画像記録装置
【課題】記録媒体切断片の分別スタック可能状態へのセッティングを簡単な動作で実現可能とし、さらにスタック部に至る切断片用通路に引っ掛かった切断片やスタック部の満載時の切断片を移動させられるようにする。
【解決手段】排紙スタック部材3が排紙位置にあるときに、排紙スタック部材3により切断片用通路が形成され、当該切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。排紙スタック部材3を移動させることにより、排紙スタック部材3に設けられた切断片移動部3eが、使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過して、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができる。
【解決手段】排紙スタック部材3が排紙位置にあるときに、排紙スタック部材3により切断片用通路が形成され、当該切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。排紙スタック部材3を移動させることにより、排紙スタック部材3に設けられた切断片移動部3eが、使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過して、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を切断手段で切断して複数の切断片とし、これら切断片を別々の排紙スタック部に分別スタック可能とした画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カード状の印刷記録媒体やロール状に巻かれた印刷記録媒体を、カッタ等の切断手段により幅は等しいが長さの異なる切断片として切り出して、これら切断片を別々の排紙スタック部に分別スタック可能とした画像記録装置が提案されている。
【0003】
切断片を分別スタックさせる目的は、使用者が長尺写真部と短尺屑部の仕分け作業がやり易いようにするためである。すなわち、一般的には長さの異なる切断片、例えば長尺に切断された写真部と、短尺に切断された屑部等を混載させてスタックさせるよりも、プリンタ自体で切断片長さ毎に分別スタックさせた方が仕分け作業やり易くなる。
【0004】
特許文献1には、カットオートカッターによってカットされ、カッター排紙駆動ローラの回動によって排出されるロール紙を下方で受ける排紙スタッカが、カッター排紙駆動ローラのほぼ真下に位置する第1の用紙収納部と、これの下流側に位置する第2の用紙収納部とを備え、短尺のロール紙は第1の用紙収納部に、長尺のロール紙は第2の用紙収納部に落下し、仕分けされる構成が開示されている。
【0005】
また一方、カッタで切断された長さの異なるシート切断片を振り分ける方法も提案されている。特許文献2では、ロータリー方式のカッタ装置の下流側に排紙ガイド機構が設けられており、排紙ガイド機構は、固定された排紙ガイド部材と、ロータリーカッタのキャリッジの動きに連動して上下回動する可動フラップから構成されている。長尺写真部を写真排出口へ導き切屑収納部を閉じる可動フラップ位置と、切屑収納部を開放させて短尺の屑を切屑収納部に導く経路を作る可動フラップ位置とを持つ構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−252514号公報
【特許文献2】特開2003−326783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば特許文献1に開示された構成では、複数長さの切断片を分別スタックさせるために必用な排紙スタッカを、その度毎にプリンタ本体にスナップ手段を介して装着させなければならない。そのため、セッティング作業が煩雑で、プリンタを分別スタック可能状態にセッティングするために時間がかかっていた。また、プリンタ本体から取り外した排紙スタッカの管理が面倒で、紛失するおそれもあった。また、複数長さの切断片を分別スタックさせるために必用な排紙スタッカが、手前に短尺部、遠方に長尺部と外に延びる排紙スタック部であるため、プリンタが大型化してしまっていた。また、カッター排紙駆動ローラから切断片が自然落下してから排紙スタッカに到る間での切断片の引っ掛りを取り除く対策が無く、途中で引っ掛った切断片に次々にその後の切断片が引っ掛り、切断片を所望の用紙収納部に積載できなくなる問題があった。また、短尺スタック部(第1の用紙収納部)が満載時の対策が無く、短尺スタック部が満載時は、長尺スタック部(第2の用紙収納部)側に溢れ出し、結局短尺切断片と長尺切断片が混載してしまう問題があった。
【0008】
