説明

画像形成装置

【課題】印刷ジョブを連結して両面印刷を行うとき、その印刷物を読みやすくする。
【解決手段】画像形成装置は、印刷ジョブを入力するためのジョブ入力部と、複数の印刷ジョブを記憶する記憶部と、複数の印刷ジョブを連結し両面印刷を行う連結両面印刷の設定を受け付ける入力部と、連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される印刷ジョブのうち、少なくとも1つの印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、連結両面印刷でのページの配置を行う配置処理部と、配置処理部が行ったページの配置に基づき印刷を行う画像形成部と、片面印刷済みの用紙を再度、画像形成部に送り込む両面印刷機構と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ジョブを1つに連結して印刷を行う複写機、複合機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置は、印刷ジョブをそれぞれ別個に印刷する。そのため、使用者にとって不便な場合がある。例えば、後処理装置でのステイプルは、印刷ジョブごとに行われ複数の印刷ジョブをまとめてステイプルできない。又、両面印刷する場合、印刷ジョブのページが奇数ページであると、1ページは片面しか印刷されず、片面印刷の用紙に、他の印刷ジョブのページを詰めて印刷することができない。これらを解決するため、複数のドキュメントを1つのドキュメントと扱う画像形成装置が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、画像を蓄積し出力でき、1つまたは複数の画像を1ドキュメントとして扱うドキュメントハンドリング手段と、複数のドキュメントを結合し、1ジョブとして扱うドキュメント結合手段を有する画像処理システムが記載されている。この構成により、複数のドキュメントを指定順にまとめて1ジョブとして出力し、ステイプル等をまとめて行う、両面出力も同じ用紙サイズの場合は白紙部分をつめて印刷する、複数ドキュメントをまとめて1ジョブとして扱うため、該当ジョブの中断・再開・キャンセル処理が複数のドキュメントに対してなされるため、これら一連の動作が簡単になる、といった効果を得ようとする(特許文献1:請求項1、段落[0087]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−345973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷に用いる用紙を少なくできる、用紙1枚当たりの情報量が増える、といった利点により、両面印刷は、幅広く用いられている。しかし、両面印刷物には、特有の読みづらさがある。例えば、用紙の両面に印刷が行われるので、一面から他面に視点を移すとき、用紙を裏返す必要がある。又、表面と裏面の切替を頻繁に行うので、現在見ているページが表面か裏面か、わかりづらい。又、他ページを参照するとき、表面に印刷されているか、裏面に印刷されているかを確認して探す必要があり、探しづらい。又、今見ているページと、その裏面のページの照らし合わせはできない。
【0006】
尚、特許文献1の記載の発明をみると、連結した印刷ジョブのページを詰めて両面印刷を行うので、両面印刷物の途中には片面印刷のみの用紙は生じない。しかし、特許文献1記載の発明の両面印刷では、結合されるそれぞれ印刷ジョブは、従来どおり用紙の表面と裏面に印刷される。
【0007】
一方で、印刷ジョブの結合は、複数の印刷ジョブに関連性があるためなされる。そのため、複数の印刷ジョブを結合した印刷物では、他ページの参照や、現在見ているページと他ページ照らし合わせは頻繁に行われる。そのため、特許文献1記載の発明では、印刷ジョブを結合した両面印刷物の読みづらさが顕著になるという問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑み、印刷ジョブを連結して両面印刷を行うとき、その印刷物を読みやすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る画像形成装置は、1又は複数ページ分の画像データを含む印刷ジョブを入力するためのジョブ入力部と、複数の前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の前記印刷ジョブを連結し両面印刷を行う連結両面印刷の設定を受け付ける入力部と、前記連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される前記印刷ジョブのうち、少なくとも1つの前記印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、前記連結両面印刷でのページの配置を行う配置処理部と、画像データに基づき、用紙に印刷を行うとともに、前記配置処理部が行ったページの配置に基づき印刷を行う画像形成部と、用紙の両面に印刷するため、片面印刷済みの用紙を再度、前記画像形成部に送り込む両面印刷機構と、を含むこととした。
【0010】
この構成によれば、連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される印刷ジョブうち、少なくとも1つの印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、連結両面印刷でのページの配置がなされる。これにより、使用者は、用紙をひっくり返すことなく、片面印刷の場合と同様に、用紙の一方の面のみで、印刷ジョブの内容を続けて確認することができる。又、現在見ているページが表面か裏面か、わかりづらくなることもない。又、印刷ジョブでの隣合うページの照らし合わせも容易に行える。従って、連結両面印刷物の読みやすさを向上させることができる。
【0011】
尚、本発明の両面印刷物を得るには、従来、設定を行い片面印刷した後、印刷順に注意しつつ再度設定を行い、実行する印刷ジョブとそのページ数や、印刷方向や、用紙詰まりに注意しながら、手差しトレイなどへ片面印刷済み用紙をセットして、未印刷面に印刷を実行するなど、非常な手間、使用者の作業が必要であり、煩わしいものであった。しかし、本発明によれば、多くの手間、作業を省くことができ、簡易に、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記入力部は、前記連結両面印刷での各前記印刷ジョブのページの配置を設定するページ配置設定を受け付け、前記配置処理部は、前記ページ配置設定に基づき、前記連結両面印刷でのページの配置を行うこととした。
【0013】
この構成によれば、入力したページ配置設定に基づき、連結両面印刷でのページの配置が行われる。これにより、使用者は、それぞれの印刷ジョブのページを、両面印刷の表面と裏面のいずれかに、任意に配置することができる。従って、あるページから、他の印刷ジョブのページの参照の関係を考慮しつつ、連結両面印刷物が読みやすくなるように、ページ配置の設定を行うことができる。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記入力部は、前記ページ配置設定として、連結する前記印刷ジョブを自動的に配置させる自動配置設定を受け付け、前記配置処理部は、連結するそれぞれの前記印刷ジョブのページ数を確認し、それぞれのグループのページ数の差が最も少なくなるように、連結するそれぞれの前記印刷ジョブを2つのグループに分け、一方のグループの前記印刷ジョブのページを用紙の表面に配置し、他方のグループの前記印刷ジョブのページを用紙の裏面に配置することとした。
【0015】
この構成によれば、それぞれのグループのページ数の差が最も少なくなるように、連結するそれぞれの印刷ジョブを2つのグループに分け、一方のグループの印刷ジョブのページを用紙の表面に配置し、他方のグループの印刷ジョブのページを用紙の裏面に配置する。これにより、同じ印刷ジョブのページは、用紙の一方の面に並べて印刷されるようにしつつ、自動的に、消費される用紙の枚数も少なくすることができる。従って、使用者は、細かい設定を行うことなく、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0016】
又、請求項4に係る発明は、請求項2又は3の発明において、前記入力部は、前記ページ配置設定として、連結する前記印刷ジョブのうち、関連付ける前記印刷ジョブを設定する関連付け設定を受け付け、前記配置処理部は、前記関連付け設定がなされた各前記印刷ジョブのページが、用紙の表面又は裏面のいずれか一方にまとめて印刷されるように、ページの配置を行うこととした。
