説明

画像表示装置及びその駆動方法

【課題】 高ダイナミックレンジの画像表示装置におけるフリッカを低減する。
【解決手段】 表示画像データに基づき光源からの光を第1光変調素子及び第2光変調素子によって変調して画像を表示する画像表示装置の駆動方法であって、該第1光変調素子の各画素に対して上記表示画像データに基づいた所定の駆動信号を印加することによって上記第1光変調素子を極性反転駆動し、該第2光変調素子の上記第1光変調素子に対応する各画素に対して上記第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加することによって上記第2光変調素子を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)、プロジェクタ等の電子画像表示装置における画質改善は目覚しく、解像度、色域については人間の視覚特性にほぼ匹敵する性能を有する装置が実現されつつある。しかし、輝度ダイナミックレンジについてみると、その再現範囲は1〜10[nit]程度の範囲であり、また階調数は8ビットが一般的である。一方、人間の視覚は、一度に知覚し得る輝度ダイナミックレンジの範囲が10−2〜10[nit]程度あり、また輝度弁別能力は0.2[nit]でこれを階調数に換算すると12ビット相当といわれている。このような視覚特性を経由して現在の画像表示装置の表示画像を見ると、輝度ダイナミックレンジの狭さが目立ち、加えてシャドウ部やハイライト部の階調が不足しているため、表示画像のリアリティや迫力に対して物足りなさを感じることになる。
【0003】
また、映画やゲーム等で使用されるCG(Computer Graphics)では、人間の視覚に近い輝度ダイナミックレンジや階調特性を表示画像データ(以下、HDR(High Dynamic Range)表示画像データという。)に持たせて描写のリアリティを追求する動きが主流になりつつある。しかしそれを表示する画像表示装置の性能が不足しているために、CGコンテンツが本来有する表現力を充分に発揮できないという課題がある。
【0004】
さらに、次期OS(Operating System)においては、16ビット色空間の採用が予定されており、現在の8ビット色空間と比較してダイナミックレンジや階調数が飛躍的に増大する。そのため、16ビット色空間を生かすことができる高ダイナミックレンジ・高階調の電子画像表示装置実現への要求が高まると予想される。
【0005】
画像表示装置の中でも、液晶プロジェクタや、DLP(Digital Light Processing、商標)プロジェクタといった投射型表示装置(プロジェクタ)は、大画面表示が可能であり、表示画像のリアリティや迫力を再現する上で効果的な画像表示装置である。この分野では上記の課題を解決するために、以下に述べる提案がなされている。
【0006】
高ダイナミックレンジの画像表示装置としては、例えば、特許文献1に開示されている技術があり、光源と、光の全波長領域の輝度を変調する第2光変調素子と、光の波長領域のうちRGB3原色の各波長領域についてその波長領域の輝度を変調する第1光変調素子とを備え、光源からの光を第2光変調素子で変調して所望の輝度分布を形成し、その光学像を第1光変調素子の表示面に結像して色変調し、2次変調した光を投射するというものである。第2光変調素子及び第1光変調素子の各画素は、HDR表示画像データから決定される第1制御値及び第2制御値に基づいてそれぞれ別個に制御される。光変調素子としては、例えば、透過率が独立に制御可能な画素構造またはセグメント構造を有し、二次元的な透過率分布を制御し得る透過率変調素子が用いられる。その代表例としては、液晶ライトバルブがあげられる。また、透過率変調素子の代わりに反射率変調素子を用いてもよく、その代表例としては、DMD(Digital Micromirror Device)素子があげられる。
【0007】
いま、暗表示の透過率が0.2%、明表示の透過率が60%の光変調素子を使用する場合を考える。光変調素子単体では、輝度ダイナミックレンジは、60/0.2=300となる。上記画像表示装置は、輝度ダイナミックレンジが300の光変調素子を光学的に直列に配置することに相当するので、300×300=90000の輝度ダイナミックレンジを実現することができる。また、階調数についてもこれと同等の考えが成り立ち、8ビット階調の光変調素子を光学的に直列に配置することにより、8ビットを超える階調数を得ることができる。
【0008】
ところで、液晶パネルを変調素子として用いる画像表示装置においては、画質改善のために、駆動信号の残留DC成分に起因するフリッカの低減が求められる。従来の液晶プロジェクタにおいては、例えば特許文献2に示すように、液晶パネルの駆動信号制御において複数の極性反転ドライバを用いることによって液晶パネルの残留DC成分を除去し、これによって、フリッカの発生を抑止している。
【特許文献1】特開2001−100689号公報
【特許文献2】特開平8−122743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2の記載からも分かるように、従来のフリッカを低減するための技術は、第1光変調素子及び第2光変調素子を備える高ダイナミックレンジの画像表示装置に対応して提案されたものではない。
今後、上述のような第1光変調素子及び第2光変調素子を備える高ダイナミックレンジの画像表示装置の普及を促進するためにも、このような高ダイナミックレンジの画像表示装置におけるフリッカを低減する技術が望まれている。
【0010】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、高ダイナミックレンジの画像表示装置におけるフリッカを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、表示画像データに基づき光源からの光を変調して画像を表示する画像表示装置であって、上記光源からの光を変調する第1光変調素子と、該第1光変調素子の各画素に対して上記表示画像データに基づいた所定の駆動信号を印加することによって上記第1光変調素子を極性反転駆動する第1駆動手段と、上記第1光変調素子からの光を変調する第2光変調素子と、該第2光変調素子の上記第1光変調素子に対応する各画素に対して上記第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加することによって上記第2光変調素子を駆動する第2駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このような特徴を有する本発明の画像表示装置によれば、第2光変調素子の第1光変調素子に対応する各画素に対して第1変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加されることによって第2光変調素子が駆動される。
このため、第1変調素子において発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2変調素子において発生し、結果として画像表示装置によって表示された画像におけるフリッカを低減することが可能となる。
【0013】
また、本発明の画像表示装置においては、上記第1駆動手段は、上記第1光変調素子の極性反転周期が上記画像を表示する1フレーム周期となるように上記第1光変調素子を極性反転駆動するという構成を採用することができる。
また、本発明の画像表示装置においては、上記第1駆動手段は、上記第1光変調素子の極性反転周期が上記画像の1水平ライン周期となるように上記第1光変調素子を駆動し、かつ、上記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を上記第1光変調素子の各画素に印加するという構成を採用することもできる。
また、本発明の画像表示装置においては、上記第1駆動手段は、上記第1光変調素子の極性反転周期が上記画像の1垂直ライン周期となるように上記第1光変調素子を駆動し、かつ、上記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を上記第1光変調素子の各画素に印加するという構成を採用することもできる。
また、本発明の画像表示装置においては、上記第1駆動手段は、上記第1光変調素子の極性反転周期が1画素周期となるように上記第1光変調素子を駆動し、かつ、上記画像の1水平ライン周期で前水平ラインと逆の電圧位相の駆動信号を上記第1光変調素子の各画素に印加し、さらに、上記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を上記第1光変調素子の各画素に印加するという構成を採用することもできる。
