説明

画像記録装置

【課題】撮影時等に本画像とともに作成された画像をさらに便利に使用できるようにする。
【解決手段】「履歴再生モード」が選択されると、フラッシュメモリ19に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。読み出された画像圧縮データは、圧縮伸長処理回路144を介して非圧縮のYC信号に伸長され、VRAM132に保存される。VRAM132に保存されたYC信号は、表示コントローラ16に加えられる。表示コントローラ16は、入力するYC信号からNTSC方式のRGBカラー複合映像信号を作成し、これを表示部17に出力する。これにより、表示部17にはフラッシュメモリ19に記録されている第2画像が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録装置に係り、特に縮小画像の再生が可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像記録装置において、撮像で得た本画像の画素数を間引いた画像を作成して記録する技術が存在する。例えば特許文献1によると、撮像素子は被写体像を画像信号に光電変換する。この画像信号は撮像処理部で処理が施された後にA/Dに入力され、被写体像を表現する撮影画像が出力される。CPUは、画像処理部に撮影画像から基本画像を作成させて着脱記録媒体に記録させる。その一方で、CPUは、撮影画像若しくは基本画像からその画素数が基本画像よりも少ない簡易画像を画像処理部に作成させ、フラッシュメモリ内の画像記録部に記録させる。このとき、簡易画像の画素数は、LCDディスプレイで表示させ得る画像の画素数に基づいて定められたものであるようにする。
【特許文献1】特開2003−87720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1では、フラッシュメモリに記憶された、本画像と関連づけられた簡易画像の再生について何ら具体的に開示されておらず、本画像と簡易画像とを対応づける必要性に乏しい。また、非特許文献1の技術では、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、撮影時等に本画像とともに作成された画像をさらに便利に使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像記録装置は、被写体像を光電変換して被写体の画像を得る撮像部と、画像に所定の画像処理を施す第1の画像処理部と、所定の画像処理の施された画像を記録する第1の記録部と、画像を縮小した画像である縮小画像を作成する第2の画像処理部と、縮小画像を記録する第2の記録部と、第1の記録部に記録された画像を再生表示する通常再生モード又は第2の記録部に記録された縮小画像を再生表示する履歴再生モードを設定する再生モード設定部と、通常再生モード又は履歴再生モードの設定に応じて画像又は縮小画像を再生表示する表示制御部と、を備えた。
【0005】
この発明によると、第2の記録部に縮小画像を記録しておき、履歴再生モードの設定に応じて縮小画像を再生表示できるため、これまで撮りためてきた画像が縮小画像の再生表示によって一目瞭然で分かる。
【0006】
この画像記録装置は、画像を送信する送信部をさらに備えていてもよい。
【0007】
この画像記録装置は、画像を受信する受信部をさらに備え、第1の記録部は受信部の受信した画像を記録するようにしてもよい。
【0008】
外部のファイルサーバなどから受信した画像も、通常再生モードを設定することで再生表示できる。
【0009】
第1の記録部は着脱可能な記録媒体、例えばスマートメディア、コンパクトフラッシュ、USBメモリなどを含む。
【0010】
第2の記録部は画像記録装置に内蔵された記録媒体、例えばフラッシュメモリを含む。
【0011】
第1の記録部及び第2の記録部は同一の記録媒体に設けられた区画であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によると、第2の記録部に縮小画像を記録しておき、履歴再生モードの設定に応じて縮小画像を再生表示できるため、これまで撮りためてきた画像が縮小画像の再生表示によって一目瞭然で分かる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る画像記録装置1の背面図である。この画像記録装置の背面には、メニュー/実行ボタン2b、十字キー2c、ズームキー2W/2T、モードスイッチ2dなどを含む操作部2、画像などの各種情報を表示する表示部17、ファインダー50が設けられ、上面には操作部2に含まれるシャッターボタン2aが配置されている。この画像記録装置1は、デジタルカメラであるが、カメラ付携帯電話機にしてもよい。
