画像表示装置
【課題】画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置であって、画像を構成し且つ格子状に配列された複数絵素に含まれた各画素に各々対応する各信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が配列された回路層と、複数色の発光素子が配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子を各々含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層とを備え、各色の発光素子が格子状に配列され、各絵素部に含まれ且つ隣接する2以上の発光素子の配列方向が、複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対し、複数絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられている。
【解決手段】画像表示装置であって、画像を構成し且つ格子状に配列された複数絵素に含まれた各画素に各々対応する各信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が配列された回路層と、複数色の発光素子が配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子を各々含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層とを備え、各色の発光素子が格子状に配列され、各絵素部に含まれ且つ隣接する2以上の発光素子の配列方向が、複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対し、複数絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、カラー画像を表示する画像表示装置では、各絵素が複数の異なる色(RGB)の画素によって構成されている。
【0003】
一般的な画像表示装置では、画像の表示単位となる1つの絵素が複数の画素によって構成されている。そして、正方形の1絵素が赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の画素によって構成され、各画素が縦横比が3:1の長方形であるものが最も多く採用されている。
【0004】
ところで、トップエミッション型のOLED(有機発光ダイオード)を用いた画像表示装置を構成する画素は、トランジスタを含む駆動回路層と、その上の平坦化膜と、平坦化膜上のOLED(すなわち発光素子)を含む発光素子層とで構成されるのが一般的である。そして、駆動回路層と発光素子層はコンタクトホールを介して導通接続されるだけで良いため、駆動回路層の各駆動回路と発光素子層の各画素とが一対一対応していれば良く、形状や位置までが一致しなくても良い(例えば、特許文献1)。
【0005】
この発光素子は、通常、マスクを用いた蒸着やインクジェットを利用した印刷やレーザーを用いた転写などの手法を用いて形成される。但し、ある画素の発光領域(すなわち開口部)に異なる色のOLEDがはみ出して形成されると色ずれや輝度低下が生じる一方、発光領域の一部領域にOLEDが形成されなければ滅点や輝度低下が生じ、何れにしても画質の不良を招く。
【0006】
このため、蒸着、印刷、転写の位置精度および成膜のぼやけを考慮して、隣接する画素の発光領域の間に十分な隙間を設ける必要がある。しかし、この隙間からは光が発せられないため、画面全体に占める発光領域の比率、すなわち各画素の面積に対する各発光領域の面積の比が小さくなってしまう。
【0007】
また、一般にOLEDでは電流に比例した輝度が得られるが、電流密度が小さいほどOLEDに印加される電圧が低く、画像表示装置の寿命が長くなることが知られている。このため、画像表示装置の長寿命化に対しては、各画素でOLEDが発光する領域を大きくすることが重要である。
【0008】
図17は、最も一般的なストライプ状の画素配列を例示する図である。太線で囲まれたRGBの3画素が1つの略正方形の絵素を構成し、当該絵素が格子状に配列されている。すなわち、略正方形の絵素を左右方向に三等分した各領域が各色の画素の領域となっている。
【0009】
ここで、縦横方向における絵素の配列周期(絵素ピッチ)をaとすると、各画素は寸法が縦a、横a/3の長方形のものとなる。
【0010】
このような画素では、蒸着や印刷や転写の精度(位置精度と成膜のぼやけとを含む)すなわち生じうる最大誤差をxとすると、OLEDの形成の過不足による不具合を回避するためには、各画素の発光領域を縦横それぞれ隣接画素の発光領域から2xだけ離す必要がある。このため、1画素の発光領域は、最大で(a/3−2x)×(a−2x)となる。そして、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmの場合、x=0.1aとなり、開口率(1画素中に占める発光領域の割合)は、最大で0.32となる。したがって、画面上で実際に光を発する部分の面積は最大の場合でも画面全体の面積に対して1/3未満に過ぎず、残りの2/3以上の部分は光を発しない。
【0011】
一般的なストライプ状の画素配列では、各画素が細長くなるため、画面を占める発光領域の比率が小さくなる。
【0012】
そこで、上記問題に対して、絵素の寸法に対して発光部の面積を増大させるための技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0013】
図18は、特許文献1に係る画素配列を示す図である。太線で囲まれたデルタ状に配置されているRGBの3画素が1つの絵素を構成している。ここで、縦横方向における絵素の配列周期をaとすると、各画素の寸法が縦a/2、横2a/3となり、上記ストライプ状の画素配列よりも各画素の形状が正方形に近づくため、開口率も高くなる。
【0014】
このような画素では、OLEDの形成の過不足による不具合を回避しつつ、1画素の発光領域としては最大で(2a/3−2x)×(a/2−2x)のものが得られ、x=0.1aであれば、開口率としては最大で0.42のものが得られる。
【0015】
図19は、特許文献2に係る画素配列を示す図である。ここでは、太線で囲まれた相互に横方向に隣接配置されたRGBの3画素が1つの絵素を構成しているが、左右に隣接し合う絵素ごとにRGBの配列が逆転している。このような構成では、絵素を跨いで左右に隣接し合う赤色の2画素または青色の2画素を、1個の蒸着マスクの開口部を介して蒸着することも可能となり、同時に蒸着される2画素間における蒸着のずれを無視することができる。
【0016】
蒸着では、一般に異なる色を1つの蒸着マスクをずらしつつ蒸着するため、各色の蒸着領域は一定距離だけずらすと正確に重畳し合うようになっていなければならない。したがって、図19で示した画素配列では蒸着領域の寸法(蒸着領域寸法)は、横a/2、縦aである必要がある。このとき、緑色の1画素、隣り合う赤色の2画素、隣り合う青色の2画素のそれぞれが同じ蒸着領域寸法となる。そして、緑色の1画素の発光領域としては最大で(a/2−2x)×(a−2x)のものが得られ、x=0.1aであれば、開口率としては最大で0.48のものが得られる。
【0017】
【特許文献1】特許第3620490号
【特許文献2】特開2004−207126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1で提案された構成では、図18で示したように、縦方向には同じ画素配列の絵素が並ぶが、横方向には一絵素ごとに絵素の向きが上下逆さになるため、同じ色の画素が直線上に並ばない。このため、例えば、図20で示すように、単色発光(図20では赤色のみ発光)を行った際、横方向に関しては、発光している画素が一列には並ばず、ジグザグ状に配列される。したがって、例えば、画像上において横方向に沿った輪郭が凸凹状となったり、一般的な動画では被写体や撮影方向が横方向に移動することが多いが、そのような動画における被写体の動きがぎこちないものとなるような不具合を生じてしまう。すなわち画質の低下を招いてしまう。
【0019】
また、特許文献2で提案された構成では、図19で示したように、赤色および青色の画素については、同色の画素が離隔される距離が横方向で長くなっている。このため、例えば、図21で示すように、赤色または青色の単色発光(図21では赤色のみ発光)を行った際、発光していない縦に沿った領域(黒線)の幅が3a/2と太く顕在化してしまう。ここで、絵素の幅がaであることを考慮すると、幅が3a/2の黒線は太すぎて画質上容認できない。すなわち画質の低下を招いてしまう。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、画像表示装置であって、画像を構成し且つ格子状に配列された複数の絵素に含まれた各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が画素単位で配列された回路層と、複数色の発光素子が画素単位で配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子をそれぞれ含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層とを備え、前記複数色の発光素子に含まれた各色の発光素子がそれぞれ格子状に配列され、前記各絵素部に含まれ且つ隣接配置された少なくとも2つの発光素子が配列されている方向が、前記複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対して、前記画像を構成する複数の絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち前記所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記各発光素子が、略六角形状の開口部を有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記各発光素子が、略五角形状の開口部を有することを特徴とする。
【0024】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記各絵素部に含まれた複数色の発光素子が、デルタ状に配列されていることを特徴とする。
【0025】
