説明

画像表示装置管理システム、画像表示装置および管理方法

【課題】会議室や教室に設置された画像表示装置が使用許可時間外に不正に利用されるのを防ぐことができる。
【解決手段】画像表示装置400と、画像表示装置400の起動を通信により制御する制御装置100とを備える画像表示装置管理システムであって、制御装置100は、予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を記憶する使用許可情報記憶部120と、画像表示装置400を起動するための起動信号、及び使用許可情報記憶部120に記憶された使用許可情報を画像表示装置400へ送信する送信部160と、を有し、画像表示装置400は、起動信号及び使用許可情報を受信する受信部450と、受信した起動信号及び使用許可情報に基づいて、使用許可時間内において画像を表示させる制御部417と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置と、前記画像表示装置の起動を通信により制御する制御装置とを備える画像表示装置管理システムに関し、より詳しくは、予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を制御装置から画像表示装置へ送信することにより、当該使用許可時間内のみ画像表示装置に画像を表示させることのできる画像表示装置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議室や教室に設置されたプロジェクターやテレビなどの不正使用を防止する方法として、起動時にパスワードを入力する方法が知られている。また、特許文献1に記載のように、会議室に設置されている機器を会議室毎に集中管理する機器制御システムが知られている。このシステムでは、使用者が会議室の利用予約をした際に当該会議室内の機器が予約されるとともに、会議室の使用時に機器がスタンバイ状態にセッティングされるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−128446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機器の使用時にパスワードを入力させる管理方法では、特定の使用者で使用を続けていると使用者の間でパスワードが実質的に周知となり、返却されないまま他の使用者に使用されてしまうことが課題であった。また、特許文献1に記載のように会議室の予約に連動するシステムでは、会議室内の特定の機器のみを使用したい場合でも会議室を予約する必要があるなど手続きが煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することを目的として、本発明は、一の形態として、画像表示装置と、前記画像表示装置の起動を通信により制御する制御装置とを備える画像表示装置管理システムであって、前記制御装置は、予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を記憶する使用許可情報記憶部と、前記画像表示装置を起動するための起動信号、及び前記使用許可情報記憶部に記憶された前記使用許可情報を前記画像表示装置へ送信する送信部と、を有し、前記画像表示装置は、前記起動信号及び前記使用許可情報を受信する受信部と、受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において画像を表示させる制御部と、を有することを特徴とする画像表示装置管理システムを提供する。
【0006】
このような画像表示装置管理システムによれば、画像表示装置を操作するためのリモートコントローラー(リモコン)などの制御装置に予め使用許可情報を記憶させてから画像表示装置を起動させなければ画像表示装置に画像を表示させることができないので、会議室や教室に設置された画像表示装置が使用許可時間外に不正に利用されるのを防ぐことができる。
【0007】
また、上記画像表示装置管理システムにおいて、前記制御部は、前記使用許可時間の残りが予め定められた時間よりも短くなった場合に、前記使用許可時間の残りが少なくなっていることを示すメッセージを表示させることが好ましい。
【0008】
これにより、使用者に画像表示装置の使用許可時間の終了が近づいていることをより確実に認識させることができる。
【0009】
また、上記画像表示装置管理システムにおいて、前記制御部は、受信した前記使用許可情報に含まれる前記使用許可時間が既に経過している場合に、使用許可時間外であることを示すメッセージを表示させることが好ましい。
【0010】
これにより、画像表示装置が使用許可時間外に利用されるのを防ぐとともに、使用者に対して使用許可情報の再取得を促すことができる。
【0011】
また、上記画像表示装置管理システムにおいて、前記制御部は、前記使用許可時間外である場合に、前記画像データの外部入力を遮断してもよい。
【0012】
これにより、使用許可時間外である場合には外部入力の画像データによる表示ができないので、画像表示装置が使用許可時間外に利用されるのをより確実に防ぐことができる。
【0013】
