説明

画像形成装置

【課題】 1次転写部材に電圧を印加するための電圧電源数を減らしつつ、適正な1次転写性、2次転写性を備えた画像形成装置を提供することが難しかった。
【解決手段】 電流供給部材から供給された電流が中間転写ベルトの周方向に流れることで、複数の1次転写部で像担持体から中間転写ベルトにトナー像が1次転写されるものであり、第2の電圧電源が2次転写部を転写材が通過中にトナー帯電部材に印加する第一の電圧を、2次転写部に転写材が到達する前にトナー帯電部材に印加する第二の電圧より大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラー画像形成装置では、高速に印刷するために、各色の画像形成部を独立して有し、各色の画像形成部から順次中間転写ベルトにトナー像を転写し、更に中間転写ベルトから転写材に一括してトナー像を転写する構成が知られている。
【0003】
各色の画像形成部は、それぞれ像担持体としての感光ドラムを有している。さらに、各画像形成部は、感光ドラムを帯電する帯電部材、感光ドラムにトナー像を現像する現像装置、を有している。各画像形成部の帯電部材は、それぞれ感光ドラムに所定の圧接力で接触し、帯電用の電圧電源(不図示)から印加される帯電電圧によって各感光ドラムの表面を所定の極性、電位に均一に帯電する。各画像形成部の現像装置は、それぞれ感光ドラム上に形成された静電潜像にトナー像を付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0004】
各画像形成部の感光ドラムに現像されたトナー像は、各感光ドラムに中間転写ベルトを介して対向する1次転写部材によって、中間転写ベルトに1次転写される。各1次転写部材には、それぞれ1次転写電圧を印加する為の電圧電源が接続されている。中間転写ベルトに1次転写されたトナー像は、2次転写部材によって転写材に2次転写される。2次転写部材には、2次転写電圧を印加する為の電圧電源が接続されている。
【0005】
特許文献1には、4つの1次転写部材にそれぞれ1次転写専用の電圧電源を接続し、1次転写専用の電圧電源を4つ有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−35986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来から知られている1次転写の電圧設定には、以下の課題があった。適正な1次転写電圧を各画像形成部で設定する必要があるので、複数の電圧電源を必要とし、画像形成装置の大型化、高圧電源増によるコストアップを招いていた。また、1次転写部材の抵抗変動を考慮して、画像形成前に適正な1次転写電圧を算出するので、画像形成を開始するまでに時間がかかる場合があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、1次転写部材に電圧を印加するための電圧電源数を減らしつつ、適正な1次転写性、2次転写性を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、本願発明は以下の構成を備える。
複数の像担持体と、前記複数の像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記複数の像担持体の各静電潜像を現像する複数の現像手段と、回転可能な無端状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面を張架する複数の張架部材と、を備え、前記複数の像担持体が担持するトナー像を前記複数の像担持体に対応した複数の1次転写部で前記中間転写ベルトに1次転写し、2次転写部で前記中間転写ベルト上のトナー像を転写材へ2次転写する画像形成装置において、
前記中間転写ベルトに接触する電流供給部材と、前記電流供給部材に電圧を印加する第1の電圧電源と、を有し、前記中間転写ベルトは導電性を備え、前記複数の像担持体のトナー像は、前記電流供給部材から供給された電流が前記中間転写ベルトの周方向に流れることで、複数の前記1次転写部で前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像が1次転写されるものであり、
転写材に2次転写されず前記中間転写ベルトに残留したトナーを帯電するトナー帯電部材と、前記トナー帯電部材に電圧を印加する第2の電圧電源と、を有し、第2の電圧電源から電圧が印加された前記トナー帯電部材によって前記残留トナーをトナーの正規の帯電極性と逆極性に帯電し、帯電された前記残留トナーは、前記中間転写ベルトの周方向に流れる電流によって前記中間転写ベルトと接触する前記像担持体と形成する前記1次転写部で、前記中間転写ベルトから前記像担持体に移動されるものであり、
前記第2の電圧電源が前記2次転写部を転写材が通過中に前記トナー帯電部材に印加する第一の電圧は、前記2次転写部に転写材が到達する前に前記トナー帯電部材に印加する第二の電圧よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、1次転写専用の電圧電源の数を減らしつつ、適正な1次転写性、2次転写性を備えた画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】実施例1に係る導電性を有する中間転写ベルトでも抵抗値を算出できる抵抗測定方法を説明する図である。