【0015】
撮影者はファインダー50又は表示部17に映し出される映像を見て画角を調整することができる。ファインダー50は、電子ビューファインダーで構成されるが、このファインダー50を光学式ファインダーに置換する態様も可能である。
【0016】
ズームキー2W/2Tは、ズームレンズの焦点距離の調節と電子ズーム機能による拡大/縮小の指示に兼用される操作部である。ズームキーのTキー2Tが押されると、テレ方向(拡大方向)にズーム制御され、ズームキーのWキー2Wが押されると、ワイド方向(縮小方向)にズーム制御される。
【0017】
メニュー/実行ボタン2bは、各モードの通常画面からメニュー画面へ遷移させる時、あるいは選択内容の確定、処理の実行指示の時などに使用される。
【0018】
十字キー2cは、上下左右のいずれかの縁部を押圧することによって、対応する4方向(上下左右)の指示を入力できるように構成された多機能キーであり、メニュー画面における各種設定項目の選択や、設定内容の変更を指示する操作キーとして使用されるとともに、撮像レンズ11の焦点距離調整(テレ/ワイド操作)、電子ズームの倍率調整、ズーム中心の移動指示、再生コマの送り/戻しを指示する手段として用いられる。なお、十字キー2cは、一つの操作部材が上下左右に傾動するタイプでもよいし、上下左右の4つのキーが別々に設けられていてもよい。
【0019】
モードスイッチ2dは、画像記録装置1の動作モードを設定するスライド式スイッチであり、動作モードとして「静止画撮影モード」、「動画撮影モード」、「通常再生モード」、「履歴再生モード」のいずれか1つを設定できる。モードスイッチ2dは、ボタンやタッチパネルその他の操作手段に置換してもよい。
【0020】
表示部17は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画やメモリカード等の外部記録装置から読み出した再生画像等を表示する表示手段である。また、十字キー2bを使用したメニューの選択や各メニューにおける各種項目の設定なども表示部17の表示画面を用いて行われる。更に表示部17には、撮影可能枚数(コマ数)や再生コマ番号の表示、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報を表示することができる。
【0021】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係る画像記録装置1の機能ブロック図である。画像記録装置1は、撮像レンズ11、CCDなどの固体撮像素子12、ドライバ122が固体撮像素子12から読み取ったアナログ画像をデジタル信号に処理するためのアナログフロントエンドIC13、アナログフロントエンドIC13からのデジタル画像信号を処理するDSP(Digital Signal Processor)等の第1信号処理回路14、中央演算処理装置(CPU)10、表示部17の表示制御を行う表示コントローラ16などを備えている。画像記録装置1の各回路への電源供給は画像記録装置1の筐体内部に装着される電池からなる主要電源164から供給される。RTC(Real Time Clock)15は計時専用のチップであり、画像記録装置1の主要電源164がオフされていても別個の電池から電源供給を受けて動作する。
【0022】
また、画像記録装置1は、メモリカード4からのデータ読み取りやメモリカード4へのデータ記録を行うカードコネクタ80、記録内容の書き換えが可能な内蔵型のフラッシュメモリ19、各種データやプログラムを記憶するROM20、CPU10の処理に必要な各種データを記憶するRAM21を備えている。上記の各部はバス(BUS)を介して接続されている。
【0023】
フラッシュメモリ19のサイズは、好ましくは1MBないし64MBの容量を持つが、実際に搭載される容量は、フラッシュメモリ19のコストや画像記録装置1のサイズによって決定される。
【0024】
撮像レンズ11には、例えば光学2倍ズームレンズが用いられ、操作部2から入力される倍率変更操作に応じてモータドライバ140が撮像レンズ11を望遠(テレ)側又は広角(ワイド)側に進退駆動することで光学ズーム倍率が変更される。撮像レンズ11の倍率は上記に限定されない。撮像レンズ11には絞り116が設けられており、モータドライバ140を介して絞り116を制御して適正な露光量を得る。
【0025】
