説明

画像表示装置、画像表示方法およびプログラム

【課題】作業効率の向上を図ることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、画像を表示する表示部2と、画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部3と、入力部3から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する制御部1と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルなどの入力部を備え、入力部を介して受け付けた操作指示に応じて処理が行われる画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット端末に代表される携帯式電子機器が知られている(特許文献1〜4参照)。
【0003】
この携帯式電子機器は、液晶ディスプレイなどの表示部と、画面上に設けられたタッチパネル入力部と、タッチパネル入力部を介して操作指示を受け付けて、その操作指示に応じて表示処理を実行する制御部と、を有する。
【0004】
上記の携帯式電子機器によれば、例えば、操作者は、タッチパネル入力部を用いた入力操作を通じて、画面上に表示された画像の所望の領域を利用した作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−139711号公報
【特許文献2】特開2005−100084号公報
【特許文献3】特開平06−259191号公報
【特許文献4】特開平05−250090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の操作者が1台の機器を同時に使用して作業を行う場合がある。特許文献1〜4に記載された機器においては、ある操作者が作業を行いたい場合に、他の操作者が作業を行っている場合は、他の操作者の作業が終了するのを待つ必要がある。このように、複数の操作者が同時に作業を行うことができないため、作業効率が悪いという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決し、作業効率の向上を図ることができる、画像表示装置、画像表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する制御部と、を有する画像表示装置が提供される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置にて行われる画像表示方法であって、前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する、画像表示方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置のコンピュータに、前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する処理を実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、1台の装置上で、複数の操作者が同時に作業を行うことができるため、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像表示装置にて行われる画像表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態である画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す画像表示装置の第1乃至第4の方向指示ボタンの配置例を示す模式図である。
【図5】図3に示す画像表示装置にて行われる描画方向変更処理の一手順を示すフローチャートである。
【図6A】図5に示す描画方向変更処理の実行前の描画物の表示形態を示す模式図である。
【図6B】図5に示す描画方向変更処理の実行後の描画物の表示形態を示す模式図である。
【図7】描画物天地情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す画像表示装置は、画像を表示する表示部2と、画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部3と、入力部3を介して受け付けた操作指示に基づいて画像に対する処理を実行する制御部1と、を有する。
【0016】
表示部2は、液晶ディスプレイなどに代表されるディスプレイ装置である。この他、表示部2として、プロジェクタなどを用いてもよい。この場合は、プロジェクタからの画像がテーブル上に投射される。
【0017】
入力部3は、例えば、マルチタッチ方式の入力手段であって、複数の操作者からの入力指示を受け付けることができる。このマルチタッチ方式の入力手段は、例えば、タッチパネル上の複数の箇所への接触を同時に検出することができ、それぞれの接触箇所に対して位置や動きを指示することができる。ここで、接触は、指やペンなどの指示体の接触である。
【0018】
