画像表示装置、画像表示方法、画像表示プログラム
【課題】 所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示する。
【解決手段】 本発明の画像表示装置は、所定の表示色での値域を表示するためのカラーバー206を生成するカラーバー生成部203と、画面に表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバー206に着色する着色制御部202と、前記着色されたカラーバー206と前記着色された画像204とカラーマップ205とを前記画面に同時に表示する。
【解決手段】 本発明の画像表示装置は、所定の表示色での値域を表示するためのカラーバー206を生成するカラーバー生成部203と、画面に表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバー206に着色する着色制御部202と、前記着色されたカラーバー206と前記着色された画像204とカラーマップ205とを前記画面に同時に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示された画像にカラーを付ける画像表示装置に係り、特に所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順に表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像表示装置では、画像が表示される前にカラーの配色が予め決められている。具体的には、画像を構成する画素の値域は、信号の大きさや情報量の大きさに比例して着色されている。
そこで、操作者は、着色されている色を読影した結果を記録するためや、学術研究で発表するため資料に用いるため、その配色を変えたいというニーズがある。この配色を変える手法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に開示される手法は次の手順で説明されている。まず、第1の配色表で構成される第1の画像データから、この第1の配色表の指標である配色表番号のうち前記第1の画像データの画素データでの使用頻度が所定値以上のものを抽出する。次に抽出した結果を第2の配色表として再構成しこの第2の配色表を用いて構成される第2の画像データに変換する。
【特許文献1】特開2001-357393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1には、汎用の配色表を用いる場合でも画質劣化を少なくしながら配色表の配色表番号の個数を少なくする点、画像データ全体のサイズを小さくする点の各問題点が解消されるに過ぎず、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することには配慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することが可能な画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示し、前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色する画像表示装置において、所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するカラーバー生成手段と、前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色する着色制御手段と、前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の画像表示装置の技術を採用するMRI装置の全体構成例のブロック図である。
【0009】
MRI装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を得るためのもので、静磁場発生手段101、傾斜磁場発生手段102、送信系103、受信系104、信号処理系105、制御部106、中央処理装置107および操作部108とからなっている。
【0010】
静磁場発生手段101は、被検体108の周りのある広がりを持った空間に配置された磁石から、被検体108の周囲にその体軸と直交あるいは平行な方向に均一な静磁場を発生させる。
傾斜磁場発生手段102は、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場を被検体108に印加する。この傾斜磁場の加え方により、被検体108の撮像断面が設定される。
【0011】
送信系103は、高周波発振器111、変調器112、高周波増幅器113および高周波照射コイル114とからなり、傾斜磁場発生手段102で設定された被検体108の撮像断面の生体組織を構成する原子の原子核を励起して核磁気共鳴を起こさせるために、高周波発振器111から出力された高周波パルスを高周波増幅器113で増幅した後に、被検体108に近接して設置された高周波照射コイル114に供給して被検体に照射する。
【0012】
受信系104は、高周波受信コイル115、受信回路116およびアナログ/ディジタル(以下「A/D」という)変換器117とからなり、送信系103の高周波照射コイル114から照射された電磁波による被検体108の生体組織の原子核の磁気共鳴によるエコー信号であるNMR信号を、被検体108に近接して配置された高周波受信コイル115で検出し、受信回路116を介してA/D変換器117に入力し、ディジタル信号に変換して、さらに制御部106からの命令によるタイミングでサンプリングされた収集データとして、その信号を信号処理系105に送る。
【0013】
制御部106は、CPU107の制御で動作しスライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各傾斜磁場および高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し発生するためのもので、被検体108の断層像のデータ取得に必要な種々の命令を傾斜磁場発生手段102、送信系103および受信系104に送る。
【0014】
