説明

画像記録再生装置及び画像記録再生方法

【課題】 擬似動画記録時に1画面分の画像データに個別ファイル名を付けて同一ディレクトリに保存すると、後の画面ほど1画面の記録処理時間が長くなる不具合を解決し、ファイルアクセス、データ構成、処理手順等による処理遅延を極小に押さえ、画像記録再生処理の高速化を図りつつ、順逆両方向再生可能な記録再生可能な装置及び方法を提供する。
【解決手段】 擬似動画記録時、擬似動画の各1画面ごとに、その画像情報とデータサイズからなるフレームデータを生成する手段(6〜8,10)と、画面数を記録するヘッダーと、その画面数分のフレームデータとで構成されるフォーマットで1ファイルを形成するように記録する手段(6〜10)とを有し、再生時に、ファイルストリーム出力を1回開いたのみで擬似動画として連続再生する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報をデジタル信号に変換して圧縮し、記録媒体に静止画又は擬似動画として記録/再生する画像記録再生装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像記録再生装置においては、静止画及び擬似動画とも、1画面分の画像データが個別のファイルとして記録されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−185448号公報(第3〜4頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の画像記録再生装置では、擬似動画記録時に1画面分の画像データの新規作成による処理遅延が常に生じる。これは、擬似動画の記録を同一ディレクトリに保存するためであり、後の画面になるほど画像ファイルの記録開始クラスタの探索時間が単調増加して、1画面の記録処理時間が長くなる不具合を生じる。
【0005】
また、再生時においては、ファイルタイプの判定、ファイルごとの存在の有無やサイズを調べる必要があり、これらの実質的な再生以外の処理による遅延のため、意図したレートでの再生ができない。更に、記録、再生の両方において、各画面毎にファイル入出力ストリームの開閉が必要であり、これも処理遅延の要因であった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、ファイルアクセス、データ構成や処理手順による処理遅延を極小に押さえ、処理時間の多くを実質的な画像記録再生処理に割当てることによる画像記録再生処理の高速化である。
【0007】
第2の目的は、データ構成を極小に押さえつつも、順方向再生だけでなく、逆方向再生機能を有することである。
【0008】
第3の目的は、記録媒体の記録容量を可能な限り実質的な画像データに割当てることによって、媒体を有効利用することである。
【0009】
第4の目的は、記録媒体のファイルシステムにおけるバイトアライメントに柔軟に対応し、多様なメディア互換性を有することである。
【0010】
第5の目的は、記録された画像データが、他の装置、具体的にはPC上において、何らかの特別な処理を必要とすることなく閲覧可能とすることである。
【0011】
そして、第6の目的は、再生の互換性を確保しつつ、記録性能が若干劣化するが特殊再生に対応可能な記録フォーマットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による画像記録再生装置は、画像情報を記録/再生する画像記録再生装置であって、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として順次第1の記録手段に記録する第1の信号処理手段と、前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むフレーム情報を生成する第2の信号処理手段と、第2の記録手段に、少なくとも前記フレーム情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、前記第2の信号処理手段によって順次生成される前記フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録すると共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第3の信号処理手段と、前記ファイルのフレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、別の発明による画像記録再生装置は、画像情報を記録/再生する画像記録再生装置であって、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第3の記録手段に記録する第4の信号処理手段と、第4の記録手段に、少なくとも前記単位画像記録情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、該単位画像記録情報を前記ファイルに収めるごとく記録する第5の信号処理手段と、前記ファイルのフレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、別の発明による画像記録再生方法は、画像情報を記録/再生する画像記録再生方法であって、第2の記憶手段に少なくとも前記画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第1ステップと、前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第1の記録手段に記録する第2ステップと、前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のサイズ情報とを含むフレーム情報を生成する第3ステップと、前記第2の記憶手段に、少なくとも前記フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録する共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第4ステップとを有することを特徴とする。
【0015】
また、別の発明による画像記録再生方法は、画像情報を記録/再生する画像記録再生方法であって、
第4の記憶手段に少なくとも前記画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第5ステップと、前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第3の記録手段に記録する第6ステップと、前記第4の記憶手段に、少なくとも前記単位画像記録情報を前記ファイルに収めるごとく記録する第7ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、別の発明による画像記録再生装置は、
