説明

画像投射装置

【課題】光学シフト機能とデジタルシフト機能とを用いた広い範囲での投射画像のシフトを簡単な操作によって可能とする。
【解決手段】画像投射装置は、画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、該投射光学系を第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、画像形成素子上において原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、制御手段とを有する。制御手段は、操作手段の操作により指示された投射画像のシフト方向において、画像形成領域が第2のシフト範囲の端よりも中央側の位置にある状態で光学シフト手段に投射光学系をシフトさせ、投射光学系が第1のシフト範囲の端にシフトした状態で画像シフト手段に画像形成領域をシフトさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶プロジェクタ等の画像投射装置に関し、特に投射画像の位置を光学的にシフトさせる機能と電気的にシフトさせる機能とを有する画像投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像投射装置は、光源からの光を用いて液晶パネル等の画像形成素子を照明し、該画像形成素子に形成された原画像に応じて変調された光を投射光学系によりスクリーン等の被投射面に投射することで投射画像を表示する。
【0003】
このような画像投射装置には、投射画像の位置を調整する機能として、画像形成素子に対して投射光学系をシフトさせる光学シフト機能や、画像形成素子上における原画像が形成される領域(以下、画像形成領域という)をシフトさせるデジタルシフト機能がある。
【0004】
光学シフト機能では、投射光学系をその光軸に直交する方向にシフトさせる。投射光学系のシフトは、操作スイッチの操作に応じてモータ等のアクチュエータを駆動することで行われることが多い(特許文献1参照)。
また、デジタルシフト方法では、画像形成素子上において原画像を形成可能な最大範囲に対して実際に原画像が形成される画像形成領域を小さく設定し、該画像形成領域の周囲に画像非形成領域を形成する。そして、画像非形成領域の高さや幅の分だけ画像形成領域を上下方向や左右方向にシフトさせることができる(特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開2005−49476号公報
【特許文献2】特開2005−215542号公報
【特許文献3】特開2006−246306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像投射装置では、光学シフト機能とデジタルシフト機能に対してそれぞれ操作スイッチが分けられていたりその操作方法が異なっていたりしているために、操作が煩雑である。しかも、光学シフト機能とデジタルシフト機能の両方を用いて投射画像の位置を大きくシフトさせるような場合には、両シフト機能の切り替え(使い分け)をユーザの判断によって行わなければならない。
【0006】
本発明は、光学シフト機能とデジタルシフト機能とを用いた広い範囲での投射画像のシフトを簡単な操作によって行わせることができるようにした画像投射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての画像投射装置は、原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、該投射光学系を画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、画像形成素子上において原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、被投射面上において投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、該操作手段の操作に応じて、光学シフト手段および画像シフト手段を制御する制御手段とを有する。そして、制御手段は、操作手段の操作により指示された投射画像のシフト方向において、画像形成領域が第2のシフト範囲の端よりも中央側の位置にある状態で光学シフト手段に投射光学系をシフトさせ、投射光学系が第1のシフト範囲の端にシフトした状態で画像シフト手段に画像形成領域をシフトさせることを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての画像投射装置は、原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、光源からの光により画像形成素子を照明する照明光学系と、画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、該投射光学系を画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、画像形成素子上において原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、被投射面上において投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、該操作手段の操作に応じて、光学シフト手段および画像シフト手段を制御する制御手段とを有する。そして、制御手段は、操作手段の操作により指示された投射画像のシフト方向において、投射光学系が第1のシフト範囲の端よりも中央側の位置にある状態で画像シフト手段に画像形成領域をシフトさせ、画像形成領域が第2のシフト範囲の端に位置した状態で光学シフト手段に投射光学系をシフトさせることを特徴とする。