【0017】
この構成によれば、関連付け設定がなされた各印刷ジョブのページが、用紙の表面又は裏面のいずれか一方にまとめて印刷されるように、ページの配置がなされる。これにより、印刷ジョブ間の参照の頻度を考慮して関連付けを行えば、自動的に各印刷ジョブのページの配置がなされる。従って、使用者は、細かい設定を行うことなく、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0018】
又、請求項5に係る発明は、請求項2乃至4の発明において、前記入力部は、連結する前記印刷ジョブのうち、用紙の表面に印刷する前記印刷ジョブを選択する入力、及び/又は、用紙の裏面に印刷する前記印刷ジョブを選択する入力を前記ページ配置設定として受け付け、前記配置処理部は、用紙の表面に印刷すると選択された前記印刷ジョブのページが表面に印刷されるようにページを配置し、用紙の裏面に印刷すると選択された前記印刷ジョブのページが裏面に印刷されるようにページを配置することとした。
【0019】
この構成によれば、用紙の表面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが表面に印刷されるようにページが配置される。又、用紙の裏面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが裏面に印刷されるようにページが配置される。これにより、使用者は、いずれの面にどの印刷ジョブを配するかを自由に設定することができる。従って、使用者は、所望する印刷物を得ることができる。
【0020】
又、請求項6に係る発明は、請求項4又は5の発明において、前記配置処理部は、前記入力部になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、印刷に用いる用紙が最小となるように、連結する印刷ジョブのページを用紙の両面に配置して、ページの配置を変更することとした。
【0021】
この構成によれば、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、印刷に用いる用紙が最小となるように、連結する印刷ジョブのページを用紙の両面に配置して、ページの配置を変更する。これにより、連結両面印刷で用いられる用紙の枚数を最小に抑えることができる。従って、連結両面印刷での用紙消費を抑えることができる。例えば、用紙の両面にページが配される印刷ジョブは、関連付けられた印刷ジョブでない印刷ジョブとしてもよい。
【0022】
又、請求項7に係る発明は、請求項4又は5の発明において、前記配置処理部は、前記入力部になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、ページが多い方の面に配する前記印刷ジョブのページのうち一部又は全部のページを、1ページ内に複数ページを集約して、片面のみ印刷される用紙が1枚以下に収まるように、ページを配置することとした。
【0023】
この構成によれば、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、片面のみ印刷される用紙が1枚以下に収まるように、1ページ内に複数ページを集約する。このように集約を行っても、連結両面印刷で用いられる用紙の枚数を最小に抑えることができる。従って、連結両面印刷による用紙の消費増加を抑えることができる。
【0024】
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7の発明において、前記画像形成部は、いずれの前記印刷ジョブかを示す識別符号をページ内に印刷することとした。
【0025】
この構成によれば、いずれの印刷ジョブかを示す識別符号がページ内に印刷される。この識別符号が印刷物に自動的に付されることにより、現在見ているページがどの印刷ジョブのページかを容易に把握することができる。
【0026】
又、請求項9に係る発明は、請求項8の発明において、前記入力部は、前記識別符号を印刷するか否かの設定を受け付け、前記画像形成部は、前記識別符号を印刷すると設定されたとき、前記識別符号をページ内に印刷することとした。
【0027】
この構成によれば、識別符号を印刷すると設定されたとき、識別符号はページ内に印刷される。これにより、使用者は、識別符号を印刷するか否かを選択することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述したように、本発明によれば、印刷ジョブを連結して両面印刷を行うとき、印刷物が読みやすい画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る複合機の一例を示す正面模型的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る操作パネルの一例を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る複合機等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る印刷ジョブボックス画面の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置基本画面の一例を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る連結両面印刷での関連付け設定画面の一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る連結両面印刷の直接指定画面の一例を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態に係る連結両面印刷のページ配置の一例を示す説明図である。
【図11】第1の実施形態に係る連結両面印刷での最小化設定画面の一例を示す説明図である。
【図12】第1の実施形態に係る連結両面印刷のページ配置の一例を示す説明図である。
【図13】第1の実施形態に係る連結両面印刷でのマーキング設定画面の一例を示す説明図である。
【図14】第1の実施形態に係るマーキング位置の一例を示す説明図である。
【図15】第1の実施形態に係る複合機での連結両面印刷の設定の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態に係る集約処理を説明するための説明図である。
【図17】第2の実施形態に係る連結両面印刷のページ配置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図1〜図15を用い、本発明の第1の実施形態を説明する。ここで、画像形成装置として、複合機100を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0031】
(画像形成装置の概略)
図1を用い、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を示す正面模型的断面図である。
【0032】
図1に示すように、複合機100の正面前方には、複合機100に関して各種設定を行うための操作パネル1(入力部に相当)が設けられる(詳細は後述)。又、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、上部に、画像読取部2(ジョブ入力部に相当)と原稿搬送部3が設けられる。又、複合機100は、内部に、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、中間転写部6a、定着部6b、排出搬送部7a(両面印刷機構に相当)、両面搬送路7b(両面印刷機構に相当)等を備える。
【0033】
原稿搬送部3は、読み取る原稿を載置する原稿トレイ31を有する。そして、原稿搬送部3は、原稿トレイ31から原稿を1枚ずつ、自動的に連続して読取位置(送り読取用コンタクトガラス21)に搬送する。又、原稿搬送部3は、図1の紙面奥側を支点として画像読取部2に上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部2のコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス21及び載置読取用コンタクトガラス22)を上方から押さえるカバーとしても機能する。
【0034】