画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として順次第5の記録手段に記録する第6の信号処理手段と、前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のデータ量を示すサイズ情報とを含む画像フレーム情報を生成する第7の信号処理手段と、第6の記録手段に、少なくとも前記画像フレーム情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、前記第7の信号処理手段によって順次生成される前記画像フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録すると共に、収めた画像フレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第8の信号処理手段と、前記ファイルに収まる前記画像フレーム情報の各アドレス情報を求め、該アドレス情報と該アドレス情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むアドレスフレーム情報を生成して前記第6の記録手段に記録する第9の信号処理手段と、前記ファイルに、前記画像フレーム情報のデータ列に続けて前記アドレスフレーム情報を記録する第10の信号処理手段と、少なくとも前記アドレスフレーム情報のアドレス情報に基づいて、前記ファイルの前記画像フレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0017】
更に、別の発明による画像記録再生方法は、
第6の記憶手段に少なくとも画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第8ステップと、前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第5の記録手段に記録する第9ステップと、前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のサイズ情報とを含む画像フレーム情報を生成する第10ステップと、前記ファイルに収まる前記画像フレーム情報の各アドレス情報を求め、該アドレス情報と該アドレス情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むアドレスフレーム情報を生成する第11ステップと、
前記第6の記憶手段に、少なくとも前記画像フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録する共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第12ステップと、前記ファイルに、前記画像フレーム情報のデータ列に続けて前記アドレスフレーム情報を記録する第13ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像データを1つのファイルに記録し、且つ1画面に相当する単位画像記録情報を区分けすることが可能となるため、記録されるデータの構成が簡素化されて、必要不可欠なデータのみを記録することができる。また、再生時にも、順方向再生の他に逆方向再生や高速ランダム再生等の特殊再生が可能となる。また別の発明では、更に多様なメディアとの互換性が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
まず、画像記録再生装置1の構成について説明する。同図において、アナログ画像信号入力部2にはアナログ画像信号が入力し、入力したこのアナログ画像信号はNTSC(National Television System Committee)デコーダ4に送られ、ここで4:2:2方式のデジタル画像信号に変換される。NTSCエンコーダ5は、このデジタル画像信号を元のアナログ画像信号に戻してアナログ画像信号出力部11を介して装置外に出力する。画像データ処理部6は、CPU10の指令のもとにデジタル画像信号のパスを制御し、FIFO(Fast In Fast Out)7は、デジタル画像信号を一時的に蓄積するための2組のメモリを備えている。
【0020】
SDRAM8は、デジタル画像データの圧縮/伸長時のワーク用として動作し、また画像圧縮されたデジタル画像情報を記録する記録媒体9にデータを記録するに際し、これを一時記憶するバッファメモリとしても動作する。キー操作コントローラ3は、使用者による「静止画記録」、「動画記録」、「再生」などの操作モードに対応した操作キー情報を、シリアルデータに変換してCPU10に出力する。CPU10は、このシリアルデータを受信し、操作モードに対応してNTSCデコーダ4〜記録媒体9の各機能部を制御し、4:2:2方式のデジタル画像信号に対するソフトウエアによるJPEG方式での画像圧縮/伸長処理や、記録媒体9へのデータアクセスなどを制御する。
【0021】
尚、第1、第2及び3の信号処理手段には画像データ処理部6、FIFO7、CPU10の各構成要素が相当する。
【0022】
図2は、図1に示す画像記録再生装置1によって、記録媒体9に画像情報を記録する際の画像信号処理と記録フォーマットを生成するソフトウエアのフローチャート、図5は、実施の形態1による動画記録時における記録媒体9への記録フォーマットを示す説明図、そして図6は、媒体記録9の構成を示す説明図である。
【0023】
以下、図2のフローチャートに従って、図1、図5及び図6を参照しながら画像記録再生装置1の動作について説明する。
【0024】
記録モード時には、NTSC方式のアナログコンポジット画像信号が、アナログ画像信号入力部2に入力される。このような記録モード状態で「静止記録」或いは「動画記録」の操作キーが押下されると、キー操作コントローラ3は、押下キーに対応したコードをシリアルでCPU10に通知する。CPU10は、この受信コードを判別し、静止画記録フローか動画記録フローかを選択する(ステップ(以下Sと記す)1)。まず「動画記録」の操作キーが押下された場合について以下に説明する。
【0025】
尚、本実施の形態における記録は、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFC)、メモリスティック、スマートメディア、SDメモリカード、マルチメディアカード等の比較的小容量のリムーバブルメディアにとってより有効であり、且つ、汎用PCで前記メディアを再生が可能な記録フォーマットを提供するものである。従って、記録媒体としては、汎用PCで一般的なFAT対応である上記各種メディアを用いるものとする。
【0026】
ここで、“動画記録”の操作キーが押下されると、第2の記録手段に相当する記録媒体9に記録されているデータベース(以下DBと記す)ファイルを参照し、これまでに記録されている動画リストに無い新規なID番号を確定する(S2M)。そして新規に記録するID番号のファイルパスを生成し、そのディレクトリを生成する(S3、S4)。
【0027】