さらに、本発明の他の一側面としての画像投射装置は、原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、該投射光学系を画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、画像形成素子上において原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、光学シフト手段および画像シフト手段のうち一方の使用を選択するとともに、被投射面上において投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、該操作手段の操作に応じて、光学シフト手段および画像シフト手段を制御する制御手段とを有する。そして、制御手段は、光学シフト手段の使用が選択された場合において、光学シフト手段によって投射光学系が第1のシフト範囲の端までシフトした状態で画像シフト手段に画像形成領域をシフトさせ、画像シフト手段の使用が選択された場合において、画像シフト手段によって画像形成領域が第2のシフト範囲の端までシフトした状態で光学シフト手段に投射光学系をシフトさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光学シフト手段(光学シフト機能)と画像シフト手段(とデジタルシフト機能)とを用いた広い範囲での投射画像のシフトを、簡単な操作によって行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1には、本発明の実施例1である画像投射装置としての液晶プロジェクタ101の構成を示している。
【0011】
ランプ102は光源として光111を発し、該光111により画像形成素子としての液晶パネル103を照明する。液晶パネル103は、映像信号に対応する原画像を形成し、ランプ102からの光111を変調する。変調された光(変調光)112は投射画像を形成し、投射レンズ(投射光学系)104によって投射光113としてスクリーン等の被投射面114に投射される。これにより、被投射面114上に、原画像の拡大画像である投射画像が表示される。
【0012】
レンズシフト駆動部(光学シフト手段)105は、投射レンズ104をその光軸に対して直交する方向(上下及び左右方向)にシフトさせる。該レンズシフト駆動部105は、モータ等のアクチュエータと、該アクチュエータの駆動力により投射レンズ104をシフトさせるシフト機構と、投射レンズ104のシフト量(シフト位置)を検出するためのエンコーダとにより構成されている。
エンコーダは、投射レンズ104のシフト量をデジタル値として出力する。例えば、パルスエンコーダを用いて、投射レンズ104の基準位置からのシフト量を示すパルス数のカウント値をデジタル値として出力してもよいし、ポテンショメータからのアナログ値をA/D変換してデジタル値を出力してもよい。エンコーダの代わりに、投射レンズ104がそのシフト範囲の端に位置したことを検出する端検出スイッチを用いてもよい。
【0013】
映像信号入力部110には、外部からの映像信号が入力される。映像信号入力部110は、入力された映像信号を画像処理回路107に転送する。
画像処理回路107は、映像信号に対して、映像形式判別処理、スケーリング処理及び色補正処理を行う。映像形式判別処理では、画像サイズ(アスペクト比、解像度等)や色情報を含む映像形式を判別する。スケーリング処理では、映像信号から抽出した画像領域の拡大及び縮小処理を行う。色補正処理では、映像信号に対して色彩を補正するためのデジタル処理を行う。このようにして、画像処理回路107は、入力された映像信号から画像信号を生成する。
パネル駆動部106は、画像処理回路107で生成された画像信号に基づいて液晶パネル103を駆動する。これにより、液晶パネル103には、変調パターンとしての原画像が形成される。
【0014】
また、画像シフト手段としての画像処理回路107は、生成した画像信号(フレーム画像)を画像処理回路107内に設けられたフレームメモリ(図示せず)に格納する。フレームメモリに格納されるフレーム画像と液晶パネル103上に形成される原画像とは1対1で対応している。このため、フレームメモリ内においてフレーム画像の位置をシフトさせることによって、液晶パネル103上での原画像の位置もシフトさせることができる。
【0015】
画像処理回路107は、液晶パネル103の解像度よりも低い解像度を有するフレーム画像を生成する。このフレーム画像は、画像処理回路107でのスケーリング処理を利用して生成される。
画像処理回路107は、初期状態では、生成したフレーム画像をフレームメモリの中央に配置する。これにより、図2(a)に示すように、液晶パネル上にて原画像を形成可能な最大範囲(以下、パネル有効範囲という)201のうち中央に、フレーム画像に対応する原画像(画像形成領域)203が形成される。そして、原画像203の上下左右の周囲には、原画像が形成されない画像非形成領域202が形成される。
【0016】
また、画像処理回路107は、入力された映像信号の縦又は横の解像度が液晶パネル103の縦又は横の解像度に合うように拡大又は縮小処理したフレーム画像を生成する。入力された映像信号の解像度は、画像処理回路107における映像形式判別機能によって取得することができる。そして、初期状態では、生成したフレーム画像をフレームメモリの中央に配置する。これにより、例えば、図2(b)に示すように、パネル有効範囲201のうち上下方向での中央に原画像203が形成され、その上下に画像非形成領域202が形成される。
