画像形成装置
【課題】トナー交換のために開閉するカバーを、ユーザーのトナーボトルの視認性を最大限確保でき、かつ安全にトナーボトルの交換ができるトナーボトル交換部構造とする。
【解決手段】プリンタ本体21の上面を、排出される用紙の積載部を構成する上部カバー22、プリンタ本体21の上面のその他の平坦部分を覆う固定カバー23等で構成し、上部カバー22は上下方向に回動開閉可能に設ける。上部カバー22の下側には複数のトナーボトル3(3Y〜3K)を着脱可能に収納する凹部28を備える。プリンタ本体21の側縁に沿う固定カバー23のうちの側部固定カバー23aが上部カバー22と境をなす側面に、トナーボトル3の装着部31を挿入して隠蔽させるプリンタ本体21側の装着部29を設ける。上部カバー23は、トナーボトル3のトナーの色を視認可能なボトル部分32を最大限視認できる寸法とし得る。
【解決手段】プリンタ本体21の上面を、排出される用紙の積載部を構成する上部カバー22、プリンタ本体21の上面のその他の平坦部分を覆う固定カバー23等で構成し、上部カバー22は上下方向に回動開閉可能に設ける。上部カバー22の下側には複数のトナーボトル3(3Y〜3K)を着脱可能に収納する凹部28を備える。プリンタ本体21の側縁に沿う固定カバー23のうちの側部固定カバー23aが上部カバー22と境をなす側面に、トナーボトル3の装着部31を挿入して隠蔽させるプリンタ本体21側の装着部29を設ける。上部カバー23は、トナーボトル3のトナーの色を視認可能なボトル部分32を最大限視認できる寸法とし得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの機能を複数有する複合機等の画像形成装置に関し、詳細にはそのような画像形成装置で使用する、トナーやインク等の消耗品を収納するトナーボトルやインクカートリッジ等の収納容器を交換するための構造を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような画像形成装置のうち、ユーザーが粉体や液体あるいは液状体の消耗品(例えばトナーやインク)を収納した消耗品収納容器(例えばトナーボトル、インクカートリッジ、インク収納袋体)の交換を行えるようにしたものでは、消耗品収納容器であるトナーボトル等を画像形成装置本体へセットするセット性を向上させるために、消耗品収納容器の視認性の向上が求められ、またその一方で、消耗品収納容器の画像形成装置本体への装着部分での怪我や、こぼれたトナー、インク等による汚れの防止のために、消耗品収納容器を画像形成装置本体へ装着するための装着部のカバーリング(隠蔽)が求められている。
【0003】
なお以下本明細書では、上述のような画像形成装置をプリンタと記載するので、以下において単にプリンタと記載するときは、狭義の意味でのプリンタだけを意味するものではない。また、単にトナーボトルと記載するときは、狭義の意味でのトナーボトルだけでなく、ジェルジェットプリンタやインクジェットプリンタ等の種々のプリンタその他の画像形成装置においてトナーやインク等のような現像剤等の消耗品の収納容器として用いられ、以下に説明するトナーボトルと同様の装着構造及び交換構造を有するものをも含むものとする。
【0004】
例えば、図1で示すような画像形成装置では、画像形成装置本体1の作像部1aにはカバー1bを開けると4つの穴2が開口するようになっており、ここにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)という色のカラートナーを充填したトナーボトル3Y〜3K(以下、色を特定せずに記載するときは単にトナーボトル3と記す)をそれぞれ挿入し、周知の画像形成プロセスによってカラープリントを行うようになっている。ところが図1のような構成とすると、図2に示すように、トナーボトル3のボトル部分32だけでなくトナーボトル3の装着部31も隠せるが、トナーボトル3内のトナーの色(C、M、Y、K)が特定しにくい。すなわち、図1に示すようにトナーボトル3の装着部31とは反対側の端部のみが外部から視認できる状態となるためである。したがって、トナーボトル3に収納されているトナーの色を確認するためには、トナーボトル3のボトル部分32を半透明あるいは透明の樹脂製としておき、図2に示すように、穴2からトナーボトル3を全部抜き出し(例えば図2Aの状態)、または一部抜き出し(例えば図2Bの状態)て、色を確かめることになる。なお以下では、装着部と記載したときは、トナーボトルであれば画像形成装置本体へ挿入等により装着する部分を除いた部分を指し、ボトル部分と記載したときは、トナーボトルであれば、画像形成装置本体への上述の装着部を除いた部分を指す。その他の種類の消耗品収納容器であっても同様に、当該容器を使用する画像形成装置への装着部とそれ以外の消耗品収納部とに分けて構成してあると把握する。
【0005】
ところで近年、この種のプリンタをパーソナルコンピュータと接続して用いる、いわゆるパーソナル化が進んでおり、それに伴って小型化も進んでいる。しかし、例えば図3に示す小型のプリンタ10のような場合(特許文献1参照)、プリンタ10の本体サイズの制限から、図1に示すような構造は採用しにくい。そのため、トナーボトル3を配する部位全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー12全体でカバーリングする(覆って隠す)構造が提案されている。
【0006】
すなわち、図3のような構成のプリンタである。このプリンタでは、図1の装置と同様に、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)を半透明あるいは透明の樹脂製とすることで、内部のトナー色(CMYK)が見えるようになるため視認性の問題は解決できているが、トナーボトル3の装着部31も含めてトナーボトル3全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー12全体でカバーリングする構造としているため、外装カバー12を開けると、図3、図4に示すように(図4では、マゼンタのトナーボトル3Mを取り去った状態を拡大して示している)、トナーボトル3のボトル部分32だけでなくトナーボトル3のプリンタ本体11への装着部31も外部へ露出してしまうようになっている。図中Dは、プリンタ本体11側の装着部19近傍にこぼれたトナーを示す。この図から明らかなように、プリンタ本体11側の装着部19が外部に露出してしまうことから、この状態でユーザーがトナーボトル3に触れると、こぼれたトナーDで手が汚れたり、こぼれたトナーDが飛散したりすることがあり得る。
【0007】