なお、本明細書においては、画像を構成する1点の色を複数色(例えば、RGB)の画素によって表現した無体物としての画像領域を「絵素」と称する一方で、画像表示装置において画像を構成する1点の色を再現するために複数色(例えば、RGB)の発光素子によって形成された有体物としての領域を「絵素部」と称して、適宜使い分けている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、絵素部の配列を傾けつつ、絵素部および各色の発光素子の配列を格子状とすることで、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、各発光素子の開口部を略六角形状とすることで、開口率を更に向上させることができるため、更なる長寿命化を図ることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、各発光素子の開口部を略五角形状とすることで、開口率を更に向上させることができるため、更なる長寿命化を図ることができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、各絵素に含まれた複数の発光素子が、デルタ状に配列されることで、1つの絵素部を構成する複数の発光素子がより密集して配置されているため、画像における1点の色を1つの絵素部の発光によって忠実に1つの点の色として再現することができる。すなわち、画質の向上を更に図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像表示装置を含む画像表示システム1の概略構成を例示する図である。
【0032】
画像表示システム1は、放送局2などから発信される動画や静止画に係る画像信号を携帯電話機10で受信し、この携帯電話機10で動画や静止画を再生するシステムである。
【0033】
なお、放送局2から発信される画像信号に係る動画や静止画としては、図17で示す絵素および画素配列と同様に、各絵素が複数の画素によって構成されるとともに、複数の絵素が格子状に配列された画像などが挙げられる。つまり、複数の絵素が互いに略直交する複数の行ならびに複数の列上に並べられて、マトリックス状に配置されている。以下では、図17で示したような絵素および画素配列を有する画像に係る画像信号を携帯電話機10が受信して画像を再生する例を挙げて説明する。
【0034】
携帯電話機10は、表示制御部100と表示部200とを備えた携帯可能な電子機器であり、動画をはじめとした各種画像を表示部200で表示する画像表示装置としても機能する。
【0035】
表示制御部100は、携帯電話機10で受信された画像信号に基づいて、表示部200における画像表示を制御する部位である。
【0036】
表示部200は、例えば、略長方形の輪郭を有する有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)と、表示制御部100より供給される画素信号や制御信号が入力されるドライバ手段とを備えて構成される部位である。
【0037】
有機ELディスプレイは、有機材料に電流を流すことで材料自らが発光する自発光型の発光素子を有するディスプレイ(自発光型画像表示装置)である。また有機ELディスプレイは、複数の発光素子が格子状に配列され、各画素に画素信号を供給するためのデータ信号線と、該データ信号線を介して各画素に画素信号を供給するタイミングを制御する走査信号を供給するための走査信号線とを有しており、データ信号線と走査信号線とは互いに略直交するように交差している。
【0038】
一方、ドライバ手段は、上記データ信号線に電気的に接続され、画素信号を上記データ信号線に供給するタイミングを制御するXドライバ(データドライバ)と、上記走査信号線に電気的に接続され、走査信号を走査信号線に供給するタイミングを制御するYドライバ(ラインドライバ)とを備えている。なお本実施形態における携帯電話機10では、例えば、Xドライバは有機ELディスプレイの短辺に沿って配置され、Yドライバは有機ELディスプレイの長辺に沿って配置されている。
【0039】
図2は、有機ELディスプレイの断面構造を例示する断面図である。なお、有機ELディスプレイは、多数の画素(サブピクセル)が配列されているが、図2では、1つの画素に着目して、発光素子である有機EL素子と当該発光素子の発光を画素ごとに制御する回路(画素回路)を示している。また、ここでは、有機ELディスプレイが、例えば、いわゆるトップエミッションタイプであり、以下では有機ELディスプレイがトップエミッションタイプであるものとして説明する。
【0040】
図2に示すように、例えば、ガラス基板201上に、各種トランジスタを含む画素回路(ここではTFT回路)が形成された回路層202および配線パターン203が積層され、当該回路層202および配線パターン203の上に平坦化膜204が積層されている。そして、平坦化膜204の上には、アノードおよびカソード電極205,206の間に有機層207が挟持されることで有機EL素子が構成された素子層208が積層されている。また、回路層202の画素回路と素子層208の有機EL素子とは、平坦化膜204を貫通するようにコンタクト部(接続部)209によって導通接続されている。
【0041】
このように、画素回路が画素単位で配列されており、当該各画素回路が、画像を構成する各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて各発光素子を駆動させる。
【0042】
図3は、表示部200の素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、表示部200には一般に数万から数百万の画素が配列されるが、図3では、画素数を少なくして画素配列が簡易的に示されている。また、赤(R)緑(G)青(B)の各1つの発光素子(すなわち3つの発光素子)によって形成された画像上の一点を表現する部分(図3で太線で囲まれた部分)を「絵素部」と称し、RGBの各1つの画素(すなわち3つの画素)によって形成された画像上の一点を「絵素」と称する。
【0043】
図3で示すように、素子層208には、R色の光を発する発光素子PSrとG色の光を発する発光素子PSgとB色の光を発する発光素子PSbとが多数配列されている。
【0044】
各発光素子PSr,PSg,PSbは、それぞれ輪郭が略長方形の開口部(画素)を有しており、発光素子PSr,PSg,PSbは、この順番で、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対して所定角度だけ傾けられた所定の方向に沿って列を成すように配列されている。図3により説明すれば、各発光素子PSr,PSg,PSbは、図3の横方向(X方向)に沿った辺に対して45度だけ傾けられた方向(以下、「斜め方向」と称する)に沿って列を成すように配列されている。そして、斜め方向に沿ったRGB順の画素列(A列、B列、C列・・・)が、図3の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0045】
より詳細には、斜め方向に沿った各画素列では、発光素子PSrの開口部の長辺と発光素子PSgの開口部の長辺とが全長に渡って隣接し、発光素子PSgの開口部の長辺と発光素子PSbの開口部の長辺とが全長に渡って隣接し、発光素子PSbの開口部の長辺と発光素子PSrの開口部の長辺とが全長に渡って隣接している。
【0046】
なお、ここで言う「所定角度」は、画像表示装置で再生すべき画像を構成する複数の絵素のうちの相互に隣接して矩形状に配置された4つの絵素の所定点、例えば4つの絵素の重心点を結ぶ四角形において、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対応する一辺(ここでは横方向に沿った一辺)と対角線とが成す角度に対応している。すなわち、本実施形態においては、ある1絵素の重心の位置(基準位置)と当該基準位置から横方向(X方向)に1絵素分および縦方向(Y方向)に1絵素分だけ進んだ絵素の重心の位置とを結んだ直線と、横方向(X方向)に沿った直線とが成す角度だけ、絵素部PSの列および画素列が横方向に沿った線に対して傾けられている。
【0047】
更にシステムにおいて絵素の位置をXYアドレスによって特定する観点から見れば、1絵素のアドレス(基準アドレス)と当該基準アドレスから右方向に1絵素分および上方向に1絵素分だけずらしたアドレスとを結んだ直線と横方向(X方向)に沿った直線とが成す角度だけ、絵素部PSの列および画素列が横方向に沿った線に対して傾けられている。
【0048】
また、斜め方向に沿ってRGBの順で一列に並んだ3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって1つの絵素部PSが形成されていることから、結果として絵素部PSの列もRGBの画素列(A列、B列、C列・・・)と同様に、斜め方向に沿って空間順次に並べられることとなる。そして、斜め方向に沿った絵素部PSの列(A’列、B’列、C列’・・・)が、図3の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0049】
このように、絵素部PSの列ならびに画素列が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対して所定角度だけ傾けられているが、複数の絵素部PSの重心の位置は、縦ならびに横方向に沿って等間隔に配列される行ならびに列を形成している。すなわち、図3に示す如く、複数の絵素部PSの重心Gpsの位置は、縦横比が1:1の格子状(正方格子状)に配列されている。また、複数の発光素子PSr,PSg,PSbに含まれている同色の発光素子の重心の位置も正方格子状に配列されている。図3には、発光素子PSrの重心Grを例示している。つまり、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向および横方向と平行な線上に沿って、複数の絵素部PSの重心点の位置、および同色の発光素子の重心点の位置が正方格子状に配列されている。
【0050】
なお、別の観点から言えば、各色の発光素子のうちの相互に隣接して矩形状に配置されている4つの発光素子の所定位置(例えば4つの発光素子の重心の位置)を結ぶ四角形の4辺のうち、上下の横方向の2辺が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の横方向に対して平行であり、左右の縦方向の2辺が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向に対して平行である。
【0051】
ここで、縦横方向における絵素の配列周期(絵素ピッチ)をaとすると、各画素の長辺がa/√2、短辺が√2a/3となる。そして、蒸着や印刷や転写の精度(位置精度と成膜のぼやけとを含む)、すなわち生じうる最大誤差をxとすると、OLEDの形成の過不足による不具合を回避するためには、各画素の発光領域を縦横それぞれ隣接画素の発光領域から2xだけ離す必要がある。このため、1画素の発光領域は最大で{(√2a/3)−2x}×{(a/√2)−2x}となる。そして、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmの場合、x=0.1aとなり、開口率は、最大で0.413となる。つまり、図17で示したストライプ状の画素配列の開口率0.32よりも開口率が大幅に上昇する。なお、ここでは、図17で示したストライプ状の画素配列と比較して、各開口部(画素)の形状がより正方形に近づくため、各発光素子ごとの開口率が向上する。なお画素領域の中には、コンタクト部209が形成されている部分等、本来、発光しない領域も存在するが、本明細書では画素領域の略全体が発光する単純化した画素を考えるものとする。
