説明

画像検査システム

【課題】画像検査システムにおける画像レイアウトを柔軟に変更する。
【解決手段】撮像部1によって製品を撮像して得た画像データを用いて、当該製品の良否を検査する検査制御/処理部4と、検査制御/処理部4によって検査される製品の画像データ又は製品の検査結果を含む画像を表示する表示部8と、表示部8の表示領域を分割し、当該分割領域のサイズ及び位置を調整して複数の画像を表示させる表示制御部6とを備え、検査制御/処理部4によって画像データの処理を行っている最中に、表示制御部6によって、分割領域のサイズ及び位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象となる製品を撮像した画像を表示する画像検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像処理装置において、画像処理中の中間的な変更倍率を、表示画像に反映させる表示画像変倍方法が、下記の特許文献1などで知られている。
【0003】
具体的には、この特許文献1には、画像を取り込んで、当該画像を表示した状態で、様々な画像処理を実行し、その画像処理結果を、表示した画像に反映させる画像処理装置である。この画像処理装置は、表示画像の表示と共に表示画像の倍率を変更するための作業ウィンドウを常時表示し、作業ウィンドウに設けられたユーザインターフェース機能の1回の操作で所望の倍率を設定し、かつ倍率設定と同時に表示画像の倍率を変更させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−331179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像検査システムは、製造ラインの製品を検査するという特殊性から、製造ラインの製品検査中の画面を固定的なデザインとしており、検査に関する情報を表示するか否かという切換ができる程度であった。
【0006】
また、製品を撮像した画像の表示サイズや表示位置の配置パターンが固定となっており、自由な画像サイズで表示を行うことができなかった。
【0007】
更に、多種のカメラで製品を撮像して検査を行いたい場合などには、画像の表示サイズが固定であるために、同一の拡大又は縮小率で複数台のカメラ画像を同時に表示するといったことができなかった。
【0008】
更にまた、製造ラインの製品検査を行いたいユーザの多岐に亘る要求に対して、それぞれの要求を満たすための画面を個別に組み込みソフトウェアとして対応しているために、手間がかかるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、画像検査システムにおける画像レイアウトを柔軟に変更することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、製品を撮像して得た画像データを用いて、当該製品の良否を検査する画像検査手段と、前記画像検査手段によって検査される製品の画像データ又は製品の検査結果を含む画像を表示する表示手段と、前記表示手段の表示領域を分割し、当該分割領域のサイズ及び位置を調整して複数の画像を表示させる表示制御手段とを備え、前記画像検査手段によって画像データの処理を行っている製品検査用プログラムの実行状態時に、前記分割領域のサイズ及び位置を調整する場合に、前記製品検査用プログラムに従って実行する製品検査タスクと、前記分割領域のサイズ及び位置を調整するタスクとを並列処理するマルチタスクOSによって前記表示制御手段を動作させることによって、前記画像検査手段によって画像データの処理を行っている最中に、前記表示制御手段によって、前記分割領域のサイズ及び位置を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像検査手段によって画像データの処理を行っている最中に、表示制御手段によって、分割領域のサイズ及び位置を調整して、画像検査システムにおける画像レイアウトを柔軟に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した画像検査システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した画像検査システムによって表示させる画像の一例である。
【図3】本発明を適用した画像検査システムによって表示させる他の画像の一例である。
【図4】本発明を適用した画像検査システムによって表示させる他の画像の一例である。
【図5】本発明を適用した画像検査システムによって表示させる他の画像の一例である。
【図6】本発明を適用した画像検査システムによって表示させる他の画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
本発明は、例えば図1に示すように構成された画像検査システムに適用される。この画像検査システムは、主として製造ラインにおいて部品等の品種の識別、異種部品の混入検査、組立作業や製品検査などの自動化のために、部品や製品等の対象物の外観検査に使用される。この画像検査システムは、画像処理の結果が対象物の面積、形状、位置などの測定・認識に用いられ、これにより、対象物の良品、不良品などを判定する。