特許文献2に開示された構成では、長尺切断片と短尺切断片が通過するそれぞれの分別経路形成を、ロータリーカッタ駆動モータによるキャリッジ移動動作に連動させた可動フラップで行っている。そのため、カッタと可動フラップ間の連動をとるための連動部材を設置させる空間や、これを動作させる空間をカッタ下流に必要としていた。すなわち、分別経路構成部品配置の設計制約が生まれ、さらにプリンタ自体の大型化を招いていた。また、可動フラップを可動させないと分別経路が形成されないため、実質可動フラップを駆動させるモータが必須となっていた。また、切屑が切屑収納部で満載になった場合、切屑収納部を取り外して切屑を捨てる以外に、その状態を回避させる方法が無かった。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、記録媒体切断片の分別スタック可能状態へのセッティングを簡単な動作で実現可能とし、さらにスタック部に至る切断片用通路に引っ掛かった切断片やスタック部の満載時の切断片を移動させることのできる構成を、平易な構成で、低コストで実現可能とすることを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像記録装置は、装置本体と、前記装置本体内で記録媒体を搬送する搬送手段と、前記装置本体内で前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、前記記録媒体を切断するための切断手段と、第1の長さで切断された前記記録媒体の切断片を保持するための第1排紙スタック部を有し、前記装置本体に移動可能に支持された排紙スタック部材と、前記装置本体に設けられた、第2の長さで切断された前記記録媒体の切断片を収納するための第2排紙スタック部とを備え、前記排紙スタック部材が排紙位置にあるときに、前記排紙スタック部材により切断片用通路が形成され、前記切断片用通路を通って前記第2の長さの切断片が前記第2排紙スタック部に収納され、前記排紙スタック部材を移動させることにより、前記排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、前記切断片用通路を構成する空間及び前記第2排紙スタック部のうち少なくともいずれかを通過して前記第2の長さの切断片を移動させる構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置本体に排紙スタック部材が支持されており、排紙スタック部材の紛失のおそれはなく、しかも、その排紙スタック部材を移動させるという簡単な動作により、記録媒体切断片の分別スタック可能状態へセッティングすることができる。また、排紙スタック部材を移動させることにより、排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、切断片用通路を構成する空間や第2排紙スタック部を通過するので、切断片用通路に引っ掛かった切断片や第2排紙スタック部の満載時の切断片を移動させることのできる構成を、平易な構成で、低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図10】第3の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図12】第5の実施形態に係る画像記録装置の要部を示す図である。
【図13】第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。
【図14】第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す斜視図である。図1(a)は画像記録装置を右斜め前方から見た斜視図である。1は装置本体、2はカセットカバー、3は排紙スタック部材である。排紙スタック部材3は、装置本体1に移動可能(回動可能)に支持されており、非使用状態においては画像記録装置の外装に沿う状態で閉じている。
【0014】
図1(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図である。装置本体1の背面には、短尺の画像記録媒体切断片である第2の長さの切断片8b(図3等を参照)を収納するための第2排紙スタック部1aが設けられている。第2排紙スタック部1aは、装置本体1の背面に開口する凹部により構成される。この開口は、第2排紙スタック部1aに積載した第2の長さの切断片8bを使用者が取り除けるようにするためのものである。
【0015】
図1(c)は印刷記録媒体カセット及びインクリボンカセットを画像記録装置に収納する状態を示す斜視図である。カセットカバー2は装置本体1にヒンジを用いて回動可能に取り付けられており、カセット装填時は図1(c)に示すように開放される。装置本体1の右側面には、カセットカバー2を開放したときに現れる、印刷記録媒体カセット4とインクリボンカセット5の略挿入端面形状の開口部が形成されており、使用者は該開口部に合わせて印刷記録媒体カセット4とインクリボンカセット5を挿入する。
【0016】