【図3】実施例1に係る導電性を有する中間転写ベルトでも抵抗値を算出できる抵抗測定方法による抵抗測定結果のグラフ図である。
【図4】実施例1に係る中間転写ベルト電位の測定方法を説明する図である。
【図5】実施例1に係る2次転写電圧及びトナー帯電電流と中間転写ベルト電位との関係を示すグラフ図である。
【図6】実施例1に係る中間転写ベルト電位と1次転写残トナー濃度の関係を示すグラフ図である。
【図7】実施例1に係る2次転写電圧と2次転写残トナー濃度の関係を示すグラフ図である。
【図8】1次転写と逆転写が同時に行われる場合の1次転写部における電位関係と、トナーが受ける力の方向を説明するイメージ図である。
【図9】実施例1に係る全白画像形成時の中間転写ベルト電位の測定結果を示すグラフ図である。
【図10】実施例1に係る中間転写ベルト電位制御におけるトナー帯電電圧値を決める手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
図1は、インライン方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置の構成図である。画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1aと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1bと、シアン色の画像を形成する画像形成部1cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1dの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えている。これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0014】
各画像形成部1a、1b、1c、1dには、それぞれ像担持体である感光ドラム2a、2b、2c、2dが配置されている。感光ドラム2a、2b、2c、2dは、本実施例では負帯電の有機感光体でアルミニウム等のドラム基体(不図示)上に感光層(不図示)を有しており、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0015】
各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電部材である帯電ローラ3a、3b、3c、3d、現像手段4a、4b、4c、4dがそれぞれ配置されている。さらに、各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、ドラムクリーニング6a、6b、6c、6dがそれぞれ設置されている。さらに、各感光ドラム2a、2b、2c、2dの下方には、露光手段7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像手段4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0016】
各画像形成部の対向する位置に、中間転写体であって、回転可能な無端状の中間転写ベルト8が設置されている。中間転写ベルト8は、駆動ローラ11、2次転写対向ローラ12、テンションローラ13によって張架されている(以上の3本のローラを、「張架部材」とする)。モータ(不図示)が接続された駆動ローラ11の駆動によって、中間転写ベルト8は、矢印方向(反時計方向)に回転(移動)される。以下、中間転写ベルト8の回転方向を中間転写ベルト8の周方向とする。駆動ローラ11は、中間転写ベルト8を駆動するために表層に高摩擦のゴム層を設け、ゴム層を体積抵抗率が10Ωcm以下の導電性を有する。2次転写対向ローラ12は、中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ15と当接して2次転写部を形成している。2次転写対向ローラ12は、表層にゴム層を設け、ゴム層を体積抵抗率が10Ωcm以下の導電性とした。テンションローラ13は、金属ローラからなり、総圧約60Nの張力を中間転写ベルト8に付与し、中間転写ベルト8に従動して回転する。
【0017】
2次転写ローラ15としては、体積抵抗率が10〜10Ωcm、ゴム硬度が30°(アスカーC硬度計)の弾性ローラを用いた。又、2次転写ローラ15は、中間転写ベルト8を介して2次転写対向ローラ12に対し、総圧約39.2Nで押圧される。又、2次転写ローラ15は、中間転写ベルト8の回転に伴い、従動して回転する。更に、2次転写ローラ15には、電圧電源(第1の電圧電源)19から、−2.0〜7.0kVの電圧の印加が可能となっている。電圧電源19は、制御部101によって制御される。
【0018】
