説明

画像形成装置

【課題】中間転写体上の残留トナーを収容するためのトナー収容容器及びプロセスカートリッジの交換作業性を向上させる。
【解決手段】プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32をそれぞれ着脱可能に保持するカートリッジトレイ26であって、
装置本体の外部でプロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32をそれぞれ着脱可能とする外部位置と、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32が装置本体の内部でそれぞれ位置決めされる際に位置する内部位置との間を移動可能に設けられたカートリッジトレイ26を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー電子写真画像形成装置においては、装置本体に対して移動可能な移動部材に複数個のプロセスカートリッジを支持する構成が考えられている(特許文献1参照)。このような構成によれば、複数個のプロセスカートリッジを装置本体内へ同時に挿入することが出来る。
また、中間転写ベルト方式の画像形成装置において、記録材へトナー像を転写した後、中間転写ベルト表面に残留した転写残トナーを除去するため、ベルト表面をクリーニングする必要がある。
これに対して、クリーニングブレードを用いて中間転写ベルト上の転写残トナーを除去し、廃トナー容器内に回収する方法がある(特許文献2参照)。転写残トナーはクリーニングブレードによりかき取られ、廃トナー容器内に回収され、容器内の廃トナーが所定量に達した場合には空の容器に交換することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-213018号公報
【特許文献2】特開2006-220998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術において、中間転写ベルトをクリーニングすることで、廃トナー容器内の廃トナーが所定量に達した場合には、ユーザが廃トナー容器の収納部にアクセスし、廃トナー容器を交換しなければならない。
しかし、従来のカラー電子写真画像形成装置の場合、ユーザが廃トナー容器及びカートリッジを交換する際には、それぞれ別の箇所にアクセスする必要があった。そのため、カートリッジ及び廃トナー容器を同時に交換するような場合には、交換作業の効率が悪かった。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、中間転写体上の残留トナーを収容するためのトナー収容容器及びプロセスカートリッジの交換作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
トナー像が形成される像担持体を有するプロセスカートリッジと、
前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に転写するための転写部材と、
前記中間転写体上の残留トナーを除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により除去された前記中間転写体上の残留トナーを収容する収容容器と、
を有する画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器をそれぞれ着脱可能に保持する保持部材であって、
装置本体の外部で前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器をそれぞれ着脱可能とする
外部位置と、前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器が装置本体の内部でそれぞれ位置決めされる際に位置する内部位置との間を移動可能に設けられた保持部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、中間転写体上の残留トナーを収容するためのトナー収容容器及びプロセスカートリッジの交換作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図2】実施例1のプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器の交換を説明する図
【図3】実施例1のプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器を駆動側から見た図
【図4】実施例1の廃トナー収容容器の概略断面図
【図5】実施例2の画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図6】実施例2の廃トナー収容容器一体型プロセスカートリッジを示す図
【図7】実施例3の画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図8】実施例3のプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器の交換を説明する図
【図9】実施例3のカートリッジトレイを駆動側から見た図
【図10】実施例3の廃トナー収容容器を非駆動側から見た概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