図2は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す斜視図である。図2(a)は画像記録装置を右斜め前方から見た斜視図、図2(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図である。画像記録装置を使用する場合、使用者は装置本体1の正面の凹部1cと排紙スタック部材3との間に形成される隙間に指を掛け、排紙スタック部材3を使用位置(排紙位置)まで回動させてセッティングする。排紙スタック部材3は、装置本体1に回動自在に保持される回動支持部3aと、排紙スタック部材3の回動位置を規制する長溝及びこれに係合する軸により構成された位置規制部3bとを有する。
【0017】
排紙スタック部材3を使用位置まで回動させることにより開放される装置本体1の上面1dには主電源スイッチ6が配置されている。すなわち、画像記録装置の使用状態では主電源スイッチ6を押下で電源投入ができるが、非使用状態では主電源スイッチ6が覆われるため電源投入ができないようになっており、安全性の向上が図られている。
【0018】
図3は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は、非使用位置にあるときに装置本体1の上面1dを覆い、使用位置にあるときに第1の長さの切断片8cを保持するスタック部として機能する第1排紙スタック部3dを備える。また、第1排紙スタック部3dに対して略垂直に延出し、第1排紙スタック部3dの底部となる切断片移動部3eとを備える。このように排紙スタック部材3に第1排紙スタック部3dを設けているが、第1排紙スタック部3dは排紙方向に長く伸びた形状である。したがって、非使用位置にあるときは、装置本体1の外装に沿う状態まで排紙スタック部材3を回動させる構成とすることにより、画像記録装置を小型化することができる。図3に示すように、排紙スタック部材3が使用位置にあるときに、排紙スタック部材3の切断片移動部3eと、装置本体1の上面1dから第2排紙スタック部1aへと繋がる傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。この切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。
【0019】
印刷記録媒体カセット4には、軸4aにロール状に巻かれた印刷記録媒体8が内包されている。印刷記録媒体カセット4から画像記録装置への搬送方式は、不図示のモータによって軸4aを駆動させることでカセット4内外への印刷記録媒体8の搬送を行う方式とする。その他の搬送方式の例としては、軸4aは従動軸として巻かれたロール状記録媒体8の最外周に付勢されて接する不図示の給紙駆動ローラ等で行う方式としても構わない。また、印刷記録媒体8が印刷記録媒体カセット4から画像記録装置に、逆に画像記録装置から印刷記録媒体カセット4に搬送可能であれば他の方式を用いても構わない。
【0020】
装置本体1内には、印刷記録媒体8を搬送させるための搬送機構9が設けられている。9aは軸表面に微細な突起を有するグリップローラであり、不図示のモータから回転力を得て駆動され、正逆回転回動可能に保持されている。9bはピンチローラであり、不図示の付勢手段でグリップローラ9a側に微細な突起から僅かに離れる間隔を持って付勢されている。グリップローラ9aとピンチローラ9b間に搬送された印刷記録媒体8はニップされてグリップローラ9aの突起に刺さり、搬送力を得て送り出しや引き込み駆動がなされる。搬送機構9の下流にはデカール部10が配置されている。デカール部10は、印刷記録媒体8が通る隙間を持ったガイド形状をなし、経路途中に屈曲部を有し、この屈曲部で印刷記録媒体8をしごくことでカール取りを行う。搬送機構9の下流で、デカール部10に至るまでの間に不図示の記録媒体先端検出手段が配置されており、送られてきた印刷記録媒体8の位置を検出して所望の搬送長さを給紙させる。
【0021】
また、印刷記録媒体8を挟む位置に記録手段であるサーマルヘッド11とプラテンローラ12とが配置されている。サーマルヘッド11は不図示の弾性部材でプラテンローラ12側に付勢されており、さらに不図示のモータで適宜上下移動を行いプラテンローラ12に接離する。
【0022】
インクリボンカセット5には、供給側軸5aにインクリボン16が必要枚数巻かれており、巻上げ側軸5bにインクリボン16の端部が巻かれている。画像記録装置に装填されたインクリボンカセット5は不図示のモータで巻き上げ軸5bが駆動されてインクリボン16を巻き上げる。印刷時は、サーマルヘッド11でインクリボン16に塗布されたインクを搬送された印刷記録媒体8に熱転写させる。
【0023】