中間転写ベルト8の外面側には、中間転写ベルト8表面に残った転写残トナーを除去して回収するためのトナー帯電手段75が配置されている。トナー帯電手段75が備えるクリーニングブラシ71(トナー帯電部材)は、10〜10Ωcmの導電性を有するナイロン製の繊維が略密となるように構成されたブラシである。クリーニングブラシ71の先端位置は、中間転写ベルト8の表面に対して侵入量が1.0mmとなるように設定されている。クリーニングブラシ71の長手方向(中間転写ベルト8の表面の移動方向と交差する方向)の長さは、中間転写ベルト8上の画像形成可能領域の同方向の幅と略同じである。このように、中間転写ベルト8の表面の移動方向において1次転写部の上流側に位置するクリーニングブラシ71は、中間転写ベルト8の移動に伴って中間転写ベルト8の表面を摺擦する。そして、クリーニングブラシ71には、電圧供給手段としての電源(第2の電圧電源)72から、−2.0〜+2.0kVの電圧の印加が可能となっている。電源72も、コントローラ(制御部101)によって制御される。また、中間転写ベルト8の回転方向において、2次転写対向ローラ12と2次転写ローラ15とが当接する2次転写部の下流側には、定着ローラ17aと加圧ローラ17bを有する定着装置17が設置されている。
【0019】
次に、画像形成動作について説明する。コントローラから画像形成動作を開始するための開始信号が発せられると、カセット(不図示)から転写材(記録媒体)が一枚ずつ送り出され、レジストローラ(不図示)まで搬送される。その時、レジストローラ(不図示)は停止されており、転写材の先端は2次転写部の直前で待機している。一方、各画像形成部1a、1b、1c、1dでは、開始信号が発せられると、各感光ドラム2a、2b、2c、2dが、所定のプロセススピードで回転し始める。各感光ドラム2a、2b、2c、2dは、それぞれ帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって一様に、本実施例では負極性に帯電される。そして、露光手段7a、7b、7c、7dは、レーザ光を各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する
そして、先ず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性である現像電圧が印加された現像手段4aによりイエローのトナーを付着させて、トナー像として可視像化する。
【0020】
本実施例では、現像手段は、感光ドラムの帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光ドラム上に付着させる、所謂反転現像を行う。
【0021】
感光ドラムの表面電位は、帯電ローラにより帯電された後の電位が―500V、露光手段により露光された後の電位(画像部)が―100Vとなるよう帯電量、露光量を調整し、現像バイアスを―300Vとしている。また、プロセススピードを250mm/secとする。搬送方向(回転方向)と垂直方向の長さである画像形成幅は215mm、トナー帯電量は―40μC/g、画像ベタ部の感光ドラム上のトナー量は0.4mg/cmとなるよう設定している。
【0022】
このイエローのトナー像は、回転している中間転写ベルト8上に1次転写される。ここで、各感光ドラムに対向して、各感光ドラムからトナー像が転写される箇所を、1時転写部とする。この1次転写部は、複数の像担持体に対応する形で中間転写ベルト上に複数ある。本実施例は、中間転写ベルト8の外面に接触する電流供給部材から中間転写ベルト8の周方向に流れる電流によって、1次転写を行う。(1次転写の原理は後述する。)
イエローのトナー像が転写された領域は、中間転写ベルト8の回転によって画像形成部1b側に移動する。そして、画像形成部1bにおいても、同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わせて転写される。以下、同様にして中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1c、1dの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を、順次重ね合わせてフルカラーのトナー像を中間転写ベルト8上に形成する。
【0023】
そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像先端が2次転写部に移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ(不図示)により転写材をこの2次転写部に搬送する。中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像が、2次転写電圧(トナーと逆極性(正極性)の電圧)が印加された二次転写部材である2次転写ローラ15により転写材に一括して2次転写される。フルカラーのトナー像が形成された転写材は定着装置17に搬送される。定着ローラ17aと加圧ローラ17bによって形成される定着ニップ部で、フルカラーのトナー像は加熱加圧され、転写材P表面に熱定着された後に外部に排出される。転写材に転写されずに中間転写ベルト8上に残留した残留トナーは、本実施例では、クリーニング装置75によって帯電され、1次転写部で各感光ドラムに回収される。
【0024】