【0052】
ここで、素子層208における各発光素子PSr,PSg,PSbと、回路層202における各画素回路MSr,MSg,MSbとの位置関係について説明する。
【0053】
素子層208の画素配列と回路層202の画素回路配列とは同じであっても良いが、回路層202の画素回路配列は、素子層208の画素配列に合わせて適宜変更することが好ましい。
【0054】
図4は、素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列を模式的に示す図であり、図3の一部を抽出した図となっている。
【0055】
図5は、表示部200の回路層202における画素回路MSr,MSg,MSbおよび絵素に対応する画素回路群(絵素回路部)MSの配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、図5では、図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列に対応する絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列が示されている。また、図5では、絵素回路部MSの輪郭が太破線で、画素回路MSr,MSg,MSbの輪郭が破線で示されている。そして、絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列は、図17で示したストライプ状の絵素配列ならびに画素配列と同様なものとなっている。
【0056】
図6は、発光素子PSr,PSg,PSbと画素回路MSr,MSg,MSbとの位置関係を表示部200を有機ELディスプレイの正面側から見た模式図である。図6では、実線で示されている図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と破線で示されている図5で示した絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列とが重畳されて示されている。また、画素単位で各発光素子PSr,PSg,PSbと各画素回路MSr,MSg,MSbとを導通接続するコンタクト部(接続部)209の配置についてもハッチングを付した丸印で示されている。
【0057】
ここでは、図4および図5で示したように、素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と、回路層202における絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列とは異なる。そこで、図6で示すように、各絵素回路部MSにおいて、R色の画素回路MSrに対するコンタクト部209の位置と、G色の画素回路MSgに対するコンタクト部209の位置と、B色の画素回路MSbに対するコンタクト部209の位置とを相互に異ならせている。このような構成により、回路層202の各画素回路MSr,MSg,MSbと、素子層208の各発光素子PSr,PSg,PSbとを一対一対応で導通接続させることができる。
【0058】
図7は、表示部200を単色発光させた際の発光パターンを表示部200の正面から見た状態を示す図である。図7では、図3で示す画素配列において、GB色の発光素子PSg,PSbを発光させることなく、R色の発光素子PSrを発光させた場合の発光パターンが示されており、発光させている発光素子PSrの画素が白抜きで、発光させていない発光素子PSg,PSbの画素が黒塗りで示されている。
【0059】
図7で示すように、発光していない領域によって形成される黒線の幅が、単色発光による最も細い線の幅の1/2程度と狭い。当該黒線の幅は、図17で示したストライプ状の画素配列における黒線の幅が単色発光による最も細い線の幅の2/3程度であることと比較しても、十分狭いものとなっている。つまり、開口率の向上と、画質の向上とが併せて達成される。
【0060】
図8は、RGB3色の発光による縦線と横線とが交差する画像表示例を示す図であり、図8で示すように鮮明に細線を再生することができる。
【0061】
ところで、蒸着の工程によって有機EL素子の各画素が形成される場合、各色の画素の形状に合わせた開口が設けられたメタルマスクを順次ずらしながら各色の蒸着工程を行うのが一般的である。そして、図17で示したストライプ状の画素配列については、同色の画素が縦方向に近接配置されているため、メタルマスクの強度確保の観点から開口どうしの離隔距離(最小線幅)の下限が限定される。このため、当該最小線幅の存在により、縦方向に並ぶ画素どうしの離隔距離が開いてしまい、結果として、開口率の低下を招いてしまう。
【0062】
これに対して、本発明の実施形態に係る素子層208の画素配列では、同色の画素が比較的接近していないため、メタルマスクの最小線幅を大きくとることが可能である。よって、メタルマスクの最小線幅の影響による開口率の低下を解消することができるとともに、メタルマスクの強度確保や変形防止による更なる蒸着精度の向上(すなわち開口率の上昇)にも有効である。
【0063】
以上のように、本発明の実施形態に係る携帯電話機(すなわち画像表示装置)10では、表示部200において、絵素部PSの配列が傾けられつつも、結果的に、絵素部PSおよび各色の発光素子PSr,PSg,PSbの配列が正方格子状とされている。このような構成により、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口率が向上するため、有機EL素子に印加される電圧を下げることができる。また、各色の画素が縦方向ならびに横方向に沿って真っ直ぐ一列に並んでいるため、画像上における縦方向および横方向に沿った輪郭が凹凸状となることもなく、動画における被写体の動きがぎこちなくなってしまうといった不具合を招くこともない。更には、各色の画素配列において画素間の間隔が狭いため、画質の低下を招く黒線の幅も低減することができる。したがって、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる。
【0064】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0065】
◎例えば、上記実施形態では、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状が略長方形であったが、これに限られず、例えば、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状を略六角形や略五角形とすれば、更に各発光素子PSr,PSg,PSbの開口率を向上させることができ、画像表示装置の更なる長寿命化を図ることができる。より厳密には、素子層208における有機層207の発光する領域の輪郭形状が略六角形や略五角形であればよい。
【0066】
図9は、各発光素子の開口部(画素)の輪郭形状を六角形とした場合における絵素部(太線で囲まれた部分)および発光素子の開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0067】
図9で示す発光素子の配列においては、各発光素子における発光領域の割合、すなわち開口率は、輪郭形状を規定する六角形の内角の大きさによって変化し、六角形の内角が全て120度となった場合に、開口率が最大となる。なお、六角形の内角が全て120度となった場合には、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmのとき、各発光素子の開口率は最大で0.435となる。
【0068】
図10は、各発光素子の開口部(画素)の輪郭形状を五角形とした場合における絵素部(太線で囲まれた部分)および発光素子の開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0069】
図10で示すように、各発光素子の開口部の輪郭形状が五角形の場合、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmのとき、各発光素子の開口率は最大で0.424となる。よって、このような構成では、図9で示した発光素子の輪郭形状が六角形である場合ほど各発光素子の開口率が向上しないものの、図3で示した発光素子の輪郭形状が長方形である場合よりも各発光素子の開口率が向上する。
【0070】
◎例えば、上記実施形態では、各絵素部PSが斜め方向に沿って一列に並んだRGBの3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって形成されたが、これに限られず、例えば、各絵素部がRGBの3つの発光素子PSr,PSg,PSbがデルタ状に配列されて形成されるなど、他の異なる発光素子の配列によって形成されていても構わない。
【0071】
図11は、表示部の素子層208におけるデルタ状の画素配列からなる絵素部(太線で囲まれた部分)PS2および発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図11で示されている発光素子PSr,PSg,PSbの配列は、図3で示したものと同じであるが、各絵素部PS2を構成するための3つの発光素子PSr,PSg,PSbの分け方が異なっている。そして、ここでは、各絵素部PS2に含まれた2つの発光素子PSr,PSgが斜め方向に沿って配列されている。
【0072】
つまり、図3で示した上記実施形態では、各絵素部PSに含まれた3つの発光素子PSr,PSg,PSbが斜め方向に沿って配列され、図11で示した構成では、各絵素部PS2に含まれた2つの発光素子PSr,PSgが斜め方向に沿って配列されている。したがって、各絵素部PS,PS2に含まれる少なくとも2以上の発光素子が斜め方向に沿って配列されていると言える。
【0073】
ところで、図3で示したように各絵素部PSが斜め方向に沿って一列に並んだ3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって形成されている場合と比較して、図11で示したように各絵素部PS2が3つの発光素子PSr,PSg,PSbがデルタ状に配列されて形成されている場合の方が、1つの絵素部を構成する複数の発光素子がより密集して配置されている。よって、1つの絵素部の形状がより正方形に近づくため、画像における1点の色を1つの絵素部の発光によって、より忠実に1つの点の色として再現することができる。すなわち、画質の向上を更に図ることが可能となる。
【0074】
なお、このような構成においても、上述したように、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状を略六角形や略五角形とすると、発光素子PSr,PSg,PSbの開口率が向上する。
【0075】