印刷記録媒体8の搬送方向下流には切断手段であるカッタ13が配置されている。カッタ13は固定刃と可動刃により構成される。また、カッタ13の上方で、装置本体1の上面1dに形成された印刷記録媒体8の排出口には、表面にゴム等の弾性部材を有する排紙駆動ローラ14と排紙従動ローラ15とが配置されている。排紙駆動ローラ14は、不図示のモータから駆動力を得て回転する。排紙従動ローラ15は、不図示の弾性部材で排紙駆動ローラ14側に付勢されている。装置本体1の上面1dには印刷記録媒体8に付勢する付勢部材7が設けられており、排紙駆動ローラ14と排紙従動ローラ15との間でニップされ排紙搬送された印刷記録媒体8の排紙方向を排紙スタック部材3及び第2排紙スタック部1aの方向に変える。
【0024】
排紙駆動ローラ14、排紙従動ローラ15は、第1の実施形態のように排紙方向が略鉛直上向き側に排紙する、いわゆる上方排紙の場合に有効である。すなわち、カッタ13で切断された直後の印刷記録媒体8の切断片8bが、重力で不用意な場所に移動しないように画像記録装置内で確実に保持できる。さらに、排紙駆動ローラ14で重力に抗する駆動力を切断片8bに付与し、切断片8bを確実に画像記録装置の外部に排出することができる。さらに、付勢部材7を用いて、排紙ローラ14、15のニップ位置からの排紙方向を変えることで、排紙済みの切断片が重力で再度排紙ローラ14、15のニップ部に戻って切断片が逆流することを防ぐことができる。
【0025】
第1の実施形態のように上方排紙でない場合、例えばカッタから略水平以下に排紙がされる横排紙の場合、排紙ローラ14、15や付勢部7は必要でない。カッタで印刷記録媒体が切断されると同時に、重力のみでカッタから切断片が離れるためである。故に、本発明の実施では、排紙ローラ14、15や付勢部7が無い場合も存在する。
【0026】
画像記録装置は、印刷記録媒体カセット4に印刷記録媒体8を巻き込み駆動しながら、かつ、インクリボンカセット5の巻上げ側軸5bを巻上げ、印刷記録媒体8に張り付いたインクリボン16を引き剥がしながら印刷する。通常Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、OC(オーバーコート)の4色を1色ずつ印刷しては、再度書き出し位置まで印刷記録媒体8を送り出し、印刷を実行する。
【0027】
OC印刷終了後、サーマルヘッド11を離間させて、カッタ13から第2の長さに適する長さになるように印刷記録媒体8を送り出す。所定の長さ送り出された後、カッタ13で印刷記録媒体8を切断して第2の長さの切断片8bを生成し、排紙駆動ローラ14で送り出す。さらにカッタ13から第1の長さに適する長さになるように印刷記録媒体8を送り出す。所定の長さ送り出された後、再びカッタ13で印刷記録媒体8を切断して第1の長さの切断片8cを生成し、排紙駆動ローラ14で送り出す。最初に切屑等の比較的短尺な第2の長さの切断片8bは、第2排紙スタック部1aに送られる(矢印B経路)。次に写真等の比較的長尺な第1の長さの切断片8cは、排紙スタック部材3の第1排紙スタック部3dに送られる(矢印A経路)。このように排紙スタック部材3が使用位置にあるときに排紙ローラ14、15に接近する排紙スタック部材3の分別部3c(切断片移動部3eの先端部)を境にして分別積載される。
【0028】
第1の長さの切断片8cは、分別部3cの上を通過して直接第1排紙スタック部3dに排紙駆動ローラ14による排紙付勢力と重力で落下する。故に、第1の長さの切断片8cは、排紙後は狭められた隙間を通過することはない。ロール状の印刷記録媒体を用いる場合、ロール状に巻かれていた径差によって切断後の切断片送り出し方向の反り量が変化し易い。第1排紙スタック部3dへのスタックには、搬送方向の反りや長い切断片であっても切断片終端部が分別部3cを通過させることが比較的容易なため、長尺の必要印刷部に好適である。
【0029】
第2の長さの切断片8bは、分別部3cと排紙駆動ローラ14との間の隙間を進入口として、切断片移動部3eと装置本体1の傾斜面により形成される切断片用通路を通って、第2排紙スタック部1aに重力で落下する。故に、第2の長さの切断片8bは、進入口から第2排紙スタック部1aに至る通路に引っかかりにくい短い長さである必要がある。第2の長さの切断片8bは、前記反りの影響が出にくく比較的形状は安定し易い。よって、第2の長さの切断片8bは、全面印刷等で必要印刷部からはみ出た部分が印刷される切屑部に最適である。
【0030】
このように第1排紙スタック部3dには第1の長さの切断片8cをスタックさせ、第2排紙スタック部1aには第2の長さの切断片8bをスタックさせると、安定した分別スタックが可能となる。ちなみに、第1の長さの切断片8cの搬送方向長さは第2の長さの切断片8bの搬送方向長さ以上であることが好ましい。
【0031】
図4は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。図4(a)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す断面図である。画像記録装置の非使用状態で、排紙スタック部材3は、装置本体1の上面1d、排紙ローラ14、15、付勢部材7、主電源スイッチ6を覆っている。すなわち、非使用位置にある排紙スタック部材3は装置本体1の上面1dを覆うように配置され、印刷に必要な部分を見せなくすることができる。