また、上記画像表示装置管理システムは、前記使用許可情報を生成する使用許可情報生成部と、前記使用許可情報を前記制御装置へ送信する送信部と、を有する使用許可発行装置をさらに備え、前記制御装置は、前記使用許可発行装置から送信される前記使用許可情報を受信する受信部をさらに有し、受信した前記使用許可情報を前記使用許可情報記憶部に記憶させてもよい。
【0014】
これにより、例えば管理すべき画像表示装置が複数ある場合でも、それらの画像表示装置に対する使用許可情報をすべて使用許可発行装置で発行することにより、複数の画像表示装置の使用許可時間の管理を容易に行うことができる。
【0015】
また、上記画像表示装置管理システムにおいて、前記画像表示装置がプロジェクターである場合、当該プロジェクターは、前記画像データに応じた投射画像を投射する投射部をさらに有し、前記制御部は、前記使用許可時間内において投射部に前記投射画像を投射させることが好ましい。
【0016】
これにより、リモコンなどの制御装置に予め使用許可情報を記憶させてからプロジェクターを起動させなければプロジェクターに画像を投射させることができないので、会議室や教室に設置されたプロジェクターが使用許可時間外に不正に利用されるのを防ぐことができる。
【0017】
また、本発明は、他の形態として、制御装置から通信により送信される信号により制御される画像表示装置であって、入力される画像データに応じた画像を表示する表示部と、起動するための起動信号及び予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を前記制御装置から受信する受信部と、受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において前記表示部に前記画像を表示させる制御部と、を備えることを特徴とする画像表示装置を提供する。
【0018】
このような画像表示装置によれば、画像表示装置を操作するためのリモコンなどの制御装置から使用許可時間を含む使用許可情報を予め受信しておかなければ画像表示装置に画像を表示させることができないので、会議室や教室に設置された画像表示装置が使用許可時間外に不正に利用されるのを防ぐことができる。
【0019】
また、本発明は、他の形態として、入力される画像データに応じた画像を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置の起動を通信により制御する制御装置とを備える画像表示システムにおける管理方法であって、前記制御装置は、予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を記憶し、前記画像表示装置を起動するための起動信号、及び前記使用許可情報を前記画像表示装置へ送信し、前記画像表示装置は、前記起動信号及び前記使用許可情報を受信し、受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において画像を表示することを特徴とする管理方法を提供する。
【0020】
このような画像表示システムの管理方法によれば、画像表示装置を操作するためのリモコンなどの制御装置から使用許可時間を含む使用許可情報を予め受信しておかなければ画像表示装置に画像を表示させることができないので、会議室や教室に設置された画像表示装置が使用許可時間外に不正に利用されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る管理装置10の正面図である。
【図2】使用許可情報発行時のリモートコントローラー100および使用許可発行装置200を示す概略構成図である。
【図3】使用許可発行装置200による使用許可情報発行時における動作フローの一例を示す。
【図4】投射動作時のプロジェクター400を示す概略構成図である。
【図5】プロジェクター400の投射動作における動作フローの一例を示す。
【図6】プロジェクター400による使用許可時間のチェック動作時における動作フローの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る管理装置10の正面図である。管理装置10は、図1に示すように、保管ラック11と、操作盤12とを備える。保管ラック11には、複数の(本例では6台の)リモートコントローラー100(100−1、100−2、100−3、100−4、100−5、100−6)が収納されている。また、操作盤12には、使用許可発行装置200が組み込まれており、前面には使用許可発行装置200のユーザーインターフェースである操作部230および表示部260が配されている。
【0024】
なお、リモートコントローラー100(100−1、・・・100−6)は、本発明の制御装置の一例であり、また、後述のプロジェクター400は、本発明の画像表示装置の一例である。そして、上記の管理装置10および6台のリモートコントローラー100(100−1、・・・100−6)と、後述のプロジェクター400は、本発明の画像表示装置管理システムの構成の一例である。なお、本例では、6台のリモートコントローラー100(100−1、・・・100−6)は、いずれも同様の構成および機能を有するものとし、任意の1台を指す場合は「リモートコントローラー100」と称するものとする。