【0015】
この画像検査システムは、撮像部1と、撮像制御部2と、画像メモリ3と、検査制御/処理部4と、検査用データ記憶部5と、表示制御部6(表示制御手段)と、出力制御部7と、表示部(表示手段)8と、ユーザに操作される操作入力部(入力手段)9と、表示部8に表示させる表示画像のレイアウトを決定するためのテンプレートを記憶したテンプレート記憶部10とを備える。
【0016】
この画像検査システムは、撮像制御部2、画像メモリ3、検査制御/処理部4、検査用データ記憶部5、表示制御部6、出力制御部7、テンプレート記憶部10がCPUや情報記憶装置及びメモリなどによって実現され、表示部8がディスプレイによって実現され、操作入力部9がキーボートやマウス等によって実現される。
【0017】
画像検査システムは、製品の良否検査をする場合に、製造ライン上の製品を撮像する撮像部1によって製品を撮像した画像データを作成する。この画像データは、検査制御/処理部4の制御に従って撮像制御部2によって取り込まれて、画像メモリ3に一時記憶され、検査制御/処理部4によって検査対象とされる。
【0018】
検査制御/処理部4は、画像メモリ3に記憶された画像データと、検査用データ記憶部5に記憶された検査用データとを用いて、製品の良否検査を行う。例えば、検査制御/処理部4は、画像メモリ3に記憶された画像データと、検査用データ記憶部5に予め記憶されていた良品の画像データとの比較を行って、製品の面積、形状、位置などを測定し、良品又は不良品であるという検査結果を作成する。この検査結果は、出力制御部7の制御に従って、表示制御部6を介して表示部8に表示される。
【0019】
このような画像検査システムは、検査制御/処理部4によって、製品を撮像して得た画像データを用いて当該製品の良否を検査し、検査制御/処理部4によって検査される製品の画像データ又は製品の検査結果を含む画像を表示部8によって表示する。この時、表示制御部6は、表示部8の表示領域を分割し、当該分割領域のサイズ及び位置を調整して複数の画像を表示させる。
【0020】
このような画像検査システムは、検査制御/処理部4によって画像データの処理を行っている最中に、表示制御部6によって、分割領域のサイズ及び位置を調整する。また、表示制御部6は、ユーザの操作入力部9に対する操作に基づいて、予め用意しておいた複数のテンプレートのうちの何れかを選択して、分割領域のサイズ及び位置を調整することもできる。
【0021】
例えば、画像検査システムは、検査制御/処理部4によって製品検査タスクを行っている製品検査用プログラムの実行状態時に、表示するテンプレートを変更する場合に、製品検査用プログラムに従って実行する製品検査タスクと、表示するテンプレートを変更するタスクとを並列処理するマルチタスクOSによって表示制御部6を動作させる。例えば、製品検査タスクによって製品検査結果を表示制御部6に出力して一時的に終了した時に、表示するテンプレートを変更するタスクを開始する。
【0022】
このような画像検査システムは、例えば図2に示すように、撮像部1によって撮像された製品の画像データから作成された撮像画像情報101と、画像詳細情報102とを含む表示画像100を表示させる。
【0023】
図2に示す表示画像100は、撮像部1によって検査されている製品の画像データを用いて作成された撮像画像情報101と、製品の品種情報103、表示画像100のレイアウト情報104、検査結果情報105とを含む画像詳細情報102とからなる。この表示画像100のレイアウト情報104は、操作入力部9によって指定されたものである。表示画像100は、表示制御部6がテンプレート記憶部10からレイアウト情報104で識別されるレイアウトデータを読み出して、検査制御/処理部4から取得した撮像画像情報101及び検査結果情報105を組みあわせる。また、画像詳細情報102の製品の品種情報103と、レイアウト情報104とは、操作入力部9によって入力されても良く、検査制御/処理部4から入力して、レイアウトに当てはめても良い。
【0024】
図3に示す表示画像100は、撮像画像情報101が4つの同サイズ分割領域101a,101b,101c,101dからなり、当該撮像画像情報101に隣接して、製品の品種情報103,レイアウト情報104,検査結果情報105を含む画像詳細情報102が配置されている。この表示画像100のレイアウト情報104は、操作入力部9によって指定されて、そのレイアウトデータをテンプレート記憶部10から表示制御部6に読み出させる。
【0025】
図4に示す表示画像100は、撮像画像情報101が4つの分割領域101a,101b,101c,101dからなり、当該撮像画像情報101に隣接して、製品の品種情報103,レイアウト情報104,検査結果情報105を含む画像詳細情報102が配置されている。表示画像100は、分割領域101a,101b,101c,101dのそれぞれに種類、拡大率が異なる撮像画像情報101を表示させることができる。分割領域101aのサイズのみが、当該分割領域101aの下端に隣接した他の分割領域101b,101c,101dよりも大きい。この表示画像100のレイアウト情報104は、操作入力部9によって指定されて、そのレイアウトデータをテンプレート記憶部10から表示制御部6に読み出させる。
