説明

画像形成装置

【課題】専用の連結部材を用いることなく、一対のフレームの開きを抑えることを目的とする。
【解決手段】シートカセット(給紙トレイ31)には、記録シートの幅方向の両側に配置される一対の側面31Aと、各側面31Aから隙間を空けて幅方向外側に配置される第1係合部316と、隙間がシートカセットの装着方向に向けて開口するように第1係合部316と側面31Aとを連結する第1連結部317と、が設けられ、一対のフレームには、内面から隙間を空けて幅方向内側に配置される第2係合部216と、隙間が装着方向とは反対側へ向けて開口するように第2係合部216と内面とを連結する第2連結部217と、が設けられ、シートカセットを収納位置に位置させたときに、第1係合部316が第2係合部216の幅方向外側に係合するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部を保持する一対のフレームを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部を挟むように保持する一対のフレームとを外装部品内に収容した画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、一対のフレームの上部および下部が、一対のフレームを連結するための専用の連結部材によって結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−107822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した技術では、各フレームの上部および下部のすべてが専用の連結部材によって結合されているので、コストが高くなるといった問題があった。また、コスト削減のために専用の連結部材の一部を取り外した構造とすることも考えられるが、この場合は取り外した部分において一対のフレームに対して互いが離れる方向に力が加わった場合には、一対のフレームが開いてしまうといった問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、専用の連結部材を用いることなく、一対のフレームの開きを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する本発明は、記録シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を挟んで対向し、前記画像形成部を保持する一対のフレームと、前記一対のフレーム間に収納される収納位置と、前記収納位置から外側に移動した移動位置とに移動可能に設けられ、かつ、前記画像形成部に搬送する記録シートを収容したシートカセットと、を備える画像形成装置であって、前記シートカセットには、前記記録シートの幅方向の両側に配置される一対の側面と、各側面から隙間を空けて前記幅方向外側に配置される第1係合部と、前記隙間が前記シートカセットの装着方向に向けて開口するように前記第1係合部と前記側面とを連結する第1連結部と、が設けられ、前記一対のフレームには、内面から隙間を空けて前記幅方向内側に配置される第2係合部と、前記隙間が前記装着方向とは反対側へ向けて開口するように前記第2係合部と前記内面とを連結する第2連結部と、が設けられ、前記シートカセットを前記収納位置に位置させたときに、前記第1係合部が前記第2係合部の前記幅方向外側に係合することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、シートカセットを収納位置に位置させると、第1係合部が第2係合部の幅方向外側に係合するので、一対のフレームの開きをシートカセットで抑えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、専用の連結部材を用いることなく、一対のフレームの開きを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザプリンタを示す説明図である。
【図2】外装部品と一対のフレームを示す分解斜視図である。
【図3】第1係合部と第2係合部を示す斜視図である。
【図4】給紙トレイが移動位置に位置した状態を示す説明図である。
【図5】第1係合部と第2係合部を水平面で切ったときの断面図である。
【図6】第1ロック部材の周囲を水平面で切ったときの断面図である。
【図7】再搬送用ユニットを設けた形態を示す説明図である。
【図8】再搬送ユニットが外側位置に位置した状態を示す説明図である。
【図9】第2ロック部材の周囲を水平面で切ったときの断面図である。
【図10】第1係合部および第2係合部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<レーザプリンタの全体構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
【0011】
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0012】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、記録シートの一例としての用紙Pを装置本体2内に給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
【0013】