次に、画像読取部2は、図1に示すように、上面に送り読取用コンタクトガラス21と、書籍等の原稿を1枚ずつ読み取る際に原稿を載置する載置読取用コンタクトガラス22が配される。画像読取部2内には、ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等(不図示)が配される。イメージセンサは、送り読取用コンタクトガラス21を通過する原稿、あるいは、載置読取用コンタクトガラス22に載置された原稿の反射光を元に、原稿を読み取る。そして、イメージセンサは、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換し、その後、量子化を行い、原稿の画像データが得られる。尚、本実施形態の画像読取部2は、カラーでも読み取り可能であり、白黒でも読み取り可能である。
【0035】
複合機100本体内の複数の給紙部4aは、それぞれ、各サイズ(例えば、A4、B4等のA型、B型用紙等)、各種用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、厚紙、OHPシート等)を複数枚収容する。各給紙部4aは、それぞれ回転駆動する給紙ローラ41を備え、印刷時、1枚ずついずれかの給紙部4aが搬送路4bに用紙を送り込む。
【0036】
搬送路4bは、給紙部4aから画像形成部5まで装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路4bには、用紙の案内のためのガイド板や、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対42(図2おいて、上方から42a、42b、42cの計3つ)や、搬送される用紙を画像形成部5の手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミングに合わせ用紙を送り出すレジストローラ対43等が設けられる。
【0037】
画像形成部5は、複数の画像形成ユニット50(ブラック用の50Bk、イエロー用の50Y、シアン用の50C、マゼンタ用の50M)と露光装置51を含む。露光装置51は、画像読取部2で読み取られた画像データや後述の記憶部82に記憶される画像データ等に基づき、レーザ光を点消灯しつつ出力し、各感光体ドラムを走査露光する。各画像形成ユニット50は、回転駆動可能に支持された感光体ドラムや、感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、現像装置、清掃装置等を備える。そして、各画像形成ユニット50と露光装置51によって、感光体ドラムの周面上にトナー像が形成される。
【0038】
中間転写部6aは、各画像形成ユニット50からトナー像の1次転写を受け、シートに2次転写を行う。中間転写部6aは、各1次転写ローラ61Bk〜61M、中間転写ベルト62、駆動ローラ63、複数の従動ローラ64(64A〜64C)、2次転写ローラ65、ベルト清掃装置66等を含む。各1次転写ローラ61Bk〜61Mは対応する感光体ドラムと無端状の中間転写ベルト62を挟み込む。転写用電圧が、各1次転写ローラ61Bk〜61Mに印加され、トナー像は中間転写ベルト62に転写される。
【0039】
中間転写ベルト62は、駆動ローラ63等に張架され、モータ等の駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラ63の回転駆動により周回する。又、駆動ローラ63は、2次転写ローラ65とで中間転写ベルト62を挟み込む。各画像形成ユニット50で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト62に1次転写された後、所定の電圧を印加された2次転写ローラ65により、シートに転写される。
【0040】
定着部6bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部6bは、主として、発熱体を内蔵する加熱ローラ67とこれに圧接する加圧ローラ68で構成される。そして、加熱ローラ67と加圧ローラ68のニップ通過により、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。定着部6bから排出された用紙は、排出トレイ71方向に送られる。
【0041】
排出搬送部7aは、印刷済の用紙を排出トレイ71方向又は両面搬送路7b方向に用紙搬送方向を仕分ける。そして、排出搬送部7aは、正回転方向に回転駆動して排出トレイ71方向に送り出す、或いは、両面印刷のため逆回転しスイッチバックを行う排出ローラ対72を有する。
【0042】
又、排出搬送部7aは、用紙の搬送方向を切り替えるため、切替弁73を有する。切替弁73は回動する。切替弁73は、両面搬送路7bを閉じて用紙を排出トレイ71方向に導く位置を基本位置とする。両面印刷のとき、切替弁73は、回動してスイッチバックされた片面印刷済みの用紙を両面搬送路7bに導く。
【0043】
両面搬送路7bは、定着部6bの下流側とレジストローラ対43の上流側とを結ぶ。両面搬送路7bは、両面印刷のため、回転駆動する複数の両面搬送ローラ対74〜76を有し、片面印刷済の用紙を搬送する。
【0044】
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1(入力部に相当)の一例を説明する。図2は本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1の一例を示す平面図である。
【0045】
操作パネル1は、図1に示すように、複合機100の正面上方に設けられ、複合機100の設定や動作指示を与えるためのメニューやキーや複合機100等の状態メッセージ等の各種画像、画面を表示する液晶表示部11を有する。使用者は、液晶表示部11に表示されたキーを押下して、複合機100のコピーにおける各種設定を入力できる。
【0046】
又、液晶表示部11の上面にタッチパネル部12(入力部に相当)が設けられる。タッチパネル部12は、使用者が液晶表示部11を押した部分の位置、座標を検出するためのものである。このタッチパネル部12を用いた検出座標と、液晶表示部11に示される各種キーの位置、座標を比較し、使用者が押下して選択したキーが特定される。尚、タッチパネル部12としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
【0047】
又、操作パネル1には、例えば、以下のようなハードとしてのキー(ボタン)が設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部13(入力部に相当)、コピー等の処理開始指示用のスタートキー14(入力部に相当)、コピー機能を利用する際に押されるコピーキー15、スキャナ機能、FAX機能を利用する際に押される送信キー16、複合機100内に蓄積された印刷ジョブを実行する際に押されるボックスキー17が設けられる(詳細は後述)。このように、操作パネル1には、タッチパネル部12や各種ハードキーが備えられ、複合機100の各機能について、各種設定、モード選択等を行う入力部として機能する。
【0048】
(複合機100等のハードウェア構成)
次に、図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
まず、複合機100の本体側から説明する。複合機100本体内には、本体制御部8(配置処理部に相当)が設けられる。本体制御部8は、例えば、操作パネル1、原稿搬送部3、画像読取部2、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、定着部6b、排出搬送部7a等と接続され、これらの制御を行う。
【0050】
本体制御部8は、例えば、CPU81等の素子を含む。CPU81は記憶部82に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、本体制御部8は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。本説明では、これらの制御部を本体制御部8としてまとめた形態を示し、説明する。
【0051】
記憶部82は、本体制御部8と接続される。記憶部82は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶部82を組み合わせて構成される。記憶部82は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。又、本発明に関し、記憶部82は、画像読取部2で読み取った原稿の1又は複数ページ分の画像データや、外部のコンピュータ200から送信された1又は複数ページ分の画像データを含む印刷ジョブを蓄積、記憶することができる(詳細は後述)。
