説明

画像記録装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム

【課題】映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することを可能とした撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルビデオカメラは、画像圧縮伸長部103、音声圧縮伸長部104、多重化処理部105、外部TTC検出部106、CPU109、記録媒体インターフェース111、記録媒体112、外部同期検出部113を備える。外部同期検出部113は、外部から入力される外部同期信号(Genlock信号)に基づき、デジタルビデオカメラの画像信号を外部のデジタルビデオカメラの画像信号と同期させる。CPU109は、デジタルビデオカメラの画像信号を外部のデジタルビデオカメラの画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、画像データの先頭PESの時刻情報と、音声データの先頭PESの時刻情報との差を0に設定して圧縮符号化を行うよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式により符号化したビットストリームを記録媒体に記録するデジタルビデオカメラに適用される画像記録装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば2台または2台以上のビデオカメラにより撮影した複数の画像をリアルタイムで切り替える場合または合成する場合、複数の画像をそのままミックスすることはできない。一般的に、ビデオカメラでは、画像を1秒間に30個程度の「コマ」として連続で送ることにより動画を表現しており、それぞれのコマには開始点が定められている。コマの開始点が合わなければ、複数台のビデオカメラからの画像をリアルタイムで切り替えたり合成したりすることができない。
【0003】
ビデオカメラで用いられるGenLock信号は、コマの開始点を指定するための同期信号であり、複数台のビデオカメラが互いに同期を取るための基準にする信号の一つである。Genlock(位相合わせ)は、一般に、マスタソース側ビデオカメラのコンポジットビデオ信号(色信号や輝度信号を分離せずに送る信号)を、スレーブ側ビデオカメラのシンクジェネレータに通すことにより行う。
【0004】
位相合わせ対象(ロック対象)となるスレーブ側ビデオカメラのシンクジェネレータには、垂直ドライブ回路、水平ドライブ回路、及びサブキャリアを分離する回路が設けられている。位相合わせ処理を行うことで、スレーブ側ビデオカメラのシンクジェネレータが、マスタソース側ビデオカメラのサブキャリア分離回路、垂直ドライブ回路、水平ドライブ回路に位相合わせ(ロック)される。結果として、マスタソース側及びスレーブ側の両方のビデオカメラのシンクジェネレータが同じ周波数及び同じ位相で動作するようになる。
【0005】
上述したGenlock信号を用いた複数台のビデオカメラの画像の同期を取る方法に関しては、以下のような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−149184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年のビデオカメラは、MPEG方式等の高能率符号化技術を用いて動画像を圧縮して記録する方式が主流となっている。一般的なMPEG符号器を有するビデオカメラは、生成するMPEGビットストリームのビデオとオーディオの符号化単位が不一致である。
【0007】
図3は、ビデオのPTS間隔とオーディオのPTS間隔の不一致を説明する図である。図3に示すように、各ビデオPES(Packetized Elementary Stream) のPTS(Presentation Time Stamp)間隔と、各オーディオPESのPTS間隔とが異なる。
【0008】
また、図4は、ビデオの先頭PTSとオーディオの先頭PTSがストリーム毎に異なることを説明する図である。(a)は、ビデオカメラAのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(b)は、ビデオカメラBのビデオPES及びオーディオPESを示す図である。図4に示すように、MPEGビットストリームの先頭ビデオPESのPTSと、先頭オーディオPESのPTSとの間隔が、固定値とは限らない。即ち、図4の例では、ビデオカメラAとビデオカメラBとではストリーム先頭からのDelayが異なることを示している。
【0009】
従って、上述したGenLock信号によりビデオを同期させた複数台のビデオカメラにより生成したMPEGビットストリーム同士を繋ぎ編集しようとした場合、以下のような問題が発生する。図5は、ビデオの同期が取れている2つのビットストリームを繋ぎ編集した際にオーディオの不連続が発生することを説明する図である。(a)は、ビデオカメラAのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(b)は、ビデオカメラBのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(c)は、編集ストリームを示す図である。図5に示すように、ビデオカメラAのビデオとビデオカメラBのビデオは連続的に繋げることができるが、オーディオは不連続状態が発生する場合がある。
【0010】