操作部2によって「静止画撮影モード」が設定されると、CPU10は、動画(スルー画)を表示部17に表示させ、撮影画角を確認可能にする。即ち、固体撮像素子12は、撮像レンズ11の受光面に結像された被写体光をその光量に応じた量の信号電荷に変換する。このようにして蓄積された各画素の信号電荷は、CPU10の指令に従いタイミングジェネレータ121から与えられる駆動パルスに基づき、信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてドライバ122によって順次個別に読み出され、アナログフロントエンド回路13でデジタル信号に変換されてそれぞれ第1信号処理回路14に加えられる。アナログフロントエンド回路13でデジタル信号に変換された信号は第2信号処理回路30にも加えられる。
【0026】
第1信号処理回路14は、ゲイン調整回路及びA/D変換器を含み、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、ホワイトバランス補正回路、撮影画像に対する輪郭補正を含む画像処理を行う輪郭処理部、画像のノイズ低減処理を行うノイズ低減処理部等を含む画像処理手段であり、CPU10からのコマンドに従って画像信号を処理する。
【0027】
第1信号処理回路14に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cl信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、VRAM132に格納される。
【0028】
撮影画像を表示部17にモニタ出力する場合、VRAM132からYC信号が読み出され、表示コントローラ16に送られる。表示コントローラ16は、入力されたYC信号を表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して表示部17に出力する。
【0029】
VRAM132の画像データは、必要に応じて第1信号処理回路14から電子ズーム回路62に加えられる。電子ズーム回路62は、画像の拡大/縮小処理を行う。すなわち、画像データの一部を切り出し、その切り出し範囲を拡大/縮小することにより、画像の拡大/縮小処理を行なう。そして、その拡大/縮小後の画像データをVRAM132に出力する。切り出し範囲は十字ボタン2cなどの操作部2の操作で画像上の任意の位置に移動させることができ、これにより画像データの所望の範囲を拡大/縮小できる。
【0030】
所定のフレームレートで処理された各フレームのYC信号は、VRAM132のA領域とB領域とに交互に書き込まれ、VRAM132のA領域及びB領域のうち、YC信号が書き込まれている方の領域以外の領域から、書き込まれているYC信号が読み出される。このようにしてVRAM132内のYC信号が定期的に書き換えられ、そのYC信号から生成される映像信号が表示部17に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに表示部17に表示される。ユーザは、表示部17に表示される映像(スルー)によって撮影画角を確認できる。
【0031】
ここで、シャッターボタン2aが押下されると、静止画記録用の撮影動作がスタートする。シャッターボタン2aの押下に応動して取得された画像データは第1信号処理回路14において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、RAM21に格納される。第1信号処理回路14は所定の処理としてホワイトバランス調整、シャープネス調整、赤目補正等の処理も適宜行ってもよい。
【0032】
RAM21に格納されたY/C信号は、圧縮伸長処理回路144によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、カードコネクタ80を介し、本発明に係る第1の記憶部の一態様であるメモリカード4にExifファイルなどの所定フォーマットの画像ファイルとして記録される。
【0033】
一方、本発明に係る第2信号処理回路30は、撮影キーの押下に応動して取得された画像データの縮小画像データを生成する。第2信号処理回路30は、第1信号処理回路14と同様の処理を行う回路であるが、一部異なる構成を有している。即ち、第2信号処理回路30は、該画像データに圧縮処理や間引きなどを施し、縮小画像データを生成する。
【0034】
縮小画像データは、第2信号処理回路30によって輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、RAM21に格納される。RAM21に格納されたY/C信号は、圧縮伸長処理回路144によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、本発明に係る第2の記録部の一態様であるフラッシュメモリ19に画像ファイルとして記録される。