【0052】
そして、本体制御部8は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えた通信部83(通信用インターフェイス、ジョブ入力部に相当)と接続される。通信部83はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方FAX装置300(図7では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、画像読取部2で得られた画像データを記憶部82に記憶させることや、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0053】
又、例えば、本体制御部8には、画像読取部2で原稿を読み取って得られた画像データや通信部83を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部84が設けられる。画像処理部84が処理した画像データは、例えば、露光装置51に送信され、感光体ドラムの走査・露光に用いられる。
【0054】
画像処理部84は、例えば、画像処理用のASICやワークメモリを含み、拡大、縮小、回転、濃度変換などの各種画像処理を行う。本発明に関し、画像処理部84は、連結両面印刷(印刷ジョブを連結しての両面印刷)を行うとき、連結両面印刷に含まれる各印刷ジョブのページを配置する処理を行う。
【0055】
又、本体制御部8は、操作パネル1と通信可能に接続され、操作パネル1になされた入力を認識し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機100を制御する。本実施形態の操作パネル1は、表示制御部10、メモリ18、液晶表示部11、タッチパネル部12や各種キーを有する。表示制御部10は、CPUやIC等で構成され、液晶表示部11の表示を制御し、タッチパネル部12の出力を受け、液晶表示部11で押下された座標を特定する。タッチパネル部12の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリ18に記憶される。表示制御部10は、押下位置の座標と、各種設定画面の画像データを比較する等により、設定画面上で選択された(押下された)キーを特定、認識する。表示制御部10は、ボックスキー17等の各種ハードキーとも接続され、各種ハードキーが押されたことを認識する。
【0056】
そして、液晶表示部11で表示される画面、画像の画像データは、例えば、操作パネル1内のメモリ18が記憶する。従って、表示制御部10は、液晶表示部11に表示されたキーが押されるごとに、次に表示すべき画面、画像の画像データをメモリ18から読み出す。尚、液晶表示部11が表示する画面、画像の画像データは、例えば、本体側の記憶部82に記憶させてもよい。この場合、操作パネル1は、液晶表示部11で表示を行うための画像データを、本体制御部8を介し記憶部82から受信する。又、操作パネル1には、表示制御部10、メモリ18を設けず、本体側の構成(CPU81や記憶部82)が、表示制御部10やメモリ18の機能を代用しても良い。
【0057】
(記憶された印刷ジョブの実行)
次に、図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での記憶された印刷ジョブを説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブボックス画面91の一例を示す説明図である。
【0058】
上述したように、本実施形態の複合機100の記憶部82は、画像読取部2で読み取った原稿の1又は複数ページ分の画像データや(スキャン機能)、外部のコンピュータ200から送信された1又は複数ページ分の画像データを、印刷ジョブとして蓄積、記憶できる。操作パネル1や、あるいは、コンピュータ200にインストールされたドライバソフトウェアで、記憶部82に記憶する設定がなされると、記憶部82は、画像データの蓄積を行う。このとき、印刷ジョブに対しては、操作パネル1やコンピュータ200で、名称付けを行える。そして、仮想的に印刷ジョブボックスが、記憶部82の記憶領域(例えば、HDDの一部の記憶領域)に設けられる。記憶部82は、印刷ジョブを印刷ジョブボックスに記憶する。
【0059】
使用者は、操作パネル1のボックスキー17を押して、液晶表示部11に印刷ジョブボックス画面91を表示させ得る。この印刷ジョブボックス画面91では、記憶部82に蓄積された印刷ジョブに対する操作を行うことができる。
【0060】
例えば、表示制御部10は、一覧表示領域F1に表示する印刷ジョブの情報を記憶部82や本体制御部8から受け取る。そして、表示制御部10は、印刷ジョブボックス画面91の一覧表示領域F1に、記憶部82に蓄積された印刷ジョブを一覧で液晶表示部11に表示させる。なお、記憶部82に蓄積された印刷ジョブが多数で1画面中に表示しきれない場合、一覧表示領域F1の右方に配されたスクロールバー91aで、スクロールさせ、異なる印刷ジョブを表示させることができる。
【0061】
印刷ジョブボックス画面91では、蓄積された印刷ジョブのうち、操作、処理を行う印刷ジョブを選択することができる。使用者は、操作、処理をしようとする印刷ジョブを押す。そうすると、押された印刷ジョブは、選択状態となる。表示制御部10は、選択状態の印刷ジョブを、例えば、白黒反転状態で表示させ、選択されていることを示す。尚、チェックボックスを設ける等により、白黒反転以外の方法で、印刷ジョブが選択された状態であることが示されてもよい。
【0062】
又、印刷ジョブボックス画面91の下方には、連結両面印刷キーK0、印刷実行キーK1、削除キーK2、閉じるキーK3などが設けられる。連結両面印刷キーK0は、連結両面印刷を行うとき、押す。印刷実行キーK1は、選択した印刷ジョブをそれぞれ個別に印刷するときに押す。削除キーK2は、選択した印刷ジョブを記憶部82から消すときに押す。閉じるキーK3は、印刷ジョブボックス画面91を閉じるとき押す。
【0063】
選択された印刷ジョブと、連結両面印刷キーK0や印刷実行キーK1や削除キーK2が押された旨は操作パネル1の表示制御部10から本体制御部8に伝えられる。そして、本体制御部8は、押されたキーに対応した処理を行う。
【0064】
(連結両面印刷の概要)
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での連結両面印刷の概要を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【0065】
本実施形態の複合機100では、複数の印刷ジョブを連結して、1つの印刷ジョブと扱ったうえで、両面印刷を行うことができる(連結両面印刷)。そして、本実施形態の連結両面印刷では、用紙の一方の面に、同じ印刷ジョブのページを順番に配する点で、従来の印刷ジョブを結合した両面印刷と異なる。
【0066】
図5は、図4の印刷ジョブボックス画面91で、Aと名付けられた印刷ジョブ(以下、「印刷ジョブA」と称する)と、Bと名付けられた印刷ジョブ(以下、「印刷ジョブB」と称する)と、Cと名付けられた印刷ジョブ(以下、「印刷ジョブC」と称する)と、Dと名付けられた印刷ジョブ(以下、「印刷ジョブD」と称する)と、が選択され、連結両面印刷キーK0が押されたときのページ配置の一例を示している。
【0067】
尚、図5での矩形は、用紙を示し、矩形内の数字は、先頭からの用紙枚数を示す。又、「A−n(nは整数)」、「B−n(nは整数)」、「C−n(nは整数)」、「D−n(nは整数)」の表示でのアルファベットは、印刷ジョブの種類を示し、nは、該当印刷ジョブにおけるページを示している(以下の図でも同様)。
【0068】
図5に示すように、本実施形態の連結両面印刷では、本体制御部8(画像処理部84)は、用紙の同じ面に、同じ印刷ジョブのページが順番に配されるように、ページの配置を行う。例えば、連結両面印刷を行うと、印刷ジョブA(全3ページ)の1ページ目〜3ページ目と、印刷ジョブC(全5ページ)の1ページ目〜5ページ目が、用紙の表面に印刷される。又、印刷ジョブB(全6ページ)の1ページ目〜6ページ目と、印刷ジョブD(全2ページ)の1ページ目、2ページ目が、用紙の裏面に印刷される。
【0069】