【0025】
本例のシステムでは、複数の会議室の各々に設置されているプロジェクター400のいずれかの使用を希望する使用者は、まず、管理装置10の保管ラック11に収納されているリモートコントローラー100の中から、使用を希望するプロジェクター400に対応するリモートコントローラー100を操作部230の選択ボタン231で選択する。本例では、6つの会議室の各々に1台ずつ設置されているプロジェクター400のそれぞれに1台のリモートコントローラー100が対応している。
【0026】
次に、使用者が操作部230の情報入力ボタン232で使用時間などの情報を入力することにより、使用許可発行装置200から、選択したリモートコントローラー100に対して、プロジェクター400を使用することができる時間である使用許可時間を含む使用許可情報の発行を受ける。そして、使用者は、使用許可情報を記憶させたリモートコントローラー100を持ってプロジェクター400が設置された会議室へ行き、リモートコントローラー100に記憶された使用許可情報をプロジェクター400へと送信してプロジェクター400を使用する。なお、上記使用許可時間は、通常は使用者が入力した使用時間と一致するが、入力した使用時間の一部にすでに他の使用者による使用予約が入っている場合は、その時間を除いた時間を使用許可時間とする使用許可情報が発行されてもよい。
【0027】
図2は、使用許可情報発行時のリモートコントローラー100および使用許可発行装置200を示す概略構成図である。使用許可発行装置200は、操作部230および表示部260に加えて、記憶部210、電源部220、操作受付部240、制御部250、表示部260、使用許可情報生成部270、および送信部280を有する。また、リモートコントローラー100は、受信部110、使用許可情報記憶部120、表示部130、操作部140、操作受付部150、および送信部160を有する。
【0028】
ここでは、図2を参照してリモートコントローラー100および使用許可発行装置200における使用許可情報発行時に機能する構成について説明する。使用許可情報発行時には、使用許可発行装置200では、まず、操作受付部240が使用者による操作部230を通じた上記情報の入力を受け付け、使用許可情報を発行する際のトリガとなる操作信号を制御部250へ送る。
【0029】
記憶部210は、例えば、フラッシュメモリーなどデータの書き換えが可能な不揮発性のメモリーおよびハードディスクにより構成されている。記憶部210は、例えば、それぞれの会議室に設置されているプロジェクター400ついて発行された使用許可情報を記憶する。
【0030】
電源部220は、外部電源300からの交流電力を内蔵するAC/DC変換部(図示せず)にて変圧し、さらに整流および平滑化して安定化させた直流電圧を使用許可発行装置200の各部に供給する。制御部250は、操作受付部240からの操作信号をトリガとして各部を制御する。表示部260は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置であり、使用者が操作部230を通じて入力した内容や、記憶部210が記憶する情報などを表示する。
【0031】
使用許可情報生成部270は、使用者による上記情報の入力に基づいて、使用許可時間を含む使用許可情報を生成する。送信部280は、使用者が選択したリモートコントローラー100に対して使用許可情報生成部270が生成した使用許可情報を送信する。なお、使用許可情報生成部270で生成される使用許可情報には、少なくとも使用許可時間が含まれていればよいが、使用者や使用する会議室に関する情報をさらに含んでもよい。本例において、送信部280は、例えば赤外線通信に対応した通信モジュールであり、リモートコントローラー100における後述の受信部110に対して使用許可情報を含む各種のデータを赤外線信号として送信することができる。
【0032】
一方、リモートコントローラー100では、送信部280から送信された使用許可情報が受信部110で受信され、使用許可情報記憶部120に記憶される。受信部110は、例えば赤外線信号が受信可能な受光素子(光電変換素子)、信号処理回路などで構成される。使用許可情報記憶部120は、例えば、フラッシュメモリーなどデータの書き換えが可能な不揮発性のメモリーである。使用許可情報記憶部120に記憶された使用許可情報は、後述するプロジェクター400の投射動作時にプロジェクター400へ送信される。また、使用許可情報記憶部120に記憶された使用許可情報の内容は、表示部130へ表示されてもよい。
【0033】
図3は、使用許可発行装置200による使用許可情報発行時における動作フローの一例を示す。本フローでは、まず、操作受付部240が、使用者による操作部230を通じた使用許可情報発行のための操作を受け付ける(ステップS110)。例えば、使用者が操作部230を通じてリモートコントローラー100−2を選択し、「会議室Bでプロジェクター400をPM13:00から2時間使用する」旨の内容を入力した場合を例に説明する。この場合、操作受付部240は、上記の入力内容に基づく操作信号を制御部250へ出力する。