本実施例は、各感光ドラム2a、2b、2c、2dから中間転写ベルト8にトナー像を転写する1次転写を、図2で示す1次転写ローラ55a、55b、55c、55dに各電圧電源9a、9b、9c、9dから電圧を印加する構成を採用せずに実行することを特徴とする。以下に、本実施例の特徴を説明するために、中間転写ベルト8の体積抵抗率、表面抵抗率、周方向抵抗について説明する。尚、周方向抵抗の定義と測定方法については後述する。
【0025】
[本実施例で使用される中間転写ベルト8の体積抵抗率、表面抵抗率]
本実施例の中間転写ベルト8は、厚み100μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂にカーボンを分散させて電気抵抗を調整したものを基層としている。尚、使用される樹脂は、ポリイミド(PI)、PVdF、ナイロン、PET、PBT、ポリカーボネート、PEEK、PEN等でもよい。さらに、中間転写ベルト8は多層構成である。具体的には基層の外面には、厚み0.5〜3μmで高抵抗のアクリル樹脂の表層を設けている。表層の高抵抗層は、2次転写部の長手方向で通紙域と非通紙領域の電流差を少なくして小サイズ紙の2次転写性が良化する効果がある。
【0026】
次にベルトの製造方法について説明する。本実施例では、インフレーション成形法による製造方法を用いている。基材となるPPSと、導電体粉であるカーボンブラックなどの配合成分を二軸混練機により溶融混練する。得られた混練物を環状ダイスによって押出し成形することによりベルトを製造している。
【0027】
表層である表面コート層は、成形したエンドレスベルトの表面に紫外線硬化樹脂をスプレーコーティングし、乾燥後、紫外線照射により硬化させて形成している。コート層は厚すぎると割れやすくなるため、0.5〜3μmの範囲となるよう塗布量を調整している。
【0028】
本実施例では、導電体粉としてカーボンブラックを用いている。中間転写ベルト8の電気抵抗値を調節するために混合する添加剤は特に制限されるものではない。抵抗を調整する導電性フィラーとしてはカーボンブラックや各種の導電性金属酸化物等がある。非フィラー系抵抗調整剤としては各種金属塩やグリコール類等の低分子量のイオン導電材やエーテル結合や水酸基等を分子内に含んだ帯電防止樹脂または電子導電性を示す有機高分子化合物等である。
【0029】
添加するカーボン量を増やすとベルトは低抵抗化するが、増やしすぎるとベルト自体の強度が不足し、割れやすくなってくる。本実施例では、ベルト強度が画像形成装置に使用できる範囲内に収まる範囲内で、ベルトを低抵抗化している。本実施例の中間転写ベルトのヤング率は3000MPa程度である。ヤング率E測定は、JIS−K7127の引張弾性率測定方法に準拠し、測定試料の厚みは100μmとした。
表1に、基体に対するカーボン量の相対比率を変更したベルトを示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表1には、添加したカーボン量と表層コート層の有無を示している。例えば、ベルトBはベルトAに対してカーボン量が1.5倍、ベルトCはベルトAに対してカーボン量が2倍であることを示している。また、ベルトA、ベルトB、ベルトCには表層を設けている。
【0032】
また比較用のベルトとしてカーボン量の相対比率を変えて、抵抗調整したポリイミドの比較例ベルトを製法した。比較例ベルトは、カーボン量の相対比率が0.5であり、体積抵抗率も1010〜1011Ωcmである。この比較例ベルトは、中間転写ベルトに採用されるベルトとしては一般的な抵抗値を有するベルトである。
【0033】
以下に、比較例ベルトと、ベルトA〜Cの体積抵抗率、表面抵抗率の測定結果を示す。まず、前述の比較例ベルトおよびベルトA〜Cに対して、株式会社三菱化学アナリテック製の抵抗率計ハイレスタUP(MCP−HT450)を用いて測定した。測定した体積抵抗率、表面抵抗率(ベルトの外側表面)を表2に示す。測定方法は、JIS−K6911に準拠し、導電性ゴムを電極とすることで電極とベルトの表面の良好な接触性を得た上で測定した。測定条件は、印加時間を30秒間で、印加電圧を10V、100Vとしている。
【0034】
【表2】

【0035】
比較例ベルトは、印加電圧は100Vを印加した場合に、体積抵抗率が1.0×1010Ωcm、表面抵抗率が1.0×1010Ω/□である。しかしながら、比較例ベルトは印加電圧を10Vにすると流れる電流が小さすぎて体積抵抗率を測定できず、「over」と表示される。
【0036】
ベルトAは、100V印加で体積抵抗率は2.0×1012 Ωcmであった。しかしながら、ベルトAは印加電圧を10Vにすると流れる電流が小さすぎて体積抵抗率を測定できず、「over」と表示される。表面抵抗率に関しては、ベルトAは印加電圧を10Vとすると、「over」と表示される。100Vを印加すると、表面抵抗率が1.0×1012Ω/□である。
【0037】
一方、ベルトB、Cは100V印加では、ベルトの抵抗が低いため流れる電流値が大きすぎて、体積抵抗率の測定不能を表すunderが表示される。ベルトBは、10V印加で体積抵抗率は1.0×1012 Ωcmであった。ベルトCは、10V印加で体積抵抗率は1.0×1010 Ωcmであった。表面抵抗率は、ベルトBは、10V印加で、4.0×1011Ω/□、100V印加で、2.0×10であった。表面抵抗率は、ベルトCは、10V印加で、5.0×1010Ω/□、100V印加で、underを示した。