また図示は省略するが、画像形成装置本体のインナー(内装)カバーでカバーリングする構造例も多く知られている。しかし、そのような構造の場合、トナーボトル3とプリンタ本体11との装着部分(31、19)はインナーカバーと外装カバーによる2重のカバーリングとなり、構造が複雑になるだけでなく、覆って隠す面積あるいは部位が多くなり、そのためにコストが増加することもあり得るため、低コスト化の妨げになることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような現況にかんがみてなしたもので、消耗品収納容器交換のために、カバーを開閉しても、トナーボトル等の消耗品収納容器を画像形成装置本体へ装着する部分(消耗品収納容器側も画像形成装置本体側も、ともに)がユーザーからは見えないように構成し、ユーザーはトナーボトルの視認性を最大限確保でき、かつ安全にトナーボトルの交換ができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、粉体または液体あるいは液状体である消耗品を収納可能な消耗品収納容器を少なくとも一つ交換可能に装着して用いる画像形成装置において、前記消耗品収納容器は、収納した消耗品の色を外部から視認可能な透明または半透明部を有する消耗品収納部と、前記画像形成装置本体に装着し、かつ該画像形成装置本体に収納した消耗品を供給する装着部を有し、前記画像形成装置本体は、前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持し、また前記装着部を保持する第1の保持部と、前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持する第2の保持部と、開閉可能なカバーとを有し、該カバーを開いた状態で、前記第1の保持部に前記装着部を挿入して前記消耗品収納部の前記装着部を保持させ、かつ外部から視認できないように前記装着部の周囲を覆うとともに、前記第2の保持部は前記画像形成装置本体の外部から前記消耗品収納容器の消耗品収納部の前記透明または半透明部を通して収納した消耗品の色を視認可能としたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、請求項1の画像形成装置において、前記第1の保持部、前記第2の保持部、及び前記カバーを前記画像形成装置本体の上部に有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記画像形成装置本体が、前記消耗品収納容器の前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、請求項3の画像形成装置において、前記固定カバー部と前記カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記消耗品収納容器が配される部位を覆うことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体に前記消耗品収納容器を複数本装着可能であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カバーを開放するための回転軸の長手方向が、前記消耗品収納容器の長手方向と同方向であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カバーを上方に開いた状態で、前記消耗品収納容器の上方および該消耗品収納容器の挿入方向で後側が空間となっていることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明は、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0017】
またさらに本発明は、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、画像形成装置本体の上部カバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つトナーボトルを交換可能に配設するための画像形成装置において、前記上部カバーが、前記トナーボトルに収納したトナーの色を視認可能なボトル部分の全体あるいはほぼ全体を外部から視認可能に露出させる寸法を有するとともに、前記トナーボトルの前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を前記画像形成装置本体が備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、請求項10の画像形成装置において、前記固定カバー部と前記上部カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記トナーボトルが配される部位を覆っていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、請求項11の画像形成装置において、前記トナーボトルが片側にのみ前記装着部を有し、前記固定カバー部が該装着部を覆っていることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、請求項10から12のいずれかの画像形成装置において、前記画像形成装置本体に前記トナーボトルを複数本装着可能であることを特徴とする。
【0022】
さらに本発明は、請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0023】
またさらに本発明は、請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ユーザーはトナーボトル等の消耗品収納容器に収納された消耗品に関する視認性を最大限確保でき、安全に消耗品収納容器を交換できる。すなわち、消耗品収納容器の交換のために画像形成装置本体の所要部位を覆うカバーを開けるだけでユーザーには交換しようとする消耗品収納容器の透明部分あるいは半透明部分がよく見え、したがって消耗品収納容器の脱着操作時の怪我や汚れが防止でき、また交換時の操作性が向上するだけでなく、外装カバーとインナー(内装)カバーを用いる場合などに比べてコストを抑えることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トナーボトルを用いる画像形成装置の従来例を示す正面図
【図2】図1の画像形成装置におけるトナーボトルの交換例を示す斜視図
【図3】トナーボトルを用いる小型のプリンタの従来例を示す斜視図
【図4】図3のプリンタでトナーボトルを取り外したときに起こり得る状態を示す斜視図
【図5】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラープリンタを示す正面側からの斜視図
【図6】図5のプリンタの側面断面図
【図7】図5のプリンタの上部カバーを開けた状態を正面側からから見て示す斜視図
【図8】図5のプリンタを左側面側から見た斜視図
【図9】図5のプリンタの上部カバーを開けた状態を左側面側から見て示す拡大斜視図
【図10】トナーボトルを上方から示す斜視図
【図11】図10に示したトナーボトルの装着部の下方から示す斜視図
【図12】図10に示したトナーボトルの装着部の変形例の下方から示す斜視図
【図13】本発明の一実施例におけるトナーボトルの交換作業を示す図
【図14】本発明の他の実施例に係る消耗品収納容器を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、画像形成装置本体のカバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つの消耗品収納容器を交換可能に備える画像形成装置において、カバーを、消耗品収納容器に収納したトナーやインク等の消耗品の色を視認可能なボトル部分を最大限視認させ得るようにする交換部構造を有し、消耗品収納容器と画像形成装置本体との装着部は消耗品収納容器側も画像形成装置本体側の両方ともが、ユーザーからは見えないように内蔵する構成とする。
【実施例】
【0027】
<実施例1>
