説明

画像管理装置、その制御方法及びプログラム

【課題】写真等の画像の公開レベル設定を、利用者に手間をかけさせずに適切に行う。
【解決手段】画像を入力する画像入力手段10100と、入力された画像から人物を検出する人物検出手段10200と、人物検出手段10200による人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定手段10300と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像管理装置、その制御方法及びプログラムに関し、特に、画像の公開レベルの設定を適切に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、限定するものではないが、写真公開サービスに適用すると効果的な技術である。写真公開サービスにおいては、保有する画像を効果的に利用するための属性情報生成に関する技術が求められており、より具体的には、保有する画像の公開レベルを適切に判定する方法や装置等を提供することが課題となっている。
【0003】
個人ならびに企業の保有する情報をインターネット上に蓄積し、複数の利用者により共有・利用するサービスはニュース・ウェブログ・ソーシャルネットワークサービスなど数多く提案され、実際に運用されている。このような環境下、写真に関しても、個人の撮影した写真をネットワークストレージ上に蓄積し、友人・知人・グループなどで共有したり、不特定多数の利用者に公開したりするアルバムサービスが多数提案され、運用されている。
特許文献1は、利用者が写真を共有し、交換するためのリポジトリサービスに関する技術を開示する。
【0004】
個人の情報をネットワークストレージに蓄積し他者との共有を行う場合、蓄積または保存する際に、該情報の公開レベルを設定することが通常よく行われる。写真をネットワークストレージに蓄積して共有する際も同様である。利用者は、写真画像を蓄積する際におのおのの写真に対して公開レベルを設定し、設定した公開レベルに応じて写真画像を運用する。特許文献2は、ホームページ上で公開される映像や情報の編集権限レベル及び公開レベルを個人・企業・家族との関連性をツリー図に基づき指定する方法に関する技術を開示する。
また、非公開の情報に関してパスワードで管理するという手法も行われる。特許文献3は、個人的な情報については秘密を保持しながら許可されたものは自由に閲覧できる画像データ供給に関する技術を開示する。
【特許文献1】特開2005−129056号公報
【特許文献2】特開2003−203092号公報
【特許文献3】特開2002−142051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記で提案されているシステムでは、共有すべき写真画像のネットワーク上に蓄積・登録する際に利用者が手動で公開レベルを指定する。しかしながら、公開レベルを手動にて設定する方式では、利用者は登録の際に、公開レベルの設定というわずらわしい処理を行う必要がある。カメラ等の撮影機器により撮影した画像を直ちにネットワークストレージに蓄積するような場合、利用者は写真撮影のたびに、公開レベル設定という作業を行わなければならず、その手間は膨大である。
【0006】
あらかじめ撮影した写真に対するデフォルトの公開レベル情報を設定しておき、設定した公開レベルを自動的に付与することも考えられる。しかしながら、この場合、写真に対する利用者の意図する公開レベルが、事前に設定した公開レベルと同一の場合は、公開レベル設定というわずらわしい処理を行う必要がなくなっても、異なる場合にはやはり手動にて指定する必要がある。また、このような方式を行った場合、画像の登録時に設定変更を忘れてしまい、利用者の望まない公開レベルで登録されてしまうということもある。
【0007】
本発明は、上記実情を鑑みて、写真等の画像の公開レベル設定を、利用者に手間をかけさせずに適切に行うための画像管理装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、次のような構成を備える。
【0009】
本発明に係る画像管理装置は、入力された画像から人物を検出する人物検出手段と、前記人物検出手段による人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像管理装置の制御方法は、入力された画像から人物を検出する人物検出ステップと、前記人物検出ステップによる人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像管理プログラムは、コンピュータに、入力された画像から人物を検出する人物検出ステップと、前記人物検出ステップによる人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、写真等の画像の公開レベル設定を、利用者に手間をかけさせずに適切に行うための画像管理装置、その制御方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
