説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の小型化を図ることである。
【解決手段】外扉D2は、本体の側面に設けられ、かつ、支軸を中心に回転可能に支持されている。内扉D1は、外扉D2よりも本体の内側に設けられ、かつ、支軸を中心に回転可能に支持され、開閉時に用いられるレバー54を有している。搬送経路R1は、本体内において内扉D1の内側に設けられ、用紙が通過する。搬送経路R4は、本体内において外扉D2と内扉D1との間に設けられ、用紙の裏面に印刷が行われる際に、用紙が通過する。外扉D1の内側の面は、搬送経路R4を構成していると共に、用紙の搬送方向に直交する方向の端部に設けられた凹部70を有している。レバー54は、凹部70に嵌合することにより、外扉D2の内側の面と共に、搬送経路R4を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より特定的には、両面印刷を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置に関する発明として、例えば、特許文献1に記載のシート搬送装置が知られている。該シート搬送装置は、内側扉部と外側扉部を有する二重構造の開閉扉を備えている。内側扉部と装置本体との間には、第1のシート搬送路が設けられ、内側扉部と外側扉部との間には、第2のシート搬送路が設けられている。第1のシート搬送路は、用紙の表面に印刷が行われる際に該用紙が通過する経路である。第2のシート搬送路は、用紙の裏面に印刷が行われる際に、該用紙が通過する経路である。そして、シート搬送装置では、内側扉部は、外側扉部の開放に連動して、外側扉部と所定の間隔を開けた状態で解放される。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のシート搬送装置では、一般的には、内側扉部を本体にロックするためのロック機構、及び、ロック機構を操作するためのレバーを有している。そして、レバーは、内側扉部の外側に設けられており、外側扉部と対向する。ただし、内側扉部と外側扉部との間には、第2のシート搬送路が設けられている。そのため、レバーは、用紙の搬送を妨げないように、第2のシート搬送路外に設けられる必要がある。その結果、内側扉部及び外側扉部が大型化し、シート搬送装置が大型化してしまう
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−356244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、画像形成装置の小型化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、本体と、前記本体の側面に設けられ、かつ、第1の軸を中心に回転可能に支持されている外扉と、前記外扉よりも前記本体の内側に設けられ、かつ、前記第1の軸に平行な第2の軸を中心に回転可能に支持されている内扉であって、開閉時に用いられるレバーを有している内扉と、前記本体内において前記内扉の内側に設けられている第1の経路であって、印刷媒体の表面に印刷が行われる際に、該印刷媒体が通過する第1の経路と、前記本体内において前記外扉と前記内扉との間に設けられている第2の経路であって、前記印刷媒体の裏面に印刷が行われる際に、該印刷媒体が通過する第2の経路と、を備えており、前記外扉の内側の面は、前記第2の経路を構成していると共に、前記印刷媒体の搬送方向に直交する方向の端部に設けられた凹部を有しており、前記レバーは、前記凹部に嵌合することにより、前記外扉の内側の面と共に、前記第2の経路を構成していること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】画像形成装置の搬送経路近傍の拡大図である。
【図3】内扉及び外扉を上側から平面視した図である。
【図4】内扉及び外扉の斜視図である。
【図5】閉状態であるときの内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図6】レバー及びガイド周辺の上下方向に垂直な断面構造図である。
【図7】内扉及び外扉が開けられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図8】内扉及び外扉が開けられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図9】内扉及び外扉が開けられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図10】内扉及び外扉が開けられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図11】外扉が閉じられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図12】外扉が閉じられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図13】外扉が閉じられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【図14】外扉が閉じられる際の内扉及び外扉の前側の端部を上側から平面視した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0010】
