説明

画像表示制御装置および画像表示制御方法

【課題】ユーザにとってより簡単な操作で表示を復帰させることができるようにする。
【解決手段】撮像装置のタッチパネルは、表示部に対するユーザの近接操作を検出する。撮像装置のCPUは、一定時間ユーザの近接操作がない場合に、表示部の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、近接操作が検出されたとき、第2の表示状態を第1の表示状態に戻すように制御する。本発明は、例えば、撮像装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示制御装置および画像表示制御方法に関し、特に、ユーザにとってより簡単な操作で表示を復帰させることができるようにする画像表示制御装置および画像表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルを備える電子機器では、パワーセーブや表示パネルの画素保護などのため、一定時間ユーザが使用しないことを検知して、消灯させたり、低輝度状態にさせる機能を有しているものがある。その場合、例えば、ユーザからのキー操作や表示パネルへのタップなどをトリガとして、表示を復帰させることが行われている。また例えば、予め登録しておいた図形(ジェスチャ)をユーザに入力させ、スクリーンセーバを解除するようなものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−82734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザによる表示パネルへのタップなどをトリガとして表示を復帰する方法では、復帰するために表示パネルを1回タップする操作が必要となる。そして例えば、表示復帰後に行いたい操作が表示パネルに表示された所定の操作ボタンを選択する操作であれば、表示復帰のためのタップと、操作ボタン選択のためのタップの2回の操作(タップ)が必要となり、手数がかかるという問題があった。また、表示復帰の方法がタップ操作であることがわからないユーザには、表示を復帰させることができなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザにとってより簡単な操作で表示を復帰させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の画像表示制御装置は、表示部に対するユーザの近接操作を検出する近接検出手段と、一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、前記近接操作が検出されたとき、前記第2の表示状態を前記第1の表示状態に戻すように制御する表示制御手段とを備える。
【0007】
本発明の一側面の画像表示制御方法は、表示部に対するユーザの近接操作を検出し、前記表示部を制御する画像表示制御装置が、一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、前記近接操作が検出されたとき、前記第2の表示状態を前記第1の表示状態に戻すように制御するステップを含む。
【0008】
本発明の一側面においては、表示部に対して一定時間ユーザの近接操作がない場合に、表示部の表示状態が、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御され、近接操作が検出されたとき、第2の表示状態を第1の表示状態に戻すように制御される。
【0009】
画像表示制御装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、ユーザにとってより簡単な操作で表示を復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した画像表示制御装置の一実施形態としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の撮像装置の外観の構成例を示す斜視図である。
【図3】図1の撮像装置の第1の表示制御による画面の表示例を示す図である。
【図4】第1の表示制御の表示変更処理を説明するフローチャートである。
【図5】第1の表示制御の表示復帰処理を説明するフローチャートである。
【図6】図1の撮像装置の第2の表示制御による画面の表示例を示す図である。
【図7】第2の表示制御処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[撮像装置の構成例]
図1は、本発明を適用した画像表示制御装置の一実施形態としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1の撮像装置1は、レンズ部11乃至RAM27を含むように構成されている。
【0014】