【0035】
なお、図2では、第1信号処理回路14と第2信号処理回路30を別個の回路としているが、両者を一体構成してもよいし、同一の回路で構成してもよい。第1信号処理回路14と第2信号処理回路30を、ソフトウェアによる画像処理を演算する演算装置に置換してもよい。また、第2信号処理回路30は、画像データを第1信号処理回路14から入力してもよいが、アナログフロントエンド回路13から画像処理前の生のデータ(RAWデータ)をそのまま入力して縮小画像を作成してもよい。
【0036】
以下、第1の記録部であるメモリカード4に記録された画像ファイルを第1画像、第2の記録部であるフラッシュメモリ19にされた画像ファイルを第2画像という。第1画像と第2画像とは互いに関連づけられていてもよいし、互いに別個独立した無関係の存在でもよい。第1画像と第2画像とを関連づける方法は、互いに同一の識別子を含むファイル名を付与する、メモリカード4とフラッシュメモリ19にそれぞれ作成された同一名のフォルダに格納する、第2画像のヘッダ部分やデータ部分に第1画像を特定する情報を添付するなどが考えられる。
【0037】
第1の記録部、第2の記録部はメモリカード4やフラッシュメモリ19に限らず、別個のディレクトリで管理されるなど、物理的あるいは論理的に区別されていれば足りる。
【0038】
フラッシュメモリ19に記録させる第2画像のサイズは、表示部17の表示サイズに適合するサイズであり、例えば、128×96ドット(subQCIF)、160×120ドット(QSIF)、176×144ドット(QCIF)、320×240ドット(QVGA)、352×288ドット(CIF)、640×480ドット(VGA)、96×64ドット、96×72ドット、120×90ドット、192×128ドット(1/16BASE)、348×256ドット(1/4BASE)、768×512ドット(BASE)などであり、どのサイズで記録するかは静止画記録動作の開始前に予め操作部2から任意に選択される。無論、第2画像のサイズが小さいほど記憶容量を節約でき、より多くの第2画像をフラッシュメモリ19に保存できる。好ましくは、フラッシュメモリ19に、少なくともメモリカード4に記録される枚数を超える縮小画像を記録できるのに十分な容量を確保しておき、これまでメモリカード4に記録してきた画像の履歴を追うのに役立つようにする。
【0039】
なお、第2画像とは第1画像の縮小画像であるが、第2画像のサイズを第1画像と同一に設定してもよい。この場合、第1画像と同一の第2画像がフラッシュメモリ19に記録されるため、フラッシュメモリ19の画像がメモリカード4の画像のバックアップとなる。このため、メモリカード4に一時的な障害が発生し、画像ファイルを読み出すことができなくなっても、フラッシュメモリ19の画像を読み出して保存・再生ができることができ便利である。メモリカード4の障害の復旧後、フラッシュメモリ19の第2画像をメモリカード4に複製してもよい。
【0040】
モードスイッチ2dによって「通常再生モード」が設定されると、メモリカード4に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸長処理回路144を介して非圧縮のYC信号に伸長され、VRAM132に保存される。VRAM132に保存されたYC信号は、表示コントローラ16に加えられる。表示コントローラ16は、入力するYC信号からNTSC方式のRGBカラー複合映像信号を作成し、これを表示部17に出力する。これにより、表示部17にはメモリカード4に記録されている最終コマのコマ画像が表示される。
【0041】
その後、十字キー2cの右キーが押されると、順方向にコマ送りされ、十字キー2cの左キーが押されると、逆方向にコマ送りされる。そして、コマ送りされたコマ位置の画像ファイルがメモリカード4から読み出され、上記と同様にしてコマ画像が表示部17に再生される。尚、最終コマのコマ画像が表示されている状態で順方向にコマ送りされると、メモリカード4に記録されている1コマ目の画像ファイルが読み出され、1コマ目のコマ画像が表示部17に再生される。
【0042】
以下、図3のフローチャートに基づき、静止画像記録動作の流れを詳細に説明する。この処理は、「静止画撮影モード」が設定されたときに実行される。
【0043】
まず、ユーザによりシャッターボタン2aが押下されると、これに応じて静止画記録用の画像データがRAM21に保存される(S1)。一旦RAM21に保存された画像は、表示部17に出力される(S2)。この状態で、撮影した画像を確認できる。
【0044】