フィーダ部3は、装置本体2の下部に着脱可能に装着されるシートカセットの一例としての給紙トレイ31と、給紙トレイ31内に収容される用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。
【0014】
画像形成部4は、スキャナユニット5、プロセスカートリッジ6、転写ローラTRおよび定着装置7を備えている。
【0015】
スキャナユニット5は、装置本体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム81の表面上に高速走査にて照射する。
【0016】
プロセスカートリッジ6は、装置本体2に着脱可能であり、感光ドラム81を有するドラムカートリッジ8と、現像ローラ91やトナーを有する現像カートリッジ9とを備えている。
【0017】
このプロセスカートリッジ6では、回転する感光ドラム81の表面が、図示せぬ帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光ドラム81の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0018】
次いで、回転駆動される現像ローラ91によって現像カートリッジ9内のトナーが感光ドラム81の静電潜像に供給されて、感光ドラム81の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム81と転写ローラTRの間で用紙Pが搬送されることで、感光ドラム81の表面に担持されているトナー像が用紙P上に転写される。
【0019】
定着装置7は、加熱ローラ71と、加熱ローラ71と対向して配置され加熱ローラ71を押圧する加圧ローラ72とを備えている。そして、このように構成される定着装置7では、用紙P上に転写されたトナーを、用紙Pが加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着している。
【0020】
なお、定着装置7で熱定着された用紙Pは、定着装置7の下流側に配設される排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから装置本体2外に排出される。
【0021】
<装置本体の構造>
次に、装置本体2の構造を詳細に説明する。
図2に示すように、装置本体2は、画像形成部4(スキャナユニット5等)を挟んで対向し、画像形成部4を保持する一対のフレーム21と、画像形成部4および一対のフレーム21を覆う外装部品22とを備えている。
【0022】
外装部品22は、樹脂で形成され、一対のフレーム21の上方に配置されるアッパーパネル221と、一対のフレーム21の左右方向外側に配置される一対のサイドパネル222と、一対のフレーム21の前方に配置されるフロントカバー223と、一対のフレーム21の後方に配置されるリアカバー224とを備えている。
【0023】
アッパーパネル221は、排紙ローラR(図1参照)によって排出される用紙Pを載置するための排紙トレイ部221Aを有しており、一対のフレーム21の上端に接着剤によって接合されている。
【0024】
サイドパネル222は、一対のフレーム21の左右方向外側の面に固定されており、その前後両端部の下部には、フロントカバー223を回動可能に支持するための前側軸支部(図示略)と、リアカバー224を回動可能に支持するための後側軸支部222Aとが設けられている。
【0025】
フロントカバー223は、アッパーパネル221の前端縁、一対のサイドパネル222の前端縁および給紙トレイ31の前面の上端縁で形成される前側開口部2A(図1参照)に対応した大きさで形成されている。そして、フロントカバー223は、その下端が一対のサイドパネル222に回動可能に支持されることで開閉可能となっており、これにより、前側開口部2Aを通してプロセスカートリッジ6の着脱が可能となっている。
【0026】
リアカバー224は、アッパーパネル221の後端縁および一対のサイドパネル222の後端縁で形成される後側開口部2B(図1参照)に対応した大きさで形成されている。そして、リアカバー224は、その下方に設けられた回動軸224Aが一対のサイドパネル222に回動可能に支持されることで回動軸224Aを中心として上方が回動して開閉可能となっており、これにより、詰まった用紙を後方から取り出すことなどが可能となっている。
【0027】
一対のフレーム21は、金属または樹脂で形成され、上部がスキャナユニット5で連結されている。これにより、上部の左右方向への開きがスキャナユニット5によって抑制されている。なお、定着装置7や図示を省略するプロセスカートリッジ6は、一対のフレーム21が左右に開くのを規制するようには構成されていない。特に、熱により左右方向に膨張する定着装置7の筐体を装置本体2で良好に支持するために、定着装置7は、左右方向に長い長孔と当該長孔に係合するピン状部を介して一対のフレーム21に保持されている。
【0028】
また、一対のフレーム21の下部の前側には、一対のフレーム21の前側下部を連結する連結部材214が設けられている。そのため、一対のフレーム21の前側下部が左右に開くのを連結部材214によって抑制することが可能となっている。
【0029】
そして、一対のフレーム21の後側下部は、前述したような連結部材214が設けられる代わりに、給紙トレイ31(図3参照)によって連結されることで、左右に開くことが抑制されている。なお、この一対のフレーム21の後側下部と給紙トレイ31との連結構造については、後で詳述する。
【0030】