【0034】
次に、制御部250は、記憶部210にアクセスして、会議室Bのプロジェクター400に対してPM13:00からPM15:00までの間の使用が可能な使用許可情報がすでに発行されていないかどうかを確認する(ステップS120)。そして、使用者が使用を希望する上記時間帯に使用が可能な使用許可情報が発行されていない場合(ステップS120:YES)は、制御部250は、PM13:00からPM15:00までを使用許可時間とする旨の情報を含む使用許可情報を生成すべき旨の制御信号を使用許可情報生成部270に対して出力する。
【0035】
次に、使用許可情報生成部270は、制御部250から上記制御信号が与えられたことに応じて、PM13:00からPM15:00までを使用許可時間とする使用許可情報を生成する(ステップS130)。そして、送信部280は、使用許可情報生成部270が生成した使用許可情報をリモートコントローラー100−2へ送信する(ステップS140)。
【0036】
一方、PM13:00からPM15:00までの間の少なくとも一部の時間帯に会議室Bのプロジェクター400に対してすでに使用許可時間が設定されている(当該使用許可時間を含む使用許可情報が発行されている)場合(ステップS120:NO)は、制御部250は、表示部260に対し、所定のエラーメッセージを表示すべき旨の制御信号を出力する。そして、表示部260は、制御部250から上記制御信号が与えられたことに応じて、使用者が希望する時間帯に会議室Bのプロジェクター400にはすでに使用予約が入っている旨のメッセージを表示する(ステップS260)。以上により、本動作は終了する。
【0037】
図4は、投射動作時のプロジェクター400を示す概略構成図である。以下において、使用者が会議室においてプロジェクター400によりスクリーンなどの投射面に画像を表示させる投射動作について詳細に説明する。投射動作では、まず、使用者が、リモートコントローラー100を操作して起動信号を送信することにより、プロジェクター400を起動する。より詳しくは、使用者が、リモートコントローラー100上の操作用ボタン(操作部140)によりプロジェクター400の電源投入操作を行う。これにより、操作受付部150で電源投入操作が受け付けられ、操作受付部150によって電源投入操作の操作信号(起動信号)が送信部160に送られる。また、操作受付部150は、上記電源投入操作を受け付けると、使用許可情報記憶部120にアクセスして記憶されている使用許可情報を送信部160へ出力させる。
【0038】
送信部160は、上記操作信号および使用許可情報をプロジェクター400へ送信する。ここで、送信部160は、使用許可情報を電源投入操作の操作信号とともにプロジェクター400へ送信してもよく、また、当該操作信号および使用許可情報を順次に送信してもよい。また、本例に替えて、送信部160は、使用許可情報を受け取った場合のみ、使用許可情報および電源投入操作の操作信号をプロジェクター400へ送信してもよい。送信部160は、例えば、プロジェクター400における後述の受信部450で受信可能な赤外線信号を送信することができる赤外線通信モジュールである。
【0039】
プロジェクター400は、リモートコントローラー100により電源のオン/オフおよび各種操作を行うことができるプロジェクターであり、ランプ410、光学部411、液晶パネル駆動部412、操作受付部413、電源部414、画像処理部415、記憶部416、制御部417、ランプ駆動部419、および受信部450を有する。
【0040】
プロジェクター400は、光源であるランプ410が放射した光を、光の3原色成分(赤色光、青色光、緑色光)に分離し、外部入力により受信部450が受け取った画像データに基づいて生成される画像信号に応じて、光学部411に含まれる光変調素子である各色光用の液晶ライトバルブ(図示せず)により各色の光を変調し、再度合成してスクリーンなどの投射面に投射する、いわゆる「液晶3板式プロジェクター」である。
【0041】
受信部450は、例えば赤外線信号が受信可能な受光素子(光電変換素子)、信号処理回路などを有し、リモートコントローラー100の送信部160から送信される上記起動信号などの各種の操作信号および使用許可情報を受信する。そして、受信部450は、受信した操作信号を操作受付部413へ送り、使用許可情報を記憶部416へ記憶させる。また、受信部450は、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、またはIEEE 802.11gなどの無線LAN規格に対応した無線LANカード、RFIDタグ、IrDA、Bluetooth(登録商標)、USB端子、DV端子など各種の外部インターフェースを有し、投射画像の画像データ(以下、「投射データ」と称する)が外部から入力される。
【0042】