以下に説明する本実施形態のシステムは、画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像を解析し、画像中に含まれる人物を検出する人物検出手段と、人物検出結果に基づき公開レベルを判定する公開レベル判定手段と、を備え、入力画像中の写っている人物の検出結果に基づき該画像の公開レベルを判定する。このような構成をとることにより、利用者は写真撮影後に、手動にて公開レベルを設定することなく公開レベルを付与することが可能になり、人の情報を保持しつつ、画像の共有あるいは利用を行うための画像の公開レベルを利用者の負荷の少ないかたちで判定するという課題を達成することができる。
【0014】
また、このような構成をとることにより、写真をネットワーク上に蓄積して利用するサービスにおいて、利用者の負荷を軽減したサービスの提供が可能になる。また、公開レベルの設定を忘れることにより、利用者の意図に沿わない公開レベルにて画像が公開されてしまうという事態を回避したサービスの提供が可能になる。これにより、前記サービスでの写真の蓄積・利用をより活性化できるという効果がある。
【0015】
(第1の実施形態)
本発明を実施するための第一の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると本発明の第一の最良の形態は、画像入力手段10100と、人物検出手段10200と、公開レベル決定手段10300と、画像記録手段10400と、蓄積手段10500と、判定基準記憶手段10600とを備える。次に、本実施形態が備える各手段が有する機能について説明する。
【0016】
画像入力手段10100は、写真画像の入力を行う機能を有する。人物検出手段10200は、画像入力手段10100から入力された写真画像をうけとり、前記写真画像中に写っている人物を検出する機能を有する。公開レベル決定手段10300は、人物検出手段10200から人物検出結果をうけとり、公開レベルを決定する機能を有する。画像記録手段10400は、画像入力手段10100から画像をうけとり、公開レベル決定手段10300から公開レベルをうけとり、蓄積手段10500に記録する機能を有する。蓄積手段10500は、画像を蓄積する機能を有する。
【0017】
画像入力手段10100は、一例として、あらかじめ定められたルールにて動作するプログラムを搭載したCPUである。この場合、例えばハードディスクやメモリのような外部記憶媒体に蓄積されている画像ファイルを読み出す機能を備えている。また、画像入力手段は、カメラはビデオカメラの撮像部のように、外界状態CCDセンサ群のようなものであってもよい。
【0018】
人物検出手段10200は、一例として、あらかじめ定められたルールにて動作するプログラムを搭載したCPUである。画像情報から特徴量を抽出し、あらかじめ辞書情報として用意した人物存在時に検出される特徴量のパタンを観測したか否かで人物検出を行うように動作してもよい。人物検出として、人物そのものを検出するのではなく、顔・上半身・後姿などの人物に固有の特定部分を検出し、検出結果をもって人物の検出とするように動作してもよい。人物検出は、顔部分の大きさがあらかじめ定めておいた所定の大きさを超えるものだけを対象としてもよい。この場合、処理の効率化が実現する。CPUは専用のCPUであっても、他の構成要素と共通のCPUであってもかまわない。
【0019】
公開レベル決定手段10300は、一例として、あらかじめ定められたルールにて動作するプログラムを搭載したCPUである。あらかじめ設定された、人物検出結果と公開レベルとの対応関係である判定基準を判定基準記憶手段10600に蓄積しておき、検出結果が入力されたときに、蓄積されている判定基準に基づき対応する公開レベルを選択する。入力として、人物検出手段のみであってもよいし、利用者の履歴、時間、他の画像特徴量や判定結果のパタンなど、複数の入力をもとに判定するような構成をとってもよい。CPUは専用のCPUであっても、他の構成要素と共通のCPUであってもかまわない。
【0020】
画像記録手段10400は、一例として、あらかじめ定められたルールにて動作するプログラムを搭載したCPUである。判定された公開レベルを関連づけさせて、画像入力手段10100により入力された画像を蓄積手段10500に記録する。画像をネットワークに接続された共有ストレージに蓄積する場合、通信手段を備え、入力画像をネットワーク上の離れた位置にあるストレージに蓄積するように動作してもよい。また、ネットワーク上の離れた位置に安全に画像を記録するために暗号化や認証などのセキュリティ機能をさらに備えていてもよい。CPUは専用のCPUであっても、他の構成要素と共通のCPUであってもかまわない。
【0021】
