説明

画像形成装置

【課題】像担持体に静電潜像を書込む発光素子のいずれかが故障しても、画質の劣化を低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】光書込部28は、LEDアレイ50、光源駆動制御部52及びメモリ54を有するLPH(LED Print Head)である。点灯制御部405は、LEDアレイ50の各LEDに対し、それぞれ個別に発光量を予め定められた制御範囲内で増減させ、4つの制御単位毎にそれぞれ点灯開始時期及び点灯期間を制御する。書込制御部400は、故障したLEDに隣接するLEDの点灯時間を延長し、かつ単位時間の光量を増加させることにより、故障したLEDが照射すべき光束の一部を補うようにLEDアレイ50を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像を現像剤で現像して画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源にLED(発光ダイオード)を採用し、LED光を感光ドラムに照射して静電潜像を形成し、現像剤で可視化した画像を用紙に転写する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、LEDが故障して正常に発光しなくなると、印刷画像の品質が低下してしまう。LEDを採用した画像形成装置においては、画質の低下を防止するために、LEDの発光量を補正することが知られている。
【0003】
また、複数のLEDを配列させた光源には、LED間に光量のばらつきが生じる。そこで、LED間の光量のばらつきを補正するためにもLEDの発光量を補正することが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数個の発光素子アレイユニットを感光体の主走査方向に沿って配置し、発光素子アレイユニットの継ぎ目部に位置する発光素子の発光量を補正する光書込み装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、感光体の軸線方向に沿って千鳥状に配列した複数個のLEDヘッドの内側又は近傍に設けたサーミスタによる検出温度に応じて、画像データの分割位置の一部又は全部に対応する各LEDヘッドの繋ぎ目に位置する2個の発光素子のいずれか一方又は両方の発光光量を補正する画像書込装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、発光素子アレイと他の発光素子アレイとの主走査方向の継ぎ目部に配置された発光素子に対応する画像情報と予め定められた比較画像情報との比較結果に基づいて当該継ぎ目部に配置された発光素子を駆動するための継ぎ目部駆動信号を生成する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3のいずれにも、LEDが故障して正常に発光しなくなった場合の補正については何ら記載されていない。また、故障したLEDの近傍に位置するLEDの光量を単に増加させることによって故障したLEDの発光量を補おうとすると、光量を増加させたLEDにより本来形成すべき画像の濃度が極端に濃くなってしまうという問題がある。また、LEDは、発光量の増加により発熱量が増加すると、寿命に影響を及ぼしてしまう。さらには、通常状態で発光量を増加させると、LED間での光量ばらつきを補正可能な範囲が狭くなってしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、像担持体に静電潜像を書込む発光素子のいずれかが故障しても、画質の劣化を低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、回転する像担持体に静電潜像を書込む光をそれぞれ照射する配列された複数の発光素子と、前記発光素子の少なくともいずれかが故障した場合に、故障した前記発光素子が照射すべき光束の一部を補うように、故障した前記発光素子に隣接する他の前記発光素子を表す隣接発光素子により照射する光の量を、前記発光素子が故障していない場合より増加させ、かつ、前記隣接発光素子により光を照射する時間を前記発光素子が故障していない場合より延長する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、回転する像担持体に静電潜像を書込む光をそれぞれ照射する配列された複数の発光素子と、前記発光素子の少なくともいずれかが故障した場合に、故障した前記発光素子が照射すべき光束の一部を補うように、故障した前記発光素子に隣接する他の前記発光素子を表す隣接発光素子により照射する光の量を、前記発光素子が故障していない場合より増加させ、かつ、前記隣接発光素子により光を照射する時間を前記発光素子が故障していない場合より短くする制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、像担持体に静電潜像を書込む発光素子のいずれかが故障しても、画質の劣化を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態にかかる画像形成装置の概要を示す構成図である。
【図2】図2は、光書込部及びその周辺の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、LEDアレイの構成を示す構成図である。
【図4】図4は、LEDアレイが像担持体に対して照射する光の位置関係を示す模式図である。
【図5】図5は、書込制御部の点灯制御部が光書込部に対して出力する情報の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、LEDアレイの全てのLEDが故障することなく正常動作を行う場合に、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量を例示するグラフである。