これにより、印刷ジョブに含まれるページが用紙の一方の面に印刷され、見やすい書類、資料を作成できる。そこで、連結両面印刷機能を用いる上での細かな設定について、以下に説明してゆく。
【0070】
(連結両面印刷での設定・関連付け設定)
次に、図6〜図8を用いて、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での設定の一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での基本画面92の一例を示す説明図である。図7は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での関連付け設定画面93の一例を示す説明図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【0071】
まず、図6は、連結両面印刷で、連結する各印刷ジョブのページ配置の設定を行ううえでの基本画面(基本画面92)である。この基本画面92では、ページ配置の設定方法を選択できる。例えば、ページ配置の設定方法を定めるためのキーとして、自動キーK4と、関連付けキーK5と、直接指定キーK6が配される。
【0072】
まず、自動キーK4が押されると、本体制御部8は、連結両面印刷すると選択された各印刷ジョブのページ数を確認し、できるだけ合計ページ数が等しくなるように、選択された印刷ジョブを2つに分ける。そして、本体制御部8(画像処理部84)は、選択された印刷ジョブについて、用紙の同じ面に、同じ印刷ジョブのページが順番に配されるように、ページの配置を行う。例えば、上述の印刷ジョブA〜Dが選択されたとき、本体制御部8は、図5に示すように、自動的にページを配置する。
【0073】
そして、関連付けキーK5は、関連づけしたページを自動的に配置するときに押される。図7は、図6の基本画面92で関連付けキーK5が押されたときに表示される関連付け設定画面93の一例を示す。使用者は、関連付けする印刷ジョブを押して指定する。表示制御部10は、関連付けしようとして押された印刷ジョブを、白黒反転状態で液晶表示部11に表示させる。図7では、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDを関連付けると設定された状態である。
【0074】
そして、図8は、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDを関連付けたうえで、印刷ジョブを実行したときのページ配置の一例を示す。用紙の一方の面(表面)には、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDのページが印刷される。用紙の他方の面(裏面)には、関連付けられなかった印刷ジョブBのページが印刷される。このように、使用者は、関連付けを行うだけで、各印刷ジョブのページが自動的に配される。従って、印刷ジョブ間の参照の可能性等を考慮しつつ、印刷ジョブを連結させて、簡易に読みやすい資料、書類を作成することができる。
【0075】
(連結両面印刷での設定・直接指定)
次に、図9、図10を用いて、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での設定の一例を説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での直接指定画面94の一例を示す説明図である。図10は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【0076】
使用者は、図6に示した基本画面92で、直接指定キーK6を押し、各印刷ジョブを用紙の表面と裏面のいずれに配置するかを直接指定することができる。そして、図9は、直接指定キーK6が押されたときに表示される直接指定画面94の一例を示す。表示制御部10は、表面に印刷するか、裏面に印刷するかを指定するためのチェックボックスを液晶表示部11に表示させる。図9では、印刷ジョブAと印刷ジョブBを表面に、印刷ジョブCと印刷ジョブDを裏面に印刷すると直接的に指定した状態を示している。
【0077】
そして、図10は、印刷ジョブA、印刷ジョブBを表面に、印刷ジョブCと印刷ジョブDを裏面に印刷すると直接的に指定したうえで、印刷ジョブを実行したときのページ配置の一例を示す。用紙の一方の面(表面)には、印刷ジョブA、印刷ジョブBが、用紙の他方の面(裏面)には、印刷ジョブCと印刷ジョブDが印刷される。このように、印刷ジョブ間の参照の可能性等を考慮しつつ、どの印刷ジョブを用紙のいずれの面に配するかを細かく設定し、印刷ジョブを連結させて、所望するページ配置の資料、書類を作成することができる。
【0078】
(連結両面印刷での用紙枚数最小化)
次に、図11、図12を用いて、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での用紙枚数最小化の一例を説明する。図11は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での最小化設定画面95の一例を示す説明図である。図12は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【0079】
上述したように、関連付けや直接指定により、同じ印刷ジョブのページを用紙の一方の面に印刷を行うことができる。しかし、場合によっては、片面印刷済みの用紙が多く、連結両面印刷に要する用紙枚数が多くなり得る。そこで、本実施形態の複合機100では関連付けや直接指定した後、連結両面印刷での用紙枚数を最小にするか否かの設定を行うための(用紙枚数の)最小化設定画面95を表示する。
【0080】
最小化設定画面95では、表面ページ数表示欄B1と、裏面ページ数表示欄B2が設けられる。表示制御部10は、関連付けや直接指定での設定内容に応じ、表面と裏面の総ページ数を、液晶表示部11に表示させる。印刷ジョブA〜Dを連結両面印刷の対象とし、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDを関連付けたときのページ配置例(図8参照)での表示例を、図11に示している(表面ページ数表示欄B1に10ページ、裏面ページ数表示欄B2に6ページと表示)。
【0081】
そして、最小化設定画面95には、最小化実行キーK7と、非最小化キーK8が設けられる。最小化実行キーK7は、連結両面印刷での用紙枚数を最小化するときに押される。非最小化キーK8は、連結両面印刷での用紙枚数を最小化しないときに押される。そして、最小化実行キーK7が押されると、本体制御部8は、連結両面印刷での配置を、用紙枚数が最小となるように変更する。
【0082】
例えば、図12は、連結両面印刷での用紙枚数の最小化に伴うページ配置の変更例を示している。この変更例を示す図12では、印刷ジョブA〜Dを連結両面印刷の対象とし、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDを関連付けたときのページ配置を最小化した例を示している。
【0083】
図12の上段に示すように、最小化前では、関連付けにより、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDが用紙の表面に印刷され、印刷ジョブBが用紙の裏面に印刷される。計10枚の用紙が消費される。そして、4ページほどが、裏面に印刷がなされない。
【0084】
そして、最小化実行キーK7が押されると、本体制御部8は、連結両面印刷でのページの配置を変更する。例えば、本体制御部8は、印刷ジョブCの一部(印刷ジョブCの4ページ目と5ページ目)を印刷ジョブDの裏面に印刷されるようにページの配置を変更する。このとき、印刷ジョブDを裏面に移動させてもよい。しかし、印刷ジョブDは、印刷ジョブA、印刷ジョブCと関連付けがなされているので、関連付けられた印刷ジョブのページが残るように、印刷ジョブCの一部の配置を移動する。そして、表面で移動させた印刷ジョブCの4ページと5ページの位置に、印刷ジョブDのページを配置する。これにより、全ての用紙の両面に印刷がなされ、片面印刷のみの用紙が1枚以下となり、連結両面印刷で用いる用紙を最も少なくすることができる。
【0085】
