説明

画像編集装置

【課題】画像編集に係るユーザインタフェイス(UI)部品の操作性及び視認性を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】画像編集装置は、表示装置と、画像データを記憶する記憶手段と、画像データのプレビュー画像を表示画面上に表示するプレビュー表示手段とを含む。プレビュー表示手段はプレビュー画像をスクロールするためのUI部品であるスクロールバーを画面上に表示する。画像がスクロールされると、スクロールバーは拡大スクロールバー468に変化し、ページ移動ボタン464及び466、並びにページ番号470、472、及び474が追加表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像編集装置に関し、特に、画像編集に係るユーザインタフェース部品の視認性及び操作性を高める画像編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの事業所(会社、事務所等)において、画像編集装置の1種である複合機が導入されている。複合機はコピーモード、ファクシミリモード、ネットワーク対応のプリンタモード、及びスキャナモードのように、複数の基本的な動作モードを備える。こうした複合機ではタッチパネルディスプレイを備えていることが多く、ユーザはディスプレイ上で、画像データの確認及び編集を行なうことができる。ユーザは表示画面を見ながらタッチパネルを操作できる。複合機は他にも、画像データの蓄積及びプレビュー表示など、種々の機能を備えている。これらに関する指示も、ユーザは操作パネルを通じて行なうことが多い。そのため、画像編集装置のインターフェイス画面が果たす役割は、ますます重要なものとなっている。
【0003】
このような画像編集装置においては、画像データの確認及び編集操作を同一のディスプレイ上で行なうことが多い。そのためこうしたインターフェイス画面においては表示項目を可能な限り少なくし、ユーザが見やすい画面にする必要がある。ユーザはディスプレイに直接タッチして編集操作を行なうため、表示されるユーザインタフェース(UI)部品は操作性が高いことが望ましい。
【0004】
こうした視認性及び操作性について、後掲の特許文献1では、機能ボタンのタッチに応じて、複数のボタン群を拡大表示する技術を開示している。この技術では、ユーザがタッチしたボタンに関連するボタン群が、タッチに応じて拡大され、それ以外のボタン群は視認可能な程度の小さなサイズで表示される。そのためユーザは拡大表示されたボタンを確認及び操作しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−72489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示される技術では、ボタン群の拡大表示がなされると、当該箇所以外の部分は画面上では小さなサイズでしか表示されない。そのため、拡大表示されたボタン以外のボタンを操作する必要が生じたときに、操作性が下がる恐れがある。さらに、一般的にボタン群を操作した後、続けて同種のボタンを操作することはむしろ稀であるという問題がある。つまり、従来技術はその利点を十分に利用していない。
【0007】
それゆえに、本発明の目的は、画像編集に係るUI部品の表示態様の変化を十分に活かし、UI部品の視認性及び操作性を高めることができる画像編集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像編集装置は、表示画面を有する表示装置と、画像データを記憶するための記憶手段と、記憶手段により記憶された画像データのプレビュー画像を表示画面上に表示するためのプレビュー表示手段とを含む。プレビュー表示手段は、画像データのプレビュー画像の全体が表示画面上に表示できないときには、表示画面上に表示されるプレビュー画像をスクロールするためにユーザが操作可能なユーザインタフェース(UI)部品を表示画面上の第1の領域を占めるように表示する。さらに、画像編集装置は、UI部品が操作されたことに応答して、表示画面上に表示される画像データをスクロールするよう、プレビュー表示手段を制御するためのスクロール手段と、UI部品が操作されたことに応答して、表示画面上に表示されるUI部品の第1の表示態様を、表示画面中の第1の領域より大きな第2の領域を占める第2の表示態様に変更するための表示態様変更手段とを含む。
【0009】
プレビュー画像をスクロールすると、UI部品の表示態様は、第1の表示態様より大きな第2の表示態様に変化する。ユーザはスクロールのために操作するUI部品を明確に視認できる。操作するUI部品が大きな領域を占める様に表示されるので、ユーザはこのUI部品を操作しやすくなる。
【0010】
好ましくは、第2の領域は第1の領域を包含する。
【0011】
UI部品はその態様が第1の表示態様から第2の表示態様に変化しても、表示される箇所は変化しない。同一箇所で表示態様が変化するため、ユーザはその変化を確認しやすく、目線及び操作位置を変更する必要がない。
【0012】
好ましくは、画像編集装置は、所定時間以上UI部品に対する操作が行なわれないことに応答して、UI部品の表示態様を、第1の表示態様へ復帰させる表示態様復帰手段をさらに含む。
【0013】
所定時間以上画像をスクロールする操作が行なわれなければ、UI部品は第1の表示態様に復帰する。スクロール操作以外の操作を行なう場合には当該UI部品の表示態様は第1の表示態様であり、比較的小さな第1の領域に表示される。スクロールに係るUI部品以外の表示を大きくすることができ、画面の視認性を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、UI部品は、第1の表示態様では第1の表示領域に所定の大きさで表示されるスクロールバーを含み、第2の表示態様では、第2の表示領域に所定の大きさよりも大きく表示されるスクロールバーを含む。
【0015】
画像データを操作するためのUI部品として、スクロールバーが表示される。スクロールバーの第1の表示態様は第2の表示態様より大きく、ユーザはスクロールバーの操作を容易に行なえる。
【0016】
さらに好ましくは、UI部品は、第2の表示態様では当該スクロールバーに加え、当該スクロールバーに近接して第2の表示領域内に表示されるプレビュー画像を所定のページへジャンプさせるためのボタンを含む。
【0017】
第2の表示態様では、拡大したスクロールバー付近にプレビュー画像を移動させるボタンが表示される。このボタンを操作することで、プレビュー画像のスクロールをより素早く行なうことができる。