従って、ステップ3で生成されるファイルパスは、図6に示すように記録媒体9上の動画ディレクトリ内に割当てられ、この際にファイルの拡張子として、例えば“.cjp”が与えられ、これに既存の動画リストに無い新規なID番号が割付けられて新たなファイルが確保される。そして、ファイル出力ストリームをオープンし(S5)、該当ファイルの先頭4バイトの領域に、本ファイルに含まれる後述する単位画像データの総数をヘッダー(図5)として記録する(S6)。尚、この段階においてステップ6で記録される単位画像データ総数は、画像記録前であるため値“0”である。
【0028】
上記ステップ6までの処理によって動画記録ファイルが新たに生成されたことになり、次にDBファイルに新規なID番号を追加更新する(S7)。尚、この新規なID番号が、次のファイル生成時のID番号となる。以上ステップ3〜ステップ7までの処理で動画記録開始処理が完了し、以後は、“動画記録”の停止要求が検知されるまで(S8)、画像データの1画面の単位画像情報に相当する単位画像データごとにフレーム情報に相当するフレームデータを生成して該当ファイルに記録して行く。以下に1画面ごとの単位画像データの読込みとフレームデータ生成の手順について以下に説明する。
【0029】
アナログ画像信号入力部2に入力するアナログコンポジット画像信号は、NTSCデコーダ4で輝度信号(Y)と色差信号(Cb,Cr)の4:2:2コンポーネントデジタル信号に変換される。記録モードの最中は、記録画像をモニターするために前記NTSCデコーダ4のデジタル信号を、NTSCエンコーダ5で元のNTSCアナログ信号にエンコードしてモニタリング出来るよう、CPU10でNTSCエンコーダ5を制御している。
【0030】
また、CPU10は、画像データ処理部6を制御して前記NTSCデコーダ4のデジタル信号から1画面分の単位画像データを任意の周期でFIFO(Fast In Fast Out)7に取込み(S9)、更にFIFO7から先に取込んだ単位画像データをSDRAM8に送出する(S10)。この様にしてSDRAM8に読込まれた1画面分の単位画像データは、データ圧縮のためにCPUのソフトウエア処理によって情報源符号化が行なわれる(S11)。
【0031】
本実施の形態では静止画圧縮として一般的なDCT(Discrete Cosine Transform)と可変長符号の情報源符号化を採用したJPEG方式を用い、1画面当り30k〜90kBのデータ量となる圧縮係数を設定している。尚、データ量を制御する圧縮係数は、例えば前記情報源符号化を行なう際の量子化テーブルを適正情報量となるように使い分ければ実現できる。但し、圧縮後のデータ量を一定とするには、圧縮して出力されたデータ量と設定データ量の差分で圧縮係数を再設定するような複数回のループ処理が必要となるが、本実施形態ではこのような処理は行なわない。
【0032】
従って、本実施形態では、単調な単位画像データは30kB程度の小容量の単位画像記録情報に相当する圧縮単位画像データとなり、複雑な画像は90kB程度の大容量の圧縮単位画像データとなる場合もある。このように記録画面ごとにデータサイズが異なる可能性を持ったCPU10で画像圧縮されたデータは、第1の記録手段に相当するCPU10内の内蔵メモリ、或いはSDRAM8の画像圧縮用のワークメモリ領域に格納される。
【0033】
次に、上記したように1画面ごとにデータ量が異なる圧縮単位画像データを記録媒体9に記録するために、ステップ12で行なうフレームデータ生成処理について、その内容をより詳細に記述した図3のフローチャートと図5を参照しながら説明する。尚、図3中のステップ(12−1)〜ステップ(12−9)までの各ステップが、図2のフローチャートのステップ12の処理内容に相当する。
【0034】
上記した圧縮単位画像データを単位画像記録情報としてSDRAM8のバッファにキャッシュするに際し、CPU10は、バッファポインタ(以下BPと記す)をバッファの先頭にシークさせ(S12−1)、1画面分の圧縮単位画像データのサイズ情報に相当するデータサイズを“データサイズ1”(図5)として4バイトの領域に書込み(S12−2)、これによってBPを4バイト分シークする(S12−3)。そしてデータサイズ領域に続く画像データ領域(図5)に前記圧縮単位画像データを書込み(S12−4)、以ってBPは、この1画面分の圧縮単位画像データ分だけシークする(S12−5)。
【0035】
また、前記圧縮単位画像データの記録データサイズをチェックしてサイズが偶数か奇数かを判定し(S12−6)、奇数の場合は、1バイト分のダミーデータを“オフセット”として領域確保し(S12−7)、これによってBPを1バイト分シークする(S12−8)。前記圧縮単位画像データの記録データサイズが偶数の場合は、これらのステップ12−7とステップ12−8とはジャンプする。次に1画面分の画像データ領域(記録データサイズが奇数の場合は、オフセット領域)に続けて“データサイズ1”と同一内容のデータを“データサイズ2”として4バイトの領域に書込む(S12−9)。以上ステップ(12−1)〜ステップ(12−9)の処理によって、図5に示す1画面分の圧縮単位画像データに対応したフレームデータが生成される。尚、ステップ(12−6)の処理がサイズ検出手段に相当する。
【0036】
次にSDRAM8のバッファにキャッシュされた上記のフレームデータを記録媒体9に記録するステップ13(図2)で行なう記録処理について、その内容をより詳細に記述した図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4中のステップ(13−1)〜ステップ(13−5)までの各ステップが、図2のフローチャートのステップ13の処理内容に相当する。
【0037】
まず該当記録ファイルのヘッダー領域に、今回記録される直前までに記録された総単位画像データ数(=フレームデータ数)に、今回の1画面分を追加した新たな総単位画像データ数を求めておく(S13−1)。次に、記録媒体9に記録するファイルポインタ(以後FPと記す)を該当ファイルの先頭にシークし(S13−2)、1画面分追加した総単位画像データ数をヘッダー領域に記録し(S13−3)、その後該当ファイルの終端にシークさせる(S13−4)。次に、SDRAM8のバッファにキャッシュされた上記のフレームデータを読出し、ファイル終端から記録媒体9に記録する(S13−4)。
【0038】
以上ステップ9〜ステップ(13−5)までの処理によって、1画面分の画像読込みから記録媒体9への記録が行なわれ、ステップ8にて処理停止要求が“有”になるまでそのループ処理を繰返す。
【0039】
次に、複数の画像を擬似動画として連続記録する場合について、図5を参照しながら具体例を挙げて以下に説明する。
【0040】
上記したように、図2に示すフローチャートで「動画記録」が選択され(S1)、“動画記録開始処理”(S2M〜S7)で、該当ファイルが記録媒体9に設定されると、先ずファイル先頭にヘッダー領域として4バイト確保し、無記録であることを示す数値“0”を記録する。次にステップ9〜ステップ11(図2)で、例えば50kBの第1の圧縮単位画像データが生成されると、ステップ12のフレームデータ生成において“データサイズ1”領域に数値“50000”が、画像データ領域に50kBの圧縮単位画像データが、そしてこの圧縮単位画像データサイズが偶数のため“オフセット”領域を設けることなく、“データサイズ2”領域に数値“50000”が、それぞれSDRAM8のキャッシュ領域に書込まれる。