【図7】図7は、発光素子L5が故障した場合にLEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)を例示するグラフである。
【図8】図8は、発光素子L5が故障した場合の光書込部の第1の動作を、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【図9】図9は、発光素子L5が故障した場合の光書込部の第2の動作を、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【図10】図10は、発光素子L5が故障した場合の光書込部の第3の動作を、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【図11】図11は、図10に示した第3の動作例において、発光素子L4及びL6が像担持体の露光面をそれぞれ照射する領域を示す模式図である。
【図12】図12は、発光素子L5が故障した場合の光書込部の第3の動作を、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(補正前のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【図13】図13は、発光素子L5が故障した場合の光書込部の第3の動作を、LEDアレイが像担持体の露光面を照射する光量(補正後のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【図14】図14は、発光素子L5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【図15】図15は、発光素子L5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正前のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【図16】図16は、発光素子L5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正後のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【図17】図17は、実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、実施の形態にかかる画像形成装置1の概要を示す構成図である。本図に示すように、画像形成装置1は、例えば4つの像形成部10、中間転写部12、給紙部14、搬送路16、定着部18、コントローラ210、操作表示部220及び画像処理部300を有する。この画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)またはネットワークを介したサーバなど(図示せず)から受入れた画像データを印刷するプリンタ機能に加えて、フルカラー複写機としての機能、スキャナ機能及びファクシミリとしての機能を兼ね備えた複合機であってもよい。
【0015】
画像形成装置1の上部には、コントローラ210、操作表示部220及び画像処理部300が配置されている。コントローラ210(図17参照)は、画像形成装置1を構成する各部を制御する。操作表示部220は、例えばタッチパネルなどであり、コントローラ210に対する入力を受け入れるとともに、画像形成装置1の状態などを表示する。画像処理部300は、受入れた画像データに対して階調補正及び解像度補正などの画像処理を施し、像形成部10に対して出力する。
【0016】
画像形成装置1のほぼ中央部には、カラー画像を構成する色に対応して、複数の像形成部10が配置されている。本例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色に対応して、第1の像形成部10C、第2の像形成部10M、第3の像形成部10Y及び第4の像形成部10Kが、中間転写部12に沿って所定の間隔を空けてほぼ水平に配列されている。
【0017】
4つの像形成部10C、10M、10Y、10Kは、収容している現像剤の色がそれぞれ異なり、その他はほぼ同様に構成されている。以下、像形成部10のいずれかを特定する場合には、C、M、Y又はKを付すことにより区別する。
【0018】
中間転写部12は、中間転写体としての中間転写ベルト20を図中矢印aの方向に回転させる。4つの像形成部10C、10M、10Y、10Kは、画像処理部300から入力された画像データに基づいて各色の現像剤像を順次形成する。中間転写部12は、4つの像形成部10C、10M、10Y、10Kが形成した複数の現像剤像を重ね合わせるタイミングで中間転写ベルト20に転写(一次転写)する。
【0019】
給紙部14は、用紙などの記録媒体22を搬送路16に対して供給する。搬送路16は、中間転写部12の下方に配置されている。給紙部14から供給された記録媒体22は、搬送路16上を図中矢印bの方向に搬送され、中間転写ベルト20上に多重に転写された各色の現像剤像が一括して転写(二次転写)され、転写された現像剤像が定着部18によって定着され、外部に排出される。
【0020】
次に、画像形成装置1の各構成についてより詳細に説明する。上述したように、4つの像形成部10C、10M、10Y、10Kは、ほぼ同様に構成されている。以下、第1の像形成部10Cを例に説明する。第1の像形成部10Cは、像担持体24C、帯電部26C、光書込部28C及び現像部30Cを有する。
【0021】
像担持体24Cは、例えば円筒状の感光体ドラムであり、アルミニウムなどの導電性ドラム上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とを含む光導電層を備え、長手方向を軸として回転(図1において反時計回りに回転)する。