信号処理系105は、収集データに対しフーリエ変換およびシーケンサ106の制御を行うCPU107、補正計算や収集データを断層像に再構成するために必要な処理を行う信号処理装置118、経時的な画像解析処理および指定された計測のシーケンスのプログラムやその実行の際に用いられるパラメータ等を記憶し、被検体に対して行った事前の計測で得た計測パラメータや受信系104で検出したNMR信号からの収集データおよび関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共にその関心領域を設定するためのパラメータ等を記憶するメモリ119、再構成された画像データを記憶するデータ格納部となる磁気ディスク120・光ディスク121およびこれらのディスクとからなり、受信系104で検出したNMR信号を用いて画像再構成演算を行ってMRI画像を得るとともに、ディスプレイ122にMRI画像を表示する。
操作部123は、トラックボールまたはマウス、キーボード等からなり信号処理系105で行う処理の制御情報を入力する。
【0015】
次に、本発明の画像処理装置が操作部、画像処理部、画像表示部によって連携動作するための構成例について図2を用いて説明する。
図2は、図1の操作部、画像処理部、画像表示部が連携動作する構成例を示す機能ブロック図である。
ここで、操作部123はマウス201であり、信号処理装置118は表示色制御部202とカラーバー生成部203を有し、ディスプレイ122は画像204の表示領域と、カラーマップ205の表示領域と、カラーバー206の表示領域とがそれぞれ表示画面上に用意されている。
【0016】
マウス201は画面上のマウスカーソルを移動し、そのカーソルの移動量は円コーダにて検出されるようになっており、画面上に表示されている画像の領域の指定や、カラーマップ205上の色の指定などを移動し、ボタンをクリックすることで入力する。カラーバー生成部203は画面上のカラーバー206を生成し、ディスプレイ122に画面表示させるように信号処理装置118へ情報を引き渡す。表示色制御部202は、マウス201によって指定されたカラーバー206の値域に対応する画像205の領域とカラーマップ205の表示色によって、その表示色を画像204の対応領域に着色する。また、表示色制御部202はカラーバー生成部203によって生成されたカラーバー206へも画像205の指定領域と同じ色が着色される。この着色は画像205の指定領域の信号強度によって階調づけされる。
【0017】
次に、具体的な表示色の設定手順について図3を用いて説明する。
このようにしてMRI装置によって撮像された画像204とカラーマップ205が同時に画面表示される。オペレータは、信号値の値域(その値域での最大画素値と最小画素値を含む範囲)をカラーバー206に設定する。例えば、オペレータは、マウス201でカラーバー206上のx1値に相当する場所をクリックする。(ステップS301)
【0018】
オペレータは、マウス201でカラーマップ205から所望のパネル(あるいはパレットともいう)を指定したい第1のカラーをクリックする。(ステップS302)
表示色制御部202は、前記指定された第1のカラーでカラーバー206の最大値からx1までの範囲を着色する。(ステップS303)
表示色制御部202は、前ステップによって着色されたカラーバー206とそのカラーバー206に対応する画素値について着色した画像204とを同時表示する。(ステップS304)
【0019】
オペレータは、着色された画像についてさらに着色を所望するときはYesを選ぶことで再度ステップS301に進み、着色を所望しないときはNoを選ぶことで処理を終了する。(ステップS305)
ここでは、Yesを選んだとき、オペレータは、さらに信号値(x2〜x1)とそれを表示する別色の第2のカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー206のx2値に相当する場所をクリックし、さらにマウス201でカラーマップ205のパネルから指定したい第2のカラーをクリックする。このようにすれば、指定する値(x2)から前回指定した値(x1)まで第2のカラーが着色される。
そして、さらに、第3、第4…と繰り返して着色すれば、カラーマップによる画像への着色が直感的に行うことができる。
【0020】
次に、具体的な表示例として、カラーバーと画像とを対応づけて、赤、緑、青の3色をカラーバーと画像と着色し、最後に平滑化処理する手順を図5乃至図14を用いて説明する。
ここでは、MRI装置で得た造影パーフュージョン(perfusion)画像に着色する色を赤、緑、青で説明するが、着色する色がこれらの色には限定されない。
造影パーフュージョン画像とは造影剤を血管に注入すると造影剤が毛細血管に到達する時に磁化率が変化する様子から脳腫瘍の診断などに供する画像である。
【0021】
(1)表示色制御部202は、図4に示すように、MRI装置で得られた脳血流画像401とカラーマップ402を画面に表示する。
(2)オペレータは、図5に示すように、信号値範囲(x1〜max)とそれを表示する色とを対応付けるために、マウス201でカラーバー503をクリックし、x1値を入力する。例ではx1は181、最大値を255としている。
(3)オペレータは、カラーマップ502のパネルから赤をクリックする。
(4)表示色制御部202は、図6に示すように、カラーバー603の603rの部分に赤を着色する。
(5)オペレータは、カラーマップ602上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図7に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて181以上255以下の画素が赤に変化した画像701が表示される。
【0022】
(6)オペレータは、図8に示すように、信号値範囲(x2〜x1)とそれを表示するカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー803をクリックし、x2値を入力する。この例ではx2は104としている。
(7)オペレータは、カラーマップ802のパネルから緑をクリックする。
(8)表示色制御部202は、図9に示すように、カラーバー903の903rの部分に緑を着色する。
(9)オペレータは、カラーマップ902上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図10に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて104以上181未満の画素が緑に変化した画像1001が表示される。
(10)オペレータは、図11に示すように、信号値範囲(x3〜x2)とそれを表示するカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー1103をクリックし、x3値を入力する。この例ではx3は22である。