レンズ部11は、撮影レンズ、絞り、フォーカスレンズ等から構成される。レンズ部11を介して入射する被写体光の光路上には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子12が配置されている。
【0015】
撮像素子12、アナログ信号処理部13、A/D(Analog/Digital)変換部14、およびデジタル信号処理部15がその順番で接続されている。
【0016】
デジタル信号処理部15にはまた、表示部17と記録デバイス19が接続されている。表示部17の画像表示面にはタッチパネル16が設けられ、タッチパネル16と表示部17とによりタッチスクリーン18が構成されている。表示部17は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等で構成される。
【0017】
レンズ部11には、レンズ部11を構成する絞りの調整や、フォーカスレンズの移動を行うためのアクチュエータ20が接続されている。アクチュエータ20には、モータドライバ21も接続されている。モータドライバ21は、アクチュエータ20の駆動制御を行う。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)23は、撮像装置1全体を制御する。このため、CPU23には、アナログ信号処理部13、A/D変換部14、デジタル信号処理部15、モータドライバ21、TG(Timing Generator)22、操作部24、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)25、プログラムROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、およびタッチパネル16が接続されている。
【0019】
タッチパネル16は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであり、ユーザの指によるタッチパネル16上へのタップ(接触)を検出し、タップされたタッチパネル16上の位置をCPU23に出力する。また、タッチパネル16は、その静電容量の変化(レベル)から、ユーザの指がタッチパネル16に接触はしてないが、所定の距離内に近づいていること(以下、適宜、近接という。)も検出することができる。タッチパネル16が近接を検出できる距離は、例えば、画面から約20mm以内の距離であり、10mm以内の距離であれば、近接されたタッチパネル16上の位置も認識できる。なお、タッチパネル16が接触や近接を検出できる対象は、ユーザの指に限らず、それと同様の導電物体であればよいが、以下では、ユーザの指の検出として説明する。
【0020】
記録デバイス19は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクやメモリカード等の半導体メモリその他のリムーバブルな記録媒体で構成されている。記録デバイス19は、撮像により得られた画像(の信号)を記録する。記録デバイス19は、撮像装置1本体に対して着脱自在となっている。
【0021】
EEPROM25は、設定された各種情報を記憶する。その他の情報、例えば、電源状態がオフにされたときにも保持すべき情報等がEEPROM25に記憶される。
【0022】
プログラムROM26は、CPU23が実行するプログラムおよびプログラムを実行する上で必要なデータを記憶する。
【0023】
RAM27は、CPU23が各種処理を実行する際のワークエリアとして必要なプログラムやデータを一時記憶する。
【0024】
以下、図1の構成の撮像装置1全体の動作の概略について説明する。
【0025】
CPU23は、プログラムROM26に記録されているプログラムを実行することにより、撮像装置1を構成する各部を制御する。そして、CPU23は、タッチパネル16からの信号や、操作部24からの信号に応じて、撮像処理、表示部17への画像の表示制御処理など、所定の処理を実行する。
【0026】
操作部24は、ユーザによって操作され、その操作に対応する信号をCPU23に提供する。操作部24には、例えば、図2を参照して後述するズームレバー(TELE/WIDE)41、シャッタボタン42などが含まれる。
【0027】
アクチュエータ20の駆動により、レンズ部11は、撮像装置1の筐体から露出または収納される。また、アクチュエータ20の駆動により、レンズ部11を構成する絞りの調整や、レンズ部11を構成するフォーカスレンズの移動が行われる。
【0028】
TG22は、CPU23の制御に基づいて、タイミング信号を撮像素子12に提供する。タイミング信号により、撮像素子12における露出時間等が制御される。
【0029】
撮像素子12は、TG22から提供されるタイミング信号に基づいて動作することにより、レンズ部11を介して入射する被写体光を受光して光電変換を行う。そして、撮像素子12は、受光量に応じたアナログの画像信号をアナログ信号処理部13に提供する。このとき、モータドライバ21は、CPU23の制御に基づいてアクチュエータ20を駆動する。
【0030】
