説明

画像表示装置、表示制御方法および表示制御プログラム

【課題】 拡大後のプレビュー画像を表示する時間と画質のいずれを優先するかを切り換えること。
【解決手段】 MFPは、アプリケーションデータと縮小画像データとを関連付けて記憶するHDDと、プレビュー画像を表示するLCDと、タッチパネルにより検出される位置の時間的な変化に基づいて、拡大操作を検出する拡大操作検出部11と、縮小画像データから生成された第1表示画像をプレビュー画像として表示する第1画像表示部21と、拡大操作の操作量より定まる倍率に基づいて、縮小画像データとアプリケーションデータのうちから処理対象データを決定する処理対象決定部13と、拡大操作が検出されることに応じて、処理対象データに基づいて第2表示画像を生成する第2表示画像生成部31と、第2表示画像をプレビュー画像として表示する第2画像表示部51と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像表示装置、表示制御方法および表示制御プログラムに関し、特に、データの画像をプレビュー表示する機能を備えた画像表示装置、その画像表示装置で実行される表示制御方法および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機(MFP)で代表される画像形成装置において、機能が多様化しており、特に、画像を形成する対象となるデータを、実際に画像を形成する前に表示し、仕上がり具合を確認するプレビュー機能を有するものがある。画像を形成する対象となるデータが圧縮されている場合、アプリケーションプログラムを起動して伸張しなければならず、伸張処理に時間を要し、画像を表示するまでの待ち時間が発生する。
【0003】
特開平11−345242号公報には、画像データとそのサムネイルを保管しておくメモリ装置と、画像データの処理および画像の出力を行う画像処理装置と、先のメモリ装置と画像処理装置との間で画像データをやりとりする通信手段と、画像データとそのサムネイルを表示するディスプレイ装置を備えた画像表示システムにおいて、既に表示されているサムネイルが選択されると先ずサムネイルを拡大表示し、その拡大された画像を徐々に詳細にしていくことで、最終的にサムネイルの元の画像データを完全に表示することを特徴とする画像表示方法が記載されている。
【0004】
しかしながら、従来の画像表示方法は、サムネイルを拡大表示する場合に、必ず元の画像データを表示する。このため、データが圧縮されている場合にはアプリケーションプログラムを起動してデータのすべてを伸張することになり、元の画像データを完全に表示するまでに待ち時間が発生することに代わりはない。
【特許文献1】特開平11−345242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な画像表示装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な表示制御方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像表示装置は、アプリケーションデータと、アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、プレビュー画像を表示する表示手段と、表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、プレビュー画像の拡大を指示する拡大操作を検出する拡大操作検出手段と、縮小画像データから生成された第1表示画像をプレビュー画像として表示手段に表示する第1画像表示手段と、検出された拡大操作の操作量より定まる倍率に基づいて、縮小画像データと縮小画像データに関連付けられたアプリケーションデータのうちから処理対象データを決定する処理対象決定手段と、拡大操作が検出されることに応じて、決定された処理対象データに基づいて第2表示画像を生成する第2表示画像生成手段と、生成された第2表示画像をプレビュー画像として表示手段に表示する第2画像表示手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、縮小画像データから生成された第1表示画像がプレビュー画像として表示され、拡大操作の操作量より定まる倍率に基づいて、縮小画像データと縮小画像データに関連付けられたアプリケーションデータのうちから処理対象データが決定され、処理対象データに基づいて第2表示画像が生成され、第2表示画像がプレビュー画像として表示される。このため、拡大操作の操作量より定まる倍率に基づいて、縮小画像データとアプリケーションデータのうちから処理対象データが決定される。プレビュー画像の画質を優先してアプリケーションデータからプレビュー画像を生成すれば表示するまでの時間が長くなり、プレビュー画像を表示する時間を優先して縮小画像データからプレビュー画像を生成すれば画質が劣化する。このため、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることができる。その結果、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、第2表示画像生成手段は、操作量に基づき倍率を決定する倍率決定手段と、決定された倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、決定された処理対象データの画像を拡大または縮小する変換手段と、を含む。
【0011】
この局面に従えば、操作量に基づき決定される倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、処理対象データの画像が拡大または縮小される。ユーザーは、表示されたプレビュー画像に基づいて拡大操作を入力するため、プレビュー画像中で、ユーザーの拡大操作に対応した部分を拡大した画像を表示することができる。
【0012】
好ましくは、処理対象決定手段は、操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定し、操作量が第1のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータを処理対象データに決定する。
【0013】
この局面に従えば、倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データが処理対象データに決定され、倍率が第1のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータが処理対象データに決定される。倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、表示速度を優先することができる。一方、倍率が大きい場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいので、アプリケーションデータを拡大または縮小した画像をプレビュー画像とすることにより、解像度の高い画像を表示して画質を優先することができる。
【0014】
好ましくは、処理対象決定手段は、操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定し、操作量により定まる倍率が第1のしきい値より大きい場合は、第2表示画像の予め定められた注目領域についてはアプリケーションデータを処理対象データに決定し、第2表示画像の注目領域以外の周辺領域については縮小画像データを処理対象データに決定する。
【0015】
この局面に従えば、倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データが処理対象データに決定され、倍率が第1のしきい値より大きい場合は、第2表示画像の予め定められた注目領域についてはアプリケーションデータが処理対象データに決定され、第2表示画像の周辺領域については縮小画像データが処理対象データに決定される。倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、表示速度を優先することができる。一方、倍率が大きい場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいが、ユーザーが確認する部分はブレビュー画像の一部である場合が多い。このため、周辺領域は縮小画像データを拡大した画像とし、注目領域についてはアプリケーションデータを拡大または縮小した画像とすることで、アプリケーションデータのうちで処理するデータ量をできるだけ少なくすることができる。その結果、表示速度をできるだけ早くしつつ注目領域の画質が劣化しないようにすることができる。
【0016】
好ましくは、処理対象決定手段は、操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定し、操作量により定まる倍率が第1のしきい値より大きく第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下の場合は、注目領域についてはアプリケーションデータを処理対象データに決定し、処理対象データの画像の注目領域以外の周辺領域については縮小画像データを処理対象データに決定し、操作量により定まる倍率が第2のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータを処理対象データに決定する。
【0017】
この局面に従えば、倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データが処理対象データに決定され、倍率が第1のしきい値より大きく第2のしきい値以下の場合は、注目領域についてはアプリケーションデータが処理対象データに決定され、周辺領域については縮小画像データが処理対象データに決定され、倍率が第2のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータが処理対象データに決定される。倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、表示速度を優先することができる。一方、倍率が中程度の場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいが、ユーザーが確認する部分はブレビュー画像の一部である場合が多い。このため、周辺領域は縮小画像データを拡大した画像とし、注目領域についてはアプリケーションデータを拡大または縮小した画像とすることで、アプリケーションデータのうちで処理するデータ量をできるだけ少なくすることができる。さらに、倍率が大きい場合はユーザーが確認する部分の範囲が大きい場合が多い。このため、アプリケーションデータを拡大または縮小した画像をプレビュー画像とすることで、画質を優先することができる。