【0023】
(11)オペレータは、カラーマップ1102のパネルから青をクリックする。
(12)表示色制御部202は、図12に示すように、カラーバー1203の1203bの部分に青を着色する。
(13)オペレータは、カラーマップ1202上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図13に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて22以上104未満の画素1301bが青に変化した画像1301が表示される。
(14)オペレータは、カラーマップ1302上の「Smoothing」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図14に示すように、上記(1)〜(13)で設定された値域の色に基づいて色階調が作成され、この作成された色階調に基づいて信号の強度をカラー表示する。
【0024】
また、マウス201でカラーバーをクリックする際、カラーバーには設定値をガイドするための線が表示される。その線はマウス201の移動に伴って連動することも可能とする。
また、マウス201でカラーマップのパネルからカラー表示色を指定する際、一度指定した色を変える、または着色をキャンセルすることも可能とする。
さらに、この実施形態では、カラーバーを上方から作成する例で説明したが、下方から作成可能とする。
【0025】
以上説明した実施形態ではMRI画像に着色した例を示したが、その他CT画像、超音波画像、PET画像を含む医用画像に着色する場合にも適用できる。また、MRI画像やCT画像を含む医用画像を更に画像処理して求められる三次元画像や最大値投影(MIP)画像などの2次的に加工して作られる画像に着色する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の画像表示装置の技術を採用するMRI装置の全体構成例のブロック図。
【図2】図1の操作部、画像処理部、画像表示部が連携動作することを示す機能ブロック図。
【図3】図2の操作部、画像処理部、画像表示部の連携動作例を説明するフローチャート。
【図4】着色前の初期状態の画面表示例を示す図。
【図5】カラーバー503rに赤の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図6】カラーバー603rに赤が着色される画面表示例を示す図。
【図7】カラーバー703rに対応する画像701の画素値領域が赤に着色される画面表示例を示す図。
【図8】カラーバー803gに緑の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図9】カラーバー903gに緑が着色される画面表示例を示す図。
【図10】カラーバー1003gに対応する画像1001の画素値領域が緑に着色される画面表示例を示す図。
【図11】カラーバー1103bに青の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図12】カラーバー1203bに青が着色される画面表示例を示す図。
【図13】カラーバー1303bに対応する画像1301の画素値領域が青に着色される画面表示例を示す図。
【図14】図13を平滑化処理した画面表示例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
201 マウス、202 着色制御部、203 カラーバー生成部、204 画像204、205 カラーマップ、206 カラーバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示された画像にカラーを付ける画像表示装置に係り、特に所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順に表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像表示装置では、画像が表示される前にカラーの配色が予め決められている。具体的には、画像を構成する画素の値域は、信号の大きさや情報量の大きさに比例して着色されている。
そこで、操作者は、着色されている色を読影した結果を記録するためや、学術研究で発表するため資料に用いるため、その配色を変えたいというニーズがある。この配色を変える手法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に開示される手法は次の手順で説明されている。まず、第1の配色表で構成される第1の画像データから、この第1の配色表の指標である配色表番号のうち前記第1の画像データの画素データでの使用頻度が所定値以上のものを抽出する。次に抽出した結果を第2の配色表として再構成しこの第2の配色表を用いて構成される第2の画像データに変換する。
【特許文献1】特開2001-357393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1には、汎用の配色表を用いる場合でも画質劣化を少なくしながら配色表の配色表番号の個数を少なくする点、画像データ全体のサイズを小さくする点の各問題点が解消されるに過ぎず、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することには配慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することが可能な画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示し、前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色する画像表示装置において、所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するカラーバー生成手段と、前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色する着色制御手段と、前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の表示色に設定するための情報を直感的に操作しやすい手順を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の画像表示装置の技術を採用するMRI装置の全体構成例のブロック図である。
【0009】