アナログ信号処理部13は、CPU23の制御に基づいて、撮像素子12から提供されたアナログの画像信号に対して増幅等のアナログ信号処理を施す。その結果得られるアナログの画像信号は、アナログ信号処理部13からA/D変換部14に提供される。
【0031】
A/D変換部14は、CPU23の制御に基づいて、アナログ信号処理部13からのアナログの画像信号をA/D変換する。その結果得られるデジタルの画像信号は、A/D変換部14からデジタル信号処理部15に提供される。
【0032】
デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいてA/D変換部14から提供されたデジタルの画像信号に対して、ノイズ除去処理等のデジタル信号処理を施す。デジタル信号処理部15は、そのデジタルの画像信号に対応する画像を、表示部17に表示させる。
【0033】
また、デジタル信号処理部15は、A/D変換部14から提供されたデジタルの画像信号を、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の所定の圧縮符号化方式に従って圧縮符号化する。デジタル信号処理部15は、圧縮符号化されたデジタルの画像信号を、記録デバイス19に記録させる。
【0034】
デジタル信号処理部15はまた、記録デバイス19から圧縮符号化されたデジタルの画像信号を読み出し、所定の圧縮符号化方式に対応する伸張復号方式に従って伸張復号する。デジタル信号処理部15は、そのデジタルの画像信号に対応する画像を表示部17に表示させる。
【0035】
その他、デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、AF(auto focus)の機能を発揮させるために用いるAF枠やメニューボタンなどの画像を生成し、表示部17に表示させる。
【0036】
撮像素子12によって撮像された画像は表示部17に表示される。この場合、表示部17に表示された画像上にAF枠が設定される。このAF枠の内部の画像に基づいてフォーカスが制御される。
【0037】
このように、撮像装置1はAF機能を有している。また、撮像装置1は、その他にも、AE(Automatic Exposure)機能、AWB(Auto White Balance)機能を有している。これらの機能は、CPU23がプログラムROM26のプログラムを読み出して実行することで実現される。さらにいえば、AF機能、AE機能、およびAWB機能は、撮像装置1が有する機能の例示にしか過ぎない。即ち、撮像装置1は、撮影に関する各種機能を有している。
【0038】
図2は、図1の撮像装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0039】
なお、以下、撮像装置1の面のうち、ユーザが被写体を撮影する場合に被写体と対向する面、即ち、レンズ部11が配置される面を前面と称する。一方、撮像装置1の面のうち、ユーザが被写体を撮影する場合にユーザと対向する面、即ち、前面の反対側の面を後面と称する。また、撮像装置1の面のうち、ユーザが被写体を撮影する場合に、上側に配置される面を上面と、下側に配置される面を下面と、それぞれ称する。
【0040】
図2Aは、撮像装置1の前面の外観の構成例を示す斜視図である。図2Bは、撮像装置1の後面の外観の構成例を示す斜視図である。
【0041】
撮像装置1の前面は、レンズカバー47で覆うことができる。前面のレンズカバー47が図中下方に開かれると、図2Aの状態になる。図2Aに示されるように、レンズカバー47の覆いが除かれた前面の上部には、その右方から、レンズ部11に含まれる撮影レンズ45とAFイルミネータ46がその順番で配置されている。
【0042】
AFイルミネータ46は、セルフタイマランプを兼ねている。撮像装置1の上面には、図2Aの左方から、ズームレバー(TELE/WIDE)41、シャッタボタン42、再生ボタン43およびパワーボタン44がその順番で配置されている。ズームレバー41、シャッタボタン42、再生ボタン43、およびパワーボタン44は、図1の操作部24に含まれる。
【0043】
図2Bに示されるように、撮像装置1の後面の全体には、タッチスクリーン18が配置されている。
【0044】
タッチスクリーン18には、被写体を撮影する撮影モードでは、撮像素子12が捉えた画像が表示され、撮像された画像を表示する再生モードでは、記録デバイス19に記録されている画像が表示される。またタッチスクリーン18には、GUI(Graphical User Interface)としての、撮像装置1の各種の設定項目を設定(変更)するためのメニューボタンや、フラッシュモード選択ボタン、セルフタイマーボタン、再生表示ボタンなども表示される。
【0045】
[画像表示制御の第1の実施の形態]
撮像装置1は、一定時間、ユーザの操作が行われない場合、省電力などのため、タッチスクリーン18の表示状態を切り替える機能を有している。図3乃至図5を参照して、本発明の画像表示制御の第1の実施の形態としての、撮像装置1(CPU23)の第1の表示制御について説明する。