【0038】
表2中で、ベルトAの印加電圧10Vの各体積抵抗率、表面抵抗率は測定不能である。また、100Vを印加した場合のベルトAと比較例ベルトの表面抵抗率を比較すると、ベルトAの方が高い。これはコート層の影響によるもので、高抵抗の表層コートを有するベルトAのほうが、表層コートを有していない比較例ベルトより抵抗が高いことが分かる。
【0039】
また、ベルトBとベルトD、ベルトCとベルトEを比較することで、コート層があることで、抵抗値が高くなっていることがわかる。また、ベルトBとベルトCを比較することで、カーボン量を増やすと、抵抗値が低くなっていることがわかる。
【0040】
本実施例では、表2でunderと表示される範囲の中間転写ベルトを使用する必要がある。そこで、上記体積抵抗率、表面抵抗率以外で規定される中間転写ベルトの抵抗を測定した。その別の規定による中間転写ベルト8の抵抗が、上述の中間転写ベルトの周方向の電気抵抗である。
【0041】
[中間転写ベルトの周方向抵抗の求め方]
本実施例では、低抵抗化したベルトの抵抗値を図3で示す方法で測定している。図3(a)では、電圧電源19から外面ローラ15Mに一定電圧を印加した時に、画像形成部1dの感光ドラム2dMに繋いだ電流計へ流れる電流を検知する。この検知した電流値から、外面ローラ15Mが接触する位置から感光ドラム2dMが接触する位置の間の中間転写ベルト8の電気抵抗を求める方法を用いている。即ち、この方法によって中間転写ベルト8の周方向(回転方向)に流れる電流を測定することで、ベルトの抵抗を算出している。このとき中間転写ベルト以外の抵抗の影響を無くすため、外面ローラ15M、感光ドラム2dMは、金属のみからなるものを用いる。図中では、金属ローラであることを示すために符号にM(Metal)を付加している。本実施例では、外面ローラ15Mの当接部−感光ドラム2dM間の距離は中間転写ベルト上面側が370mm、中間転写ベルト下面側が420mmである。
【0042】
以上の測定方法で、印加電圧を変更してベルトA〜Cを測定した結果が図4(a)である。この測定方法では中間転写ベルトの回転方向である周方向の抵抗を測定している。よって、本実施例では、この測定方法で測定した中間転写ベルトの抵抗を周方向抵抗[Ω]と称している。
【0043】
全てのベルトで印加電圧を上げていくと周方向抵抗が少しずつ低下していく傾向があるが、これは樹脂にカーボンを分散したベルトの特徴である。
【0044】
尚、図3(b)は図3(a)に対して、電流計の位置のみを変えただけである。この時の抵抗測定結果は、図4とほぼ同じ結果であり、本実施例の測定方法は、電流計の位置によって変動しない。
【0045】
ベルトA〜Cでは、図3で示す方法で周方向抵抗測定できるが、比較例ベルトでは周方向抵抗測定できなかった。この理由は、比較例ベルトは、図2で示すような各1次転写ローラ55a、55b、55c、55dに夫々電圧電源が接続された構成の画像形成装置で使用されるベルトであるためである。
【0046】
図2の構成の画像形成装置では、隣り合う電圧電源9が中間転写ベルトを介してお互いに流れ込む電流によって影響を受けないように(干渉しないように)、中間転写ベルトの体積抵抗、面積抵抗は高く設計されている。比較例ベルトは、各1次転写ローラ55a、55b、55c、55に電圧を印加しても各1次転写部間で干渉しない程度の抵抗を持つベルトであり、周方向に電流が流れにくい性能を持つベルトとして設計されている。以下では、比較例ベルトのようなベルトを高抵抗ベルト、ベルトA〜Cのような周方向に電流が流れるベルトを低抵抗のベルトである導電性ベルトと定義する。
【0047】
図4(a)は、図3(a)の測定方法で測定した電流をそのままプロットしたものである。前述の図4(a)の縦軸(抵抗[Ω])は、図4(b)の測定された電流値を印加電圧で割ることで換算した値である。
【0048】
図4(b)に示すように、比較例ベルトでは2000V印加しても周方向に電流は流れなかった。しかしながら、ベルトA〜Cでは、500V以下で50μA以上流れていることがわかる。本実施例で、中間転写ベルトとして使用するベルトは、上記周方向抵抗で10〜10Ωである。
【0049】
次に、上記周方向抵抗が10〜10Ωである中間転写ベルト8のベルト表面電位について説明する。図5にベルト表面電位の測定方法を示している。図中では4つの表面電位計で、4箇所の電位測定をしている。尚、図中の5dM、5aMは測定用の金属ローラである。表面電位計37aおよび測定プローブ38aは画像形成部1aの1次転写ローラ5aM(金属ローラ)の電位を測定している。測定器はトレック・ジャパン株式会社製表面電位計MODEL344を使用した。金属ローラは中間転写ベルト内面と同電位となるため、本方法で中間転写ベルト内面電位を測定することができる。同じく、表面電位計37dおよび測定プローブ38dは画像形成部1dの1次転写ローラ5dM(金属ローラ)の電位により中間転写ベルト内面の電位を測定している。
【0050】