メニュー/実行ボタン2bの押下によって画像の記録が指示されると(S3で“Y”)、RAM21に保存された画像データに対し、第1信号処理回路14によって所定の処理がされた後、第1画像としてメモリカード4に記録される(S4)。一方、RAM21に保存された画像データは、第2信号処理回路30によって縮小され、第2画像としてフラッシュメモリ19に記録される(S5)。第2画像として記録する画像は1つであっても複数であってもよく、また複数の場合はそれぞれ異なるサイズが指定されてもよい。なお、メニュー/実行ボタン2b以外のボタンが操作されると(S3で“N”)、RAM21に保存された画像データは消去される(S6)。
【0045】
画像を連続して撮影する場合は、ステップS3で逐一画像記録をするか否かを選択させることなく、直ちに第1画像と第2画像を記録するようにしてもよい。
【0046】
なお、モードスイッチによって「動画撮影モード」が設定されたときには、シャッターボタン2aの押下操作に連動して動画記録動作がスタートし、もう一度押下すると動画記録動作が停止する。撮影キーを押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除によって録画を停止するようにしてもよい。動画データは、例えばモーションJPEG(MPEG)形式によって、メモリカード4に記録される。
【0047】
「履歴再生モード」が選択されると、フラッシュメモリ19に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。読み出された画像圧縮データは、圧縮伸長処理回路144を介して非圧縮のYC信号に伸長され、VRAM132に保存される。VRAM132に保存されたYC信号は、表示コントローラ16に加えられる。表示コントローラ16は、入力するYC信号からNTSC方式のRGBカラー複合映像信号を作成し、これを表示部17に出力する。これにより、表示部17にはフラッシュメモリ19に記録されている第2画像が表示される。
【0048】
複数の第2画像が縮小されていれば、これらを所定の配列に従って表示してもよい。例えば、図4に示すように、複数の第2画像を記録日時順に従って一覧表示してもよい。第2画像に第1画像を特定する情報が添付されていれば、第2画像とともにこの情報を表示してもよい。
【0049】
表示部17に表示された第2画像の内、所定の画像処理(テンプレート合成、トリミング、リサイズ等)を施す画像を十字キー2cで選択させ、選択された縮小画像にさらに所定の処理を施してもよい。また、メモリカード4に複製する第2画像あるいはフラッシュメモリ19から削除する第2画像を十字キー2cで選択させ、選択された第2画像をメモリカード4に複製する動作あるいは削除する動作を行ってもよい。
【0050】
あるいは、ユーザの選択操作に依存せず、自動的にフラッシュメモリ19の画像を削除してもよい。
【0051】
例えば、既にフラッシュメモリ19に記憶されている第2画像の日時情報(ファイルの作成日時・更新日時等を示すタイムスタンプなど、第2画像に記録された各種の日時を示す情報)の内、日時情報の示す日時の古い第2画像から、必要な空き容量が確保されるまで順次削除する。通常、記憶された日時情報が古ければ、それだけ表示・画像処理・複製など第2画像を扱う可能性が低くなると考えられるため、日時情報の古い第2画像から順次削除するものとするが、必要であれば日時情報の新しい第2画像から順次削除してもよい。
【0052】
あるいは、第2画像の表示、縮小/拡大表示、一覧表示、サイズ変換、テンプレート合成等を行うために、CPU10がフラッシュメモリ19の第2画像を呼び出した場合、呼び出しの回数を記録する管理ファイルをフラッシュメモリ19に作成するか、あるいは各第2画像の呼び出し回数をその第2画像の画像ファイルのヘッダ部分に呼び出しごとに更新記録しておく。そして、CPU10は、管理ファイル又は画像ファイルのヘッダ部分の呼び出し回数を参照し、呼び出し回数の少ない第2画像から優先して削除してもよい。
【0053】
また、日時情報が古くかつ呼び出し回数の少ない第2画像から優先して削除してもよい。あるいは、日時情報が古くかつ呼び出し回数が0の第2画像から優先して削除してもよい。
【0054】
自動的に削除されない画像、あるいは削除すべき画像として選択されても削除されない第2画像を選択させ、選択された画像に削除禁止のプロテクトをかけてもよい。
【0055】
<第2実施形態>