【0032】
また、非使用位置にある排紙スタック部材3の切断片移動部3eは、第2排紙スタック部1aの開口の一部を覆い、画像記録装置の背面外装の一部を成すとともに、開口面積を小さくすることによるデザイン性の向上が図られている。また、塵や埃の排紙ローラ14、15からの進入を防止する機能性の向上が図られている。また、画像記録装置を小型にすることによる収納性向上が図られている。
【0033】
図4(b)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させて使用状態にセッティングする。排紙スタック部材3の移動、すなわち回動動作によって、排紙スタック部材3の切断片移動部3eは、後述する図4(c)の使用状態で完成される切断片用通路を構成する空間を通過して、該空間を狭くする。本実施形態では使用者による手動で排紙スタック部材3を回動させる構成として、動力を削減し、小型化やコストダウンを達成させたが、動力を用いた排紙スタック部3のセッティング駆動であっても構わない。
【0034】
図4(c)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3aを中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。これにより、排紙スタック部材3の切断片移動部3eと装置本体1の傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。すなわち、画像記録装置は、第1の長さの切断片8cと第2の長さの切断片8bを分別スタック可能な状態になる。本実施形態では、排紙スタック部材3の第1排紙スタック部3dと分別部3cと切断片移動部3eを樹脂成型によって一体部品としている。これにより、構造の簡素化、小型化、部品の削減、型構造の簡素化、部品型費用の削減を達成させているが、複数部品化させて接着や嵌め込み等で組み合わせても構わない。また、切断片移動部3eと第1排紙スタック部3dの底部を表裏一体にしているが、別々の形状で構成しても構わない。
【0035】
なお、第2排紙スタック部1aの底面の開口側には第2の長さの切断片8bが外部に流れ出さないようにするためのリブ1eが設けられている。よって、第2排紙スタック部1aには所定枚数の第2の長さ切断片8bを外部に落下させないで積載させることができる。
【0036】
図4(c)に示すように、第1の実施形態では、排紙スタック部材3の分別部3cを境に重力方向上に第1排紙スタック部3d、重力方向下に第2排紙スタック部1aが配置される構成となっている。例えば必要印刷部を長尺切断片として第1排紙スタック部3dに、切屑を短尺切断片として第2排紙スタック部1aにスタックさせる場合、第2排紙スタック部1aの鉛直上側を排紙スタック部材3で覆うことになる。これにより、第2排紙スタック部1a全体が上方から使用者に見えにくくなり、切屑を使用者には直接見せないようにすることができ、美観上の都合が良い。
【0037】
上述したように、使用者は図4(a)〜4(c)に至る1回の排紙スタック部材3の開動動作を行うだけで非使用状態から使用状態への切り替え及びその逆が可能になる。したがって、分別スタック可能状態(使用状態)と非使用状態への切換が簡便で、切換に要する時間も僅かである。また、排紙スタック部材3が装置本体1に回転可能に支持されているので、排紙スタック部材3を装置本体1と別に管理する必要は無く、排紙スタック部材3を紛失することが本来起きない。
【0038】
また、排紙スタック部材3に分別部3cを設けたことで、画像記録装置自体に分別部を設ける必要が無くなり、画像記録装置の特に背面形状が簡素化できる。すなわち、第1排紙スタック部3dの上部に、分別部3cと排紙ガイドとなる切断片移動部3eの両方の機能を持つリブ形状を作成する必要が無くなるため、型構造が簡素化され、部品費、型費用削減に繋がる。
【0039】
図5は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図5(a)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。同図において、短尺屑部である第2の長さの切断片8bが、第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路の途中で引っ掛って滞留してしまっている。
【0040】
図5(b)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eが、図5(a)の使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過する。これにより、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができ、第2の長さの切断片8bは重力により第2排紙スタック部1aに落下する。