このような構成を採用する本発明の画像表示装置によれば、上述の種々の構成によって第1光変調素子が極性反転駆動されるとともに、第1光変調素子に印加される駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加される第2変調素子も第1光変調素子と同様に極性反転駆動される。このため、第1光変調素子及び第2光変調素子を介した出力画像の残留DC成分を除去することができる。
【0014】
また、本発明の画像表示装置においては、上記第1光変調素子と上記第2光変調素子とを同数備えるという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、第1光変調素子が複数備えられるような場合であっても、各第1変調素子で発生したフリッカの原因となる残留DC成分を各第2変調素子で発生した逆相のDC成分によって相殺することができる。よって、より確実にフリッカを低減することが可能となる。
【0015】
次に、本発明の画像表示装置の駆動方法は、表示画像データに基づき光源からの光を第1光変調素子及び第2光変調素子によって変調して画像を表示する画像表示装置の駆動方法であって、該第1光変調素子の各画素に対して上記表示画像データに基づいた所定の駆動信号を印加することによって上記第1光変調素子を極性反転駆動し、該第2光変調素子の上記第1光変調素子に対応する各画素に対して上記第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加することによって上記第2光変調素子を駆動することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明の画像表示装置の駆動方法によれば、第2光変調素子の第1光変調素子に対応する各画素に対して第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加されることによって第2光変調素子が駆動される。
このため、第1変調素子において発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2変調素子において発生し、結果として画像表示装置によって表示された画像におけるフリッカを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像表示装置及びその駆動方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の画像表示装置の一例であり、プロジェクタPJ1の主たる光学構成を示す図である。
プロジェクタPJ1は、図1に示すように、光源10と、光源10から入射した光の輝度分布を均一化する均一照明系20と、均一照明系20から入射した光の波長領域のうちのRGB3原色の輝度をそれぞれ変調する色変調部25(第1光変調手段としての3つの透過型液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2光変調手段としての3つの透過型液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを含む)と、色変調部25から入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ110と、を含んで構成されている。
【0018】
光源10は、超高圧水銀ランプやキセノンランプ等からなるランプ11と、ランプ11からの射出光を反射・集光するリフレクタ12とを含んで構成されている。
【0019】
均一照明系20は、フライアイレンズ等からなる2つのレンズアレイ21,22と、偏光変換素子23と、集光レンズ24とを含んで構成されている。そして、光源10からの光の輝度分布を2つのレンズアレイ21,22により均一化し、均一化した光を偏光変換素子23により色変調部の入射可能偏光方向に偏光し、偏光した光を集光レンズ24により集光して色変調部25に射出する。なお、偏光変換素子23は、例えば、PBSアレイと、1/2波長板とで構成されており、ランダム偏光を特定の直線偏光に変換するものである。
【0020】
色変調部25は、光分離手段としての2つのダイクロイックミラー30,35と、3つのミラー(反射ミラー36,45,46)と、5つのフィールドレンズ(レンズ41、リレーレンズ42、平行化レンズ50B,50G,50R)と、3つの第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと、3つの第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rと、クロスダイクロイックプリズム80と、を含んで構成されている。
【0021】
ダイクロイックミラー30,35は、光源10からの光(白色光)を、赤(R)、緑(G)、青(B)のRGB3原色光に分離(分光)するものである。ダイクロイックミラー30は、ガラス板等にB光及びG光を反射し、R光を透過する性質のダイクロイック膜を形成したもので、光源10からの白色光に対して、当該白色光に含まれるB光及びG光を反射し、R光を透過する。ダイクロイックミラー35は、ガラス板等にG光を反射し、B光を透過する性質のダイクロイック膜を形成したもので、ダイクロイックミラー30を透過したG光及びB光のうち、G光を反射して平行化レンズ50Gに伝達し、青色光を透過してレンズ41に伝達する。
【0022】
リレーレンズ42はレンズ41近傍の光(光強度分布)を平行化レンズ50B近傍に伝達するもので、レンズ41はリレーレンズ42に光を効率よく入射させる機能を有する。レンズ41に入射したB光はその強度分布をほぼ保存された状態で、かつ光損失を殆ど伴うことなく空間的に離れた第1液晶ライトバルブ60Bに伝達される。
【0023】
平行化レンズ50B,50G,50Rは対応する液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入射する各色光を略平行化して入射光の角度分布を狭め、液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの表示特性を向上させる機能を有している。そして、ダイクロイックミラー30,35で分光されたRGB3原色の光は、上述したミラー(反射ミラー36,45,46)及びフィールドレンズ(レンズ41、リレーレンズ42、平行化レンズ50B,50G,50R)を介して第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入射する。
【0024】
第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rは、画素電極及びこれを駆動するための薄膜トランジスタ素子や薄膜ダイオード等のスイッチング素子がマトリクス状に形成されたガラス基板と、全面にわたって共通電極が形成されたガラス基板との間にTN型液晶を挟み込むとともに、外面に偏光板を配置したアクティブマトリクス型の液晶表示素子である。
【0025】
また、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rは、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御される。第1液晶ライトバルブ60Bは、入射されたB光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。第1液晶ライトバルブ60Gは、入射されたG光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。第1液晶ライトバルブ60Rは、入射されたR光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。
【0026】
第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rは、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと光学合成位置が一致されたアクティブマトリクス型の液晶表示素子であり、図1に示すように、各第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに対して近接して配置されている。すなわち、本実施形態のプロジェクタPJ1は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rとが同数備えられている。なお、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの配置順は逆であっても良い。
【0027】