第1の記録部及び第2の記録部は同一の記録媒体に設けられた区画であってもよい。例えば、図5に示すように、メモリカード4に第1の記憶領域4aと第2の記憶領域4bとを設ける。第1の記憶領域4aと第2の記憶領域4bとは物理的に区別(アドレスなど)または論理的に区別(パーティションなど)される。第1の記憶領域19aを第1の記録部とし、第2の記憶領域19bを第2の記録部とすれば、第1実施形態と同様、通常再生モードまたは履歴再生モードの選択に応じた画像再生動作が可能である。
【0056】
あるいは、図6に示すように、フラッシュメモリ19に第1の記憶領域19aと第2の記憶領域19bとを設ける。第1の記憶領域19aと第2の記憶領域19bとは物理的または論理的に区別される。第1の記憶領域19aを第1の記録部とし、第2の記憶領域19bを第2の記録部とすれば、第1実施形態と同様、通常再生モードまたは履歴再生モードの選択に応じた画像再生動作が可能である。
【0057】
なお、第1の記録領域19aと第2の記録領域19bとを区別しなくとも、同一の記憶領域で第1画像と第2画像とをファイル名に付与された特定の識別子など何らかの情報で区別してもよい。例えば、第1画像のファイル名に「IMG1」を付加した「xxxIMG1.jpg」、この第1画像に関連する第2画像のファイル名に「IMG2」を付加した「xxxIMG2.jpg」というファイル名を付与すれば、両者が関連した第1画像と第2画像であることをCPU10が識別できる。
【0058】
<第3実施形態>
第1の記録部は画像記録装置1に着脱可能な記録媒体に限らず、ネットワークで接続された情報機器の記録媒体であってもよい。
【0059】
即ち、図7に示すように、画像記録装置1に設けられた通信インターフェイスである通信部31と、画像記録装置1外に設けられた通信装置(無線LANのステーション、ハブ、ルータなど)である通信部102とを介して、画像記録装置1とファイルサーバ100とを接続する。ファイルサーバ100に備えられたハードディスクユニット(HDD)101を第1の記録部とし、画像記録装置1は、第1画像をファイルサーバ100に送信してHDD101に記憶させる。
【0060】
通信部31と通信部102との接続方式は特に限定されず、USB通信、インターネット、無線LAN、Bluetooth、赤外線通信など、各種の情報端末間通信で採用されているものを適用すればよい。
【0061】
一方、第2画像には、第1画像を特定する情報として、第1画像の保存先を示す情報であるファイルサーバ100のアドレスやHDD101のディレクトリ等を添付してもよい。
【0062】
図8は画像記録装置1からファイルサーバ100への第1画像送信の動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザによりシャッターボタン2aが押下されると、これに応じて静止画記録用の画像データがRAM21に保存される(S11)。一旦RAM21に保存された画像は、表示部17に出力される(S12)。この状態で、撮影した画像を確認できる。
【0064】
メニュー/実行ボタン2bの押下によって画像の記録の開始が指示されると(S13で“Y”)、第1信号処理回路14によってRAM21に保存された画像データに所定の画像処理が施され、第1画像としてファイルサーバ100に送信される(S14)。一方、RAM21の画像データは第2信号処理回路30によって縮小され、第2画像としてフラッシュメモリ19に記録される(S15)。なお、メニュー/実行ボタン2b以外のボタンが操作されると(S13で“N”)、RAM21に保存された画像データは消去される(S16)。
【0065】
ファイルサーバ100が画像記録装置1から第1画像を受信すると、これをHDD101に保存する。ファイルサーバ100は、第1画像の保存先を示す情報(保存先情報)を画像記録装置1に通知し、画像記録装置1は、通知された保存先情報を第2画像に添付してもよい。
【0066】
画像記録装置1が第1画像をファイルサーバ100に送信するタイミングは、通常、シャッターボタン2aの押下で画像の記録が指示されるごとである。ただし、フラッシュメモリ19その他の記憶手段に一時的に第1画像をバッファしておき、一定のタイミング(画像記録装置1とファイルサーバ100の通信が確立したときや、画像記録装置1が無線通信エリア外に移動して一旦切断した通信が無線通信エリア内に移動して復旧したときなど)で一括して送信し、送信完了後はバッファされた画像データを削除してもよい。
【0067】
さらに、一旦ファイルサーバ100に送信した第1画像を画像記録装置1で閲覧できるようにしてもよい。
【0068】
図9はファイルサーバ100から画像記録装置1への第1画像送信の動作を示すフローチャートである。まず、画像記録装置1は、フラッシュメモリ19の第2画像の内所望の画像(例えばユーザが拡大表示したい第2画像)を十字キー2cで選択させ(S31)、第2画像が選択されると、この第2画像に添付されたファイルサーバ100の保存先情報を取得する(S32)。保存先情報を取得すると、該保存先情報で特定される第1画像を送信するようファイルサーバ100に要求する(S33)。