【0018】
好ましくは、第2画像生成手段は、操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像中でプレビュー画像と同じ表示サイズの切取領域を決定する切取領域決定手段を含み、決定された処理対象データのうち決定された切取領域に対応する部分に基づいて第2表示画像を生成し、第2画像表示手段は、表示されている第1表示画像に代えて、第2表示画像を表示する。
【0019】
この局面に従えば、操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像中でプレビュー画像と同じ表示サイズの切取領域が決定され、処理対象データのうち切取領域に対応する部分に基づいて第2表示画像が生成される。このため、処理対象とするデータ量を少なくして、プレビュー画像が表示されるまでの時間を短くすることができる。さらに、表示されている第1表示画像に代えて、第2表示画像が表示されるので、プレビュー画像のサイズを一定のサイズとすることができる。
【0020】
好ましくは、拡大操作検出手段は、位置検出手段により同時に異なる2つの位置が検出され、時間の経過に伴って位置検出手段により継続して検出される2つの位置の間の距離が変化する場合に、拡大操作を受け付け、処理対象決定手段は、2つの位置の間の距離の変化量から操作量を決定する。
【0021】
この局面に従えば、同時に異なる2つの位置が検出され、時間の経過に伴って継続して検出される2つの位置の間の距離が変化する場合に、拡大操作が受け付けられ、2つの位置の間の距離の変化量から操作量が決定される。このため、ユーザーは、2つの位置を指示しながら間隔を変化させる操作によって、拡大操作を入力することができる。拡大操作を容易にすることができる。
【0022】
好ましくは、処理対象決定手段は、位置検出手段により同時に検出されていた異なる2つの位置が検出されなくなることに応じて、最後に検出された2つの位置に基づいて変化量を決定する。
【0023】
この局面に従えば、同時に検出されていた異なる2つの位置が検出されなくなることに応じて、最後に検出された2つの位置に基づいて変化量が決定される。このため、2つの位置の指示を終了すれば、操作量が決定されるので、ユーザーは、指示を終了することにより、操作量を入力することができる。
【0024】
この発明の他の局面によれば、表示制御方法は、アプリケーションデータと、アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段と、表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、を備えた画像表示装置で実行される表示制御方法であって、位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、画像の拡大を指示する拡大操作を検出するステップと、縮小画像データを第1表示画像として表示手段に表示するステップと、検出された拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、縮小画像データと縮小画像データに関連付けられたアプリケーションデータとのいずれかを処理対象に決定するステップと、拡大操作が検出されることに応じて、操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像の表示サイズを拡大したサイズに、決定された処理対象を拡大または縮小した画像の少なくとも一部を第2表示画像として生成するステップと、生成された第2表示画像を表示するステップと、を含む。
【0025】
この局面に従えば、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な表示制御方法を提供することができる。
【0026】
この発明のさらに他の局面によれば、表示制御プログラムは、アプリケーションデータと、アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段と、表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、を備えた画像表示装置を制御するコンピュータで実行される表示制御プログラムであって、位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、画像の拡大を指示する拡大操作を検出するステップと、縮小画像データを第1表示画像として表示手段に表示するステップと、検出された拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、縮小画像データと縮小画像データに関連付けられたアプリケーションデータとのいずれかを処理対象に決定するステップと、拡大操作が検出されることに応じて、操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像の表示サイズを拡大したサイズに、決定された処理対象を拡大または縮小した画像の少なくとも一部を第2表示画像として生成するステップと、生成された第2表示画像を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0027】
この局面に従えば、拡大後のプレビュー画像を表示する時間とプレビュー画像の画質のいずれを優先するかを切り換えることが可能な表示制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【図2】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【図3】操作パネルの平面図である。
【図4】MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図5】表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図7】第1の変形例における表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】合成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】プレビュー画像の一例を示す図である。
【図10】注目領域および周辺領域の一例を示す図である。
【図11】合成画像の一例を示す図である。
【図12】第2の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図13】第2の変形例における表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、画像形成装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0031】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0032】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0033】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
【0034】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部116は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部116は、受信されたファクシミリデータをHDD115に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
【0035】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピュータまたは画像形成装置と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0036】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0037】
操作パネル160は、液晶表示装置(LCD)165と、LCD165の表示を制御する表示制御回路161と、VRAM(Video RAM)163と、タッチパネル169と、ハードキー部170と、タッチパネル169およびハードキー部170を制御する入力制御回路167と、を含む。LCD165およびハードキー部170は、MFP100の上面に設けられる。
【0038】
表示制御回路161は、CPU111、VRAM163およびLCD165と接続される。VRAM163は、表示制御回路161の作業領域として用いられ、LCD165に表示する画像を一時記憶する。表示制御回路161は、CPU111により制御されて、LCD165を制御し、LCD165にVRAM163に記憶された画像を表示させる。表示制御回路161は、後述するプレビュー画面をLCD165に表示させる。
【0039】
ハードキー部170は、スタートキーとキーボード呼出キーとを少なくとも含む複数のハードキーを含む。ハードキーは、入力制御回路167に接続され、ユーザーにより押下されている間はON信号を入力制御回路167に出力し、ユーザーにより押下されていない間はOFF信号を入力制御回路167に出力する。
【0040】