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。なお以下の説明では、従来と共通する部分には同一の符号を付して説明する。また重複する説明は省略する。さらにこの実施例では、断面が円形のトナーボトルを消耗品収納容器として用いる例のみ説明するが、本発明はこれに限定されず、消耗品収納容器が図示の形状以外のものでも適用可能であることはもちろんである。
【0028】
図5は、本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラープリンタを示す正面側からの斜視図、図6は同じく側面断面図、図7は上部カバーを開けた状態を正面側からから見て示す斜視図、図8は同じく左側面側から見た斜視図、図9は同じく上部カバーを開けた状態を左側面側から見て示す拡大斜視図である。
【0029】
本実施例のカラープリンタ20は基本的には図3に示すプリンタ10と同様の構成を有し、トナーボトル3を配する部位全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー、具体的には後述する開閉可能な上部カバーとカラープリンタ20の正面側から見て右側に位置する固定カバーでプリンタ本体21のトナーボトル3を配する部位の上面を分割してカバーリングしている。
【0030】
すなわち、本実施例のプリンタでも、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)を半透明あるいは透明の樹脂製とすることで、内部のトナー色(CMYK)が見えるようにして視認性の問題を解決し、トナーボトル3の装着部31も含めてトナーボトル3全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー全体でカバーリングするのではなく、いわばボトル部分32と装着部31とを分割してカバーリングし、外装カバー12を開けると、図10から良くわかるように、トナーボトル3のボトル部分32だけが外部へ露出して外部から見え、プリンタ本体11への装着部31は外部へは露出しない。
【0031】
すなわち、プリンタ本体21の上面は、排出される用紙の積載部を構成する上部カバー22、プリンタ本体21の上面の上部カバー22で覆われている以外の平坦部分を覆う固定カバー23、固定カバー23よりもプリンタ本体21の前面側に位置する操作部24並びに操作部カバー25から構成してある。トナーボトル3を配する部位の上面は上部カバー22と固定カバー23の上部カバー22の右側の部分23aとで分割してカバーリングしている。上部カバー22は、図6に示すようにプリンタ本体21の後方側で支持して上下方向に回動開閉可能に設けてある。なお、図8において26は用紙の排紙口、27は通風スリットである。また上部カバー22を開放するための回転軸の長手方向は、消耗品収納容器であるトナーボトル3の長手方向(軸方向と見てもよい)と同方向である。
【0032】
そして図6と図9とから良く分かるように、プリンタ本体21には、上部カバー22の下側には現像剤収納部材である複数のトナーボトル3Y、3M、3C、3Kを着脱可能に収納するボトル収納部2が設けてある。ボトル収容部2は、トナーボトル3の装着部31を保持するための装着部(装着穴)29と、ボトル部分32を保持するためのボトル受け部(第二の保持部材)、で構成されている。トナーボトル3のボトル部分32を収納するために図示の例ではボトル受け部(第二の保持部材)としての4個の凹部28が形成してある。また、この4個の凹部28に対応させて、プリンタ本体21の右側縁に沿う固定カバー23の側部23a(以下、側部固定カバー23aという)の上部カバー22との境をなす立側面23bの下側には、プリンタ本体21を構成する部材にトナーボトル3の装着部31を挿入するためのプリンタ本体21側の装着部29が設けてある。なお、固定カバー23を開閉可能にする構造も考えられるが、その場合には通常は上部カバー22のみを開閉操作するものとし、固定カバー23はあまり簡単には開けられない構造としておけばよい。
【0033】
そして、トナーボトル3の装着部31をプリンタ本体21側の装着部29に挿入してトナーボトル3をプリンタ本体21にセットすると、図9に示すように、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)は上部カバー22を閉じない限り外部から視認でき、内部に収納したトナーの色も視認できる。換言すれば、図9のように上部カバー22を上方に開いた状態では、消耗品収納容器であるトナーボトル3の上方およびトナーボトル3の挿入方向で後端側が開いて空間となっていることにより、トナーボトル3のボトル部分32が見えやすく、収納したトナーの色を視認できることになり、その一方で、装着部31はプリンタ本体21側の装着部29に挿入されて隠され、外部からは見えなくなる。なお、トナーボトル3のボトル部分32が見えやすくなるのは、プリンタ本体21側の上側からだけでなく、トナーボトル3の後端側からも同じく見えやすくなる。
【0034】
次に、図10〜図12を用いてトナーボトル3について詳述する。図10に示すようにトナーボトル3は主として、ボトル部分32と、装着部(キャップ部)31からなる。図11は装着部31の下面斜視図である。図11等を参照すると、装着部31の底部には、ボトル部分32から排出されたトナーを容器外であって鉛直方向下方に排出(自重落下)させる、ずなわち、プリンタ内部に補給する、トナー補給口33が形成されている。そして、装着部31の底部には、トナー補給口33の開閉をおこなうためのシャッタ部材34が、長手方向にスライド移動可能に保持されている。)図12は装着部の変形例31Aを表す。シャッタ部材34Aは、プリンタ本体21に対するトナーボトル3の着脱操作に連動してトナー排出口33Aをトナーボトル3の周方向に開閉するように構成されている。
【0035】
図13は、このような構成の本実施例におけるトナーボトル3の交換作業を示す図である。例えば、プリンタ本体21の操作部24に、トナーボトル3の交換を促す表示24aが表示されたとする(A)。その場合、ユーザーあるいはサービスマン(以下、ユーザーが自分で作業するものとして説明するが、本発明は作業者が誰であっても良い。)が交換を支持されたトナーボトル3(図ではトナーボトル3C)を図中の矢印方向へ引いてプリンタ本体21側の装着部29からトナーボトル3Cの装着部31を抜き出す(B)。このとき、図4に示したように、プリンタ本体21側の装着部29やその近傍にトナーがこぼれている可能性があるが、側部固定カバー23aによってプリンタ本体21側の装着部29は常に覆われているので、こぼれたトナーが存在していても作業しているユーザーがそれに触れてしまうことはない。
【0036】
ついで、新しいトナーボトル3(この場合、トナーボトル3C)を箱から取り出し(C)、内部に収納したトナーが流動しにくくなっている可能性を考慮して適宜回数(例えば7、8回)上下させる(D)。
【0037】
さらに、トナーボトル3の装着部31に貼り付けてあった保管用のシール39を、図示のようにシール39自体に示された指示(図の例では矢印)にしたがって剥がす(E)。その後、トナーボトル3を凹部28上に載せ、プリンタ本体21側の装着部29に向けて移動させ、挿入する(F)。なお、トナーボトル3の装着部31には、図示の例では挿入方向を示す矢印が設けてあるので、ユーザーがあまり交換作業に詳しくなくても簡単に挿入作業ができるようになっている。またなお、挿入後にトナーボトル3を回転させて(例えば1/4回転)、トナーボトル3の装着部31から排出されるトナーがプリンタ本体21側の装着部29において間違いなくプリンタ本体21側へ移動させるようにするための図12に示したトナーボトル3A(例えば図4に対応する)を用いてもよい。いずれにしても、トナーボトル3の装着部31をプリンタ本体21側の装着部29に挿入すると、トナーボトル3の装着部31がプリンタ本体21の装着部29から側部固定カバー23aの下側へ入ってカバーリングされる。