【0018】
好ましくは、UI部品は、第1の表示態様では第1の表示領域に所定の大きさで表示されるスクロールバーを含み、第2の表示態様では、当該スクロールバーに加え、当該スクロールバーに近接して第2の表示領域内に表示される、プレビュー画像を所定のページへジャンプさせるためのボタンを含む。
【0019】
第2の表示態様では、スクロールバーと共に、プレビュー画像を所定ページへジャンプさせるボタンも表示される。ユーザはスクロールバー又はボタンのどちらを操作してもプレビュー画像をスクロールできる。
【0020】
さらに好ましくは、ボタンは、画像データの先頭ページにジャンプするための先頭ページ移動ボタン、及び、画像データの最終ページにジャンプするための最終ページ移動ボタンを含む。
【0021】
先頭ページ移動ボタン及び最終ページ移動ボタンを押下すると、画像データの先頭ページ又は最終ページがプレビュー表示される。そのためユーザは容易にプレビュー画像を先頭ページ又は最終ページへジャンプさせることができる。
【0022】
好ましくは、画像編集装置は、第2の表示態様において、プレビュー表示手段により表示画面上に表示される画像データの各ページに、ページ番号を追加表示するためのページ番号表示手段をさらに含む。
【0023】
プレビュー画像をスクロールすると、画像データの各ページにページ番号が追加表示される。ページ番号によりプレビュー表示されているページが画像データ全体のどのページを指すのかを、容易に確認できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、編集操作の開始に応じて、編集操作に係るUI部品の表示が変化する。したがって、以後、そのUI部品を用いた操作(たとえばスクロール)が容易に行なえる。スクロールに関しては連続して操作されることが多く、UI部品の表示態様の変化による利点を十分に活かし、UI部品の視認性と操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像編集装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像編集装置の内部構成を示す図である。
【図3】図1に示す画像編集装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】タッチパネルディスプレイに表示される1Dフィット画面を示す図である。
【図5】タッチパネルディスプレイに表示される2D画面を示す図である。
【図6】タッチパネルディスプレイに表示されるページフロー画面を示す図である。
【図7】図4に示す1Dフィット画面の表示が変化したことを示す図である。
【図8】図7に示す画像を元の状態に復帰させるために実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【図9】1Dフィット画面の表示時に実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【図10】1Dフィット画面上のスクロールバーが操作された場合に実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【図11】1Dフィット画面上のプレビュー表示が操作された場合に実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能および名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
本発明の実施の形態に係る画像編集装置について、画像形成装置を例として説明する。本発明に係る操作機器は、このような画像形成装置以外の画像編集装置でもよい。本実施の形態に係る画像編集装置は、複数の動作モードを備え、その動作モードを選択するためのボタンがハードウェアボタンからソフトウェアボタンへ変更された場合であっても、ユーザが戸惑うことなく動作モードを適切に選択することができるように、動作モード選択ボタンをタッチパネルディスプレイに表示する操作機器を備えた装置であればよい。
【0028】
なお、本実施の形態に係る画像編集装置は、ジェスチャー操作方法とジェスチャー操作によらないタッチ操作方法とにより操作が可能なタッチパネルディスプレイを含むとするが、タッチ操作のみが可能なタッチパネルディスプレイを含む装置であってもよい。
【0029】
この画像編集装置は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。この画像編集装置は、動作モードとして、コピーモード、メールモード、FAXモード、i−FAXモード、共有フォルダモード、データ入力モード、FTPモード、デスクトップモードを備える。以下では、コピーモードでの動作を説明することで、本実施の形態に係る画像編集装置100の構成に関する説明とする。
【0030】
[機能]
図1〜図3を参照して、画像編集装置100は、原稿読取部102、画像形成部104、給紙部106、排紙処理装置108、および操作ユニット120を含む。操作ユニット120は、タッチパネルディスプレイ130と表示操作部140とを含む。タッチパネルディスプレイ130は、液晶パネル等で構成された表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネル134とを含む。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギキー(以下「省エネキー」と記載)146と、動作モードを選択するホーム画面へタッチパネルディスプレイ130の表示画面を戻すためのホームキー148とを含む。
【0031】
このように本実施の形態に係る画像編集装置100は、主たる操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイ130を含むとともに、ハードウェアキーおよび表示灯を持つ表示操作部140を含む。表示操作部140のキー(電源キー144、省エネキー146、ホームキー148)は、タッチパネルディスプレイ130により実現されるソフトウェアボタンと対比して、ハードウェアボタンとして構成される点が特徴である。なお、画像編集装置100は、このような構成の表示操作部140を含むものに限定されず、タッチパネルディスプレイ130のみを持つものであってもよい。タッチパネルディスプレイ130に表示されたホーム画面においてユーザが動作モードを選択すると、選択された動作モードにおける初期画面に切り換わるものであれば構わない。このような画像編集装置100の動作モードについて説明する。