【0022】
帯電部26Cは、例えばコロトロン、スコロトロン、または帯電ローラなどであり、像担持体24Cに対し、表面電荷を付与して帯電させる。
【0023】
光書込部28Cは、画像処理部300から受入れたシアン(C)の画像データに応じて光を出射する例えばLPH(LED Print Head)などである。光書込部28Cは、帯電部26Cが帯電させた像担持体24Cに光を照射(露光)することにより、像担持体24Cに静電潜像を形成する。
【0024】
現像部30Cは、現像ローラ、現像剤供給ローラ、規制ブレードなどを含み、収容しているシアン(C)の現像剤により、像担持体24Cに形成された静電潜像を現像する。現像部30Cが現像した現像剤像は、中間転写ベルト20に転写される。
【0025】
また、他の像形成部10M、10Y、10Kも、像形成部10Cと同様に、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色の現像剤像を形成する。
【0026】
中間転写部12は、各像形成部10C、10M、10Y、10Kに対向する位置にそれぞれ第1の一次転写ローラ40C、第2の一次転写ローラ40M、第3の一次転写ローラ40Y及び第4の一次転写ローラ40Kを有する。また、中間転写部12は、中間転写ベルト20を図中矢印aの方向に回転させるように搬送する搬送ローラ32、34、36を有する。
【0027】
搬送ローラ32、34、36が中間転写ベルト20を回転させることにより、一次転写ローラ40C、40M、40Y、40Kは、像形成部10C、10M、10Y、10K上に形成された各色の現像剤像を中間転写ベルト20に多重転写(重畳)させる。
【0028】
また、搬送ローラ32は、搬送路16に設けられた搬送ローラ38とともに二次転写バイアスが印加された二次転写部を形成する。搬送ローラ32と搬送ローラ38は、搬送路16を通って搬送される記録媒体22に対し、中間転写ベルト20上に重畳された各色の現像剤像を一括して転写する。
【0029】
二次転写部の下流には、クリーニングブレードを含むクリーニング部42が設けられている。クリーニング部42は、記録媒体22に現像剤像が転写された後に中間転写ベルト20に残留する現像剤を除去する。
【0030】
また、中間転写部12には、例えば中間転写ベルト20に対向するように、センサ44が設けられている。センサ44は、例えば中間転写ベルト20に光束を出射し、中間転写ベルト20からの反射光を検出して、例えば現像剤像の濃度(画素ごとの濃度など)の検出結果をコントローラ210に対して出力する。なお、センサ44は、現像剤像が転写された記録媒体22に光束を出射するようにされてもよい。
【0031】
搬送路16には、さらに搬送ローラ46、排出ローラ48が設けられている。搬送ローラ46と排出ローラ48との間には、定着部18が配置されている。定着部18は、現像剤像が転写された記録媒体22に対して例えば熱と圧力とを加え、現像剤像を記録媒体22に定着させる。排出ローラ48は、現像剤像が定着された記録媒体22を排出する。
【0032】
次に、光書込部28及びその周辺について詳述する。図2は、光書込部28及びその周辺の構成を示すブロック図である。図2に示すように、光書込部28は、例えばLED(Light Emitting Diode)アレイ50、光源駆動制御部52及びメモリ54を有するLPH(LED Print Head)である。光書込部28は、書込制御部400の制御に応じた光を射出して、像担持体24を主走査方向に露光する。なお、主走査方向とは、像担持体24の軸方向(長手方向)に平行な方向であるとする。また、副走査方向とは、像担持体24の回転方向(主走査方向にほぼ直行する方向)であるとする。
【0033】
LEDアレイ50は、図3に示すように、例えば主走査方向に9984個の発光素子であるLEDが配列されている。また、LEDアレイ50は、複数のLEDを1つのチップにまとめ、複数のチップを配列することにより構成されてもよい。なお、LEDのいずれかを特定する場合には、以下、L1〜L9984の符号を用いてLEDを特定する。
【0034】
LEDアレイ50には、例えばロッドレンズアレイ(図示せず)が設けられている。LEDアレイ50は、各LED(L1〜L9984)がそれぞれ照射する光(LED光)が像担持体24の主走査方向に配列されるように結像させる。
【0035】
各LED(L1〜L9984)は、それぞれ個別に発光量を増減可能になっている。また、各LED(L1〜L9984)は、例えば4つの制御単位U1〜U4に分けられ、制御単位毎にそれぞれ点灯開始時期及び点灯期間を後述する点灯制御部405によって制御される。
【0036】
例えば、制御単位U1にはL1,L5,L9,L13,・・・L9981が含まれ、制御単位U2にはL2,L6,L10,・・・L9982が含まれ、制御単位U3にはL3,L7,L11,・・・L9983が含まれ、制御単位U4にはL4,L8,L12,・・・L9984が含まれる。
【0037】
LEDアレイ50が像担持体24に対して照射する光は、図4に示すように、1200dpi(dot per inch)の結像をするように、約21μm間隔になっている。なお、図4に示した1〜8・・・の円は、各LED(L1〜L9984)がそれぞれ照射する像担持体24上の光束の位置を示しており、光スポット径ではない。
【0038】
光源駆動制御部52(図2)は、後述する点灯制御部405の制御に応じて各LED(L1〜L9984)を点灯させるよう駆動する。
【0039】
メモリ54は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などであり、光源駆動制御部52の動作に必要なデータなどを記憶する。例えば、メモリ54は、予め確認された各LED(L1〜L9984)それぞれの光量の特性に応じた補正情報を記憶するようにされてもよい。なお、複数のLEDが1つのチップにまとめられている場合には、メモリ54は、チップ毎の光量の特性に応じた補正情報を記憶するようにされてもよい。