本発明の目的は、映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することを可能とした画像記録装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明の画像記録装置は、画像信号及び音声信号を圧縮符号化すると共に、前記圧縮符号化後の画像データ及び音声データに対して圧縮符号化単位毎に再生を行うための時刻情報を付加する機能を有する画像記録装置であって、外部から入力される外部同期信号に基づいて、前記画像記録装置の画像信号を外部機器の画像信号と同期させる同期手段と、前記同期手段により前記画像記録装置の画像信号を前記外部機器の画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、画像データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報と、音声データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報との差を、規定値に設定して圧縮符号化を行うよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数台の画像記録装置或いは撮像装置を外部同期信号により互いに同期させ、それぞれ記録した画像データ及び音声データを繋ぎ編集する場合、映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、デジタルビデオカメラは、レンズ100、撮像素子(CCD)101、カメラ信号処理部102、画像圧縮伸長部103、音声圧縮伸長部104、多重化処理部105、外部TTC検出部106を備えている。更に、デジタルビデオカメラは、マイクロフォン107、音声信号処理部108、CPU109、メモリ110、記録媒体インターフェース111、記録媒体112、外部同期検出部113、クロック発振器114、不図示の操作部を備えている。
【0016】
本実施の形態のデジタルビデオカメラは、例えば「Specifications of HDV Recording Version 1.0」により仕様が定められた所謂HDV方式に対応したものである。レンズ100は、デジタルビデオカメラにより撮影した被写体の光学像を撮像素子101に結像させる。撮像素子101は、撮像面上に結像されたレンズ100からの光学像を電気信号に光電変換して出力する。カメラ信号処理部102は、撮像素子101から出力された電気信号(光電変換画像信号)が標準的な画像信号になるように信号処理を行う。
【0017】
画像圧縮伸長部103は、カメラ信号処理部102により信号処理された画像信号をMPEG2等の方式により符号化して圧縮するものであり、画像信号の符号化時に1フレームの最大ビット長を設定することが可能である。音声圧縮伸長部104は、マイクロフォン106によりデジタルビデオカメラ周囲から取得した音声信号を、例えばMPEG Audio符号化等の方式により符号化して圧縮する音声処理を行う。画像信号及び音声信号は、圧縮符号化された後、時刻情報である後述のTTCが付加される。
【0018】
多重化処理部105は、画像圧縮伸長部103により圧縮された画像データ及び音声圧縮伸長部104により圧縮された音声データをPackUnit形式に多重化する。更に、多重化処理部105は、前記多重化したデータからHDV方式に準拠したテープフォーマットデータを生成し、メモリ110へ格納する。外部TTC検出部106は、デジタルビデオカメラ外部の他機器から入力されるTTC(Total Time Code)信号からTTCを取得し、他機器とTTCの同期を取れるようにする。
【0019】
マイクロフォン107は、音声を取得する際に使用される。音声信号処理部108は、マイクロフォン107により取得した音声信号が標準的な音声信号になるように信号処理を行う。CPU109は、メモリ110に格納されている制御プログラムに従ってデジタルビデオカメラ全体の動作を制御するものであり、図2のフローチャートに示す処理を実行する。メモリ110は、制御プログラムを格納すると共に、一時的に画像データや音声データを蓄積するメモリとしても使用される。
【0020】
記録媒体インターフェース111は、記録媒体112に対するテープフォーマットデータの記録/再生を行う際のインターフェースを司る。記録媒体インターフェース111は、記録時には多重化処理部105で処理されたテープフォーマットデータが格納されたメモリ110からテープフォーマットデータを記録媒体112へ転送する。記録媒体インターフェース111は、再生時には逆に記録媒体112から再生用テープフォーマットデータをメモリ110へ展開する。記録媒体112は、デジタルビデオカメラで記録/再生されるテープフォーマットデータを格納するものであり、磁気テープとして構成されている。
【0021】
外部同期検出部113は、外部同期信号であるGenlock信号に同期した信号と、デジタルビデオカメラ内部の同期信号とのずれを検出する。更に、外部同期検出部113は、両信号のずれを吸収するよう、クロック発振器114にPLL(Phase Lock Loop)制御を行う。Genlock信号を用いて同期を取る方法の詳細については、例えば上記特許文献1に具体的な解説が記載されているため説明を省略する。クロック発振器114は、デジタルビデオカメラのブロック115内部の各部が動作するためのクロックを供給する。操作部は、画像信号・音声信号の圧縮符号化、圧縮符号化された画像データ・音声データの記録・再生の開始/終了の指示等に用いる。
【0022】
次に、本実施の形態のデジタルビデオカメラにおける記録開始時のビデオ及びオーディオのPTS及びDTSについて図2のフローチャートを参照しながら説明する。本実施の形態では、複数台のデジタルビデオカメラで同時に記録開始する場合を例に挙げるものとする。複数台のデジタルビデオカメラのうち1台のデジタルビデオカメラがマスタソース側となり、他のデジタルビデオカメラがスレーブ側となる。
【0023】
図2は、デジタルビデオカメラ(スレーブ側)の記録開始時におけるビデオ及びオーディオのPTSを決定するための処理を示すフローチャートである。
【0024】