【0032】
−コピーモード−
以下において、コピーモードでの動作説明を行なう。このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、スキャナ部と記載する場合がある。)102および画像形成部104が動作する。
【0033】
画像編集装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部104へと出力される。
【0034】
画像形成部104は、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体(多くの場合、記録用紙)に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0035】
画像形成部104には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部106から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部106は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差しトレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部104の主搬送路236へと送り出す。
【0036】
画像形成部104の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、さらに定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0037】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0038】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0039】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0040】
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0041】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。なお、省エネモードに移行すると、たとえば、このヒータへ供給される電力が停止されたり削減されたりする。
【0042】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0043】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0044】
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置108の各排紙トレイ110のいずれかに排出される。
【0045】
排紙処理装置108では、複数の記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理を施す。たとえば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ110に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出し、排紙トレイ110毎に、排紙トレイ110上の各記録用紙にパンチング処理またはステープル処理を施して印刷物を作成する。
【0046】
−ファクシミリモード−
以下において、ファクシミリモードでの動作説明を行なう。このファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部102およびFAX通信部160が動作することにより、受信動作はFAX通信部160および画像形成部104が動作する。
【0047】
・送信動作
画像編集装置100においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部(図3のFAX通信部160)へと出力される。
【0048】
送信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリモードを備えた画像編集装置100)へ送信する。
【0049】
・通信動作
回線が接続されると、受信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、送信側の画像編集装置100のFAX通信部160からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部160は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像編集装置100のFAX通信部160から受信側の画像編集装置100のFAX通信部160へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0050】
・受信動作
受信側の画像編集装置100のFAX通信部160は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部104へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部104であっても構わない。画像形成部104は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0051】
−その他の画像送信モード−
以下において、ファクシミリモード以外の画像送信モードである、メールモード、i−FAXモード、共有フォルダモード、データ入力モード、FTPモード、デスクトップモードでの動作説明を行なう。これらの画像送信モードについては、i−FAXモードの概要を説明する。これらの画像送信モードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)102および画像形成部104ならびにネットワークインターフェイス304が動作する。
【0052】
画像編集装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データがCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。この画像データが、この画像編集装置100が備える記憶装置(後述するハードディスク302)に記憶される。画像データがi−FAXで使用可能なフォーマット(たとえば、TIFF−Fフォーマット)へ変換されて、変換されたデータファイルが電子メールに添付される。このような電子メールがネットワークインターフェイス304およびインターネットを経由して、他の画像編集装置またはコンピュータへ送信される。