【0046】
[第1の表示制御による画面例]
図3は、撮像装置1の第1の表示制御によりタッチスクリーン18に表示される画面の表示例を示している。
【0047】
撮影モードにおいて、ユーザが撮影に関する何らかの操作を撮像装置1に対して行っている場合には、ユーザによる全ての操作に対応する動作を実行可能な定常状態として、図3に示される撮影待機画面P1がタッチスクリーン18に表示される。撮影待機画面P1では、画面中央に撮像素子12が捉えた画像が表示され、その両脇の画面左端と画面右端の領域には、メニューボタンや、フラッシュモード選択ボタン、セルフタイマーボタン、再生表示ボタンなど(の画像)が表示されている。以下では、撮影待機画面P1として表示される所定の操作ボタンを総称してGUI操作ボタンという。
【0048】
撮影待機画面P1が表示部17に表示されている定常状態において、一定時間、ユーザの操作が行われない場合、撮像装置1は、表示部17の表示輝度を定常状態よりも低輝度にした低輝度状態に表示状態を変更する。図3に示される低輝度画面P2は、低輝度状態で表示部17に表示される画面である。低輝度画面P2は、輝度レベルが変更される点以外は撮影待機画面P1と同様である。
【0049】
表示部17に低輝度画面P2が表示されている低輝度状態において、ユーザの指の近接が検出されると、撮像装置1は、表示部17の表示状態を定常状態に変更する。即ち、撮像装置1は、表示部17の表示を撮影待機画面P1に戻す。
【0050】
しかし、低輝度状態において、さらに一定時間、ユーザの操作が行われない場合、撮像装置1は、表示部17の表示を完全にオフする(消灯する)消灯状態に表示状態を変更する。図3の表示オフ画面P3は、消灯状態の表示部17に表示される画面を示している。
【0051】
そして、消灯状態において、ユーザの指の近接が検出されると、撮像装置1は、表示部17の表示状態を定常状態に変更する。即ち、撮像装置1は、表示部17の表示を撮影待機画面P1に戻す。
【0052】
[第1の表示制御のフローチャート]
図4は、図3を参照して説明した第1の表示制御のうち、ユーザの操作が行われない場合の処理である表示変更処理を説明するフローチャートである。
【0053】
初めに、ステップS1において、撮像装置1は、ユーザの操作が何ら行われないまま一定時間が経過したかを判定する。ここでのユーザの操作には、タッチパネル16に対する操作の他、ズームレバー41やシャッタボタン42などの操作部24の操作も含まれる。
【0054】
ステップS1の処理は一定時間が経過したと判定されるまで繰り返され、ステップS1で一定時間が経過したと判定された場合、処理がステップS2に進められる。
【0055】
ステップS2において、撮像装置1は、表示部17の現在の表示状態が、定常状態、低輝度状態、または消灯状態のいずれであるかを判定する。
【0056】
ステップS2で、現在の表示状態が定常状態であると判定された場合、処理はステップS3に進み、撮像装置1は、表示部17の表示状態を低輝度状態に変更する。
【0057】
一方、ステップS2で、現在の表示状態が低輝度状態であると判定された場合、処理はステップS4に進み、撮像装置1は、表示部17の表示状態を消灯状態に変更する。
【0058】
あるいは、ステップS2で、現在の表示状態が消灯状態であると判定された場合、処理はそのままステップS1に戻る。
【0059】
以上の表示変更処理が撮像装置1の電源がオフされるまで実行される。
【0060】
図5は、図3を参照して説明した第1の表示制御のうち、タッチパネル16への近接を検出して表示状態を定常状態へ復帰する処理である表示復帰処理を説明するフローチャートである。
【0061】
ステップS21において、撮像装置1は、タッチパネル16に対するユーザの指の接触または近接を検出したかを判定する。
【0062】
ユーザの指の接触かまたは近接のいずれかが検出されるまで、ステップS21の処理が繰り返し実行される。そして、ステップS21で、ユーザの指の接触が検出されたと判定された場合、処理はステップS22に進み、撮像装置1は、指の接触に対して予め決定された所定の処理(タップ処理)を実行する。その後、処理はステップS21に戻る。
【0063】
一方、ステップS21で、ユーザの指の近接が検出されたと判定された場合、処理はステップS23に進み、撮像装置1は、表示部17の現在の表示状態が、定常状態、低輝度状態、または消灯状態のいずれであるかを判定する。
【0064】
ステップS23で、現在の表示状態が定常状態であると判定された場合、処理はステップS21に戻る。
【0065】
一方、ステップS23で、現在の表示状態が、低輝度状態または消灯状態のどちらかであると判定された場合、処理はステップS24に進み、撮像装置1は、表示部17の表示状態を定常状態に変更する。ステップS24の処理後、処理はステップS21に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0066】