また、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rも、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御される。第2液晶ライトバルブ100Bは、第1液晶ライトバルブ60Bから入射されたB光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。第2液晶ライトバルブ100Gは、第1液晶ライトバルブ60Gから入射されたG光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。第2液晶ライトバルブ100Rは、第1液晶ライトバルブ60Rから入射されたR光を表示画像データに基づいて光変調し、光学像を内包した変調光を射出する。
【0028】
ここで、本実施形態のプロジェクタPJ1では、後に詳説するが、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素に対応した第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素に対して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加される。このため、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rにおいて発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rにおいて発生し、結果として、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rから射出された光学像を内包した変調光に含まれるフリッカ成分が低減される。
【0029】
クロスダイクロイックプリズム80は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構造からなり、その内部には、B光を反射する誘電体多層膜(B光反射ダイクロイック膜81)及びR光を反射する誘電体多層膜(R光反射ダイクロイック膜82)が断面X字状に形成されている。そして、第2液晶ライトバルブ100GからのG光を透過し、第2液晶ライトバルブ100RからのR光と第2液晶ライトバルブ100BからのB光とを折り曲げてこれらの3色の光を合成し、カラー画像を形成する。
【0030】
投射レンズ110は、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rから伝達された光学像を図示しないスクリーン上に投射してカラー画像を表示する。
【0031】
次に、プロジェクタPJ1の全体的な光伝達の流れを説明する。光源10からの白色光はダイクロイックミラー30,35により赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色光に分光されるとともに、平行化レンズ50B,50G,50Rを含むレンズ及びミラーを介して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入射される。第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入射した各々の色光はそれぞれの波長領域に応じた外部データに基づいて光変調され、光学像を内包した変調光として射出される。第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rからの各変調光は、各第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入射される。第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入射した各々の変調光は、それぞれの波長領域に応じた外部データに基づいてさらに光変調され、光学像を内包した変調光として射出される。そして、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rから入射された変調光は、それぞれクロスダイクロイックプリズム80に入射し、そこで一つの光に合成され、投射レンズ110へ射出される。そして、投射レンズ110において、合成光を図示しないスクリーン上に投射し所望の画像を表示する。
【0032】
このように、プロジェクタPJ1では、直列に配置された2つの光変調素子(第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100R)を介して、2段階の画像形成過程によって光源10からの光を変調する。その結果、プロジェクタPJ1は、輝度ダイナミックレンジの拡大と階調数の増大を実現する高ダイナミックレンジのプロジェクタとなる。
【0033】
[液晶ライトバルブの変調の具体例]
次に、表示画像データに基づく第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの変調の具体例について詳しく説明する。
プロジェクタPJ1(図1参照)では、表示画像データから生成された駆動信号で第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを駆動することにより、輝度ダイナミックレンジの拡大と階調数の増大を実現する。液晶ライトバルブの変調制御は、次に説明する表示制御装置(表示制御装置200)によって行う。
【0034】
図2は、表示制御装置200(第1駆動手段及び第2駆動手段)のハードウェア構成を示すブロック図である。
表示制御装置200は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU170と、所定領域にあらかじめCPU170の制御プログラム等を格納しているROM172と、ROM172等から読み出したデータやCPU170の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM174と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F178とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス179で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0035】
I/F178には、外部装置として、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rと、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置182と、外部のネットワーク199に接続するための信号線とが接続されている。
【0036】
記憶装置182は第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを駆動するためのHDR表示画像データを記憶している。
【0037】
HDR表示画像データは、従来のsRGB等の画像フォーマットでは実現できない高い輝度ダイナミックレンジを実現することができる画像データであり、画素の輝度レベルを示す画素値を画像の全画素について格納している。本実施形態では、HDR表示画像データとして、1つの画素についてRGB3原色ごとに輝度レベルを示す画素値を浮動小数点値として格納した形式を用いる。例えば、1つの画素の画素値として(1.2,5.4,2.3)という値が格納されている。
【0038】
ここで、HDR表示画像データにおける画素pの輝度レベルをRp、第2光変調素子の画素pに対応する画素の透過率をT1、第1光変調素子の画素pに対応する画素の透過率をT2とすると、下式(1),(2)が成立する。
Rp = Tp×Rs……(1)
Tp = T1×T2×G……(2)
ただし、上式(1),(2)において、Rsは光源の輝度、Gはゲインであり、いずれも定数である。また、Tpは、光変調率である。
【0039】
なお、HDR表示画像データの生成方法の詳細については、例えば、公知文献3「P.E.Debevec,J.Malik,"Recovering High Dynamic Range Radiance Maps from Photographs",Proceedings of ACM SIGGRAPH97 ,pp.367-378(1997)」に掲載されている。
【0040】
また、記憶装置182は、各第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rごとに、その第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの制御値を登録した制御値登録テーブルを記憶している。
【0041】
図3は、第1液晶ライトバルブ60Rの制御値を登録した制御値登録テーブル420Rのデータ構造を示す図である。
【0042】
制御値登録テーブル420Rには、図3に示すように、液晶ライトバルブ60Rの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、第1液晶ライトバルブ60Rの制御値を登録したフィールドと、第1液晶ライトバルブ60Rの透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