【0053】
i−FAXを受信する他の画像編集装置においては、予め定められた時間の間隔でメールサーバに接続して、メールサーバに蓄積された自機宛のメールを受信する。
【0054】
ファクシミリモードでは、送信先の電話番号が指定されるのに対して、これらの画像送信モードでは、送信先のメールアドレス、IPアドレス、サーバコンピュータ名、コンピュータ名、フォルダ名等が指定される点が異なる。
【0055】
[制御ブロック構成]
図3を参照して、画像編集装置100はさらに、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード、およびメールモードに関する機能の設定が可能な操作ユニット120と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0056】
画像編集装置100はさらに、原稿読取部102、画像形成部104、FAX通信部160、操作ユニット120、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像編集装置としての一般的機能を実現するためのプログラムを実行するCPU300とを含む。
【0057】
ハードディスク302には、画像編集装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが、フォルダ別に、保存日時およびユーザ名ととともに記憶されている。また、ハードディスク302には、各動作モードの初期画面データが記憶されている。
【0058】
ROM306には、画像編集装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。このROM306に各動作モードの初期画面データを記憶してもよい。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像編集装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0059】
図3に示すように、画像編集装置100のFAX通信部160には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304にはネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像編集装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、他のコンピュータ等が接続されたり、他の画像編集装置が接続されたりする。ネットワーク回線がインターネットに接続されると、画像編集装置100は、インターネットを介して、必要な情報を取得したり、画像データを通信したりすることができる。
【0060】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0061】
原稿読取部102、画像形成部104、操作ユニット120を構成するタッチパネルディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット120は、入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0062】
操作ユニット120は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルである。操作ユニット120の表面には、その左側の領域にタッチパネルディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、それぞれ配置されている。タッチパネルディスプレイ130および表示操作部140は、互いに一体となり、操作ユニット120を形成する。
【0063】
上述したように、タッチパネルディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。タッチパネルディスプレイ130の表示パネル132には、画像編集装置100における動作モードを選択するホーム画面、画像編集装置100の現在の状態、宛先指定状況、及びジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132の表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134が押された位置とを照合することにより、画像編集装置100の動作モード選択、機能設定及び動作指示等が行なわれる。画像編集装置100は、このようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、ジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0064】
表示操作部140の表示灯142は、たとえばLED(Light Emitting Diode)を含み、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、画像編集装置100が待機モード(たとえば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、画像編集装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、画像編集装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、画像編集装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。このとき、表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、画像編集装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、タッチパネルディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。
【0065】
表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしてもよい。たとえば、このキーランプは、円型のキーの周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0066】