【0041】
そしてステップ13で第1の画面であることを示す数値“1”をヘッダー領域に、そしてステップ12で生成された上記フレームデータを“フレーム1”として記録媒体9の該当ファイルにそれぞれ記録する。以上の結果、記録媒体9の該当ファイル終端は、ヘッダー(4バイト)+フレーム1(50008(4+50k+4)バイト)まで記録される。次にステップ8に戻って“処理停止要求”が“無”であることを検出すると、再びステップ9〜ステップ11に至る。
【0042】
ここで例えば38.001kBの第2の圧縮単位画像データが生成されると、ステップ12のフレームデータ生成において“データサイズ1”領域に数値“38001”が、画像データ領域に38.001kBの圧縮単位画像データが、そして圧縮単位画像データサイズが奇数のため1バイトの“オフセット”領域を設けた後、“データサイズ2”領域に数値“38001”が、それぞれSDRAM8のキャッシュ領域に書込まれる。
【0043】
そしてステップ13でFPを該当ファイルの先頭まで戻し、ヘッダー領域の数値を第2の画面であることを示す数値“2”に書換え、その後FPを該当ファイルの終端(50008バイト目)までシークさせ、ステップ12で生成されたフレームデータを“フレーム2”として、記録媒体9の前記ファイル終端から続けて追加記録する。以上の結果、記録媒体9の該当ファイル終端は、ヘッダー(4バイト)+フレーム1(50008(4+50k+4)バイト)+フレーム2(38010(4+38001+1+4)バイト)まで記録される。
【0044】
以下、第1から第2の圧縮単位画像データ記録への移行時と同様にステップ8に戻り、“処理停止要求”の有無をチェックして“有”が検出される直前の第nの圧縮単位画像データまでステップ8〜ステップ13の処理をループする。その結果、図5に示すヘッダーとフレーム1〜nまでのデータ列となる動画ファイルが生成できる。
【0045】
第n番目の圧縮単位画像データを記録媒体9に記録後、ステップ8に戻って「処理停止要求」の“有”を検出すると、該当ファイルの出力ストリームを閉じて記録を終了する(S14)。以上、ステップ2〜ステップ14の処理により動画記録開始から停止までの間に周期的に取込んだ連続静止画は、擬似動画としてひとつのファイルに記録することができる。
【0046】
次に「静止画記録」の操作キーが押下された場合について説明する。記録モード状態で「静止画記録」の操作キーが押下されると、キー操作コントローラ3は押下キーに対応したコードをシリアルでCPU10に通知する。CPU10は、「静止画記録」の受信コードを検出して静止画記録のフローを選択する(S1)。
尚、この時の記録媒体9への記録は、動画記録と同様に汎用PCで一般的なFAT対応とし、且つ一般に普及しているJPEGファイルと互換性を備えてものとする。
【0047】
次に、記録媒体9に記録されているDBファイルを参照し、これまでに記録されている静止画リストに無い新規なID番号を確定する(S2S)。
【0048】
ここでの静止画記録データの1画面画像読込み処理は、上述した“動画記録”における1画面画像読込み処理と同一方法で行なわれるが、画像圧縮された圧縮画像データを1ファイルに1枚だけ記録する点のみが異なる。従って、記録するための“1画面画像読込み処理”であるステップ3S〜ステップ5Sは、動画記録時のS9〜S11と同一処理で行なわれ、その静止画1画面分の圧縮画像データは、ステップ6Sで、SDRAM8のバッファにキャッシュされる。
【0049】
この様にしてSDRAM8のバッファに静止画1画面分の圧縮画像データをキャッシュしておき、新規に記録する静止画のID番号のファイルパスを生成し(S7S)、更にそのディレクトリを生成する(S8S)。ステップ7Sで生成されるファイルパスは、図6に示す記録媒体9上の静止画ディレクトリ内に割当てられ、ファイルの拡張子として、例えば“.jpg”が与えられ、これに既存静止画リストに無い新規なID番号が割付けられる。
【0050】
そして記録媒体9に前記SDRAM8のバッファにキャッシュしていた圧縮画像データを記録する(S9S)。以上ステップ3S〜ステップ9Sで静止画の***.jpgファイルが記録され、その後、DBファイルに新規なID番号を追加更新する(S10S)。
【0051】
以上、実施の形態1の画像記録再生装置1による記録モードでは、既記録データのファイル情報を管理しているDBファイルを参照して新規のID番号を求め、“動画記録”の場合には、図5に示す記録フォーマットにて図6に示す記録媒体9の動画ファイル領域に、「****(ID番号).cjp」のファイル名で、任意の周期で読込まれた静止画を擬似動画として記録する。また、“静止画記録”の場合には、図6に示す記録媒体9の静止画ファイル領域に、「****(ID番号).jpg」のファイル名で静止画を記録する。
【0052】
次に、以上のようにして記録された画像情報の再生動作について、図1、図5、及び図6R>6を参照しながら説明する。
【0053】
再生モード時には、記録媒体9に静止画ファイル或いは動画ファイルとして記録されている圧縮画像データを読出し、NTSCエンコーダ5で元のNTSC方式のアナログコンポジット画像信号にしてアナログ画像信号出力部11から出力する。即ち、このような再生モード状態で「静止画」或いは「動画」の操作キーが押下されると、キー操作コントローラ3は、押下キーに対応したコードをシリアルでCPU10に通知する。CPU10は、この受信コードを判別し、静止画ファイル再生か動画ファイル再生の一方を選択する。以下は、まず“動画”の操作キーが押下された場合の動画ファイル再生について説明する。
【0054】
CPU10は、受信コードが「動画ファイル再生」であることを検出すると、記録媒体9に記録されているDBファイルを参照し、動画リストを表示する。このような表示状態で、再生したい動画ファイルのID番号を選択すべく操作キーが押下されると、キー操作コントローラ3は、押下キーに対応したコードをシリアルでCPU10に通知する。
【0055】
CPU10は、受信コードを判別して記録媒体9に記録されている該当動画のファイルパスを生成してファイルストリーム入力をオープンし、記録されている該当ファイルデータをSDRAM8に読込み、以下の手順でJPEGデコード及びNTSCエンコードして元のNTSC方式のアナログコンポジット画像信号として再生する。
【0056】
SDRAM8に読込まれた該当動画ファイルのデータに対し、まず、BP(バッファポインタ)を該当ファイルの先頭へシークして動画の記録枚数である総単位画像データ数を読込み、次に、FPをファイルの先頭から4バイト目のフレーム群の第1フレームの“データサイズ1”領域の先頭にシークして1枚目の画像のデータサイズを検出する。その後、この“データサイズ1”領域の後の画像データ領域に記録された、検出したサイズ分の圧縮単位画像データをSDRAM8或いはCPU10のJPEGデコード用のワークメモリ領域に読込む。ワークメモリ領域に読込まれた圧縮単位画像データは、CPU10のソフトウエアでJPEGデコード処理され、4:2:2のデジタル画像データに復号し、1画面分の単位画像データとして0側FIFO7aに送出される。