【0043】
図3の例では、第1段目のレコードには、制御値として「0」が、透過率として「0.004」がそれぞれ登録されている。これは、第1液晶ライトバルブ60Rに対して制御値「0」を出力すると、第1液晶ライトバルブ60Rの透過率が0.4%となることを示している。なお、図3は、第1液晶ライトバルブ60Rの階調数が4ビット(0〜15値)である場合の例を示したが、実際には、第1液晶ライトバルブの階調数に相当するレコードが登録される。例えば、階調数が8ビットである場合は、256個のレコードが登録される。
【0044】
また、第1液晶ライトバルブ60B,60Gに対応する制御値登録テーブルのデータ構造については特に図示しないが、制御値登録テーブル420Rと同様のデータ構造を有している。ただし、同一の制御値に対して異なる透過率が登録されている点が制御値登録テーブル420Rと異なる。
【0045】
また、記憶装置182は、各第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rごとに、その第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの制御値を登録した制御値登録テーブル400を記憶している。
【0046】
図4は、第2液晶ライトバルブ100Rの制御値を登録した制御値登録テーブル400Rのデータ構造を示す図である。
【0047】
制御値登録テーブル400Rには、図4に示すように、第2液晶ライトバルブ100Rの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、第2液晶ライトバルブ100Rの制御値を登録したフィールドと、第2液晶ライトバルブ100Rの透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
【0048】
図4の例では、第1段目のレコードには、制御値として「0」が、透過率として「0.003」がそれぞれ登録されている。これは、第2液晶ライトバルブ100Rに対して制御値「0」を出力すると、第2液晶ライトバルブ100Rの透過率が0.3%となることを示している。なお、図4は、第2液晶ライトバルブ100Rの階調数が4ビット(0〜15値)である場合の例を示したが、実際には、第2液晶ライトバルブ100Rの階調数に相当するレコードが登録される。例えば、階調数が8ビットである場合は、256個のレコードが登録される。
【0049】
また、第2液晶ライトバルブ100B,100Gに対応する制御値登録テーブルのデータ構造については特に図示しないが、制御値登録テーブル400Rと同様のデータ構造を有している。ただし、同一の制御値に対して異なる透過率が登録されている点が制御値登録テーブル400Rと異なる。
【0050】
次に、CPU170の構成及びCPU170で実行される処理(本発明の画像表示装置の駆動方法を含む)を説明する。
【0051】
CPU170は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM172の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す表示制御処理を実行するようになっている。
【0052】
図5は、表示制御処理を示すフローチャートである。
【0053】
表示制御処理は、HDR表示画像データに基づいて第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの制御値をそれぞれ決定し、決定した制御値に基づいて生成された駆動信号によって第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを駆動する処理であって、CPU170において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
【0054】
ステップS100では、HDR表示画像データを記憶装置182から読み出す。
【0055】
次いで、ステップS102に移行して、読み出したHDR表示画像データを解析し、画素値のヒストグラムや、輝度レベルの最大値、最小値及び平均値等を算出する。この解析結果は、暗めのシーンを明るくしたり、明るすぎるシーンを暗くしたり、中間部コントラストを協調するなどの自動画像補正に使用したり、トーンマッピングに使用したりするためである。
【0056】
次いで、ステップS104に移行して、ステップS102の解析結果に基づいて、HDR表示画像データの輝度レベルをプロジェクタPJ1の輝度ダイナミックレンジにトーンマッピングする。
【0057】
図6は、トーンマッピング処理を説明するための図である。
【0058】
HDR表示画像データを解析した結果、HDR表示画像データに含まれる輝度レベルの最小値がSminで、最大値がSmaxであるとする。また、プロジェクタPJ1の輝度ダイナミックレンジの最小値がDminで、最大値がDmaxであるとする。図6の例では、SminがDminよりも小さく、SmaxがDmaxよりも大きいので、このままでは、HDR表示画像データを適切に表示することができない。そこで、Smin〜SmaxのヒストグラムがDmin〜Dmaxのレンジに収まるように正規化する。
【0059】
なお、トーンマッピングの詳細については、例えば、公知文献2「F.Drago, K.Myszkowski,T.Annen,N.Chiba,"Adaptive Logarithmic Mapping For Displaying High Contrast Scenes", Eurographics 2003,(2003)」に記載されている。
【0060】
次いで、ステップS106に移行して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの解像度に合わせてHDR画像をリサイズ(拡大または縮小)する。このとき、HDR画像のアスペクト比を保持したままHDR画像をリサイズする。リサイズ方法としては、例えば、平均値法、中間値法、ニアレストネイバー法(最近傍法)が挙げられる。
【0061】
次いで、ステップS108に移行して、リサイズ画像の画素の輝度レベルRp及び光源10の輝度Rsに基づいて、上式(1)により、リサイズ画像の各画素ごとに光変調率Tpを算出する。
【0062】
次いで、ステップS110に移行して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素の透過率T2として初期値(例えば、0.2)を与え、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素の透過率T2を決定する。
【0063】
次いで、ステップS112に移行して、算出した光変調率Tp、決定した透過率T2及びゲインGに基づいて、上式(2)により、各第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの透過率T1を算出する。
【0064】
次いで、ステップS116に移行して、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの画索ごとに、その画索について算出した透過率T1に対応する制御値を制御値登録テーブル(例えば図4に示す400R)から読み出し、読み出した制御値をその画索の制御値として決定する。制御値の続出では、算出した透過率T1に最も近似する透過率を制御値登録テーブルの中から検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。この検索は、例えば、2分探索法を用いて行うことにより高速な検索を実現する。
【0065】
次いで、ステップS120に移行して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの画索ごとに、その画索について算出した透過率T2に対応する制御値を制御値登録テーブル(例えば図3に示す420R)から読出し、読み出した制御値をその画索の制御値として決定する。制御値の続出では、算出した透過率T2に最も近似する透過率を制御値登録テーブルの中から検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読みだす。この検索も、例えば、2分探索法を用いて行うことにより高速な検索を実現する。
【0066】