【0038】
すなわち、トナー交換のために開閉するカバー(外装カバー22)がプリンタ本体21の上部全体を開閉するのではなく、プリンタ本体21の装着部29が設けられた固定カバー23の部分は通常は、あるいは常に閉じたままとし、トナーボトル3側もプリンタ本体21側ともにユーザーからは装着部が見えないように構成している。このような構成とすることで、ユーザーはトナーボトル3の視認性を最大限確保でき、かつ安全にトナーボトル3の交換ができる。なお、例えば車いすを使用している身体障害者がユーザーとしてトナーボトル3を交換しようとする場合には、上部から見下ろす形で作業をするのではなく、側面側(図示の例では左側面側)へ回り込んで側方から見る形態で作業することになるが、プリンタ本体21の上部は片側(図の例では左側)が開いている(固定カバー23が存在していない)ので、車いすに乗った状態でも作業性や視認性には問題が無い。
【0039】
なお、本実施例ではカバー(外装カバー22)がプリンタ本体21の上部に設けられている例のみ説明したが、本発明ではカバーの設置位置が画像形成装置本体の上部に限定されるわけではない。本発明は、画像形成装置本体の側面側や、上面と側面との間に斜めに設けられるカバー等々種々のタイプのカバーに関して実施できる。以下の実施例においても同様である。
【0040】
<実施例2>
本発明を上述実施例1では、画像形成装置として、タンデム方式を採用したフルカラー画像を形成可能なカラープリンタについて説明してきたが、本発明は、タンデム式の画像形成装置だけでなく、またカラー画像形成装置だけでもなく、タンデム式以外のものや、またモノクロプリンタ等の画像形成装置であっても、実施例1と同様に消耗品収納容器を画像形成装置本体に装着して使用するタイプの装置であれば適用できる。
【0041】
<実施例3>
また本発明は、既に述べてきたが、図14に示すようなインクカートリッジタイプの消耗品収納容器でも同様に実施できる。なお図14で、符号30はインクカートリッジ、320は消耗品収納部であるインク収納部(図の例は図示は省略するが薄い箱形状である。ただし、インクカートリッジあるいはインク袋タイプの消耗品容器でも、図示の形状、構造のものに限定されず、種々の形状のものを本発明の対象とし得る)、310は装着部である。もちろん装着部310の形状、構造も同様に種々のものを対象とし得る。
【符号の説明】
【0042】
2:ボトル収容部
3(3Y、3M、3C、3K):トナーボトル
20:カラープリンタ
21:プリンタ本体
22:上部カバー
23:固定カバー
23a:固定カバーの側部(側部固定カバー)
23b:側部固定カバーと上部カバーとの境をなす立側面
24:操作部
24a:トナーボトルの交換を促す表示
25:操作部カバー
26:用紙の排紙口
27:通風スリット
28:凹部
29:プリンタ本体側の装着部
30:インクカートリッジ
30x:インクカートリッジのインク収納部
30y:インクカートリッジの装着部
31、31A:トナーボトルの装着部
32:トナーボトルのボトル部分
33:トナー補給口
33A:トナー排出口
34、34A:シャッタ部材
39:保管用のシール
310:インクカートリッジの装着部
320:インクカートリッジのインク収納部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2006−113482号公報
【特許文献2】特開2006−251346号公報
【特許文献3】特開2003−316139号公報
【特許文献4】特開2003−076123号公報
【特許文献5】特開2009−008698号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの機能を複数有する複合機等の画像形成装置に関し、詳細にはそのような画像形成装置で使用する、トナーやインク等の消耗品を収納するトナーボトルやインクカートリッジ等の収納容器を交換するための構造を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような画像形成装置のうち、ユーザーが粉体や液体あるいは液状体の消耗品(例えばトナーやインク)を収納した消耗品収納容器(例えばトナーボトル、インクカートリッジ、インク収納袋体)の交換を行えるようにしたものでは、消耗品収納容器であるトナーボトル等を画像形成装置本体へセットするセット性を向上させるために、消耗品収納容器の視認性の向上が求められ、またその一方で、消耗品収納容器の画像形成装置本体への装着部分での怪我や、こぼれたトナー、インク等による汚れの防止のために、消耗品収納容器を画像形成装置本体へ装着するための装着部のカバーリング(隠蔽)が求められている。
【0003】
なお以下本明細書では、上述のような画像形成装置をプリンタと記載するので、以下において単にプリンタと記載するときは、狭義の意味でのプリンタだけを意味するものではない。また、単にトナーボトルと記載するときは、狭義の意味でのトナーボトルだけでなく、ジェルジェットプリンタやインクジェットプリンタ等の種々のプリンタその他の画像形成装置においてトナーやインク等のような現像剤等の消耗品の収納容器として用いられ、以下に説明するトナーボトルと同様の装着構造及び交換構造を有するものをも含むものとする。
【0004】
例えば、図1で示すような画像形成装置では、画像形成装置本体1の作像部1aにはカバー1bを開けると4つの穴2が開口するようになっており、ここにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)という色のカラートナーを充填したトナーボトル3Y〜3K(以下、色を特定せずに記載するときは単にトナーボトル3と記す)をそれぞれ挿入し、周知の画像形成プロセスによってカラープリントを行うようになっている。ところが図1のような構成とすると、図2に示すように、トナーボトル3のボトル部分32だけでなくトナーボトル3の装着部31も隠せるが、トナーボトル3内のトナーの色(C、M、Y、K)が特定しにくい。すなわち、図1に示すようにトナーボトル3の装着部31とは反対側の端部のみが外部から視認できる状態となるためである。したがって、トナーボトル3に収納されているトナーの色を確認するためには、トナーボトル3のボトル部分32を半透明あるいは透明の樹脂製としておき、図2に示すように、穴2からトナーボトル3を全部抜き出し(例えば図2Aの状態)、または一部抜き出し(例えば図2Bの状態)て、色を確かめることになる。なお以下では、装着部と記載したときは、トナーボトルであれば画像形成装置本体へ挿入等により装着する部分を除いた部分を指し、ボトル部分と記載したときは、トナーボトルであれば、画像形成装置本体への上述の装着部を除いた部分を指す。その他の種類の消耗品収納容器であっても同様に、当該容器を使用する画像形成装置への装着部とそれ以外の消耗品収納部とに分けて構成してあると把握する。
【0005】
ところで近年、この種のプリンタをパーソナルコンピュータと接続して用いる、いわゆるパーソナル化が進んでおり、それに伴って小型化も進んでいる。しかし、例えば図3に示す小型のプリンタ10のような場合(特許文献1参照)、プリンタ10の本体サイズの制限から、図1に示すような構造は採用しにくい。そのため、トナーボトル3を配する部位全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー12全体でカバーリングする(覆って隠す)構造が提案されている。