【0040】
書込制御部400は、例えば画像処理部300(図1)に含まれ、変換部401、メモリ402、画像処理部403、画素処理部404、点灯制御部405、CPUインターフェース部(IF部)406及びタイミング制御部407を有する。書込制御部400は、ラスターデータなどの画像データを受入れ、光書込部28の動作に必要な情報を光書込部28に対して出力する。なお、書込制御部400は、画像データに含まれる画素数をカウントする画素カウント部(図示せず)を有していてもよい。
【0041】
変換部401は、ラスターデータなどの画像データを要求して取得し、取得した画像データを例えばメモリ402が記憶する予め定められた設定に応じて、書込速度及びデータフォーマットを設定した画像データに変換する。変換部401は、変換した画像データを画像処理部403に対して出力する。
【0042】
画像処理部403は、変換部401から入力された画像データに対して例えばスクリーン処理などの画像処理を行い、処理した画像データを画素処理部404に対して出力する。
【0043】
画素処理部404は、画像処理部403から受入れた画像データに対し、γ変換などの階調変換及び光書込部28に応じた画素データの並べ替えなどの画素処理を行い、処理した画像データを点灯制御部405に対して出力する。
【0044】
点灯制御部405は、画素処理部404から画像データを受入れ、メモリ54から必要なデータを受入れて、光源駆動制御部52を介して光書込部28の各LED(L1〜L9984)の点灯を制御する。なお、点灯制御部405は、上述したように、各LED(L1〜L9984)に対し、それぞれ個別に発光量を予め定められた制御範囲内で増減させ、4つの制御単位毎にそれぞれ点灯開始時期及び点灯期間を制御する。
【0045】
点灯制御部405が光源駆動制御部52に対して出力する情報には、図5を用いて後述する画像データの分割転送情報及び点灯制御信号などがある。
【0046】
CPU IF部406は、コントローラ210(図1)に含まれるCPU211(図17)などが書込制御部400に対して例えばレジスタ設定などを行う場合に、CPU211などと通信を行うインターフェースである。
【0047】
タイミング制御部407は、書込制御部400を構成する各部の動作タイミングを制御する。
【0048】
次に、書込制御部400の動作について説明する。図5は、書込制御部400の点灯制御部405が光書込部28に対して出力する情報の出力タイミングを示すタイミングチャートである。図5に示すように、点灯制御部405は、ライン周期信号、画像データ(分割転送情報)及び点灯制御信号を所定のタイミングに合わせて出力する。
【0049】
ライン周期信号は、光書込部28が像担持体24の主走査方向に静電潜像を書込む周期を示す信号である。つまり、ライン周期信号は、光書込部28が像担持体24の主走査方向に1ライン分の静電潜像を書込むことを開始してから、副走査方向に移動するように回転した像担持体24に新たに1ライン分の静電潜像を書き始めるまでの周期を示す。
【0050】
画像データは、上述した4つの制御単位U1〜U4に対応するように、主走査方向1ライン分の画像データが4つに分割されて出力される。
【0051】
点灯制御信号には、ライン周期信号の周期毎に、上述した4つの制御単位U1〜U4に対応する4つのストローブ信号(STRB1、STRB2、STRB3、STRB4)が含まれる。各ストローブ信号は、例えば立下りによって対応する制御単位の各LEDの点灯を開始させ、対応する制御単位の各LEDの点灯をアサート時間の長さに応じて継続させる信号である。
【0052】
図6は、LEDアレイ50の全てのLEDが故障することなく正常動作を行う場合に、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量を例示するグラフである。図6に示すように、LEDアレイ50の全てのLEDが正常動作を行う場合、例えば制御単位U1に含まれるL1及びL5、制御単位U2に含まれるL2及びL6、制御単位U3に含まれるL3及びL7、並びに制御単位U4に含まれるL4は、それぞれ予め定められた単位時間にほぼ同じ光量の照射を行う。つまり、各LED(L1〜L9984)が出射する光束は、それぞれほぼ同じになっている。
【0053】
各LED(L1〜L9984)は、像担持体24に対して、所謂ガウシャン分布で光スポットをそれぞれ形成する。各LED(L1〜L9984)が形成する光スポットは、主走査方向及び副走査方向のいずれにも約50μmの幅がある。また、各LED(L1〜L9984)が形成する光スポットそれぞれの中心の相互間隔は、約21μm(1200dpi)となっている。つまり、各LED(L1〜L9984)は、隣接する他のLEDが照射する像担持体24の露光面の照射範囲に影響を与える。
【0054】
LEDは、レーザープリンタに使用される半導体レーザー(LD:Laser Diode)のレーザー光に比べて出射光量が少ない。よって、光書込部28は、例えば2値データ画像を形成する場合、LEDを点灯する点灯時間を制御することにより、像担持体24を露光するために必要な積分光量値を満たすようになっている。
【0055】
図7は、例えばL5が故障した場合にLEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)を例示するグラフである。図7に示すように、L5が故障して発光しない場合、L5が照射すべき範囲に対しては、L5による露光がなされず、L5に隣接するL4及びL6などによる不十分な露光がなされる。
【0056】