蓄積手段10500は、一例として、ハードディスク・フラッシュメモリなどの記憶装置があり、専用の蓄積装置であっても、他の蓄積装置との兼用であってもかまわない。入力画像をファイルのようなか形で保存してもよいし、登録者・登録時間・サイズ・公開レベルなどを記載したデータベースの形で蓄積してもよい。また、公開レベルに応じて画像を蓄積するような携帯端末になっていてもよい。
【0022】
判定基準記憶手段10600は、人物検出結果と公開レベルとの対応関係を「判定基準」として記憶・蓄積する機能を有する。なお、判定基準記憶手段10600は、ハードディスクやフラッシュメモリ等のハードウェアを利用して、ソフトウェアプログラムによって実現させる機能的な手段である。
【0023】
図2は、写真画像をネットワーク上に蓄積して利用するシステムの構築例としてのハードウェア構成の例を示した図である。
【0024】
通信ネットワーク20100に写真共有サーバ20200と複数の写真登録端末20310,20320,・・・203N0と複数の写真閲覧端末20410,20420,・・・204M0が接続されている。通信ネットワーク20100の一例としてはインターネットがあるが、企業内LANやプライベートなネットワークであってもよい。
【0025】
写真共有サーバ20200は、通信部20210と写真共有・公開用制御CPU20220と大容量のストレージであるデータ蓄積部20230を有するコンピュータにより実現される。写真共有・公開用制御CPU20220は、写真の共有や公開のためのデータのやり取りやファイルの管理などを行う。データ蓄積部20230は、共有・公開をする写真画像と、これら写真画像毎に関連づけされたメタ情報を蓄積する。ここで、写真画像のメタ情報は、写真画像の公開レベルを示す情報を含むものとする。
【0026】
写真登録端末20310は、カメラ等の写真撮影手段21314と各種データ処理をつかさどるCPU20315とキーボード、ボタンなどの撮影や登録などの指示を行う指示入力手段200313と利用者の指示や写真画像の確認を行うモニタ20312とネットワークとの通信を行う通信部20311と写真画像や当該写真画像のメタ情報などのデータや各種プログラムを蓄積するデータ蓄積部20316を備えた端末で、カメラ付携帯電話、カメラ機能付コンピュータ、通信機能ならびにCPU内蔵のディジタルカメラ、などがこれに当たる。図2では、写真登録端末をひとつのモジュールとして記載したが、ディジタルカメラとコンピュータ、ビデオカメラと専用通信専用端末など、複数のハードウェアの組み合わせにより実現されていてもよい。その場合、一方のハードウェアには、撮影機器がない、あるいはモニタがないなどの構成になっていてもよい。また、通信部は複数の写真登録用端末を束ねる通信部とネットワークで写真共有サーバとコミュニケーションを行う通信部など複数の通信機器が階層構造で設置されたものであってもよい。
【0027】
写真閲覧端末20410は、各種データ処理をつかさどる制御CPU20414とキーボード、ボタンなどの写真の閲覧に際して支持を行う指示入力手段20412と利用者の指示の確認や写真画像の表示を行うも似た20413とネットワークとの通信を行う通信部20411と写真などのデータや各種プログラムを蓄積するデータ蓄積部を備えた端末で、パーソナルコンピュータ、カメラ付携帯電話、通信機能ならびにCPU内臓のディジタルカメラ、カーナビゲーション端末などこれにあたる。写真登録端末20310と同様こちらも一台の端末ですべての機能が実現されている必要はなく、サーバとシンクライアント、携帯電話とホームサーバの連携など複数の端末で実現されていてもよい。
【0028】
なお、写真閲覧端末と写真登録端末は同一の端末で、利用者の指示に応じて、写真登録にも利用できまた、写真の閲覧もできるという形態であってもよい。
【0029】
図2のようなハードウェア構成をとった場合、図1の画像入力手段10100は、例えば、撮像部20314と制御CPU20315ならびに指示入力手段20313の連携で実現される。カメラ等の撮像機器とリンクしていない場合、制御CPU20315が指示入力手段20313の経由の指示に従い、データ蓄積部20316からあらかじめ蓄積しておいた画像を読み出して入力するという形をとってもよい。通信に際しては、ケーブルにより情報をやり取りする有線通信や、無線信号によって情報をやりとりする無線通信のいずれかまたは連携であってもよい。
【0030】
同様に、人物検出手段10200ならびに公開レベル決定手段10300は、動作を記述したプログラムを保存するデータ蓄積部20316と制御CPU20315上で実現される。画像記録手段10400は、写真登録端末20310側の制御CPU20315、データ蓄積部20316、通信部20311と通信ネットワーク20100、写真共有サーバ20200上の通信部20210、写真共有・公開用制御CPU20220、制御用プログラムを蓄積するデータ蓄積部20230の組み合わせにより実装することができる。蓄積手段は、写真共有サーバのデータ蓄積部20230上に実装できる。また、人物検出手段10200、公開レベル決定手段10300を写真共有サーバ20200上に実装するような形態をとってもよい。この場合写真入力手段は、写真登録端末20310の通信部20311、写真共有サーバ20200の通信部20210を含む形で構成され、写真記録手段10400は、写真共有サーバ側のCPU20220とデータ蓄積部20230により実装可能である。