MRI装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を得るためのもので、静磁場発生手段101、傾斜磁場発生手段102、送信系103、受信系104、信号処理系105、制御部106、中央処理装置107および操作部108とからなっている。
【0010】
静磁場発生手段101は、被検体108の周りのある広がりを持った空間に配置された磁石から、被検体108の周囲にその体軸と直交あるいは平行な方向に均一な静磁場を発生させる。
傾斜磁場発生手段102は、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場を被検体108に印加する。この傾斜磁場の加え方により、被検体108の撮像断面が設定される。
【0011】
送信系103は、高周波発振器111、変調器112、高周波増幅器113および高周波照射コイル114とからなり、傾斜磁場発生手段102で設定された被検体108の撮像断面の生体組織を構成する原子の原子核を励起して核磁気共鳴を起こさせるために、高周波発振器111から出力された高周波パルスを高周波増幅器113で増幅した後に、被検体108に近接して設置された高周波照射コイル114に供給して被検体に照射する。
【0012】
受信系104は、高周波受信コイル115、受信回路116およびアナログ/ディジタル(以下「A/D」という)変換器117とからなり、送信系103の高周波照射コイル114から照射された電磁波による被検体108の生体組織の原子核の磁気共鳴によるエコー信号であるNMR信号を、被検体108に近接して配置された高周波受信コイル115で検出し、受信回路116を介してA/D変換器117に入力し、ディジタル信号に変換して、さらに制御部106からの命令によるタイミングでサンプリングされた収集データとして、その信号を信号処理系105に送る。
【0013】
制御部106は、CPU107の制御で動作しスライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各傾斜磁場および高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し発生するためのもので、被検体108の断層像のデータ取得に必要な種々の命令を傾斜磁場発生手段102、送信系103および受信系104に送る。
【0014】
信号処理系105は、収集データに対しフーリエ変換およびシーケンサ106の制御を行うCPU107、補正計算や収集データを断層像に再構成するために必要な処理を行う信号処理装置118、経時的な画像解析処理および指定された計測のシーケンスのプログラムやその実行の際に用いられるパラメータ等を記憶し、被検体に対して行った事前の計測で得た計測パラメータや受信系104で検出したNMR信号からの収集データおよび関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共にその関心領域を設定するためのパラメータ等を記憶するメモリ119、再構成された画像データを記憶するデータ格納部となる磁気ディスク120・光ディスク121およびこれらのディスクとからなり、受信系104で検出したNMR信号を用いて画像再構成演算を行ってMRI画像を得るとともに、ディスプレイ122にMRI画像を表示する。
操作部123は、トラックボールまたはマウス、キーボード等からなり信号処理系105で行う処理の制御情報を入力する。
【0015】
次に、本発明の画像処理装置が操作部、画像処理部、画像表示部によって連携動作するための構成例について図2を用いて説明する。
図2は、図1の操作部、画像処理部、画像表示部が連携動作する構成例を示す機能ブロック図である。
ここで、操作部123はマウス201であり、信号処理装置118は表示色制御部202とカラーバー生成部203を有し、ディスプレイ122は画像204の表示領域と、カラーマップ205の表示領域と、カラーバー206の表示領域とがそれぞれ表示画面上に用意されている。
【0016】
マウス201は画面上のマウスカーソルを移動し、そのカーソルの移動量は円コーダにて検出されるようになっており、画面上に表示されている画像の領域の指定や、カラーマップ205上の色の指定などを移動し、ボタンをクリックすることで入力する。カラーバー生成部203は画面上のカラーバー206を生成し、ディスプレイ122に画面表示させるように信号処理装置118へ情報を引き渡す。表示色制御部202は、マウス201によって指定されたカラーバー206の値域に対応する画像205の領域とカラーマップ205の表示色によって、その表示色を画像204の対応領域に着色する。また、表示色制御部202はカラーバー生成部203によって生成されたカラーバー206へも画像205の指定領域と同じ色が着色される。この着色は画像205の指定領域の信号強度によって階調づけされる。
【0017】
次に、具体的な表示色の設定手順について図3を用いて説明する。
このようにしてMRI装置によって撮像された画像204とカラーマップ205が同時に画面表示される。オペレータは、信号値の値域(その値域での最大画素値と最小画素値を含む範囲)をカラーバー206に設定する。例えば、オペレータは、マウス201でカラーバー206上のx1値に相当する場所をクリックする。(ステップS301)
【0018】
オペレータは、マウス201でカラーマップ205から所望のパネル(あるいはパレットともいう)を指定したい第1のカラーをクリックする。(ステップS302)
表示色制御部202は、前記指定された第1のカラーでカラーバー206の最大値からx1までの範囲を着色する。(ステップS303)
表示色制御部202は、前ステップによって着色されたカラーバー206とそのカラーバー206に対応する画素値について着色した画像204とを同時表示する。(ステップS304)
【0019】
オペレータは、着色された画像についてさらに着色を所望するときはYesを選ぶことで再度ステップS301に進み、着色を所望しないときはNoを選ぶことで処理を終了する。(ステップS305)
ここでは、Yesを選んだとき、オペレータは、さらに信号値(x2〜x1)とそれを表示する別色の第2のカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー206のx2値に相当する場所をクリックし、さらにマウス201でカラーマップ205のパネルから指定したい第2のカラーをクリックする。このようにすれば、指定する値(x2)から前回指定した値(x1)まで第2のカラーが着色される。
そして、さらに、第3、第4…と繰り返して着色すれば、カラーマップによる画像への着色が直感的に行うことができる。