従って、L5が照射すべき範囲に対して形成される画像は、現像されても濃度が所定値よりも低くなってしまう。また、L5が照射すべき範囲に対して形成される画像が像担持体24の副走査方向に延びている場合、現像される画像には副走査方向に延びる筋状の低濃度の部分ができてしまう。
【0057】
なお、各LED(L1〜L9984)のいずれかが故障しているか否かは、センサ44の検出結果に応じてコントローラ210が判断する。また、用紙などの記録媒体に形成された画像をユーザが確認することによってLEDの故障を検出し、ユーザが操作表示部220を介して検出結果を画像形成装置1に対して反映させるようにされてもよい。
【0058】
次に、各LED(L1〜L9984)のいずれかが故障した場合の光書込部28の第1の動作について説明する。図8は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第1の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【0059】
図8に示すように、光書込部28の第1の動作において、書込制御部400は、LEDの点灯時間(発光時間)を変えることなく、故障したL5に隣接するL4及びL6の単位時間の光量を増加させる。書込制御部400は、L4及びL6の単位時間の光量を増加させることにより、L5が照射するべき範囲に対し、L4及びL6が照射する単位時間の光量を増加させ、形成される画像の現像後の画像濃度が低下することを抑える。
【0060】
しかしながら、L4及びL6の単位時間の光量を増加させても、L5が照射するべき範囲に対しては、十分な光量を照射することはできない。また、L4及びL6の単位時間の光量を増加させると、L4に対応する画素及びL6に対応する画素に対する光量が過剰となり、L4及びL6に対応する画素の現像後の濃度が高くなり過ぎてしまう。
【0061】
また、LEDは、出射光量が増加すると発熱による劣化が進んでしまい、寿命が短くなることが知られている。従って、L4及びL6は、単位時間の出射光量が増加させられると、寿命が短くなってしまう。さらに、L4及びL6の出射光量を増加させる状態を標準状態とすると、LED間(又は複数LEDを含むチップ間)の発光量のばらつきを補正するために発光量を調節可能な範囲が狭くなってしまう。
【0062】
次に、各LED(L1〜L9984)のいずれかが故障した場合の光書込部28の第2の動作について説明する。図9は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第2の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【0063】
図9に示すように、光書込部28の第2の動作において、書込制御部400は、LEDの単位時間の光量を変えることなく、故障したL5に隣接するL4及びL6の点灯時間を延長する。書込制御部400は、L4及びL6の点灯時間を延長することにより、L5が照射するべき範囲に対し、L4及びL6が照射する積分光量を増加させ、形成される画像の現像後の画像濃度が低下することを低減する。
【0064】
しかしながら、L4及びL6の点灯時間を延長しても、L5が照射するべき範囲に対しては、十分な光量を照射することはできない。また、L4及びL6の点灯時間を延長すると、L4及びL6と同時に点灯される各LEDに対応する画素が副走査方向に延びてしまう。
【0065】
次に、各LED(L1〜L9984)のいずれかが故障した場合の光書込部28の第3の動作について説明する。図10は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第3の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【0066】
図10に示すように、光書込部28の第3の動作において、書込制御部400は、故障したL5に隣接するL4及びL6の点灯時間(発光時間)を延長し、かつL4及びL6の単位時間の光量を増加させることにより、L5が照射すべき光束の一部を補うよう光書込部28を制御する。
【0067】
図11は、図10に示した第3の動作例において、L4及びL6が像担持体24の露光面をそれぞれ照射する領域を示す模式図である。図11に示すように、書込制御部400が点灯時間を延長した場合、像担持体24の露光面をL4及びL6が照射する領域は、副走査方向に延ばされる。ただし、副走査方向に延ばされる長さが他の画素の副走査方向長の30%を超えると、ユーザが異常画像として知覚してしまう。
【0068】
そこで、書込制御部400は、L4及びL6の点灯時間を延長することによって副走査方向に延長される照射領域の長さ(延長される副走査方向長B)が単位時間の照射領域の副走査方向長Aの30%以下になるように、LEDの点灯時間を制御する。例えば、単位時間の照射領域の副走査方向長Aが約21μmである場合、書込制御部400は、延長される副走査方向長Bが6.3μm以下になるように、LEDの点灯時間を制御する(点灯時間条件1)。
【0069】
また、現像剤であるトナーの直径D(粒径)が約5μmである場合、書込制御部400は、延長される副走査方向長Bが5μm以上(現像剤粒径以上)になるように、LEDの点灯時間を制御する(点灯時間条件2)。副走査方向に延長された照射領域も確実にトナーによる現像がなされるようにするためである。
【0070】
書込制御部400は、上記の点灯時間条件1,2を満たすようにLEDの点灯時間を制御しても必要な露光量に対して不足する光量を補うようにL4及びL6の出射光量を増加させる。このように、書込制御部400は、故障したLEDに隣接するLEDの点灯時間の延長と出射光量の増加とによって、故障したLEDが照射すべき範囲に対して必要な積分光量(L5が照射すべき光束の一部)を光書込部28に照射させる。
【0071】