尚、上記の例では、印刷ジョブの関連付けを行ったときの最小化を説明した。しかし、用紙の表面と裏面のいずれに配置するかを直接指定したときも、指定にかかわらず、印刷ジョブの一部のページを印刷しようとした方の面から、他面に配置を変更して、最小化が行われてもよい。又、自動キーK4が押され、本体制御部8が連結両面印刷すると選択された各印刷ジョブを、ページ数が等しくなるように2つのグループに分けても、印刷ジョブの枚数によっては、選択された印刷ジョブを一方の面だけに印刷すると、片面印刷のみの用紙が増えることがある(例えば、1つの印刷ジョブだけ、他の印刷ジョブに比べてページ数が非常に多いとき)。そのため、自動キーK4が押され、連結両面印刷すると選択された各印刷ジョブを、ページ数が等しくなるように2つのグループに自動的に分けるときも印刷ジョブの一部のページを印刷しようとした方の面から、他面に配置を変更して、最小化が行われてもよい。
【0086】
(連結両面印刷でのマーキング)
次に、図13、図14を用いて、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷での用紙へのマーキングの一例を説明する。図13は、本発明の第1の実施形態に係る連結両面印刷でのマーキング設定画面96の一例を示す説明図である。図14は、本発明の第1の実施形態に係るマーキング位置の一例を示す説明図である。
【0087】
上述したように、自動設定や、関連付けや、直接指定により、同じ印刷ジョブのページを用紙の一方の面に印刷を行うことができる。そして、識別符号(識別用の符号)を印刷すると、どの印刷ジョブであるかがわかりやすくなる。そこで、本実施形態の表示制御部10は、関連付けや直接指定した後、連結両面印刷での用紙の各面に識別符号を付すか(マーキングを行うか)を設定するためのマーキング設定画面96を液晶表示部11する。
【0088】
識別符号としては、印刷ジョブの名称や、印刷ジョブの区別を示す、アルファペット、数字、記号、図柄、模様を用いることができる。例えば、本体制御部8は、印刷ジョブごとに、用いるアルファベットを変更し、とする。例えば、本体制御部8は、印刷ジョブAのページには「A」を余白Wに印刷させ、印刷ジョブBのページには「B」を余白Wに印刷させる。又、数字を識別符号(マーク)として用いるならば、本体制御部8は、印刷ジョブAのページには「1」を余白Wに印刷させ、印刷ジョブBのページには「2」を余白Wに印刷させる。例えば、記号を識別符号(マーク)として用いるならば、本体制御部8は、印刷ジョブAのページには「○」を余白Wに印刷させ、印刷ジョブBのページには「□」を余白Wに印刷させる。尚、同じ印刷ジョブに同じ識別符号を付し、印刷ジョブの差を区別できればよく、識別符号として、印刷ジョブの名称、アルファベット、数字、記号、図柄、模様のいずれを用いるかは自由であり、又、組み合わせて用いてもよい。
【0089】
そして、マーキング設定画面96には、マーキング実行キーK9と、マーキング非実行キーK10が設けられる。マーキング実行キーK9は、連結両面印刷で、各面に識別符号を印刷するときに押される。マーキング非実行キーK10は、連結両面印刷で、各面に識別符号を印刷しないときに押される。そして、マーキング実行キーK9が押されて連結両面印刷の実行がなされると(連結両面印刷実行キーK11が押されると)、本体制御部8は、連結両面印刷で、各ページの余白Wに識別符号を画像形成部5に形成させ、印刷させる。
【0090】
識別符号を印刷する位置であるが、余白Wであれば、いずれでもよい。図14では、連結両面印刷での識別符号の配置位置の一例を破線で示している。例えば、上部余白の左端、中央、右端の位置や、下部余白の左端、中央、右端の位置のいずれかの位置に、識別符号を印刷する。これにより、連結両面印刷物で、今見ているページが、どの印刷ジョブであるか、わかりやすくすることができる。尚、いずれの位置に識別符号を印刷するか、操作パネルは、設定を受け付けるようにしてもよい。
【0091】
(連結両面印刷の流れ)
次に、図15を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での連結両面印刷の設定の流れの一例を説明する。図15は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での連結両面印刷の設定の流れの一例を示すフローチャートである。尚、本説明では、連結両面印刷を行うことを前提として説明を行う。
【0092】
まず、スタートは、連結両面印刷のため、ボックスキー17等を押して、印刷ジョブボックス画面91が開かれた時点である。そして、表示制御部10は、本体制御部8から記憶部82に記憶(蓄積)されている印刷ジョブの情報(印刷ジョブ名、ページ数、用紙サイズなど)を取得し、取得した情報に基づき、蓄積された印刷ジョブの一覧を液晶表示部11に表示させる(ステップ♯1)。
【0093】
そして、タッチパネル部12や表示制御部10は、連結したい印刷ジョブの選択と、連結両面印刷キーK0の押下を受け付ける(ステップ♯2)。そして、表示制御部10は、基本画面92を表示し、自動キーK4が押され、本体制御部8によるページの自動配置を行うか否かを確認する(ステップ♯3)。もし、自動キーK4が押されたとき(ステップ♯3のYes)、ステップ♯12(詳細は後述)に移行する。即ち、入力部(操作パネル1)は、ページ配置設定として、連結する印刷ジョブを自動的に配置させる自動配置設定を受け付け、配置処理部(本体制御部8)は、連結するそれぞれの印刷ジョブのページ数を確認し、それぞれのグループのページ数の差が最も少なくなるように、連結するそれぞれの印刷ジョブを2つのグループに分け、一方のグループの印刷ジョブのページを用紙の表面に配置し、他方のグループの印刷ジョブのページを用紙の裏面に配置する。尚、ステップ♯12ではなく、ステップ♯10に移行してもよい。
【0094】
一方、自動キーK4が押されないとき(ステップ♯3のNo)、本体制御部8は、関連付けキーK5が押され、関連づけによるページ配置を行うか否かを確認する(ステップ♯4)。もし、関連付けによるページ配置を行わず(ステップ♯4のNo)、直接指定キーK6が押されたとき(ステップ♯4のNo)、表示制御部10は、直接指定画面94を表示する(ステップ♯5)。そして、表示制御部10やタッチパネル部12は、使用者による表面に印刷する印刷ジョブの指定(ステップ♯6)と、裏面に印刷する印刷ジョブの指定(ステップ♯7)と直接指定画面94での次キーK12の押下を受け付ける。
【0095】
即ち、入力部(操作パネル1)は、連結する印刷ジョブのうち、用紙の表面に印刷する印刷ジョブを選択する入力、及び/又は、用紙の裏面に印刷する印刷ジョブを選択する入力をページ配置設定として受け付け、配置処理部(本体制御部8)は、用紙の表面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが表面に印刷されるようにページを配置し、用紙の裏面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが裏面に印刷されるようにページを配置する。
【0096】
一方、関連付けによるページ配置を行うとき(関連付けキーK5が押されたとき、ステップ♯4のYes)、表示制御部10は、関連付け設定画面93を表示する(ステップ♯8)。そして、表示制御部10やタッチパネル部12は、使用者による印刷ジョブの関連付け入力と、関連付け設定画面93での次キーK14の押下を受け付ける(ステップ♯9)。即ち、入力部(操作パネル1)は、ページ配置設定として、連結する印刷ジョブのうち、関連付ける印刷ジョブを設定する関連付け設定を受け付け、配置処理部(本体制御部8)は、関連付け設定がなされた各印刷ジョブのページが、用紙の表面又は裏面のいずれか一方にまとめて印刷されるように、ページの配置を行う。
【0097】
ステップ♯7とステップ♯9の後(直接指定画面94や関連付け設定画面93で次キーK12、K14が押された後)、表示制御部10は、最小化設定画面95を液晶表示部11に表示させる(ステップ♯10)。そして、表示制御部10やタッチパネル部12は、最小化設定画面95での使用者の入力を受け付ける(ステップ♯11)。具体的には、最小化実行キーK7が押されたか、非最小化キーK8のいずれが押されたかを確認する。
【0098】
即ち、配置処理部(本体制御部8)は、入力部(操作パネル1)になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、印刷に用いる用紙が最小となるように、連結する印刷ジョブのページを用紙の両面に配置して、ページの配置を変更することがある。
【0099】