【0006】
すなわち、図3のような構成のプリンタである。このプリンタでは、図1の装置と同様に、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)を半透明あるいは透明の樹脂製とすることで、内部のトナー色(CMYK)が見えるようになるため視認性の問題は解決できているが、トナーボトル3の装着部31も含めてトナーボトル3全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー12全体でカバーリングする構造としているため、外装カバー12を開けると、図3、図4に示すように(図4では、マゼンタのトナーボトル3Mを取り去った状態を拡大して示している)、トナーボトル3のボトル部分32だけでなくトナーボトル3のプリンタ本体11への装着部31も外部へ露出してしまうようになっている。図中Dは、プリンタ本体11側の装着部19近傍にこぼれたトナーを示す。この図から明らかなように、プリンタ本体11側の装着部19が外部に露出してしまうことから、この状態でユーザーがトナーボトル3に触れると、こぼれたトナーDで手が汚れたり、こぼれたトナーDが飛散したりすることがあり得る。
【0007】
また図示は省略するが、画像形成装置本体のインナー(内装)カバーでカバーリングする構造例も多く知られている。しかし、そのような構造の場合、トナーボトル3とプリンタ本体11との装着部分(31、19)はインナーカバーと外装カバーによる2重のカバーリングとなり、構造が複雑になるだけでなく、覆って隠す面積あるいは部位が多くなり、そのためにコストが増加することもあり得るため、低コスト化の妨げになることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような現況にかんがみてなしたもので、消耗品収納容器交換のために、カバーを開閉しても、トナーボトル等の消耗品収納容器を画像形成装置本体へ装着する部分(消耗品収納容器側も画像形成装置本体側も、ともに)がユーザーからは見えないように構成し、ユーザーはトナーボトルの視認性を最大限確保でき、かつ安全にトナーボトルの交換ができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、粉体または液体あるいは液状体である消耗品を収納可能な消耗品収納容器を少なくとも一つ交換可能に装着して用いる画像形成装置において、前記消耗品収納容器は、収納した消耗品の色を外部から視認可能な透明または半透明部を有する消耗品収納部と、前記画像形成装置本体に装着し、かつ該画像形成装置本体に収納した消耗品を供給する装着部を有し、前記画像形成装置本体は、前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持し、また前記装着部を保持する第1の保持部と、前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持する第2の保持部と、開閉可能なカバーとを有し、該カバーを開いた状態で、前記第1の保持部に前記装着部を挿入して前記消耗品収納部の前記装着部を保持させ、かつ外部から視認できないように前記装着部の周囲を覆うとともに、前記第2の保持部は前記画像形成装置本体の外部から前記消耗品収納容器の消耗品収納部の前記透明または半透明部を通して収納した消耗品の色を視認可能としたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、請求項1の画像形成装置において、前記第1の保持部、前記第2の保持部、及び前記カバーを前記画像形成装置本体の上部に有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記画像形成装置本体が、前記消耗品収納容器の前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、請求項3の画像形成装置において、前記固定カバー部と前記カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記消耗品収納容器が配される部位を覆うことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体に前記消耗品収納容器を複数本装着可能であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カバーを開放するための回転軸の長手方向が、前記消耗品収納容器の長手方向と同方向であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カバーを上方に開いた状態で、前記消耗品収納容器の上方および該消耗品収納容器の挿入方向で後側が空間となっていることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明は、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0017】
またさらに本発明は、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、画像形成装置本体の上部カバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つトナーボトルを交換可能に配設するための画像形成装置において、前記上部カバーが、前記トナーボトルに収納したトナーの色を視認可能なボトル部分の全体あるいはほぼ全体を外部から視認可能に露出させる寸法を有するとともに、前記トナーボトルの前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を前記画像形成装置本体が備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、請求項10の画像形成装置において、前記固定カバー部と前記上部カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記トナーボトルが配される部位を覆っていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、請求項11の画像形成装置において、前記トナーボトルが片側にのみ前記装着部を有し、前記固定カバー部が該装着部を覆っていることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、請求項10から12のいずれかの画像形成装置において、前記画像形成装置本体に前記トナーボトルを複数本装着可能であることを特徴とする。
【0022】
さらに本発明は、請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【0023】