【0057】
0側FIFO7aに送出された画像データは、擬似動画として再生するために、CPU10の制御で画像データ処理部6を介して次画面が1側FIFO7bに送出されるまで、NTSCエンコーダ5に対するフィールドデータとして巡回読出しされる。
【0058】
そして、0側FIFO7aに送出された画像データの巡回読出し中に、次画面の画像データを復号するためにSDRAM8に読込まれた該当動画ファイルのデータに対し、直前に復号した画像データの第1フレーム先頭からこの画像データサイズに基づいて第2フレームの先頭へBPをシークして2枚目の画像データサイズを検出する。その後、4バイトの“データサイズ1”領域の後の画像データ領域に記録された、検出したサイズ分の圧縮単位画像データをSDRAM8或いはCPU10のJPEGデコード用のワークメモリ領域に読込む。ワークメモリ領域に読込まれた第2フレームのこの圧縮単位画像データは、CPU10のソフトウエアでJPEGデコード処理され、4:2:2のデジタル画像データに復号し、1画面分の単位画像データをとして側FIFO7bに送出される。
【0059】
そして、1側FIFO7bへの画像データ送出完了後に、CPU10の指令により、0側FIFO7aから1側FIFO7bにFIFO7のデータを切替え、次の画像データ(第3フレーム)画面が0側FIFO7aに送出されるまでNTSCエンコーダ5に対するフィールドデータとして巡回読出しされる。
【0060】
以下、前記と同一手順で、各フレームの先頭に記録したデータサイズに基づき1画面分の圧縮単位画像データを順次JPEGデコードし、交互に0側と1側のFIFO7a,7bに送出する。FIFO7への次画面画像データ送出完了毎に、NTSCエンコーダ5に対するフィールドデータとして巡回読出ししながら0側、1側のFIFO7a,7bを交互に切替え、連続記録されている画像データを擬似動画として再生する。尚、再生開始ポイントから現在迄の再生画像枚数や再生の残り枚数は、該当ファイルの先頭に記録してあるヘッダーの記録枚数と現在迄のデコード処理サイクルをCPU10で計測することで容易に表示できる。
【0061】
次に、このような再生中に、CPU10が逆方向再生操作を受信した場合の動作について以下に説明する。例えば、8画面目を再生中に「逆方向再生」の操作をCPU10が受けた場合、BPは、第8フレームの終端に位置しており、図5に示す記録フォーマットからも判る通り、フレーム終端側から4バイト戻ったポイントにBPをシークして直前に復号した第8画面の“データサイズ2”を検出し、検出したデータサイズ+12(4×3)バイト(データサイズが奇数の場合は、13バイト)更に戻したポイントにBPをシークして4バイト分のデータを読めば、直前の第7フレームの“データサイズ2”が検出できる。
【0062】
このようにして、第7フレームの終端からこの圧縮単位画像データのデータサイズ+4バイト分(データサイズが奇数の場合は、データサイズ+5バイト)戻したポイントにBPをシークし、そこからデータサイズ分の圧縮単位画像データをSDRAM8或いはCPU10のJPEGデコード用のワークメモリ領域に読込こむ。そして復号処理してFIFO7に送出し、後は通常再生と同一処理で元のNTSCアナログ信号に戻されて再生される。以下同様の手順により、各フィールドの画像データ領域の終端に記録した“データサイズ2”に基づき、逆方向に順次画像データを遡って読取りを行うことができ、以って逆方向再生が可能となる。
【0063】
次に、再生モードで“静止画”の操作キーが押下された場合の静止画再生について説明する。
【0064】
CPU10は、「静止画ファイル再生」の受信コードを検出すると、記録媒体9に記録されているDBファイルを参照し、静止画リストを表示する。このような表示状態で、再生したい静止画ファイルのID番号が選択されて操作キーが押下されると、キー操作コントローラ3は、押下キーに対応したコードをシリアルでCPU10に通知する。
【0065】
CPU10は、受信コードを判別して記録媒体9に記録されている該当静止画のファイルパスを生成してファイルストリーム入力をオープンし、記録されている該当ファイルデータを記録媒体9からSDRAM8に読込み、前記した動画の場合と同一処理でJPEGデコードしてFIFO7にデジタルデータを送出し、NTSCエンコードして元のNTSC方式のアナログコンポジット画像信号として再生する。
【0066】
尚、静止画再生では、CPU10が、次のID番号の再生要求を受信するまで、0側又は1側のFIFO7a,7bで受けたデジタル画像をNTSCエンコーダ5に対するフィールドデータとして巡回読出しを行い、次の異なるID番号の静止画再生要求を受けて、該当デジタル画像データの他方の側のFIFO7へのデータ取り込みが完了した時点で、次画面に切換える制御を行なう。
【0067】
以上のように、本実施の形態1の画像記録再生装置によれば、JPEG方式のような静止画圧縮画像データを擬似動画として記録する際、ファイルパス生成後にファイル出力ストリームをオープンしたままで、1画面の画像データ(圧縮単位画像データ)の前後に画像サイズ(データサイズ)を記録したフレームを数珠つなぎしたフレーム群とし、記録停止を受信するまで記録媒体9に連続記録している。従って、従来のような画像データごとのファイルパス生成が不要となり、記録媒体9への高速記録が可能となる。
【0068】
また、フレーム内に再生画像データ(圧縮単位画像データ)を区分可能な情報(データサイズ)を記録しているので、ファイル内の画像データ区分を一覧として残すテーブルが不要となり、CPU10のファイルアクセス、データ構成や処理手順による処理遅延が極小に押さえられ、処理時間の多くを実質的な画像記録処理に割当てることによる画像記録処理の高速化が可能となる。
【0069】
更に、擬似動画として記録されている各画面の画像データを再生する際にも、画像データごとのファイルパス生成が不要となり、記録媒体9からの高速の読出しが可能となる。また、フレーム内に再生画像データを区分する情報を備えており、CPU10のファイルアクセス、データ構成や処理手順による処理遅延が極小に押さえられ、処理時間の多くを実質的な画像再生処理に割当てることによる画像再生処理の高速化が可能となる。
【0070】
更に、バイト単位の画像データに対して各フレームは、オフセット領域の有無を設けることによりワード(16ビット)単位の処理が可能なように構成されており、記録媒体のファイルシステムにおけるバイトアライメントに柔軟に対応し、多様なメディア互換性を有することが可能である。また、1画面分を画像情報単位で記録する手段によって記録された静止画の画像データは、1画面画像データごとにファイル化しており、他の装置、具体的にはPC上において、何らかの特別な処理を必要とすることなく閲覧可能である。
【0071】
実施の形態2.