本発明は、プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真方式の画像形成装置に関する。ここで、電子写真方式の画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録材に画像を形成するものである。電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)等を例示できる。また、記録材とは、電子写真画像形成プロセスを用いて画像が形成されるものであり、記録用紙、OHPシート、ラベル等を例示できる。またプロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段(例えば、現像手段、帯電手段、クリーニング手段のうち少なくとも一つ)とが一体的にカートリッジ化され、画像形成装置本体に着脱可能とされたものである。ここで、プロセスカートリッジは、使用者自身によって画像形成装置本体に対する着脱を行うことができ、装置の操作性が非常に優れたものである。
【実施例1】
【0009】
以下、実施例1について説明する。
図1は、本実施例の画像形成装置としてのレーザビームプリンタの概略構成を示す断面図である。以下、本実施例の画像形成装置の全体構成及び機能について説明する。
【0010】
[画像形成装置概要]
画像形成装置本体(以下、装置本体)内には、レーザスキャナ25、感光ドラム1,2,3,4と、現像ローラ5,6,7,8と、中間転写ベルト18、定着フィルム20、加圧ローラ21、給送トレイ13、給送ローラ15等が設置されている。ここで、感光ドラム1,2,3,4は像担持体に相当する。また、中間転写ベルト18は中間転写体に相当する。
給送トレイ13内に積載収納された記録材14は、図1において時計周りに回転する給送ローラ15により給送され、中間転写ベルト18と転写部材としての転写ローラ17と
の間に形成されたニップ部へ送られる。
【0011】
感光ドラム1,2,3,4は、図1において反時計周りに回転しており、その外周面には、レーザスキャナ25からのレーザ光により静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ5,6,7,8で現像され、トナー像が形成される。
感光ドラム1,2,3,4上(像担持体上)に形成されたトナー像は、中間転写ベルト18に転写される。カラー画像を形成する場合は、感光ドラム1,2,3,4にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色が現像され、それぞれに形成されたトナー像が、中間転写ベルト18に転写(1次転写)される。
【0012】
次に、中間転写ベルト18に形成されたトナー像(中間転写体上のトナー像)は、中間転写ベルト18と転写ローラ17との間のニップ部に送られた記録材14に転写(2次転写)される。記録材14への転写後、中間転写ベルト18表面には転写残トナー(残留トナー)が付着している。この転写残トナーをクリーニング(除去)するため、クリーニング部材としてのクリーニングブレード33が設けられている。クリーニングブレード33は、中間転写ベルト18表面の転写残トナーをかき取るために、中間転写ベルト18表面に当接するように配設されている。かき取られたトナーは、廃トナー搬送機構(不図示)により搬送され、廃トナー収容容器32に収容される。
【0013】
さらに、トナー像が転写された記録材14は、定着フィルム20と加圧ローラ21との間に形成されたニップ部へ送られ、ここで加熱加圧されることでトナー像が記録材14に定着される。
トナー像が定着された記録材14は、排出ローラ22と排出コロ23により、排出トレイ24に排出される。
そして、本実施例の感光ドラム1,2,3,4は、現像ローラ5,6,7,8等と一体にプロセスカートリッジ9,10,11,12に設けられている。そして、プロセスカートリッジ9,10,11,12、及び、廃トナー収容容器32は、装置本体に対し、着脱可能に構成されている。
【0014】
[プロセスカートリッジ交換方法概要説明]
図2(a)〜(c)は、本実施例のプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器の交換方式を説明する図である。以下、本実施例のレーザビームプリンタのプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器の交換方式について説明する。ここで、以下の説明では、プロセスカートリッジ9,10,11,12、及び廃トナー収容容器32を保持しながら移動する移動部材(保持部材)をカートリッジトレイ26という。
カートリッジトレイ26は、装置本体に対して、トレイ保持部材27で支えられ、図1の横(左右)方向(複数並んで設けられた感光ドラム(プロセスカートリッジ)の並設方向)にスライド可能(移動可能)に設けられている。カートリッジトレイ26は、プロセスカートリッジ9,10,11,12、及び廃トナー収容容器32をそれぞれ着脱可能にラフに保持している。
【0015】
図2(a)はドア28を開いた状態を示している。
ドア28は装置本体に対して回転可能に設けられている。ドア28とトレイ保持部材27との間にはドアリンク36が設けられており、ドア28を開くことで、トレイ保持部材27を装置本体の外方へ引張り出すことができる。
このようにして、トレイ保持部材27は、ドア28の開放時の位置(図2(a)に示す位置)が、ドア28の閉鎖時の位置(図1に示す位置)より、図において右斜め上の方の位置をとるように構成されている。ここで、ドア28の閉鎖時においては、カートリッジトレイ26が装置本体内の内部位置に位置することで、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32が装置本体の内部でそれぞれ位置決めされる。
【0016】