またさらに本発明は、請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ユーザーはトナーボトル等の消耗品収納容器に収納された消耗品に関する視認性を最大限確保でき、安全に消耗品収納容器を交換できる。すなわち、消耗品収納容器の交換のために画像形成装置本体の所要部位を覆うカバーを開けるだけでユーザーには交換しようとする消耗品収納容器の透明部分あるいは半透明部分がよく見え、したがって消耗品収納容器の脱着操作時の怪我や汚れが防止でき、また交換時の操作性が向上するだけでなく、外装カバーとインナー(内装)カバーを用いる場合などに比べてコストを抑えることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トナーボトルを用いる画像形成装置の従来例を示す正面図
【図2】図1の画像形成装置におけるトナーボトルの交換例を示す斜視図
【図3】トナーボトルを用いる小型のプリンタの従来例を示す斜視図
【図4】図3のプリンタでトナーボトルを取り外したときに起こり得る状態を示す斜視図
【図5】本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラープリンタを示す正面側からの斜視図
【図6】図5のプリンタの側面断面図
【図7】図5のプリンタの上部カバーを開けた状態を正面側からから見て示す斜視図
【図8】図5のプリンタを左側面側から見た斜視図
【図9】図5のプリンタの上部カバーを開けた状態を左側面側から見て示す拡大斜視図
【図10】トナーボトルを上方から示す斜視図
【図11】図10に示したトナーボトルの装着部の下方から示す斜視図
【図12】図10に示したトナーボトルの装着部の変形例の下方から示す斜視図
【図13】本発明の一実施例におけるトナーボトルの交換作業を示す図
【図14】本発明の他の実施例に係る消耗品収納容器を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、画像形成装置本体のカバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つの消耗品収納容器を交換可能に備える画像形成装置において、カバーを、消耗品収納容器に収納したトナーやインク等の消耗品の色を視認可能なボトル部分を最大限視認させ得るようにする交換部構造を有し、消耗品収納容器と画像形成装置本体との装着部は消耗品収納容器側も画像形成装置本体側の両方ともが、ユーザーからは見えないように内蔵する構成とする。
【実施例】
【0027】
<実施例1>
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。なお以下の説明では、従来と共通する部分には同一の符号を付して説明する。また重複する説明は省略する。さらにこの実施例では、断面が円形のトナーボトルを消耗品収納容器として用いる例のみ説明するが、本発明はこれに限定されず、消耗品収納容器が図示の形状以外のものでも適用可能であることはもちろんである。
【0028】
図5は、本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラープリンタを示す正面側からの斜視図、図6は同じく側面断面図、図7は上部カバーを開けた状態を正面側からから見て示す斜視図、図8は同じく左側面側から見た斜視図、図9は同じく上部カバーを開けた状態を左側面側から見て示す拡大斜視図である。
【0029】
本実施例のカラープリンタ20は基本的には図3に示すプリンタ10と同様の構成を有し、トナーボトル3を配する部位全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー、具体的には後述する開閉可能な上部カバーとカラープリンタ20の正面側から見て右側に位置する固定カバーでプリンタ本体21のトナーボトル3を配する部位の上面を分割してカバーリングしている。
【0030】
すなわち、本実施例のプリンタでも、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)を半透明あるいは透明の樹脂製とすることで、内部のトナー色(CMYK)が見えるようにして視認性の問題を解決し、トナーボトル3の装着部31も含めてトナーボトル3全体をプリンタ本体11の上部を覆う外装カバー全体でカバーリングするのではなく、いわばボトル部分32と装着部31とを分割してカバーリングし、外装カバー12を開けると、図10から良くわかるように、トナーボトル3のボトル部分32だけが外部へ露出して外部から見え、プリンタ本体11への装着部31は外部へは露出しない。
【0031】
すなわち、プリンタ本体21の上面は、排出される用紙の積載部を構成する上部カバー22、プリンタ本体21の上面の上部カバー22で覆われている以外の平坦部分を覆う固定カバー23、固定カバー23よりもプリンタ本体21の前面側に位置する操作部24並びに操作部カバー25から構成してある。トナーボトル3を配する部位の上面は上部カバー22と固定カバー23の上部カバー22の右側の部分23aとで分割してカバーリングしている。上部カバー22は、図6に示すようにプリンタ本体21の後方側で支持して上下方向に回動開閉可能に設けてある。なお、図8において26は用紙の排紙口、27は通風スリットである。また上部カバー22を開放するための回転軸の長手方向は、消耗品収納容器であるトナーボトル3の長手方向(軸方向と見てもよい)と同方向である。
【0032】
そして図6と図9とから良く分かるように、プリンタ本体21には、上部カバー22の下側には現像剤収納部材である複数のトナーボトル3Y、3M、3C、3Kを着脱可能に収納するボトル収納部2が設けてある。ボトル収容部2は、トナーボトル3の装着部31を保持するための装着部(装着穴)29と、ボトル部分32を保持するためのボトル受け部(第二の保持部材)、で構成されている。トナーボトル3のボトル部分32を収納するために図示の例ではボトル受け部(第二の保持部材)としての4個の凹部28が形成してある。また、この4個の凹部28に対応させて、プリンタ本体21の右側縁に沿う固定カバー23の側部23a(以下、側部固定カバー23aという)の上部カバー22との境をなす立側面23bの下側には、プリンタ本体21を構成する部材にトナーボトル3の装着部31を挿入するためのプリンタ本体21側の装着部29が設けてある。なお、固定カバー23を開閉可能にする構造も考えられるが、その場合には通常は上部カバー22のみを開閉操作するものとし、固定カバー23はあまり簡単には開けられない構造としておけばよい。
【0033】
そして、トナーボトル3の装着部31をプリンタ本体21側の装着部29に挿入してトナーボトル3をプリンタ本体21にセットすると、図9に示すように、トナーボトル3のボトル部分32(色が分かる部分)は上部カバー22を閉じない限り外部から視認でき、内部に収納したトナーの色も視認できる。換言すれば、図9のように上部カバー22を上方に開いた状態では、消耗品収納容器であるトナーボトル3の上方およびトナーボトル3の挿入方向で後端側が開いて空間となっていることにより、トナーボトル3のボトル部分32が見えやすく、収納したトナーの色を視認できることになり、その一方で、装着部31はプリンタ本体21側の装着部29に挿入されて隠され、外部からは見えなくなる。なお、トナーボトル3のボトル部分32が見えやすくなるのは、プリンタ本体21側の上側からだけでなく、トナーボトル3の後端側からも同じく見えやすくなる。
【0034】