つまり、書込制御部400は、LEDの出射光量を増加させることだけで故障したLEDが出射すべき光量を補う場合に比べて、LEDの出射光量の最大値を小さくしつつ、故障したLEDが出射すべき光量を補うように光書込部28を制御する。従って、L4及びL6に対応する画素の濃度が高くなり過ぎることを防止しつつ、故障したL5に対応する画素の濃度が低くなることを低減することができる。また、L4及びL6の劣化を低減しつつ、LED間での光量ばらつきを補正可能な範囲が狭くなることを抑えることができる。
【0072】
図12は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第3の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正前のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【0073】
図12に示すように、光書込部28の第3の動作において、書込制御部400は、故障したL5と同時に点灯するL9に対して隣接するL8及びL10の点灯時間(発光時間)を延長させる。L8は、L9が正常に動作するLEDであっても、L4と同じ制御単位U4に含まれるので、L4と同じ点灯時間になる。L10は、L9が正常に動作するLEDであっても、L6と同じ制御単位U2に含まれるので、L6と同じ点灯時間になる。
【0074】
L8及びL10は、単位時間の光量が他の正常なLEDと同じであるため、点灯時間が延長されると、像担持体24の露光面に対する積分光量が多くなる。つまり、L8及びL10に対応する画素は、現像されると濃度が所定の濃度よりも高くなる。そこで、書込制御部400は、故障したLEDと同時に点灯する正常なLEDに対して隣接するLEDの光量を補正する。
【0075】
図13は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第3の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正後のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【0076】
光書込部28の第3の動作において、書込制御部400は、故障したL5と同時に点灯するL9に対して隣接するL8及びL10の点灯時間(発光時間)を延長させる。ただし、書込制御部400は、L8及びL10の点灯時間が延長されることによって像担持体24の露光面に対する積分光量が多くなることと相殺させるように、L8及びL10の単位時間の光量を少なくするよう光書込部28を制御する。このように、書込制御部400は、故障したLEDと同時に点灯する正常なLEDに対して隣接するLEDの積分光量を他の正常なLEDとほぼ同じにするように光書込部28を制御する。
【0077】
次に、各LED(L1〜L9984)のいずれかが故障した場合の光書込部28の第4の動作について説明する。図14は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(L5近傍の光量)により例示したグラフである。
【0078】
書込制御部400がLEDの点灯時間を延長するように制御すると、単位時間当たりの画像形成可能数は少なくなる。そこで、光書込部28の第4の動作においては、書込制御部400は、故障したLEDに隣接するLEDの出射光量を増加させ、点灯時間(発光時間)を予め定められた単位時間よりも短くすることにより、故障したLEDに対応する画素への光量を補正し、単位時間当たりの画像形成可能数が少なくなることを防止している。
【0079】
具体的には、図14に示すように、光書込部28の第4の動作において、書込制御部400は、故障したL5に隣接するL4及びL6の出射光量を増加させ、点灯時間(発光時間)を予め定められた単位時間よりも短くする。すなわち、書込制御部400は、L4及びL6の出射光量を予め定められた単位時間よりも短い期間だけ増加させ、積分光量を抑えるように光書込部28を制御する。
【0080】
図15は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正前のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【0081】
図15に示すように、光書込部28の第4の動作において、書込制御部400は、故障したL5と同時に点灯するL9に対して隣接するL8及びL10の点灯時間(発光時間)を短くする。L8は、L9が正常に動作するLEDであっても、L4と同じ制御単位U4に含まれるので、L4と同じ点灯時間になる。L10は、L9が正常に動作するLEDであっても、L6と同じ制御単位U2に含まれるので、L6と同じ点灯時間になる。
【0082】
L8及びL10は、単位時間の光量が他の正常なLEDと同じであるため、点灯時間が短くされると、像担持体24の露光面に対する積分光量が少なくなる。つまり、L8及びL10に対応する画素は、現像されると濃度が所定の濃度よりも低くなる。そこで、書込制御部400は、故障したLEDと同時に点灯する正常なLEDに対して隣接するLEDの光量を補正する。
【0083】
図16は、例えばL5が故障した場合の光書込部28の第4の動作を、LEDアレイ50が像担持体24の露光面を照射する光量(補正後のL9近傍の光量)により例示したグラフである。
【0084】
光書込部28の第4の動作において、書込制御部400は、故障したL5と同時に点灯するL9に対して隣接するL8及びL10の出射光量を増加させる。ここで、書込制御部400は、L8及びL10の点灯時間が短くされることによって像担持体24の露光面に対する積分光量が少なくなることと相殺させるように、L8及びL10の光量を多くするよう光書込部28を制御する。このように、書込制御部400は、故障したLEDと同時に点灯する正常なLEDに対して隣接するLEDの積分光量を他の正常なLEDとほぼ同じにするように光書込部28を制御する。
【0085】