次いで、ステップS122に移行して、ステップS116,S120で決定した制御値に基づいて駆動信号を生成し、図2に示す第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、本第1実施形態のプロジェクタPJ1においては、CPU170は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの極性反転周期が画像を表示する1フレーム周期となるような駆動信号を生成し、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力する。また、CPU170は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号を生成して第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力する(本発明の画像表示装置の駆動方法)。
【0067】
図7は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの回路構成を示した回路図である。
【0068】
この図に示すように、各液晶ライトバルブは、Xドライバ101とYドライバ102とを備えるとともに、複数の画素回路300がマトリクス状に配置された構成となっている。ここで、画素回路300は、画素トランジスタT0と、当該画素トランジスタT0のソースに入力された駆動信号に応じた電圧を保持する画素コンデンサC0と、当該画素コンデンサC0に保持された電圧を液晶層に印加する画素電極E0とを含んだ構成となっている。
【0069】
そして、Xドライバ101の出力端子X0〜Xnには、画素回路300の各列にそれぞれ対応して設けられたデータ線S0〜Snを介して各列の画素回路300の画素トランジスタT0のソースに駆動信号を供給するためのデータスイッチングトランジスタSTが接続されている。また、データスイッチングトランジスタSTは、駆動信号が直接入力されるデータ入力線103が接続されている。さらに、Yドライバ102の出力端子Y0〜Ynが、画素回路300の各行に対応して設けられた走査線G0〜Gnを介して、各行の画素回路300の画素トランジスタT0のゲートにそれぞれ接続されている。
【0070】
ここで、Yドライバ102によって、例えば、出力端子Y0が選択されると、走査線G0の行に対応する画素回路300の画素トランジスタT0のゲートに選択的に電圧が印加され、走査線G0に接続された画素トランジスタT0がオンになる。次に、Xドライバ101によって、例えば、出力端子X0が選択されると、駆動信号が、スイッチングトランジスタSTを介して、上記Yドライバ102によって選択された走査線G0の行でかつデータ線S0の列に対応した画素回路300の画素トランジスタT0がオン状態となり、駆動信号に応じた電圧がその画素回路300の画素コンデンサC0及び画素電極E0に印加保持される。これによって画素電極E0と共通電極(不図示)との間の液晶が表示状態となる。
【0071】
このような回路構成を有する第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに上述のように、極性反転周期が画像を表示する1フレーム周期となるような駆動信号が入力されると、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素の電圧は、例えば、図8(a)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してプラスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してマイナスに保持される。また、同様の回路構成を有する第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに上述のように、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号が入力されると、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素の電圧は、図8(b)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してマイナスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してプラスに保持される。
【0072】
すなわち、上述のような駆動信号が第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力されることによって、図9に示すように、第1フレームの間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素がプラスに保持されるとともに、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素がマイナスに保持され、第2フレーム間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素がマイナスに保持されるとともに、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素がプラスに保持される。そして、このように、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rが駆動されることによって、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rにおいて発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rにおいて発生し、結果としてプロジェクタPJ1によって表示される画像におけるフリッカを低減することが可能となる。
【0073】
また、本第1実施形態のプロジェクタPJ1では、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rが同数配置されている。このため、各第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rにおいて発生したフリッカの原因となる残留DC成分を各第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rにおいて逆相のDC成分を発生させることによって相殺することができる。したがって、確実に画像におけるフリッカを低減させることができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図10〜図12を参照して説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0075】
本第2実施形態では、図5のステップS122において、CPU170は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの極性反転周期が画像の1水平ライン周期となるように、かつ、画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相となる駆動信号を生成し、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力する。また、CPU170は、上記第1実施形態と同様に、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号を生成して第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力する。
【0076】
そして、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに、画像の1水平ライン周期となるように、かつ、画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相となるような駆動信号が入力されると、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの走査線G0に接続された各画素及び走査線G0から1つおきの走査線(G2等)に接続された各画素の電圧は、例えば、図10(a)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してプラスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してマイナスに保持される。また、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの走査線G1に接続された各画素及び走査線G1から1つおきの走査線に接続された各画素の電圧は、例えば、図10(b)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してマイナスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してプラスに保持される。
【0077】