【0017】
さらに、画像処理回路107は、いわゆる台形補正を行うために、図2(c),(d)に示すように、原画像を台形状に歪ませて液晶パネル上の有効領域の中央に形成させることもできる。この場合も、原画像203の周囲に画像非形成領域202が形成される。また、画像処理回路107は、液晶パネル103の解像度と同じ解像度を有するフレーム画像を生成し、該フレーム画像に対応する原画像203を、図2(e)に示すように液晶パネル上の有効領域全体に形成することも可能である。この場合、画像非形成領域は形成されない。
【0018】
制御部108は、マイクロコンピュータによって構成される。制御部108は、操作部(操作手段)109に設けられた不図示の各種スイッチの操作に応じて、電源のオン/オフや、ランプ102の点灯/消灯や、後述するレンズシフト制御(光学シフト制御)及びデジタルシフト制御(画像シフト制御)を行う。
【0019】
操作部109は、液晶プロジェクタ101の電源のオン/オフを行うための電源スイッチや、被投射面上において投射画像をシフトさせるために操作されるシフトスイッチ等を有する。操作部109は、これらスイッチの操作を離れた場所から受け付けるための無線通信(赤外線通信等)による遠隔操作機能を有してもよい。
【0020】
次に、レンズシフト制御の概要について説明する。投射レンズ104は、制御部108がレンズシフト駆動部105のアクチュエータを制御することによって、上下左右の2次元範囲(第1の範囲:以下、レンズ可動範囲という)で、投射レンズ104の光軸(つまりは、液晶パネル103)に対してシフトする。以下の説明において、投射レンズ104のシフトをレンズシフトという。
レンズシフト制御を開始する際には、まず制御部108は、操作部109(シフトスイッチ)の操作に応じて、レンズシフトを行う方向(レンズシフト方向)を決定する。そして、制御部108は、投射レンズ104がレンズシフト方向におけるレンズ可動範囲の端(以下、レンズシフト端という)に位置しているか否かを判定する。この判定は、レンズシフト駆動部105に設けられたエンコーダの出力から得られる投射レンズ104の実際の位置情報と予めメモリに記憶されたレンズシフト端の位置情報とを比較することによって行われる。また、レンズシフト駆動部105に設けられた端検出スイッチを用いて判定してもよい。
制御部108は、投射レンズ104がレンズシフト端に位置していると判定した場合は、それ以上投射レンズ104をレンズシフト方向にシフトさせることができないため、レンズシフトを行わない。投射レンズ104がレンズシフト端に位置していないと判定した場合は、制御部108は、レンズシフトの速度及び目標位置を決定する。そして、制御部108は、レンズシフト方向に対応するアクチュエータの駆動方向を決定するとともに、レンズシフトの速度及び目標位置に基づいてアクチュエータの駆動速度を決定する。制御部108は、これらの決定に基づいて、アクチュエータを制御する。これにより、レンズシフトが行われ、被投射面114上の投射画像もシフトする。
【0021】
制御部108は、レンズシフト中に、投射レンズ104の位置を監視し、投射レンズ104が目標位置又はレンズシフト端に達した場合は、レンズシフトを停止させる。
【0022】
次に、デジタルシフト制御の概要について説明する。液晶パネル103上(画像形成素子上)において、原画像、すなわち画像形成領域は、制御部108が画像処理部107を制御することによって上下左右の2次元範囲であるパネル有効範囲(第2の範囲)においてシフトする。以下の説明において、原画像(画像形成領域)のシフトをデジタルシフトという。
【0023】
デジタルシフトを開始する際(初期状態のとき)には、制御部108は、まず液晶パネル103上に原画像を形成した際に、その上下方向及び左右方向のうち少なくとも一方にデジタルシフトを行うための画像非形成領域が存在するか否かを判定する。この判定は、入力された映像信号の形式やスケーリング処理におけるスケール値に基づいて行われる。
【0024】
図2(a)は、パネル有効範囲のアスペクト比(横の長さと縦の長さの比)が4:3である液晶パネル103の中央に、アスペクト比が4:3でパネル有効範囲よりもサイズが小さい原画像を形成された例を示している。また、図2(b)は、同液晶パネル103の上下方向の中央に、アスペクト比が16:9である原画像が形成された例を示す。図2(a),(b)では、原画像(画像形成領域)203の周囲又は上下に、画像非形成領域202が形成されている。
【0025】
画像非形成領域がない場合は、デジタルシフトを行うことが不可能である。このため、制御部108は、デジタルシフトを行わない。画像非形成領域がある場合は、制御部108は、操作部109(シフトスイッチ)の操作に応じて、デジタルシフトを行う方向(デジタルシフト方向)を決める。そして、デジタルシフト方向に画像非形成領域があるか否かを判定し、デジタルシフト方向に画像非形成領域がない場合はデジタルシフトを行わない。
【0026】
一方、デジタルシフト方向に画像非形成領域がある場合は、制御部108は、デジタルシフト量を決定し、デジタルシフト後の原画像の位置(デジタルシフト位置)を算出する。デジタルシフト量は、原画像がパネル有効範囲を越えないように決定される。そして、制御部108は、デジタルシフト位置を画像処理回路107に設定する。画像処理回路107は、生成したフレーム画像を、フレームメモリ上のデジタルシフト位置に配置する。これにより、液晶パネル103上において原画像が初期状態に対してデジタルシフト量だけシフトした位置に形成され、被投射面114上の投射画像も該デジタルシフト量に対応した量だけシフトする。