【0020】
次に、具体的な表示例として、カラーバーと画像とを対応づけて、赤、緑、青の3色をカラーバーと画像と着色し、最後に平滑化処理する手順を図5乃至図14を用いて説明する。
ここでは、MRI装置で得た造影パーフュージョン(perfusion)画像に着色する色を赤、緑、青で説明するが、着色する色がこれらの色には限定されない。
造影パーフュージョン画像とは造影剤を血管に注入すると造影剤が毛細血管に到達する時に磁化率が変化する様子から脳腫瘍の診断などに供する画像である。
【0021】
(1)表示色制御部202は、図4に示すように、MRI装置で得られた脳血流画像401とカラーマップ402を画面に表示する。
(2)オペレータは、図5に示すように、信号値範囲(x1〜max)とそれを表示する色とを対応付けるために、マウス201でカラーバー503をクリックし、x1値を入力する。例ではx1は181、最大値を255としている。
(3)オペレータは、カラーマップ502のパネルから赤をクリックする。
(4)表示色制御部202は、図6に示すように、カラーバー603の603rの部分に赤を着色する。
(5)オペレータは、カラーマップ602上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図7に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて181以上255以下の画素が赤に変化した画像701が表示される。
【0022】
(6)オペレータは、図8に示すように、信号値範囲(x2〜x1)とそれを表示するカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー803をクリックし、x2値を入力する。この例ではx2は104としている。
(7)オペレータは、カラーマップ802のパネルから緑をクリックする。
(8)表示色制御部202は、図9に示すように、カラーバー903の903rの部分に緑を着色する。
(9)オペレータは、カラーマップ902上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図10に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて104以上181未満の画素が緑に変化した画像1001が表示される。
(10)オペレータは、図11に示すように、信号値範囲(x3〜x2)とそれを表示するカラーとを対応付けるために、マウス201でカラーバー1103をクリックし、x3値を入力する。この例ではx3は22である。
【0023】
(11)オペレータは、カラーマップ1102のパネルから青をクリックする。
(12)表示色制御部202は、図12に示すように、カラーバー1203の1203bの部分に青を着色する。
(13)オペレータは、カラーマップ1202上の「Apply」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図13に示すように、表示色制御部202は、現時点のカラーマップに基づいて22以上104未満の画素1301bが青に変化した画像1301が表示される。
(14)オペレータは、カラーマップ1302上の「Smoothing」ボタン上でマウス201をクリックする。すると、図14に示すように、上記(1)〜(13)で設定された値域の色に基づいて色階調が作成され、この作成された色階調に基づいて信号の強度をカラー表示する。
【0024】
また、マウス201でカラーバーをクリックする際、カラーバーには設定値をガイドするための線が表示される。その線はマウス201の移動に伴って連動することも可能とする。
また、マウス201でカラーマップのパネルからカラー表示色を指定する際、一度指定した色を変える、または着色をキャンセルすることも可能とする。
さらに、この実施形態では、カラーバーを上方から作成する例で説明したが、下方から作成可能とする。
【0025】
以上説明した実施形態ではMRI画像に着色した例を示したが、その他CT画像、超音波画像、PET画像を含む医用画像に着色する場合にも適用できる。また、MRI画像やCT画像を含む医用画像を更に画像処理して求められる三次元画像や最大値投影(MIP)画像などの2次的に加工して作られる画像に着色する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の画像表示装置の技術を採用するMRI装置の全体構成例のブロック図。
【図2】図1の操作部、画像処理部、画像表示部が連携動作することを示す機能ブロック図。
【図3】図2の操作部、画像処理部、画像表示部の連携動作例を説明するフローチャート。
【図4】着色前の初期状態の画面表示例を示す図。
【図5】カラーバー503rに赤の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図6】カラーバー603rに赤が着色される画面表示例を示す図。
【図7】カラーバー703rに対応する画像701の画素値領域が赤に着色される画面表示例を示す図。
【図8】カラーバー803gに緑の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図9】カラーバー903gに緑が着色される画面表示例を示す図。
【図10】カラーバー1003gに対応する画像1001の画素値領域が緑に着色される画面表示例を示す図。
【図11】カラーバー1103bに青の値域を設定する画面表示例を示す図。
【図12】カラーバー1203bに青が着色される画面表示例を示す図。
【図13】カラーバー1303bに対応する画像1301の画素値領域が青に着色される画面表示例を示す図。
【図14】図13を平滑化処理した画面表示例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