そして、最小化実行キーK7と非最小化キーK8のいずれが押され、最小化設定画面95での設定が終了すると、表示制御部10は、マーキング設定画面96を液晶表示部11に表示させる(ステップ♯12)。そして、表示制御部10やタッチパネル部12は、マーキング設定画面96での使用者の入力を受け付ける(ステップ♯13)。具体的には、マーキング実行キーK9が押されたか、マーキング非実行キーK10のいずれが押されたかを確認する。
【0100】
即ち、画像形成部5は、いずれの印刷ジョブかを示す識別符号をページ内に印刷する。又、入力部(操作パネル1)は、識別符号を印刷するか否かの設定を受け付け、画像形成部5は、識別符号(マーク)を印刷すると設定されたとき、識別符号をページ内に印刷する(マーキングする)。
【0101】
そして、表示制御部10は、マーキング設定画面96で、今までの設定内容で連結両面印刷を実行する旨の入力がなされたかを確認する(ステップ♯14)。具体的には、タッチパネル部12や表示制御部10は、マーキング設定画面96で、連結両面印刷実行キーK11が押されたかを確認する(ステップ♯14)。そして、連結両面印刷実行キーK11が押されず(ステップ♯14のNo)、キャンセルキーK13が押されたとき、連結両面印刷の設定内容を破棄し、そのまま設定は終了すればよい(エンド)。
【0102】
一方、連結両面印刷実行キーK11が押されたとき(ステップ♯14のYes)、表示制御部10は、操作パネル1での連結両面印刷の設定内容を本体制御部8に送信する(ステップ♯15)。設定内容としては、連結両面印刷を行うと選択された印刷ジョブや、自動配置を行うか、関連付けや、表面や裏面への印刷の直接指定内容や、最小化の必要の有無や、マーキングの必要の有無が、操作パネル1から本体制御部8に伝えられる(ステップ♯15)。
【0103】
そして、本体制御部8が各印刷ジョブに含まれる画像データを処理して、設定内容にあわせ、ページ配置を行う(ステップ♯16)。そして、本体制御部8は、配置されたページに合わせ、画像形成部5や、両面搬送路7bなどを動作させ、連結両面印刷を実行させる(ステップ♯17→エンド)。
【0104】
即ち、本発明に係る画像形成装置(例えば、複合機100)は、1又は複数ページ分の画像データを含む印刷ジョブを入力するためのジョブ入力部(画像読取部2、通信部83等)と、複数の印刷ジョブを記憶する記憶部82と、記憶部82に記憶された複数の印刷ジョブを連結し両面印刷を行う連結両面印刷の設定を受け付ける入力部(操作パネル1)と、連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される印刷ジョブのうち、少なくとも1つの印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、連結両面印刷でのページの配置を行う配置処理部(本体制御部8)と、画像データに基づき、用紙に印刷を行うとともに、配置処理部が行ったページの配置に基づき印刷を行う画像形成部5と、用紙の両面に印刷するため、片面印刷済みの用紙を再度、画像形成部5に送り込む両面印刷機構(排出搬送部7a、両面搬送路7b)と、を含む。又、入力部は、連結両面印刷での各印刷ジョブのページの配置を設定するページ配置設定を受け付け、配置処理部は、ページ配置設定に基づき、連結両面印刷でのページの配置を行う。
【0105】
このようにして、本発明の第1の実施形態によれば、連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される印刷ジョブうち、少なくとも1つの印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、連結両面印刷でのページの配置がなされる。これにより、使用者は、用紙をひっくり返すことなく、片面印刷の場合と同様に、用紙の一方の面のみで、印刷ジョブの内容を続けて確認することができる。又、現在見ているページが表面か裏面か、わかりづらくなることもない。又、印刷ジョブでの隣合うページの照らし合わせも容易に行える。従って、連結両面印刷物の読みやすさを向上させることができる。尚、本発明の両面印刷物を得るには、従来、設定を行い片面印刷した後、印刷順に注意しつつ再度設定を行い、実行する印刷ジョブとそのページ数や、印刷方向や、用紙詰まりに注意しながら、手差しトレイなどへ片面印刷済み用紙をセットして、未印刷面に印刷を実行するなど、非常な手間、使用者の作業が必要であり、煩わしいものであった。しかし、本発明によれば、多くの手間、作業を省くことができ、簡易に、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0106】
又、入力したページ配置設定に基づき、連結両面印刷でのページの配置が行われる。これにより、使用者は、それぞれの印刷ジョブのページを、両面印刷の表面と裏面のいずれかに、任意に配置することができる。従って、あるページから、他の印刷ジョブのページの参照の関係を考慮しつつ、連結両面印刷物が読みやすくなるように、ページ配置の設定を行うことができる。又、それぞれのグループのページ数の差が最も少なくなるように、連結するそれぞれの印刷ジョブを2つのグループに分け、一方のグループの印刷ジョブのページを用紙の表面に配置し、他方のグループの印刷ジョブのページを用紙の裏面に配置する。これにより、同じ印刷ジョブのページは、用紙の一方の面に並べて印刷されるようにしつつ、自動的に、消費される用紙の枚数も少なくすることができる。従って、使用者は、細かい設定を行うことなく、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0107】
又、関連付け設定がなされた各印刷ジョブのページが、用紙の表面又は裏面のいずれか一方にまとめて印刷されるように、ページの配置がなされる。これにより、印刷ジョブ間の参照の頻度を考慮して関連付けを行えば、自動的に各印刷ジョブのページの配置がなされる。従って、使用者は、細かい設定を行うことなく、読みやすい両面印刷物を得ることができる。
【0108】
又、用紙の表面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが表面に印刷されるようにページが配置される。又、用紙の裏面に印刷すると選択された印刷ジョブのページが裏面に印刷されるようにページが配置される。これにより、使用者は、いずれの面にどの印刷ジョブを配するかを自由に設定することができる。従って、使用者は、所望する印刷物を得ることができる。
【0109】
又、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、連結する印刷ジョブのうち、1つの印刷ジョブの一部又は全部のページを、用紙の両面に配置し、印刷に用いる用紙が最小となるように、連結する印刷ジョブの一部又は全部のページを、用紙の両面に配置する。これにより、連結両面印刷で用いられる用紙の枚数を最小に抑えることができる。従って、連結両面印刷による用紙の消費増加を抑えることができる。例えば、用紙の両面にページが配される印刷ジョブは、関連付けられた印刷ジョブでない印刷ジョブとしてもよい。
【0110】
又、いずれの印刷ジョブかを示す識別符号がページ内に印刷される。この識別符号が印刷物に自動的に付されることにより、現在見ているページがどの印刷ジョブのページかを容易に把握することができる。又、識別符号を印刷すると設定されたとき、識別符号はページ内に印刷される。これにより、使用者は、識別符号を印刷するか否かを選択することができる
【0111】
(第2の実施形態)
次に、図16、図17を用いて、本発明の第2の実施形態を説明する。図16は、本発明の第2の実施形態に係る集約処理を説明するための説明図である。図17は、本発明の第2の実施形態に係る連結両面印刷でのページ配置の一例を示す説明図である。
【0112】
第1の実施形態では、印刷ジョブの一部(場合により全部)のページの配置を、用紙の配置しようとした面から裏側の面に配置を変更する(本来の面から他面に変更する)ことにより、連結両面印刷での用紙枚数の最小化を行った。しかし、第2の実施形態では、1ページに複数ページを集約して印刷することにより、連結両面印刷での用紙の最小化を図る点で異なる。
【0113】
まず、図16を用い、本実施形態での集約を説明する。集約には、2ページ分の画像データを1ページに落とし込む2in1など、多様な集約方法がある。例えば、2in1で集約を行うと、ページを90度(あるいは270度)回転させたうえで、1ページ内に2ページが集約される。
【0114】
しかし、連結両面印刷物において、一部のページが、2in1に集約されたものであると、集約されたページを見るとき、印刷物を読む視点の移動方向を90度(あるいは270度)変えなくてはならない。このような読み方の変更は、読みづらさを招く。
