説明

画像情報認証システム

【課題】 本発明は生態認証システムを有する車両を第3者に貸し出しを可能にすることを課題とする。
【解決手段】 画像情報認証システム10は、自動車等の車両12に搭載された車載コンピュータ14において、車両12の検知領域(運転席側ドア付近)に近づいたことを人検知センサ16が検知すると、車載カメラ18により運転者を撮像し、この撮像された画像情報が予め登録された画像情報と一致することを条件に当該車両12の各種機器を操作可能とする生態認証システムである。車両12の所有者は、第3者に車両12を貸し出す際は、カメラ付携帯電話機40で第3者の顔を撮像し、この第3者の画像情報をセンタ36へ送信することで、車両12において第3者の生態認証が行えるように登録することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像情報認証システムに係り、特に画像情報に基づいて生態認証を行うことで車両の機器操作を許可する画像情報認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の操作をキーを使用せずに行うキーフリーシステムとして、例えば、所有者の顔を撮像した画像情報を予め車載コンピュータに登録し、ドアのアンロックが操作されると車載カメラにより運転者の顔を撮像し、撮像された顔の画像と登録された画像とを比較して一致した場合に運転者が登録された所有者であると判断してエンジンを始動させるシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、ドアのロックを解除する際にドアに近づいた者が登録された所有者かどうかを顔の画像情報に基づいて生態認証を行う認証システムの開発も進められている。
【特許文献1】特開2003−226227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、画像情報に基づいて生態認証を行う認証システムにおいては、車両まで行って画像情報を登録することになるため、例えば、第3者に車両を貸し出す頻度が多い場合には、その都度所有者が第3者と車両まで移動して第3者の画像情報の登録操作を行うことになり、所有者としては第3者の登録操作が煩わしいという問題がある。
【0005】
また、第3者の登録操作を省略する方法としては、当該車両のキーを第3者に渡すといった方法もある。しかしながら、この方法では、画像情報を照合する生態認証システムがあるにも拘わらず、車両の所有者は、キーを所持していなければならないといった不都合が生じる。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決した画像情報認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
【0008】
請求項1記載の発明は、画像情報を車両の車載コンピュータに対して送信する送信手段を有する端末機と、前記車両に搭載された撮像手段と、前記端末機から送信された前記画像情報を前記車載コンピュータに登録する登録手段と、前記撮像手段により撮像された画像情報と前記車載コンピュータに予め登録された画像情報とが一致するか否かを照合する照合手段と、該照合手段による照合結果が画像情報一致の場合に当該車両の車載機器の使用を許可する許可手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記端末機が、前記車両に関する情報を管理するセンタを介して前記画像情報を前記車載コンピュータに送信することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記センタが、前記端末機に対する識別情報が登録された記憶手段と、該記憶手段に登録された識別情報に基づいて前記端末機が予め登録されているか否かを識別する識別手段と、前記識別手段により前記端末機の識別情報が予め登録されていると判定された場合に前記画像情報を前記車載コンピュータに転送する転送手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記画像情報を登録した場合に予め指定された連絡先に対して前記画像情報が登録されたことを通知する登録通知手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記許可手段が、前記画像情報が登録された後、前記車載機器の使用を所定回数のみ許可することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、端末機から送信された画像情報を車載コンピュータに登録することにより、前記撮像手段により撮像された画像情報と前記車載コンピュータに予め登録された画像情報とが一致するか否かを照合することが可能になるため、所有者が車両まで行かなくても登録操作を簡単に行うことができ、例えば第3者に車両を貸し出す際に、所有者は第3者の画像情報を車両に送信するだけで第3者の生態認証が可能になり、第3者へ車両を貸し出しのために車両のキーを所持する必要がなくなる。
【0014】