◎また、上記実施形態では、素子層208において、RGBの3色の光を画素単位で発する発光素子PSr,PSg,PSbが多数配列されていたが、これに限られず、例えば、橙色と青色の2色の光を画素単位で発する発光素子が多数配列されても良いし、赤、緑、青、白の4色の光を画素単位で発する発光素子が多数配列されても良い。つまり、本発明は、2色以上の発光素子が多数配列され、各色の発光素子を含む絵素部が多数配列されているものに適用することができる。
【0076】
図12は、表示部200の素子層208における絵素部P3および赤(R)緑(G)青(B)白(W)の発光素子Pr,Pg,Pb,Pwの開口部(画素)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0077】
ここでは、図12で示すように、素子層208には、RGBWの4色の光を画素単位で発する発光素子Pr,Pg,Pb,Pwが多数配列されている。
【0078】
各発光素子Pr,Pg,Pb,Pwは、それぞれ輪郭が略長方形の開口部(画素)を有しており、RGWB色の発光素子Pr,Pg,Pw,Pbは、この順番で、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の所定の一辺(図12の横方向に沿った辺)に対して所定角度(図12では時計回りに45度)だけ傾けられた所定の方向(図12では左下方から右上方へ向けた方向、すなわち「斜め方向」)に沿って列を成すように配列されている。そして、斜め方向に沿ったRGWB順の画素列が、図12の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0079】
また、斜め方向に沿ってRGWBの順で一列に並んだ4つの発光素子Pr,Pg,Pw,Pbによって1つの絵素部P3(図12の太線で囲まれた部分)が形成されている。そして、絵素部P3は、斜め方向に沿って空間順次に並べられ、更に斜め方向に沿った絵素部の列が、図12の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0080】
このように、絵素部P3の列ならびに画素列が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の所定の一辺に対して所定角度だけ傾けられているが、複数の絵素部P3の重心の位置は、正方格子状に配列されている。また、複数の発光素子Pr,Pg,Pw,Pbに含まれている同色の発光素子の重心の位置も正方格子状に配列されている。つまり、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向および横方向と平行な線上に沿って、複数の絵素部P3の重心の位置、および同色の発光素子の重心の位置が各々正方格子状に配列されている。
【0081】
◎また、上記実施形態では、素子層208において絵素部PSが縦横比が1:1の格子状(正方格子状)に配列されたが、これに限られない。例えば、絵素部の縦方向における配列周期(縦方向絵素ピッチ)ayと横方向における配列周期(横方向絵素ピッチ)axとの比が1:1.1である場合など、絵素部が縦横比が1:1以外の格子状(直方格子状)に配置されても良い。
【0082】
但し、画像表示装置10で表示される画像が縦または横方向に伸びた画像とならないように、画像表示装置で再生すべき画像における絵素の配列周期が縦方向と横方向とで異なる場合に、その配列周期に合わせて横方向絵素ピッチaxと縦方向絵素ピッチayとを調整するような構成が好ましい。すなわち、画像を構成する絵素の横方向における配列周期(横方向絵素ピッチ)axと縦方向における配列周期(縦方向絵素ピッチ)ayとが異なる場合にも本発明を最適化することができる。
【0083】
図13は、縦方向絵素ピッチayと横方向絵素ピッチaxとが異なる場合における絵素部P4および発光素子PWr,PWg,PWbの開口部(画素)の配列を示す模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図13で示す絵素部P4および画素配列は、図3と比較して「所定角度」が45度から若干だけ小さな角度になっている点が異なるが、その他の構成については、ほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0084】
なお、既存のNTSC信号に係る画像については、縦方向絵素ピッチと横方向絵素ピッチとの比が1:1.1程度であり、上記構成を採用することが好ましい。
【0085】
◎また、上記実施形態では、回路層202における絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列が、図17で示したストライプ状の絵素配列ならびに画素配列と同様なものを挙げて説明したが、これに限られない。例えば、各絵素回路部を構成する画素回路の配列、ならびに複数の絵素回路部の配列が種々異なるものであっても良い。以下、一例を挙げて説明する。
【0086】
図14は、回路層における画素回路M2r,M2g,M2bおよび絵素に対応する画素回路群(絵素回路部)M2の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、図14では、図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列に対応する絵素回路部M2および画素回路M2r,M2g,M2bの配列が示されている。
【0087】
図14で示す回路層では、それぞれ矩形状の3つの画素回路M2r,M2g,M2bがL字状に配列されてL型の絵素回路部M2が形成されている。そして、縦方向に沿って、同じ方向を向いた複数の絵素回路部M2が隣接配置されるとともに、横方向に沿って、相互に隣接する絵素回路部M2の向きが上下逆になるように複数の絵素回路部M2が隣接配置されている。
【0088】
図15は、発光素子PSr,PSg,PSbと画素回路M2r,M2g,M2bとの位置関係を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図15では、実線で示されている図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と破線で示されている図14で示した絵素回路部M2および画素回路M2r,M2g,M2bの配列とが重畳されて示されている。また、画素単位で各発光素子PSr,PSg,PSbと各画素回路M2r,M2g,M2bとを導通接続するコンタクト部(接続部)209の配置についてもハッチングを付した丸印で示されている。
【0089】
図15で示すように、各絵素回路部M2において、R色の画素回路M2rに対するコンタクト部209の位置と、G色の画素回路M2gに対するコンタクト部209の位置と、B色の画素回路M2bに対するコンタクト部209の位置とを相互に異ならせることで、回路層202の各画素回路M2r,M2g,M2bと、素子層208の各発光素子PSr,PSg,PSbとを一対一対応で導通接続させることができる。
【0090】
◎また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として携帯電話機10を挙げて説明したが、図16に示すように、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ(パソコン)10Aなど、表示部200Aを備えた各種画像表示装置一般に対しても本発明を適用することができる。
【0091】
◎また、上記実施形態では、表示部200,200Aが有機ELディスプレイを備えて構成されるものとして説明したが、これに限られず、例えば、回路層と発光層とが適宜配置された種々のディスプレイを備えて構成されても良い。
【0092】
◎なお、上記実施形態ならびに変形例については、矛盾が生じない限り適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係る画像表示システムの概略構成を示す図である。
【図2】有機ELディスプレイの断面構造を例示する断面図である。
【図3】素子層における絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図4】素子層における絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図5】回路層における絵素回路部および画素回路の配列を示す模式図である。
【図6】発光素子と画素回路との位置関係を模式的に示す図である。
【図7】単色発光させた際の発光パターンを示す図である。
【図8】RGB3色の発光による縦横の交差線の表示例を示す図である。
【図9】六角形の開口部に係る絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図10】五角形の開口部に係る絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図11】デルタ状の画素配列からなる絵素部の配列を示す模式図である。
【図12】素子層におけるRGBW4色の画素配列を示す模式図である。
【図13】縦横の配列ピッチが異なる絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図14】回路層における絵素回路部および画素回路の配列を示す模式図である。
【図15】発光素子と画素回路との位置関係を模式的に示す図である。
【図16】変形例に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図17】一般的なストライプ状の画素配列を示す図である。
【図18】特許文献1に係る画素配列を示す図である。
【図19】特許文献2に係る画素配列を示す図である。
【図20】特許文献1に係る画素配列における単色発光状態を示す図である。
【図21】特許文献2に係る画素配列における単色発光状態を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 画像表示システム
10 携帯電話機(画像表示装置)
10A ノート型パソコン(画像表示装置)
200,200A 表示部
202 回路層
208 素子層
P3,P4,PS,PS2 絵素部
Pr,Pg,Pb,Pw,PSr,PSg,PSb,PWr,PWg,PWb 発光素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、カラー画像を表示する画像表示装置では、各絵素が複数の異なる色(RGB)の画素によって構成されている。
【0003】
一般的な画像表示装置では、画像の表示単位となる1つの絵素が複数の画素によって構成されている。そして、正方形の1絵素が赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の画素によって構成され、各画素が縦横比が3:1の長方形であるものが最も多く採用されている。
【0004】