【0027】
次に、上述したレンズシフト制御とデジタルシフト制御の実行方法について説明する。レンズシフト制御とデジタルシフト制御をどのように実行するかに関しては、以下の方法がある。
【0028】
第1の実行方法では、投射レンズ104がレンズシフト端に位置することを検出したときに、デジタルシフト制御を行う。
【0029】
第2の実行方法では、原画像がパネル有効範囲の端に位置することを検出したときに、レンズシフト制御を行う。
【0030】
第3の実行方法では、原画像の位置(デジタルシフト位置)を取得し、取得したデジタルシフト位置に応じてレンズシフト制御とデジタルシフト制御のうちいずれか又は両方を実行する。
【0031】
第4の実行方法では、投射レンズ104の位置(レンズシフト位置)を取得し、取得したレンズシフト位置に応じてレンズシフト制御とデジタルシフト制御のうちいずれか又は両方を実行する。
【0032】
本実施例では、上述した第1から第4の実行方法のうち第1の実行方法と第3の実行方法とを組み合わせて、レンズシフト制御とデジタルシフト制御との間での切り替えを自動的に行う。本実施例におけるレンズシフト制御とデジタルシフト制御の処理の流れを図3に示す。ここでは、操作部109に設けられた投射位置調整スイッチがユーザにより操作され、制御部108が投射位置調整モードに入ったものとして説明する。
【0033】
まず、ステップ301では、制御部108は、操作部109に設けられたシフトスイッチの操作(以下、シフト操作という)を待つ状態になる。本実施例では、シフトスイッチは、被投射面114上で投射画像をシフトさせるためにユーザにより操作されるスイッチであり、レンズシフト制御とデジタルシフト制御の両方に対して共通して設けられたスイッチである。シフト操作が行われると、ステップ302では、制御部108は、投射位置調整モードに入る。そして、ステップ301でのシフト操作において指示された投射画像のシフト方向を識別する。
【0034】
ステップ303では、制御部108は、現在のデジタルシフト位置が、上下方向及び左右方向のうちステップ302で識別したシフト方向を含む方向において、パネル有効範囲の中央か否かを判定する。このステップ303は、第3の実行方法に関する判定を行うステップである。現在のデジタルシフト位置がパネル有効範囲の中央である場合はステップ304に進み、中央でない場合はステップ305に進む。
なお、本実施例では、原画像がパネル有効範囲の中央に形成された状態をデジタルシフト制御における初期状態とする。また、投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置する状態をレンズシフト制御における初期状態とする。しかし、初期状態での原画像や投射レンズ104の位置は必ずしもパネル有効範囲やレンズ可動範囲の中央でなくてもよく、パネル有効範囲やレンズ可動範囲の端よりも中央側の位置であればよい。また、「中央」は、厳密な中央でなくてもよく、中央とみなせる位置であればよい。
そして、ステップ304では、制御部108は、レンズシフトが可能であるか否かを判定する。すなわち、ステップ302で識別された投射画像のシフト方向に対応するレンズシフト方向において、投射レンズ104がレンズ可動範囲の端(以下、レンズシフト端という)に位置するか否かを判定する。このステップ304は、第1の実行方法に関する判定を行うステップである。レンズシフト端でなければステップ306に進み、レンズシフト方向へのレンズシフト制御を行う。また、レンズシフト端であれば、レンズシフトを行えないので、ステップ305に進む。
【0035】
ステップ305では、制御部108は、デジタルシフトが可能であるか否かを判定する。すなわち、ステップ302で識別された投射画像のシフト方向に対応するデジタルシフト方向において、原画像(画像形成領域)がパネル有効範囲の端(以下、デジタルシフト端という)に位置するか否かを判定する。デジタルシフト端でなければステップ307に進み、デジタルシフト方向へのデジタルシフト制御を行う。デジタルシフト端であれば、デジタルシフトも行えないので、ステップ308に進む。
【0036】
ステップ308では、制御部108は、投射位置調整が終了したか否かを判定する。具体的には、投射位置調整スイッチの再操作や投射位置調整終了スイッチの操作等の終了操作が行われたか否かを判定する。また、所定時間の間、シフト操作が行われなかったことに応じて投射位置調整が終了であると判定してもよい。投射位置調整が終了でなければステップ301に戻り、再びシフト操作を待つ。投射位置調整が終了であれば、本フローの処理を終了する。
【0037】
図4には、本実施例における投射画像のシフトの様子を示す。この図において、411はレンズシフト及びデジタルシフトが行われていない初期状態を示す。412〜419は初期状態からレンズシフト及びデジタルシフトのうち少なくとも一方により投射画像がシフトした状態を示す。
点線枠は、レンズシフトによる投射画像のシフト可能範囲を示し、レンズ可動範囲に対応する。ハッチングされた領域は、液晶パネル103における画像非形成領域を示す。白抜き枠は、投射画像を示し、液晶パネル103上で原画像が形成された画像形成領域に相当する。点線矢印は、レンズシフトが可能な方向を示し、実線矢印は、デジタルシフトが可能な方向を示す。さらに、太矢印は、投射画像のシフト方向を示している。