また、一対のフレーム21の内面の下部には、給紙トレイ31を前後方向にスライド可能に支持する断面視略U字状のレール部215が前後方向に延びるように形成されている。これにより、給紙トレイ31は、一対のフレーム21間に収納される収納位置(図1参照)と、収納位置から外側に移動した移動位置(例えば、図4に示すような用紙Pを取り出すことが可能な位置)とに移動可能となっている。
【0031】
そして、左右一対のレール部215内には、給紙トレイ31の一対の第1係合部316(図3参照)と係合する第2係合部216と、給紙トレイ31を収納位置に位置決めするための第1ロック部材23(図6参照)とがそれぞれ1つずつ設けられている。なお、図6のような平面図以外の図(例えば図2等)においては、便宜上、第1ロック部材23を単なる矩形のブロックに単純化して図示している。
【0032】
図3に示すように、第2係合部216は、フレーム21の内面21Aから隙間を空けて左右方向内側(幅方向内側)に配置されており、その後端が第2連結部217を介して内面21Aに連結されている。言い換えると、第2連結部217は、第2係合部216と内面21Aとの隙間が前方(給紙トレイ31の装着方向とは反対側)へ向けて開口するように、第2係合部216と内面21Aとを連結している。
【0033】
これに対し、給紙トレイ31には、左右両側に配置される一対の側面31Aと、各側面31Aから隙間を空けて左右方向外側に配置される第1係合部316と、第1係合部316の前端を側面31Aに連結する第1連結部317とが設けられている。言い換えると、第1連結部317は、側面31Aと第1係合部316との隙間が後方(給紙トレイ31の装着方向)に向けて開口するように第1係合部316と側面31Aとを連結している。
【0034】
そして、給紙トレイ31を収納位置に位置させたときには、図5に示すように、第1係合部316が第2係合部216の左右方向外側に係合するようになっている。これにより、一対のフレーム21の後側下部が左右に開くのを、給紙トレイ31によって抑えることが可能となっている。
【0035】
なお、第1係合部316の先端の左右方向内側の角部と、第2係合部216の先端の左右方向外側の角部は、それぞれ斜めに面取りされている。これにより、給紙トレイ31の挿入時に、第1係合部316が第2係合部216の左右方向外側に確実に入り込んで係合するようになっている。
【0036】
図6に示すように、第1ロック部材23は、収納位置に配置された給紙トレイ31と各フレーム21との間に配置され、ロックアーム231と、コイルバネ232とを備えて構成されている。
【0037】
ロックアーム231は、上面視略L字状に形成されており、その前端部231Aがレール部215に回動可能に支持されることで、その後端部231Bが左右に揺動可能となっている。また、揺動する後端部231Bの左右方向内側の端部には、ローラ231Cが回転可能に設けられている。これにより、給紙トレイ31の着脱時において、ロックアーム231と給紙トレイ31との摩擦が軽減されるようになっている。
【0038】
コイルバネ232は、ロックアーム231の後端部231Bを左右方向内側に向けて付勢するように、フレーム21とロックアーム231との間に配設されている。
【0039】
また、給紙トレイ31の後端側の左右両側壁(第1係合部316の下方:図3参照)には、収納位置において第1ロック部材23のローラ231Cと接する位置決め凹部312が形成されている。具体的に、給紙トレイ31は図示せぬ規制部材により後方への移動が規制されており、第1ロック部材23が位置決め凹部312の後側の傾斜面を押圧するように構成されることで、給紙トレイ31が規制部材に押し当てられて収納位置に位置決めされるようになっている。言い換えると、第1ロック部材23は、給紙トレイ31とフレーム21を互いに離す方向に付勢することで、給紙トレイ31の位置決めに寄与している。
【0040】
そして、図5に示すように、この第1ロック部材23と、前述した第1係合部316および第2係合部216とは、前後方向(給紙トレイ31の移動方向)において同じ位置に配置されている。これにより、一対のフレーム21を左右に開く方向に付勢する第1ロック部材23の近傍に、第1係合部316および第2係合部216が配置されることになるので、左右の開きをより抑えることが可能となっている。
【0041】
なお、本実施形態では、第1係合部316の一部および第2係合部216の一部(第1係合部316および第2係合部216の係合部分の一部)がともに第1ロック部材23の一部と同じ位置になるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1ロック部材23の一部が、第1係合部316および第2係合部216のいずれか一方の一部と同じ位置であれば、他方とは同じ位置でなくてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、ロック部材23、第1係合部316および第2係合部216は、前後方向においてすべて後側に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロック部材23は後側に配置し、第1係合部316および第2係合部216は前側に配置してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、第1係合部316および第2係合部216は、各ロック部材23の上方に1つずつ設けられているが、これに限らず、1つのロック部材23に対して複数設けられていてもよい。例えば、ロック部材23を挟んで、上下方向に2つ(左右併せて合計4つ)設けてもよい。これによれば、より確実に一対のフレーム21の開きを抑えることができる。