入力部3として、指やペンなどの指示体の動きを検出する検出手段を用いてもよい。この検出手段は、例えば、赤外線センサやCCDカメラに代表される撮像手段である。検出手段は、指示体の動きに基づいて、画面またはテーブル上の画像に対する操作指示を出力する。
【0019】
制御部1は、入力部3を介して操作の対象が異なる複数の操作指示を受け付け、各操作指示に応じた処理を並行して実行する。制御部1は、入力部3を介して受け付けた複数の操作指示それぞれの一部を同時に実行してもよい。例えば、各操作者の操作指示は、瞬間に終了するとは限らず、各操作指示の長さも一致するものではない。ある操作者の操作指示は長く、別の操作者の操作指示は短い場合がある。このような各操作指示の一部が重なった場合には、制御部1は、その重なった一部の操作指示を同時に実行してもよい。
【0020】
なお、入力部3が上記検出手段である場合、制御部1は、指示体の特定の動きと操作指示内容とを関連付けた情報を保持しており、この情報を参照して、上記検出手段からの操作指示を判断してもよい。
【0021】
図2は、制御部1の画像表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【0022】
図2を参照すると、入力部3にて操作指示が入力されると(ステップS10)、制御部1が、複数の操作指示を同時に受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、複数の操作指示の同時受付とは、それぞれの操作指示の少なくとも一部が入力部3で同時に受け付けられることを含む。
【0023】
複数の操作指示を同時に受け付けた場合は、制御部1は、各操作指示に基づく処理を同時に実行する(ステップS12)。
【0024】
複数の操作指示の同時受付で無い場合は、制御部1は、受け付けた操作指示に基づく処理を実行する(ステップS13)。
【0025】
上記の画像表示処理によれば、複数の操作者が、画面(またはテーブル)上に表示された画像に対する操作指示を入力部3にて同時に入力した場合、それら操作指示に従った処理が同時に実行される。よって、ある操作者が作業を行いたい場合に、他の操作者が作業を行っている場合でも、他の操作者の作業が終了するのを待つことなく作業を実施することができ、その結果、作業効率が向上する。
【0026】
次に、複数の操作指示の同時受付および同時処理が可能な手法を具体的に説明する。ここでは、入力部3がマルチタッチ方式の入力手段であるものと仮定して動作を説明する。
【0027】
例えば、表示部2が複数のオブジェクトを表示している場合、入力部3は、各オブジェクトに対する入力操作に応じて複数の操作指示を出力する。制御部1は、入力部3から各オブジェクトに対する操作指示(具体的には、指やペンなどの接触)をそれぞれ受け付ける。ここで、1つの画像が複数のパーツ(部品)の画像を含む場合、各パーツそれぞれがオブジェクトとして扱われてもよい。
【0028】
制御部1は、オブジェクト毎に、当該オブジェクトに対する操作指示を判別可能である。具体的には、制御部1は、各オブジェクトの画面(またはテーブル)上の表示位置と各オブジェクトに対する操作指示(接触位置)とに基づいて、それぞれの操作指示がどのオブジェクトに対応するものであるかを判別することができる。
【0029】
各オブジェクトに対する操作指示が同時に入力された場合、制御部1は、各操作指示に基づいて各オブジェクトに対する処理を並行して実行する。
【0030】
オブジェクトに対する処理は、回転、拡大、縮小、移動、色の変更などの処理を含む。
【0031】
回転処理は、指やペンなどの接触を介して指示された方向にオブジェクトを回転させる処理である。
【0032】
拡大または縮小の処理は、例えば2本の指の接触箇所の間隔を広げる、または狭める、といった操作指示に応じて、オブジェクトを拡大または縮小する処理である。
【0033】
移動処理は、指やペンなどの接触を介して指示された方向にオブジェクトを移動させる処理である。
【0034】
色の変更処理は、指やペンなどの接触を介してオブジェクトの色を所望の色に変更する処理である。この処理では、オブジェクトが指定されるとともに、色選択画面が表示され、その色選択画面から選択された色にオブジェクトの色を変更する。オブジェクト指定、色選択画面の表示、色選択など、いずれも、指やペンなどの接触を介した指示に従って実行される。
【0035】
また、複数の操作指示の同時受付および同時処理が可能な手法として、以下のような別の手法もある。
【0036】
画面が複数の領域に区画されており、入力部3は、各領域に対する操作指示(具体的には、指やペンなどの接触)を出力する。制御部1は、入力部3から各領域に対する操作指示を受け付ける。
【0037】
制御部1は、領域毎に、当該領域に対する操作指示を判別可能である。具体的には、制御部1は、各領域の画面上の位置情報と各領域に対する操作指示(接触位置)とに基づいて、それぞれの操作指示がどの領域に対応するものであるかを判別することができる。
【0038】