また、本発明によれば、端末機からの画像情報をセンタを介して車載コンピュータに送信するため、センタで当該端末機をチェックすることが可能になり、生態認証システムに対するアクセスのセキュリティ性を高めることができる。
【0015】
また、本発明によれば、センタが、記憶手段に登録された識別情報に基づいて端末機が予め登録されていると判定された場合に画像情報を車載コンピュータに転送するため、登録されていない端末機による画像情報の登録を禁止することができ、所有者以外の者が不正に登録操作することを防止でき、生態認証システムの信頼性を高めることが可能になる。
【0016】
また、本発明によれば、画像情報を登録した場合に予め指定された連絡先に対して画像情報が登録されたことを通知するため、所有者自身が第3者の画像情報の登録を確認できると共に、所有者以外の者が当該端末機を操作して不正に登録操作した場合にも確認することができ、生態認証システムの信頼性を高めることが可能になる。
【0017】
また、本発明によれば、画像情報が登録された後、車載機器の使用を所定回数のみ許可するため、第3者に車両を貸し出した場合に、車両が返却された後も第3者が所有者の承諾を得ずに車両を使用することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明になる画像情報認証システムの一実施例を示すシステム構成図である。図1に示されるように、画像情報認証システム10は、自動車等の車両12に搭載された車載コンピュータ14において、車両12の検知領域(運転席側ドア付近)に近づいたことを人検知センサ16が検知すると、車載カメラ(撮像手段)18により運転者を撮像し、この撮像された画像情報が予め登録された画像情報と一致することを条件に当該車両12の各種機器を操作可能とする生態認証システムである。
【0020】
また、車載コンピュータ14は、車両12のメインコンピュータであり、上記人検知センサ16、車載カメラ18以外に車両に関する各種情報を管理するセンタ(コンピュータ)と通信を行うデータ通信モジュール(通信手段)20と、エンジンを始動・停止させるためのスタートスイッチ22と、運転席ドアのアウトサイドハンドルに設けられたタッチセンサからなるドアアンロックスイッチ24と、運転席ドアのアウトサイドハンドルに設けられたトリガースイッチからなるドアロックスイッチ26と、各種データを記憶するメモリ(記憶手段)28とバス30を介して接続されている。また、車載コンピュータ14には、携帯電話機(通信手段)32が装着されるクレードル34と接続されている。
【0021】
尚、車載コンピュータ14は、上記以外の各種センサやスイッチ、電源回路、カーナビゲーション装置などとも接続されているが、ここではその説明を省略する。
【0022】
人検知センサ16は、例えば、超音波センサあるいは赤外線センサなどからなり、例えば、運転席ドアの上部などに取り付けられている。そして、人検知センサ16では、人が運転席ドアの正面に立つと、その人からの反射信号を受信して検知信号を出力する。
【0023】
車載カメラ18は、車内から運転席ドアの外側に立つ人の顔を撮像するように取り付けられている。また、車載カメラ18は、CCDセンサまたはCMOSセンサなどの撮像素子を有するデジタルカメラであり、人検知センサ16から出力された検知信号をトリガとしてシャッタを切るように設けられている。そして、車載カメラ18によって撮像されたデジタル画像のデータ(画像情報)は、JPEGなどの記録形式でメモリ28に保存(記憶)される。
【0024】
本実施例では、車両12を購入した所有者(運転者)が最初に乗車する際の初期設定操作の一つとして、所有者の顔を車載カメラ18で撮像し、この顔画像情報をメモリ28に記憶させて運転者登録を行う。尚、車載カメラ18を回動可能に取り付けるようにして運転席ドアの前と運転席の着席した人の顔も撮像することができる構成としても良い。
【0025】
また、車載コンピュータ14は、データ通信モジュール20または携帯電話機32を介してセンタ36とデータ通信を行える。センタ36では、画像情報を送信する場合にはデータ量が大きいので、高速通信が可能なデータ通信モジュール20にデータ通信を行うように設定されている。
【0026】
所有者は、所持しているカメラ付携帯電話機(端末機)40を用いて基地局38を介してセンタ36と通話及びデータ通信(Eメール、画像送信など)を行える。さらに、所有者は、後述するように第3者に車両12を貸し出す際は、カメラ付携帯電話機40で第3者の顔を撮像し、この第3者の画像情報をセンタ36へ送信することで、車両12において第3者の生態認証が行えるように登録することができる。尚、認証のための画像としては、顔以外の画像、例えば、指紋や顔の一部(目、鼻、口)等の身体的特徴を撮像するようにしても良い。
【0027】
また、本実施例では、カメラ付携帯電話機40を用いて第3者の画像情報を登録する方式を例に挙げて説明するが、この第3者の登録を行う端末機としては、カメラ付携帯電話機40に限るものではなく、例えば、CCDカメラ付及び通信手段を有するパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)等の端末機を用いることができるのは勿論である。