【0044】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
給紙トレイ31を収納位置に位置させると、第1係合部316が第2係合部216の左右方向外側に係合して一対のフレーム21の開きが給紙トレイ31で抑えられるので、専用の連結部材を用いることなく、一対のフレーム21の開きを抑えることができる。特に、本実施形態のように第1ロック部材23によって一対のフレーム21に対して互いに離す方向に力が加わるような構造において、前述した効果が良好に発揮される。
【0045】
第1ロック部材23と、第1係合部316および第2係合部216とが、前後方向において同じ位置に配置されることで、第1ロック部材23の近くで当該第1ロック部材23から発生する付勢力を第1係合部316等で受けることができるので、一対のフレーム21の開きを効果的に抑えることができる。
【0046】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0047】
前記実施形態では、給紙トレイ31の位置決め用の第1ロック部材23によって、一対のフレーム21に対して互いに離れる方向に力が加わるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7〜9に示すように、再搬送用ユニット410の位置決め用の第2ロック部材500によって、一対のフレーム21に対して互いに離れる方向に力が加わるように構成してもよい。
【0048】
具体的に、再搬送用ユニット410は、図7に示すように、画像形成部4により表面(一方の面)に画像が形成された用紙Pの表裏を反転させた状態で当該用紙Pを画像形成部4へ再度搬送する再搬送手段400の一部を構成している。ここで、再搬送手段400は、装置本体2外に途中まで排出した用紙Pをスイッチバックさせる排紙ローラRと、スイッチバックした用紙Pを定着装置7の後側を通して再搬送用ユニット410に案内するガイド部材(図示略)と、再搬送用ユニット410とを備えて構成されている。
【0049】
そして、再搬送用ユニット410は、表面印刷された用紙Pを画像形成部4の上流側に搬送するための複数対の再搬送用ローラ411およびガイド部材(図示略)を一体に備えており、後側開口部2Bを通して装置本体2に着脱可能となっている。すなわち、再搬送用ユニット410は、一対のフレーム21間に配置される内側位置(図7の位置)と、内側位置から外側に移動した外側位置(例えば、図8に示すような装置本体2から外れた位置)とに移動可能に設けられている。
【0050】
そして、図9に示すように、内側位置に配置された再搬送用ユニット410と各フレーム21との間には、再搬送用ユニット410を内側位置に位置決めするために、再搬送用ユニット410とフレーム21を互いに離す方向に付勢する第2ロック部材500がそれぞれ設けられている。第2ロック部材500は、再搬送用ユニット410を前後に移動可能に支持するレール部218上に設けられており、前述した第1ロック部材23と同様のロックアーム231およびコイルバネ232を備えている。また、再搬送用ユニット410には、前述した位置決め凹部312と略同様の位置決め凹部412が形成されている。
【0051】
そして、再搬送用ユニット410は、図示せぬ規制部材により前方への移動が規制されており、第2ロック部材500が位置決め凹部412の前側の傾斜面を押圧するように構成されることで、規制部材に押し当てられて内側位置に位置決めされるようになっている。この際、第2ロック部材500によって一対のフレーム21に対して互いに離れる方向に力が加わるが、前述したように給紙トレイ31の第1係合部316とフレーム21の第2係合部216とが係合することで、第2ロック部材500による各フレーム21の開きも給紙トレイ31で抑えることができる。
【0052】
なお、この第2ロック部材500の前後方向における位置は、図7に示すように、第1係合部316および第2係合部216の少なくとも一方と同じ位置に配置するのが望ましい。これによれば、第2ロック部材500の近くで当該第2ロック部材500から発生する付勢力を第1係合部316等で受けることができるので、一対のフレーム21の開きをより抑えることができる。
【0053】
前記実施形態では、第1係合部316の前端に第1連結部317を設けるとともに、第2係合部216の後端に第2連結部217を設けたが、本発明はこれに限定されず、給紙トレイの側面と第1係合部の間の隙間が給紙トレイの装着方向に向けて開口するとともに、フレームの内面と第2係合部の隙間が装着方向とは反対側に向けて開口していればよい。具体的には、例えば、図10に示すように、第1係合部616の上端に第1連結部617を設けるとともに、第2係合部716の下端に第2連結部717を設けてもよい。
【0054】
また、例えば、図2に示す連結部材214が一対のフレーム21の後側下部に設けられ、第1ロック部材23が前側に配置されている場合には、給紙トレイの前側に第1係合部を設け、一対のフレーム21の前側下部に第2係合部を設けてもよい。
【0055】