また、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号が入力されると、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの走査線G0に接続された各画素及び走査線G0から1つおきの走査線(G2等)に接続された各画素の電圧は、例えば、図11(a)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してマイナスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してプラスに保持される。また、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの走査線G1に接続された各画素及び走査線G1から1つおきの走査線に接続された各画素の電圧は、例えば、図11(b)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してプラスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してマイナスに保持される。
【0078】
すなわち、上述のような駆動信号が第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力されることによって、図12に示すように、第1フレームの間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素が1行ごとに極性が反転された状態で保持されるとともに、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が1行ごとに極性が反転されかつ第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素との極性が反転された状態で保持され、第2フレーム間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が第1フレームと極性が反転された状態に保持される。そして、このように、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rが駆動されることによって、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本第2実施形態においては、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が1行ごとに極性が反転駆動されるため、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rにおける残留DC成分を除去することが可能となる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図13〜図16を参照して説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0080】
本第3実施形態では、図5のステップS122において、CPU170は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの極性反転周期が画像の1垂直ライン周期となるように、かつ、画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相となる駆動信号を生成し、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力する。また、CPU170は、上記第1実施形態と同様に、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号を生成して第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力する。
【0081】
このような駆動方法を採用する場合には、1垂直ライン周期で駆動信号を極性反転させる必要がある。このため、図7と同様の回路構成を用いることもできるが、この場合には、駆動信号の電圧振幅が大きくなりかつ位相反転周波数が増大するため、図13に示すように、2本のデータ入力線104,105を備える回路構成を用いることが好ましい。より詳細には、データ入力線104が奇数列の画素回路300と接続されており、データ線105が偶数列の画素回路300と接続されている。
【0082】
そして、このような回路構成を有する第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに極性反転周期が画像の1垂直ライン周期となるように、かつ、画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相となる駆動信号を入力する。具体的には、例えば、駆動信号のうち電圧位相が高い成分を始めデータ入力線104に供給し、駆動信号のうち電圧位相が低い成分を始めデータ入力線105に供給する。そして、1フレーム間後に、データ入力線104,105に入力される駆動信号の電圧位相を反転する。
【0083】
このような場合には、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rのデータ線S0に接続された各画素及びデータ線S0から1つおきのデータ線(S2等)に接続された各画素の電圧は、例えば、図14(a)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してプラスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してマイナスに保持される。また、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rのデータ線S1に接続された各画素及びデータ線S1から1つおきの走査線に接続された各画素の電圧は、例えば、図14(b)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してマイナスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してプラスに保持される。
【0084】
また、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに入力した駆動信号と電圧位相が逆となるような駆動信号が入力されると、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rのデータ線S0に接続された各画素及びデータ線S0から1つおきのデータ線(S2等)に接続された各画素の電圧は、例えば、図15(a)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してマイナスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してプラスに保持される。また、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rのデータ線S1に接続された各画素及びデータ線S1から1つおきのデータ線に接続された各画素の電圧は、例えば、図15(b)のタイミングチャートに示すように、1F(フレーム)の間、基準電圧に対してプラスに保持され、その次ぎの1Fの間、基準電圧に対してマイナスに保持される。
【0085】
すなわち、上述のような駆動信号が第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rに入力されることによって、図16に示すように、第1フレームの間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素が1列ごとに極性が反転された状態で保持されるとともに、第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が1列ごとに極性が反転されかつ第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素との極性が反転された状態で保持され、第2フレーム間、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が第1フレームと極性が反転された状態に保持される。そして、このように、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rと第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rが駆動されることによって、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本第3実施形態においては、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素が1列ごとに極性が反転駆動されるため、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rにおける残留DC成分を除去することが可能となる。