【0028】
センタ36は、各車両毎の情報(車種、車両ナンバ、所有者氏名、所有者の携帯電話番号、所有者のID、パスワード、その他車両に関する情報など)が格納されたデータベース42と、カメラ付携帯電話機40からの通信があった場合に所有者のカメラ付携帯電話機40かどうかを識別する識別手段44と、所有者の正式な携帯電話機40と判別された場合にカメラ付携帯電話機40から送信された画像情報を車載コンピュータ14に転送する転送手段46とを有する。
【0029】
また、車両12の車載コンピュータ14は、センタ36から転送された画像情報を第3者登録の画像情報としてメモリ28に記憶させ、当該車両12の操作が許可された者の画像として登録する。
【0030】
ここで、図2に示すフローチャートを参照して認証システム10の制御処理について説明する。
【0031】
図2に示されるように、車両12の車載コンピュータ14は、ステップS11(以下「ステップ」を省略する)で人検知センサ16が運転席ドアの外側に人がいることを検知すると、S12に進み、当該人の顔を車載カメラ18により撮像し、S13で車載カメラ18によって撮像された画像情報をメモリ28に記憶する。
【0032】
次のS14では、予め登録された画像情報をメモリ28から読み込み、S15で今回撮像された画像情報と予め登録された画像情報とを照合する。S16において、今回撮像された画像情報が登録された画像と異なる場合には、認証が得られないので、S17に進み、アラームを発して上記S11に戻る。
【0033】
また、S16において、今回撮像された画像情報が登録された画像と一致した場合には、認証OKとなり、S18に進む。S18では、回数制限が設定されているかどうかをチェックする。S18において、回数制限が設定されている場合には、S19でカウンタnに1を加算し、S20でカウンタnの値が設定値n以下かどうかをチェックする。
【0034】
S20において、カウンタnの値が設定値n以下である場合には、S21に進み、車両12に登載された各機器の操作を許可する(許可手段)。また、上記S18で回数制限が設定されていない場合には、直接S21に進み、上記S19〜S20の処理を省略する。
【0035】
続いて、S22ではドアアンロックスイッチ24がオンに操作されたかどうかをチェックする。このS22において、ドアアンロックスイッチ24がオンに操作された場合には、S23でドアロックを解除させる。
【0036】
操作者が運転席ドアを開けて運転席に座り、S24でスタートスイッチ22をオンに操作すると、S25で電源がオンになり、エンジンを始動させる。これで、車両12は運転者の操作に応じて走行することが可能になる。
【0037】
次のS26では、スタートスイッチ22がオフに操作されたかどうかをチェックする。運転者が車両12を停止させて、スタートスイッチ22をオフに操作した場合には、S27に進み、エンジンを停止させ、電源をオフにする。
【0038】
続いて、S28では、運転者が車両12から降りて運転席ドアのドアロックスイッチ26をオンに操作したかどうかをチェックする。このS28において、ドアロックスイッチ26がオンに操作された場合には、S29に進み、運転席ドアをロックする。
【0039】
また、上記S20において、カウンタnの値が設定値nを超える場合には、S30に進み、当該車両12の操作を禁止する。これにより、登録された第3者が所有者の承諾を得ないまま車両12を勝手に操作することが防止される。
【0040】
ここで、所有者が第3者に車両12を貸し出す際の携帯電話機40による画像登録処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
図3に示されるように、S31で車両12の所有者は、カメラ付携帯電話機40により第3者の顔を撮像する。S32では、撮像した第3者の顔画像を保存する。続いて、S33では、第3者の登録申し込みをセンタ36へ送信する。
【0042】
次のS34で、センタ36から氏名、車両ナンバ、ID及び、パスワード等を要求する返信があると、S35に進み、所有者の氏名、車両ナンバ、ID及び、パスワード等をセンタ36へ送信する。センタ36では、受信した氏名、車両ナンバ、ID及び、パスワード等の識別情報に基づいて本人確認を行う。そして、S36において、センタ36から本人確認OK及び画像要求を受信した場合、S37に進み、保存してある第3者の顔画像をEメールの添付ファイルとしてセンタ36へ送信する。また、回数制限の指定がある場合には、画像情報と共に、使用可能回数もセンタ36へ送信する。
【0043】
次のS38では、センタ36から回数制限の設定を行うかどうかの問い合わせに対して、回数制限の設定を行う場合には、S39に進み、使用可能回数をセンタ36へ送信する。また、上記S38において、第3者登録すべき者が所有者の家族や従業員である場合には、第3者回数制限の設定を行わず、上記S39の処理を省略する。
【0044】
次のS40では、センタ36から第3者登録完了のメッセージを受信したかどうかをチェックする。このS40において、センタ36から第3者登録完了のメッセージを受信した場合には、上記第3者登録を終了する。また、上記S40において、センタ36から第3者登録完了のメッセージを受信できない場合には、何らの異常が発生したため、上記S33以降の処理を再度行う。