(画像形成装置の構成)
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を示した図である。以下では、図1の左右方向を左右方向と定義し、図1の上下方向を上下方向と定義し、図1の紙面垂直方向を前後方向と定義する。
【0011】
画像形成装置1は、電子写真方式によるカラープリンタであって、いわゆるタンデム式で4色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)の画像を合成するように構成されている。該画像形成装置1は、スキャナにより読み取った画像データに基づいて、用紙に画像を形成する機能を有し、図1に示すように、印刷部2、給紙部15、タイミングローラ対19、定着装置20、排紙ローラ21、排紙トレイ23、搬送ローラ対24a〜24f、反転ローラ25、本体30及び搬送経路R1〜R4を備えている。
【0012】
本体30は、印刷部2、給紙部15、タイミングローラ対19、定着装置20、排紙ローラ21、排紙トレイ23、搬送ローラ対24a〜24f、反転ローラ25及び搬送経路R1〜R4をその内部に収容している筐体である。
【0013】
給紙部15は、用紙(印刷媒体)Pを1枚ずつ供給する役割を果たし、用紙トレイ16及び給紙ローラ17を含む。用紙トレイ16には、印刷前の状態の用紙Pが複数枚重ねて載置される。給紙ローラ17は、用紙トレイ16に載置された用紙Pを1枚ずつ取り出す。
【0014】
搬送ローラ対24aは、給紙ローラ17が取り出した用紙Pを上方へと搬送する。タイミングローラ対19は、給紙ローラ17及び搬送ローラ対24aにより搬送されてきた用紙Pにトナー画像が印刷部2において2次転写されるように、タイミングを調整しながら用紙Pを上方へ搬送する。
【0015】
印刷部2は、給紙部15から供給されてくる用紙にトナー画像を形成し、光走査装置6、中間転写ベルト11、駆動ローラ12、従動ローラ13、2次転写ローラ14及び作像ユニット22(22Y,22M,22C,22K)を含んでいる。また、作像ユニット22(22Y,22M,22C,22K)は、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)を含んでいる。
【0016】
感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)は、円筒形状をなしている。感光体ドラム4の周面には、光走査装置6により静電潜像が形成された後に、現像装置により静電潜像に基づくトナー画像が現像される。静電潜像の形成及びトナー画像の現像については、一般的な処理であるので詳細な説明を省略する。
【0017】
中間転写ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13との間に張り渡されている。中間転写ベルト11には、感光体ドラム4に現像されたトナー画像が1次転写される。駆動ローラ12は、中間転写ベルト駆動部(図1には記載せず)により回転させられることにより、中間転写ベルト11を矢印αの方向に駆動させる。これにより、中間転写ベルト11は、トナー画像を2次転写ローラ14まで搬送する。
【0018】
2次転写ローラ14は、中間転写ベルト11と対向し、ドラム形状をなしている。そして、2次転写ローラ14は、転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト11との間を通過する用紙Pに対して、中間転写ベルト11が担持しているトナー画像を2次転写する。
【0019】
トナー画像が2次転写された用紙Pは、定着装置20に搬送される。定着装置20は、用紙に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナー画像を用紙Pに定着させる。搬送ローラ対24bは、定着装置20を通過した用紙Pを排紙ローラ21に搬送する。排紙ローラ21は、排紙トレイ23上に用紙Pを出力する。
【0020】
ここで、画像形成装置1は、用紙Pに対して両面印刷できる構成を有している。すなわち、画像形成装置1は、用紙Pの表面に印刷を行った後に、用紙Pの表裏を反転させて、用紙Pの裏面に印刷を行うことができる。
【0021】
画像形成装置1において、搬送経路R1(第1の経路)は、給紙部15から搬送ローラ対24bの搬送方向の下流側に位置する分岐部分Bまでの経路を構成している。搬送経路R1は、ガイド(図1では太線により図示)により構成されている。搬送経路R1上には、搬送ローラ対24a、タイミングローラ対19、印刷部2、定着装置20、搬送ローラ対24bが、搬送方向の上流側から下流側へとこの順に並ぶように設けられている。搬送経路R1は、用紙Pの表面又は裏面に印刷が行われる際に、用紙Pが通過する経路である。そして、搬送経路R2,R3は、分岐部分Bにおいて搬送経路R1から2つに分岐している。