【0031】
次に、図1および図3のフローチャートを参照して本実施形態の全体の動作例について説明する。
【0032】
画像入力手段10100は写真画像を入力する(S1001)。ディジタルカメラやカメラ付携帯電話等に搭載されている撮像デバイスからの出力をキャプチャして入力する。または、ハードディスクやメモリなどに蓄積された画像の中から、利用者が指定した画像に関して、読み出して入力するということでもよい。
【0033】
人物検出手段10200は、入力された写真画像を解析し、写真画像に写っている人物の検出を行う(S1002)。
【0034】
本実施形態における、画像処理技術によって画面内に人物が入っていることを検出する技術は、当業者によく知られているいくつかの検出方法を用いることができる。例えば、検出された肌色領域の縦横比と、目および唇領域の判定に基づき、顔領域を検出し、人物を検出する検出方法を用いることができる。人物検出手段10200は、人物検出の有無だけでなく、必要に応じて、検出された人物の数や検出した人物の大きさや位置情報を合わせて出力するように動作してもよい。
【0035】
公開レベル決定手段10300は、写真画像に写っている人物の検出結果と、判定基準記憶手段10600に記憶された判定基準に基づいて、該写真の公開レベルを決定する(S1003)。
【0036】
画像記録手段10400は、前記決定した公開レベルに基づき、蓄積手段10500に画像を蓄積する(S0004)。
【0037】
次に、図3のステップS1003における公開レベル決定のための処理について以下に詳述する。
【0038】
図4は公開レベル決定のための判定基準の実施形態(その1)を示す処理フロー図である。図4では、人物検出を行った結果、人物が検出された場合は非公開(ステップS1103)、検出されなかった場合は公開(ステップS1104)としている。この結果夕陽などの風景写真や、花のアップなどが撮影されたときは、公開レベル決定手段10300は写真を公開とし、ポートレートや集合写真が入力されたときは、入力写真を非公開とする。本実施形態によれば、プライバシーが厳重に保護された画像蓄積・公開のためのシステムを提供することができる。
【0039】
図5は公開レベル決定のための判定基準の実施形態(その2)を示す処理フロー図である。図5では、検出された人物の数に応じて公開レベルを決定している(ステップS1202)。人物検出を行われた結果、検出された人物数が10人より多い(一般に集合写真が多い)場合写真を公開し(ステップS1203)、10人以下の場合、写真を非公開(ステップS1204)としている。本実施形態によれば、集合写真等の、公開を前提として撮影されたような写真であっても、ユーザに公開基準を設定する手間をかけさせずに、適切な公開レベルを決定することができる。
【0040】
図6は公開レベル決定のための判定基準の実施形態(その3)を示す処理フロー図である。図6では、検出された人物の写真画像上での大きさ(ピクセル数)をあらかじめ定めておき、人物が検出されて(ステップS1302、Yes)、かつ、前記あらかじめ定めた特定サイズより大きく写っている場合(ステップS1303、Yes)に非公開(ステップS1304)、それ以外の場合に公開する(ステップS1305)。本実施形態によれば、自分の顔等が小さく写っていて解像度が低い場合であれば公開を許容するようなユーザに対して、ユーザに面倒な公開基準を設定する手間をかけさせずに、適切な公開レベルを決定することができる。
【0041】
公開レベル決定手段10300が決定する判定基準は、図4、図5、図6に示すように、人物検出の有無を基本とするが、これと、大きさや検出人数の多少など他の項目と組み合わせてもよい。また、検出人物に関して、認識を行い、特定人物が含まれている場合(自分の子供など)や、特定カテゴリ(女性など)が含まれている場合のみ非公開とするといったようにきめてもよい。
【0042】
図2の説明の際に説明したが、公開レベル決定手段10300と蓄積手段10500の物理的な位置関係により、画像記録手段10400は蓄積の際に、必要に応じてネットワークの接続や認証などの操作を行う。
【0043】
以上のような構成をとることにより、利用者が手動にて指定することなく、写真中に写っている人物の検出により、該画像の公開レベルを設定することができる。
【0044】
