説明

画像形成装置

【課題】簡易な構成により電子部品の損傷を防止することができる。
【解決手段】線バネ43は、保持フレーム42に固定されており、基板411の上方であって、左右方向における基板411の一端から他端まで、左右方向に直線状に延びている。
そして、線バネ43を折り曲げて、保持フレーム42から突出するように形成され、サイドフレーム151と接触する接点部431が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光部が配列された露光部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発光部(例えば、LED)が配列された露光部材を適宜明滅することにより感光体ドラムを露光して静電潜像を形成する画像形成装置として、LEDアレイヘッドと、LEDアレイヘッドの上方に設けられ、LEDアレイヘッドを支持する支持フレームと、LEDアレイヘッドと支持フレームとの間に設けられた板状の金属製のプレート部材とを備えたものが知られている。
【0003】
LEDアレイヘッドは、多数のLEDが配列された基板、LEDから発光した光を感光体ドラムに集光するレンズアレイおよびLEDアレイとレンズアレイとを支持するヘッドフレームを備えている。ヘッドフレームは、上部が開口した樹脂製の筐体である。また、ヘッドフレームの両側壁には、板バネが固定されている。この板バネは、支持フレームがLEDアレイヘッドを支持する状態では、LEDアレイヘッドと支持フレームとの間に配置され、プレート部材と接触するように構成されている。
【0004】
支持フレームは、樹脂により形成されているとともに、その支持フレームの両側壁には線バネが固定されている。この線バネは、支持フレームがLEDアレイヘッドを支持する状態では、板バネと接触するように構成されている。また、線バネは、装置本体に設けられる金属フレームとも接触するように構成されている。
【0005】
ところで、上述の画像形成装置を動作させると、画像形成装置内には静電気が発生する。その静電気が基板の電子部品を損傷しないように、基板の上方に配置されているプレート部材に静電気を集中させ、そのプレート部材を板バネと接触させ、さらにその板バネが線バネと接触し、線バネが金属フレームと接触する構成にすることで、プレート部材に集中された静電気を、金属フレームを介してグラウンドに逃がすようにしている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−54584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の構成では、板バネ、線バネおよび金属フレームの複数の部材の内、1つでも部材間の接触不良があると、プレート部材を電気的に接地することができず、静電気により電子部品が損傷してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成により電子部品の損傷を防止することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、感光体ドラムと、基板上に配列された複数の発光部を有し、前記感光体ドラムに静電潜像を形成する発光部材と、樹脂により形成され、その発光部材を保持するケーシングとを有する露光部材と、前記基板の近傍に配置され、導電性材料により形成された導通部材と、金属材料からなる本体フレーム
とを備えた画像形成装置であって、前記導通部材は、前記基板の長手方向の一端から他端まで、前記長手方向に沿ってワイヤ状に延びて形成されているとともに、少なくとも前記導通部材の一端が前記本体フレームと接触して電気的に接地されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導通部材は、前記基板の外周縁よりも外方側に配置されるとともに、前記基板を囲むように配置されたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記導通部材の両端部は、前記本体フレームと接触して電気的に接地されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記本体フレームには、第1係合部が設けられ、前記露光部材には、前記第1係合部と係合可能な第2係合部が設けられるとともに、前記導通部材の両端部は、バネ性を有しており、前記導電部材は、前記導通部材が前記本体フレームと接触して電気的に接地されている状態において、前記導電部材の付勢力に基づいて第1係合部と第2係合部とが係合することで、本体フレームに対して付勢方向における前記露光部材の位置決を行うことを特徴としている。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記導通部材は、ステンレス製であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、導通部材は、基板の長手方向の一端から他端まで、長手方向に沿って延びるワイヤ状に形成されているとともに、少なくとも導通部材の一端が本体フレームと接触して電気的に接地されている。このような構成により、導通部材は、本体フレームのみに接触して電気的に接地されているため、導通部材を簡単な構成にできるとともに、導通部材の接地を確実に実現することができる。即ち、単部品である導通部材を本体フレームに接触させることによって電気的に接地しているため、導通部材を複数の部材を介して本体フレームと接触させて電気的に接地するよりも、接触不良によって起こる接地不良が起こらない。その結果、簡単な構成により電子部品の損傷を防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、導通部材は、基板の外周縁よりも外方側に配置されるとともに、基板を囲むように配置されている。このような構成により、基板の外周縁よりも外方から静電気を帯びた物体が接近する場合に、静電気が基板に到達する前に導通部材に伝わる。