【0022】
搬送経路R2は、分岐部分Bから排紙ローラ21までの経路を構成している。搬送経路R2は、ガイド(図1では太線により図示)により構成されている。搬送経路R2上には、排紙ローラ21が設けられている。搬送経路R2は、用紙Pの表面にのみ印刷が行われる際に、用紙Pが通過する経路である。
【0023】
搬送経路R3は、分岐部分Bにおいて搬送経路R2よりも上側に分岐している。搬送経路R3は、ガイド(図1では太線により図示)により構成されている。搬送経路R3上には、反転ローラ25が設けられている。搬送経路R3は、用紙Pの表面及び裏面に印刷が行われる際に、用紙Pが通過する経路である。反転ローラ25は、搬送経路R1,R3から搬送されてきた用紙Pを本体30外に搬送した後、用紙Pの搬送方向を反転させて、用紙Pを搬送経路R4へと搬送する。
【0024】
搬送経路R4(第2の経路)は、分岐部分Bにおいて搬送経路R3と接続されており、ガイド(図1では太線により図示)により構成されている。搬送経路R4上には、搬送ローラ対24c〜24fが、搬送方向の上流側から下流側へとこの順に並ぶように設けられている。搬送経路R4は、用紙Pの裏面に印刷が行われる際に、用紙Pが通過する経路である。搬送ローラ対24c〜24fは、用紙Pを搬送経路R1へと搬送する。
【0025】
ここで、用紙Pの両面にトナー画像が印刷される場合には、用紙Pは、搬送経路R1を搬送される。搬送経路R1の搬送中に、印刷部2において、用紙Pの表面にトナー画像が2次転写され、定着装置20において、用紙Pの表面にトナー画像が定着される。そして、用紙Pは、搬送経路R3へと搬送される。搬送経路R3に搬送された用紙Pは、反転ローラ25により本体30外に搬送された後、搬送経路R4へと搬送される。そして、搬送経路R4を搬送された用紙Pは、表裏が反転した状態で、搬送経路R1内を搬送される。搬送経路R1の搬送中に、印刷部2において、用紙Pの裏面にトナー画像が2次転写され、定着装置20において、用紙Pの裏面にトナー画像が定着される。この後、用紙Pは、搬送経路R2を搬送され、排紙ローラ21により排紙トレイ23に出力される。
【0026】
(扉の構成)
次に、画像形成装置1の扉の構成について説明する。画像形成装置1の本体30の右側の側面には、扉が設けられている。そして、該扉が開けられることにより、用紙Pのジャム処理が行われる。図2は、画像形成装置1の搬送経路R1,R4近傍の拡大図である。図3は、内扉D1及び外扉D2を上側から平面視した図である。図4は、内扉D1及び外扉D2の斜視図である。
【0027】
画像形成装置1は、図2ないし図4に示すように、内扉D1及び外扉D2を更に備えている。外扉D2は、本体30の右側の側面に設けられ、かつ、図3及び図4に示すように、上下方向に延在している支軸40を中心に回転可能に支持されている。内扉D1は、外扉D2よりも本体30の内側(すなわち、左側)に設けられ、支軸40を中心に回転可能に支持されている。そして、搬送経路R1は、本体30内において内扉D1の内側(左側)に設けられている。搬送経路R4は、本体30内において外扉D2と内扉D1との間に設けられている。以下に、内扉D1及び外扉D2についてより詳細に説明する。
【0028】
内扉D1は、本体30内に設けられている搬送経路R1,R4を構成するガイドG1,G2(図2参照)が設けられており、開状態において搬送経路R1内を本体30外に露出させる。より詳細には、図2に示すように、内扉D1の左側(内側)の面は、ガイドG1である。ガイドG1は、搬送経路R1の右側を構成している。また、内扉D1の右側(外側)の面は、ガイドG2である。ガイドG2は、搬送経路R4の左側を構成している。内扉D1は、図3に示すように、本体30の後ろ側の端部において上下方向に延在する支軸40を中心として回転することができる。これにより、上方から平面視したときに支軸40を軸にして反時計回りに内扉D1が回転させられて開状態にされると、ガイドG1が内扉D1と共に搬送経路R1から離れるので、搬送経路R1内が本体30外に露出する。
【0029】
外扉D2は、閉状態では内扉D1を覆い、開状態では内扉D1を本体30外に露出させる。また、外扉D2は、本体30内に設けられている搬送経路R4を構成するガイドG3が設けられている。より詳細には、図2に示すように、外扉D2の左側(内側)の面は、ガイドG3である。ガイドG3は、搬送経路R4の右側を構成している。外扉D2は、図3に示すように、本体30の後ろ側の端部において上下方向に延在する支軸40を中心として回転することができる。そして、図2及び図3に示すように、外扉D2は、内扉D1よりも大きく、内扉D1よりも本体30の外側(右側)に設けられている。これにより、外扉D2が閉状態となると、内扉D1には外扉D2が覆いかぶさるようになる。一方、外扉D2が開状態となると、内扉D1が露出し、搬送経路R4が露出する。外扉D2が開状態のときに、内扉D1が開状態となると、搬送経路R1内が本体30外に露出する。