前記実施形態では、第1ロック部材23や第2ロック部材500を左右に1つずつ設けたが、本発明はこれに限定されず、ロック部材はシートカセット(または再搬送用ユニット)と少なくとも一方のフレームとの間に配置されていればよい。すなわち、例えば、他方のフレームに対して接するように配置したシートカセットと、一方のフレームとの間にロック部材を設けることで、シートカセットを収納位置に位置決めしてもよい。
【0056】
前記実施形態では、シートカセットとして装置本体2に対して着脱可能な給紙トレイ31を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、装置本体2に対して単に移動可能に設けられるだけで着脱不能となる(ドライバーなどの道具を用いないと装置本体2から外れない)シートカセットであってもよい。
【0057】
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
【0058】
前記実施形態では、スキャナユニット5等で画像形成部4を構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スキャナユニット5の代わりにLEDヘッドを利用してもよいし、感光ドラム81の代わりにベルト状の感光体を利用してもよいし、加熱ローラ71の代わりにガイドによって摺動可能に支持される円筒状の定着フィルムを利用してもよい。また、転写ローラTRの代わりに導電性ブラシや導電性板バネなどの転写バイアスが印加される他の部材を利用してもよい。
【0059】
前記実施形態では、画像形成部を保持する一対のフレーム21を左右に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば給紙トレイが左右に引き出し可能である場合には一対のフレームを前後に配置してもよい。
【0060】
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【0061】
前記実施形態では、給紙トレイ31に第1係合部316を設けて当該給紙トレイ31で一対のフレーム21の開きを抑えるようにしたが、本発明はこれに限定されず、例えば再搬送用ユニットなどに第1係合部を設けて当該再搬送用ユニットで一対のフレームの開きを抑えるようにしてもよい。つまり、一対のフレームに対して移動可能な移動部材に、一対のフレームに設けた第2係合部に外側から係合する第1係合部を設けることで、当該移動部材によって一対のフレームの開きを抑えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 レーザプリンタ
2 装置本体
4 画像形成部
21 フレーム
21A 内面
31 給紙トレイ
31A 側面
216 第2係合部
217 第2連結部
316 第1係合部
317 第1連結部
P 用紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を挟んで対向し、前記画像形成部を保持する一対のフレームと、
前記一対のフレーム間に収納される収納位置と、前記収納位置から外側に移動した移動位置とに移動可能に設けられ、かつ、前記画像形成部に搬送する記録シートを収容したシートカセットと、を備える画像形成装置であって、
前記シートカセットには、前記記録シートの幅方向の両側に配置される一対の側面と、各側面から隙間を空けて前記幅方向外側に配置される第1係合部と、前記隙間が前記シートカセットの装着方向に向けて開口するように前記第1係合部と前記側面とを連結する第1連結部と、が設けられ、
前記一対のフレームには、内面から隙間を空けて前記幅方向内側に配置される第2係合部と、前記隙間が前記装着方向とは反対側へ向けて開口するように前記第2係合部と前記内面とを連結する第2連結部と、が設けられ、
前記シートカセットを前記収納位置に位置させたときに、前記第1係合部が前記第2係合部の前記幅方向外側に係合することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シートカセットと少なくとも一方のフレームとの間には、前記シートカセットを前記収納位置に位置決めするために、前記シートカセットと前記一方のフレームを互いに離す方向に付勢する第1ロック部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一対のフレーム間に配置される内側位置と、前記内側位置から外側に移動した外側位置とに移動可能に設けられ、かつ、前記画像形成部により一方の面に画像が形成された記録シートの表裏を反転させた状態で当該記録シートを前記画像形成部へ再度搬送する再搬送手段の一部を構成する再搬送用ユニットをさらに備え、
前記再搬送用ユニットと少なくとも一方のフレームとの間には、前記再搬送用ユニットを前記内側位置に位置決めするために、前記再搬送用ユニットと前記一方のフレームを互いに離す方向に付勢する第2ロック部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ロック部材は、前記シートカセットの移動方向において前記第1係合部および前記第2係合部の少なくとも一方と同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−98407(P2012−98407A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244465(P2010−244465)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】