タッチパネル169は、LCD165の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネル169は、マルチタッチスクリーンパネルであり、同時に複数の位置がユーザーにより指示される場合、ユーザーにより指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネル169は、LCD165の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル169は、LCD165に重畳して設けられるので、タッチパネル169は、ユーザーがLCD165の表示面を指示すれば、LCD165の表示面中でユーザーが指示した1以上の位置にそれぞれ対応する1以上の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネル169は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
【0041】
入力制御回路167は、ハードキー部170のうちでON信号を出力するハードキーが存在する場合、ON信号を出力するハードキーの識別情報をCPU111に出力する。また、タッチパネル167は、タッチパネル169がユーザーにより指示された1以上の位置を検出する場合、タッチパネル169から出力される1以上の座標をCPU111に出力する。
【0042】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD−ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0043】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピュータがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0044】
図3は、操作パネル160の平面図である。図3を参照して、操作パネル160は、LCD165と、LCD165に重畳して設けられたタッチパネル169と、LCD165の右側および下方に複数のハードキーが配置されたハードキー部170と、を含む。ハードキー部170は、スタートキー171と、プレビューボタン173と、を含む。
【0045】
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。
【0046】
図4を参照して、HDD115は、データ91を記憶する。データ91は、縮小画像データ93とアプリデータ95とを含む。縮小画像データ93は、アプリデータ95の画像を縮小した画像のデータであり、縮小画像データ93とアプリデータ95とは予め関連付けられている。縮小画像データ93は、例えば、サムネイルのデータである。アプリデータ95は、CPU111がアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるデータである。
【0047】
アプリケーションプログラムは、画像データを圧縮および伸張する画像圧縮伸張プログラム、表計算プログラム、文書編集プログラム、ブラウジングプログラム、を含む。ここでは、アプリデータ95は、対応するアプリケーションプログラムが画像圧縮プログラムの場合を例に説明する。この場合、CPU111が画像圧縮伸張プログラムを実行することにより画像データを圧縮したアプリデータ95としてHDD116に記憶され、CPU111が画像圧縮伸張プログラムを実行することによりHDD116に記憶されたアプリデータ95が読み出されて画像データに変換される。したがって、アプリデータの95の画像を表示するためには、CPU111は画像圧縮伸張プログラムを実行しなければならないが、縮小画像データ93の画像を表示するために、CPU111は画像圧縮伸張プログラムを実行する必要はない。なお、データ91が、縮小画像データ93と、アプリデータ95とを含む場合を例に説明するが、縮小画像データ93と、アプリデータ95とが別のファイルであってもよい。この場合、縮小画像データ93と、アプリデータ95とは関連付テーブルなどで互いに関連付けられる。
【0048】
CPU111は、ユーザーにより入力される拡大操作を検出する拡大操作検出部11と、処理対象とするデータ(以下「処理対象データ」という)を決定するための処理対象決定部13と、画像の表示を制御する表示制御部15と、アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部17と、を含む。
【0049】
表示制御部15は、表示制御回路161を制御し、LCD165にプレビュー画像を表示する。プレビュー画像は、HDD115に記憶されたデータ91の画像が画像形成部140により形成される前に、LCD165に表示されるデータ91の画像である。表示制御部15は、第1画像表示部21と、第2画像生成部31と、第2画像表示部51と、を含む。
【0050】
第1画像表示部21は、データ91に含まれる縮小画像データ93から第1表示画像を生成し、表示制御回路161に第1表示画像をプレビュー画像としてLCD165に表示させる。プレビュー画像の表示サイズは予め定められている。また、第1表示画像は、縮小画像データ93から生成されるため、第1画像表示部21が、第1表示画像を生成するまでの時間は、後述する第2画像生成部31がアプリデータ95の画像から第2表示画像を生成する時間よりも短い。このため、第1表示画像をプレビュー画像とする場合、プレビュー画像をLCD165に表示するまでのユーザーの待ち時間を短くすることができる。
【0051】
拡大操作検出部11は、入力制御回路167から1以上の座標が入力される。1以上の座標は、ユーザーが、タッチパネル169を指示した位置の座標である。ユーザーがタッチパネル169の複数の位置を同時に指示する場合、拡大操作検出部11は、入力制御回路167からタッチパネル169の同時に指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標が入力される。
【0052】
拡大操作検出部11は、入力制御回路167から入力される座標の時間的な変化に基づいて、ユーザーによる拡大操作を検出するとともに、操作量を検出する。ここでは、拡大操作を、2本の指で同時に指示し、2本の指で指示する2つの位置の間隔を広げる操作、いわゆるピンチアウト操作とする。逆に、縮小操作を、2本の指で同時に指示し、2本の指で指示する2つの位置の間隔を狭める操作、いわゆるピンチイン操作とする。拡大操作検出部11は、入力制御回路167から入力される2つの座標間の距離の変化に基づいて、拡大操作または縮小操作を検出するとともに、操作量を検出する。操作量Dは、第1の時刻における2つの座標の間隔L1と、第1の時刻より後の第2の時刻における2つの座標の間隔L2とから求められ、操作量Dは、間隔L2から間隔L1を減算した値である。操作量Dが正ならば拡大操作であり、負ならば縮小操作である。第1の時刻は、例えば、入力制御回路167から2つの座標が同時に入力される最初の時とし、第2の時刻は、入力制御回路167から同時に入力される2つの座標間の距離が変化しなくなった時と、すればよい。
【0053】
なお、拡大操作および縮小操作を、ピンチアウト操作およびピンチイン操作に限定するものでなく、1本の指で指示する操作としてもよいし、3本以上の指で指示する操作としてもよい。例えば、1本の指で所定時間同じ位置を指示した後、所定の方向に指をスライドさせる操作を、拡大操作および縮小操作としてもよい。指をスライドさせる方向で、拡大操作と縮小操作とを区別すればよい。また、3本以上の指で同時に指示し、3本以上の指のうち両端の2本の指で指示する2つの位置の間隔を広げる操作を拡大操作とし、狭める操作を縮小操作としてもよい。拡大操作検出部11は、拡大操作を検出すると、操作量を処理対象決定部13に出力する。
【0054】
処理対象決定部13は、拡大操作検出部11から入力される操作量に基づいて、処理対象とされているデータ91に含まれる縮小画像データ93とアプリデータ95のいずれかを処理対象データに決定する。具体的には、処理対象決定部13は、操作量が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93を処理対象データに決定し、操作量が第1のしきい値より大きい場合は、アプリデータ95を処理対象データに決定する。処理対象決定部13は、決定した処理対象データを識別するためのデータ識別情報と操作量とを、第2画像生成部31に出力する。
【0055】
第2画像生成部31は、処理対象決定部13から入力される操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、処理対象決定部13から入力されるデータ識別情報で特定される処理対象データの画像を拡大または縮小した第2表示画像を生成する。第2画像生成部31は、生成された第2表示画像を第2画像表示部51に出力する。
【0056】
第2画像生成部31は、操作量に基づき倍率を決定する倍率決定部33と、切取領域決定部35と、処理対象データの画像を拡大または縮小する変換部37と、を含む。変換部37は、縮小画像データ93を拡大または縮小する拡大部39と、アプリデータ95の画像を縮小または拡大するアプリケーション制御部41と、を含む。
【0057】
倍率決定部33は、処理対象決定部13から入力される操作量に基づき倍率を決定し、決定された倍率を切取領域決定部33および変換部37に出力する。操作量と倍率との関係を予め定めておき、処理対象決定部13から入力される操作量から倍率を決定する。操作量と倍率との関係は、比例する関係が望ましい。例えば、比例係数をCとすれば、倍率=C×操作量となる。なお、比例係数は、これに限定されることなく、操作量に応じて比例係数を変更するようにしてもよい。
【0058】
切取領域決定部35は、倍率決定部33から倍率が入力される。切取領域決定部35は、倍率決定部33から入力される倍率で第1表示画像を拡大した画像中でプレビュー画像の表示サイズと同じ表示サイズの切取領域を決定する。以下、倍率決定部33から入力される倍率で第1表示画像を拡大した画像を拡大画像という。切取領域は、拡大画像中の位置を示す。例えば、切取領域の形状は矩形なので、切取領域は2つの対角それぞれの拡大画像中の座標を含む。拡大画像は、第1表示画像を拡大した画像なので、プレビュー画像よりも表示サイズが大きい。このため、拡大画像中からプレビュー画像の表示サイズと同じ表示サイズの領域を切取領域とすることで、プレビュー画像の表示サイズを一定にすることができる。このように、切取領域を決定する場合は、LCD165に表示されるプレビュー画像の表示サイズを一定にするためである。なお、プレビュー画像の表示サイズを一定にしない場合には、切取領域決定部35は不要である。