【0030】
また、2次転写ローラ14は、図2に示すように、内扉D1に設けられており、内扉D1が閉状態であるときに、図1に示すように、本体30内に設けられている中間転写ベルト11に接触することによって、所定の位置に位置決めされている。より詳細には、2次転写ローラ14は、内扉D1の左側の面に設けられている。2次転写ローラ14は、弾性体を内蔵する付勢部(図示せず)により、左上に押し出されている。これにより、内扉D1が閉じられると、2次転写ローラ14は、図1に示すように、中間転写ベルト11の駆動ローラ12に巻きついている部分に圧接する。
【0031】
ところで、画像形成装置1では、内扉D1は、外扉D2が開けられる際に、外扉D2と一体となって回転させられる。以下に、内扉D1及び外扉D2が開けられる際に一体となって回転するための構成について図面を参照しながら説明する。図5は、閉状態であるときの内扉D1及び外扉D2の前側の端部を上側から平面視した図である。
【0032】
本体30は、図5に示すように、爪50a,50b(爪50aについては図示せず)を有している。爪50a,50b(第1の爪)は、本体30の右側の側面に設けられており、図5に示すように、鉤型をなしている。より詳細には、爪50a,50bは、右側に向かって延在し、かつ、後ろ側に向かって折れ曲がった形状をなしている。これにより、爪50a,50bは、左側において平坦な係合面S1を有している。また、爪50aは、爪50bよりも上側に位置している。
【0033】
内扉D1は、図4及び図5に示すように、爪52a,52b(第2の爪)、レバー54(第1のレバー)及び支軸56を有している。支軸56は、図4及び図5に示すように、内扉D1の前側の端部において、上下方向に延在している。すなわち、支軸56は、支軸40に対して平行である。また、支軸56は、内扉D1に回転可能に取り付けられている。
【0034】
レバー54は、図4に示すように、支軸56の上下方向の中央に設けられており、図5に示すように、鉤型をなしている。より詳細には、レバー54は、支軸56から右側に向かって延在し、かつ、後ろ側に向かって折れ曲がった形状をなしている。これにより、レバー54は、左側において平坦な係合面S3を有している。レバー54は、内扉D1の開閉時に用いられる。
【0035】
爪52a,52bはそれぞれ、支軸56の上端及び下端に設けられている。これにより、爪52a,52bとレバー54とは、支軸56を介して接続されている。また、爪52a,52bは、鉤型をなしており、より詳細には、支軸56から左側に向かって延在し、かつ、前側に向かって折れ曲がった形状をなしている。これにより、爪52a,52bは、右側において平坦な係合面S2を有している。そして、爪52a,52bは、図5に示すように、内扉D1が閉状態である場合において、爪50a,50bに係合する。具体的には、爪50a,50bの係合面S1と爪52a,52bの係合面S2とが接触する。これにより、内扉D1の閉状態が保たれる。
【0036】
また、支軸56は、内扉D1に回転可能に取り付けられている。そのため、爪52a,52b及びレバー54は、支軸56を中心として回転可能に支持されている。そして、爪52a,52b及びレバー54は、上側から平面視したときに、図示しない弾性部材により、支軸56を中心として反時計回り方向に付勢されている。これにより、爪50a,50bと爪52a,52bとの係合が保たれている。
【0037】
外扉D2は、図4及び図5に示すように、爪58(第3の爪)、レバー60、支軸62及び爪64a,64bを有している。爪58は、外扉D2の前側の端部において上下方向の中央に設けられており、前側に向かって突出している。これにより、爪58は、右側において平坦な係合面S4を有しており、爪58は、左側において平坦な傾斜面S5を有している。傾斜面S5は、係合面S4に対して、傾斜している。これにより、爪58は、上側から平面視したときに、前側にいくにしたがって細くなっている。そして、爪58は、図5に示すように、外扉D2が閉状態である場合において、レバー54に係合する。具体的には、爪58の係合面S4とレバー54の係合面S3とが接触する。これにより、内扉D1と外扉D2とは一体となっている。
【0038】
また、爪58は、図示しない弾性部材により、前側に向けて付勢されている。これにより、爪58とレバー54との係合が保たれている。
【0039】
支軸62は、図4及び図5に示すように、外扉D2の前側の端部において、上下方向に延在している。また、支軸62は、外扉D2に回転可能に取り付けられている。
【0040】
レバー60は、図4に示すように、支軸62の上下方向の中央に設けられており、図5に示すように、L字型をなしている。より詳細には、レバー60は、支軸62から前側に向かって延在し、かつ、右側に向かって折れ曲がった形状をなしている。