ところで、トップエミッション型のOLED(有機発光ダイオード)を用いた画像表示装置を構成する画素は、トランジスタを含む駆動回路層と、その上の平坦化膜と、平坦化膜上のOLED(すなわち発光素子)を含む発光素子層とで構成されるのが一般的である。そして、駆動回路層と発光素子層はコンタクトホールを介して導通接続されるだけで良いため、駆動回路層の各駆動回路と発光素子層の各画素とが一対一対応していれば良く、形状や位置までが一致しなくても良い(例えば、特許文献1)。
【0005】
この発光素子は、通常、マスクを用いた蒸着やインクジェットを利用した印刷やレーザーを用いた転写などの手法を用いて形成される。但し、ある画素の発光領域(すなわち開口部)に異なる色のOLEDがはみ出して形成されると色ずれや輝度低下が生じる一方、発光領域の一部領域にOLEDが形成されなければ滅点や輝度低下が生じ、何れにしても画質の不良を招く。
【0006】
このため、蒸着、印刷、転写の位置精度および成膜のぼやけを考慮して、隣接する画素の発光領域の間に十分な隙間を設ける必要がある。しかし、この隙間からは光が発せられないため、画面全体に占める発光領域の比率、すなわち各画素の面積に対する各発光領域の面積の比が小さくなってしまう。
【0007】
また、一般にOLEDでは電流に比例した輝度が得られるが、電流密度が小さいほどOLEDに印加される電圧が低く、画像表示装置の寿命が長くなることが知られている。このため、画像表示装置の長寿命化に対しては、各画素でOLEDが発光する領域を大きくすることが重要である。
【0008】
図17は、最も一般的なストライプ状の画素配列を例示する図である。太線で囲まれたRGBの3画素が1つの略正方形の絵素を構成し、当該絵素が格子状に配列されている。すなわち、略正方形の絵素を左右方向に三等分した各領域が各色の画素の領域となっている。
【0009】
ここで、縦横方向における絵素の配列周期(絵素ピッチ)をaとすると、各画素は寸法が縦a、横a/3の長方形のものとなる。
【0010】
このような画素では、蒸着や印刷や転写の精度(位置精度と成膜のぼやけとを含む)すなわち生じうる最大誤差をxとすると、OLEDの形成の過不足による不具合を回避するためには、各画素の発光領域を縦横それぞれ隣接画素の発光領域から2xだけ離す必要がある。このため、1画素の発光領域は、最大で(a/3−2x)×(a−2x)となる。そして、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmの場合、x=0.1aとなり、開口率(1画素中に占める発光領域の割合)は、最大で0.32となる。したがって、画面上で実際に光を発する部分の面積は最大の場合でも画面全体の面積に対して1/3未満に過ぎず、残りの2/3以上の部分は光を発しない。
【0011】
一般的なストライプ状の画素配列では、各画素が細長くなるため、画面を占める発光領域の比率が小さくなる。
【0012】
そこで、上記問題に対して、絵素の寸法に対して発光部の面積を増大させるための技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0013】
図18は、特許文献1に係る画素配列を示す図である。太線で囲まれたデルタ状に配置されているRGBの3画素が1つの絵素を構成している。ここで、縦横方向における絵素の配列周期をaとすると、各画素の寸法が縦a/2、横2a/3となり、上記ストライプ状の画素配列よりも各画素の形状が正方形に近づくため、開口率も高くなる。
【0014】
このような画素では、OLEDの形成の過不足による不具合を回避しつつ、1画素の発光領域としては最大で(2a/3−2x)×(a/2−2x)のものが得られ、x=0.1aであれば、開口率としては最大で0.42のものが得られる。
【0015】
図19は、特許文献2に係る画素配列を示す図である。ここでは、太線で囲まれた相互に横方向に隣接配置されたRGBの3画素が1つの絵素を構成しているが、左右に隣接し合う絵素ごとにRGBの配列が逆転している。このような構成では、絵素を跨いで左右に隣接し合う赤色の2画素または青色の2画素を、1個の蒸着マスクの開口部を介して蒸着することも可能となり、同時に蒸着される2画素間における蒸着のずれを無視することができる。
【0016】
蒸着では、一般に異なる色を1つの蒸着マスクをずらしつつ蒸着するため、各色の蒸着領域は一定距離だけずらすと正確に重畳し合うようになっていなければならない。したがって、図19で示した画素配列では蒸着領域の寸法(蒸着領域寸法)は、横a/2、縦aである必要がある。このとき、緑色の1画素、隣り合う赤色の2画素、隣り合う青色の2画素のそれぞれが同じ蒸着領域寸法となる。そして、緑色の1画素の発光領域としては最大で(a/2−2x)×(a−2x)のものが得られ、x=0.1aであれば、開口率としては最大で0.48のものが得られる。
【0017】
【特許文献1】特許第3620490号
【特許文献2】特開2004−207126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1で提案された構成では、図18で示したように、縦方向には同じ画素配列の絵素が並ぶが、横方向には一絵素ごとに絵素の向きが上下逆さになるため、同じ色の画素が直線上に並ばない。このため、例えば、図20で示すように、単色発光(図20では赤色のみ発光)を行った際、横方向に関しては、発光している画素が一列には並ばず、ジグザグ状に配列される。したがって、例えば、画像上において横方向に沿った輪郭が凸凹状となったり、一般的な動画では被写体や撮影方向が横方向に移動することが多いが、そのような動画における被写体の動きがぎこちないものとなるような不具合を生じてしまう。すなわち画質の低下を招いてしまう。
【0019】
また、特許文献2で提案された構成では、図19で示したように、赤色および青色の画素については、同色の画素が離隔される距離が横方向で長くなっている。このため、例えば、図21で示すように、赤色または青色の単色発光(図21では赤色のみ発光)を行った際、発光していない縦に沿った領域(黒線)の幅が3a/2と太く顕在化してしまう。ここで、絵素の幅がaであることを考慮すると、幅が3a/2の黒線は太すぎて画質上容認できない。すなわち画質の低下を招いてしまう。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、画像表示装置であって、画像を構成し且つ格子状に配列された複数の絵素に含まれた各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が画素単位で配列された回路層と、複数色の発光素子が画素単位で配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子をそれぞれ含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層とを備え、前記複数色の発光素子に含まれた各色の発光素子がそれぞれ格子状に配列され、前記各絵素部に含まれ且つ隣接配置された少なくとも2つの発光素子が配列されている方向が、前記複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対して、前記画像を構成する複数の絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち前記所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記各発光素子が、略六角形状の開口部を有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記各発光素子が、略五角形状の開口部を有することを特徴とする。
【0024】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記各絵素部に含まれた複数色の発光素子が、デルタ状に配列されていることを特徴とする。
【0025】
なお、本明細書においては、画像を構成する1点の色を複数色(例えば、RGB)の画素によって表現した無体物としての画像領域を「絵素」と称する一方で、画像表示装置において画像を構成する1点の色を再現するために複数色(例えば、RGB)の発光素子によって形成された有体物としての領域を「絵素部」と称して、適宜使い分けている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、絵素部の配列を傾けつつ、絵素部および各色の発光素子の配列を格子状とすることで、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、各発光素子の開口部を略六角形状とすることで、開口率を更に向上させることができるため、更なる長寿命化を図ることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、各発光素子の開口部を略五角形状とすることで、開口率を更に向上させることができるため、更なる長寿命化を図ることができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、各絵素に含まれた複数の発光素子が、デルタ状に配列されることで、1つの絵素部を構成する複数の発光素子がより密集して配置されているため、画像における1点の色を1つの絵素部の発光によって忠実に1つの点の色として再現することができる。すなわち、画質の向上を更に図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像表示装置を含む画像表示システム1の概略構成を例示する図である。
【0032】
画像表示システム1は、放送局2などから発信される動画や静止画に係る画像信号を携帯電話機10で受信し、この携帯電話機10で動画や静止画を再生するシステムである。
【0033】
なお、放送局2から発信される画像信号に係る動画や静止画としては、図17で示す絵素および画素配列と同様に、各絵素が複数の画素によって構成されるとともに、複数の絵素が格子状に配列された画像などが挙げられる。つまり、複数の絵素が互いに略直交する複数の行ならびに複数の列上に並べられて、マトリックス状に配置されている。以下では、図17で示したような絵素および画素配列を有する画像に係る画像信号を携帯電話機10が受信して画像を再生する例を挙げて説明する。
【0034】
携帯電話機10は、表示制御部100と表示部200とを備えた携帯可能な電子機器であり、動画をはじめとした各種画像を表示部200で表示する画像表示装置としても機能する。
【0035】
表示制御部100は、携帯電話機10で受信された画像信号に基づいて、表示部200における画像表示を制御する部位である。
【0036】
表示部200は、例えば、略長方形の輪郭を有する有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)と、表示制御部100より供給される画素信号や制御信号が入力されるドライバ手段とを備えて構成される部位である。
【0037】