ドア28の開放時には、トレイ保持部材27に導かれてカートリッジトレイ26も図において右斜め上方に移動することとなり、感光ドラム1,2,3,4及び廃トナー収容容器32が中間転写ベルト18より浮き上がる。このとき、廃トナー収容容器32に取り付けられた廃トナー容器シャッタ35は閉じた状態になり、廃トナーの漏れが防止される。中間転写ベルト18から浮き上がった状態になることで、カートリッジトレイ26は、画像形成装置より引き出し可能となる。
【0017】
図2(b)は、カートリッジトレイ26が、装置本体から引き出され、装置本体の外部でプロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32をそれぞれ着脱可能とする外部位置に位置する状態を示す図である。この状態で、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32の上面が開放され、図2(c)に示すように、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32がそれぞれ取り外し可能となる。
【0018】
プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32を装置本体に装着する際は、逆の手順となる。すなわち、カートリッジトレイ26を引き出し、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32を、カートリッジトレイ26に乗せ(装着し)、カートリッジトレイ26を装置本体内部に収納する。
【0019】
そして、ドア28を閉めることで、図2(a)に示す状態から、ドアリンク36を介してトレイ保持部材27が左下方向に押し下げられ、図1に示す状態となる。これにより、カートリッジトレイ26も下がることで、感光ドラム1,2,3,4は中間転写ベルト18に接触することとなる。さらに、カートリッジトレイ26の下がる動作に連動して、廃トナー容器シャッタ35が開き、廃トナー経路が確保される。
なお、本実施例ではブレードクリーニング方式を採用したが、これに限らず、ブラシクリーニング方式を採用してもよい。
【0020】
[廃トナー収容容器概要]
図3は、プロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器を駆動側から見た概略斜視図を示している。
カートリッジトレイ26引き出し状態の時、廃トナー容器シャッタ35は図3に示すように閉じ状態となり、容器外部に廃トナーが漏れないように構成されている。ユーザが廃トナー収容容器32を交換する際は、廃トナー収容容器持ち手37を持ち、装置本体の設置状態でトレイ上方に取り出す。
また、カートリッジトレイ26が装置本体に収納されている場合には、クリーニングブレード33を有するブレードクリーニング装置34と廃トナー収容容器32とは図に示すように並んで配置されている。このとき、廃トナー容器シャッタ35は、開き状態となり、ブレードクリーニング装置34から搬送された廃トナーが廃トナー収容容器32内に貯まる。
【0021】
ここで、廃トナー収容容器32は、装置本体に対して位置決め部42で位置決めされる。なお、プロセスカートリッジ12は、装置本体に対して位置決め部41で位置決めされ、他のプロセスカートリッジにおいても同様に位置決めされる。また、図3に示すように、プロセスカートリッジ12には、感光ドラム4に駆動を伝達するための駆動伝達カップリング39、及び、現像ローラ8に駆動を伝達するための駆動伝達カップリング40が配設されている。また、廃トナー収容容器32には、図4に示す撹拌軸43に駆動を伝達するための廃トナー撹拌軸駆動伝達カップリング38が配設されている。
【0022】
図4は、廃トナー収容容器32の概略断面図である。廃トナー容器シャッタ35部分か
ら容器内駆動側に落ちた廃トナーは、廃トナー収容容器側板44,45によって位置決めされた撹拌軸43の回転により、一部に貯まることなく容器内の全域に送られる。
【0023】
本実施例によれば、プロセスカートリッジと廃トナー収容容器を同時に交換する際に、別々の箇所にアクセスすることなく、装置本体に着脱可能に設けられたカートリッジトレイを引き出すだけでプロセスカートリッジと廃トナー収容容器を交換できる。これにより、プロセスカートリッジと廃トナー収容容器の交換作業を効率良く行うことが可能となる。また、プロセスカートリッジと廃トナー収容容器の交換時にアクセスする箇所を1つにすることができるので、プロセスカートリッジと廃トナー収容容器の交換時にアクセスする箇所を明確にすることができる。したがって、プロセスカートリッジと廃トナー収容容器のいずれかを交換するような場合でも、ユーザは、どこにアクセスすればよいか迷うことなく、交換作業を行うことができる。
【0024】
ここで、ブレードクリーニング装置34及び廃トナー収容容器32のうち廃トナー収容容器32のみがカートリッジトレイ26に着脱可能に保持されるものであったが、これに限るものではない。ブレードクリーニング装置34及び廃トナー収容容器32の双方がカートリッジトレイ26に着脱可能に保持されるものであってもよい。これにより、プロセスカートリッジ、廃トナー収容容器及びクリーニングブレードの交換に関しても、交換作業の効率を向上させることが可能となる。
【実施例2】
【0025】
以下に、実施例2について説明する。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例においては、廃トナー収容容器32とプロセスカートリッジ9を一体に構成することで、カートリッジトレイ26から、廃トナー収容容器32とプロセスカートリッジ9を一体で着脱可能としている。
【0026】
[プロセスカートリッジ交換方法概要説明]