その結果、電子部品の損傷を防止することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、導通部材の両端部は、本体フレームと接触して電気的に接地されているため、導通部材の両端部から静電気を確実に逃がすことができる。これにより、電子部品の損傷を防止することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、導電部材は、導通部材が電気的に接地されている状態において、導電部材の付勢力に基づいて第1係合部と第2係合部とが係合することで、本体フレームに対して付勢方向における露光部材の位置決を行う。このような構成により、導通部材が電気的に接地される時に、本体フレームに対する露光部材の位置決めも同時にすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明によれば、導通部材は、ステンレス製であるため、導通部材にウィスカが発生しない。その結果、静電気がウィスカを伝わって基板に流れることを防止でき、電子部品の損傷を更に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】カラーレーザプリンタの概略構成を示す側断面図
【図2】アッパーカバーを開けたときの状態を示す説明図
【図3】図1におけるLEDユニットを前側の左斜め上方向から見たときの分解斜視図
【図4】図3におけるLEDユニットを組み立て後、前側から見たときの模式図
【図5】アッパーカバーが開位置にあるときの線バネの接地状態を説明する説明図
【図6】(a)図1におけるLEDユニットの前側の右斜め上方向から見たときの左側端部の拡大図、(b)図1におけるLEDユニットの後側の斜め下方向から見たときの左側端部の拡大図
【図7】LEDヘッドにおける線バネと基板との関係を説明する説明図
【図8】図1におけるサイドフレーム(左側)の凹部を上方からみた模式図
【図9】LEDユニットとサイドフレームとの位置決めを説明する説明図
【図10】変形例の線バネと基板との関係を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態である画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1の概略構成を示す側断面図である。
【0021】
以下の説明において、特に説明がない限り図1に示した上下方向を上下、図1における右側を後、左側を前、紙面の奥側を左、紙面の手前側を右として、各方向を示す。ここでの方向は、レーザプリンタ1の手前に立った者から見た方向を基準として規定してある。
【0022】
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、本体筐体10を備え、本体筐体10内において、用紙を画像形成部30へ供給する給紙部20と、給紙された用紙に画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙を排紙する排紙部90とを備えている。
【0023】
本体筐体10の上部には、開口部11が形成されている。そして、開口部11は、本体筐体10に回動可能に支持されるアッパーカバー12によって開閉されるようになっている。(図2参照)
アッパーカバー12は、ヒンジ121を支点として、開口部11を覆う位置(閉位置)および開口部11を露出させる位置(開位置)に上下に回動自在に設けられている。
【0024】
アッパーカバー12の上面は、本体筐体10から排紙された用紙を蓄積する排紙トレイ13となっている。また、
アッパーカバー12の下面には、図2に示すように、金属製の金属板12aと、後述するLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材14とが設けられている。
【0025】
金属板12aは、導電ケーブル12bを介して後述するサイドフレーム151に電気的に接地されている。
【0026】
また、本体筐体10内には、後述する各プロセスカートリッジ50を着脱自在に収容する本体フレーム15が設けられている。本体フレーム15は、左右に一対設けられた本体フレームの一例としての金属製のサイドフレーム151(片側のみ図示)と、一対のサイドフレーム151を連結する一対のクロスメンバー152とで構成されている。この本体フレーム15は、本体筐体10に固定されている。
【0027】
サイドフレーム151は、後述するLEDヘッド41のLEDアレイ412の配列方向(左右方向または長手方向)の両側に配置され、感光ドラム51を位置決めする部材である。また左側のサイドフレーム151には、図2に示すように、左方向に凹んだ凹部151bが形成されている。この凹部151bは、アッパーカバー12が閉位置のときに、LEDユニット40の左側端部を収容する。
【0028】
(1)給紙部
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、本体筐体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙ローラ22、分離ローラ23および分離パッド24を備えている。
【0029】
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ内の用紙が、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、画像形成部30に供給される。
【0030】
(2)画像形成部
画像形成部30は、露光部材の一例としての4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とから主に構成されている。
【0031】
(2−1)LEDユニット
LEDユニット40は、LED取付部材14に対して揺動可能に連結されている。なお、LEDユニット40の構成については後ほど詳細に説明をする。