【0059】
切取領域決定部35は、決定した切取領域を変換部37に出力する。ここでは、切取領域決定部35は、拡大画像の中心と第1表示画像の中心とが重なる領域を切取領域に決定する。なお、切取領域を、入力制御回路167から入力される2つの座標が移動する方向および距離に基づいて決定するようにしてもよい。例えば、入力制御回路167から入力される2つの座標がともに移動した方向および距離、またはいずれか一方が移動した方向および距離を検出し、拡大画像の中心を、検出された方向および距離だけ拡大画像中で移動させた点を定め、第1表示画像の中心を拡大画像中で移動後の点と合せた時に、拡大画像と、第1表示画像とが重なる領域を切取領域とする。
【0060】
拡大部39は、処理対象決定部13からデータ識別情報が入力され、倍率決定部33から倍率が入力され、切取領域決定部35から切取領域が入力される。拡大部39は、処理対象決定部13から入力されるデータ識別情報が縮小画像データ93を特定する場合、HDD115に記憶されているデータ91に含まれる縮小画像データ93を読出し、読み出された縮小画像データ93に基づいて第2表示画像を生成する。拡大部39は、生成された第2表示画像を、第2画像表示部51に出力する。
【0061】
具体的には、拡大部39は、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、縮小画像データ93を拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像とする。縮小画像データ93の表示サイズが、拡大画像の表示サイズよりも小さい場合には、縮小画像データ93を拡大画像の表示サイズに拡大した画像を生成し、縮小画像データ93の表示サイズが、拡大画像の表示サイズよりも大きい場合には、縮小画像データ93を拡大画像の表示サイズに縮小した画像を生成する。
【0062】
拡大部39は、縮小画像データ93の表示サイズが、拡大画像の表示サイズよりも大きい場合で、かつ、切取領域決定部35から切取領域が入力される場合、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、縮小画像データ93を拡大するための部分倍率を求め、縮小画像データ93中から切取領域に相当する部分を部分倍率で拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像とする。拡大部39が処理対象とするデータの量をできるだけ少なくすることで、拡大部39の負荷を少なくすることができ、第2表示画像を生成する時間を短くすることができる。なお、縮小画像データ93を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大した画像を生成し、生成した画像のうち切取領域の部分を第2表示画像としてもよい。
【0063】
アプリケーション制御部41は、アプリケーション実行部17を制御し、アプリケーション実行部17にアプリデータ95に対応するアプリケーションプログラムを実行させ、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる。アプリケーション制御部41は、処理対象決定部13からデータ識別情報が入力され、倍率決定部33から倍率が入力され、切取領域決定部35から切取領域が入力される。
【0064】
アプリケーション制御部41は、処理対象決定部13から入力されるデータ識別情報がアプリデータ95を特定する場合、HDD115に記憶されているデータ91に含まれるアプリデータ95を読出し、読み出されたアプリデータ95をアプリケーション実行部17に出力し、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる。アプリケーション制御部41は、アプリケーション実行部17により生成されたアプリデータ95の画像に基づいて第2表示画像を生成し、生成された第2表示画像を、第2画像表示部51に出力する。
【0065】
具体的には、アプリケーション制御部41は、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、アプリデータ95の画像を拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像とする。アプリデータ95の画像の表示サイズが、拡大画像の表示サイズよりも小さい場合には、アプリデータ95の画像を拡大画像の表示サイズに拡大した画像を生成し、アプリデータ95の画像の表示サイズが、拡大画像の表示サイズよりも大きい場合には、アプリデータ95の画像を拡大画像の表示サイズに縮小した画像を生成する。
【0066】
アプリケーション制御部41は、切取領域決定部35から切取領域が入力される場合、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる前に、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、アプリデータ95の画像を拡大または縮小するための部分倍率を求め、アプリデータ95の画像で切取領域に相当する部分のみをアプリケーション実行部17に生成させる。そして、アプリケーション制御部41は、生成された画像を部分倍率で拡大または縮小した画像を第2表示画像とする。アプリケーション実行部17が処理対象とするデータの量をできるだけ少なくすることで、アプリケーション実行部17の負荷を少なくすることができ、第2表示画像を生成する時間を短くすることができる。なお、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させ、生成されたアプリデータ95の画像を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち切取領域の部分を第2表示画像としてもよい。
【0067】
第2画像表示部51は、拡大部39またはアプリケーション制御部41のいずれかから第2表示画像が入力されることに応じて、第2表示画像をプレビュー画像として表示制御回路161に出力し、LCD165に表示されている第1表示画像に代えて、第2表示画像をLCD165に表示させる。
【0068】
図5は、表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図5を参照して、CPU111は、プレビュー指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。操作パネル160が備えるハードキー部170が有するプレビューボタン173が押下されたことを検出すると、プレビュー指示を受け付ける。プレビュー指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、プレビュー指示を受け付けると(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。プレビュー指示は、HDD115に記憶されているデータ91の指定を含む。
【0069】
ステップS02においては、データ91に含まれる縮小画像データ93から第1表示画像を生成する。次のステップS03においては、第1表示画像をプレビュー画像としてLCD165に表示する。第1表示画像を表示制御回路161に出力し、LCD165に第1表示画像を表示させる。この段階において、縮小画像データ93から生成された第1表示画像がプレビュー画像としてLCD165に表示される。
【0070】
次のステップS04においては、拡大操作を受け付けたか否かを判断する。入力制御回路167から同時に2つの座標が入力され、2つの座標間の距離が変化する場合に、拡大操作を受け付けたと判断する。拡大操作を受け付けたならば処理をステップS05に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。ステップS05においては、拡大操作の操作量から倍率を決定する。入力制御回路167から同時に入力される2つの座標間の距離の変化に基づいて、操作量を検出する。操作量Dは、第1の時刻における2つの座標の間隔L1と、第1の時刻より後の第2の時刻における2つの座標の間隔L2とを検出し、操作量D=間隔L2―間隔L1を用いて操作量Dを算出する。第1の時刻は、例えば、入力制御回路167から2つの座標が同時に入力される最初の時とし、第2の時刻は、入力制御回路167から同時に入力される2つの座標間の距離が変化しなくなった時と、すればよい。そして、予め定められた操作量と倍率との関係、ここでは、倍率=C×操作量(Cは比例係数)を用いて倍率を決定する。
【0071】
ステップS06においては、切取領域を決定する。ステップS05において決定された倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像中でプレビュー画像の表示サイズと同じ表示サイズの切取領域を決定する。切取領域は、拡大画像中の位置を示す。例えば、切取領域の形状は矩形なので、切取領域は2つの対角それぞれの拡大画像中の座標を含む。
【0072】
次のステップS07においては、ステップS05において決定された倍率をしきい値T1と比較し、比較結果に基づいて処理を分岐させる。倍率がしきい値T1より大きければ処理をステップS08に進め、倍率がしきい値T1以下ならば処理をステップS15に進める。
【0073】
ステップS08においては、アプリデータ95を処理対象に決定する。そして、決定されたアプリデータ95に対応するアプリケーションを起動し(ステップS09)、ステップS06において決定された切取領域の部分の画像を生成させる(ステップS10)。具体的には、アプリデータ95に対応するアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムを実行するタスクに、切取領域を引数として渡し、アプリケーションプログラムを実行するタスクに、アプリデータ95の切取領域に対応する部分の画像を生成させる。そして、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって画像が生成されるまで待機状態となり(ステップS11でNO)、画像が生成されと(ステップS11でYES)、アプリケーションプログラムを実行するタスクから画像を取得する。