【0045】
このように、所有者は、カメラ付携帯電話機40の操作により第3者登録を簡単に行えるので、車両貸し出しのための操作が煩わしいといった問題が解消される。さらに、所有者は、前述した生態認証システムを有する車両12を貸し出す度に車両12の場所まで出向く必要がないので、車両12を貸し出すことが多くても苦にならず、第3者に貸すためにキーを所持する必要もない。
【0046】
尚、図4に示す通信処理のうち画像を送信する場合を除いて、音声によるセンタ36と通信しても良いし、あるいは全てEメールで送受信するようにしても良い。
【0047】
ここで、所有者がカメラ付携帯電話機40を用いて第3者登録を行う場合の登録処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
図4に示されるように、センタ36では、S41で第3者登録申し込みを受信した場合、S42に進み、第3者登録申し込みを行った送信元(本実施例では、カメラ付携帯電話機40)に対して氏名、車両ナンバ、ID、パスワードなどの識別情報を要求する。次のS43で第3者登録申し込みを行った送信元から要求した氏名、車両ナンバ、ID、パスワードなどの識別情報を受信したかどうかをチェックする。
【0049】
S43において、上記識別情報を受信した場合には、S44に進み、予め登録されている識別情報をデータベース42から読み出して識別情報の照合処理を行う(識別手段)。そして、S45において、送信された識別情報が登録されている情報と一致した場合には、S46に進み、本人確認OK及び画像要求を送信元であるカメラ付携帯電話機40に対して送信する。続いて、S47に進み、カメラ付携帯電話機40から送信された画像情報を受信したかどうかをチェックする。
【0050】
上記S47において、カメラ付携帯電話機40から送信された第3者の画像情報を受信した場合には、S48に進み、第3者の画像情報を車両12の車載コンピュータ14へ転送する(転送手段)。そして、S49では、送信元であるカメラ付携帯電話機40に対して第3者登録完了を返信する。その後、S50に進み、データベース42に第3者の画像情報及び第3者登録完了を格納する。
【0051】
また、上記S45において、送信された識別情報が登録されている情報と一致しない場合には、所有者以外の者からの不正登録と判断してS51に進み、今回の第3者登録を拒否すると共に、その旨を送信元へ返信する。
【0052】
このように、センタ36では、送信された識別情報が登録されている識別情報とが一致した場合にカメラ付携帯電話機40から送信された第3者の画像情報を車両12へ転送するため、例えば、所有者以外の者が承諾なしに第3者登録することを防止し、第3者登録のセキュリティを確保することができる。
【0053】
ここで、車載コンピュータ14で第3者登録を行う場合の登録処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
図5に示されるように、車載コンピュータ14は、S61でセンタ36から送信された第3者の画像情報を受信したかどうかをチェックする。このS61において、センタ36から送信された第3者の画像情報を受信した場合には、S62に進み、受信した第3者の画像情報をメモリ28に登録画像として格納する(登録手段)。
【0055】
続いて、S63では、回数制限の設定があるかどうかをチェックする。このS63において、回数制限の設定がある場合には、S64に進み、第3者の当該車両12に対する操作可能回数を設定する。尚、回数制限の設定がない場合には、上記S64の処理は省略する。
【0056】
次のS65では、第3者画像登録完了のメッセージに登録された画像を添付して予め設定された連絡先に送信して第3者画像登録が完了したことを通知する。この連絡先としては、所有者のカメラ付携帯電話機40でも良いし、あるいは所有者の自宅または会社のパソコンやFAX等を連絡先として設定することは可能である。これにより、所有者が誰を第3者登録したのかを確認することができるため、例えば、所有者の知らない第3者が不正に登録された場合でも所有者自身が確認できるので、第3者登録のセキュリティ性がより高められている。
【0057】
次のS66では、車両12に登載されている通信系統が正常であるかどうかをチェックする。S67において、車両12に登載されている通信系統が正常であるときは、S68に進み、センタ36から第3者登録のキャンセル通知が受信されたかどうかをチェックする。このS68において、センタ36から第3者登録のキャンセル通知が受信されていない場合は、S69に進み、予め設定された所定時間が経過したかどうかをチェックする。
【0058】
S69において、所定時間が経過していない場合には、上記S66に戻り、S66以降の処理を繰り返す。しかし、S69において、所定時間が経過した場合には、今回の登録処理を終了する。
【0059】