以上の表示復帰処理が撮像装置1の電源がオフされるまで実行される。
【0067】
[画像表示制御の第2の実施の形態]
次に、本発明の画像表示制御の第2の実施の形態としての、撮像装置1(CPU23)の第2の表示制御について説明する。
【0068】
[第2の表示制御による画面例]
図6は、撮像装置1の第2の表示制御によりタッチスクリーン18に表示される画面の表示例を示している。
【0069】
定常状態では、撮影待機画面P11がタッチスクリーン18に表示される。撮影待機画面P11は、図3の撮影待機画面P1と同じ画面構成となっている。
【0070】
撮影待機画面P11がタッチスクリーン18に表示されている状態で、一定時間、ユーザの操作が行われない場合、撮像装置1は、表示状態を、定常状態からボタンオフ状態に変更する。ボタンオフ状態の表示部17には、撮影待機画面P11のGUI操作ボタンの表示を消去したボタンオフ画面P12が表示される。
【0071】
そして、ボタン表示オフ状態において、タッチパネル16においてユーザの指の近接が検出されると、撮像装置1は、表示部17の表示状態を定常状態に変更する。即ち、撮像装置1は、表示部17の表示を撮影待機画面P11に戻す。
【0072】
[第2の表示制御のフローチャート]
図7は、図6を参照して説明した第2の表示制御処理を説明するフローチャートである。
【0073】
初めに、ステップS41において、撮像装置1は、タッチパネル16に対するユーザの指の接触または近接を検出したかを判定する。
【0074】
ステップS41で、ユーザの指の接触が検出されたと判定された場合、処理はステップS42に進み、撮像装置1は、指の接触に対して予め決定された所定の処理(タップ処理)を実行して、処理はステップS41に戻る。
【0075】
一方、ステップS41で、ユーザの指の接触および近接のいずれも検出されていないと判定された場合、処理はステップS43に進み、撮像装置1は、ユーザの操作が何ら行われないまま一定時間が経過したかを判定する。ここでのユーザの操作には、第1の表示制御と同様、操作部24の操作も含まれる。
【0076】
ステップS43で、一定時間がまだ経過していないと判定された場合、処理はステップS41に戻り、ステップS41の処理が再度実行される。
【0077】
一方、ステップS43において、ユーザの操作がないまま一定時間が経過したと判定された場合、処理はステップS44に進み、撮像装置1は、表示部17の現在の表示状態が、定常状態またはボタンオフ状態のいずれであるかを判定する。
【0078】
ステップS44で、現在の表示状態がボタンオフ状態であると判定された場合、処理はステップS41に戻る。
【0079】
一方、ステップS44で、現在の表示状態が定常状態であると判定された場合、処理はステップS45に進み、撮像装置1は、表示部17の表示状態を、ボタンオフ状態に変更する。即ち、撮像装置1は、撮影待機画面P11から、GUI操作ボタンの表示を消去したボタンオフ画面P12に表示を切り替える。ステップS45の処理後、処理はステップS41に戻り、ステップS41以降の処理が再度実行される。以上のステップS41,S43乃至S45の処理は、第1の表示制御処理における、ユーザの操作が行われない場合の表示変更処理に相当する。
【0080】
一方、上述したステップS41で、ユーザの指の近接が検出されたと判定された場合、処理はステップS46に進み、撮像装置1は、表示部17の現在の表示状態が、定常状態またはボタンオフ状態のいずれであるかを判定する。
【0081】
ステップS46で、現在の表示状態が定常状態であると判定された場合、処理はステップS41に戻る。
【0082】
一方、ステップS46で、現在の表示状態がボタンオフ状態であると判定された場合、処理はステップS47に進み、撮像装置1は、表示部17の表示状態を、定常状態に変更する。即ち、撮像装置1は、GUI操作ボタンの表示を消去したボタンオフ画面P12から、撮影待機画面P11に表示を切り替える。ステップS47の処理後、処理はステップS41に戻り、ステップS41以降の処理が再度実行される。以上のステップS41,S46およびS47の処理は、第1の表示制御処理における、ユーザの近接操作を検出して表示状態を定常状態へ復帰する表示復帰処理に相当する。
【0083】
以上の処理は撮像装置1の電源がオフされるまで実行される。
【0084】
以上のように、撮像装置1のCPU23は、一定時間ユーザの近接操作がない場合に、タッチパネル16の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、ユーザの近接操作が検出されたとき、第2の表示状態を第1の表示状態に戻すように制御する。
【0085】