【0074】
そして、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって生成された画像を、拡大または縮小する(ステップS12)。プレビュー画像の表示サイズと同じ表示サイズの画像となるように、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって生成された画像を拡大または縮小する。
【0075】
次のステップS13においては、ステップS12によって拡大または縮小された画像を第2表示画像に設定する。次のステップS14においては、第2表示画像をプレビュー画像としてLCD165に表示し、処理をステップS19に進める。第2表示画像を表示制御回路161に出力し、LCD165に第2表示画像を表示させる。この段階において、アプリデータ95から生成された第2表示画像がプレビュー画像としてLCD165に表示される。このため、縮小画像データ93から生成された第1表示画像よりも解像度の高い第2表示画像がプレビュー画像として表示されるので、プレビュー画像を拡大した場合であっても鮮明な画像を表示することができる。
【0076】
一方、ステップS15においては、縮小画像データ93を処理対象データに決定する。そして、縮小画像データ93の画像の切取領域の部分を拡大する(ステップS16)。プレビュー画像の表示サイズと同じ表示サイズの画像となるように、縮小画像データ93の画像の切取領域の部分を拡大する。そして、ステップS16によって拡大または縮小された画像を第2表示画像に設定する(ステップS17)。次のステップS18においては、第2表示画像をプレビュー画像としてLCD165に表示し、処理をステップS19に進める。第2表示画像を表示制御回路161に出力し、LCD165に第2表示画像を表示させる。この段階において、縮小画像データ93から生成された第2表示画像がプレビュー画像としてLCD165に表示される。このため、解像度は低いけれども、プレビュー画像をLCD165に早期に表示することができる。
【0077】
ステップS19においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS04に戻す。
【0078】
ステップS03において表示されるプレビュー画像は、第1表示画像である。第1表示画像は、縮小画像データ93から生成されるため、アプリケーションを起動する必要がなく、第2表示画像をプレビュー画像として表示する場合に比較してLCD165に表示するまでの時間が短い。このため、表示制御処理が実行されてからステップS03において最初にプレビュー画像を表示するまでの時間を、できるだけ短くすることができ、ユーザーの待ち時間を短くすることができる。
【0079】
その後、拡大操作が受け付けられた場合であって、操作量に基づく倍率がしきい値T1より大きい場合には、ステップS14において、LCD165に表示されるプレビュー画像は、アプリデータ95に基づき生成された第2表示画像である。アプリデータ95に基づき生成された第2表示画像は、ステップS03においてLCD165に表示される第1表示画像、またはステップS18においてLCD165に表示され、縮小画像データ93に基づき生成される第2表示画像よりも解像度の高いので、プレビュー画像を拡大表示する場合であっても鮮明な画像を表示することができる。一方、拡大操作が受け付けられた場合であって、操作量に基づく倍率がしきい値T1以下の場合には、ステップS18において、LCD165に表示されるプレビュー画像は、縮小画像データ93から生成される第2表示画像である。アプリケーションを起動する必要がなく、第2表示画像をプレビュー画像として表示する場合に比較してLCD165に表示するまでの時間が短い。また、倍率がしきい値T1以下なので、縮小画像データ93を拡大した画像であっても画質が著しく劣化しない。このため、拡大操作が受け付けられる場合であっても、操作量がしきい値T1以下の場合には、縮小画像データ93から生成される第2表示画像をプレビュー画像として表示し、拡大後のプレビュー画像を表示する時間を、できるだけ短くすることができ、ユーザーの待ち時間を短くすることができる。
【0080】
<第1の変形例>
図6は、第1の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図6に示す機能は、第1の変形例におけるMFP100Aが備えるCPU111Aが、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU111Aにより実現される機能である。
【0081】
図6を参照して、図4に示した機能と異なる点は、処理対象決定部13、第2画像生成部31、変換部37、拡大部39およびアプリケーション制御部41が、処理対象決定部13A、第2画像生成部31A、変換部37A、拡大部39Aおよびアプリケーション制御部41Aに変更された点、合成部43Aが追加された点である。その他の機能は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0082】
処理対象決定部13Aは、拡大操作検出部11から入力される操作量に基づいて、処理対象とされているデータ91に含まれる縮小画像データ93とアプリデータ95のうちから処理対象データを決定する。具体的には、処理対象決定部13Aは、操作量が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93を処理対象データに決定する。また、処理対象決定部13Aは、操作量が第1のしきい値より大きい場合は、注目領域についてはアプリデータ95を処理対象データに決定し、注目領域以外の周辺領域については縮小画像データ93を処理対象データに決定する。注目領域は、プレビュー画像の予め定められた領域であり、周辺領域はプレビュー画像の注目領域以外の領域である。
【0083】
処理対象決定部13Aは、決定した処理対象データを識別するためのデータ識別情報と、操作量と、変換信号と、を第2画像生成部31Aに出力する。変換信号は、操作量が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93を選択する指示を含み、操作量が第1のしきい値より大きい場合は、縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む。
【0084】
第2画像生成部31Aは、処理対象決定部13Aから入力される操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、処理対象決定部13Aから入力されるデータ識別情報で特定される処理対象データの画像を拡大または縮小した第2表示画像を生成する。第2画像生成部31Aは、生成された第2表示画像を第2画像表示部51に出力する。
【0085】
拡大部39Aは、処理対象決定部13Aからデータ識別情報と変換信号が入力され、倍率決定部33から倍率が入力され、切取領域決定部35から切取領域が入力される。拡大部39Aは、処理対象決定部13Aから入力される変換信号が縮小画像データ93を選択する指示を含む場合、HDD115に記憶されているデータ91に含まれる縮小画像データ93を読出し、読み出された縮小画像データ93に基づいて第2表示画像を生成する。拡大部39Aは、生成された第2表示画像を、第2画像表示部51に出力する。拡大部39Aは、切取領域決定部35から切取領域が入力される場合、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、縮小画像データ93を拡大または縮小するための部分倍率を求め、縮小画像データ93中から切取領域に相当する部分を部分倍率で拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像とする。なお、縮小画像データ93を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち切取領域の部分を第2表示画像としてもよい。
【0086】
拡大部39Aは、処理対象決定部13Aから入力される変換信号が縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む場合、HDD115に記憶されているデータ91に含まれる縮小画像データ93を読出し、読み出された縮小画像データ93のうち周辺領域に対応する部分に基づいて第2表示画像の周辺領域の部分を生成する。拡大部39は、生成された第2表示画像の周辺領域の部分を、合成部43Aに出力する。また、拡大部39Aは、切取領域決定部35から切取領域が入力される場合、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、縮小画像データ93を拡大または縮小するための部分倍率を求め、縮小画像データ93中から切取領域かつ周辺領域に対応する部分を部分倍率で拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像の周辺領域部分とする。なお、縮小画像データ93を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち切取領域かつ周辺領域の部分を第2表示画像の周辺領域部分としてもよい。
【0087】
アプリケーション制御部41Aは、アプリケーション実行部17を制御し、アプリケーション実行部17にアプリデータ95に対応するアプリケーションプログラムを実行させ、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる。アプリケーション制御部41Aは、処理対象決定部13Aからデータ識別情報と変換信号が入力され、倍率決定部33から倍率が入力され、切取領域決定部35から切取領域が入力される。
【0088】