【0086】
なお、上述の第2実施形態及び第3実施形態を組合わせることによって、図17に示すように、1画素周期で第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを極性反転することもできる。このように、1画素周期で第1液晶ライトバルブ60B,60G,60R及び第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rを極性反転させた場合においても、上記第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図18を参照して説明する。なお、本第4実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0088】
図18は、本発明の第4実施形態であるプロジェクタPJ2の主たる光学構成を示す図である。
この図に示すように、本第4実施形態のプロジェクタPJ2は、第2変調素子である第2液晶ライトバルブ100が1つのみ配置された構成を有している。そして、当該第2液晶ライトバルブ100がリレーレンズ90と投射レンズ110との間に配置されている。
ここで、リレーレンズ90は、色変調部25内の各色第1液晶ライトバルブで光変調された第1変調画像と第2液晶ライトバルブで光変調される第2変調画像とを、投射レンズ110に対して光学的に共役位置となるよう配置させた光学レンズ群で構成されている。
【0089】
このような構成を有する本第4実施形態のプロジェクタPJ2においては、クロスダイクロイックプリズム80において合成された合成光の輝度が単一の第2液晶ライトバルブ100において変調される。したがって、プロジェクタPJ2においても、2段階の画像形成過程によって光源10からの光が変調される。その結果、プロジェクタPJ2は、輝度ダイナミックレンジの拡大と階調数の増大を実現する高ダイナミックレンジのプロジェクタとなる。
【0090】
そして、本第4実施形態のプロジェクタPJ2においても、上記第1実施形態と同様、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素に対応した第2液晶ライトバルブ100の各画素に対して、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加される。このため、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rにおいて発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2液晶ライトバルブ100において発生し、結果として、第2液晶ライトバルブ100から射出された光学像を内包した変調光に含まれるフリッカ成分を低減することができる。
【0091】
なお、上述の第1実施形態においては、各第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rに対して第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rが配置された構成であったため、CPU170は、第1液晶ライトバルブ60B,60G,60Rの各画素の透過率T2を決定し、光変調率Tp、決定した透過率T2及びゲインGに基づいて、各第2液晶ライトバルブ100B,100G,100Rの各画素の透過率T1を算出した。これに対し、本第4実施形態のプロジェクタPJ2は、単一の第2液晶ライトバルブ100のみを有しているため、CPU170は、RGB光の各色光に対して決定される透過率T1を平均化することによって得られた透過率を第2液晶ライトバルブ100の透過率として用いる。
なお、本実施形態においては、第2液晶ライトバルブ100をリレーレンズ90と投射レンズ110との間に配置する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2液晶ライトバルブ100をダイクロイックミラー30と均一照明系20との間に配置する構成とすることもできる。
【0092】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図19を参照して説明する。なお、本第5実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0093】
図19は、本発明の第5実施形態であるプロジェクタPJ3の主たる光学構成を示す図である。
この図に示すように、本第5実施形態のプロジェクタPJ3は、第1変調素子である第1液晶ライトバルブ60と第2変調素子である第2液晶ライトバルブ100とが各々1つのみ配置された構成を有している。そして、第1液晶ライトバルブ60あるいは第2液晶ライトバルブ100のいずれか一方において、輝度変調に加えて色変調が行われる。
【0094】
このような構成を有する本第5実施形態のプロジェクタPJ3においても、2段階の画像形成過程によって光源10からの光が変調される。その結果、プロジェクタPJ2は、輝度ダイナミックレンジの拡大と階調数の増大を実現する高ダイナミックレンジのプロジェクタとなる。
【0095】
そして、本第5実施形態のプロジェクタPJ3においても、上記第1実施形態と同様、第1液晶ライトバルブ60の各画素に対応した第2液晶ライトバルブ100の各画素に対して、第1液晶ライトバルブ60の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加される。このため、第1液晶ライトバルブ60において発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2液晶ライトバルブ100において発生し、結果として、第2液晶ライトバルブ100から射出された光学像を内包した変調光に含まれるフリッカ成分を低減することができる。
【0096】
(第6実施形態)
次に、図20を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。なお、本第6実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0097】
図20は、直視型の画像表示装置としての液晶表示装置500の主たる光学構成を示す図である。
図20に示すように、直視型の液晶表示装置500は、第2光変調素子としての透過型の液晶表示パネル501とそれを照明する照明系502およびフレネルレンズ503や光拡散層504等の光学要素から構成されている。
【0098】
照明系502は、光源10と、均一照明系20と、第1光変調素子としての液晶ライトバルブ60と、投射レンズ110とを含んで構成されている。
【0099】
光源10から射出した光束は2枚のレンズアレイ21,22、偏光変換素子23、集光レンズ24が順次設置された均一照明系20に入射し、光束断面における光強度分布が均一化される。偏光変換素子23は例えばPBSアレイと1/2波長板などから構成されており、光源10から射出された不定偏光状態の光束を後段の光学系で利用できる振動方向が一方向に揃った偏光に変換する。
【0100】
均一照明系20を射出した光束は、第1の光変調素子としての液晶ライトバルブ60に入射し、第一の変調を受ける。液晶ライトバルブ60により変調をうけた光束は投射レンズ110により液晶表示パネル501の光入射面に拡大投射され液晶表示パネル501を照明する。照明系502からの射出光束は偏光光束であり、その偏波面は、液晶表示パネル501の入射側偏光板の透過軸と一致している。
【0101】
液晶表示パネル501の手前に配置されるフレネルレンズ503は、照明系502からの射出光束を略平行化して液晶表示パネル501に導き、表示画像の輝度ムラを軽減する。また、液晶表示パネル501の光入射面には光拡散層504が配置されている。光拡散層504は、照明系502からの射出光束を拡散し、配光分布を拡げることにより、表示画像の視野角を拡大する。
【0102】
上記構成の液晶表示装置500では、第1光変調素子としての液晶ライトバルブ60で光学像(画像)を形成した変調光を用いて第2光変調素子としての液晶表示パネル501を照明し、最終的な表示画像をその液晶表示パネル501で形成する。すなわち、直列に配置された2つの光変調素子(液晶ライトバルブ60、液晶表示パネル161)を介して、2段階の画像形成過程によって光源10からの光を変調する。その結果、液晶表示装置500においても、上記実施形態と同様に、輝度ダイナミックレンジの拡大と階調数の増大を実現することができる。
【0103】
