説明

画像形成装置

【課題】リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】感光体ドラム7は、静電潜像を担持する。現像ユニットは、静電潜像をトナー画像に現像する。転写ローラは、トナー画像を感光体ドラム7から用紙に対して転写する。クリーナー15は、トナー画像の転写後に感光体ドラム7に残存しているトナーを回収する。感光体ドラム7は、用紙の搬送方向に直交する所定方向において、領域A1〜A3に区分されている。クリーナー15は、領域A1から回収したトナーをトナー収容容器Bに排出し、領域A2,A3から回収したトナーを現像ユニットに排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より特定的には、トナーにより静電潜像を現像する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置が知られている。該画像形成装置は、トナー画像の転写後に感光体ドラムの周面に残存したトナーを回収し、フィルタを用いて該トナーから紙粉等の異物を除去して、トナーを現像装置に戻している。このように、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制する画像形成装置が種々提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−175801号公報
【特許文献2】特開2003−150013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、静電潜像を担持する潜像担持体と、前記静電潜像をトナー画像に現像する現像手段と、前記トナー画像を前記潜像担持体から印刷媒体に対して転写する転写手段と、前記トナー画像の転写後に前記潜像担持体に残存しているトナーを回収する回収手段と、収容容器と、を備えており、前記潜像担持体は、前記印刷媒体の搬送方向に直交する所定方向において、第1の領域及び第2の領域に区分されており、前記回収手段は、前記潜像担持体の前記第1の領域から回収したトナーを前記収容容器に排出し、該潜像担持体の前記第2の領域から回収したトナーを前記現像手段に排出すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】給紙部の外観斜視図である。
【図3】給紙部の給紙ローラの断面構造図である。
【図4】現像器ユニットをz軸方向の正方向側から透視した図である。
【図5】クリーナー及びトナー収容容器をz軸方向の正方向側から透視した図である。
【図6】図6(a)は、クリーナー及びトナー収容容器の図5のA−Aにおける断面構造図である。図6(b)は、クリーナー及びトナー収容容器の図5のB−Bにおける断面構造図である。
【図7】クリーナー及びトナー収容容器をz軸方向の正方向側から透視した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0009】
(画像形成装置の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を示した図である。以下では、図1の上下方向をz軸方向と定義し、図1の左右方向をx軸方向と定義し、図1の紙面垂直方向をy軸方向と定義する。
【0010】
画像形成装置1は、電子写真方式によるモノクロプリンタであって、黒色の画像を形成する。該画像形成装置1は、スキャナにより読み取った画像データに基づいて、トナー画像を用紙(印刷媒体)に形成する機能を有し、図1に示すように、給紙部(印刷媒体供給部)2、タイミングローラ対6、感光体ドラム7、帯電器8、光走査装置9、転写ローラ14、クリーナー15、イレーサ19、定着装置20、排紙ローラ対21、排紙トレイ22、現像器ユニットU及びトナー収容容器Bを備えている。
【0011】
給紙部2は、用紙を1枚ずつ供給する役割を果たす。図2は、給紙部2の外観斜視図である。図3は、給紙部2の給紙ローラ4の断面構造図である。
【0012】
給紙部2は、図1及び図2に示すように、用紙トレイ3、給紙ローラ(供給ローラ)4及びさばきパッド5を含んでいる。用紙トレイ3には、印刷前の状態の用紙が複数枚重ねて載置される。用紙トレイ3は、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに長方形状をなしている。用紙トレイ3は、画像形成装置1の本体に取り付けられ、y軸方向に引き出されることによって、本体から取り外される。