図7は、本発明による実施の形態2の画像記録再生方法である、記録媒体に対する画像情報を記録する際の画像信号処理と記録フォーマットを生成するソフトウエアのフローチャートである。
【0072】
本実施の形態の画像記録再生方法は、前記した実施の形態1の図2のフローチャートに示す画像記録再生方法に対して、ファイル出力ストリームのオープンとクローズのタイミングが異なるものである。従って、装置自体の構成としては前記した図1の画像記録再生装置と同一となるため、同図の画像記録再生装置1を参照しながら、図2に示す実施の形態1の画像記録再生方法と異なる点を重点的に以下に説明する。尚、図7のフローチャートにおいて、前記した図2のフローチャートと同一の処理内容のステップには同一番号を付している。
【0073】
前記した実施の形態1の方法では、記録媒体9に擬似動画の画像データを記録する際、記録開始時にファイルパス生成とディレクトリ生成後にファイル出力ストリームを一旦オープンし、その後CPU10が、記録停止を受信するまでクローズしない構成としていた。
【0074】
一方、本実施の形態の方法では、図7に示すように、動画記録動作時にフレーム生成回数を計測/判定するステップ(8a1),(12a1)を設け、フレーム生成がm−1回迄はJPEG圧縮した画像データをSDRAM8にキャッシュし、キャッシュされるフレーム数がm或いはそれ以上と判定されると(S12a1)、ファイル出力ストリームをオープンし(S12a2)、該当ファイルのヘッダー領域にm画面分を画面数追加して書換え、直前に記録したフレーム群の終端にシークし、そこからm画面分のフレーム(画像)データを記録媒体9に記録する(S13)。そしてファイル出力ストリームをクローズし(S14)、ステップ14a1で処理停止要求が検出されるまで、ステップ8〜ステップ14の処理を繰り返す。
【0075】
ステップ8で処理停止要求“有”を検出すると、記録媒体9への未記録画像データの有無を判断し、未記録画像データ有(サブフレーム数が0以外)の場合、SDRAM8にキャッシュされている画像データを記録媒体9に記録して処理を終了し、未記録画像データ無し(サブフレーム数が0)の場合はファイル出力ストリームをクローズして処理を終了する(S8b1、S8b2)。尚、本実施の形態2の構成で生成される記録媒体9のフォーマットは、前記した実施の形態1の図5に示すフォーマットと結果的に同一となる。従って、再生モードの処理も実施の形態1と同様であるため、これ等についての説明は省略する。
【0076】
尚、上記実施の形態2の動作では、m画面分の画像データをSDRAM8にキャッシュし、m画面分ごとにファイル出力ストリームオープンとクローズ処理をして記録停止を受信するまで記録媒体9に記録すると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、記録開始でファイルパス生成とディレクトリ生成後にファイル出力ストリームを一旦オープンし、SDRAM8にキャッシュされているm画面分のデータ単位で記録処理を行い、記録停止をCPU10が受信するまでファイル出力ストリームをクローズしない構成にすれば、記録媒体9への記録動作中に電源遮断などの異常事態が発生した場合に記録済の該当ファイルが破壊される危険はあるものの、図7に示している記録処理より高速記録を実現することも可能である。
【0077】
以上のよう、実施の形態2の画像記録再生方法によれば、JPEG方式の様な静止画圧縮画像データを擬似動画として記録する際、ファイルパス、ディレクトリ生成後に、各画面の画像データの前後に画像サイズを記録したフレームを数珠つなぎしたフレーム群としてm画面分ごとにファイル出力ストリームオープンとクローズ処理をして記録停止を受信するまで記録媒体9に記録するので、従来のような画像データごとのファイルパス生成が不要となるにもかかわらず、記録媒体9への記録動作中に電源遮断などの異常事態が発生した際に、SDRAMキャッシュ以外の記録画像が保証できる。
実施の形態3.
【0078】
図8は、本発明による実施の形態3の画像記録再生の手順を示すフローチャートであり、図9は、本実施の形態による、記録媒体9(図1)への動画記録時の記録フォーマットを示す説明図である。
【0079】
本実施の形態の画像記録再生方法は、前記した実施の形態1,2で説明したフォーマットとの再生の互換性を確保しつつ、コマ飛ばし再生等の特殊再生に対応可能な記録フォーマットを提供することを目的とし、前記した図5に示すフォーマットの動画ファイルを形成する前記実施の形態1,2の各画像記録再生方法に対して、動画ファイル上の各画像フレームの開始アドレスを検出し、設定する処理が追加されるものである。従って、装置自体の構成としては前記した図1の画像記録再生装置と同様となるため、同図の画像記録再生装置1を参照し、図8のフローチャートにおいて、前記した図7のフローチャートと同一の処理内容のステップには同ステップ番号を付してその詳細な説明を省略して概略説明にとどめ、異なる点を重点的に以下に説明する。
【0080】
尚、本実施の形態では、画像データ処理部6、FIFO7、CPU10の各構成要素が第7〜第10の信号処理手段に相当し、CPU10内の内蔵メモリ或いはSDRAM8及び記録媒体9がそれぞれ第5及び第6の記録手段に相当する。
【0081】
図8のフローチャートにおいて、先ず動画記録が選択されると、記録媒体9(図6)に記録されているDBファイルを参照し、これまでに記録されている動画リストに無い新規なID番号を確定する(S2M)。次にステップ3〜ステップ7の動画記録開始処理で、図6に示す記録媒体9上の動画ディレクトリ内に数値“0”の4バイトヘッダーのみで構成される新規な動画ファイルが生成される。
【0082】
そして、ステップ8で記録停止要求が無ければ、ステップ9〜ステップ11の1画面画像読込み処理で、1画面分の画像データをJPEG圧縮し、ステップ12のフレーム生成処理で、第1画面の画像データとそのサイズ情報に相当するデータサイズを付加した第1画像フレームのデータ生成を行い、このフレームデータを一時保存するSDRAM8の保存領域にキャッシュする。
【0083】
次に、この第1画像フレームのデータサイズをCPU10内のレジスタ、又はSDRAM8に一時保存し、後述するように第1画像フレームのデータが記録媒体9に設けた該当動画ファイルに記録された際のアドレス設定を行なう(S12b)。
【0084】
以上、ステップ9〜ステップ12bまでの処理は、SDRAM8にキャッシュされる画像データの画像フレーム数が、予め設定した数mになるまで繰り返される。その結果、SDRAM8の画像データ一時保存領域には、m画面分の画像フレームのデータがキャッシュされると共に、CPU10内レジスタ又はSDRAM8には、第1画像フレームから第m番目の画像フレームまでの各フレームサイズが一時保存される。更にこの間、ステップ12bにおけるフレーム開始アドレス設定処理によって、SDRAM8の画像データ一時保存領域の各画像フレームデータが記録媒体9の動画ディレクトリに設けた該当動画ファイルに記録された際の先頭アドレスを、以下の演算により設定する。
【0085】
先ず、図9に示すように、第1画面の画像データとそのサイズ情報に相当するデータサイズ1,2を付加した第1画像フレームは、ヘッダー直後に配置されており、その先頭アドレスは、ファイル先頭を例えば4バイトの16進データで“00000000”とした場合、5バイト目になり、“00000004”なる。そして、第2画像フレームの先頭アドレスは、直前フレームの先頭アドレスにそのフレームサイズを加算した値となる。例えば、第1画像フレームのフレームサイズが40Kバイトの場合、第2画像フレームの先頭アドレスは、40004を16進で表した“00009C44”となる。以下同様にして、直前の画像フレーム先頭アドレスにそのフレームサイズを順次加算することにより、第1画像フレームから第m番目の画像フレームまでの各画像フレームの先頭アドレスが設定される。
【0086】
次に、SDRAM8の画像データ一時保存領域にキャッシュされる画像データの画像フレーム数が、予め設定した数mになると、保存された各画像フレームのデータが、ステップ12a2〜ステップ14までの処理によって、記録媒体9の動画ディレクトリ内に新たに設けた該当ファイルに記録され、そして動画ファイル出力ストリームを一旦閉じる。
【0087】