次に、図10〜図12を用いてトナーボトル3について詳述する。図10に示すようにトナーボトル3は主として、ボトル部分32と、装着部(キャップ部)31からなる。図11は装着部31の下面斜視図である。図11等を参照すると、装着部31の底部には、ボトル部分32から排出されたトナーを容器外であって鉛直方向下方に排出(自重落下)させる、ずなわち、プリンタ内部に補給する、トナー補給口33が形成されている。そして、装着部31の底部には、トナー補給口33の開閉をおこなうためのシャッタ部材34が、長手方向にスライド移動可能に保持されている。)図12は装着部の変形例31Aを表す。シャッタ部材34Aは、プリンタ本体21に対するトナーボトル3の着脱操作に連動してトナー排出口33Aをトナーボトル3の周方向に開閉するように構成されている。
【0035】
図13は、このような構成の本実施例におけるトナーボトル3の交換作業を示す図である。例えば、プリンタ本体21の操作部24に、トナーボトル3の交換を促す表示24aが表示されたとする(A)。その場合、ユーザーあるいはサービスマン(以下、ユーザーが自分で作業するものとして説明するが、本発明は作業者が誰であっても良い。)が交換を支持されたトナーボトル3(図ではトナーボトル3C)を図中の矢印方向へ引いてプリンタ本体21側の装着部29からトナーボトル3Cの装着部31を抜き出す(B)。このとき、図4に示したように、プリンタ本体21側の装着部29やその近傍にトナーがこぼれている可能性があるが、側部固定カバー23aによってプリンタ本体21側の装着部29は常に覆われているので、こぼれたトナーが存在していても作業しているユーザーがそれに触れてしまうことはない。
【0036】
ついで、新しいトナーボトル3(この場合、トナーボトル3C)を箱から取り出し(C)、内部に収納したトナーが流動しにくくなっている可能性を考慮して適宜回数(例えば7、8回)上下させる(D)。
【0037】
さらに、トナーボトル3の装着部31に貼り付けてあった保管用のシール39を、図示のようにシール39自体に示された指示(図の例では矢印)にしたがって剥がす(E)。その後、トナーボトル3を凹部28上に載せ、プリンタ本体21側の装着部29に向けて移動させ、挿入する(F)。なお、トナーボトル3の装着部31には、図示の例では挿入方向を示す矢印が設けてあるので、ユーザーがあまり交換作業に詳しくなくても簡単に挿入作業ができるようになっている。またなお、挿入後にトナーボトル3を回転させて(例えば1/4回転)、トナーボトル3の装着部31から排出されるトナーがプリンタ本体21側の装着部29において間違いなくプリンタ本体21側へ移動させるようにするための図12に示したトナーボトル3A(例えば図4に対応する)を用いてもよい。いずれにしても、トナーボトル3の装着部31をプリンタ本体21側の装着部29に挿入すると、トナーボトル3の装着部31がプリンタ本体21の装着部29から側部固定カバー23aの下側へ入ってカバーリングされる。
【0038】
すなわち、トナー交換のために開閉するカバー(外装カバー22)がプリンタ本体21の上部全体を開閉するのではなく、プリンタ本体21の装着部29が設けられた固定カバー23の部分は通常は、あるいは常に閉じたままとし、トナーボトル3側もプリンタ本体21側ともにユーザーからは装着部が見えないように構成している。このような構成とすることで、ユーザーはトナーボトル3の視認性を最大限確保でき、かつ安全にトナーボトル3の交換ができる。なお、例えば車いすを使用している身体障害者がユーザーとしてトナーボトル3を交換しようとする場合には、上部から見下ろす形で作業をするのではなく、側面側(図示の例では左側面側)へ回り込んで側方から見る形態で作業することになるが、プリンタ本体21の上部は片側(図の例では左側)が開いている(固定カバー23が存在していない)ので、車いすに乗った状態でも作業性や視認性には問題が無い。
【0039】
なお、本実施例ではカバー(外装カバー22)がプリンタ本体21の上部に設けられている例のみ説明したが、本発明ではカバーの設置位置が画像形成装置本体の上部に限定されるわけではない。本発明は、画像形成装置本体の側面側や、上面と側面との間に斜めに設けられるカバー等々種々のタイプのカバーに関して実施できる。以下の実施例においても同様である。
【0040】
<実施例2>
本発明を上述実施例1では、画像形成装置として、タンデム方式を採用したフルカラー画像を形成可能なカラープリンタについて説明してきたが、本発明は、タンデム式の画像形成装置だけでなく、またカラー画像形成装置だけでもなく、タンデム式以外のものや、またモノクロプリンタ等の画像形成装置であっても、実施例1と同様に消耗品収納容器を画像形成装置本体に装着して使用するタイプの装置であれば適用できる。
【0041】
<実施例3>
また本発明は、既に述べてきたが、図14に示すようなインクカートリッジタイプの消耗品収納容器でも同様に実施できる。なお図14で、符号30はインクカートリッジ、320は消耗品収納部であるインク収納部(図の例は図示は省略するが薄い箱形状である。ただし、インクカートリッジあるいはインク袋タイプの消耗品容器でも、図示の形状、構造のものに限定されず、種々の形状のものを本発明の対象とし得る)、310は装着部である。もちろん装着部310の形状、構造も同様に種々のものを対象とし得る。
【符号の説明】
【0042】
2:ボトル収容部
3(3Y、3M、3C、3K):トナーボトル
20:カラープリンタ
21:プリンタ本体
22:上部カバー
23:固定カバー
23a:固定カバーの側部(側部固定カバー)
23b:側部固定カバーと上部カバーとの境をなす立側面
24:操作部
24a:トナーボトルの交換を促す表示
25:操作部カバー
26:用紙の排紙口
27:通風スリット
28:凹部
29:プリンタ本体側の装着部
30:インクカートリッジ
30x:インクカートリッジのインク収納部
30y:インクカートリッジの装着部
31、31A:トナーボトルの装着部
32:トナーボトルのボトル部分
33:トナー補給口
33A:トナー排出口
34、34A:シャッタ部材
39:保管用のシール
310:インクカートリッジの装着部
320:インクカートリッジのインク収納部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2006−113482号公報
【特許文献2】特開2006−251346号公報
【特許文献3】特開2003−316139号公報
【特許文献4】特開2003−076123号公報
【特許文献5】特開2009−008698号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体または液体あるいは液状体である消耗品を収納可能な消耗品収納容器を少なくとも一つ交換可能に装着して用いる画像形成装置において、
前記消耗品収納容器は、
収納した消耗品の色を外部から視認可能な透明または半透明部を有する消耗品収納部と、
前記画像形成装置本体に装着し、かつ該画像形成装置本体に収納した消耗品を供給する装着部を有し、
前記画像形成装置本体は、
前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持し、また前記装着部を保持する第1の保持部と、
前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持する第2の保持部と、
開閉可能なカバーとを有し、
該カバーを開いた状態で、
前記第1の保持部に前記装着部を挿入して前記消耗品収納部の前記装着部を保持させ、かつ外部から視認できないように前記装着部の周囲を覆うとともに、
前記第2の保持部は前記画像形成装置本体の外部から前記消耗品収納容器の消耗品収納部の前記透明または半透明部を通して収納した消耗品の色を視認可能とした