図2において、ステップS201で、デジタルビデオカメラのCPU109は、ユーザから操作部を介した記録開始指示を受けると、ステップS202で、記録媒体インターフェース111により記録媒体112への記録動作を開始する。次に、ステップS203で、CPU109は、デジタルビデオカメラが外部同期信号であるGenlock信号により外部と同期を取っている状態であるか否かを外部同期検出部113を用いて判定する。
【0025】
上記ステップS203でデジタルビデオカメラが外部と同期を取っている状態である場合、ステップS204で、CPU109は、以下の処理を行う。先ず、CPU109は、記録開始時における記録媒体112(磁気テープ)のトラック位置(ETN)から、ビデオの先頭DTS(Decoding Time Stamp)を次式により計算する。
【0026】
DTS = (ETN * 3003) / 10 ・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
DTS = (ETN * 3600) / 12 ・・・(フレームレート25Hzの場合)
次に、CPU109は、オーディオの先頭PTS及びビデオの先頭PTSを次式により計算する。
【0027】
PTS(Video) = DTS + 3003 ・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
PTS(Video) = DTS + 3600 ・・・(フレームレート25Hzの場合)
PTS(Audio) = PTS(Video)
ところで、図5(c)に示したように、記録媒体112(磁気テープ)に既に記録されているデータに対して、オーディオが連続しない場合がある。そこで、必要であれば、記録媒体112に実データを記録する前にInvalidデータを80トラック記録し、MPEGのバッファモデルの連続性を破棄してもよい。図5(c)の場合は、VA3とVB4の間にInvalidデータを記録することになる。
【0028】
他方、上記ステップS203でデジタルビデオカメラが外部と同期を取っていない状態である場合、ステップS205で、CPU109は、記録開始時のオーディオの先頭PTS及びビデオの先頭PTSを次のように決定する。
【0029】
PTS(Video) = 磁気テープの最後に記録されているVideo PESのPTS + 3003
・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
PTS(Video) = 磁気テープの最後に記録されているVideo PESのPTS + 3600
・・・(フレームレート25Hzの場合)
PTS(Audio) = 磁気テープの最後に記録されているAudio PESのPTS + 2160
上記ステップS204または上記ステップS205でオーディオの先頭PTS及びビデオの先頭PTSが決定すれば、CPU109は、それ以降のPTSについてはMPEGの連続性を保つように順次決定していく。CPU109は、ステップS206で、ユーザから操作部を介した記録終了指示を受けるまで、処理を継続する。
【0030】
以上の処理を行うことで、Genlock信号により外部と同期をとっている複数台のデジタルビデオカメラで同時に記録開始を指示した場合、それぞれ記録媒体に記録したデータを記録開始から同じ時間経過したフレームで繋ぎ編集すると、以下のようになる。任意の繋ぎ編集点におけるビデオPESのPTSとオーディオPESのPTSとのDelay(遅延量)が一致するため、映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態によれば、2台または2台以上のデジタルビデオカメラをGenlock信号により互いに同期させ、それぞれ記録媒体に記録した符号化ビットストリームを記録開始から同じ時間経過したフレームで繋ぎ編集する。その場合に、複数のビットストリームの映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することができる。即ち、複数台のデジタルビデオカメラで同一のタイミングで記録開始した記録媒体上のビットストリームを、任意の点で繋ぎ編集することが可能となる。
【0032】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、下記の点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第1の実施の形態(図1)の対応するものと同一なので、説明を省略する。
【0033】
第1の実施の形態では、複数台のデジタルビデオカメラで同時に記録開始する場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、複数台のデジタルビデオカメラで別々のタイミングにより記録開始が可能である場合について説明する。
【0034】
本実施の形態のデジタルビデオカメラでは、記録時間情報(特にTTC)とオーディオPES及びビデオPESのPTSとの関係を一意に定めている。このため、TTCとオーディオPES及びビデオPESのPTSとが一致するタイミングを予め規定しておく必要がある。本実施の形態では、TTCがBCD形式で00:00:00:00であるタイミングを、オーディオPESのPTSとビデオPESのPTSとが一致する基準タイミングとした場合を例に挙げて説明する。
【0035】
次に、本実施の形態のデジタルビデオカメラにおいてPTSを決定する処理について図2のフローチャートを参照しながら説明する。本実施の形態におけるステップS201〜ステップS203の処理は、上述した第1の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
【0036】
デジタルビデオカメラがGenlock信号により外部と同期して記録を行う場合、ステップS204で、CPU109は、以下の処理を行う。先ず、CPU109は、TTC=00:00:00:00でオーディオPESのPTSとビデオPESのPTSとが一致するようにPTSを付加する。次に、CPU109は、記録開始時における記録媒体112(磁気テープ)のトラック位置(ETN)から、ビデオの先頭DTS及び先頭ビデオPESのPTSを、第1の実施の形態と同様に次式により計算する。