図5(a)は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図5(b),(c)は、本実施例の一体型プロセスカートリッジ、廃トナー収容容器の交換方式を説明する図である。
図5(b)は、ドア28を開いた状態を示している。このときプロセスカートリッジ9に取り付けられた廃トナー容器シャッタ35が閉じた状態になることで、廃トナーの漏れを防止することが可能となる。また、カートリッジトレイ26は、中間転写ベルト18から浮き上がった状態になることで、装置本体より引き出し可能となる。
【0027】
図5(c)は、カートリッジトレイ26を装置本体から引き出した状態を示している。この状態となることで、カートリッジトレイ26に装着されている、廃トナー収容容器一体型のプロセスカートリッジ9、及びプロセスカートリッジ10,11,12の上面が開放される。したがって、各プロセスカートリッジは図5(c)において上方向にカートリッジトレイ26から取り外し可能となる。
【0028】
[廃トナー収容容器一体型プロセスカートリッジ概要]
図6は、廃トナー収容容器一体型プロセスカートリッジを駆動側から見た概略斜視図を示している。
図に示すように、廃トナー収容容器一体型のプロセスカートリッジ9、感光ドラム1、廃トナー収容容器32がカートリッジ側板47,48によって位置決めされている。
本実施例によれば、ユーザは、カートリッジトレイ26を装置本体から引き出すことで、廃トナー収容容器32とプロセスカートリッジ9を一体で取り出すことができ、交換作業の効率をより向上させることが可能となる。
このように、カートリッジトレイ26に装着する廃トナー収容容器32とプロセスカートリッジ9を一体化することで、使用者は交換するカートリッジの数を減らすことができる。
【実施例3】
【0029】
以下、実施例3について説明する。なお、実施例1,2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7は、本実施例の画像形成装置としてのレーザビームプリンタの概略構成を示す断面図である。以下、本実施例の画像形成装置の全体構成及び機能について説明する。
【0030】
[画像形成装置概要]
本実施例の画像形成装置では、中間転写ローラ31が設けられることで、3度の転写過程を経る方式が採用されている。本実施例では、中間転写ベルト18と中間転写ローラ31との間で2次転写ニップ部が形成され、中間転写ローラ31と転写ローラ17との間で3次転写ニップ部が形成されている。ここで、中間転写ローラ31は中間転写体に相当する。
【0031】
本実施例において、給送トレイ13内に積載収納された記録材14は、図1において時計方向に回転する給送ローラ15により給送され、中間転写ローラ31と転写ローラ17の2次転写ニップ部へ送られる。
感光ドラム1,2,3,4は、図1において時計周りに回転しており、その外周面には、レーザスキャナ25からのレーザ光により静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ5,6,7,8で現像され、トナー像が形成される。
感光ドラム1,2,3,4に形成されたトナー像は、中間転写ベルト18に転写(1次転写)される。カラー画像を形成する場合は、感光ドラム1,2,3,4にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色が現像される。
【0032】
次に、中間転写ベルト18に形成されたトナー像は、廃トナー収容容器32に設けられた中間転写ローラ31に転写(2次転写)され、転写ローラ17と中間転写ローラ31の3次転写ニップ部に送られた記録材14に転写(3次転写)される。記録材14への転写後、中間転写ローラ31表面には転写残トナーが付着している。この転写残トナーをクリーニングするため、本実施例では、クリーニングブレード33を中間転写ローラ31表面に当接させトナーをかき取る構成としている。かき取られたトナーは廃トナー搬送機構(
不図示)により搬送され、廃トナー収容容器32に収容される。
【0033】
本実施例において廃トナー収容容器32は、クリーニングブレード33、中間転写ローラ31と一体に設けられ、プロセスカートリッジ9,10,11,12とともに、カートリッジトレイ26(装置本体)に対し、着脱可能に設けられている。
【0034】
[プロセスカートリッジ交換方法概要説明]
図8(a),(b)は、本実施例のプロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器の交換方式を説明する図である。
図8(a)は、ドア28を開いた状態を示している。プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32が中間転写ベルト18から浮き上がった状態になることで、カートリッジトレイ26は、装置本体より引き出し可能となる。
図8(b)は、カートリッジトレイ26を装置本体から引き出した状態を示している。この状態となることで、プロセスカートリッジ9,10,11,12及び廃トナー収容容器32の上面が開放され、各プロセスカートリッジ及び廃トナー収容容器32は、図8(b)において上方向にカートリッジトレイ26から取り外し可能となる。
【0035】
[廃トナー収容容器・中間転写ローラ一体カートリッジ概要]
図9は、本実施例におけるカートリッジトレイ26を駆動側から見た概略斜視図である。また、図10(a)は、本実施例の廃トナー収容容器32を非駆動側から見た概略斜視図である。図10(a)に示すように、撹拌軸43、中間転写ローラ31が廃トナー収容容器側板44,45によって位置決めされている。
【0036】