201 マウス、202 着色制御部、203 カラーバー生成部、204 画像204、205 カラーマップ、206 カラーバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示し、前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色する画像表示装置において、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するカラーバー生成手段と、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色する着色制御手段と、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示する手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記着色制御手段は、前記表示された画像中の第1の値域と異なる第2の値域が選択され、前記選択された第2の値域に第2の表示色を値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第2の表示色での値域を前記生成されたカラーバーの第1の表示色と異なる位置に着色すること特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記着色制御手段は、前記所望の表示色によって色づけする色数が複数存在するときに、それらの複数存在する色数に対して前記画像と前記カラーバーとの着色を繰り返すこと特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記着色制御手段は、前記生成されたカラーバーにおいて前記第1の表示色での値域と第2の表示色の値域を隣接するように配置すること特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示するステップと、
前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色するステップと、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するステップと、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色するステップと、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示するステップと、を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示するステップと、
前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色するステップと、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するステップと、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色するステップと、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示するステップと、をコンピュータに実行させるための画像表示プログラム。
【請求項1】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示し、前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色する画像表示装置において、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するカラーバー生成手段と、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色する着色制御手段と、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示する手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記着色制御手段は、前記表示された画像中の第1の値域と異なる第2の値域が選択され、前記選択された第2の値域に第2の表示色を値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第2の表示色での値域を前記生成されたカラーバーの第1の表示色と異なる位置に着色すること特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記着色制御手段は、前記所望の表示色によって色づけする色数が複数存在するときに、それらの複数存在する色数に対して前記画像と前記カラーバーとの着色を繰り返すこと特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記着色制御手段は、前記生成されたカラーバーにおいて前記第1の表示色での値域と第2の表示色の値域を隣接するように配置すること特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示するステップと、
前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色するステップと、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するステップと、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色するステップと、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示するステップと、を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
表示画面に所望の表示色で着色させる画像とその表示色との対応関係を表すカラーマップとを表示するステップと、
前記表示された画像の所定値域を設定し、その設定された値域に対し前記カラーマップの所望の表示色を指定入力し、その指定入力された表示色に前記設定値域を着色するステップと、
所定の表示色での値域を表示するためのカラーバーを生成するステップと、
前記表示された画像中の第1の値域が選択され、前記選択された第1の値域に第1の表示色をその値域中の信号強度に基づき変化させて着色するとともに、その第1の表示色での値域を前記生成されたカラーバーに着色するステップと、
前記着色されたカラーバーと前記着色された画像と前記カラーマップとを前記表示画面に同時に表示するステップと、をコンピュータに実行させるための画像表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−226069(P2007−226069A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49443(P2006−49443)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]