また、表面電位計37eおよび測定プローブ38eは駆動ローラ11Mを対向にして中間転写ベルト外面電位を測定しており、表面電位計37fおよび測定プローブ38fはテンションローラ13を対向にして中間転写ベルト外面電位を測定している。また、駆動ローラ11M、2次転写対向ローラ12、テンションローラ13には各々電気的な抵抗部材を接続している。
【0051】
本測定方法で中間転写ベルトの電位を測定したところ、測定箇所による差はほぼ無く、ベルト電位は中間転写ベルト内でほぼ同電位であることがわかった。つまり本実施例で用いたベルトは、ある程度抵抗値を持つものの、導電性を有するベルトと考えて差し支えない。
【0052】
以上のように、導電性の中間転写ベルトを用い、その張架ローラを一定以上の抵抗値を有する抵抗を介して接地し、電流供給部材からの給電により中間転写ベルトの電位を所定の値にする。
【0053】
次に、図6に基づき本実施例の構成で、感光ドラムから中間転写ベルトにトナー像を転写することができる理由を説明する。図6(a)は、1次転写部の電位関係を説明した図である。感光ドラムの電位は、トナー部(画像部)で―100V、中間転写ベルトの表面電位として+200Vの例を示している。感光ドラム上に現像された帯電量qをもつトナーは、感光ドラム電位と中間転写ベルト電位とにより形成された電界Eにより、中間転写ベルト方向の力Fを受けて1次転写される。
【0054】
次に、図6(b)は多重転写を説明した図である。多重転写とは、1度中間転写ベルト上に1次転写されたトナーの上に、さらに他色のトナーを重ねて1次転写することである。図6(b)では、トナーはマイナスに帯電されており、この1度転写されたトナーによりトナー表面の電位が+150Vとなっている例を示している。この場合、感光ドラム上のトナーは、感光ドラム電位とトナー表面電位とにより形成された電界E’により、中間転写ベルト方向の力F’を受けて1次転写される。図6(c)は、多重転写が終了したことを示している。
【0055】
図6で説明した様に、トナーを1次転写するにはトナーの帯電量と、感光ドラムと中間転写ベルトの電位差が関係しており、1次転写性を確保するには中間転写ベルト電位が一定以上必要であることがわかる。
【0056】
1次転写性を評価する指標として1次転写残トナー濃度を測定した。1次転写残トナー濃度の評価方法は、以下の通りである。感光ドラム上の1次転写残トナーをポリエステルテープにて採取した後、そのテープ濃度をグレタマクベス社製の分光濃度計X−Rite504で測定する。その測定した5点の平均値をDtとした。そして、ポリエステルテープ自体の反射濃度の5点平均値DrとDtとの差(Dt−Dr)を求め、これを1次転写残トナー濃度とした。
【0057】
1次転写残トナー濃度が低いほど、感光ドラム上のトナー像が欠落の少ない状態で感光ドラムから中間転写ベルトに移動することを示しており、通常0.05以下であれば、1次転写性が良好であると判定される。
【0058】
図7に、本実施例における中間転写ベルト8の表面電位と1次転写残トナー濃度の関係を示す。図7に示されるように、本実施例では、中間転写ベルト8の表面電位が200V以上850V以下の領域(図7の線Aより下の領域)において、1次転写残トナー濃度0.05以下の良好な1次転写性を有している。ここで、中間転写ベルト8電位が200V未満の場合に1次転写性が低下するのは、1次転写部において感光ドラム表面と中間転写ベルト8との電位差により形成される電界が弱くなるためである。一方、中間転写ベルト8電位が850Vより高い場合に1次転写性が低下するのは、1次転写部において放電が強くなり、トナーの帯電極性が反転するためである。
【0059】
本実施例では、2次転写性や逆転写性との兼ね合いから、全画像形成部において、全白画像を形成したときの中間転写ベルト8電位が200Vとなるように2次転写電圧とトナー帯電電圧を調整した。ここで、全白画像形成時の感光ドラム表面の電位は−500Vである。このとき、各画像形成部1a、1b、1c、1dにおける感光ドラム2a、2b、2c、2dと、中間転写ベルト8との電位差は全て同じである。
【0060】
よって、本実施例では、中間転写ベルトの表面電位が所定電位になるように中間転写ベルトの周方向に電流を流すことで、1次転写を可能としている。本実施例では、2次転写ローラ15に電圧電源19から電圧を印加することによって、一つの電圧電源19で、1次転写と2次転写を行うことが可能になる。即ち、2次転写ローラ15が、中間転写ベルト8の周方向に電流を流すための電流供給部材を兼ねている。2次転写は、中間転写ベルト8上に1次転写されたトナーを、1次転写と同様にクーロン力によって転写材上へ移動させることである。
【0061】
2次転写性の指標として2次転写残トナー濃度を測定した。2次転写残トナー濃度の評価方法は、概ね1次転写残トナー濃度と同様である。ただし、中間転写ベルト8上の2次転写残トナーをポリエステルテープにて採取する。
【0062】
2次転写残トナー濃度が低いほど、中間転写ベルト8上のトナー像が欠落の少ない状態で転写材P上に移動することを示しており、通常0.14以下であれば、2次転写性が良好であると判定される。
【0063】