図10(b)は、本実施例の廃トナー収容容器32において非駆動側の廃トナー収容容器側板45を外した状態を示す概略斜視図である。また、図10(c)は、本実施例の廃トナー収容容器32を一部断面で示す、非駆動側から見た概略斜視図である。
中間転写ローラ31の回転軸の駆動側に取り付けられた駆動伝達カップリング51が回転することで、中間転写ローラ31の回転軸の非駆動側に取り付けられた中間転写ローラギア52が回転する。撹拌軸43に取り付けられた撹拌軸ギア53は、中間転写ローラギア52に係合し、中間転写ローラギア52の回転に連動して回転するように構成されている。撹拌軸ギア53の回転により撹拌軸43が回転することで、廃トナー収容容器32内の廃トナーは一箇所に貯まることなく、容器内の全域に送られる。ここで、駆動伝達カップリング51に駆動が伝達された場合に、廃トナー収容容器32が装置本体に対して回転してしまうことを防止するために、廃トナー収容容器32には廃トナー収容容器回転止め54が設けられている。
【0037】
本実施例の廃トナー収容容器32においては、クリーニングブレード33、廃トナー搬送機構(不図示)が配設されている。中間転写ローラ31表面に当接するようにクリーニングブレード33が取り付けられることで、中間転写ローラ31表面のトナーはクリーニングブレード33によりかき取られる。かき取られたトナーは、廃トナー搬送機構(不図示)により、廃トナー収容容器32内に送られる。
【0038】
本実施例によれば、使用者がカートリッジトレイ26を装置本体から引き出すことで廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31及びクリーニングブレード33を一体で取り出すことができる。これにより、廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31及びクリーニングブレード33の交換作業を1度で行うことが可能となる。したがって、実施例1同様の効果に加えてさらに、廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31及びクリーニングブレード33の交換に関して、交換作業の効率を向上させる効果を得ることができる。
【0039】
ここで、本実施例では、廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31及びクリーニングブレード33を一体に構成していたが、これに限るものではない。例えば、廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31、クリーニングブレード33及びプロセスカートリッジ9を一体に構成してもよい。
また、廃トナー収容容器32、中間転写ローラ31及びクリーニングブレード33がそれぞれ別々に着脱可能にカートリッジトレイ26に保持されるものであってもよい。これにより、クリーニングブレード33又は中間転写ローラ31の寿命の方が廃トナー収容容器32よりも短いような場合であっても、カートリッジトレイ26を引き出すことで、使用者は容易にクリーニングブレード33又は中間転写ローラ31を交換できる。このような場合であっても、本実施例では、廃トナー搬送経路が廃トナー収容容器32内で閉じているため、廃トナーが漏れない構成となっている。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3,4…感光ドラム、9,10,11,12…プロセスカートリッジ、17…転写ローラ、18…中間転写ベルト、26…カートリッジトレイ、32…廃トナー収容容器、33…クリーニングブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される像担持体を有するプロセスカートリッジと、
前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に転写するための転写部材と、
前記中間転写体上の残留トナーを除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材により除去された前記中間転写体上の残留トナーを収容する収容容器と、
を有する画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器をそれぞれ着脱可能に保持する保持部材であって、
装置本体の外部で前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器をそれぞれ着脱可能とする外部位置と、前記プロセスカートリッジ及び前記収容容器が装置本体の内部でそれぞれ位置決めされる際に位置する内部位置との間を移動可能に設けられた保持部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記保持部材はさらに前記クリーニング部材を着脱可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体上に形成されたトナー像は、中間転写ベルトに1次転写された後、前記中間転写ベルトから前記中間転写体に2次転写されるものであり、
前記保持部材はさらに前記中間転写体を着脱可能に保持することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−20087(P2013−20087A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153173(P2011−153173)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】