上述した第1の実施の形態では、第1の表示状態は定常状態であり、第2の表示状態は低輝度状態または消灯状態である。また、第2の実施の形態では、第1の表示状態は定常状態であり、第2の表示状態はボタンオフ状態である。なお、ユーザの指は、近接を検出する検出対象の代表的な例であり、手のひらやその他の導電物体でもよいことは言うまでもない。
【0086】
このような撮像装置1の画像表示制御により、ユーザがタッチスクリーン18に触らなくても近接すれば定常状態に復帰するため、表示復帰の操作がわからないユーザにとって、より分かりやすい表示復帰の操作方法を提供することができる。
【0087】
また、表示部17に表示されているGUI操作ボタンを選択する操作であれば、タッチスクリーン18を接触する操作の途中で必ず近接という状態になる。従って、撮像装置1の画像表示制御によれば、従来、表示復帰のためのタップと、GUI操作ボタン選択のためのタップの2回の操作が1回の操作で済むようになり、操作性が向上する。即ち、ユーザにとってより簡単な操作で表示を復帰させることができる。
【0088】
また、定常状態に復帰するためタッチスクリーン18に触らなくても良いので、接触して操作することによる指紋や汚れの付着も防止することができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、撮影モードの画面の例で説明したが、再生モードの画面でも同様の表示制御処理が実行される。
【0090】
[変形例]
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、ユーザの指がタッチパネル16に近接したときの近接状態(距離)によっては、単にタッチパネル16に近接したか否かだけでなく、ユーザが近接させた指の画面上の位置(座標)も認識することができる。
【0092】
そこで、撮像装置1(CPU23)は、単に(指の)近接の有無だけでなく、近接した指で所定の図形を描くユーザの操作(ジェスチャ)を検出して、検出されたジェスチャが予め登録されているジェスチャと同一であるときに、定常状態に表示復帰するようにしてもよい。単に近接を検出するだけでは、過度の検出となってしまう場合などに有効である。表示復帰の操作として、近接のみを検出するか、近接によるジェスチャを検出するかは、設定により切り替えるようにすることができる。また、検出対象のジェスチャは、撮像装置1に予め登録されているものよいし、ユーザが所望のジェスチャを登録するようにしてもよい。
【0093】
なお、例えば、表示復帰の操作として近接によるジェスチャを検出する場合に、ユーザが近接によるジェスチャを行っても、消灯状態から表示復帰しないとき、ユーザには、電池切れのための消灯であるのか、ジェスチャが間違いであるのかがわからないという事態も想定される。このような対策として、ユーザの近接を検出した場合に、カーソル(プラスの表示)や「近接検知」の文字などの、所定のGUI表示を行うようにすることができる。これにより、ユーザには、電池切れではなく、ジェスチャが間違いであるため、表示復帰しないことが容易に理解できるようになる。
【0094】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることができる。
【0095】
この場合、図1の撮像装置1が実行してもよいことは勿論のこと、その他例えば、図8に示されるパーソナルコンピュータが実行してもよい。
【0096】
図8において、CPU101は、ROM(Read Only Memory)102に記録されているプログラム、または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0097】
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース105も接続されている。
【0098】
入出力インタフェース105には、キーボード、マウスなどよりなる入力部106、タッチパネルディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクなどより構成される記憶部108、モデムおよびターミナルアダプタなどより構成される通信部109が接続されている。通信部109は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0099】
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア111が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
【0100】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0101】
本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0102】