有機ELディスプレイは、有機材料に電流を流すことで材料自らが発光する自発光型の発光素子を有するディスプレイ(自発光型画像表示装置)である。また有機ELディスプレイは、複数の発光素子が格子状に配列され、各画素に画素信号を供給するためのデータ信号線と、該データ信号線を介して各画素に画素信号を供給するタイミングを制御する走査信号を供給するための走査信号線とを有しており、データ信号線と走査信号線とは互いに略直交するように交差している。
【0038】
一方、ドライバ手段は、上記データ信号線に電気的に接続され、画素信号を上記データ信号線に供給するタイミングを制御するXドライバ(データドライバ)と、上記走査信号線に電気的に接続され、走査信号を走査信号線に供給するタイミングを制御するYドライバ(ラインドライバ)とを備えている。なお本実施形態における携帯電話機10では、例えば、Xドライバは有機ELディスプレイの短辺に沿って配置され、Yドライバは有機ELディスプレイの長辺に沿って配置されている。
【0039】
図2は、有機ELディスプレイの断面構造を例示する断面図である。なお、有機ELディスプレイは、多数の画素(サブピクセル)が配列されているが、図2では、1つの画素に着目して、発光素子である有機EL素子と当該発光素子の発光を画素ごとに制御する回路(画素回路)を示している。また、ここでは、有機ELディスプレイが、例えば、いわゆるトップエミッションタイプであり、以下では有機ELディスプレイがトップエミッションタイプであるものとして説明する。
【0040】
図2に示すように、例えば、ガラス基板201上に、各種トランジスタを含む画素回路(ここではTFT回路)が形成された回路層202および配線パターン203が積層され、当該回路層202および配線パターン203の上に平坦化膜204が積層されている。そして、平坦化膜204の上には、アノードおよびカソード電極205,206の間に有機層207が挟持されることで有機EL素子が構成された素子層208が積層されている。また、回路層202の画素回路と素子層208の有機EL素子とは、平坦化膜204を貫通するようにコンタクト部(接続部)209によって導通接続されている。
【0041】
このように、画素回路が画素単位で配列されており、当該各画素回路が、画像を構成する各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて各発光素子を駆動させる。
【0042】
図3は、表示部200の素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、表示部200には一般に数万から数百万の画素が配列されるが、図3では、画素数を少なくして画素配列が簡易的に示されている。また、赤(R)緑(G)青(B)の各1つの発光素子(すなわち3つの発光素子)によって形成された画像上の一点を表現する部分(図3で太線で囲まれた部分)を「絵素部」と称し、RGBの各1つの画素(すなわち3つの画素)によって形成された画像上の一点を「絵素」と称する。
【0043】
図3で示すように、素子層208には、R色の光を発する発光素子PSrとG色の光を発する発光素子PSgとB色の光を発する発光素子PSbとが多数配列されている。
【0044】
各発光素子PSr,PSg,PSbは、それぞれ輪郭が略長方形の開口部(画素)を有しており、発光素子PSr,PSg,PSbは、この順番で、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対して所定角度だけ傾けられた所定の方向に沿って列を成すように配列されている。図3により説明すれば、各発光素子PSr,PSg,PSbは、図3の横方向(X方向)に沿った辺に対して45度だけ傾けられた方向(以下、「斜め方向」と称する)に沿って列を成すように配列されている。そして、斜め方向に沿ったRGB順の画素列(A列、B列、C列・・・)が、図3の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0045】
より詳細には、斜め方向に沿った各画素列では、発光素子PSrの開口部の長辺と発光素子PSgの開口部の長辺とが全長に渡って隣接し、発光素子PSgの開口部の長辺と発光素子PSbの開口部の長辺とが全長に渡って隣接し、発光素子PSbの開口部の長辺と発光素子PSrの開口部の長辺とが全長に渡って隣接している。
【0046】
なお、ここで言う「所定角度」は、画像表示装置で再生すべき画像を構成する複数の絵素のうちの相互に隣接して矩形状に配置された4つの絵素の所定点、例えば4つの絵素の重心点を結ぶ四角形において、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対応する一辺(ここでは横方向に沿った一辺)と対角線とが成す角度に対応している。すなわち、本実施形態においては、ある1絵素の重心の位置(基準位置)と当該基準位置から横方向(X方向)に1絵素分および縦方向(Y方向)に1絵素分だけ進んだ絵素の重心の位置とを結んだ直線と、横方向(X方向)に沿った直線とが成す角度だけ、絵素部PSの列および画素列が横方向に沿った線に対して傾けられている。
【0047】
更にシステムにおいて絵素の位置をXYアドレスによって特定する観点から見れば、1絵素のアドレス(基準アドレス)と当該基準アドレスから右方向に1絵素分および上方向に1絵素分だけずらしたアドレスとを結んだ直線と横方向(X方向)に沿った直線とが成す角度だけ、絵素部PSの列および画素列が横方向に沿った線に対して傾けられている。
【0048】
また、斜め方向に沿ってRGBの順で一列に並んだ3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって1つの絵素部PSが形成されていることから、結果として絵素部PSの列もRGBの画素列(A列、B列、C列・・・)と同様に、斜め方向に沿って空間順次に並べられることとなる。そして、斜め方向に沿った絵素部PSの列(A’列、B’列、C列’・・・)が、図3の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0049】
このように、絵素部PSの列ならびに画素列が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の一辺に対して所定角度だけ傾けられているが、複数の絵素部PSの重心の位置は、縦ならびに横方向に沿って等間隔に配列される行ならびに列を形成している。すなわち、図3に示す如く、複数の絵素部PSの重心Gpsの位置は、縦横比が1:1の格子状(正方格子状)に配列されている。また、複数の発光素子PSr,PSg,PSbに含まれている同色の発光素子の重心の位置も正方格子状に配列されている。図3には、発光素子PSrの重心Grを例示している。つまり、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向および横方向と平行な線上に沿って、複数の絵素部PSの重心点の位置、および同色の発光素子の重心点の位置が正方格子状に配列されている。
【0050】
なお、別の観点から言えば、各色の発光素子のうちの相互に隣接して矩形状に配置されている4つの発光素子の所定位置(例えば4つの発光素子の重心の位置)を結ぶ四角形の4辺のうち、上下の横方向の2辺が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の横方向に対して平行であり、左右の縦方向の2辺が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向に対して平行である。
【0051】
ここで、縦横方向における絵素の配列周期(絵素ピッチ)をaとすると、各画素の長辺がa/√2、短辺が√2a/3となる。そして、蒸着や印刷や転写の精度(位置精度と成膜のぼやけとを含む)、すなわち生じうる最大誤差をxとすると、OLEDの形成の過不足による不具合を回避するためには、各画素の発光領域を縦横それぞれ隣接画素の発光領域から2xだけ離す必要がある。このため、1画素の発光領域は最大で{(√2a/3)−2x}×{(a/√2)−2x}となる。そして、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmの場合、x=0.1aとなり、開口率は、最大で0.413となる。つまり、図17で示したストライプ状の画素配列の開口率0.32よりも開口率が大幅に上昇する。なお、ここでは、図17で示したストライプ状の画素配列と比較して、各開口部(画素)の形状がより正方形に近づくため、各発光素子ごとの開口率が向上する。なお画素領域の中には、コンタクト部209が形成されている部分等、本来、発光しない領域も存在するが、本明細書では画素領域の略全体が発光する単純化した画素を考えるものとする。
【0052】
ここで、素子層208における各発光素子PSr,PSg,PSbと、回路層202における各画素回路MSr,MSg,MSbとの位置関係について説明する。
【0053】
素子層208の画素配列と回路層202の画素回路配列とは同じであっても良いが、回路層202の画素回路配列は、素子層208の画素配列に合わせて適宜変更することが好ましい。
【0054】
図4は、素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列を模式的に示す図であり、図3の一部を抽出した図となっている。
【0055】
図5は、表示部200の回路層202における画素回路MSr,MSg,MSbおよび絵素に対応する画素回路群(絵素回路部)MSの配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、図5では、図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列に対応する絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列が示されている。また、図5では、絵素回路部MSの輪郭が太破線で、画素回路MSr,MSg,MSbの輪郭が破線で示されている。そして、絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列は、図17で示したストライプ状の絵素配列ならびに画素配列と同様なものとなっている。
【0056】
図6は、発光素子PSr,PSg,PSbと画素回路MSr,MSg,MSbとの位置関係を表示部200を有機ELディスプレイの正面側から見た模式図である。図6では、実線で示されている図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と破線で示されている図5で示した絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列とが重畳されて示されている。また、画素単位で各発光素子PSr,PSg,PSbと各画素回路MSr,MSg,MSbとを導通接続するコンタクト部(接続部)209の配置についてもハッチングを付した丸印で示されている。
【0057】