その後、ステップ14b1〜ステップ14b3までの処理によって、記録媒体9に暫定的に設けたアドレスフレーム用仮ファイルの出力ストリームを開き、画像フレームと同一仕様で、各画像フレームの先頭アドレスを、4バイトの情報群として記録する。その結果を図9に示すアドレスフレーム構成を参照しながら説明すると、例えば、ステップ12a2〜ステップ14b3までの記録媒体9への初回の書き込み処理によって、記録媒体9の仮ファイルに記録されるアドレスフレームは、第1画像フレームから第m番目の画像フレームまでの各先頭アドレス(4バイト×m)と、このデータ量を示してアドレスデータの前後に付加された各4バイトのデータサイズの合計(4バイト×m+8)バイトで構成される。
【0088】
以上のようにして、ステップ8又はステップ14a1で記録停止要求があるまで、ヘッダーと画像フレーム群で構成される動画ファイルと、各画像フレームの先頭アドレスを記録したアドレスフレームの仮ファイルの各内容が、互いに対応しながら逐次更新される。
【0089】
そして、ステップ8又はステップ14a1で記録停止要求“有”が検出されると、図9に示すように、仮ファイルに記録していたアドレスフレームを該当動画ファイルの最後尾の第n番目の画像フレームの後ろに記録し、更に、このアドレスフレームの後ろに、この最後尾のフレーム(アドレスフレーム)が画像フレーム以外の特殊フレームであることを示すユニークマーカとして、通常のフレーム構成では発生しない4バイトのユニークコードを記録する(S15)。本実施の形態では、前記した各実施の形態と同様に各画像フレームの先頭と後尾にデータサイズ1,2を記録する仕様になっているため、これらのデータサイズでは使用されない負の数字がユニークマーカとして適用できる。その結果、記録媒体9には、記録が停止された段階で、図9に示すように、(ヘッダー+第1から第n番目までの画像フレーム群+アドレスフレーム+ユニークマーカ)で構成される動画ファイルが記録される。
【0090】
次に、図5又は図9の何れのフォーマットで記録された動画ファイルであっても再生可能な再生動作について、図10のフローチャートを参照しながら以下に説明する。尚、動画ファイルを再生するためのJPEGデコード処理やNTSCエンコード処理は、前記した実施の形態1で説明した擬似動画再生と同一処理で行なわれるためここでの説明を省略し、ここでは、主に動画ファイルに追加したアドレスフレームとユニークマーカの処理方法を重点的に説明する。
【0091】
まず、動画ディレクトリ(図6)の任意の動画ファイルに対して動画再生要求を受けると、再生要求された動画ファイルの記録フォーマットが図5に示すフォーマットか、或いは図9に示すフォーマットかを、ファイルエンドに記録した4バイトのユニークマーカの有無で判定する(S21)。図5に示すフォーマットの場合は、ファイルエンドがデータサイズを示す自然数であり、図9に示すフォーマットの場合は、ファイルエンドがユニークマーカによる負の整数であることで判別する。そして再生要求ファイルの記録が図5のフォーマットの場合は、前記した実施の形態1で説明した再生方法で擬似動画再生を行う(S26)。
【0092】
再生要求ファイルの記録が図9に示すフォーマットの場合、先ずCPU10(図1)のソフトウエアによって、記録媒体9の該当動画ファイルからアドレスフレームの各先頭アドレスデータを読込み(S22)、全画像フレームの先頭アドレステーブルを作成する(S23)。そして、再生要求の内容が順方向再生か特殊再生のコマ飛ばし再生かを判断する(S24)。順方向再生の場合は、この先頭アドレステーブルを参照して先頭画像フレームの先頭アドレスにBP(バッファポインタ)をシークし(S27)、以後は前記実施の形態1で説明した、各画像フレームの先頭と後尾に記録されたデータサイズ1,2を参照ながら行われる再生方法によって、擬似動画再生を行う(S28)。
【0093】
一方、特殊再生として、例えば16コマ飛ばし再生が要求された場合、前記した先頭アドレステーブルを参照して、この特殊再生が要求された先頭コマに対応する画像フレームの先頭アドレスから、16コマ毎の画像フレームの先頭アドレスを順次指定して各画像フレームの読出処理を行ない、順次その画像データに基づく画像を再生する(S25)。尚、このような先頭アドレステーブルを参照して行うコマ飛ばし再生処理は、実施の形態1で行なった図5に示すフォーマットの記録方法では実現することが出来ない。
【0094】
尚本実施の形態では、特殊再生としてコマ飛ばし再生を例にして説明したが、これに限定されるものではなく、先頭アドレステーブルを参照しながら、ランダムに再生する画像フレームを指定するように構成することにより、ランダム検索再生等の特殊再生も実現することができる。
【0095】
また、本実施の形態で記録された図9に示すフォーマットの動画ファイルは、そのヘッダーに全画像フレーム数を記録しているため、例えば、このフォーマットに対応できていない画像記録再生装置で再生した場合にも、ファイル末尾に記録されたアドレスフレームに関係なく画像フレームの終端が確認できるため、誤動作を生じることなく全ての画像フレームを再生することが可能となる。
【0096】
以上のように、本実施の形態の画像記録再生によれば、実施の形態1及び2で説明した記録フォーマット(図5)と同一のフレーム構成及びその配列方法を採用し、その上で、更に、特殊再生時のコマ検索に必要な全画像フレームの先頭アドレス情報をファイル末尾に記録しているので、実施の形態1及び2による画像記録再生方法との上位互換を確保しながら、更に高速でのコマ飛ばしやランダム検索再生等の特殊再生処理が可能になる。
【0097】
尚、上記した各実施の形態の説明では、入出力のアナログ画像信号をNTSCに準拠した信号として説明していたが、PALやベースバンドのRGB信号であっても画像圧縮や媒体への記録処理は同一処理で対応でき、画像圧縮についても2次元圧縮であればJPEG以外の他の圧縮方式でも媒体への記録処理は同一処理で対応できることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明による実施の形態1の画像記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像記録再生装置1による画像信号処理と記録フォーマットを生成するソフトウエアを示すフローチャートである。
【図3】ステップ12(図2)で行なうフレームデータ生成処理について、その内容をより詳細に記述したフローチャートである。
【図4】ステップ13(図2)で行なう記録処理について、その内容をより詳細に記述したフローチャートである。
【図5】実施の形態1、及び、実施形態2による動画記録時における記録媒体9への記録フォーマットを示す説明図である。
【図6】媒体記録9の構成を示す説明図である。
【図7】本発明による実施の形態2の画像記録再生方法による画像信号処理と記録フォーマットを生成するソフトウエアを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3による動画記録モード時の処理ステップを説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態3による記録媒体9への動画記録時における記録フォーマットを示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3による動画再生モード時の処理ステップを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1 画像記録再生装置、 2 アナログ画像信号入力部、 3 キー操作コントローラ、 4 NTSCデコーダ、 5 NTSCエンコーダ、 6 画像データ処理部、 7 FIFO、 7a 0側FIFO、 7b 1側FIFO、 8 SDRAM、 9 記録媒体、 10 CPU、 11 アナログ画像信号出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を記録/再生する画像記録再生装置であって、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として順次第1の記録手段に記録する第1の信号処理手段と、
前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むフレーム情報を生成する第2の信号処理手段と、