複数の領域に対する操作指示が同時に入力された場合、制御部1は、それぞれの操作指示に基づいて、対応する領域に対する処理(回転、拡大、縮小、移動、色の変更などの処理)を並行して実行する。
【0039】
さらに、複数の操作指示の同時受付および同時処理が可能な手法として、以下のようなさらなる別の手法もある。
【0040】
例えば、表示部2が複数の画像をレイヤ別(またはウィンドウ別)に表示している場合、入力部3は、各レイヤに対する操作指示(具体的には、指やペンなどの接触)をそれぞれ出力する。制御部1は、入力部3から各レイヤに対する操作指示を受け付ける。
【0041】
制御部1は、レイヤ毎に、当該レイヤに対する操作指示を判別可能である。具体的には、制御部1は、各レイヤの画面上の位置情報と各レイヤに対する操作指示(接触位置)とに基づいて、それぞれの操作指示がどのレイヤに対応するものであるかを判別することができる。各レイヤが部分的に重なっている場合は、レイヤの表示された領域の位置情報が用いられる。
【0042】
複数のレイヤに対する操作指示が同時に入力された場合、制御部1は、それぞれの操作指示に基づいて、対応するレイヤに対する処理(回転、拡大、縮小、移動、色の変更などの処理)を並行して実行する。
【0043】
さらに、複数の操作指示の同時受付および同時処理が可能な手法として、以下のようなさらなる別の手法もある。
【0044】
入力部3は、画像上の任意に設定された複数の領域それぞれに対する入力操作に応じて複数の操作指示を出力する。ここで、任意の領域は、直線または曲線で囲まれた任意の形状の閉図形(円、楕円、四角形など)を用いて指定される。閉図形は、指などの接触を介して指定される。制御部1は、入力部3から画像上の各任意の領域に対する操作指示を受け付ける。
【0045】
制御部1は、任意の領域毎に、当該任意の領域に対する操作指示を判別可能である。具体的には、制御部1は、各任意の領域の画面上の位置情報と各任意の領域に対する操作指示(接触位置)とに基づいて、それぞれの操作指示がどの任意の領域に対応するものであるかを判別することができる。
【0046】
複数の任意の領域に対する操作指示が同時に入力された場合、制御部1は、それぞれの操作指示に基づいて、対応する任意の領域に対する処理(回転、拡大、縮小、移動、色の変更などの処理)を並行して実行する。
【0047】
上述した各手法は、入力部3として上述の検出手段を用いても実現することができる。この場合は、検出手段は、操作指示を行うための指示体(指やペンなど)の動きを検出し、その検出した動きに応じた操作指示を出力する。制御部1は、検出手段から出力された各操作対象に対する指示体の動きに応じた複数の操作指示を受け付ける。
【0048】
本実施形態の画像表示装置は、タブレット端末や携帯電話端末のような端末装置に適用することができる他、単独で動作する電子機器(例えば、ゲーム機)にも適用することができる。
【0049】
また、本実施形態の画像表示装置は、会議システム、エキスパートシステム(意思決定支援システム)、画像作成システムやCAD(Computer Aided Design)システムなどにも適用することができる。
【0050】
さらに、本実施形態の画像表示装置を適用したシステムとして、KJ法を電子化した複数同時操作システムが考えられる。
【0051】
以下、複数同時操作システムについて簡単に説明する。
【0052】
KJ法では、カードを用いて膨大な情報をまとめる作業が行われる。これに対して、複数同時操作システムでは、1つのテーブル上に表示した画像(カード)が用いられる。テーブルには、カードをまとめる領域と、各操作者がカードを作る領域とが表示される。そして、以下の(1)〜(5)の動作が行われる。
【0053】
(1)各操作者は、自身の作業領域でカード(画像)を作成する。
【0054】
(2)各操作者は、作成したカード(画像)をまとめ領域に抛る。例えば、操作者は、カード(画像)に触れ(選択し)、移動したい方向にドラッグすることで、カード(画像)をまとめ領域に抛る。
【0055】
(3)まとめ担当者は、カード(画像)をまとめ領域の適当な位置に配置する。
【0056】
(4)まとめ領域内のカード(画像)は、他のカード(画像)の追加や検討結果に基づき、随時その位置が変更される。
【0057】
(5)まとめ領域内のカード(画像)の中から似通ったものをいくつかのグループに分ける。このカード(画像)のグループ化においては、グループの階層化を行っても良い。
【0058】
上記の動作(1)〜(5)が同時に行われても良い。
【0059】
また、本実施形態の画像表示装置は、プログラムに従って動作するコンピュータ(CPU:Central Processing unit)を用いて構成されてもよい。プログラムは、少なくとも、制御部1の画像表示処理を、コンピュータに実行させることが可能なものである。プログラムは、記録媒体を用いて提供されてもよく、通信網(例えばインターネット)を介して提供されてもよい。
【0060】
(第2の実施形態)