【0037】
DTS = (ETN * 3003) / 10 ・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
DTS = (ETN * 3600) / 12 ・・・(フレームレート25Hzの場合)
PTS(Video) = DTS + 3003 ・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
PTS(Video) = DTS + 3600 ・・・(フレームレート25Hzの場合)
次に、CPU109は、先頭ビデオPESのPTSと先頭オーディオPESのPTSとのDelay(遅延量)を以下のように計算する。
【0038】
(1)基準タイミング(00:00:00:00)から記録開始時に設定するTTCまでの間に入るビデオのフレーム数Video_Framesを計算
Video_Frames = (記録開始時のTTC - 00:00:00:00)
(2)基準タイミング(00:00:00:00)から記録開始時に設定するTTCまでの間に入るオーディオのフレーム数Audio_Frameを計算
Audio_Frame = (Video_Frame * 3003) / 2160
・・・(フレームレート29.97Hzの場合):除算結果切り上げ
Audio_Frame = (Video_Frame * 3600) / 2160
・・・(フレームレート25Hzの場合):除算結果切り上げ
(3)基準タイミング(00:00:00:00)から記録開始時のTTCまで連続記録を行うことを想定した場合の、オーディオとビデオのDelay(遅延量)を計算
Delay = (Audio_Frame * 2160) - (Video_Frame * 3003)
・・・(フレームレート29.97Hzの場合)
Delay = (Audio_Frame * 2160) - (Video_Frame * 3600)
・・・(フレームレート25Hzの場合)
最後に、CPU109は、先頭オーディオPESのPTSを以下のように計算する。
【0039】
PTS(Audio) = PTS(Video) + Delay
ステップS205以降については、上述した第1の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
【0040】
以上の処理を行うことで、Genlock信号により外部と同期を取る複数台のデジタルビデオカメラでは、TTCが同一であるタイミングにおいて、映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、2台または2台以上のデジタルビデオカメラをGenlock信号により互いに同期させ、TTCを入力してタイムコードを同期化し、それぞれ記録媒体に記録した符号化ビットストリームを任意の点で繋ぎ編集する。その場合に、複数のビットストリームの同一TTCを有するフレームにおいて、映像だけでなく音声に関しても不連続なく円滑に繋ぎ編集することができる。即ち、複数台のデジタルビデオカメラで個々のタイミングで記録開始した記録媒体上のビットストリームを、任意の点で繋ぎ編集することが可能となる。
【0042】
[他の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、HDV方式に準拠したデジタルビデオカメラを例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。時刻情報を用いてビデオ及びオーディオを多重化して記録媒体に記録する方式のものであればよい。
【0043】
上記第2の実施の形態では、基準タイミングのTTCを00:00:00:00とした場合を例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。基準タイミングのTTCは、デジタルビデオカメラにおいて予め定められている値でもよいし、ユーザがデジタルビデオカメラの操作部から設定した値でもよい。
【0044】
上記第2の実施の形態では、基準タイミングを取得するためにTTCを使用した場合を例に挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。時刻情報を得られるものであれば、任意の情報を用いることが可能であり、例えばRecTime(記録時間)等の情報を用いてもよい。
【0045】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、以下の処理を行うことによりも達成される。即ち、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによりも達成される。
【0046】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0047】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクを用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0048】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、以下の場合も含まれる。即ち、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0049】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、以下の処理を行う場合も含まれる。即ち、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルビデオカメラの画像記録開始時におけるビデオ及びオーディオのPTSを決定するための処理を示すフローチャートである。