【0041】
図5(c)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0042】
以上のように、排紙スタック部材3の移動動作によって、切断片移動部3eが切断片用通路を構成する空間を通過し、切断片用通路に滞留した切断片8bの移動が可能になる。このように排紙スタック部材3の移動によって、排紙を妨げる滞留切断片の移動がなされることで、排紙が所望の位置に確実に移動できる一助となる。特にカッタ13から第2排紙スタック1aまでに至る切断片用通路に十分な空間を確保できない場合に有効である。
【0043】
(第2の実施形態)
図6は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す斜視図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図6(a)、(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図であり、図6(a)は切屑箱17を取り付けた状態、図6(b)は切屑箱17を取り外した状態を示す。第1の実施形態との相違点は、第2排紙スタック部として、装置本体1の背面に切屑箱収納部1fを形成し、上端開口を有する切屑箱17を収納した点である。このように切屑箱17に第2の長さの切断片8bである切屑がまとめて積載されるので、切屑箱17を取り出して切屑をまとめて捨てることができる。切屑箱17が切屑箱収納部1dに収納されることにより、装置本体1の背面に開口がない外装とすることができ、デザイン的にも画像記録装置の一体感が増す。切屑箱17を不透明部材で形成すれば、切屑箱17に積載される切屑を外部から見えなくすることが可能で、美観向上につながる。逆に切屑箱17を透明部材で形成すれば、切屑箱17内の積載状態を外部から確認することが可能になる。
【0044】
図6(b)に示すように、切屑箱収納部1fの底部にはリブが形成されており、切屑箱17の底部に形成された溝部が嵌合することで切屑箱17の位置決めがなされる。
【0045】
図7は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図7(a)は第2の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部である切屑箱17内で浮き上がり気味に積載されている。第2の長さの切断片8bは、切屑箱17に重力で積み重なるだけなので、切屑箱17の内壁面への引っ掛かりや切断片8b同士の傾き等で切断片8b間に隙間ができやすい。
【0046】
図7(b)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eの先端が、第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過する。これにより、切屑箱17の上部で浮き上がっていた第2の長さの切断片8bを切屑箱17内へと圧縮することができる。
【0047】
図7(c)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0048】
図8は、図7と同じく、第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図8(a)は第2の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。同図において、第2の長さの切断片8bが切屑箱17に満載となっており、切屑箱17の上端開口から溢れ出ている。
【0049】
図8(b)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eの先端が、第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過する。これにより、切屑箱17の上部で浮き上がっていた第2の長さの切断片8bを切屑箱17内へと圧縮しつつ、それでもなお切屑箱17の上端開口より上に溢れ出ている第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ掻き出す。このように使用者に外部に掻き出された第2の長さの切断片8bをあえて見せることで、特別な満載検出装置等を使わずに切屑箱17が満載となっていることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0050】
図8(c)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0051】