ランプ410は、例えば、高圧水銀ランプや、メタルハライドランプ及びハロゲンランプなどの高輝度が得られる放電式ランプである。光学部411は、ランプ410が放射する白色光を輝度分布の安定した略平行光に変換するインテグレーター光学系と、輝度分布の安定した白色光を赤色、緑色、青色の光成分に分離して各色光用の液晶ライトバルブに供給する分離光学系と、液晶ライトバルブにて各色光毎に画像信号に応じて変調された各色光を、再度合成する合成光学系(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
【0043】
光学部411は、合成光学系から射出されるフルカラーで略平行な変調光を内蔵する投射レンズで拡大した投射光により、投射面にフルカラー映像を投射する。液晶パネル駆動部412は、光学部411の液晶ライトバルブ(図示せず)に対して画像処理部415から入力する画像信号とともに駆動電圧などを供給し、液晶ライトバルブに投射画像を写し出す。
【0044】
操作受付部413は、受信部450が受信したリモートコントローラー100からの操作信号を受け付ける。そして、操作受付部413は、受け付けた操作信号の操作内容を示す信号を制御部417へ送る。
【0045】
電源部414は、操作受付部413が使用者による電源投入操作を受け付けたことに応じて、外部電源300からの電力をプロジェクター400の各部に供給する。より具体的には、電源部414は、外部電源300からの交流電力を内蔵するAC/DC変換部(図示せず)にて変圧し、さらに整流および平滑化して安定化させた直流電圧をプロジェクター400の各部に供給する。
【0046】
ランプ駆動部419は、ランプ410を点灯するために高電圧を発生して放電経路を形成するイグナイター回路(図示せず)と、点灯後の安定した点灯状態を維持するためのバラスト回路(図示せず)とを備えている。なお、ランプ410、光学部411、液晶パネル駆動部412、およびランプ駆動部419は、本発明における投射部の一例であり、以下においてこれらをまとめて示す際は「投射部420」と称する。
【0047】
記憶部416は、リモートコントローラー100から送信された使用許可情報を記憶する。また、記憶部416は、プロジェクター400を起動させるときの起動ルーチンなど、プロジェクター400の動作を制御するための様々なプログラムおよび付随するデータを記憶する。さらに、記憶部416は、受信部450を介して外部から供給される投射データを記憶してもよい。
【0048】
画像処理部415は、外部から受信部450を介して供給される画像データに基づいて投射面に投射させるための画像信号を生成する。より具体的には、画像処理部415は、記憶部416に記憶されている投射データをフレーム単位で読み出して順次に画像信号に変換して投射部420へ出力する。
【0049】
制御部417は、使用者による操作内容を示す信号が操作受付部417から与えられると、当該信号をトリガとしてバスラインBusを介して各部を制御する。また、制御部417は、電源投入時に、記憶部416にアクセスして記憶部416に記憶された使用許可情報の内容を読み出す。そして、制御部417は、読み出した使用許可情報に含まれる使用許可時間内において投射部420に投射画像を投射させる。
【0050】
本例では、制御部417は、現在時刻を計測するRTC(Real Time Clock)を有し、読み出した使用許可情報に含まれる使用許可時間と現在時刻との比較により使用許可時間内であるか否かを判断する。なお、本例に替えて、RTCを制御部417の外部に備えていてもよく、制御部417はBusを経由してRTCから現在時刻を読み出してもよい。
【0051】
一方、使用許可時間が終了した(使用許可時間外となった)場合には、制御部417は、画像処理部415から液晶パネル駆動部412への画像信号の入力を遮断する。したがって、プロジェクター400では、使用許可時間外には、投射面には画像が投射されない。また、これに替えて、使用許可時間外である場合には、制御部417は、受信部450に対して画像データの外部入力を遮断させてもよく、また、ランプ410を消灯してもよい。
【0052】
このように、プロジェクター400は、リモートコントローラー100に予め使用許可情報を記憶させてからプロジェクター400を起動させなければプロジェクター400により画像を投射させることができない。また、リモートコントローラー100から受信した使用許可情報に含まれる使用許可時間内でのみ画像を投射することができ、使用許可時間が終了した後は画像を投射させることができない。したがって、会議室に設置されたプロジェクター400が使用許可時間外に使用されるのを防ぐことができる。
【0053】
また、プロジェクター400では、制御部417は、投射部420に投射画像を投射させている状態において、定期的に使用許可時間を読み出して残り時間をチェックする。そして、使用許可時間の残りが予め定められた時間よりも短くなった場合に、制御部417は、投射部420に、使用許可時間の残りが少なくなっていることを示すメッセージを投射させる。したがって、プロジェクター400の使用者に使用許可時間の終了が近づいていることをより確実に認識させることができる。
【0054】
なお、投射部420によるメッセージの表示に替えて、プロジェクター400本体にLCDなどの表示部を設けて当該表示部にメッセージを表示させてもよく、また、音声や警告ランプにより使用許可時間の残りが少なくなっていることを使用者に認識させてもよい。