【0013】
給紙ローラ4は、用紙トレイ3のx軸方向の正方向側の辺の中央近傍に設けられており、後段に設けられているタイミングローラ対6、感光体ドラム7及び転写ローラ14へと用紙トレイ3に載置された用紙を送り出す。さばきパッド5は、複数の用紙を1枚ずつ分離するためのパッドである。さばきパッド5は、給紙ローラ4のz軸方向の負方向側に設けられており、給紙ローラ4に対向している。さばきパッド5は、用紙との間において給紙ローラ4よりも大きな摩擦抵抗を発生する。これにより、複数枚の用紙が、給紙ローラ4とさばきパッド5との間に挟まれたときに、さばきパッド5に接触している用紙は搬送されず、給紙ローラ4に接触している用紙のみが搬送される。これにより、給紙部2からは用紙が一枚ずつ搬送される。なお、さばきパッド5のy軸方向の幅は、給紙ローラ4のy軸方向の幅よりも小さい。
【0014】
タイミングローラ対6は、転写ローラ14においてトナー画像が用紙に転写されるように、タイミングを調整しながら用紙を搬送する。
【0015】
感光体ドラム7は、円筒状をなしており、図1に示すように、反時計回りに回転している。感光体ドラム7は、静電潜像を周面において担持する静電潜像担持体として機能する。帯電器8は、感光体ドラム7の周面を負に帯電させる。これにより、感光体ドラム7の周面の電位は、−500V〜−400Vに保たれる。
【0016】
光走査装置9は、制御部(図示せず)の制御により、感光体ドラム7の周面に対してビームを走査する。ビームが照射された部分の電位は、0Vに近づく。これにより、感光体ドラム7の周面には静電潜像が形成される。
【0017】
現像器ユニットUは、感光体ドラム7の静電潜像をトナー画像に現像する。具体的には、現像器ユニットUは、感光体ドラム7にトナーを付与することによって、静電潜像を現像してトナー画像を形成する。以下に、現像器ユニットUについて図面を参照しながら説明する。図4は、現像器ユニットUをz軸方向の正方向側から透視した図である。
【0018】
現像器ユニットUは、図4に示すように、現像ローラ10(図4には記載せず)、供給スクリュー11、撹拌スクリュー12及び本体13を含んでいる。なお、現像器ユニットUはその他にモータやギア等の構成も含んでいるが、これらの構成は図4では省略されている。
【0019】
本体13は、現像剤、現像ローラ10、供給スクリュー11及び撹拌スクリュー12を収容している筐体である。本体13は、y軸方向に延在しており、x軸方向に隣り合う供給空間Sp1及び撹拌空間Sp2を形成している。撹拌空間Sp2は、本体13において供給空間Sp1よりもx軸方向の負方向側に設けられている。撹拌空間Sp2と供給空間Sp1とは、y軸方向の両端において繋がっている。また、撹拌空間Sp2のy軸方向の両端におけるz軸方向の正方向側の面にはそれぞれ、開口H1,H2が設けられている。
【0020】
撹拌スクリュー12は、撹拌空間Sp2内に設けられ、y軸方向に延在している。撹拌スクリュー12は、回転させられることにより、現像剤を撹拌しながらy軸方向の負方向側に向けて搬送する。これにより、トナーが負に帯電し、キャリアが正に帯電する。撹拌スクリュー12により搬送された現像剤は、撹拌空間Sp2のy軸方向の負方向側の端部から供給空間Sp1に流入する。
【0021】
供給スクリュー11は、供給空間Sp1内に設けられ、y軸方向に延在している。供給スクリュー11は、回転させられることにより、現像剤をy軸方向の正方向側に向けて搬送する。そして、供給スクリュー11により搬送された現像剤は、供給空間Sp1のy軸方向の正方向側の端部から撹拌空間Sp2に流入する。よって、現像剤は、撹拌空間Sp2と供給空間Sp1との間を循環している。
【0022】
現像ローラ10は、供給空間Sp1内に設けられ、y軸方向に延在している。これにより、現像ローラ10は、供給スクリュー11と対向している。更に、現像ローラ10は、本体13から露出しており、感光体ドラム7と対向している。現像ローラ10は、磁石を内蔵しており、磁力により磁性キャリアを非磁性トナーと共に吸着して、供給スクリュー11により搬送されてきた現像剤を担持する。
【0023】