【0032】
(2−2)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー12と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、静電潜像が形成される感光体ドラム51や、帯電器52、現像ローラ53、トナーを収容するトナー収容室54などを備えている。
【0033】
なお、各プロセスカートリッジ50は、トナー収容室に収容されるトナーの色が相違するのみであり、構成は同一である。
【0034】
(2−3)転写ユニット
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を主に備えている。
【0035】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルトを挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0036】
(2−4)定着ユニット
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラと対向配置され加熱ローラを押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0037】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光体ドラム51の表面が、帯電
器により一様に帯電された後、各LEDユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラよりトナーが供給されることで、感光体ドラム51上にトナー像が担持される。
【0038】
搬送ベルト73上に供給された用紙が各感光体ドラム51と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に形成されたトナー像がK、Y、M、Cの順に用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0039】
(3)排紙部
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、前方に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙は、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
【0040】
<LEDユニット40の詳細な構成>
次にLEDユニット40の詳細な構成について、図3〜図9を用いて、説明をする。
【0041】
図3は、図1におけるLEDユニット40を前側の左斜め上方向から見たときの分解斜視図であり、図4は、図3におけるLEDユニット40を組み立てた後、前側から見たときの模式図であり、図5は、アッパーカバー12が開位置にあるときの線バネ43の接地状態を説明する説明図であり、図6(a)は、図1におけるLEDユニット40の前側の右斜め上方向から見たときの左側端部の拡大図であり、図6(b)は、図1におけるLEDユニット40の後側の斜め下方向から見たときの左側端部の拡大図であり、図7は、LEDヘッド41における線バネ43と基板411との関係を説明する説明図であり、図8は、図1におけるサイドフレーム151(左側)の凹部151bを上方からみた模式図であり、図9は、LEDユニット40とサイドフレーム151との位置決めを説明する説明図である。
【0042】
LEDユニット40は、図3に示すように、LEDヘッド41と、LEDヘッド41を保持する保持フレーム42とを有している。
【0043】
(LEDヘッド41について)
LEDヘッド41は、図4に示すように、基板411に多数のLEDを配列して構成された発光部材の一例としての複数のLEDアレイ412と、基板411を支持するケーシングの一例としてのヘッドフレーム413と、各LEDアレイ412から出射された光を感光体ドラム51上に結像させるレンズアレイ414とを備えている。
【0044】
LEDアレイ412は、図4に示すように、左右方向において、基板411の下面に所定の画素のピッチに応じて配列されている。また、基板411の上面には、LEDを発光させるための電子部品60(例えば、電極、コンデンサなど)が配列されている。
【0045】
ヘッドフレーム413は、図3に示すように左右方向に長い長尺形状であり、上面が開口した形状を有している。またヘッドフレーム413は、樹脂により形成されており、基板411、LEDアレイ412およびレンズアレイ414を支持している。
【0046】
レンズアレイ414は、図4に示すように、左右方向に長い長尺状に形成されている。レンズアレイ414は、上下方向においてLEDアレイ412と所定の間隔をあけて配置
され、ヘッドフレーム413の下面から下方に突出するようにヘッドフレーム413に固定されている。
【0047】
(保持フレーム42について)
保持フレーム42は、図4に示すように、樹脂により形成され、左右方向に延びるベース部421と、ベース部421の両端から下方に延出する一対の延出部422とを有している。
【0048】
ベース部421の上面420aの両端部には、図3に示すように、下方に凹むコイルバネ収容穴421aが形成されている。コイルバネ収容穴421a内には、保持フレーム42を感光体ドラム51に向けて押圧するためのコイルバネ421bが配置されている。
【0049】
コイルバネ421bの上端部は、LEDユニット40がLED取付部材14に取り付けられている状態で、アッパーカバー12に設けられた金属板12aと接触する構成となっている(図4参照)。
【0050】
ベース部421の下面には、下方向へ突出するボス421fが形成されている。このボス421fは、基板411に形成された穴411aに圧入される。これにより、LEDヘッド41は保持フレーム42に保持された状態となる。
【0051】