【0055】
図5は、プロジェクター400の投射動作における動作フローの一例を示す。本フローでは、まず、使用者がリモートコントローラー100を操作することにより、電源投入操作の操作信号および使用許可情報をプロジェクター400へ順次に送信する(ステップS210)。そして、プロジェクター400で受信された操作信号により電源投入操作が受け付けられ、電源部414によって、プロジェクター400の各部に電力が供給されて起動されるとともに、操作信号に引き続きリモートコントローラー100から送信された使用許可情報が受信部450で受信されて記憶部416に記憶される(ステップS220)。
【0056】
次に、制御部417は、記憶部416にアクセスして記憶部416に記憶された使用許可情報の内容を読み出し、使用許可情報に含まれる使用許可時間と現在時刻とを比較する(ステップS230)。そして、現在時刻が使用許可時間内であれば(ステップS240:YES)、ランプ410を点灯し、投射部420により投射画像を投射させる(ステップS250)。
【0057】
一方、使用許可情報に含まれる使用許可時間が既に経過している場合(ステップS220:NO)、制御部417は、投射部420に、使用許可時間外であることを示すエラーメッセージを投射面に投射させる(ステップS260)。また、このとき、投射面には投射画像は投射されない。以上により、本動作は終了する。
【0058】
図6は、プロジェクター400による使用許可時間のチェック動作時における動作フローの一例を示す。本動作は、投射部420に投射画像を投射させている状態において所定の時間間隔で定期的に行われるものであり、まず、制御部417が、記憶部416にアクセスして読み出した使用許可情報に含まれる使用許可時間をチェックする(ステップS310)。
【0059】
そして、使用許可時間がすでに終了している場合(ステップS310:YES)、制御部417は、記憶部416に記憶されている使用許可情報を消去し(ステップS320)、投射部420による画像の投射を停止させる(ステップS330)。
【0060】
そして、制御部417は、投射部420により、使用許可時間外であることを示すエラーメッセージを一定時間だけ投射面に投射させて(ステップS340)、その後、ランプ410を消灯して投射部420の駆動を停止し、電源部414からの電源の供給を停止させる(ステップS350)。
【0061】
一方、使用許可時間が残っている場合(ステップS310:NO)は、使用許可時間の残りが5分以下でなければ(ステップS360:NO)、そのまま投射部420による画像の投射が続けられるが、使用許可時間の残りが5分以下となっている場合(ステップS360:YES)は、制御部417は、投射部420に、使用許可時間の終了が近づいていることを示す警告メッセージを一定時間だけ投射させる(ステップS370)。その後、使用許可時間の終了まで投射部420による画像の投射が続けられる。以上により、本動作フローは終了する。
【0062】
以上のように、本例の管理装置10、リモートコントローラー100、およびプロジェクター400により構成される画像表示装置管理システムによれば、プロジェクター400を使用するためには、予め対応するリモートコントローラー100に使用許可時間を含む使用許可情報を記憶させておき、プロジェクター400に送信する必要があるので、会議室に設置されたプロジェクター400が使用許可時間外に使用されるのを防ぐことができる。
【0063】
なお、本例では画像表示装置としてプロジェクター400を例に説明したが、プロジェクター400と同様に、会議室に設置されるテレビなどの他の画像表示装置についても、リモートコントローラー100からの使用許可情報に含まれる使用許可時間内のみ画像を表示させるようにしてもよい。
【0064】
(変形例)
上述した実施形態では、光源からの光を光変調部である液晶ライトバルブによって変調し投射する液晶3板式プロジェクターを例示したが、本発明はその他の方式を採用するプロジェクターにも適用することもできる。具体的には、DMD(Digital Micromirror Device)を用いた投射方式、所謂、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式である。すなわち、DLP方式は白色に光るランプの光をレンズで集光してDMDに当て、DMDの個々のミラーがオン状態に傾いているときの光を他のレンズで拡大し、スクリーンに投射する方式であり、本発明はこのような方式のプロジェクターにも適用することができる。
【0065】
また、上述した実施形態では、光源として放電式ランプを用いて投射するプロジェクターを例示したが、本発明は光源としてLED光源やレーザー光源などを用いて投射するプロジェクターにも適用することができる。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0067】