アプリケーション制御部41Aは、処理対象決定部13Aから入力される変換信号が縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む場合、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる前に、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、アプリデータ95の画像を拡大または縮小するための部分倍率を求め、アプリデータ95の画像で注目領域に対応する部分のみをアプリケーション実行部17に生成させる。そして、アプリケーション制御部41は、生成された画像を部分倍率で拡大または縮小した画像を第2表示画像の注目領域の部分とする。アプリケーション制御部41Aは、生成された第2表示画像の注目領域の部分を、合成部43Aに出力する。なお、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させ、生成されたアプリデータ95の画像を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち注目領域の部分を第2表示画像の注目領域の部分としてもよい。
【0089】
合成部43Aは、処理対象決定部13Aから縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む変換信号が入力される場合、拡大部39Aから第2表示画像の周辺領域の部分が入力され、アプリケーション制御部41Aから第2表示画像の注目領域の部分が入力される。合成部43Aは、拡大部39Aから入力される第2表示画像の周辺領域の部分と、アプリケーション制御部41Aから入力される第2表示画像の注目領域の部分とを合成した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像として第2画像表示部51に出力する。
【0090】
図7は、第1の変形例における表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7を参照して、第1の変形例における表示制御処理は、図5に示した表示制御処理と異なる点は、ステップS08〜ステップS14に代えて、ステップS51が実行される点である。その他の処理は、図5に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0091】
ステップS51においては、合成処理を実行し、処理をステップS19に進める。図8は、合成処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8を参照して、ステップS31においては、ステップS06において決定された切取領域中で、注目領域と周辺領域とを決定する。注目領域は、切取領域の中心を含む所定の範囲の領域であり、周辺領域は、切取領域中で注目領域以外の領域である。そして、注目領域に対してアプリケーションデータを処理対象に決定し(次のステップS32)、周辺領域に対して縮小画像データを処理対象データに決定する(ステップS33)。
【0092】
次のステップS34においては、処理対象に決定されたアプリデータ95に対応するアプリケーションを起動する。そして、ステップS31において決定された注目領域の部分の画像を生成させる(ステップS35)。具体的には、アプリデータ95に対応するアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムを実行するタスクに、注目領域を引数として渡し、アプリケーションプログラムを実行するタスクに、アプリデータ95の注目領域に対応する部分の画像を生成させる。そして、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって画像が生成されるまで待機状態となり(ステップS36でNO)、画像が生成されと(ステップS36でYES)、アプリケーションプログラムを実行するタスクから画像を取得する。
【0093】
そして、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって生成された画像を、拡大または縮小する(ステップS37)。プレビュー画像の注目領域の表示サイズと同じ表示サイズの画像となるように、アプリケーションプログラムを実行するタスクによって生成された画像を拡大または縮小する。次のステップS38においては、ステップS37によって拡大または縮小された画像を第2表示画像の注目領域の部分に設定する。
【0094】
ステップS39においては、処理対象に決定された縮小画像データ93の画像の周辺領域の部分を拡大する。プレビュー画像の周辺領域の表示サイズと同じ表示サイズの画像となるように、縮小画像データ93の画像の周辺領域の部分を拡大する。そして、ステップS39によって拡大された画像を第2表示画像の周辺領域の部分に設定する(ステップS40)。次のステップS41においては、ステップS38において、注目領域の部分に設定された注目領域の画像と、ステップS40において周辺領域の部分に設定された周辺領域の画像とを合成する。これによって合成画像が生成される。そして、生成された合成画像を第2表示画像に設定する(ステップS42)。第2表示画像をプレビュー画像としてLCD165に表示し、処理を表示制御処理に戻す。第2表示画像を表示制御回路161に出力し、LCD165に第2表示画像を表示させる。
【0095】
この段階において、プレビュー画像は、その注目領域にアプリデータ95から生成された画像を含み、周辺領域は縮小画像データ93から生成された画像を含む。このため、注目領域の解像度は、周辺領域の解像度よりも高くなる。その結果、プレビュー画像を生成する時間をできるだけ短くするとともに、部分的に解像度の高い鮮明な画像を表示することができる。
【0096】
図9は、プレビュー画像の一例を示す図である。図9を参照して、プレビュー画像301は、縮小画像データ93から生成された第1表示画像の場合を示している。プレビュー画像301は、棒グラフが表された領域303と、文字が表された領域305と、円グラフが表された領域307とを含む。プレビュー画像301は、縮小画像データ93から生成された第1表示画像であるため、プレビュー画像301を見るユーザーは、領域303に棒グラフが表されていること、領域305に文字が表されていること、および領域307に円グラフが表されていることを識別することができる。しかしながら、解像度が小さいために、棒グラフの詳細な値を読み取ることはできず、文字を判別することはできず、円グラフの値を読み取ることはできない。なお、プレビュー画像301に切取領域301Aを点線で付しているが、実際には点線は存在しない。
【0097】
図10は、注目領域および周辺領域の一例を示す図である。図10を参照して、外枠311内の中心に注目領域313を示す。外枠311内の注目領域313以外が周辺領域315である。外枠311は、プレビュー画像の外枠である。また、切取領域の外枠でもある。
【0098】
図11は、合成画像の一例を示す図である。図11に示す合成画像321は、図9に示したプレビュー画像301がLCD165に表示された後に、拡大操作が受け付けられ、切取領域301Aが決定された場合にプレビュー画像として表示される合成画像を示している。合成画像321は、注目領域313にアプリデータ95から生成された第2表示画像の注目領域の部分307Aを含み、周辺領域315に縮小画像データ93から生成された第2表示画像の周辺領域の部分305Aを含む。注目領域313に含まれる部分307Aは、図9に示したプレビュー画像301には含まれていなかった円グラフの値を含む。周辺領域315に含まれる部分305Aは、図9に示したプレビュー画像301に含まれていた文字の領域305を拡大した画像であり、図9に示したプエビュー画像301と同様に、文字を判別することはできない画像である。
【0099】
<第2の変形例>
図12は、第2の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図12に示す機能は、第2の変形例におけるMFP100Bが備えるCPU111Bが、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU111Bにより実現される機能である。
【0100】
図12を参照して、図6に示した機能と異なる点は、処理対象決定部13A、第2画像生成部31A、変換部37A、合成部43Aおよびアプリケーション制御部41Aが、処理対象決定部13B、第2画像生成部31B、変換部37B、合成部43Bおよびアプリケーション制御部41Bに変更された点である。その他の機能は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0101】
処理対象決定部13Bは、拡大操作検出部11から入力される操作量に基づいて、処理対象とされているデータ91に含まれる縮小画像データ93とアプリデータ95のうちから処理対象データを決定する。具体的には、処理対象決定部13Bは、操作量が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93を処理対象データに決定する。処理対象決定部13Bは、操作量が第1のしきい値より大きく第1のしきい値より大きな第2のしきい値以下の場合は、注目領域についてはアプリデータ95を処理対象データに決定し、注目領域以外の周辺領域については縮小画像データ93に決定する。さらに、処理対象決定部13Bは、操作量が第2のしきい値より大きい場合は、アプリデータ95を処理対象データに決定する。処理対象決定部13Bは、決定した処理対象データを識別するためのデータ識別情報と、操作量と、変換信号と、を第2画像生成部31Bに出力する。変換信号は、操作量が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93を選択する指示を含み、操作量が第1のしきい値より大きく第2のしきい値以下の場合は、縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含み、操作量が第2のしきい値より大きい場合は、アプリデータ95を選択する指示を含む。
【0102】
第2画像生成部31Bは、処理対象決定部13Bから入力される操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、処理対象決定部13Bから入力されるデータ識別情報で特定される処理対象データの画像を拡大または縮小した第2表示画像を生成する。第2画像生成部31Bは、生成された第2表示画像を第2画像表示部51に出力する。
【0103】