また、上記S67において、通信系統に異常があり、通信不能状態になっている場合には、所有者以外の者が第3者登録をした後にセンタ36や所有者との通信を妨害するため、車両12に登載されたデータ通信モジュール20または携帯電話機32を破壊した可能性が高いので、S70に進み、車両12の全ての機器の操作を禁止する。これにより、第3者登録された者が車両12を運転しようとしてもエンジンが停止しているため、走行できず、車両12の盗難を未然に防止することが可能になる。
【0060】
また、S68において、センタ36からの第3者登録に対するキャンセル通知を受信した場合には、上記S70に進み、車両12の全ての機器の操作を禁止する。このキャンセル通知は、例えば、上記S65の第3者登録が完了の連絡を受け取った所有者が誤って別人の画像情報を送信したことに気づいてその第3者登録を無効とするように連絡した場合に行われる。
【0061】
従って、所有者の操作ミスによる第3者登録が判明した場合には、直ちに第3者登録を無効にすることができるので、第3者登録のセキュリティ性がより高められている。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上記実施例では、車両12の所有者が第3者の画像情報をセンタ36に送信し、センタ36から車両12に第3者の画像情報を転送する認証システムを一例として説明したが、これに限らず、車両12に上記データベース42、識別手段44を有する構成であれば、所有者はセンタ36を介さずに直接車両12へ第3者の画像情報を送信して登録することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明になる画像情報認証システムの一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】認証システム10の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】所有者が第3者に車両12を貸し出す際の携帯電話機40による画像登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】所有者がカメラ付携帯電話機40を用いて第3者登録を行う場合の登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】車載コンピュータ14で第3者登録を行う場合の登録処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
10 画像情報認証システム
12 車両
14 車載コンピュータ
16 人検知センサ
18 車載カメラ
20 データ通信モジュール
22 スタートスイッチ
28 メモリ(記憶手段)
32 携帯電話機(通信手段)
36 センタ
40 カメラ付携帯電話機
42 データベース
44 識別手段
46 転送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を車両の車載コンピュータに対して送信する送信手段を有する端末機と、
前記車両に搭載された撮像手段と、
前記端末機から送信された前記画像情報を前記車載コンピュータに登録する登録手段と、
前記撮像手段により撮像された画像情報と前記車載コンピュータに予め登録された画像情報とが一致するか否かを照合する照合手段と、
該照合手段による照合結果が画像情報一致の場合に当該車両の車載機器の使用を許可する許可手段と、
を備えたことを特徴とする画像情報認証システム。
【請求項2】
前記端末機は、前記車両に関する情報を管理するセンタを介して前記画像情報を前記車載コンピュータに送信することを特徴とする請求項1に記載の画像情報認証システム。
【請求項3】
前記センタは、
前記端末機に対する識別情報が記憶された記憶手段と、
該記憶手段に記憶された識別情報に基づいて前記端末機が予め登録されているか否かを識別する識別手段と、
前記識別手段により前記端末機の識別情報が予め登録されていると判定された場合に前記画像情報を前記車載コンピュータに転送する転送手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の画像情報認証システム。
【請求項4】
前記画像情報を登録した場合に予め指定された連絡先に対して前記画像情報が登録されたことを通知する登録通知手段を有することを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の画像情報認証システム。
【請求項5】
前記許可手段は、前記画像情報が登録された後、前記車載機器の使用を所定回数のみ許可することを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の画像情報認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−168553(P2006−168553A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364429(P2004−364429)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】