【0069】
ファイルサーバ100は、要求を受けると、該保存先情報に従って第1画像を特定し(S34)、特定された第1画像を画像記録装置1に送信する(S35)。
【0070】
画像記録装置1は、ファイルサーバ100から第1画像を受信すると、これをフラッシュメモリ19に記憶する。フラッシュメモリには、受信した第1画像を記憶する第1記憶領域と第2画像を記憶する第2記憶領域とが設けられていることが好ましい。そして、「通常再生モード」の選択に応じて第1画像を表示部17に表示する。なお、S31で選択された第2画像とS36で受信した第1画像とが同一または類似の内容を含んでいる場合、両者を区別するため、第1画像あるいは第2画像について、輝度を下げる、枠をつける、印をつけるなど、両者に各種の表示上の差異を設けて区別させることが好ましい。
【0071】
以上説明したように、本実施形態の画像記録装置1は、得られた第1画像をファイルサーバ100に送信するため、記録媒体の空き容量を気にせず大量の画像を撮影することが可能であり、大容量のメモリカード4を用意する必要もない。
【0072】
以下、本発明に係る画像記録装置1ないしファイルサーバ100からなる画像記録システムの具体的な使用方法を説明する。
【0073】
このシステムは、互いに無線通信で接続され、例えばテーマパークや観光スポット等の限られたエリア(施設)内で使用される。まず、画像記録装置1を所望するユーザに貸与し、エリア内で自由に画像を撮影させる。撮影された画像は、画像記録装置1が通信エリアにある限り、順次あるいは一括してファイルサーバ100に送信される。どの画像を送信するかはユーザの自由であり、画像記録する操作(S13で“Y”)がされると画像が送信されるとともに、縮小画像が画像記録装置1に保存される。どの画像がどの画像記録装置1から送信されたかを特定するため、予め画像記録装置に一意的な識別情報を付与しておき、送信する画像に識別情報を添付して送信することが好ましい。
【0074】
画像の撮影が終了すると、ユーザは画像記録装置を所定の場所に返却する。画像記録装置1には縮小画像しか保存されていないため、ユーザが無断で画像記録装置1を持ち帰っても、縮小画像はプリントや鑑賞には耐えない。このため、ユーザが画像記録装置1を返却することが期待される。
【0075】
無論、画像記録装置1にメモリカード4が装填されていれば、これに画像を記録してもよい。ただし、画像記録装置1を無断で持ち帰らないようにするため、画像記録装置1本体に盗難防止タグなどを取り付けるか、画像記録装置1及びメモリカード4の返却と引き換えに画像プリントあるいは画像データを提供するとよい。
【0076】
ユーザは、所定の料金を支払った上、自分の送信した画像の内プリントしたいものを指定し、ファイルサーバ100と接続されたプリンタ200によって即時プリントしてもらう。
【0077】
プリントしたい画像の指定は、まず、画像記録装置1とファイルサーバ100とを接続し、モードスイッチ2dを「履歴再生モード」あるいは図示しない「プリントモード」に設定して、フラッシュメモリ19に記録された縮小画像を表示させた上、プリントしたい画像に対応する縮小画像を十字キー2cで選択させる。画像記録装置1には過去にサーバ100に送信した画像の縮小画像が保存されているため、過去にどのような画像を記録したのかが一目瞭然で分かりプリントしたい画像の検索・指定も容易である。画像記録装置1が選択された縮小画像に添付された保存先情報をサーバ100に送信することで、サーバ100がユーザのプリントしたい画像を識別する。画像をデータとして持ち帰りたい場合は、選択された画像をCD−Rなどの各種可搬記録媒体に記録した上でユーザに販売してもよい。
【0078】
なお、返却された画像記録装置1に保存されている縮小画像を、ユーザの許可を得て消去せずそのまま残しておくか、画像記録装置1に予め撮影スポットのサンプル縮小画像を保存しておき、次に貸与を受けたユーザが「履歴再生モード」でこの縮小画像を閲覧できるようにしてもよい。こうすると、撮影スポットの情報をユーザに与えることが可能である。
【0079】
<第4実施形態>
第3実施形態の画像記録装置1に備えられた通信部31による通信の相手方はファイルサーバ100に限られず、同等の構成を有する他の画像記録装置1とすることも可能である。
【0080】
即ち、図10の要部構成図で示すように、通信部31−Aを備えた画像記録装置1−Aと通信部31−Bを備えた画像記録装置1−Bとの間で、第1画像及び第2画像を互いに送受信することで、第1画像及び第2画像を複数の画像記録装置1間で共有できる。