【図3】ビデオのPTS間隔とオーディオのPTS間隔の不一致を説明する図である。
【図4】ビデオの先頭PTSとオーディオの先頭PTSがストリーム毎に異なることを説明する図である。(a)は、ビデオカメラAのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(b)は、ビデオカメラBのビデオPES及びオーディオPESを示す図である。
【図5】ビデオの同期が取れている2つのビットストリームを繋ぎ編集した際にオーディオの不連続が発生することを説明する図である。(a)は、ビデオカメラAのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(b)は、ビデオカメラBのビデオPES及びオーディオPESを示す図、(c)は、編集ストリームを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
103 画像圧縮伸長部
104 音声圧縮伸長部
105 多重化処理部
106 外部TTC検出部(同期手段)
109 CPU(制御手段)
111 記録媒体インターフェース(記録手段)
112 記録媒体(記録手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号及び音声信号を圧縮符号化すると共に、前記圧縮符号化後の画像データ及び音声データに対して圧縮符号化単位毎に再生を行うための時刻情報を付加する機能を有する画像記録装置であって、
外部から入力される外部同期信号に基づいて、前記画像記録装置の画像信号を外部機器の画像信号と同期させる同期手段と、
前記同期手段により前記画像記録装置の画像信号を前記外部機器の画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、画像データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報と、音声データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報との差を、規定値に設定して圧縮符号化を行うよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記規定値は、0であることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記時刻情報としての記録時間に関する情報が付加された画像データ及び音声データを記録する記録手段を更に備え、
前記制御手段は、前記同期手段により前記画像記録装置の画像信号を前記外部機器の画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、圧縮符号化動作開始時の前記記録時間に関する情報の値に応じて、画像データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報と、音声データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報との差を、変更することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記記録時間に関する情報は、TTC(Total Time Code)、画像データ及び音声データの記録時間を含む群から選択されることを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記請求項1乃至4の何れかに記載の画像記録装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
画像信号及び音声信号を圧縮符号化すると共に、前記圧縮符号化後の画像データ及び音声データに対して圧縮符号化単位毎に再生を行うための時刻情報を付加する機能を有する画像記録装置の制御方法であって、
外部から入力される外部同期信号に基づいて、前記画像記録装置の画像信号を外部機器の画像信号と同期させる同期ステップと、
前記同期ステップにより前記画像記録装置の画像信号を前記外部機器の画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、画像データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報と、音声データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報との差を、規定値に設定して圧縮符号化を行うよう制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項7】
画像信号及び音声信号を圧縮符号化すると共に、前記圧縮符号化後の画像データ及び音声データに対して圧縮符号化単位毎に再生を行うための時刻情報を付加する機能を有する画像記録装置の制御方法をCPUに実行させるプログラムであって、
外部から入力される外部同期信号に基づいて、前記画像記録装置の画像信号を外部機器の画像信号と同期させる同期モジュールと、
前記同期モジュールにより前記画像記録装置の画像信号を前記外部機器の画像信号と同期させた状態での圧縮符号化動作において、画像データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報と、音声データの先頭の圧縮符号化単位の時刻情報との差を、規定値に設定して圧縮符号化を行うよう制御する制御モジュールと、
を備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−288581(P2007−288581A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114454(P2006−114454)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】