図8は、本実施例における2次転写電圧と2次転写残トナー濃度の関係を示すグラフ図である。図8に示されるように、本実施例では、2次転写電圧が0.9kV以上2.5kV以下の領域において、2次転写残トナー濃度0.14以下の良好な2次転写性を有している。ここで、2次転写電圧が0.9kV未満の場合に2次転写性が低下するのは、2次転写部において中間転写ベルト8と転写材P表面との電位差により形成される電界が弱くなるためである。一方、2次転写電圧が2.5kVより高い場合に2次転写性が低下するのは、2次転写部において放電が発生し、トナーの帯電極性が反転するためである。
【0064】
本実施例では、2次転写電圧は1.5kVであった。そして、2次転写電流は15μAであった。このとき、2次転写電圧が1.5kVと高くても、2次転写ローラ15の弾性層の抵抗や転写材Pの抵抗により電圧降下が起こり、中間転写ベルト8電位は500V以下になっている。
【0065】
次に、本実施例における中間転写ベルト8の電位低下時の制御について説明する。
本実施例のように、二次転写ローラ15を電流供給部材として使用する場合、2次転写部に転写材Pが存在すると、中間転写ベルト8の電位を所定の値に維持することができなくなる可能性がある。これは、転写材Pによって、電流供給部材から中間転写ベルト8に供給される電流が減少するからである。この時、中間転写ベルト8の表面電位8は低下し、各1次転写部におけるトナーの1次転写性が低下する場合がある。
【0066】
図9(a)において、2次転写部に転写材Pが存在しないときの中間転写ベルト8電位は200Vであるが、2次転写部に転写材Pが存在するときの中間転写ベルト8電位は175Vに低下している。その為、2次転写部に転写材Pが存在するときの中間転写ベルト8の電位では、1次転写残トナー濃度が増加して1次転写性が低下する。
【0067】
よって、本実施例では、2次転写部に転写材Pが存在する時であっても中間転写ベルト8の電位が200Vを維持するように、トナー帯電手段75が備えるクリーニングブラシ71に印加する電圧の大きさを制御する。
【0068】
図10は、本実施例の中間転写ベルト8電位制御を説明するフローチャートである。
【0069】
まず、ステップS1で、ユーザーによる操作入力が行われ、PC等のホスト機器(不図示)から画像形成装置100本体に、転写材サイズやプリントモード等の転写材情報、印刷枚数などとともに画像形成動作開始信号が入力される。ここで、本実施例では、転写材情報はPC等のホスト機器(不図示)から入力されるとしたが、これに限定されるものではなく、画像形成装置100本体内にメディアセンサ等を設けて検知してもよい。
【0070】
次に、ステップS2で、画像形成装置100本体に入力された転写材情報等がメモリに格納される。そして、ステップS3では、画像形成装置100本体内に設けられた環境センサ(不図示)から環境情報が送られてメモリに格納される。
【0071】
次に、ステップS4では、現在の環境条件において1次転写性が良好となる中間転写ベルト8電位の目標値が、メモリに格納された環境情報に応じて中間転写ベルト電位目標値テーブルから取得され、メモリに格納される。ここで、中間転写ベルト電位目標値テーブルには、本実施例の画像形成装置100と同様の画像形成装置を用いて求めた、各環境条件において1次転写性が良好となる中間転写ベルト8電位の目標値が予め格納されている。
【0072】
次に、ステップS5では、今回の画像形成条件において2次転写性が良好となる2次転写電圧値が、メモリに格納された転写材情報、環境情報、中間転写ベルト8電位の目標値に応じて2次転写電圧テーブルから取得され、メモリに格納される。ここで、2次転写電圧テーブルには、本実施例の画像形成装置100と同様の画像形成装置を用いて求めた、各転写材条件、環境条件、中間転写ベルト8電位の目標値において2次転写性が良好となる2次転写電圧値が予め格納されている。
【0073】
次に、ステップS6では、2次転写部に転写材Pが存在するとき(通紙時)と存在しないとき(非通紙時)のクリーニングブラシ71に電源72から印加するクリーニング電圧(補償電圧)の大きさが決定される。ここで、クリーニングブラシ71に印加する電圧の大きさは、メモリに格納された2次転写電圧値と、中間転写ベルト8電位の目標値と、転写材情報とに基づいて、補償電圧テーブルからそれぞれ取得される。ここで、補償電圧テーブルには、本実施例の画像形成装置100と同様の画像形成装置を用いて求めた、各2次転写電圧値、中間転写ベルト8電位の目標値、転写材条件において1次転写性及びクリーニング性が良好となる電圧が予め格納されている。そして、ステップS7で画像形成動作が開始される。
【0074】
画像形成動作が開始されると、クリーニングブラシ71に印加するクリーニング電圧は、制御部101によって非通紙時の値に設定される。そして、2次転写部に転写材Pが到達するタイミングに合わせて通紙時の補償電圧に切り替わる。さらに、転写材Pが2次転写部を通過した後は、非通紙時のクリーニング電圧に戻される。具体的には、第2の電圧電源が2次転写部を転写材が通過中(通紙時)にクリーニングブラシ71に印加する第一の電圧は、2次転写部に転写材が到達する前(非通紙時)に前記トナー帯電部材に印加する第二の電圧よりも大きくする。第一の電圧と、第二の電圧のそれぞれの値は、上記S4、S5で決定される。