なお、上述した光書込部28の第3又は第4の動作を、故障したLEDを有する光書込部28のいずれかのみに適用すると、第3又は第4の動作を適用した光書込部28により形成された画像の濃度が他の光書込部28により形成された画像の濃度よりも低くなる場合がある。
【0086】
そこで、画像形成装置1は、故障したLEDを有する光書込部28が第3又は第4の動作を行った場合、光書込部28を制御することにより、故障したLEDにより形成される画像の周辺に重畳される他の色の画像の濃度を低くし、各色の現像剤像の濃度のバランスを調整するようにされてもよい。
【0087】
図17は、実施の形態にかかる複合機などの画像形成装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。本図に示すように、この画像形成装置1は、コントローラ210とエンジン部(Engine)260とをPCI(PeripheraL Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ210は、画像形成装置1全体の制御と描画、通信、操作表示部220からの入力を制御するコントローラである。エンジン部260は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部260には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれてもよい。
【0088】
コントローラ210は、CPU211と、ノースブリッジ(NB)213と、システムメモリ(MEM−P)212と、サウスブリッジ(SB)214と、ローカルメモリ(MEM−C)217と、ASIC(AppLication Specific Integrated Circuit)216と、ハードディスクドライブ(HDD)218とを有し、ノースブリッジ(NB)213とASIC216との間をAGP(AcceLerated Graphics Port)バス215で接続した構成となる。また、MEM−P212は、ROM(Read OnLy Memory)212aと、RAM(Random Access Memory)212bと、をさらに有する。
【0089】
CPU211は、画像形成装置1の全体制御を行うものであり、NB213、MEM−P212及びSB214からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0090】
NB213は、CPU211とMEM−P212、SB214、AGPバス215とを接続するためのブリッジであり、MEM−P212に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0091】
MEM−P212は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM212aとRAM212bとからなる。ROM212aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM212bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
【0092】
SB214は、NB213とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB214は、PCIバスを介してNB213と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0093】
ASIC216は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス215、PCIバス、HDD218及びMEM−C217をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC216は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC216の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C217を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access ControLLer)と、エンジン部260との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC216には、PCIバスを介してFCU(FacsimiLe ControL Unit)230、USB(UniversaL SeriaL Bus)240、IEEE1394(the Institute of ELectricaL and ELectronics Engineers 1394)インターフェース250が接続される。また、ASIC216は、図示しないホストPC及びネットワーク等にも接続されている。操作表示部220は、例えばタッチパネルなどであり、コントローラ210に対する入力を受け入れるとともに、画像形成装置1の状態などを表示する。また、操作表示部220は、ASIC216に直接接続されている。
【0094】
MEM−C217は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)218は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0095】
AGPバス215は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P212に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0096】
記録媒体219は、例えば1度の書き込みが可能なCD−R(Compact Disc Recordable)などであり、記録したプログラムやデータなどをHDD218にコピーする場合などに用いられる。