拡大部39Aは、処理対象決定部13Aから入力される変換信号が縮小画像データ93を選択する指示を含む場合、縮小画像データ93に基づいて第2表示画像を生成し、第2表示画像を第2画像表示部51に出力する。拡大部39Aは、処理対象決定部13Aから入力される変換信号が縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む場合、縮小画像データ93に基づいて第2表示画像の周辺領域の部分を生成し、第2表示画像の周辺領域の部分を合成部43Bに出力する。
【0104】
アプリケーション制御部41Bは、アプリケーション実行部17を制御し、アプリケーション実行部17にアプリデータ95に対応するアプリケーションプログラムを実行させ、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる。アプリケーション制御部41Bは、処理対象決定部13からデータ識別情報と変換信号が入力され、倍率決定部33から倍率が入力され、切取領域決定部35から切取領域が入力される。
【0105】
アプリケーション制御部41Bは、処理対象決定部13Bから入力される変換信号が縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む場合、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる前に、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、アプリデータ95の画像を拡大または縮小するための部分倍率を求め、アプリデータ95の画像で注目領域に相当する部分のみをアプリケーション実行部17に生成させる。そして、アプリケーション制御部41は、生成された画像を部分倍率で拡大または縮小した画像を第2表示画像の注目領域の部分とする。アプリケーション制御部41Bは、生成された第2表示画像を、合成部43Bに出力する。なお、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させ、生成されたアプリデータ95の画像を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち注目領域の部分を第2表示画像の注目領域の部分としてもよい。
【0106】
アプリケーション制御部41Bは、処理対象決定部13Bから入力される変換信号がアプリデータ95を選択する指示を含む場合、HDD115に記憶されているデータ91に含まれるアプリデータ95を読出し、読み出されたアプリデータ95をアプリケーション実行部17に出力し、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる。アプリケーション制御部41Bは、アプリケーション実行部17により生成されたアプリデータ95の画像に基づいて第2表示画像を生成し、生成された第2表示画像を、第2画像表示部51に出力する。アプリケーション制御部41Bは、切取領域決定部35から切取領域が入力される場合、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させる前に、拡大画像と同じ表示サイズとなるように、アプリデータ95の画像を拡大または縮小するための部分倍率を求め、アプリデータ95の画像で切取領域に相当する部分のみをアプリケーション実行部17に生成させる。そして、アプリケーション制御部41は、生成された画像を部分倍率で拡大または縮小した画像を第2表示画像とする。なお、アプリケーション実行部17にアプリデータ95の画像を生成させ、生成されたアプリデータ95の画像を、拡大画像と同じ表示サイズとなるように拡大または縮小した画像を生成し、生成した画像のうち切取領域の部分を第2表示画像としてもよい。
【0107】
合成部43Bは、処理対象決定部13Bから縮小画像データ93およびアプリデータ95を選択する指示を含む変換信号が入力される場合、拡大部39Aから第2表示画像の周辺領域の部分が入力され、アプリケーション制御部41Bから第2表示画像の注目領域の部分が入力される。合成部43Bは、拡大部39Aから入力される第2表示画像の周辺領域の部分と、アプリケーション制御部41Bから入力される第2表示画像の注目領域の部分とを合成した画像を生成し、生成した画像を第2表示画像として第2画像表示部51に出力する。
【0108】
図13は、第2の変形例における表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13を参照して、第2の変形例における表示制御処理は、図5に示した表示制御処理と異なる点は、ステップS61およびステップS62が追加された点である。その他の処理は、図5に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0109】
ステップS61においては、ステップS05において決定された倍率をしきい値T2と比較し、比較結果に基づいて処理を分岐させる。しきい値T2は、しきい値T1よりも大きな値である。倍率がしきい値T2より大きければ処理をステップS08に進め、倍率がしきい値T2以下ならば処理をステップS62に進める。
【0110】
すなわち、第2の変形例における表示制御処理においては、ステップS05において決定された倍率がしきい値T2より大きい場合に、ステップS08〜ステップS14が実行され、倍率がしきい値T1より大きくしきい値T2以下の場合に、ステップS62が実行され、倍率がしきい値T1以下の場合に、ステップS15〜ステップS18が実行される。
【0111】
ステップS08〜ステップS14、およびステップS15〜ステップS18の処理は、図5に示した処理と同じである。ステップS62においては、図8に示した合成処理が実行される。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
【0112】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、最初に、縮小画像データ93から生成された第1表示画像をプレビュー画像として表示し、拡大操作が受け付けられると、拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、縮小画像データ93とアプリケーションデータ95のうちから処理対象データを決定し、処理対象データに基づいて第2表示画像を生成し、第2表示画像をプレビュー画像として表示する。
【0113】
倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、縮小画像データを拡大することにより表示速度を優先してプレビュー画像を表示するまでの時間を短くすることができる。一方、倍率が大きい場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいので、アプリケーションデータを拡大または縮小した画像をプレビュー画像とすることにより、解像度の高い画像を表示して画質を優先することができる。このため、倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定して表示速度を優先し、倍率が第1のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータを処理対象データに決定して画質を優先する。その結果、ユーザーの操作に応じて、表示速度と画質のいずれを優先するかを決定することができる。
【0114】
また、操作量に基づき決定される倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、処理対象データの画像を拡大または縮小する。ユーザーは、LCD165に表示されているプレビュー画像を見ながら、拡大操作を入力するので、プレビュー画像中で、ユーザーの操作に対応した部分を拡大した画像を表示することができる。
【0115】
また、操作量に基づき定まる倍率で第1表示画像を拡大した拡大画像中でプレビュー画像と同じ表示サイズの切取領域を決定し、処理対象データのうち切取領域に対応する部分に基づいて第2表示画像を生成する。このため、処理対象とするデータ量を切取領域に対応する部分に限定することで、データ量を少なくして、プレビュー画像が表示されるまでの時間を短くすることができる。さらに、表示されている第1表示画像に代えて、第2表示画像を表示するので、LCD165に表示されるプレビュー画像のサイズを一定のサイズとすることができる。
【0116】
また、タッチパネル169により同時に異なる2つの位置が検出され、時間の経過に伴って継続して検出される2つの位置の間の距離が変化する場合に、拡大操作を検出し、2つの位置の間の距離の変化量から操作量を決定する。このため、ユーザーは、タッチパネル169に2本の指で2つの位置を指示しながら間隔を変化させる操作、いわゆるピンチアウト操作またはピンチイン操作によって、拡大操作または縮小操作を入力することができるので、拡大操作および縮小操作を容易にすることができる。
【0117】
また、タッチパネル169により同時に検出されていた異なる2つの位置が検出されなくなることに応じて、最後に検出された2つの位置に基づいて変化量を決定する。このため、ユーザーは、タッチパネル169から指を離す簡単な操作で、操作量を入力することができる。
【0118】
第1の変形例におけるMFP100は、拡大操作の操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定し、倍率が第1のしきい値より大きい場合は、第2表示画像の予め定められた注目領域についてはアプリケーションデータを処理対象データに決定し、第2表示画像の周辺領域については縮小画像データを処理対象データに決定する。倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、表示速度を優先することができる。一方、倍率が大きい場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいが、ユーザーが確認する部分はブレビュー画像の一部である場合が多い。このため、周辺領域は縮小画像データを拡大した画像とし、注目領域についてはアプリケーションデータを拡大または縮小した画像とすることで、アプリケーションデータのうちで処理するデータ量をできるだけ少なくすることができる。その結果、表示速度をできるだけ早くしつつ注目領域の画質が劣化しないようにすることができる。