ここでは、図4および図5で示したように、素子層208における絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と、回路層202における絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列とは異なる。そこで、図6で示すように、各絵素回路部MSにおいて、R色の画素回路MSrに対するコンタクト部209の位置と、G色の画素回路MSgに対するコンタクト部209の位置と、B色の画素回路MSbに対するコンタクト部209の位置とを相互に異ならせている。このような構成により、回路層202の各画素回路MSr,MSg,MSbと、素子層208の各発光素子PSr,PSg,PSbとを一対一対応で導通接続させることができる。
【0058】
図7は、表示部200を単色発光させた際の発光パターンを表示部200の正面から見た状態を示す図である。図7では、図3で示す画素配列において、GB色の発光素子PSg,PSbを発光させることなく、R色の発光素子PSrを発光させた場合の発光パターンが示されており、発光させている発光素子PSrの画素が白抜きで、発光させていない発光素子PSg,PSbの画素が黒塗りで示されている。
【0059】
図7で示すように、発光していない領域によって形成される黒線の幅が、単色発光による最も細い線の幅の1/2程度と狭い。当該黒線の幅は、図17で示したストライプ状の画素配列における黒線の幅が単色発光による最も細い線の幅の2/3程度であることと比較しても、十分狭いものとなっている。つまり、開口率の向上と、画質の向上とが併せて達成される。
【0060】
図8は、RGB3色の発光による縦線と横線とが交差する画像表示例を示す図であり、図8で示すように鮮明に細線を再生することができる。
【0061】
ところで、蒸着の工程によって有機EL素子の各画素が形成される場合、各色の画素の形状に合わせた開口が設けられたメタルマスクを順次ずらしながら各色の蒸着工程を行うのが一般的である。そして、図17で示したストライプ状の画素配列については、同色の画素が縦方向に近接配置されているため、メタルマスクの強度確保の観点から開口どうしの離隔距離(最小線幅)の下限が限定される。このため、当該最小線幅の存在により、縦方向に並ぶ画素どうしの離隔距離が開いてしまい、結果として、開口率の低下を招いてしまう。
【0062】
これに対して、本発明の実施形態に係る素子層208の画素配列では、同色の画素が比較的接近していないため、メタルマスクの最小線幅を大きくとることが可能である。よって、メタルマスクの最小線幅の影響による開口率の低下を解消することができるとともに、メタルマスクの強度確保や変形防止による更なる蒸着精度の向上(すなわち開口率の上昇)にも有効である。
【0063】
以上のように、本発明の実施形態に係る携帯電話機(すなわち画像表示装置)10では、表示部200において、絵素部PSの配列が傾けられつつも、結果的に、絵素部PSおよび各色の発光素子PSr,PSg,PSbの配列が正方格子状とされている。このような構成により、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口率が向上するため、有機EL素子に印加される電圧を下げることができる。また、各色の画素が縦方向ならびに横方向に沿って真っ直ぐ一列に並んでいるため、画像上における縦方向および横方向に沿った輪郭が凹凸状となることもなく、動画における被写体の動きがぎこちなくなってしまうといった不具合を招くこともない。更には、各色の画素配列において画素間の間隔が狭いため、画質の低下を招く黒線の幅も低減することができる。したがって、画質の低下を招くことなく、開口率の向上による長寿命化を図ることができる。
【0064】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0065】
◎例えば、上記実施形態では、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状が略長方形であったが、これに限られず、例えば、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状を略六角形や略五角形とすれば、更に各発光素子PSr,PSg,PSbの開口率を向上させることができ、画像表示装置の更なる長寿命化を図ることができる。より厳密には、素子層208における有機層207の発光する領域の輪郭形状が略六角形や略五角形であればよい。
【0066】
図9は、各発光素子の開口部(画素)の輪郭形状を六角形とした場合における絵素部(太線で囲まれた部分)および発光素子の開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0067】
図9で示す発光素子の配列においては、各発光素子における発光領域の割合、すなわち開口率は、輪郭形状を規定する六角形の内角の大きさによって変化し、六角形の内角が全て120度となった場合に、開口率が最大となる。なお、六角形の内角が全て120度となった場合には、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmのとき、各発光素子の開口率は最大で0.435となる。
【0068】
図10は、各発光素子の開口部(画素)の輪郭形状を五角形とした場合における絵素部(太線で囲まれた部分)および発光素子の開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0069】
図10で示すように、各発光素子の開口部の輪郭形状が五角形の場合、仮に絵素ピッチが150μm、蒸着または印刷の精度(すなわち最大誤差)が15μmのとき、各発光素子の開口率は最大で0.424となる。よって、このような構成では、図9で示した発光素子の輪郭形状が六角形である場合ほど各発光素子の開口率が向上しないものの、図3で示した発光素子の輪郭形状が長方形である場合よりも各発光素子の開口率が向上する。
【0070】
◎例えば、上記実施形態では、各絵素部PSが斜め方向に沿って一列に並んだRGBの3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって形成されたが、これに限られず、例えば、各絵素部がRGBの3つの発光素子PSr,PSg,PSbがデルタ状に配列されて形成されるなど、他の異なる発光素子の配列によって形成されていても構わない。
【0071】
図11は、表示部の素子層208におけるデルタ状の画素配列からなる絵素部(太線で囲まれた部分)PS2および発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(実線で囲まれた部分)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図11で示されている発光素子PSr,PSg,PSbの配列は、図3で示したものと同じであるが、各絵素部PS2を構成するための3つの発光素子PSr,PSg,PSbの分け方が異なっている。そして、ここでは、各絵素部PS2に含まれた2つの発光素子PSr,PSgが斜め方向に沿って配列されている。
【0072】
つまり、図3で示した上記実施形態では、各絵素部PSに含まれた3つの発光素子PSr,PSg,PSbが斜め方向に沿って配列され、図11で示した構成では、各絵素部PS2に含まれた2つの発光素子PSr,PSgが斜め方向に沿って配列されている。したがって、各絵素部PS,PS2に含まれる少なくとも2以上の発光素子が斜め方向に沿って配列されていると言える。
【0073】
ところで、図3で示したように各絵素部PSが斜め方向に沿って一列に並んだ3つの発光素子PSr,PSg,PSbによって形成されている場合と比較して、図11で示したように各絵素部PS2が3つの発光素子PSr,PSg,PSbがデルタ状に配列されて形成されている場合の方が、1つの絵素部を構成する複数の発光素子がより密集して配置されている。よって、1つの絵素部の形状がより正方形に近づくため、画像における1点の色を1つの絵素部の発光によって、より忠実に1つの点の色として再現することができる。すなわち、画質の向上を更に図ることが可能となる。
【0074】
なお、このような構成においても、上述したように、各発光素子PSr,PSg,PSbの開口部(画素)の輪郭形状を略六角形や略五角形とすると、発光素子PSr,PSg,PSbの開口率が向上する。
【0075】
◎また、上記実施形態では、素子層208において、RGBの3色の光を画素単位で発する発光素子PSr,PSg,PSbが多数配列されていたが、これに限られず、例えば、橙色と青色の2色の光を画素単位で発する発光素子が多数配列されても良いし、赤、緑、青、白の4色の光を画素単位で発する発光素子が多数配列されても良い。つまり、本発明は、2色以上の発光素子が多数配列され、各色の発光素子を含む絵素部が多数配列されているものに適用することができる。
【0076】
図12は、表示部200の素子層208における絵素部P3および赤(R)緑(G)青(B)白(W)の発光素子Pr,Pg,Pb,Pwの開口部(画素)の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。
【0077】
ここでは、図12で示すように、素子層208には、RGBWの4色の光を画素単位で発する発光素子Pr,Pg,Pb,Pwが多数配列されている。
【0078】
各発光素子Pr,Pg,Pb,Pwは、それぞれ輪郭が略長方形の開口部(画素)を有しており、RGWB色の発光素子Pr,Pg,Pw,Pbは、この順番で、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の所定の一辺(図12の横方向に沿った辺)に対して所定角度(図12では時計回りに45度)だけ傾けられた所定の方向(図12では左下方から右上方へ向けた方向、すなわち「斜め方向」)に沿って列を成すように配列されている。そして、斜め方向に沿ったRGWB順の画素列が、図12の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0079】
また、斜め方向に沿ってRGWBの順で一列に並んだ4つの発光素子Pr,Pg,Pw,Pbによって1つの絵素部P3(図12の太線で囲まれた部分)が形成されている。そして、絵素部P3は、斜め方向に沿って空間順次に並べられ、更に斜め方向に沿った絵素部の列が、図12の左上方から右下方に向けて空間順次に敷き詰められるように並べられている。
【0080】
このように、絵素部P3の列ならびに画素列が有機ELディスプレイの長方形の輪郭の所定の一辺に対して所定角度だけ傾けられているが、複数の絵素部P3の重心の位置は、正方格子状に配列されている。また、複数の発光素子Pr,Pg,Pw,Pbに含まれている同色の発光素子の重心の位置も正方格子状に配列されている。つまり、有機ELディスプレイの長方形の輪郭の縦方向および横方向と平行な線上に沿って、複数の絵素部P3の重心の位置、および同色の発光素子の重心の位置が各々正方格子状に配列されている。
【0081】