投射画像がシフト可能範囲の中央に位置する初期状態411では、原画像がパネル有効範囲の中央にあり、投射レンズ104もレンズ可動範囲の中央に位置する。
【0038】
状態411から投射画像を右方向にシフトさせる場合、まず右方向のレンズシフト端までレンズシフトを行って状態412とする。その後、デジタルシフトに自動的に切り替わる。原画像の位置が右方向のデジタルシフト端に到達して状態413になると、デジタルシフト(つまりは投射画像のシフト)が停止する。
【0039】
状態413では、パネル有効範囲において原画像が上下方向における中央に位置している。この状態からは、上下方向へのレンズシフトが可能である。一方、左右方向については原画像がパネル有効範囲の中央に位置していない(右端に位置している)ので、左方向へのデジタルシフトが可能である。
【0040】
状態413から投射画像を下方向にシフトさせる場合、まず下方向のレンズシフト端までレンズシフトを行って状態416とする。その後、デジタルシフトに自動的に切り替わる。原画像の位置が下方向のデジタルシフト端に到達して状態419になると、デジタルシフトが停止する。
【0041】
状態419では、パネル有効範囲において原画像が上下方向及び左右方向のいずれにおいてもデジタルシフト端に位置している。この状態からは、上方向及び左方向へのデジタルシフトが可能である。
【0042】
状態419から投射画像を左方向にシフトさせる場合、まず左右方向におけるパネル有効範囲の中央までデジタルシフトを行って状態418とする。その後、レンズシフトに自動的に切り替わる。状態418では、上下方向について原画像がパネル有効範囲の中央に位置していない(下端に位置している)ので、上方向へのデジタルシフトが可能である。一方、左右方向については原画像がパネル有効範囲の中央に位置し、かつ投射レンズ104が右方向のレンズシフト端にあるので、左方向へはレンズシフトが、右方向へはデジタルシフトがそれぞれ可能である。
【0043】
状態418から投射画像を上方向にシフトさせる場合、まずパネル有効範囲の中央までデジタルシフトを行って状態415とする。その後、レンズシフトに自動的に切り替わる。
【0044】
状態415では、上下方向については原画像がパネル有効範囲の中央に位置しており、かつ投射レンズ104が下方向でのレンズシフト端にあるので、上方向へはレンズシフトが、下方向へはデジタルシフトがそれぞれ可能である。一方、左右方向については原画像がパネル有効範囲の中央に位置しており、かつ投射レンズ104が右方向でのレンズシフト端にあるので、左方向へはレンズシフトが、右方向へはデジタルシフトがそれぞれ可能である。
【0045】
以上説明した投射画像のシフト方向以外へのシフトも、同様に行われる。
【0046】
このように本実施例では、シフト操作が行われた場合には、レンズシフトを優先的に行って投射画像をシフトさせ、レンズシフトだけでは対応できない位置までの投射画像のシフトは、レンズシフトから自動的に切り替えられたデジタルシフトで行う。これにより、簡単な操作によって広い範囲で投射画像をシフトさせることができる。
【0047】
また、レンズシフトを優先的に行う本実施例は、原画像をパネル有効範囲の中央にできるだけ維持すると言える。ランプ102から液晶パネル103に照射される光の強度は、液晶パネル上で均一ではなく、中央付近で最も高い。このため、原画像をパネル有効範囲の中央にできるだけ維持することで、レンズシフトによって投射画像をシフト可能な範囲については、明るい投射画像を得ることができる。
【実施例2】
【0048】
本発明の実施例2では、実施例1中で説明した第2の実行方法と第4の実行方法とを組み合わせることによって、デジタルシフト制御とレンズシフト制御の間での切り替えを自動的に行う。本実施例におけるデジタルシフト制御とレンズシフト制御の処理の流れを図5に示す。
ここでは、操作部109に設けられた投射位置調整スイッチがユーザにより操作され、制御部108が投射位置調整モードに入ったものとして説明する。また、本実施例の画像投射装置の構成は実施例1と同じであるので、共通する構成要素については実施例1と同符号を付して説明に代える。
【0049】
まず、ステップ501では、制御部108は、操作部109に設けられたシフトスイッチの操作(シフト操作)を待つ状態になる。本実施例でも、シフトスイッチは、被投射面114上で投射画像をシフトさせるためにユーザにより操作されるスイッチであり、デジタルシフト制御とレンズシフト制御の両方に対して共通して設けられたスイッチである。シフト操作が行われると、ステップ502では、制御部108は、投射位置調整モードに入る。そして、ステップ501でのシフト操作において指示された投射画像のシフト方向を識別する。
【0050】
ステップ503では、制御部108は、現在のレンズシフト位置が、上下方向及び左右方向のうちステップ502で識別したシフト方向を含む方向において、レンズ可動範囲の中央か否かを判定する。このステップ503は、第4の実行方法に関する判定を行うステップである。現在のレンズシフト位置がシフト方向における中央である場合はステップ504に進み、中央でない場合はステップ505に進む。
ステップ504では、制御部108は、デジタルシフトが可能であるか否かを判定する。すなわち、ステップ502で識別された投射画像のシフト方向に対応するデジタルシフト方向において、原画像(画像形成領域)がパネル有効範囲の端であるデジタルシフト端に位置するか否かを判定する。このステップ504は、第2の実行方法に関する判定を行うステップである。デジタルシフト端でなければステップ506に進み、デジタルシフト方向へのデジタルシフト制御を行う。また、デジタルシフト端であれば、デジタルシフトを行えないので、ステップ505に進む。