また、現像ローラ10は、トナーを感光体ドラム7に付与して静電潜像を現像する。具体的には、現像ローラ10の周面の電位が負となるように現像バイアスが現像ローラ10に印加されている。現像ローラ10の周面の電位は、−400V〜−350Vである。これにより、現像ローラ10の周面の電位は、感光体ドラム7の周面のビームが照射された部分の電位(略0V)よりも低く、かつ、感光体ドラム7の周面のビームが照射されていない部分の電位(−500V〜−400V)よりも高くなる。現像ローラ10が担持している現像剤の内の非磁性トナーは、負に帯電しているので、感光体ドラム7の周面のビームが照射された部分に付着する。これにより、感光体ドラム7の周面には負に帯電したトナー画像が形成される。
【0024】
転写ローラ14は、トナー画像を感光体ドラム7から用紙に転写する転写手段として機能する。具体的には、転写ローラ14は、感光体ドラム7に接触し、ドラム形状をなしている。転写ローラ14には、正のバイアス電圧が印加される。これにより、転写ローラ14は、感光体ドラム7と転写ローラ14との間を通過する用紙に対して、感光体ドラム7が担持しているトナー画像を転写する。より詳細には、感光体ドラム7は負の電位(−500V〜−400V)に保たれている。転写ローラ14には、転写ローラ14の電位が感光体ドラム7の電位よりも高くなるように、正のバイアス電圧が印加されている。トナー画像は、負に帯電しているので、感光体ドラム7と転写ローラ14との間に発生している電界によって、感光体ドラム7から用紙に対して転写される。
【0025】
クリーナー15は、トナー画像の転写後に感光体ドラム7に残存しているトナーを回収する回収手段である。トナー収容容器Bは、クリーナー15が回収したトナーを収容する。図5は、クリーナー15及びトナー収容容器Bをz軸方向の正方向側から透視した図である。図5では、感光体ドラム7がクリーナー15と並べて記載されている。図6(a)は、クリーナー15及びトナー収容容器Bの図5のA−Aにおける断面構造図である。図6(b)は、クリーナー15及びトナー収容容器Bの図5のB−Bにおける断面構造図である。
【0026】
感光体ドラム7は、図5に示すように、用紙の搬送方向に直交する方向(y軸方向)において、領域A1〜A3に区分されている。領域A1は、感光体ドラム7のy軸方向の中央部分を含む領域である。また、領域A1は、感光体ドラム7における給紙ローラ4に対応する部分を含んでいる。感光体ドラム7における給紙ローラ4に対応する部分とは、用紙において給紙ローラ4が接触した部分が、感光体ドラム7に接触する部分を意味する。領域A2は、領域A1のy軸方向の負方向側に隣接する領域である。領域A3は、領域A1のy軸方向の正方向側に隣接する領域である。
【0027】
クリーナー15は、図1及び図5に示すように、ブレード16、搬送部材17、搬送スクリュー18,42,44及び本体40を含んでいる。なお、クリーナー15はその他にモータやギア等の構成も含んでいるが、これらの構成は図5では省略されている。
【0028】
本体40は、ブレード16、搬送部材17及び搬送スクリュー18,42,44を収容している筐体である。本体40は、回収空間Sp3及び搬送空間Sp5,Sp6を形成している。回収空間Sp3は、図5に示すように、y軸方向に延在している空間である。搬送空間Sp5,Sp6はそれぞれ、図5に示すように、x軸方向に延在している空間であり、回収空間Sp3の両側に設けられている。回収空間Sp3のy軸方向の両側の端部はそれぞれ、搬送空間Sp5,Sp6のx軸方向の正方向側の端部と繋がっている。また、搬送空間Sp5,Sp6のx軸方向の負方向側の端部におけるz軸方向の負方向側の面にはそれぞれ、開口H3,H4が設けられている。開口H3,H4はそれぞれ、図4の開口H1,H2と繋がっている。
【0029】
トナー収容容器Bは、クリーナー15が回収したトナーを収容し、図1及び図5に示すように、本体32、搬送スクリュー33及び撹拌スクリュー34を含んでいる。本体32は、収容空間Sp4を形成している。収容空間Sp4は、図5及び図6に示すように、y軸方向に延在している空間であり、領域A1において流路Rを介して回収空間Sp3と繋がっている。また、収容空間Sp4は、図5及び図6に示すように、領域A2,A3において回収空間Sp3と繋がっていない。
【0030】
ブレード16は、感光体ドラム7の周面に接触しており、トナー画像の転写後に残存しているトナーを感光体ドラム7の周面から掻き落とす。搬送部材17は、ブレード16で掻き取ることによってブレード16に付着したトナーを拭き取って、該トナーを搬送スクリュー18へと(下流側へと)搬送する。搬送部材17は、y軸方向に延在するシャフトに、フィルムが張り付けられて構成されている。そして、シャフトが回転させられて、フィルムがブレード16に摺接することにより、ブレード16に付着したトナーが拭き取られる。