ベース部421の前側側面420bの左側端部には、図6(a)に示すように、第2係合部の一例としての溝部421cが形成されている。
【0052】
溝部421cは、下方が開放された、コ字形状に形成されている。この溝部421cは、後述するように、LEDユニット40とサイドフレーム151との位置決めを行う時に、サイドフレーム151に設けられた突起部151aと係合するように構成されている。
【0053】
またベース部421の後側側面420cの左側端部には、図6(b)に示すように、後述する線バネ43と係合することで、線バネ43を保持フレーム42に固定する突部421eが形成されている。またこの突部421eは、図示しないが、ベース部421の後側側面420cの右側端部にも形成されている。
【0054】
延出部422は、図4に示すように、その下端部にガイドローラ422aを有している。このガイドローラ422aは、感光体ドラム51の周面に接触して転がることで、LEDユニット40と感光体ドラム51との位置関係を規定するものである。より具体的には、LEDアレイ412と感光体ドラム51の周面との距離(間隔)を規定している。
【0055】
(線バネについて)
ヘッドフレーム413と保持フレーム42との間には、図4に示すように、導通部材の一例としての線バネ43が配置されている。
【0056】
線バネ43は、図6(b)に示すように、保持フレーム42の突部421eと係合することで保持フレーム42に固定されている。また線バネ43は、図7に示すように、基板411の上方であって、左右方向(基板411の長手方向)における基板411の一端から他端まで、直線状に延びている。線バネ43は、コイルバネ421bの下端部と接触するように設けられている(図4参照)。また線バネ43は、ステンレス製である。
【0057】
線バネ43の両端部には、図4に示すように、線バネ43を折り曲げて、保持フレーム42から突出するように形成され、サイドフレーム151と接触する接点部431が設けられている。
【0058】
<線バネ43の接地の状態>
次に、線バネ43の接地の状態について、説明をする。
【0059】
線バネ43は、図1のようにアッパーカバー12が閉位置にあるときには、図4に示すように、線バネ43の接点部431がサイドフレーム151と接触する。これにより、線バネ43は、サイドフレーム151を介して電気的に接地されている。
【0060】
また、線バネ43は、コイルバネ421bと接触し、コイルバネ421bが金属板12aと接触し、金属板12aが導電ケーブル12bを介してサイドフレーム151と接触している。これにより、線バネ43は、コイルバネ421b、金属板12a、導通ケーブル12bおよびサイドフレーム151を介して電気的に接地されている。
【0061】
一方、線バネ43は、図2のようにアッパーカバー12が開位置にあるときには、図5に示すように、接点部431がサイドフレーム151と接触してないが、コイルバネ421b、金属板12a、導通ケーブル12bおよびサイドフレーム151を介して電気的に接地されている。
【0062】
このように、アッパーカバー12が開位置または閉位置のどちらの位置にあっても、線バネ43がサイドフレーム151を介して電気的に接地されているため、静電気による基板411上の電子部品60の損傷を防止できる。
【0063】
<LEDユニット40とサイドフレーム151との位置決めの仕方>
次に、LEDユニット40とサイドフレーム151との位置決めについて、説明をする。
【0064】
サイドフレーム151には、図8に示すように、サイドフレーム151から右方向に延びて形成された突出部151cが設けられている。
【0065】
突出部151cには、図9に示すように、上方に延びて形成されており、溝部421cと係合する第1係合部の一例としての突起部151aが設けられている。
【0066】
図9(a)に示すように、アッパーカバー12が開位置にある場合(図2参照)、線バネ43の接点部431は、サイドフレーム151と接触していない。また、溝部421cは、突起部151aと係合する位置まで移動していない状態である。
【0067】
そして、図9(b)のように、ユーザが、アッパーカバー12を開位置から閉位置に移動させる途中で、線バネ43の接点部431がサイドフレーム151と接触をする。それと同時に、溝部421cは、サイドフレーム151の突起部151aと係合する位置に移動する。
【0068】
そして、さらにユーザがアッパーカバー12を閉位置に近づけると、図9(c)に示すように、線バネ43は、LEDユニット40を右方向に付勢する。このとき、LEDユニット40は、溝部421cの左側面421dと突起部151aの左側面151dとが接触するため、左右方向への移動が規制される。これにより、LEDユニット40の左右方向への位置決めが完了する。
【0069】
このように、線バネ43は、線バネ43の付勢力に基づいて、突起部151aと溝部421cとを接触させることで、サイドフレーム151に対する左右方向におけるLEDユニット40の位置決めを行う。
【0070】
<作用・効果>
以上のように構成されたカラーレーザプリンタ1の作用・効果について説明をする。
【0071】
線バネ43は、基板411の左右方向の一端から他端まで、左右方向に沿ってワイヤ状に延びて形成され、線バネ43の接点部431がサイドフレーム151に接触して電気的に接地されている構成なので、線バネ43に複数の部材を接触させてサイドフレーム151と接触させて電気的に接地するよりも、接触不良によって起こる接地不良が抑制される。
【0072】
つまり、線バネ43を簡単な構成にできるとともに、線バネ43の接地を確実に実現することができる。
【0073】
その結果、線バネ43が静電気に起因する電子部品60の損傷を防止することができる。
【0074】
また、線バネ43の両端部の接点部431は、サイドフレーム151と接触して電気的に接地されている構成なので、線バネ43は両方の接点部431から静電気を確実に逃がすことができる。これにより、電子部品60の損傷を防止することができる。