ステップ505では、制御部108は、レンズシフトが可能であるか否かを判定する。すなわち、ステップ502で識別された投射画像のシフト方向に対応するレンズシフト方向において、投射レンズ104がレンズシフト端に位置するか否かを判定する。レンズシフト端でなければステップ507に進み、レンズシフト方向へのレンズシフト制御を行う。レンズシフト端であれば、レンズシフトも行えないので、ステップ508に進む。
ステップ508では、制御部108は、実施例1のステップ308と同様にして、投射位置調整が終了したか否かを判定する。投射位置調整が終了でなければステップ501に戻り、再びシフト操作を待つ。投射位置調整が終了であれば、本フローの処理を終了する。
図6には、本実施例における投射画像のシフトの様子を示す。この図において、611はデジタルシフト及びレンズシフトが行われていない初期状態を示す。612〜619は初期状態からデジタルシフト及びレンズシフトのうち少なくとも一方により投射画像がシフトした状態を示す。
実施例1(図4)と同様に、点線枠は、レンズシフトによる投射画像のシフト可能範囲を示し、投射レンズ104の可動範囲に対応する。ハッチングされた領域は、液晶パネル103における画像非形成領域を示す。白抜き枠は、投射画像を示し、液晶パネル103上で原画像が形成された画像形成領域に相当する。点線矢印は、レンズシフトが可能な方向を示し、実線矢印は、デジタルシフトが可能な方向を示す。さらに、太矢印は、投射画像のシフト方向を示している。
投射画像がシフト可能範囲の中央に位置する初期状態611では、液晶パネル103上での原画像はパネル有効範囲の中央にあり、投射レンズ104もレンズ可動範囲の中央に位置する。
状態611から投射画像を右方向にシフトさせる場合、まず右方向のデジタルシフト端までデジタルシフトを行って状態612とする。その後、レンズシフトに自動的に切り替わる。投射レンズ104の位置が右方向のレンズシフト端に到達して状態613になると、レンズシフト(つまりは投射画像のシフト)が停止する。
状態613では、投射レンズ104が上下方向においてレンズ可動範囲の中央に位置している。この状態からは、上下方向へのデジタルシフトが可能である。一方、左右方向については投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置していない(右端に位置している)ので、左方向へのレンズシフトが可能である。
状態613から投射画像を下方向にシフトさせる場合、まず下方向のデジタルシフト端までデジタルシフトを行って状態616とする。その後、レンズシフトに自動的に切り替わる。投射レンズ104の位置が下方向のレンズシフト端に到達して状態619になると、レンズシフトが停止する。
状態619では、レンズ可動範囲において投射レンズ104が上下方向及び左右方向のいずれにおいてもレンズシフト端(下端及び右端)に位置している。この状態からは、上方向及び左方向へのレンズシフトが可能である。
【0051】
状態619から投射画像を左方向にシフトさせる場合、まず左右方向におけるレンズ可動範囲の中央までレンズシフトを行って状態618とする。その後、デジタルシフトに自動的に切り替わる。
状態618では、上下方向について投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置していない(下端に位置している)ので、上方向へのレンズシフトが可能である。一方、左右方向については、投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置し、かつ原画像の位置が右方向のデジタルシフト端にあるので、左方向へはデジタルシフトが、右方向へはレンズシフトがそれぞれ可能である。
【0052】
状態618から投射画像を上方向にシフトさせる場合、まずレンズ可動範囲の中央までレンズシフトを行って状態615とする。その後、デジタルシフトに自動的に切り替わる。
【0053】
状態615では、上下方向については投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置しており、かつ原画像が下方向のデジタルシフト端に位置しているので、上方向へはデジタルシフトが、下方向へはレンズシフトがそれぞれ可能である。一方、左右方向については投射レンズ104がレンズ可動範囲の中央に位置しており、かつ原画像が右方向のデジタルシフト端に位置しているので、左方向へはデジタルシフトが、右方向へはレンズシフトがそれぞれ可能である。
【0054】
以上説明した投射画像のシフト方向以外へのシフトも、同様に行われる。
【0055】
このように本実施例では、シフト操作が行われた場合には、デジタルシフトを優先的に行って投射画像をシフトさせ、デジタルシフトだけでは対応できない位置までの投射画像のシフトは、デジタルシフトから自動的に切り替えられたレンズシフトで行う。これにより、簡単な操作によって広い範囲で投射画像をシフトさせることができる。
また、デジタルシフトを優先的に行う本実施例は、投射レンズ104をレンズ可動範囲の中央にできるだけ維持すると言える。レンズ可動範囲の中央では、投射レンズ104の光軸の位置と投射画像の中心とがほぼ一致する。レンズには収差があり、光軸から離れるほど投射画像に対する収差の影響が大きくなる。例えば、投射画像が歪んだり、投射画像の色が正確に再現できなかったりする。このため、投射レンズ104をレンズ可動範囲の中央にできるだけ維持することで、デジタルシフトによって投射画像をシフト可能な範囲については、歪みが少なく良好な色再現がなされた投射画像を得ることができる。