複数の操作者が画面(または画像が表示されたテーブル)を囲んで四方から入力操作を行って描画物(文字や図形などを含む画像)を書き込む場合、それぞれの操作者が書き込んだ描画物の天地(所定の方向から画面またはテーブルを見た場合の描画物の上下左右の向き)が異なる。このように各描画物の天地が統一されていないため、所定の方向から画面またはテーブルを見た場合に、それぞれの描画物の内容が分かりづらい。
【0061】
図3は、本発明の第2の実施形態である画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【0062】
図3を参照すると、画像表示装置は、制御部1、表示部2、入力部3および記憶部4を有する。記憶部4は、半導体メモリなどに代表される記憶装置である。
【0063】
表示部2および入力部3は、第1の実施形態で説明したものと基本的に同じである。ただし、入力部3は、画面(またはテーブル)の端部領域の上下左右(4辺)に設けられた第1乃至第4の方向指示ボタンを有する。
【0064】
図4に、第1乃至第4の方向指示ボタンの配置例を模式的に示す。
【0065】
図4を参照すると、第1乃至第4の方向指示ボタン31〜34が表示面21の周辺に設けられている。
【0066】
第1の方向指示ボタン31は、表示面21の上側辺部に隣接して配置されている。第1の方向指示ボタン31が押下されると、入力部3は、表示面21の上側辺部の側が描画物の下側とされた描画方向を示す第1の方向指示信号を制御部1に供給する。
【0067】
第2の方向指示ボタン32は、表示面21の下側辺部に隣接して配置されている。第2の方向指示ボタン32が押下されると、入力部3は、表示面21の下側辺部の側が描画物の下側とされた描画方向を示す第2の方向指示信号を制御部1に供給する。
【0068】
第3の方向指示ボタン33は、表示面21の左側辺部に隣接して配置されている。第3の方向指示ボタン33が押下されると、入力部3は、表示面21の左側辺部の側が描画物の下側とされた描画方向を示す第3の方向指示信号を制御部1に供給する。
【0069】
第4の方向指示ボタン34は、表示面21の右側辺部に隣接して配置されている。第4の方向指示ボタン34が押下されると、入力部3は、表示面21の右側辺部の側が描画物の下側とされた描画方向を示す第4の方向指示信号を制御部1に供給する。
【0070】
制御部1は、第1の実施形態で説明した複数の操作指示に基づく各処理を並行に実行する機能に加えて、描画方向決定部11、描画方向変更部12および天地情報作成部13を有する。
【0071】
天地情報作成部13は、基準方向に対する書き込まれた描画物の天地の向き(表示向き)を特定する。例えば、天地情報作成部13は、入力部3を介して画像に対する操作指示を受け付けると、その操作指示の対象である描画物の位置に基づいてその描画物の天地(表示向き)を特定する。
【0072】
具体的には、天地情報作成部13は、描画物が図4に示した表示面21の上下左右の辺部のどの辺部に近いかを判定し、最も近い辺部側を描画物の下側として、基準方向に対する天地の向き(表示向き)を特定する。天地情報作成部13は、描画物毎に、その識別情報と天地の向き(表示向き)を示す情報を含む描画物天地情報41を作成し、その作成した描画物天地情報41を記憶部4に格納する。
【0073】
描画方向決定部11は、入力部3から第1乃至第4の方向指示信号のいずれかの信号を受信すると、その受信した方向指示信号に基づいて描画方向を決定する。
【0074】
描画方向変更部12は、描画方向決定部11で決定した描画方向と記憶部4に格納された描画物天地情報41の各描画物の天地情報とを比較して、天地の向きが描画方向と不一致となった描画物を描画方向に揃うように回転する。
【0075】
次に、描画物の天地の向きを指定された描画方向に揃えるための描画方向変更処理について説明する。
【0076】
図5は、描画方向変更処理の一手順を示すフローチャートである。
【0077】
まず、描画方向決定部11が、表示整形要求として、入力部1から第1乃至第4の方向指示信号のいずれかを受信した否かを判定する(ステップS20)。
【0078】
表示整形要求として第1乃至第4の方向指示信号のいずれかを受信した場合は、描画方向決定部11が、その受信した方向指示信号に従って描画方向(表示向き)を決定する(ステップS21)。
【0079】
次に、描画方向変更部12が、記憶部4に格納された描画物天地情報41から1つの描画物の天地情報を取得し(ステップS22)、その取得した天地情報がステップS21で決定した描画方向(表示向き)と一致するか否かを判定する(ステップS23)。
【0080】
ステップS23の判定において、天地情報が描画方向(表示向き)と一致しなかった場合は、続いて、描画方向変更部12が、描画方向(表示向き)に合わせて描画物を回転する(ステップS24)。
【0081】
ステップS23の判定において、天地情報が描画方向(表示向き)と一致した場合またはステップS24の処理が実行された場合は、続いて、描画方向変更部12が、描画物天地情報41に含まれている全ての描画物の天地情報を確認した否かを判定する(ステップS25)。
【0082】
ステップS25の判定において、まだ確認されていない描画物の天地情報がある場合は、未確認の描画物の天地情報についてステップS22〜S24の処理が実行される。