また、本実施形態において、判定基準が一人一人の利用者を識別するための利用者識別子に関連づけられて、(利用者毎に)判定基準記憶手段10600に記憶されており、画像入力手段10100は、写真画像を入力する際に利用者識別子も入力し、公開レベル決定手段10300は、入力された写真画像とともに入力された利用者識別子の判定基準を判定基準記憶手段10600から読み込み、読み込んだ判定基準と人物の検出結果と、に基づいて公開レベルの決定を行ってもよい。
【0045】
(第2の実施形態)
次に本発明を実施するための第二の最良の形態について、図面を参照にて説明する。
図7を参照すると本発明の第二の最良の形態は、写真画像の入力を行う画像入力手段30100と、前記画像入力手段から入力された写真画像を受け取り、前記写真画像中に写っている人物を検出する人物検出手段30200と、前記人物検出手段から人物検出結果を受け取り、公開レベルを決定する公開レベル決定手段30300と、前記画像入力手段から画像をうけとり、前記公開レベル決定手段から公開レベルを受け取り、蓄積手段30500に記録する画像記録手段30400と、画像を蓄積する蓄積手段30500と、公開レベルの判定基準(以下、単に「判定基準」という)のパタンを記憶する判定基準パタン記憶手段30600と、写真画像の公開レベル決定の際に使用する判定基準を利用者が指定するための判定基準指定手段30700と、前記判定基準指定手段により選択された判定基準を記憶する判定基準記憶手段30800と、を有する構成である。
【0046】
画像入力手段30100、人物検出手段30200、公開レベル決定手段30300、画像記録手段30400と蓄積手段20500は、第一の最良の形態の図1で記載した、画像入力手段10100、人物検出手段10200、公開レベル決定手段10300、画像記録手段10400と蓄積手段10500と同一の構成をといってもよいため、説明を省略する。
【0047】
判定基準のパタンを記憶する判定基準記憶手段30600は一例として、ハードディスク・フラッシュメモリなどの記憶装置がある。専用の蓄積装置であっても、他の蓄積装置との兼用であってもかまわない。蓄積に際しては、ルールを記載したファイルの形式であってもよいし、おのおののパタンにおいて公開レベルを設定した表形式のものであってもよい。判定基準は、利用者各々を識別するための利用者識別子に関連づけられて、利用者毎に記憶されている。
【0048】
公開レベル決定に向けて利用者が判定基準を指定する判定基準指定手段30700は一例として、キーボード、マウスなどの指示装置である。必要に応じて利用者が指定を内容確認するためのモニタや、指定を容易に行うための制御をつかさどるCPUをあわせて持ってもよい。専用の装置であってもよいが、他の入力デバイスやCPU,表示装置と共有されてもよい。
【0049】
本実施形態においては、判定基準指定手段30700による判定基準の指定を、利用者識別子の入力とともに変更指示を行う。判定基準記憶手段30800は、判定基準指定手段30700により利用者識別子の入力を伴う判定基準の指定・変更を受けた場合、入力された利用者識別子に関連づけられている判定基準を指定・変更する。
【0050】
前記判定基準指定手段30700に指定された判定基準を記憶する判定基準記憶手段30800の一例は、ハードディスク・フラッシュメモリなどの記憶装置がある。専用の蓄積装置であっても、他の蓄積装置との兼用であってもかまわない。
【0051】
図8は、本発明の第二の実施の形態の処理フローを示したフローチャートである。
本実施形態は、利用者が判定基準の設定をこれまでのものと変更したい場合に判定基準指定手段30700を用いて本実施形態への指示を検知した結果(S2001)、次に、利用者による判定基準パタン記憶手段30600から採用する判定基準の選択を検知した場合(S2002)、判定基準記憶手段30800に記憶する(S2003)。なお、ステップS2003において、利用者の指定したい判定基準が判定基準パタン記憶手段30600にない場合や新たに作成してない場合には、新たに作成して登録してもよい。
【0052】
設定変更を行わない場合には、利用者は設定に関しては何も行わない。蓄積手段30500に登録すべき画像がある場合には(S2004、Yes)、画像入力手段30100は、画像入力を行い(S2005)、人物検出手段30200は人物検出を行い(S2006)、公開レベル決定手段30300は、前記人物検出手段30200の検出した人物検出結果と、ステップS2003にて設定した、判定基準を用いて公開レベルを決定し(S2007)、画像記録手段30400は蓄積手段30500に入力画像と公開レベルを蓄積する(S2008)。
【0053】
図9は、判定基準パタン記憶手段が記憶する判定基準のパタンの一例である。
判定基準パタンとして、人物が検出されたときに非公開人物が検出されないときには公開(パタン3)に加えて、人物が特定のサイズ以上の大きさで検出されたときに非公開とする(パタン5)、人物が特定の数以上検出されたときに非公開とする(パタン6)、人物が検出されたときに公開とし、人物が検出されなかったときに非公開とする(パタン4)から選択を行う。また、人物検出結果にかかわらず公開とする(パタン1)と人物の検出結果にかかわらず非公開とする(パタン2)をリストに含んであってもよい。