【0075】
線バネ43は、接点部431がサイドフレーム151と接触した状態において、線バネ43の付勢力に基づいてLEDユニット40を保持フレーム42の中央側に移動させて、サイドフレーム151に設けられた突起部151aの左側面151dとベース部421に設けられた溝部421cの左側面421dとを接触させることで、サイドフレーム151に対して左右方向におけるLEDユニット40の位置決めを行う。
【0076】
このような構成により、線バネ43がサイドフレーム151を介して電気的に接地される時に、サイドフレーム151に対するLEDユニット40の位置決めも同時に行うことができる。
【0077】
線バネ43は、ステンレス製であるため、線バネ43にウィスカが発生しない。その結果、静電気がウィスカを伝わって基板411に流れることを防止でき、電子部品60の損傷を更に防止することができる。
【0078】
<変形例>
線バネ43は、基板411の上方であって、左右方向における基板411の一端から他端まで、左右方向に直線的に延びている構成であったが、線バネ43が、基板411上の電子部品60の周囲を囲むように配置されていても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、線バネ43の両端部の接点部431は、サイドフレーム151と接触して電気的に接地されている構成であったが、少なくとも線バネ43の一端部の接点部が、サイドフレーム151と接触して電気的に接地されている構成であっても、線バネ43の接地を確実に実現することができる。
【0080】
また、線バネ43は、基板411の上方であって、左右方向における基板411の一端から他端まで、左右方向に直線的に延びている構成であったが、図10に示すように、線バネ43は、基板411の外周縁411bよりも外方側に配置されるとともに、基板411を囲むように配置されていてもよい。
【0081】
より具体的には、線バネ43は、基板411の外周縁411bよりも基板411の外側であって、左右方向に直線的に延びる第1線バネ43aと、基板411の縁よりも基板411の外側であって、基板411の縁を囲むようにコ字状に曲げられた第2線バネ43bとを有し、第1線バネ43aと第2線バネ43bとは、半田付けされている。また、第1線バネおよび第2線バネは、ヘッドフレーム413の外周縁上に固定されている。
【0082】
このような構成により、基板411の外周縁よりも外方から静電気を帯びた物体が接近する場合に、静電気が基板411に到達する前に線バネ43に伝わり、サイドフレーム151を介して接地されることで、基板411上の電子部品60が損傷することを防止できる。
【0083】
また、溝部421cは、保持フレーム42のベース部421に設けられていたが、ヘッドフレーム413の端部に設けられていても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
1・・・カラーレーザプリンタ、10・・・本体筐体、30・・・画像形成部、11・・・開口部、12・・・アッパーカバー、14・・・LED取付部材、15・・・本体フレーム、151・・・サイドフレーム、151a・・・突起部、151b・・・凹部、151c・・・突出部、40・・・LEDユニット、41・・・LEDヘッド、42・・・保持フレーム、411・・・基板、412・・・LEDアレイ、413・・・ヘッドフレーム、414・・・レンズアレイ、421・・・ベース部、421a・・・コイルバネ収容穴、421b・・・コイルバネ、421c・・・溝部、421e・・・突部、422・・・延出部、422a・・・ガイドローラ、43・・・線バネ、431・・・接点部、51・・・感光体ドラム、60・・・電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、
基板上に配列された複数の発光部を有し、前記感光体ドラムに静電潜像を形成する発光部材と、樹脂により形成され、その発光部材を保持するケーシングとを有する露光部材と、
前記基板の近傍に配置され、導電性材料により形成された導通部材と、
金属材料からなる本体フレームとを備えた画像形成装置であって、
前記導通部材は、
前記基板の長手方向の一端から他端まで、前記長手方向に沿ってワイヤ状に延びて形成されているとともに、少なくとも前記導通部材の一端が前記本体フレームと接触して電気的に接地されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記導通部材は、
前記基板の外周縁よりも外方側に配置されるとともに、前記基板を囲むように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記導通部材の両端部は、前記本体フレームと接触して電気的に接地されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体フレームには、第1係合部が設けられ、前記露光部材には、前記第1係合部と係合可能な第2係合部が設けられるとともに、前記導通部材の両端部は、バネ性を有しており、
前記導電部材は、
前記導通部材が前記本体フレームと接触して電気的に接地されている状態において、前記導電部材の付勢力に基づいて第1係合部と第2係合部とが係合することで、本体フレームに対して付勢方向における前記露光部材の位置決を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記導通部材は、
ステンレス製であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−3143(P2012−3143A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139665(P2010−139665)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】