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記第1の保持部、前記第2の保持部、及び前記カバーを前記画像形成装置本体の上部に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体が、前記消耗品収納容器の前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記固定カバー部と前記カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記消耗品収納容器が配される部位を覆うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に前記消耗品収納容器を複数本装着可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記カバーを開放するための回転軸の長手方向が、前記消耗品収納容器の長手方向と同方向であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記カバーを上方に開いた状態で、前記消耗品収納容器の上方および該消耗品収納容器の挿入方向で後側が空間となっている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置本体の上部カバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つトナーボトルを交換可能に配設するための画像形成装置において、
前記上部カバーが、前記トナーボトルに収納したトナーの色を視認可能なボトル部分の全体あるいはほぼ全体を外部から視認可能に露出させる寸法を有するとともに、
前記トナーボトルの前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を前記画像形成装置本体が備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
前記固定カバー部と前記上部カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記トナーボトルが配される部位を覆っていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
前記トナーボトルが片側にのみ前記装着部を有し、前記固定カバー部が該装着部を覆っていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10から12のいずれかの画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に前記トナーボトルを複数本装着可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置。
【請求項15】
請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置。
【請求項1】
粉体または液体あるいは液状体である消耗品を収納可能な消耗品収納容器を少なくとも一つ交換可能に装着して用いる画像形成装置において、
前記消耗品収納容器は、
収納した消耗品の色を外部から視認可能な透明または半透明部を有する消耗品収納部と、
前記画像形成装置本体に装着し、かつ該画像形成装置本体に収納した消耗品を供給する装着部を有し、
前記画像形成装置本体は、
前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持し、また前記装着部を保持する第1の保持部と、
前記消耗品収納容器の消耗品収納部を保持する第2の保持部と、
開閉可能なカバーとを有し、
該カバーを開いた状態で、
前記第1の保持部に前記装着部を挿入して前記消耗品収納部の前記装着部を保持させ、かつ外部から視認できないように前記装着部の周囲を覆うとともに、
前記第2の保持部は前記画像形成装置本体の外部から前記消耗品収納容器の消耗品収納部の前記透明または半透明部を通して収納した消耗品の色を視認可能とした
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記第1の保持部、前記第2の保持部、及び前記カバーを前記画像形成装置本体の上部に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体が、前記消耗品収納容器の前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記固定カバー部と前記カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記消耗品収納容器が配される部位を覆うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に前記消耗品収納容器を複数本装着可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記カバーを開放するための回転軸の長手方向が、前記消耗品収納容器の長手方向と同方向であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記カバーを上方に開いた状態で、前記消耗品収納容器の上方および該消耗品収納容器の挿入方向で後側が空間となっている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置本体の上部カバーを開放したときに外部から視認可能に少なくとも一つトナーボトルを交換可能に配設するための画像形成装置において、
前記上部カバーが、前記トナーボトルに収納したトナーの色を視認可能なボトル部分の全体あるいはほぼ全体を外部から視認可能に露出させる寸法を有するとともに、
前記トナーボトルの前記画像形成装置本体への装着部を覆って外部から視認できないようにする固定カバー部を前記画像形成装置本体が備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
前記固定カバー部と前記上部カバーとにより、前記画像形成装置本体の上面のうち下側に前記トナーボトルが配される部位を覆っていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
前記トナーボトルが片側にのみ前記装着部を有し、前記固定カバー部が該装着部を覆っていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10から12のいずれかの画像形成装置において、
前記画像形成装置本体に前記トナーボトルを複数本装着可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるタンデム方式のフルカラー画像形成装置。
【請求項15】
請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置であるモノカラー画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−18385(P2012−18385A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86838(P2011−86838)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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