以上、本発明が適用された画像表示制御装置により表示が制御される表示部17としては、例えば、液晶ディスプレイとした。しかし、本発明は、液晶ディスプレイのみならず、次のような表示装置にも適用可能である。即ち、動画像を構成するフレームやフィールドといった単位(以下、かかる単位をコマと称する)毎に表示が指示される表示装置であって、所定時間の間、1コマを構成する複数の画素が表示素子により構成されており、それら表示素子のうちの少なくとも一部の表示を保持させることができる表示装置に適用できる。なお、以下、かかる表示素子をホールド型表示素子と称し、かかるホールド型表示素子により画面が構成される表示装置を、ホールド型表示装置と称する。即ち、液晶表示装置はホールド型表示装置の例示にしか過ぎず、本発明は、ホールド型表示装置全体に適用可能である。
【0103】
さらに、本発明は、ホールド型表示装置のみならず、例えば、発光素子として有機EL(Electro Luminescent)デバイスを用いた平面自発光型の表示装置等にも適用可能である。即ち、本発明は、画像が複数の画素から構成され、その画素を表示する表示素子を含む表示装置全体に適用可能である。なお、かかる表示装置を、画素型表示装置と称する。ここで、画素型表示装置において、1つの画素に1つの表示素子が必ずしも対応付けられている必要は特に無い。
【0104】
換言すると、本発明が適用された画像表示制御装置により表示が制御される表示装置は、上述した一連の処理を実行可能とする表示装置であれば足りる。
【0105】
また、上述した実施の形態では、表示装置(表示部)を備える撮像装置(例えば、デジタルカメラ)に本発明を適用した場合について説明した。しかし、本発明の画像表示制御は、表示装置を備えるその他の電子機器、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話機、携帯型ゲーム機器、携帯型の再生装置やテレビジョン受像機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 撮像装置, 16 タッチパネル, 17 表示部, 18 タッチスクリーン, 23 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に対するユーザの近接操作を検出する近接検出手段と、
一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、前記近接操作が検出されたとき、前記第2の表示状態を前記第1の表示状態に戻すように制御する表示制御手段と
を備える画像表示制御装置。
【請求項2】
前記第1の表示状態は定常状態であり、前記第2の表示状態は、前記定常状態よりも表示輝度を低輝度にした低輝度状態、または、表示を完全にオフした消灯状態である
請求項1に記載の画像表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記定常状態において一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を前記低輝度状態となるように制御し、前記低輝度状態においてさらに一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を前記消灯状態となるように制御する
請求項2に記載の画像表示制御装置。
【請求項4】
前記第1の表示状態は定常状態であり、前記第2の表示状態は前記定常状態の画面からGUI操作ボタンの表示を消去した画面を表示するボタンオフ状態である
請求項1に記載の画像表示制御装置。
【請求項5】
前記近接検出手段は、前記近接操作として、近接によるジェスチャを検出し、
前記表示制御手段は、検出された前記近接によるジェスチャが、予め登録されたジェスチャと同一であるとき、前記第2の表示状態を前記第1の表示状態に戻すように制御する
請求項1に記載の画像表示制御装置。
【請求項6】
前記近接検出手段が検出する前記ジェスチャを登録する登録手段をさらに備える
請求項5に記載の画像表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記近接検出手段が前記近接操作を検出したとき、前記表示部に所定のGUI表示を行う
請求項5に記載の画像表示制御装置。
【請求項8】
表示部に対するユーザの近接操作を検出し、前記表示部を制御する画像表示制御装置が、
一定時間前記ユーザの近接操作がない場合に、前記表示部の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態となるように制御し、前記近接操作が検出されたとき、前記第2の表示状態を前記第1の表示状態に戻すように制御する
ステップを含む画像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−133524(P2012−133524A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284322(P2010−284322)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】