[プレビュー表示における画像編集モード]
画像編集装置100は、仕上がり確認モード及び編集モードを持つ。これら表示モードの違いによって、プレビュー表示の表示画面が異なる。図4〜図6を参照して、以下に各表示モード及び表示画面、並びに各UI部品について説明する。
【0067】
画面の右下部には、読込及び印刷に関する機能キーが表示されている。図示しない原稿載置台に原稿がセットされ、ユーザが図5に示すスキャン開始キー422をタッチすると、原稿読取部102が原稿を読取り、原稿の画像データがプレビュー表示される。モノクロ印刷キー426をタッチすると、画像データのモノクロ印刷が開始される。カラー印刷キー428をタッチすると、画像データのカラー印刷が開始される。これら読込及び印刷を実行中にキャンセルキー424をタッチすると、実行中の処理は中断される。これらが表示されている領域は「タスクトリガー領域」と呼ばれる。タスクトリガー領域は、いずれのモードでも同じ位置に表示される。
【0068】
仕上がり確認モードにおいて、ユーザは画像データがどのような形態で出力されるかを確認できる。この仕上がり確認モードでは、表示画面は、図4の1Dフィット画面、図5の2D画面、及び、図6のページフロー画面の表示態様をとる。一方、編集モードでは、ユーザは画像データを編集でき、表示画面は図4の1Dフィット画面となる。
【0069】
図4を参照して、1Dフィット画面400上には、画像データのプレビュー表示402の他にも、種々の機能キーが表示されている。ユーザはこれらの機能キーを操作することで、プレビュー表示されている画像データを編集できる。全選択/解除キー404をタッチすると、表示されている画像データのプレビュー表示画面を全ページ選択できる。この全ページの選択を解除する場合は、もう1度、全選択/解除キー404をタッチすればよい。削除したいページをページ削除キー406までドラッグすると、ユーザはそのページを削除できる。削除を希望するいずれかのページ画像を選択し、さらにページ削除キー406をタッチすることによっても、ユーザは当該ページを削除できる。倍率変更キー408をタッチすると、ユーザはプレビュー表示402の表示倍率を変更できる。スクロールバー410内のスクロールボタン414を操作すると、ユーザはページ画像をスクロールできる。プレビュー表示402が画像データ全体のどの辺りのページを表示しているかは、スクロールバー410内のスクロールボタンの位置により確認できる。表示モード切替キー412をタッチすると、表示画面は図5に示す2D画面、又は、図6に示すページフロー画面に遷移する。そのためユーザは表示モード切替キー412により表示画面をすばやく切替えることができる。
【0070】
図5を参照して、2D画面420では画像データの各ページが行列形式に配置される。この各ページのプレビュー表示により、ユーザはページがどのような順で並んでいるかを全体的に確認できる。スクロールバー430内のスクロールボタン434を操作すると、ユーザはプレビュー表示をスクロールできる。2D画面では画像データの仕上がりを確認するのみなので、画像データの編集はできない。
【0071】
図6を参照して、ページフロー画面440上には、画像データを立体的に示したプレビュー表示442が表示される。このプレビュー表示442は出力原稿を実際の印刷物の状態に即して表示するので、ユーザは出力原稿の仕上がりを具体的に確認できる。プレビュー表示442をフリックすると、ユーザは中央部に表示されるページ画像を、他のページ画像に変更できる。ページフロー画面では画像データの仕上がりを確認するのみなので、画像データの編集はできない。
【0072】
[編集モードにおける表示画面の変化]
図4を参照して、1Dフィット画面400上には種々の機能キーが表示されている。これらの機能キーは、ユーザにとって操作性及び視認性が高いことが望ましい。本実施の形態に係る画像編集装置において、これら機能キーの態様は編集操作の開始に応じて変化する。この変化により、機能キーの操作性及び視認性が高まる。
【0073】
1Dフィット画面400上には、画像データのプレビュー表示402が表示されている。画像データの編集を行なう場合は、ユーザは、1Dフィット画面400上のいずれかの箇所をタッチする。タッチされた画像は、選択されたことを示すように強調表示される。このとき、プレビュー表示402又はスクロールバー410を操作すると、表示画面は次のように変化する。
【0074】
図4及び図7を参照して、図4に示すスクロールボタン414をタッチすると、図4に示すスクロールバー410及びスクロールボタン414が拡大され、図7に示す拡大スクロールバー468及び拡大スクロールボタン476となる。スクロールバーが拡大されることで、ユーザはページ移動の操作を行いやすくなる。拡大スクロールバー468の両端側には、図7に示す先頭ページ移動ボタン464及び最終ページ移動ボタン466が表示される。先頭ページ移動ボタン464をタッチすると、ユーザは画像データの最初のページを表示させることができる。最終ページ移動ボタン466をタッチすると、ユーザは画像データの最後のページを表示させることができる。プレビュー表示460の各ページの下部には、ページ番号470、472、及び474が表示される。このページ番号により、ユーザは現在表示されているページが画像データのどのページかを確認できる。スクロールボタン414及び拡大スクロールボタン476の位置によっても、大体の位置を知ることができる。
【0075】
これらスクロールバー410及びスクロールボタン414の拡大表示、並びに、先頭ページ移動ボタン464及び最終ページ移動ボタン466の表示の様に、スクロールに関係するキーがタッチされたときに、スクロール関連のキーの表示態様を変化させること、及び、そのキーに関連する機能キーを追加表示することを、本明細書においては、まとめて「機能キーの表示変化」と呼ぶ。
【0076】
スクロールボタン414以外のスクロールバー410の箇所をタッチした場合、又はスクロールボタン414をフリックした場合は、ユーザはタッチした箇所、又はフリックによる軌跡の長さ及びその速さに対応するページまで、ページ画像をスクロールできる。この場合も、画面上では機能キーの表示変化がなされる。
【0077】
スクロールボタン414をドラッグした場合も、スクロールボタンの動きに対応したページ画像のスクロール、及び機能キーの表示変化がなされる。スクロールボタンを元とは異なる位置に動かした場合は、移動後のスクロールボタンの位置に対応するページまでページ画像はスクロールされる。