【0031】
搬送スクリュー18は、回収空間Sp3内に設けられ、y軸方向に延在している。搬送スクリュー18は、排出部18a及び搬送部18b,18cを含んでいる。
【0032】
排出部18aは、回収空間Sp3の領域A1内に設けられ、感光体ドラム7の領域A1から回収したトナーをトナー収容容器Bに排出する。排出部18aは、y軸方向に延在し、搬送スクリュー18と一体に形成されているシャフトに板状の羽根部材としてのフィルム50が張り付けられて構成されている。搬出部18a及び搬送部18b,18cを備える搬送スクリュー18は、一の駆動源により回転させられる。そして、シャフトが反時計回りに回転させられることで、フィルム50によりトナーが搬送スクリュー18の延在方向と直交するx軸方向の負方向側に搬送させられ、回収空間Sp3から収容空間Sp4へと流路Rを介して押し出される。
【0033】
搬送スクリュー33は、収容空間Sp4内に設けられ、y軸方向に延在している。搬送スクリュー33は、回転させられることにより、回収空間Sp3から流入してきたトナーをy軸方向の正方向側に向けて搬送する。これにより、回収されたトナーを収容空間Sp4内に均等に分散させている。
【0034】
撹拌スクリュー34は、収容空間Sp4内に設けられ、y軸方向に延在している。撹拌スクリュー34は、搬送スクリュー33のx軸方向の負方向側に設けられている。撹拌スクリュー34は、回転させられることにより、収容空間Sp4内のトナーを撹拌する。これにより、収容空間Sp4内において、トナーが固まることが防止される。
【0035】
搬送部18bは、回収空間Sp3の領域A2内に設けられ、y軸方向に延在している。搬送部18bは、感光体ドラム7の領域A2から回収したトナーをy軸方向の負方向側に向けて搬送するスクリューである。搬送部18bは、回転させられることにより、トナーをy軸方向の負方向側に向けて搬送する。搬送部18bにより搬送されたトナーは、回収空間Sp3のy軸方向の負方向側の端部から搬送空間Sp5に流入する。
【0036】
搬送スクリュー42は、搬送空間Sp5内に設けられ、x軸方向に延在している。搬送スクリュー42は、回転させられることにより、トナーをx軸方向の負方向側に向けて搬送する。搬送スクリュー42により搬送されたトナーは、開口H3,H1を経由して現像器ユニットUの撹拌空間Sp2に流入する。これにより、クリーナー15は、感光体ドラム7の領域A2から回収したトナーを現像器ユニットUに排出する。
【0037】
搬送部18cは、回収空間Sp3の領域A3内に設けられ、y軸方向に延在している。感光体ドラム7の領域A3から回収したトナーをy軸方向の正方向側に向けて搬送するスクリューである。搬送部18cは、回転させられることにより、トナーをy軸方向の正方向側に向けて搬送する。よって、搬送部18cのスクリューの巻き方向は、搬送部18bのスクリューの巻き方向の逆方向である。搬送部18cにより搬送されたトナーは、回収空間Sp3のy軸方向の正方向側の端部から搬送空間Sp6に流入する。
【0038】
搬送スクリュー44は、搬送空間Sp6内に設けられ、x軸方向に延在している。搬送スクリュー44は、回転させられることにより、トナーをx軸方向の負方向側に向けて搬送する。搬送スクリュー44により搬送されたトナーは、開口H4,H2を経由して現像器ユニットUの撹拌空間Sp2に流入する。これにより、クリーナー15は、感光体ドラム7の領域A3から回収したトナーを現像器ユニットUに排出する。
【0039】
イレーサ19は、トナー画像の転写後に感光体ドラム7を除電する。より詳細には、イレーサ19は、感光体ドラム7の周面に対して光を照射する。これにより、感光体ドラム7の周面の電位は略0Vとなる。
【0040】
トナー画像が転写された用紙は、定着装置20に搬送される。定着装置20は、用紙に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナー画像を用紙に定着させる。排紙ローラ対21は、用紙を排紙トレイ22に出力する。排紙トレイ22には、印刷済みの用紙が載置される。
【0041】
(効果)