【0081】
この場合、第1実施形態と異なり、一方の画像記録装置1−Aが他の画像記録装置1−Bから受信した第1画像を第2信号処理回路30−Aによって縮小して第2画像を作成することも可能である。
【0082】
<第5実施形態>
第1〜4実施形態の画像記録装置1において、さらに、第1画像及び該第1画像を縮小した第2画像の対応関係を規定する対応規定データをテーブル、ファイル、データベースなどで構成し、これをフラッシュメモリ19に記憶してもよい。そして、履歴再生モード実行中、操作部2から、特定の第2画像の選択及びその第2画像について拡大表示等の所定の画像処理の開始が操作部2から指示された場合、対応規定データを参照し、選択された第2画像に対応する第1画像をメモリカード4、フラッシュメモリ19、サーバ100から読み出し、表示部17に表示してもよい。第2画像を電子的に拡大して表示するよりも第1画像を表示したほうが画質がよいから、履歴再生モード実行中に画像を拡大して見たいときは便利である。
【0083】
ある第2画像について対応規定するデータが存在しない場合、履歴再生モード実行中、その第2画像については、網掛け、輝度の低減、枠で囲むなどし、対応規定するデータが存在する第2画像と視覚的に区別できるようにしてもよい。
【0084】
なお、第3実施形態のように第1画像の保存先がサーバ100であれば、保存先情報をそのまま対応規定データとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る画像記録装置の背面図
【図2】第1実施形態に係る画像記録装置のブロック図
【図3】画像記録処理の流れを示すフローチャート
【図4】縮小画像の表示例を示す図
【図5】第1の記録領域及び第2の記録領域の設けられたメモリカードを備えた画像記録装置のブロック図
【図6】第1の記録領域及び第2の記録領域の設けられたフラッシュメモリを備えた画像記録装置のブロック図
【図7】第3実施形態に係る画像記録装置のブロック図
【図8】画像記録装置からファイルサーバへの第1画像送信の動作を示すフローチャート
【図9】ファイルサーバから画像記録装置への第1画像送信の動作を示すフローチャート
【図10】互いに通信する画像記録装置の要部構成図
【符号の説明】
【0086】
4:メモリカード、10:CPU、11:撮像レンズ、17:表示部、19:フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光電変換して被写体の画像を得る撮像部と、
前記画像に所定の画像処理を施す第1の画像処理部と、
前記所定の画像処理の施された画像を記録する第1の記録部と、
前記画像を縮小した画像である縮小画像を作成する第2の画像処理部と、
前記縮小画像を記録する第2の記録部と、
前記第1の記録部に記録された画像を再生表示する通常再生モード又は前記第2の記録部に記録された縮小画像を再生表示する履歴再生モードを設定する再生モード設定部と、
前記通常再生モード又は前記履歴再生モードの設定に応じて前記画像又は前記縮小画像を再生表示する表示制御部と、
を備えた画像記録装置。
【請求項2】
前記画像を送信する送信部をさらに備えた請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
画像を受信する受信部をさらに備え、
前記第1の記録部は前記受信部の受信した画像を記録する請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記第1の記録部は着脱可能な記録媒体を含む請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記第2の記録部は画像記録装置に内蔵された記録媒体を含む請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記第1の記録部及び第2の記録部は同一の記録媒体に設けられた区画である請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−295706(P2006−295706A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115880(P2005−115880)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
2.Bluetooth
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】