【0078】
図4及び図7を参照して、図4に示すプレビュー表示402を操作した場合も、画面上では機能キーの表示変化がなされる。前述のスクロールボタン414に対する操作のように、プレビュー表示402をフリックすると、ユーザはページ画像をスクロールできる。ユーザがページ位置をドラッグアンドドロップすると、そのページ位置を変更できる。ドラッグアンドドロップする先が画面外の位置にあるときは、ドラッグするページを移動先側の画面端部にもっていくことで、画面がスクロールされる。プレビュー画像402のいずれかのページ画像をタッチすると、当該ページは処理の対象として選択されたことになり、強調表示される。強調表示される画像は図7に示す強調表示画像478のように、枠線で囲まれている。
【0079】
機能キーの表示変化により、ユーザは画像データのページ移動を行いやすくなる。さらに、表示画面はこれらの箇所以外には変化しないので、ユーザは編集のため動作させる機能キーを容易に確認できる。
【0080】
変化後の表示画面は、何も操作がされないまま所定時間が経過すると、図4に示す元の表示画面に復帰する。すなわち、図7に示す拡大スクロールバー468は縮小され、図4に示すスクロールバー410に戻る。先頭ページ移動ボタン464、最終ページ移動ボタン466、及びページ番号470、472、474の表示は消える。時間経過をカウントするためのタイマは、何らかの操作が行なわれる度にリセットされる。所定時間は最後に操作を行なった時点からカウントされる。所定時間はユーザが任意に設定できる。
【0081】
[ソフトウェア構成]
図4及び図7〜図11を参照して、編集モードの表示画面を変化させるために実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0082】
図8に示すプログラムは、機能キーの表示変化が最初になされたことに応じて開始されるプログラムである。ステップ482においてCPU300は、タイマをリセットしてからスタートさせる。ステップ484においてCPU300は、1Dフィット画面上で何らかの操作がなされたか否かを判定する。この判定が肯定ならば制御はステップ486へ進み、否定ならばステップ488へ進む。ステップ486においてCPU300は、表示モードの切替により表示画面が遷移したか否かを判定する。この判定が肯定ならばこのプログラムの実行は終了し、否定ならば制御はステップ482へ戻る。ステップ488ではCPU300は、タイマをスタートさせた時点から所定時間以上経過したか否かを判定する。この判定が肯定ならば制御はステップ490へ進み、否定ならばステップ484へ戻る。ステップ490においてCPU300は機能キーの表示変化を解除し、表示画面を図4に示すような元の表示に復帰させる。すなわち、スクロールバー及びスクロールボタンは図4に示すような元の大きさに戻り、ページ移動ボタン及びページ番号の表示は消える。
【0083】
図4、図7及び図9(特に図9)を参照して、図4に示す1Dフィット画面400が表示されると、CPU300は何らかのキーがタッチされるまで待つ。何らかのキーがタッチされると、CPU300はどのキーがタッチされたかにより制御を分岐させる。ステップ502において、CPU300はいずれのキーがタッチされたかを判定する。判定の結果によって、CPU300が次に行なう処理は異なる。なお、機能キーの表示変化がされていない場合、いずれのキーがタッチされても、タッチと同時に、図8に示すプログラムが起動される。
【0084】
図4に示すスクロールバー410又はスクロールボタン414をタッチすると、CPU300は画面表示を変化させる(ステップ504)。このステップ504における制御は、後で詳述する。ステップ504の処理が終了すると、制御はステップ502に戻る。
図4に示すプレビュー表示402がタッチされると、CPU300は画面表示を変化させる(ステップ506)。このステップ506における制御についても、後で詳述する。ステップ506の処理が終了すると、制御はステップ502に戻る。
【0085】
ページ削除キー406がタッチされると、CPU300は削除するページが選択されているか否かを判定する(ステップ508)。この判定が肯定ならば制御はステップ510に進み、否定ならば制御はステップ502へ戻る。ステップ510において、CPU300は選択されたページの画像データを削除する。ステップ510が終了すると、制御はステップ502へ戻る。
【0086】
図4に示す倍率変更キー408がタッチされると、CPU300はプレビュー表示402の表示倍率を変更する(ステップ512)。ステップ512の処理によると、プレビュー表示402は図4に示す大きさから、拡大又は縮小される。ステップ512が終了すると、制御はステップ502へ戻る。
【0087】
図4に示す全選択/解除キー404がタッチされると、CPU300はプレビュー表示402のページ画像を全選択又は解除する(ステップ514)。CPU300は、選択されていないページ画像がある場合は全選択させ、既に全てのページが全選択されている場合は、選択を解除させる。選択されたページは図7に示す強調表示画像478のように、色つきの枠で囲まれる。ステップ514の処理が終了すると、制御はステップ502に戻る。
【0088】
図7に示す先頭ページ移動ボタン464又は最終ページ移動ボタン466がタッチされると、CPU300は図7に示すプレビュー表示460を、先頭ページ又は最終ページまでスクロールさせる(ステップ516)。ステップ516の処理が終了すると、制御はステップ502に戻る。
【0089】
図4に示す表示モード切替キー412がタッチされると、CPU300は表示モードの切替を行なう(ステップ518)。そのため、表示画面が1Dフィット画面400から、図5に示す2D画面420、又は図6に示すページフロー画面440に遷移する。ステップ518の処理が終了すると、このプログラムの実行は終了する。同時に図8に示すプログラムの実行も終了する。
【0090】
図4及び図10(主に図10)を参照して、図9に示すステップ504の処理を詳述する。図4に示すスクロールバー410又はスクロールボタン414が操作されると、CPU300は図8に示すプログラムを起動させる(ステップ532)。ただしこのとき、このプログラムが既に起動されているときには、重ねて起動することはない。ステップ534において、CPU300は与えられた操作がいずれであったかを判定し、どのキーがタッチされたかにより制御を分岐させる。
【0091】