【0041】
爪64a,64bはそれぞれ、支軸62の上端及び下端に設けられている。これにより、爪64a,64bとレバー60とは、支軸62を介して接続されている。爪64a,64bは、外扉D2が閉状態である場合において、本体30に設けられている爪(図示せず)に係合する。これにより、外扉D2の閉状態が保たれる。
【0042】
ここで、レバー54とガイドG3との関係について図面を参照しながら説明する。図6は、レバー54及びガイドG2,G3周辺の上下方向に垂直な断面構造図である。
【0043】
ガイドG3は、用紙Pの搬送方向(上下方向)に直交する方向(前後方向)の端部に凹部70を有している。より詳細には、図4に示すように、ガイドG3の前側の辺の中央部分が切り欠かれることによって凹部70が形成されている。そして、レバー54は、図6に示すように、外扉D2が閉状態であるときに、凹部70に嵌合することにより、ガイドG3と共に、搬送経路R4の外側を構成している。より詳細には、レバー54は、図4及び図6に示すように、支軸56から右側に向かって延在し、かつ、後ろ側に向かって折れ曲がった形状をなしている。これにより、レバー54は、左側において平坦な係合面S3を有している。そして、係合面S3は、ガイドG3と面一となっており、搬送経路R4を構成している。
【0044】
更に、ガイドG3及びレバー54の係合面S3には、用紙Pの搬送方向(上下方向)に延在しているリブ(突条)が設けられている。これにより、ガイドG3及びレバー54は、用紙Pを上下方向に導く。
【0045】
(扉の開動作)
次に、内扉D1及び外扉D2を開ける動作について図面を参照しながら説明する。図7ないし図10は、内扉D1及び外扉D2が開けられる際の内扉D1及び外扉D2の前側の端部を上側から平面視した図である。
【0046】
まず、図5に示すように、内扉D1及び外扉D2は、閉状態である。ユーザは、レバー60を時計回りに回転させる。これにより、爪64a,64bと本体30の爪(図示せず)との係合が解除される。
【0047】
次に、ユーザは、内扉D1及び外扉D2を開けるために、レバー60を右方向に引く。これにより、外扉D2が支軸40を中心として反時計回りに回転させられる。そして、爪58は、図7に示すように、レバー54に係合しているので、支軸56を中心としてレバー54を時計回りに回転させる。レバー54は、爪52a,52bに接続されているので、爪52a,52bは、支軸56を中心として時計回りに回転させられる。これにより、図8に示すように、爪50a,50bと爪52a,52bとの係合が解除される。ただし、図8の状態では、レバー54と爪58とは係合したままである。
【0048】
ユーザは、レバー60を更に右方向に引く。これにより、内扉D1は、図9及び図10に示すように、外扉D2と一体となって支軸40を中心として反時計回りに回転させられる。内扉D1及び外扉D2の回転に伴って、爪58は、レバー54の係合面S3を後ろ側に向かって滑る。そして、レバー54と爪58との係合は、内扉D1が閉状態から所定角度だけ回転したときに、解除される。すなわち、内扉D1は、閉状態から所定角度だけ外扉D2と一体となって回転させられる。これにより、搬送経路R1が露出する。
【0049】
この後、ユーザがレバー60を右方向に引くと、外扉D2のみが支軸40を中心として反時計回りに回転させられる。これにより、搬送経路R4が露出する。以上の動作により、内扉D1及び外扉D2が開けられる。
【0050】
(扉の閉動作)
次に、外扉D2を閉じる動作について図面を参照しながら説明する。図11ないし図14は、外扉D2が閉じられる際の内扉D1及び外扉D2の前側の端部を上側から平面視した図である。
【0051】
まず、図11に示すように、内扉D1は閉状態であり、外扉D2は開状態である。ユーザは、外扉D2を閉じるために、レバー60を左方向に押す。これにより、外扉D2が支軸40を中心として時計回りに回転させられる。そして、レバー54は、図12に示すように、爪58の傾斜面S5に接触する。
【0052】
外扉D2が支軸40を中心として時計回りに回転させられると、レバー54は、傾斜面S5に押しつけられる。傾斜面S5は、上側から平面視したときに、前後方向に対して傾斜している。そのため、爪58は、図13に示すように、レバー54により後ろ側に押しつけられて退避する。
【0053】
この後、外扉D2が支軸40を中心として時計回りに更に回転させられると、爪58は、前側に復帰し、レバー54と係合する。これにより、外扉D2は、内扉D1と一体となる。また、図11ないし図14の間に、爪64a,64bは、本体30の爪(図示せず)に係合する。これにより、外扉D2は、本体30に対して固定される。以上の動作により、外扉D2が閉じられる。
【0054】
(効果)