第2の記録手段に、少なくとも前記フレーム情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、前記第2の信号処理手段によって順次生成される前記フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録すると共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第3の信号処理手段と、
前記ファイルのフレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段と
を有することを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項2】
前記第2の記録手段に記録される各フレーム情報が、記録再生される順番において、前記単位画像記録情報の前後する位置に該単位画像記録情報の第1と第2の前記サイズ情報を配置したことを特徴とする請求項1記載の画像記録再生装置。
【請求項3】
更に、前記サイズ情報が奇数か偶数かを判定するサイズ検出手段を有し、奇数と判定した場合、前記単位画像記録情報と前記第2のサイズ情報の間にフレームサイズ調整用のオフセット領域を記録することを特徴とする請求項2記載の画像記録再生装置。
【請求項4】
前記単位画像記録情報が、前記単位画像情報を所定の画像圧縮方式で情報源符号化した画像情報であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像記録再生装置。
【請求項5】
前記単位画像記録情報が、前記第1の信号処理手段によるソフトウエア処理で生成されることを特徴とする請求項4記載の画像記録再生装置。
【請求項6】
前記第3の信号処理手段は、m(mは自然数)の前記フレーム情報をキャッシュする一時記憶手段を有し、mの前記フレーム情報毎に順次記録すると共に、前記ヘッダーに記録する数もm単位で更新することを特徴とする請求項1記載の画像記録再生装置。
【請求項7】
画像情報を記録/再生する画像記録再生装置であって、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第3の記録手段に記録する第4の信号処理手段と、
第4の記録手段に、少なくとも前記単位画像記録情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、該単位画像記録情報を前記ファイルに収めるごとく記録する第5の信号処理手段と、
前記ファイルのフレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段と
を有することを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項8】
画像情報を記録/再生する画像記録再生方法であって、
第2の記憶手段に少なくとも前記画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第1ステップと、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第1の記録手段に記録する第2ステップと、
前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のサイズ情報とを含むフレーム情報を生成する第3ステップと、
前記第2の記憶手段に、少なくとも前記フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録する共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第4ステップと
を有することを特徴とする画像記録再生方法。
【請求項9】
前記第4ステップは、更に前記フレーム情報が連続してmだけ生成されたか否かを監視するステップを有し、mの前記フレーム情報毎に前記第2の記憶手段に記録すると共に、前記ヘッダーに記録する数もm単位で更新することを特徴とする請求項8記載の画像記録再生方法。
【請求項10】
前記第3ステップにおいて、前記フレーム情報が、記録再生される順番において、前記単位画像記録情報の前後する位置に該単位画像記録情報の第1と第2の前記サイズ情報を配置するように生成することを特徴とする請求項8記載の画像記録再生方法。
【請求項11】
前記第2ステップにおいて、前記単位画像情報を所定の画像圧縮方式で圧縮することにより、情報源符号化された画像情報である前記単位画像記録情報を形成することを特徴とする請求項8記載の画像記録再生方法。
【請求項12】
前記第1ステップは、ファイルパス及びファイルディレクトリを生成する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の画像記録再生方法。
【請求項13】
画像情報を記録/再生する画像記録再生方法であって、
第4の記憶手段に少なくとも前記画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第5ステップと、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第3の記録手段に記録する第6ステップと、
前記第4の記憶手段に、少なくとも前記単位画像記録情報を前記ファイルに収めるごとく記録する第7ステップと
を有することを特徴とする画像記録再生方法。
【請求項14】
画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として順次第5の記録手段に記録する第6の信号処理手段と、
前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のデータ量を示すサイズ情報とを含む画像フレーム情報を生成する第7の信号処理手段と、
第6の記録手段に、少なくとも前記画像フレーム情報を記録するための記録領域をファイルとして確保し、前記第7の信号処理手段によって順次生成される前記画像フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録すると共に、収めた画像フレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第8の信号処理手段と、
前記ファイルに収まる前記画像フレーム情報の各アドレス情報を求め、該アドレス情報と該アドレス情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むアドレスフレーム情報を生成して前記第6の記録手段に記録する第9の信号処理手段と、
前記ファイルに、前記画像フレーム情報のデータ列に続けて前記アドレスフレーム情報を記録する第10の信号処理手段と、
少なくとも前記アドレスフレーム情報のアドレス情報に基づいて、前記ファイルの前記画像フレーム情報を読み出して前記単位画像情報を再生する再生手段と
を有することを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項15】
前記第10の信号処理手段は、前記アドレスフレーム情報の後に、前記ファイルの他のデータと識別可能な特異コードを記録することを特徴とする請求項14記載の画像記録再生装置。
【請求項16】
第6の記憶手段に少なくとも画像情報に基づくデータを記録するためのファイルを設定する第8ステップと、
前記画像情報の1画面分に相当する単位画像情報に基づく単位画像記録情報を記録単位として第5の記録手段に記録する第9ステップと、
前記単位画像記録情報と、該単位画像記録情報のサイズ情報とを含む画像フレーム情報を生成する第10ステップと、
前記ファイルに収まる前記画像フレーム情報の各アドレス情報を求め、該アドレス情報と該アドレス情報のデータ量を示すサイズ情報とを含むアドレスフレーム情報を生成する第11ステップと、
前記第6の記憶手段に、少なくとも前記画像フレーム情報を前記ファイルに収めるごとく記録する共に、収めたフレーム情報数を前記ファイルのヘッダーとして記録する第12ステップと、
前記ファイルに、前記画像フレーム情報のデータ列に続けて前記アドレスフレーム情報を記録する第13ステップと
を有することを特徴とする画像記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2004−260808(P2004−260808A)
【公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−23162(P2004−23162)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】