スクロールボタン414がタッチされた場合には、CPU300は機能キーの表示変化についての処理を行なう(ステップ536)。ステップ536の処理が終了すると、このプログラムの制御は終了し、制御は親ルーチン504に戻る。
【0092】
スクロールバー410の、スクロールボタン414以外の箇所をタッチすると、CPU300はタッチされた箇所に対応するページまでページ画像をスクロールさせ、さらに、機能キーの表示変化についての処理を行なう(ステップ538)。ステップ538の処理が終了すると、このプログラムの実行は終了し、制御は親ルーチン504に戻る。
【0093】
スクロールボタン414がフリックされた場合には、CPU300はフリックによって描かれた軌跡の長さ及びその速さに応じてページ画像をスクロールさせ、さらに、機能キーの表示変化を行なう(ステップ540)。ステップ540の処理が終了すると、このプログラムの実行は終了し、制御は親ルーチン504に戻る。
【0094】
スクロールボタン414がドラッグされた場合には、スクロールボタンの動きに応じて、CPU300はページ画像のスクロール及び機能キーの表示変化を行なう(ステップ542)。ステップ544においてCPU300は、スクロールボタンの位置が操作の前後で変化したか否かを判定する(ステップ544)。この判定が肯定の場合、制御はステップ546に進み、CPU300は移動後のスクロールボタンの位置に応じたページまでプレビュー表示をスクロールさせる(ステップ546)。ステップ546の実行が終了すると、このプログラムの実行は終了し、制御は親ルーチン502へ戻る。ステップ544における判定が否定の場合は、プレビュー表示はスクロールされず、制御は直ちに親ルーチン502へ戻る。
【0095】
図4及び図11(主に図11)を参照して、図9に示すステップ506の処理を詳述する。図4に示すプレビュー表示402が操作されると、CPU300は図8に示すタイマのプログラムを起動させる(ステップ562)。このときも、二重にこのプログラムを起動することはない。ステップ564において、CPU300は与えられた操作がどのような操作であったかを判定し、どのキーがタッチされたかにより制御を分岐させる。
【0096】
プレビュー表示402がタッチされた場合には、CPU300は、タッチされた画像の強調表示、及び、機能キーの表示変化についての処理を行なう(ステップ566)。強調表示された画像は、図7に示す強調表示画像478のように、色つきの枠線で囲まれる。ステップ566の処理が終了すると、このプログラムの制御は終了し、制御は親ルーチン506に戻る。
【0097】
プレビュー画像402がフリックされると、CPU300はフリックにより描かれた軌跡の長さ及びその速さに応じてページ画像をスクロールし、さらに、機能キーの表示変化を行なう(ステップ568)。ステップ568の処理が終了すると、このプログラムの制御は終了し、制御は親ルーチン506に戻る。
【0098】
プレビュー表示402のいずれかのページ画像がドラッグアンドドロップされた場合は、CPU300は、操作された画像の強調表示、及び、機能キーの表示変化についての処理を行なう(ステップ570)。ステップ572においてCPU300は選択されたページ画像の移動操作が行なわれたか否かを判定し、この判定が肯定ならば制御はステップ574に進む。ステップ574においてCPU300は、選択されたページ画像の移動操作をプレビュー表示に反映させる。ステップ574の処理が終了すると、制御は親ルーチン506に戻る。ステップ572の判定が否定の場合は、このプログラムの実行は直ちに終了し、制御は親ルーチン506に戻る。
【0099】
[動作]
図1を参照して、コピーモードでの画像編集装置100は以下の様に動作する。ユーザが画像編集装置100の原稿載置台に原稿をセットしスキャン開始キーをタッチすると、原稿読取部102が原稿を読取り画像データを生成する。入力された画像データは、1Dフィット画面で表示される。1Dフィット画面が表示されている場合には、画像データを編集できる。印刷キーをタッチすると、入力された画像データが印刷される。
【0100】
図4を参照して、1Dフィット画面400上には、画像データのプレビュー表示402と共に、種々の機能キーが表示される。スクロールバー410、スクロールボタン414、及びプレビュー表示402がタッチされると、画面上では表示変化が起こる。すなわち、図7を参照して、プレビュー表示の各ページにはページ番号470、472及び474が表示される。さらに、図4に示すスクロールバー410及びスクロールボタン414は図7に示す拡大スクロールバー468及び拡大スクロールボタン476に変化する。拡大スクロールバー468の両端には、先頭ページ移動ボタン464及び最終ページ移動ボタン466が表示される。スクロールバー及びスクロールボタンの拡大表示、並びにページ移動ボタンの表示により、ページ画像をスクロールする操作が行ないやすくなる。ページ番号の表示及びスクロールバーの拡大表示により、ユーザは表示されるページ画像が画像データ全体のどの辺りにあるのかを容易に確認できる。
【0101】
図7に示す表示変化後の画面は、ユーザが最後に編集操作を行なった時点から所定時間以上経過すると、図4に示す画面に復帰する。したがって、図7に示す拡大スクロールバー468及び拡大スクロールボタン476は、図4に示す元のスクロールバー410及びスクロールボタン414に戻る。図7に示すページ番号470、472、474及びページ移動ボタン464、466の表示は消える。
【0102】
スクロールバー410をフリック、スクロールボタン414以外のスクロールバー410をタッチ、及びスクロールボタン414をドラッグ、の中からいずれかの操作がなされると、プレビュー表示はスクロールされる。プレビュー表示402がフリックされた場合も、プレビュー表示はスクロールされる。
【0103】
プレビュー表示402がタッチされると、タッチされたページ画像が図7に示す強調表示画像478のように強調表示される。プレビュー表示402のいずれかのページ画像がドラッグアンドドロップされると、この移動操作がプレビュー表示460及び画像データに反映される。
【0104】
