方から前記突出部に当接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記規制部材は、下部に設けられ前記画像形成装置本体に回動自在に支持される支持部と、前記手差しトレイが配置される側に設けられ前記突出部に当接し得る当接面と、前記開閉扉にスライド自在に支持されて、前記開閉扉の開閉動作に連動して前記当接面を前記突出部に向かって回動動作させるスライド部と、を有し、
前記開閉扉を閉じた状態では、前記規制部材の前記当接面は前記退避位置に位置し、前記開閉扉を開放すると、前記退避位置にある前記当接面が前記スライド部のスライドにより前記突出部に向かって回動され、前記規制部材の前記当接面が前記規制位置に位置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記開閉扉の回動方向に対して相対回転不能に前記開閉扉に固定された第1ギアと、前記規制部材の回動方向に対して相対回転不能に前記規制部材に固定され、前記第1ギアに対して増速回転する第2ギアと、を有するギア機構を備え、
前記開閉扉を閉じた状態では、前記規制部材は前記退避位置に位置し、前記開閉扉を開放すると前記開閉扉の開放により回転する前記第1ギアにより第2ギアが前記規制部材を増速回転させ、前記規制部材が前記規制位置に位置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
下部を回動支点として前記画像形成装置本体に回動自在に連結され、前記開閉扉を閉じた状態では前記搬送路の一部を構成し、前記開閉扉を開いた状態では前記搬送路の一部を開放し得るユニット体と、前記ユニット体と第1連結部で連結されると共に前記開閉扉と第2連結部で連結され、前記開閉扉の開放動作に前記ユニット体による前記搬送路の開放動作を連動させる連動部材と、を有し、
前記規制部材は、前記ユニット体の前記手差しトレイと対向する側に一体形成されており、
前記開閉扉を閉じた状態では、前記ユニット体の前記規制部材は前記退避位置に位置し、前記開閉扉を開放すると、前記連動部材に牽引されて、前記ユニット体が前記回動支点を中心に傾動することにより前記規制部材が前記突出部に向かって回動し、前記ユニット体の前記規制部材が前記規制位置に位置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−159770(P2012−159770A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20571(P2011−20571)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】