【0119】
また、第2の変形例にけるMFP100は、拡大操作の操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、縮小画像データを処理対象データに決定し、倍率が第1のしきい値より大きく第2のしきい値以下の場合は、注目領域についてはアプリケーションデータを処理対象データに決定し、周辺領域については縮小画像データを処理対象データに決定し、倍率が第2のしきい値より大きい場合は、アプリケーションデータを処理対象データに決定する。倍率が小さい場合は縮小画像データを拡大しても画質の劣化は少ないので、表示速度を優先することができる。一方、倍率が中程度の場合は縮小画像データを拡大すると画質の劣化は大きいが、ユーザーが確認する部分はブレビュー画像の一部である場合が多い。このため、周辺領域は縮小画像データを拡大した画像とし、注目領域についてはアプリケーションデータを拡大または縮小した画像とすることで、アプリケーションデータのうちで処理するデータ量をできるだけ少なくすることができる。さらに、倍率が大きい場合はユーザーが確認する部分の範囲が大きい場合が多い。このため、アプリケーションデータを拡大または縮小した画像をプレビュー画像とすることで、画質を優先することができる。
【0120】
なお、上述した実施の形態においては、表示制御装置の一例として、MFP100を例に説明したが、図5、図7または図13に示した表示制御処理を、MFP100に実行させる表示制御方法、または、その表示制御方法をMFP100を制御するCPU111に実行させるための表示制御プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0121】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
100 MFP、11 拡大操作検出部、13,13A,13B 処理対象決定部、15 表示制御部、17 アプリケーション実行部、21 第1画像表示部、31,31A,31B 第2画像生成部、33 倍率決定部、35 切取領域決定部、37,37A,37B 変換部、39,39A 拡大部、41,41A,41B アプリケーション制御部、43A,43B 合成部、51 画像表示部、91 データ、93 縮小画像データ、95 アプリデータ、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、118 CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示制御回路、163 VRAM、165 LCD、167 入力制御回路、169 タッチパネル、170 ハードキー部、171 スタートキー、173 プレビューボタン。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションデータと、前記アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
プレビュー画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、プレビュー画像の拡大を指示する拡大操作を検出する拡大操作検出手段と、
前記縮小画像データから生成された第1表示画像を前記プレビュー画像として前記表示手段に表示する第1画像表示手段と、
前記検出された拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、前記縮小画像データと前記縮小画像データに関連付けられた前記アプリケーションデータのうちから処理対象データを決定する処理対象決定手段と、
前記拡大操作が検出されることに応じて、前記決定された処理対象データに基づいて第2表示画像を生成する第2表示画像生成手段と、
前記生成された第2表示画像を前記プレビュー画像として前記表示手段に表示する第2画像表示手段と、を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記第2表示画像生成手段は、前記操作量に基づき倍率を決定する倍率決定手段と、
前記決定された倍率で前記第1表示画像を拡大した拡大画像と同じ表示サイズに、前記決定された処理対象データの画像を拡大または縮小する変換手段と、を含む、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記処理対象決定手段は、前記操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、前記縮小画像データを前記処理対象データに決定し、前記操作量が第1のしきい値より大きい場合は、前記アプリケーションデータを処理対象データに決定する、請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記処理対象決定手段は、前記操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、前記縮小画像データを前記処理対象データに決定し、前記操作量により定まる倍率が第1のしきい値より大きい場合は、前記第2表示画像の予め定められた注目領域については前記アプリケーションデータを処理対象データに決定し、前記第2表示画像の前記注目領域以外の周辺領域については前記縮小画像データを処理対象データに決定する、請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記処理対象決定手段は、前記操作量により定まる倍率が第1のしきい値以下の場合は、前記縮小画像データを処理対象データに決定し、前記操作量により定まる倍率が前記第1のしきい値より大きく前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下の場合は、注目領域については前記アプリケーションデータを処理対象データに決定し、前記処理対象データの画像の前記注目領域以外の周辺領域については前記縮小画像データを処理対象データに決定し、前記操作量により定まる倍率が第2のしきい値より大きい場合は、前記アプリケーションデータを処理対象データに決定する、請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2画像生成手段は、前記操作量に基づき定まる倍率で前記第1表示画像を拡大した拡大画像中で前記プレビュー画像と同じ表示サイズの切取領域を決定する切取領域決定手段を含み、
前記決定された処理対象データのうち前記決定された切取領域に対応する部分に基づいて第2表示画像を生成し、
前記第2画像表示手段は、前記表示されている第1表示画像に代えて、前記第2表示画像を表示する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記拡大操作検出手段は、前記位置検出手段により同時に異なる2つの位置が検出され、時間の経過に伴って前記位置検出手段により継続して検出される2つの位置の間の距離が変化する場合に、前記拡大操作を受け付け、
前記処理対象決定手段は、前記2つの位置の間の距離の変化量から前記操作量を決定する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記処理対象決定手段は、前記位置検出手段により同時に検出されていた異なる2つの位置が検出されなくなることに応じて、最後に検出された2つの位置に基づいて前記変化量を決定する、請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
アプリケーションデータと、前記アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、を備えた画像表示装置で実行される表示制御方法であって、
前記位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、画像の拡大を指示する拡大操作を検出するステップと、
前記縮小画像データを第1表示画像として前記表示手段に表示するステップと、
前記検出された拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、前記縮小画像データと前記縮小画像データに関連付けられた前記アプリケーションデータとのいずれかを処理対象に決定するステップと、
前記拡大操作が検出されることに応じて、前記操作量に基づき定まる倍率で前記第1表示画像の表示サイズを拡大したサイズに、前記決定された処理対象を拡大または縮小した画像の少なくとも一部を第2表示画像として生成するステップと、
前記生成された第2表示画像を表示するステップと、を含む表示制御方法。
【請求項10】
アプリケーションデータと、前記アプリケーションデータの画像を縮小した縮小画像データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示面のユーザーにより指示された位置を検出する位置検出手段と、を備えた画像表示装置を制御するコンピュータで実行される表示制御プログラムであって、
前記位置検出手段により検出される位置の時間的な変化に基づいて、画像の拡大を指示する拡大操作を検出するステップと、
前記縮小画像データを第1表示画像として前記表示手段に表示するステップと、
前記検出された拡大操作の操作量により定まる倍率に基づいて、前記縮小画像データと前記縮小画像データに関連付けられた前記アプリケーションデータとのいずれかを処理対象に決定するステップと、
前記拡大操作が検出されることに応じて、前記操作量に基づき定まる倍率で前記第1表示画像の表示サイズを拡大したサイズに、前記決定された処理対象を拡大または縮小した画像の少なくとも一部を第2表示画像として生成するステップと、
前記生成された第2表示画像を表示するステップと、を前記コンピュータに実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−76895(P2013−76895A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217417(P2011−217417)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】