【0083】
ステップS25の判定において、全ての描画物の天地情報が確認された場合は、描画方向変更処理を終了する。
【0084】
以下、具体例を挙げて、描画方向変更処理を説明する。
【0085】
図6Aに、描画方向変更処理の実行前の描画物の表示形態を示し、図6Bに、描画方向変更処理の実行後の描画物の表示形態を示す。図7に、図6Aに示した表示形態についての描画物天地情報41を示す。
【0086】
図6Aに示す表示形態では、表示面21上に、描画物として「あ」、「い」、「う」の文字が表示されている。文字「あ」は、表示面21の下側辺部が下となるように天地の向きが設定されている。文字「い」は、表示面21の右側辺部が下となるように天地の向きが設定されている。文字「う」は、表示面21の左側辺部が下となるように天地の向きが設定されている。
【0087】
上記の「あ」、「い」、「う」の文字の天地情報が、図7に示すような描画物天地情報41として記憶部4に格納される。図7に示す例では、描画物の識別情報(図中では、「あ」、「い」、「う」で示されている)と天地の向きを示す天地情報(矢印)とが関連付けて格納されている。
【0088】
操作者が第2の方向指示ボタン32を押下すると、第2の方向指示信号が入力部3から制御部1に供給される。制御部1では、第2の方向指示信号に基づいて表示向きが特定され、その特定された表示向き合わせて各描画物の天地の方向が揃えられる。この結果、図6Bに示すように、「あ」、「い」、「う」の各文字が、表示面21の下側辺部が下となるような天地の向きで表示される。
【0089】
上述した描画方向変更処理によれば、天地の方向が異なる複数の描画物を任意の方向に揃えて表示することができるので、描画物の内容を容易に把握することができる。
【0090】
なお、本実施形態において、天地情報作成部13を削除してもよい。この場合は、各操作者が、自身が操作した描画物についての天地情報を、入力部1を用いた入力操作を通じて、記憶部4に登録してもよい。
【0091】
また、本実施形態の画像表示装置は、プログラムに従って動作するコンピュータ(CPU:Central Processing unit)を用いて構成されてもよい。プログラムは、少なくとも、制御部1の画像表示処理や描画方向変更処理を、コンピュータに実行させることが可能なものである。プログラムは、記録媒体を用いて提供されてもよく、通信網(例えばインターネット)を介して提供されてもよい。
【0092】
上述した各実施形態の画像表示装置の一部又は全部は、以下の付記1〜11のような形態をとり得るが、これら形態に限定されない。
(付記1)
画像を表示する表示部と、
前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する制御部と、を有する画像表示装置。
(付記2)
前記制御部は、前記複数の操作指示それぞれの少なくとも一部を同時に実行する、付記1に記載の画像表示装置。
(付記3)
前記画像は複数の操作対象を含み、
前記入力部は、前記複数の操作対象に対する入力操作に応じて前記複数の操作指示を出力する、付記1または2に記載の画像表示装置。
(付記4)
前記複数の操作対象は、複数のパーツの画像、複数の領域、又は、複数のレイヤの画像である、若しくは、それらの2つ以上の組み合わせである、付記3に記載の画像表示装置。
(付記5)
前記複数の領域の少なくとも1つは、任意に設定された領域である、付記4に記載の画像表示装置。
(付記6)
前記入力部は、前記入力操作を行うための複数の指示体との接触を同時に検出するタッチパネルを有し、前記複数の指示体との接触に基づいて前記前記複数の操作指示を出力する、付記1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
(付記7)
前記入力部は、前記入力操作を行うための複数の指示体の動きを検出し、該検出した指示体の動きに基づいて前記複数の操作指示を出力する検出手段を有する、付記1から5のいずれかに記載の画像表示装置。
(付記8)
前記画像上の操作対象である複数の描画物それぞれの基準方向に対する表示の向きを示す天地情報が描画物別に格納された記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、任意の表示の向きへの表示整形を要求する表示整形要求を受け付けると、前記記憶部に格納された前記複数の描画物の天地情報を参照して、前記複数の描画物の表示の向きを前記任意の方向に揃える、付記1から7のいずれかに記載の画像表示装置。
(付記9)
第1の表示向きを指定するための第1の方向指示ボタンと、
前記第1の表示向きとは反対の第2の表示向きを指定するための第2の方向指示ボタンと、
前記第1の表示向きと直交する第3の表示向きを指定するための第3の方向指示ボタンと、
前記第3の表示向きとは反対の第4の表示向きを指定するための第4の方向指示ボタンと、をさらに有し、
前記制御部は、
前記第1乃至第4の方向指示ボタンのいずれかが押下されると、該押下された方向指示ボタンに基づいて描画方向を決定する描画方向決定部と、