【0054】
また、公開レベルとして、図9には、公開、非公開の2レベルが記されているが、公開、非公開に加えて、あらかじめ定めた人物にのみ公開の3レベルを設定してもよい。あらかじめ定めた人物とは、例えば、家族や友人、知人などである。さらに、友人、知人などを異なるカテゴリとして、きめ細かく設定できるようにしてあってもよい。例えば、人物が大きく検出された画像は、本人、家族、友人に公開するが、人物が小さく検出された画像は、本人、家族のみに公開するといった設定が考えられる。実際のハードウェア構成としては、図2に記載の構成にて実現可能であるのでここでは説明を省略する。
【0055】
人物検出手段30200の行う、人物検出の例として、顔検出に基づく方法、人物検出に基づく方法といった直接的な方法に加えて、風景を検出する方法、花のアップを検出する方法を通してこのようなものは人物を含まないとする非直接的(ないことをしめす)方法を用いてもよい。
【0056】
画像記録手段30400の行う、公開レベルの記憶方法としては、写真の属性として写真ごとに公開レベルを属性として記録する。しかしながら、実装の段階としては、同一の公開レベルのものをまとめて画像として位置も付けてまとめて管理できるような形で記録してもよい。
【0057】
公開レベルに際しては、自動的に設定した公開レベルは、誤りを含む可能性を持つので、ネットワークを通したブラウザ上で、公開レベルの変更や再登録といった機能を有していてもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、判定基準を利用者毎に蓄積し、利用者毎に公開レベルを決定することが好ましい。この場合、判定基準は、各利用者があらかじめ設定するよう構成するとよい。判定基準を利用者毎に蓄積等することによって、ある人というキーに対してその人が写っている写真という複数の写真を対象として判定を自動的に行う、1対多の公開レベル決定が可能になる。したがって、人単位でのポリシー設定が可能なシステムを提供することができる。
【0059】
なお、1枚の写真に複数の人物が撮影されており、それぞれの人物の公開レベルの判定基準が異なるような場合には、最も判定基準が厳しい人物に、写真の公開レベルを合わせるようにするとよい。
【0060】
以下、上記実施形態から得られる効果についてさらに説明する。
上記実施形態によれば、ネットワークストレージなどに記録する写真の公開レベルを自動的に判定することができる。これにより、利用者は、写真の公開レベル設定というわずらわしい処理を行うことなく写真の公開レベルを設定することができる。
【0061】
上記実施形態は、インターネット上に写真を蓄積し、利用するという写真蓄積・利用サービスにて適用可能である。このほか、グループ・企業・組織といった個別の写真蓄積・利用サービスにも適用できる。さらに、写真のみならず、動画を含むマルチメディア情報の蓄積・共有利用のためのサービスにも適用できる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による第1の実施形態を写真の蓄積・利用サービスとして構成した場合の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の処理フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明による第1の実施形態に係る公開レベル決定の第一の方法のフローを示した図である
【図5】本発明による第1の実施形態に係る公開レベル決定の第二の方法のフローを示した図である。
【図6】本発明による第1の実施形態に係る公開レベル決定の第三の方法のフローを示した図である
【図7】本発明による第2の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明による第2の実施形態の処理フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明による第2の実施形態に係る判定基準のパタンを説明するための図である。
【符号の説明】
【0064】
10100 画像入力手段
10200 人物検出手段
10300 公開レベル決定手段
10400 画像記録手段
10500 画像蓄積手段
20100 通信ネットワーク
20200 写真共有サーバ
20210 通信部
20220 写真共有・公開用制御CPU
20230 データ蓄積部
20310 写真登録端末1
20311 通信部
20312 モニタ
20313 指示入力手段
20314 撮像部
20315 制御CPU
20316 データ蓄積部
20320 写真登録端末2
203N0 写真登録端末N
20410 写真閲覧端末1