【0115】
そこで、本実施形態では、連結両面印刷で集約処理を行うとき、図16に示すように、4in1での集約を行って、印刷物を読む視点の移動方向(文字の方向)を変えなくてすむようにする。例えば、本体制御部8は、1ページあたりの面積が1/4となるように、画像処理部84に画像データを縮小させ、1ページに4ページを集約させる。尚、1ページの集約数は、4in1に限らず、印刷物を読む視点の移動方向(文字の方向)を変えなくてすむ集約数であればよい(例えば、16in1)。
【0116】
次に、図17を用いて具体的な例を説明する。図17の場合も、第1の実施形態と同様、印刷ジョブA(計3ページ)、印刷ジョブB(計6ページ)、印刷ジョブC(計5ページ)、印刷ジョブD(計2ページ)を用いて説明する。
【0117】
例えば、印刷ジョブA〜印刷ジョブDを連結両面印刷すると選択され、印刷ジョブA、印刷ジョブC、印刷ジョブDが関連付けられたとき、第1の実施形態と同様に、用紙枚数の最小化を行わなければ、例えば、図17の上段のように、まず、本体制御部8は、表面に10ページ、裏面に6ページを配置する。
【0118】
そして、集約による用紙枚数の最小化を行うとき、本体制御部8は、片面しか印刷されない用紙が1枚以下に収まるように、印刷枚数が多い方の面の一部のページを集約して、ページを配置する。例えば、図17に示すように、本体制御部8は、印刷ジョブCの一部のページと、印刷ジョブDを1ページに集約して印刷させる。このようにしても、読みやすさを維持しつつ、連結両面印刷で使用される用紙を最小化することができる。尚、本説明では、関連付けを行ったときについての集約による用紙の最小化を説明したが、自動配置を行ったときや、印刷ジョブを表面、裏面のいずれに印刷するか、直接指定したときも同様に、集約による用紙の最小化を行うことができる。
【0119】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、配置処理部(本体制御部8)は、入力部(操作パネル1)になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、ページが多い方の面に配する印刷ジョブのページのうち一部又は全部のページを、1ページ内に複数ページを集約して、片面のみ印刷される用紙が1枚以下に収まるように、ページを配置する。これにより、第1の実施形態の効果に加え、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、片面のみ印刷される用紙が1枚以下に収まるように、1ページ内に複数ページを集約する。このように集約を行っても、連結両面印刷で用いられる用紙の枚数を最小に抑えることができる。従って、連結両面印刷による用紙の消費増加を抑えることができる。
【0120】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、本体制御部8を、連結両面印刷での印刷ジョブの各ページの配置を行う配置処理部として用いる例を説明したが、専用のハードウェアを設け、専用のハードウェアを配置処理部として用いて、各ページの配置が行われてもよい。又、画像処理部84が、本体制御部8内、あるいは、本体制御部8外に設けられるのを問わず、画像処理部84を配置処理部として用いてもよい。
【0121】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、印刷ジョブを蓄積し、両面印刷可能な画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0123】
100 複合機(画像形成装置) 1 操作パネル(入力部)
2 画像読取部(ジョブ入力部) 5 画像形成部
7a 排出搬送部(両面印刷機構) 7b 両面搬送路(両面印刷機構)
8 本体制御部(配置処理部) 82 記憶部
83 通信部(ジョブ入力部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数ページ分の画像データを含む印刷ジョブを入力するためのジョブ入力部と、
複数の前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記印刷ジョブを連結し両面印刷を行う連結両面印刷の設定を受け付ける入力部と、
前記連結両面印刷の設定がなされたとき、連結される前記印刷ジョブのうち、少なくとも1つの前記印刷ジョブのページが用紙の一方の面に並んで印刷されるように、前記連結両面印刷でのページの配置を行う配置処理部と、
画像データに基づき、用紙に印刷を行うとともに、前記配置処理部が行ったページの配置に基づき印刷を行う画像形成部と、
用紙の両面に印刷するため、片面印刷済みの用紙を再度、前記画像形成部に送り込む両面印刷機構と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記入力部は、前記連結両面印刷での各前記印刷ジョブのページの配置を設定するページ配置設定を受け付け、
前記配置処理部は、前記ページ配置設定に基づき、前記連結両面印刷でのページの配置を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記ページ配置設定として、連結する前記印刷ジョブを自動的に配置させる自動配置設定を受け付け、
前記配置処理部は、連結するそれぞれの前記印刷ジョブのページ数を確認し、それぞれのグループのページ数の差が最も少なくなるように、連結するそれぞれの前記印刷ジョブを2つのグループに分け、一方のグループの前記印刷ジョブのページを用紙の表面に配置し、他方のグループの前記印刷ジョブのページを用紙の裏面に配置することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記ページ配置設定として、連結する前記印刷ジョブのうち、関連付ける前記印刷ジョブを設定する関連付け設定を受け付け、
前記配置処理部は、前記関連付け設定がなされた各前記印刷ジョブのページが、用紙の表面又は裏面のいずれか一方にまとめて印刷されるように、ページの配置を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力部は、連結する前記印刷ジョブのうち、用紙の表面に印刷する前記印刷ジョブを選択する入力、及び/又は、用紙の裏面に印刷する前記印刷ジョブを選択する入力を前記ページ配置設定として受け付け、
前記配置処理部は、用紙の表面に印刷すると選択された前記印刷ジョブのページが表面に印刷されるようにページを配置し、用紙の裏面に印刷すると選択された前記印刷ジョブのページが裏面に印刷されるようにページを配置することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記配置処理部は、前記入力部になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、印刷に用いる用紙が最小となるように、連結する印刷ジョブのページを用紙の両面に配置して、ページの配置を変更することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記配置処理部は、前記入力部になされた設定に基づきページの配置を行うと、片面のみ印刷される用紙が2枚以上生ずるとき、ページが多い方の面に配する前記印刷ジョブのページのうち一部又は全部のページを、1ページ内に複数ページを集約して、片面のみ印刷される用紙が1枚以下に収まるように、ページを配置することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、いずれの前記印刷ジョブかを示す識別符号をページ内に印刷することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記入力部は、前記識別符号を印刷するか否かの設定を受け付け、
前記画像形成部は、前記識別符号を印刷すると設定されたとき、前記識別符号をページ内に印刷することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−95162(P2012−95162A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241555(P2010−241555)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】