以上のように構成された画像形成装置1によれば、小型化を図ることが可能である。より詳細には、特許文献1に記載のシート搬送装置では、一般的には、内側扉部を本体にロックするためのロック機構、及び、ロック機構を操作するためのレバーを有している。そして、レバーは、内側扉部の外側に設けられており、外側扉部と対向する。ただし、内側扉部と外側扉部との間には、第2のシート搬送路が設けられている。そのため、レバーは、用紙の搬送を妨げないように、第2のシート搬送路外に設けられる必要がある。その結果、内側扉部及び外側扉部が大型化し、シート搬送装置が大型化してしまう
【0055】
一方、画像形成装置1では、ガイドG3は、用紙Pの搬送方向(上下方向)に直交する方向(前後方向)の端部に凹部70を有している。そして、レバー54は、図6に示すように、外扉D2が閉状態であるときに、凹部70に嵌合することにより、ガイドG3と共に、搬送経路R4の外側(右側)を構成している。これにより、レバー54は、右側から平面視したときに搬送経路R4内に位置するようになる。その結果、画像形成装置1の内扉D1及び外扉D2は、特許文献1に記載のシート搬送装置の内側扉部及び外側扉部よりも小型化される。その結果、画像形成装置1は、シート搬送装置を備えた画像形成装置よりも小型化される。
【0056】
また、画像形成装置1によれば、搬送経路R1に生じた用紙Pの詰まりを容易に解除できる。より詳細には、特許文献1に記載のシート搬送装置では、外側扉部と所定の間隔を開けた状態で内側扉部が解放されるため、第2のシート搬送路が大きく露出しない。そのため、該シート搬送装置では、第2のシート搬送経路に発生した用紙の詰まりを容易に解除できない。
【0057】
一方、画像形成装置1では、内扉D1は、外扉D2が開けられる際に、閉状態から所定角度まで外扉D2と一体となって回転させられる。これにより、内扉D1及び外扉D2が開けられる際には、本体30と内扉D1との間の搬送経路R1のみが露出させられて、内扉D1と外扉D2との間の搬送経路R2が露出させられない。そのため、搬送経路R1が大きく露出するようになる。その結果、画像形成装置1では、搬送経路R1に生じた用紙Pの詰まりを容易に解除できる。
【0058】
(その他の実施形態)
なお、本発明に係る画像形成装置は、前記実施形態に係る画像形成装置1に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0059】
画像形成装置1では、内扉D1と外扉D2は、支軸40を中心として回転可能に支持されている。しかしながら、内扉D1と外扉D2とは異なる支軸を中心として回転可能に支持されていてもよい。ただし、この場合、2つの軸は、互いに平行であって、かつ、内扉D1と外扉D2とが一体となって回転できる程度の距離しか離れていないことが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、小型化を図ることができる点において優れている。
【符号の説明】
【0061】
R1〜R4 搬送経路
1 画像形成装置
30 本体
40,56,62 支軸
50a,50b,52a,52b,58,64a,64b 爪
54,60 レバー
70 凹部
D1 内扉
D2 外扉
G1〜G3 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の側面に設けられ、かつ、第1の軸を中心に回転可能に支持されている外扉と、
前記外扉よりも前記本体の内側に設けられ、かつ、前記第1の軸に平行な第2の軸を中心に回転可能に支持されている内扉であって、開閉時に用いられるレバーを有している内扉と、
前記本体内において前記内扉の内側に設けられている第1の経路であって、印刷媒体の表面に印刷が行われる際に、該印刷媒体が通過する第1の経路と、
前記本体内において前記外扉と前記内扉との間に設けられている第2の経路であって、前記印刷媒体の裏面に印刷が行われる際に、該印刷媒体が通過する第2の経路と、
を備えており、
前記外扉の内側の面は、前記第2の経路を構成していると共に、前記印刷媒体の搬送方向に直交する方向の端部に設けられた凹部を有しており、
前記レバーは、前記凹部に嵌合することにより、前記外扉の内側の面と共に、前記第2の経路を構成していること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記外扉の内側の面及び前記レバーには、前記印刷媒体の搬送方向に延在している突条が設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体は、第1の爪を有しており、
前記内扉は、前記第1の爪に係合する第2の爪を更に含んでおり、
前記第2の爪は、前記レバーと接続されており、該レバーの操作によって、前記第1の爪から外れることができること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−18125(P2013−18125A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150836(P2011−150836)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】