【実施例3】
【0056】
レンズシフト制御とデジタルシフト制御をどのように実行するかに関しては、上述した第1〜第4の実行方法以外に以下の第5の実行方法がある。
第5の実行方法は、図7(a)に示すように、操作部901が投射画像のシフト方向を選択するためのシフト方向選択部903と、デジタルシフトとレンズシフトのうち一方の使用(優先使用)を選択するシフト方法選択部902とを有する場合に適用される。該第5の実行方法では、シフト方法選択部902にてデジタルシフトの使用が選択された状態でシフト方向選択部903が操作された場合には、デジタルシフト制御を優先して行い、原画像がデジタルシフト端までシフトした後は、レンズシフト制御を行う。また、シフト方法選択部902にてレンズシフトの使用が選択された状態でシフト方向選択部903が操作された場合には、レンズシフト制御を優先して行い、投射レンズがレンズ可動範囲の端までシフトした後は、デジタルシフト制御を行う。
【0057】
図8には、上記第5の実行方法によりデジタルシフト制御とレンズシフト制御の切り替えを自動的に行う場合の処理の流れを図8に示す。ここでは、操作部901に設けられた不図示の投射位置調整スイッチがユーザにより操作され、制御部108が投射位置調整モードに入ったものとして説明する。また、本実施例の画像投射装置の構成は、操作部901以外は実施例1と同じであるので、共通する構成要素については実施例1と同符号を付して説明に代える。
【0058】
まず、ステップ801Aでは、制御部108は、操作部901のシフト方向選択部903の操作(以下、シフト操作という)を待つ状態になる。シフト操作が行われると、ステップ801Bでは、制御部108は、投射位置調整モードに入る。そして、ステップ801でのシフト操作において指示された投射画像のシフト方向を識別する。
次に、ステップ802において、制御部108は、操作部901のシフト方法選択部902で選択されたシフト方法が、レンズシフトか否か(デジタルシフトか)を判定する。レンズシフトが選択されている場合はステップ803に進み、デジタルシフトが選択されている場合はステップ805に進む。
ステップ803では、制御部108は、現在の投射レンズ104の位置(レンズシフト位置)が、ステップ801Bで識別した投射画像のシフト方向に対応するレンズシフト方向において、レンズ可動範囲の端(レンズシフト端)か否かを判定する。レンズシフト端でなければステップ807に進み、レンズシフト方向へのレンズシフト制御を行う。また、レンズシフト端であれば、レンズシフトを行えないので、ステップ804に進む。
【0059】
ステップ804では、制御部108は、現在の原画像(画像形成領域)の位置であるデジタルシフト位置が、ステップ801Bで識別したシフト方向において、パネル有効範囲の端(デジタルシフト端)か否かを判定する。デジタルシフト端でなければステップ808に進み、デジタルシフト制御を行う。デジタルシフト端であれば、デジタルシフトも行えないので、ステップ809に進む。
【0060】
また、ステップ805では、制御部108は、現在のデジタルシフト位置が、ステップ801Bで識別したシフト方向においてデジタルシフト端か否かを判定する。デジタルシフト端でなければステップ808に進み、デジタルシフト制御を行う。デジタルシフト端である場合は、デジタルシフトを行えないので、ステップ806に進む。
ステップ806では、制御部108は、現在のレンズシフト位置が、ステップ801Bで識別した投射画像のシフト方向に対応するレンズシフト方向においてレンズシフト端か否かを判定する。レンズシフト端でなければステップ807に進み、レンズシフト方向へのレンズシフト制御を行う。また、レンズシフト端であれば、レンズシフトも行えないので、ステップ809に進む。
【0061】
ステップ809では、制御部108は、実施例1と同様にして、投射位置調整が終了したか否かを判定する。投射位置調整が終了でなければステップ801Aに戻り、再びシフト操作を待つ。投射位置調整が終了であれば、本フローの処理を終了する。
【0062】
このように、本実施例では、レンズシフトとデジタルシフトのうち一方が使用されるシフト方法として選択された場合でも、そのシフト方法による投射画像のシフトが行えない場合には自動的に他方のシフト方法に切り替えられる。これにより、簡単な操作によって広い範囲で投射画像をシフトさせることができる。
【実施例4】
【0063】
図7(b)には、本発明の実施例4であるプロジェクタの操作部904の構成を示す。操作部904は、実施例3で説明した操作部901と同様に、投射画像のシフト方向を選択するためのシフト方向選択部903を有する。また、操作部904は、デジタルシフトとレンズシフトのうち一方又は両方の使用を選択するシフト方法選択部905を有する。
シフト方法選択部905において、レンズシフト又はデジタルシフトが選択された場合は、実施例3に示した処理を行う。また、シフト方法選択部905において「両方」が選択された場合は、実施例1又は2に示した処理を行う。
【0064】
このような操作部904を設けることにより、ユーザの好みや要求に応じた投射画像のシフト方法を選択することができる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0066】