前記描画方向決定部で決定した描画方向と前記記憶部に格納された前記複数の描画物の天地情報とを比較し、前記複数の描画物のうち、表示の向きが該描画方向と異なる描画物に対して、該描画物の表示向きを該描画方向に合わせるための回転制御を行う描画方向変更部と、を有する、付記8に記載の画像表示装置。
(付記10)
画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置にて行われる画像表示方法であって、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する、画像表示方法。
(付記11)
画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置のコンピュータに、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する処理を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0093】
1 制御部
2 表示部
3 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する制御部と、を有する画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の操作指示それぞれの少なくとも一部を同時に実行する、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像は複数の操作対象を含み、
前記入力部は、前記複数の操作対象に対する入力操作に応じて前記複数の操作指示を出力する、請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の操作対象は、複数のパーツの画像、複数の領域、又は、複数のレイヤの画像である、若しくは、それらの2つ以上の組み合わせである、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記入力操作を行うための複数の指示体との接触を同時に検出するタッチパネルを有し、前記複数の指示体との接触に基づいて前記前記複数の操作指示を出力する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記入力操作を行うための複数の指示体の動きを検出し、該検出した指示体の動きに基づいて前記複数の操作指示を出力する検出手段を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記画像上の操作対象である複数の描画物それぞれの基準方向に対する表示の向きを示す天地情報が描画物別に格納された記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、任意の表示の向きへの表示整形を要求する表示整形要求を受け付けると、前記記憶部に格納された前記複数の描画物の天地情報を参照して、前記複数の描画物の表示の向きを前記任意の方向に揃える、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
第1の表示向きを指定するための第1の方向指示ボタンと、
前記第1の表示向きとは反対の第2の表示向きを指定するための第2の方向指示ボタンと、
前記第1の表示向きと直交する第3の表示向きを指定するための第3の方向指示ボタンと、
前記第3の表示向きとは反対の第4の表示向きを指定するための第4の方向指示ボタンと、をさらに有し、
前記制御部は、
前記第1乃至第4の方向指示ボタンのいずれかが押下されると、該押下された方向指示ボタンに基づいて描画方向を決定する描画方向決定部と、
前記描画方向決定部で決定した描画方向と前記記憶部に格納された前記複数の描画物の天地情報とを比較し、前記複数の描画物のうち、表示の向きが該描画方向と異なる描画物に対して、該描画物の表示向きを該描画方向に合わせるための回転制御を行う描画方向変更部と、を有する、請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置にて行われる画像表示方法であって、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する、画像表示方法。
【請求項10】
画像を表示する表示部と、前記画像に対する操作を受け取り、該受け取った操作に応じた操作指示を出力する入力部と、を備えた画像表示装置のコンピュータに、
前記入力部から複数の操作指示を受け付け、これら操作指示に基づく複数の処理を並行して実行する処理を実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−174112(P2012−174112A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37147(P2011−37147)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】