10…管理装置、11…保管ラック、12…操作盤、100…リモートコントローラー、110…受信部、120…使用許可情報記憶部、130…表示部、140…操作部、150…操作受付部、160…送信部、200…使用許可発行装置、210…記憶部、220…電源部、230…操作部、231…選択ボタン、232…情報入力ボタン、240…操作受付部、250…制御部、260…表示部、270…使用許可情報生成部、280…送信部、400…プロジェクター、410…ランプ、411…光学部、412…液晶パネル駆動部、413…操作受付部、414…電源部、415…画像処理部、416…記憶部、417…制御部、419…ランプ駆動部、420…投射部、450…受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される画像データに応じた画像を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置の起動を通信により制御する制御装置とを備える画像表示装置管理システムであって、
前記制御装置は、
予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を記憶する使用許可情報記憶部と、
前記画像表示装置を起動するための起動信号、及び前記使用許可情報記憶部に記憶された前記使用許可情報を前記画像表示装置へ送信する送信部と、
を有し、
前記画像表示装置は、
前記起動信号及び前記使用許可情報を受信する受信部と、
受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において画像を表示させる制御部と、
を有することを特徴とする画像表示装置管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記使用許可時間の残りが予め定められた時間よりも短くなった場合に、前記使用許可時間の残りが少なくなっていることを示すメッセージを表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、受信した前記使用許可情報に含まれる前記使用許可時間が既に経過している場合に、使用許可時間外であることを示すメッセージを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記使用許可時間外である場合に、前記画像データの外部入力を遮断することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示装置管理システム。
【請求項5】
前記使用許可情報を生成する使用許可情報生成部と、
前記使用許可情報を前記制御装置へ送信する送信部と、
を有する使用許可発行装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記使用許可発行装置から送信される前記使用許可情報を受信する受信部をさらに有し、受信した前記使用許可情報を前記使用許可情報記憶部に記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置管理システム。
【請求項6】
前記画像表示装置は、プロジェクターであって、
前記プロジェクターは、
前記画像データに応じた投射画像を投射する投射部をさらに有し、
前記制御部は、前記使用許可時間内において投射部に前記投射画像を投射させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像表示装置管理システム。
【請求項7】
制御装置から通信により送信される信号により制御される画像表示装置であって、
入力される画像データに応じた画像を表示する表示部と、
起動するための起動信号及び予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を前記制御装置から受信する受信部と、
受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において前記表示部に前記画像を表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
入力される画像データに応じた画像を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置の起動を通信により制御する制御装置とを備える画像表示システムにおける管理方法であって、
前記制御装置は、
予め定められた使用許可時間を含む使用許可情報を記憶し、
前記画像表示装置を起動するための起動信号、及び前記使用許可情報を前記画像表示装置へ送信し、
前記画像表示装置は、
前記起動信号及び前記使用許可情報を受信し、
受信した前記起動信号及び前記使用許可情報に基づいて、前記使用許可時間内において画像を表示することを特徴とする管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−100377(P2011−100377A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255797(P2009−255797)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】