以上のように構成された画像形成装置1は、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる。より詳細には、給紙部2において、用紙は、給紙ローラ4により搬送される。そのため、給紙ローラ4が用紙に接触した部分には、紙粉が発生しやすい。そして、用紙が感光体ドラム7と転写ローラ14との間を通過すると、感光体ドラム7における給紙ローラ4に対応する部分に紙粉が付着する。感光体ドラム7の領域A1は、感光体ドラム7における供給ローラ4に対応する部分を含んでいる。したがって、感光体ドラム7の領域A1から回収したトナーに含まれている紙粉の割合は、感光体ドラム7の領域A2,A3から回収したトナーに含まれている紙粉の割合よりも高くなる。
【0042】
そこで、画像形成装置1では、クリーナー15は、領域A1から回収したトナーをトナー収容容器Bに排出し、領域A2,A3から回収したトナーを現像器ユニットUに排出している。これにより、紙粉が含まれている割合が高いトナーが廃棄され、紙粉が含まれている割合が低いトナーがリサイクルされるようになる。その結果、画像形成装置1は、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる。
【0043】
なお、画像形成装置1では、領域A1は、感光体ドラム7における給紙ローラ4に対応する部分を含んでいるが、感光体ドラム7におけるさばきパッド5に対応する部分を含んでいてもよい。紙粉は、さばきパッド5と用紙との接触によっても発生しうる。そして、さばきパッド5と用紙との接触により発生する紙粉が、給紙ローラ4と用紙との接触により発生する紙粉よりも多い場合には、領域A1は、少なくともさばきパッド5に対応する部分を含んでいればよい。
【0044】
(変形例)
以下に、変形例に係るクリーナー15a及びトナー収容容器Baについて図面を参照しながら説明する。図7は、クリーナー15a及びトナー収容容器Baをz軸方向の正方向側から透視した図である。
【0045】
クリーナー15は、給紙ローラ4と用紙とが接触することによって発生する紙粉が、リサイクルするトナーに混入することを抑制している。一方、クリーナー15aは、用紙のy軸方向の両端において発生する紙粉が、リサイクルするトナーに混入することを抑制する。以下に、クリーナー15a及びトナー収容容器Baについてより詳細に説明する。
【0046】
感光体ドラム7は、図7に示すように、用紙の搬送方向に直交する方向(y軸方向)において、領域A4〜A6に区分されている。領域A4は、感光体ドラム7のy軸方向の中央部分を含む領域である。領域A5は、領域A4のy軸方向の負方向側に隣接する領域である。領域A6は、領域A4のy軸方向の正方向側に隣接する領域である。また、領域A5,A6は、感光体ドラム7において、y軸方向における用紙の両端に対応する部分を含んでいる。感光体ドラム7において、y軸方向における用紙の両端に対応する部分とは、用紙のy軸方向の両端が感光体ドラム7に接触する部分を意味する。
【0047】
回収空間Sp3の領域A5,A6にはそれぞれ、開口H11,H12が設けられている。開口H11,H12は、回収空間Sp3のz軸方向の負方向側の面に設けられており、z軸方向から平面視したときに、搬送部材17'と重なっている。また、開口H11,H12は、収容空間Sp4に繋がっている。これにより、感光体ドラム7の領域A5,A6から回収したトナーは、トナー回収容器Baに排出される。
【0048】
また、クリーナー15aとトナー回収容器Baとは、開口H11,H12以外の部分では繋がっていない。よって、感光体ドラム7の領域A4から回収したトナーは、搬送スクリュー18'によりy軸方向の負方向側に向けて搬送される。そして、該トナーは、搬送スクリュー42によりx軸方向の負方向側に向けて搬送され、開口H3,H1を介して、現像器ユニットUに排出される。
【0049】
以上のように構成されたクリーナー15a及びトナー回収容器Baを備えた画像形成装置1は、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる。より詳細には、用紙のy軸方向の両端では、紙粉が発生しやすい。そして、用紙が感光体ドラム7と転写ローラ14との間を通過すると、感光体ドラム7における用紙のy軸方向の両端に対応する部分に紙粉が付着する。領域A5,A6は、感光体ドラム7における用紙のy軸方向の両端に対応する部分を含んでいる。したがって、感光体ドラム7の領域A5,A6から回収したトナーに含まれている紙粉の割合は、感光体ドラム7の領域A4から回収したトナーに含まれている紙粉の割合よりも高くなる。
【0050】