【0097】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置1をコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
10C、10M、10Y、10K 像形成部
12 中間転写部
14 給紙部
16 搬送路
18 定着部
20 中間転写ベルト
22 記録媒体
24 像担持体
26 帯電部
28C、28M、28Y、28K 光書込部
30 現像部
32、34、36、38、46 搬送ローラ
40 一次転写ローラ
42 クリーニング部
44 センサ
48 排出ローラ
50 LEDアレイ
52 光源駆動制御部
54 メモリ
210 コントローラ
220 操作表示部
211 CPU
260 エンジン部
300 画像処理部
400 書込制御部
401 変換部
402 メモリ
403 画像処理部
404 画素処理部
405 点灯制御部
406 CPUインターフェース部(IF部)
407 タイミング制御部
L1〜L9984 LED(発光素子)
U1〜U4 制御単位
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【特許文献1】特開2001−328292号公報
【特許文献2】特開2003−072146号公報
【特許文献3】特開2009−018518号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する像担持体に静電潜像を書込む光をそれぞれ照射する配列された複数の発光素子と、
前記発光素子の少なくともいずれかが故障した場合に、故障した前記発光素子が照射すべき光束の一部を補うように、故障した前記発光素子に隣接する他の前記発光素子を表す隣接発光素子により照射する光の量を、前記発光素子が故障していない場合より増加させ、かつ、前記隣接発光素子により光を照射する時間を前記発光素子が故障していない場合より延長する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
故障した前記発光素子が光束を照射すべき領域における前記像担持体の回転方向の長さに対して、前記隣接発光素子の光の照射時間を延長した間に、前記隣接発光素子が光を照射する領域における前記像担持体の回転方向の長さが30%以下になるよう制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
故障した前記発光素子が光束を照射すべき領域における前記像担持体の回転方向の長さに対して、前記隣接発光素子の光の照射時間を延長した間に、前記隣接発光素子が光を照射する領域における前記像担持体の回転方向の長さが、前記静電潜像を現像する現像剤の粒径以上になるよう制御すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
複数の前記発光素子をそれぞれ含む複数の制御単位ごとに、前記発光素子が光を照射する照射開始時期及び照射期間を変更するよう制御し、前記隣接発光素子の少なくとも1つを含む前記制御単位に含まれ、かつ、故障した前記発光素子を含む前記制御単位に含まれて光を照射する前記発光素子に隣接する他の前記発光素子の少なくとも1つに対し、照射すべき光束を低減させるように制御すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
回転する像担持体に静電潜像を書込む光をそれぞれ照射する配列された複数の発光素子と、
前記発光素子の少なくともいずれかが故障した場合に、故障した前記発光素子が照射すべき光束の一部を補うように、故障した前記発光素子に隣接する他の前記発光素子を表す隣接発光素子により照射する光の量を、前記発光素子が故障していない場合より増加させ、かつ、前記隣接発光素子により光を照射する時間を前記発光素子が故障していない場合より短くする制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
複数の前記発光素子をそれぞれ含む複数の制御単位ごとに、前記発光素子が光を照射する照射開始時期及び照射期間を変更するよう制御し、前記隣接発光素子の少なくとも1つを含む前記制御単位に含まれ、かつ、故障した前記発光素子を含む前記制御単位に含まれて光を照射する前記発光素子に隣接する他の前記発光素子の少なくとも1つに対し、照射すべき光束を増加させるように制御すること、
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
静電潜像を複数色の現像剤でそれぞれ現像する複数の現像手段
をさらに有し、
前記制御手段は、
故障した前記発光素子を含む1つ以上の前記発光素子が書込むべき静電潜像をいずれかの色の現像剤で前記現像手段のいずれかが現像する画像に対し、故障した前記発光素子以外の前記発光素子が書込む静電潜像を他の色の現像剤で他の前記現像手段が現像する画像を重畳する場合に、他の色の現像剤で他の前記現像手段が現像する画像の静電潜像を故障した前記発光素子以外の前記発光素子が書込むように照射する光の量を、前記発光素子が故障していない場合より少なくするように制御すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記発光素子は、
発光ダイオードであること、
を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−78889(P2013−78889A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220001(P2011−220001)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】