【0075】
その結果、図9(b)に示すように、2次転写部に転写材Pが存在するときにも中間転写ベルト8電位が低下せず、ほぼ一定の値に保つことができた。また、このときの1次転写部におけるクリーニング性も、問題ない程度であった。
【0076】
以上のように、本発明では、2次転写電圧値と、中間転写ベルト8電位の目標値と、転写材情報とに基づいて通紙時、非通紙時のクリーニングブラシ71に印加するクリーニング電圧を制御する。この制御によって、中間転写ベルト8の電位低下を低減し、各1次転写部におけるトナーの1次転写性が低下するのを抑制できる。
【0077】
また、本実施例では、正規の帯電極性が負極性である感光ドラムやトナーを用いたが、これに限定されるものではなく、正規の帯電極性が正極性である感光ドラムやトナーを用いてもよい。その場合には、必要に応じて帯電ローラ3a、3b、3c、3dや、現像装置4a、4b、4c、4dを始めとする各部材に印加する電圧の極性を変える。
【0078】
また、上記制御は、転写材の抵抗が高い場合のみ行ってもよい。転写材の抵抗が低い場合、例えば、低温低湿環境時の転写材では、転写材の抵抗による電流供給量の低下量が少ない。この場合は、第2の電圧電源が2次転写部を転写材が通過中(通紙時)にクリーニングブラシ71に印加する第一の電圧と、2次転写部に転写材が到達する前(非通紙時)に前記トナー帯電部材に印加する第二の電圧を、同じ値にしてもよい。
【0079】
また、本実施例では、トナー帯電手段としてクリーニングブラシ71を用いたが、これに限定されるものではなく、トナーを所定の帯電極性に帯電させられるものであればローラ部材や他の部材を用いてもよい。さらに、ブラシ部材とローラ部材との併用など、複数の部材を用いた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1a、1b、1c、1d 画像形成部
2a、2b、2c、2d 感光ドラム(像担持体)
3a、3b、3c、3d 帯電ローラ(帯電手段)
4a、4b、4c、4d 現像装置(現像手段)
7a、7b、7c、7d 露光ユニット(露光手段)
8 中間転写ベルト(中間転写体)
19 2次転写電圧電源
71 クリーニングブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像担持体と、前記複数の像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記複数の像担持体の各静電潜像を現像する複数の現像手段と、回転可能な無端状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面を張架する複数の張架部材と、を備え、前記複数の像担持体が担持するトナー像を前記複数の像担持体に対応した複数の1次転写部で前記中間転写ベルトに1次転写し、2次転写部で前記中間転写ベルト上のトナー像を転写材へ2次転写する画像形成装置において、
前記中間転写ベルトに接触する電流供給部材と、前記電流供給部材に電圧を印加する第1の電圧電源と、を有し、前記中間転写ベルトは導電性を備え、前記複数の像担持体のトナー像は、前記電流供給部材から供給された電流が前記中間転写ベルトの周方向に流れることで、複数の前記1次転写部で前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像が1次転写されるものであり、
転写材に2次転写されず前記中間転写ベルトに残留したトナーを帯電するトナー帯電部材と、前記トナー帯電部材に電圧を印加する第2の電圧電源と、を有し、第2の電圧電源から電圧が印加された前記トナー帯電部材によって前記残留トナーをトナーの正規の帯電極性と逆極性に帯電し、帯電された前記残留トナーは、前記中間転写ベルトの周方向に流れる電流によって前記中間転写ベルトと接触する前記像担持体と形成する前記1次転写部で、前記中間転写ベルトから前記像担持体に移動されるものであり、
前記第2の電圧電源が前記2次転写部を転写材が通過中に前記トナー帯電部材に印加する第一の電圧は、前記2次転写部に転写材が到達する前に前記トナー帯電部材に印加する第二の電圧よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電流供給部材は、前記中間転写ベルトに接触して前記2次転写部を形成する二次転写部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一の電圧と前記第二の電圧は、前記中間転写ベルトの表面の電位の目標値によって決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー帯電部材は、前記第二の電圧が印加された状態で前記残留トナーを帯電することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25221(P2013−25221A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161868(P2011−161868)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】