上記実施の形態では、スクロールバー、スクロールボタン、及びプレビュー表示を操作した場合のみ、表示変化が起こる。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、スクロールバーをタッチした場合は画面変化をスクロールバー及びスクロールボタンの拡大表示、並びにページ移動ボタンの表示にとどめ、ページ番号を表示しなくてもよい。プレビュー表示をタッチした場合には画面変化をページ番号の表示にとどめ、スクロールバー及びスクロールボタンの拡大表示、並びにページ移動ボタンの表示をしなくてもよい。さらに、スクロールバー、スクロールボタン、及びプレビュー表示以外の機能キーがタッチされた場合に、スクロールバー、スクロールボタン、及び当該機能キーの拡大、並びに、ページ番号及びページ移動ボタンを表示させてもよい。もちろん、ページ削除キーのみを拡大表示させてもよい。このように、編集操作の開始に応じて機能キーの態様が変化する組合せは多数考えられ、本実施の形態に係る画像編集装置はどの組合せをとることも可能である。
【0105】
本実施の形態に係るスクロールバーは、編集操作の開始に応じて拡大表示される。このスクロールバーの表示変化は、拡大表示に限定されない。例えば、スクロールバーの部分のみ表示色を変化させたり、又は、点滅表示させたりしてもよい。他の機能キーに対して、こうした強調表示をさせてもよい。
【0106】
本実施の形態に係るプレビュー表示は、ユーザにタッチされると、タッチされたページ画像が色つきの枠線で囲まれ、強調表示される。強調表示は、このような態様に限定されない。例えば、当該ページ画像を点滅させてもよいし、当該ページ画像全体を網線で覆ってもよい。
【0107】
本実施の形態に係る画像編集装置は、ユーザが最後に画像編集を行なった時点から所定時間以上経過すると、変化した画面が元の画面に復帰する。この画面の復帰を開始させるトリガは、所定時間の経過のみによらない。例えば、編集モードの切替又は編集操作の完了に基づき、画面を復帰させてもよい。編集モードが切替わると、表示画面は1Dフィット画面から別の画面に変わる。その変化した画面から再び1Dフィット画面を表示させると、プレビュー表示及びスクロールバーは、編集操作を行なう前の形態に戻る。同様に編集操作が完了した場合にも、表示画面は元の状態に戻る。
【0108】
本実施の形態に係る画像編集装置は、1Dフィット画面においてのみ機能キーの態様が変化している。しかし、この変化は他の表示モード時にも応用できる。例えば、2D画面又はページフロー画面が表示されているときに、タッチした機能キーを拡大して表示してもよい。プレビュー表示のいずれかのページ画像をタッチした場合には、当該ページ画像のみを拡大表示してもよい。
【0109】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0110】
100 画像編集装置
130 タッチパネルディスプレイ
300 CPU
400 1Dフィット画面
402、432、442、460 プレビュー表示
410、430 スクロールバー
412 表示モード切替キー
414 スクロールボタン
420 2D画面
440 ページフロー画面
464 先頭ページ移動ボタン
466 最終ページ移動ボタン
468 拡大スクロールバー
470、472、474 ページ番号
476 拡大スクロールボタン
478 強調表示画像


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示装置と、
画像データを記憶するための記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された画像データのプレビュー画像を前記表示画面上に表示するためのプレビュー表示手段とを含み、
前記プレビュー表示手段は、前記画像データのプレビュー画像の全体が前記表示画面上に表示できないときには、前記表示画面上に表示されるプレビュー画像をスクロールするためにユーザが操作可能なユーザインタフェース(UI)部品を前記表示画面上の第1の領域を占めるように表示し、
さらに、
前記UI部品が操作されたことに応答して、前記表示画面上に表示される前記画像データをスクロールするよう、前記プレビュー表示手段を制御するためのスクロール手段と、
前記UI部品が操作されたことに応答して、前記表示画面上に表示される前記UI部品の第1の表示態様を、前記表示画面中の前記第1の領域より大きな第2の領域を占める第2の表示態様に変更するための表示態様変更手段とを含む画像編集装置。
【請求項2】
前記第2の領域が前記第1の領域を包含する、請求項1に記載の画像編集装置。
【請求項3】
所定時間以上前記UI部品に対する操作が行なわれないことに応答して、前記UI部品の表示態様を、前記第1の表示態様へ復帰させる表示態様復帰手段をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の画像編集装置。
【請求項4】
前記UI部品は、前記第1の表示態様では前記第1の表示領域に所定の大きさで表示されるスクロールバーを含み、前記第2の表示態様では、前記第2の表示領域に前記所定の大きさよりも大きく表示されるスクロールバーを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像編集装置。
【請求項5】
前記UI部品は、前記第2の表示態様では、当該スクロールバーに加え、当該スクロールバーに近接して前記第2の表示領域内に表示される、プレビュー画像を所定のページへジャンプさせるためのボタンを含む、請求項4に記載の画像編集装置。
【請求項6】
前記UI部品は、前記第1の表示態様では前記第1の表示領域に所定の大きさで表示されるスクロールバーを含み、前記第2の表示態様では、当該スクロールバーに加え、当該スクロールバーに近接して前記第2の表示領域内に表示される、プレビュー画像を所定のページへジャンプさせるためのボタンを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像編集装置。
【請求項7】
前記ボタンは、前記画像データの先頭ページにジャンプするための先頭ページ移動ボタン、及び、前記画像データの最終ページにジャンプするための最終ページ移動ボタンを含む、請求項5又は請求項6に記載の画像編集装置。
【請求項8】
前記第2の表示態様において、前記プレビュー表示手段により前記表示画面上に表示される前記画像データの各ページに、ページ番号を追加表示するためのページ番号表示手段をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像編集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−68816(P2012−68816A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212175(P2010−212175)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】