【0026】
図5に示す表示画像100は、撮像画像情報101が4つの分割領域101a,101b,101c,101dからなり、当該撮像画像情報101に隣接して、製品の品種情報103,レイアウト情報104,検査結果情報105を含む画像詳細情報102が配置されている。この表示画像100は、分割領域101aのサイズのみが、当該分割領域101aの右端に隣接した他の分割領域101b,101c,101dよりも大きい。この表示画像100のレイアウト情報104は、操作入力部9によって指定されて、そのレイアウトデータをテンプレート記憶部10から表示制御部6に読み出させる。
【0027】
図6に示す表示画像100は、撮像画像情報101が2つの分割領域101a,101bからなり、当該分割領域101bが分割領域101aに対するウィンドウとなっている。また、この表示画像100は、分割領域101aの下部に、当該分割領域101aの詳細情報106を表示させている。この詳細情報106は、この表示画像100のレイアウト情報104は、操作入力部9によって指定されて、そのレイアウトデータをテンプレート記憶部10から表示制御部6に読み出させる。
【0028】
以上説明したように、この画像検査システムによれば、検査制御/処理部4によって画像データの処理を行っている最中に、表示制御部6によって、分割領域101a,101b,101c,101dのサイズ及び位置を調整することができる。したがって、例えば、撮像部1として、VGAサイズ、XGAサイズといった多種の撮像部1を混在して使用しても、画像の表示サイズを自由に調整することができるので、同一の拡大又は縮小率で複数台の撮像部1で撮像した画像を確認させることや、同一サイズでの表示を行うことができる。また、複数の画像を重ねて表示してもZオーダー切り換え(レイヤ切り換え)を行うこともできる。
【0029】
また、この画像検査システムにおいて、表示制御部6は、ユーザの操作入力部9に対する操作に基づいて、予め用意しておいた複数のテンプレートのうちの何れかを選択して、分割領域101a,101b,101c,101dのサイズ及び位置を調整することができる。
【0030】
更に、この画像検査システムによれば、画像の表示位置、表示サイズの変更の他に、文字サイズ、文字及びウィンドウ食の変更、ウィンドウ透過をするか否か、ウィンドウを個別に切り換える操作、透過率の変更、画面全体の配色パターンの変更、起動時のレイアウトの指定、レイアウトの名称設定、レイアウト変更時の画像確認、外部機器によるレイアウト変更なども実現できる。
【0031】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
1 撮像部
2 撮像制御部
3 画像メモリ
4 検査制御/処理部
5 検査用データ記憶部
6 表示制御部
7 出力制御部
8 表示部
9 操作入力部
10 テンプレート記憶部
100 表示画像
101a,101b,101c,101d 分割領域
102 画像詳細情報
103 品種情報
104 レイアウト情報
105 検査結果情報
106 詳細情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を撮像して得た画像データを用いて、当該製品の良否を検査する画像検査手段と、
前記画像検査手段によって検査される製品の画像データ又は製品の検査結果を含む画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示領域を分割し、当該分割領域のサイズ及び位置を調整して複数の画像を表示させる表示制御手段とを備え、
前記画像検査手段によって画像データの処理を行っている製品検査用プログラムの実行状態時に、前記分割領域のサイズ及び位置を調整する場合に、前記製品検査用プログラムに従って実行する製品検査タスクと、前記分割領域のサイズ及び位置を調整するタスクとを並列処理するマルチタスクOSによって前記表示制御手段を動作させることによって、前記画像検査手段によって画像データの処理を行っている最中に、前記表示制御手段によって、前記分割領域のサイズ及び位置を調整することを特徴とする画像検査システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、ユーザの入力手段に対する操作に基づいて、予め用意しておいた複数のテンプレートのうちの何れかを選択して、前記分割領域のサイズ及び位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−74045(P2012−74045A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229576(P2011−229576)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2007−279453(P2007−279453)の分割
【原出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】