そこで、画像形成装置1では、クリーナー15aは、感光体ドラム7の領域A5,A6から回収したトナーをトナー収容容器Baに排出し、感光体ドラム7の領域A4から回収したトナーを現像器ユニットUに排出している。これにより、紙粉が含まれている割合が低いトナーがリサイクルされ、紙粉が含まれている割合が高いトナーが廃棄されるようになる。その結果、画像形成装置1は、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる。
【0051】
なお、画像形成装置1は、モノクロのトナー画像を形成しているが、カラーのトナー画像を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、リサイクルするトナーに紙粉が混入することを抑制できる点において優れている。
【符号の説明】
【0053】
A1〜A6 領域
B,Ba トナー収容容器
Sp1 供給空間
Sp2 撹拌空間
Sp3 回収空間
Sp4 収容空間
Sp5,Sp6 搬送空間
U 現像器ユニット
1 画像形成装置
2 給紙部
3 用紙トレイ
4 給紙ローラ
5 さばきパッド
7 感光体ドラム
10 現像ローラ
14 転写ローラ
15,15a クリーナー
16 ブレード
17 搬送部材
18,18' 搬送スクリュー
18a 排出部
18b,18c 搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する潜像担持体と、
前記静電潜像をトナー画像に現像する現像手段と、
前記トナー画像を前記潜像担持体から印刷媒体に対して転写する転写手段と、
前記トナー画像の転写後に前記潜像担持体に残存しているトナーを回収する回収手段と、
収容容器と、
を備えており、
前記潜像担持体は、前記印刷媒体の搬送方向に直交する所定方向において、第1の領域及び第2の領域に区分されており、
前記回収手段は、前記潜像担持体の前記第1の領域から回収したトナーを前記収容容器に排出し、該潜像担持体の前記第2の領域から回収したトナーを前記現像手段に排出すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の領域から回収したトナーに含まれている紙粉の割合は、前記第2の領域から回収したトナーに含まれている紙粉の割合よりも高いこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回収手段は、前記潜像担持体に残像しているトナーを掻き落とす清掃部材と、一の駆動源により駆動され、かつ、該清掃部材が掻き取ったトナーを下流側に搬送する搬送部材と、を含んでおり、
前記第1の領域におけるトナーの搬送方向は、前記第2の領域におけるトナーの搬送方向と異なること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送部材は、前記第1の領域では板状の羽根部材により回転軸方向と直交する方向にトナーを搬送し、前記第2の領域ではスクリューにより回転軸方向にトナーを搬送すること、
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
複数の前記印刷媒体が積載されている印刷媒体供給部であって、前記転写手段へと該印刷媒体を送り出す供給ローラを含んでいる印刷媒体供給部を、
更に備えており、
前記第1の領域は、前記潜像担持体における前記供給ローラに対応すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
複数の前記印刷媒体が積載されている印刷媒体供給部であって、前記転写手段へと該印刷媒体を送り出す供給ローラ、及び、該供給ローラに対向し、かつ、複数の前記印刷媒体を1枚ずつ分離するためのさばきパッドを含んでいる印刷媒体供給部を、
更に備えており、
前記第1の領域は、前記潜像担持体における前記さばきパッドに対応する部分を含んでいること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の領域は、前記所定方向における前記印刷媒体の両端に対応する部分を含んでいること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−29701(P2013−29701A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166201(P2011−166201)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】