◎また、上記実施形態では、素子層208において絵素部PSが縦横比が1:1の格子状(正方格子状)に配列されたが、これに限られない。例えば、絵素部の縦方向における配列周期(縦方向絵素ピッチ)ayと横方向における配列周期(横方向絵素ピッチ)axとの比が1:1.1である場合など、絵素部が縦横比が1:1以外の格子状(直方格子状)に配置されても良い。
【0082】
但し、画像表示装置10で表示される画像が縦または横方向に伸びた画像とならないように、画像表示装置で再生すべき画像における絵素の配列周期が縦方向と横方向とで異なる場合に、その配列周期に合わせて横方向絵素ピッチaxと縦方向絵素ピッチayとを調整するような構成が好ましい。すなわち、画像を構成する絵素の横方向における配列周期(横方向絵素ピッチ)axと縦方向における配列周期(縦方向絵素ピッチ)ayとが異なる場合にも本発明を最適化することができる。
【0083】
図13は、縦方向絵素ピッチayと横方向絵素ピッチaxとが異なる場合における絵素部P4および発光素子PWr,PWg,PWbの開口部(画素)の配列を示す模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図13で示す絵素部P4および画素配列は、図3と比較して「所定角度」が45度から若干だけ小さな角度になっている点が異なるが、その他の構成については、ほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0084】
なお、既存のNTSC信号に係る画像については、縦方向絵素ピッチと横方向絵素ピッチとの比が1:1.1程度であり、上記構成を採用することが好ましい。
【0085】
◎また、上記実施形態では、回路層202における絵素回路部MSおよび画素回路MSr,MSg,MSbの配列が、図17で示したストライプ状の絵素配列ならびに画素配列と同様なものを挙げて説明したが、これに限られない。例えば、各絵素回路部を構成する画素回路の配列、ならびに複数の絵素回路部の配列が種々異なるものであっても良い。以下、一例を挙げて説明する。
【0086】
図14は、回路層における画素回路M2r,M2g,M2bおよび絵素に対応する画素回路群(絵素回路部)M2の配列を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。なお、図14では、図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列に対応する絵素回路部M2および画素回路M2r,M2g,M2bの配列が示されている。
【0087】
図14で示す回路層では、それぞれ矩形状の3つの画素回路M2r,M2g,M2bがL字状に配列されてL型の絵素回路部M2が形成されている。そして、縦方向に沿って、同じ方向を向いた複数の絵素回路部M2が隣接配置されるとともに、横方向に沿って、相互に隣接する絵素回路部M2の向きが上下逆になるように複数の絵素回路部M2が隣接配置されている。
【0088】
図15は、発光素子PSr,PSg,PSbと画素回路M2r,M2g,M2bとの位置関係を例示する模式図であり、有機ELディスプレイの正面側から見た配列状態を示している。図15では、実線で示されている図4で示した絵素部PSおよび発光素子PSr,PSg,PSbの配列と破線で示されている図14で示した絵素回路部M2および画素回路M2r,M2g,M2bの配列とが重畳されて示されている。また、画素単位で各発光素子PSr,PSg,PSbと各画素回路M2r,M2g,M2bとを導通接続するコンタクト部(接続部)209の配置についてもハッチングを付した丸印で示されている。
【0089】
図15で示すように、各絵素回路部M2において、R色の画素回路M2rに対するコンタクト部209の位置と、G色の画素回路M2gに対するコンタクト部209の位置と、B色の画素回路M2bに対するコンタクト部209の位置とを相互に異ならせることで、回路層202の各画素回路M2r,M2g,M2bと、素子層208の各発光素子PSr,PSg,PSbとを一対一対応で導通接続させることができる。
【0090】
◎また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として携帯電話機10を挙げて説明したが、図16に示すように、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ(パソコン)10Aなど、表示部200Aを備えた各種画像表示装置一般に対しても本発明を適用することができる。
【0091】
◎また、上記実施形態では、表示部200,200Aが有機ELディスプレイを備えて構成されるものとして説明したが、これに限られず、例えば、回路層と発光層とが適宜配置された種々のディスプレイを備えて構成されても良い。
【0092】
◎なお、上記実施形態ならびに変形例については、矛盾が生じない限り適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係る画像表示システムの概略構成を示す図である。
【図2】有機ELディスプレイの断面構造を例示する断面図である。
【図3】素子層における絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図4】素子層における絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図5】回路層における絵素回路部および画素回路の配列を示す模式図である。
【図6】発光素子と画素回路との位置関係を模式的に示す図である。
【図7】単色発光させた際の発光パターンを示す図である。
【図8】RGB3色の発光による縦横の交差線の表示例を示す図である。
【図9】六角形の開口部に係る絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図10】五角形の開口部に係る絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図11】デルタ状の画素配列からなる絵素部の配列を示す模式図である。
【図12】素子層におけるRGBW4色の画素配列を示す模式図である。
【図13】縦横の配列ピッチが異なる絵素部および画素の配列を示す模式図である。
【図14】回路層における絵素回路部および画素回路の配列を示す模式図である。
【図15】発光素子と画素回路との位置関係を模式的に示す図である。
【図16】変形例に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図17】一般的なストライプ状の画素配列を示す図である。
【図18】特許文献1に係る画素配列を示す図である。
【図19】特許文献2に係る画素配列を示す図である。
【図20】特許文献1に係る画素配列における単色発光状態を示す図である。
【図21】特許文献2に係る画素配列における単色発光状態を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 画像表示システム
10 携帯電話機(画像表示装置)
10A ノート型パソコン(画像表示装置)
200,200A 表示部
202 回路層
208 素子層
P3,P4,PS,PS2 絵素部
Pr,Pg,Pb,Pw,PSr,PSg,PSb,PWr,PWg,PWb 発光素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置であって、
画像を構成し且つ格子状に配列された複数の絵素に含まれた各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が画素単位で配列された回路層と、
複数色の発光素子が画素単位で配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子をそれぞれ含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層と、
を備え、
前記複数色の発光素子に含まれた各色の発光素子がそれぞれ格子状に配列され、
前記各絵素部に含まれ且つ隣接配置された少なくとも2つの発光素子が配列されている方向が、前記複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対して、前記画像を構成する複数の絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち前記所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記各発光素子が、略六角形状の開口部を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記各発光素子が、略五角形状の開口部を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、
前記各絵素部に含まれた複数色の発光素子が、デルタ状に配列されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
画像表示装置であって、
画像を構成し且つ格子状に配列された複数の絵素に含まれた各画素にそれぞれ対応する各画素信号を受け付けて発光素子を駆動させる画素回路が画素単位で配列された回路層と、
複数色の発光素子が画素単位で配列され且つ隣接配置された複数色の発光素子をそれぞれ含む複数の絵素部が格子状に隣接配置された素子層と、
を備え、
前記複数色の発光素子に含まれた各色の発光素子がそれぞれ格子状に配列され、
前記各絵素部に含まれ且つ隣接配置された少なくとも2つの発光素子が配列されている方向が、前記複数の絵素部に含まれ且つ矩形状に隣接配置された4つの絵素部の所定位置を結ぶ四角形のうちの所定の一辺に対して、前記画像を構成する複数の絵素のうちの矩形状に隣接配置された4つの絵素の所定点を結ぶ四角形のうち前記所定の一辺に対応する一辺と対角線とが成す角度だけ傾けられたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記各発光素子が、略六角形状の開口部を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記各発光素子が、略五角形状の開口部を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、
前記各絵素部に含まれた複数色の発光素子が、デルタ状に配列されていることを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−135333(P2008−135333A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321763(P2006−321763)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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