20411 通信部
20412 指示入力手段
20413 モニタ
20414 制御CPU
20415 データ蓄積部
20420 写真閲覧端末2
204M0 写真閲覧端末M
30100 画像入力手段
30200 人物検出手段
30300 公開レベル決定手段
30400 画像記録手段
30500 蓄積手段
30600 判定基準パタン記憶手段
30700 判定基準指定手段
30800 判定基準記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像から人物を検出する人物検出手段と、
前記人物検出手段による人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定手段と、
を有することを特徴とする画像管理装置。
【請求項2】
前記公開レベル決定手段は、前記人物検出結果にて人物を検出した場合、検出した人物それぞれに設定された公開レベルの判定基準に基づいて前記画像の公開レベルを決定することを特徴とする、請求項1記載の画像管理装置。
【請求項3】
人物検出結果と公開レベルを対応付ける判定基準記憶手段を有し、
前記公開レベル決定手段は、前記判定基準記憶手段に記憶された前記公開レベルの判定基準に基づいて公開レベルを決定することを特徴とする、請求項1又は2記載の画像管理装置。
【請求項4】
前記判定基準記憶手段は、記憶する前記判定基準を、利用者毎に利用者の指示により変更・修正可能であることを特徴とする、請求項3記載の画像管理装置。
【請求項5】
前記判定基準記憶手段では、人物の検出結果と公開レベルの対応関係を複数記憶しておき、利用者の指示により前記対応関係の一つを選択することにより、判定基準とすることを特徴とする、請求項4に記載の画像管理装置。
【請求項6】
前記判定基準記憶手段は、検出した人物の大きさに基づいて公開レベルを決定する旨の判定基準を記憶することを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載の画像管理装置。
【請求項7】
前記判定基準記憶手段は、検出した人物の人数に基づいて公開レベルを決定する旨の判定基準を記憶することを特徴とする、請求項3から6のいずれか1項記載の画像管理装置。
【請求項8】
前記判定基準記憶手段は、検出した人物のうちあらかじめ設定した大きさ以上の人物の数に基づいて公開レベルを決定する旨の判定基準を記憶することを特徴とする、請求項3から7のいずれか1項に記載の画像管理装置。
【請求項9】
前記人物検出手段による人物の検出は、画像中に含まれる顔を検出することにより行うことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項記載の画像管理装置。
【請求項10】
前記公開レベル決定手段は、前記人物検出手段による人物の検出の結果に基づいて、特定人物が含まれているか否か、検出人物に関して認識を行い、当該認識結果に基づいて公開レベルを決定することを特徴とする、請求項9記載の画像管理装置。
【請求項11】
入力された画像から人物を検出する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップによる人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定ステップと、
を含むことを特徴とする画像管理装置の制御方法。
【請求項12】
前記公開レベル決定ステップは、前記人物検出結果にて人物を検出した場合、検出した人物それぞれに設定された公開レベルの判定基準に基づいて前記画像の公開レベルを決定することを特徴とする、請求項11記載の画像管理装置の制御方法。
【請求項13】
人物検出結果と公開レベルを対応付ける判定基準記憶ステップを含み、
前記公開レベル決定ステップは、前記判定基準記憶ステップで記憶された前記公開レベルの判定基準に基づいて公開レベルを決定することを特徴とする、請求項11又は12記載の画像管理装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータに、
入力された画像から人物を検出する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップによる人物検出結果に基づいて前記画像の公開レベルを決定する公開レベル決定ステップと、
を実行させることを特徴とする画像管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−122733(P2010−122733A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293409(P2008−293409)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(306029774)NECビッグローブ株式会社 (115)
【Fターム(参考)】