そして、本第6実施形態の液晶表示装置500においても、上記第1実施形態と同様、液晶ライトバルブ60の各画素に対応した液晶表示パネル501の各画素に対して、液晶ライトバルブ60の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号が印加される。このため、液晶ライトバルブ60において発生したフリッカの原因となる残留DC成分を相殺する逆相のDC成分が第2液晶表示パネル501において発生し、結果として、液晶表示パネル501において表示される画像におけるフリッカ成分を低減することができる。
【0104】
なお、図20の液晶表示装置500は、照明系502に1枚の液晶ライトバルブ60を配置する構成の例であるが、上述の第1実施形態のプロジェクタPJ1と同様に、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色光毎に液晶ライトバルブを備える3板方式の照明系を用いても構わない。この場合は、均一照明系と液晶ライトバルブとの間にダイクロイックミラー等から構成される光分離手段としての色分離光学系を配置してR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色光毎に光路を分離し、かつ、色光毎の液晶ライトバルブで変調された各色光束を、液晶ライトバルブと投射レンズの間に配置されたクロスダイクロイックプリズム等の色合成光学系で合成してカラー画像を表す光束を形成する。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る画像表示装置及びその駆動方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0106】
例えば、上記実施の形態においては、液晶ライトバルブ60,60B,60G,60R、100B,100G,100R,100及び液晶表示パネル501としてアクティブマトリックス型の液晶表示素子を用いて構成したが、これに限らず、パッシブマトリックス型の液晶表示素子及びセグメント型の液晶表示素子を用いて構成することもできる。アクティブマトリックス型の液晶表示は、精密な階調表示ができるという利点があり、パッシブマトリックス型の液晶表示素子及びセグメント型の液晶表示素子は、安価に製造できるという利点を有する。
【0107】
また、上記各実施の形態において、図5のフローチャートに示す処理を実行するにあたっては、ROM172にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM174に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0108】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0109】
また、上記各実施の形態においては、光源10として白色光を射出する単体の光源を用い、この白色光をRGBの3原色の光に分光するようにしているが、これに限らず、RGBの3原色にそれぞれ対応した、赤色の光を射出する光源、青色の光を射出する光源及び緑色の光を射出する光源の3つの光源を用い、白色光を分光する手段を取り除いた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1実施形態のプロジェクタの主たる光学構成を示す図である。
【図2】表示制御装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】制御値登録テーブルのデータ構造を示す図である。
【図4】制御値登録テーブルのデータ構造を示す図である。
【図5】表示制御処理を示すフローチャート図である。
【図6】トーンマッピング処理を説明するための図である。
【図7】液晶ライトバルブの回路構成を示した図である。
【図8】本発明の第1実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図13】液晶ライトバルブの他の回路構成を示した図である。
【図14】本発明の第3実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第3実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第3実施形態におけるプロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図17】他のロジェクタの駆動方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第4実施形態のプロジェクタの主たる光学構成を示す図である。
【図19】本発明の第5実施形態のプロジェクタの主たる光学構成を示す図である。
【図20】本発明の第6実施形態の液晶表示装置の主たる光学構成を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
PJ1,PJ2,PJ3……プロジェクタ(画像表示装置)、500……液晶表示装置(画像表示装置)、60,60B,60G,60R……第1液晶ライトバルブ(第1光変調素子)、100,100B,100G,100R……第2液晶ライトバルブ(第2光変調素子)、200……表示制御装置(第1駆動手段,第2駆動手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画像データに基づき光源からの光を変調して画像を表示する画像表示装置であって、
前記光源からの光を変調する第1光変調素子と、
該第1光変調素子の各画素に対して前記表示画像データに基づいた所定の駆動信号を印加することによって前記第1光変調素子を極性反転駆動する第1駆動手段と、
前記第1光変調素子からの光を変調する第2光変調素子と、
該第2光変調素子の前記第1光変調素子に対応する各画素に対して前記第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加することによって前記第2光変調素子を駆動する第2駆動手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第1駆動手段は、前記第1光変調素子の極性反転周期が前記画像を表示する1フレーム周期となるように前記第1光変調素子を極性反転駆動することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1駆動手段は、前記第1光変調素子の極性反転周期が前記画像の1水平ライン周期となるように前記第1光変調素子を駆動し、かつ、前記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を前記第1光変調素子の各画素に印加することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1駆動手段は、前記第1光変調素子の極性反転周期が前記画像の1垂直ライン周期となるように前記第1光変調素子を駆動し、かつ、前記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を前記第1光変調素子の各画素に印加することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1駆動手段は、前記第1光変調素子の極性反転周期が1画素周期となるように前記第1光変調素子を駆動し、かつ、前記画像の1水平ライン周期で前水平ラインと逆の電圧位相の駆動信号を前記第1光変調素子の各画素に印加し、さらに、前記画像を表示する1フレーム周期で前フレームと逆の電圧位相の駆動信号を前記第1光変調素子の各画素に印加することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1光変調素子と前記第2光変調素子とを同数備えることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
表示画像データに基づき光源からの光を第1光変調素子及び第2光変調素子によって変調して画像を表示する画像表示装置の駆動方法であって、
該第1光変調素子の各画素に対して前記表示画像データに基づいた所定の駆動信号を印加することによって前記第1光変調素子を極性反転駆動し、
該第2光変調素子の前記第1光変調素子に対応する各画素に対して前記第1光変調素子の各画素に印加された駆動信号と電圧位相が逆の駆動信号を印加することによって前記第2光変調素子を駆動する
ことを特徴とする画像表示装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−30761(P2006−30761A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211413(P2004−211413)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】