例えば、上記各実施例では、画像形成素子として液晶パネルを用いる場合について説明したが、本発明では、デジタルマイクロミラーデバイス等の他の画像形成素子を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1である液晶プロジェクタの構成を示す図。
【図2】実施例1における液晶パネル上での画像形成領域(原画像)と画像非形成領域との関係を示す図。
【図3】実施例1での処理を示すフローチャート。
【図4】実施例1において投射画像がシフトする様子を示す図。
【図5】本発明の実施例2である液晶プロジェクタでの処理を示すフローチャート。
【図6】実施例2において投射画像がシフトする様子を示す図。
【図7】本発明の実施例3,4である液晶プロジェクタに設けられた操作部の構成を示す図。
【図8】実施例3の液晶プロジェクタでの処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0068】
101 液晶プロジェクタ
102 ランプ
103 液晶パネル
104 投射レンズ
105 レンズシフト駆動部
106 パネル駆動部
107 画像処理回路
108 制御部
109,901,904 操作部
110 映像信号入力部
114 被投射面
201 液晶パネルの有効範囲
202 画像非形成領域
203 画像形成領域(原画像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、
前記画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、
該投射光学系を前記画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、
前記画像形成素子上において前記原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、
前記被投射面上において前記投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、
該操作手段の操作に応じて、前記光学シフト手段と前記画像シフト手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記操作手段の操作により指示された前記投射画像のシフト方向において、
前記画像形成領域が前記第2のシフト範囲の端よりも中央側の位置にある状態で前記光学シフト手段に前記投射光学系をシフトさせ、
前記投射光学系が前記第1のシフト範囲の端にシフトした状態で前記画像シフト手段に前記画像形成領域をシフトさせることを特徴とする画像投射装置。
【請求項2】
原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、
前記画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、
該投射光学系を前記画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、
前記画像形成素子上において前記原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、
前記被投射面上において前記投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、
該操作手段の操作に応じて、前記光学シフト手段および前記画像シフト手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記操作手段の操作により指示された前記投射画像のシフト方向において、
前記投射光学系が前記第1のシフト範囲の端よりも中央側の位置にある状態で前記画像シフト手段に前記画像形成領域をシフトさせ、
前記画像形成領域が前記第2のシフト範囲の端に位置した状態で前記光学シフト手段に前記投射光学系をシフトさせることを特徴とする画像投射装置。
【請求項3】
原画像を形成し、光源からの光により照明される画像形成素子と、
前記画像形成素子からの光により形成される投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、
該投射光学系を前記画像形成素子に対して第1のシフト範囲でシフトさせる光学シフト手段と、
前記画像形成素子上において前記原画像が形成される画像形成領域を第2のシフト範囲でシフトさせる画像シフト手段と、
前記光学シフト手段および前記画像シフト手段のうち一方の使用を選択するとともに、前記被投射面上において前記投射画像をシフトさせるために操作される操作手段と、
該操作手段の操作に応じて、前記光学シフト手段および前記画像シフト手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記光学シフト手段の使用が選択された場合において、前記光学シフト手段によって前記投射光学系が前記第1のシフト範囲の端までシフトした状態で前記画像シフト手段に前記画像形成領域をシフトさせ、
前記画像シフト手段の使用が選択された場合において、前記画像シフト手段によって前記画像形成領域が前記第2のシフト範囲の端までシフトした状態で前記光学シフト手段に前記投射光学系をシフトさせることを特徴とする画像投射装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−27799(P2011−27799A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170644(P2009−170644)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】