以上のように、排紙スタック部材3の移動動作によって、切断片移動部3eが第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過し、第2排紙スタック部で浮き上がった状態にある切断片8bの圧縮や、第2排紙スタック部で満載となった切断片8bの画像印刷装置の外部への移動が可能になる。このように排紙スタック部材3の移動によって、排紙を妨げる滞留切断片の移動がなされることで、排紙が所望の位置に確実に移動できる一助となる。特にカッタ13から第2排紙スタック1aまでに至る切断片用通路に十分な長さを確保できず、その間に切断片が詰まりやすい場合に有効である。
【0052】
(第3の実施形態)
図9は第3の実施形態に係る画像記録装置を上面から見た斜視図である。第1、2の実施形態との相違点は、排紙スタック部材3の切断片移動部3eに、第1排紙スタック部1dと第2排紙スタック部通路とを連通する開口部3f又は切欠き3gを形成したことである。排紙スタック部材3が使用位置にあり、第2排紙スタック部を覆う場合でも、第1排紙スタック部3d側から開口3f又は切欠き3gを通じて、第2排紙スタック部へ至る切断片用通路に滞留した切断片や、第2排紙スタック部の上部にある切断片を使用者が移動させることが可能になる。
【0053】
(第4の実施形態)
図10は第4の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図10(a)第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を右斜め後方から見た斜視図である。排紙スタック部材18は、非使用状態においては第2排紙スタック部1aの開口を塞いでおり、その状態から排紙スタック部材18を上方へ引き上げることができる。
【0054】
図10(b)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を右斜め前方から見た斜視図である。排紙スタック部材18は上方へ引き上げられた後、後方に僅かに回動させて使用状態にセッティングされる。図10(c)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を右斜め後方から見た斜視図である。排紙スタック部材18を引き上げることにより、第2排紙スタック部1aの開口が開放されている。
【0055】
図11は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。排紙スタック部材18は、非使用位置にあるときに第2排紙スタック部1aの開口を塞ぎ、使用位置にあるときに第1の長さの切断片8cを保持するスタック部として機能する第1排紙スタック部18dを備える。また、第1排紙スタック部18dの下部から斜め方向に延出し、第1排紙スタック部18dの底部となる切断片移動部18eを備える。排紙スタック部材18が使用位置にあるときに、排紙スタック部材18の切断片移動部18eと、装置本体1の上面1dから第2排紙スタック部1aへと繋がる傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。この切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。また、比較的長尺な第1の長さの切断片8cと比較的短尺な第2の長さの切断片8bとは、排紙スタック部材18が使用位置にあるときに排紙スタック部材18の分別部18c(切断片移動部18eの先端部)を境にして分別積載される。
【0056】
図11(a)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材18には、第2排紙スタック部1aの側壁面に形成された長溝1gと嵌合する軸18aが設けられている。また、排紙スタック部材18には、第2排紙スタック部1aの側壁面の上部に設けられた突起部1hに係止する係止凹部18bが形成されている。また、排紙スタック部材18の背面には、排紙スタック部材18を非使用位置に移動させるときに突起部1hに沿うガイド部18fが設けられている。
【0057】
図11(b)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材18を軸18aを中心に矢印方向に回動させると、突起部1hと係止凹部18bとの係止が解ける。そして、切断片移動18eが、図11(a)の使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過する。これにより、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができ、第2の長さの切断片8bは重力により第2排紙スタック部1aに落下する。
【0058】
図11(c)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。図11(b)の状態から、排紙スタック部材18を矢線方向に軸18aを長溝1gに沿わせてスライドさせると、切断片移動部18eが第2排紙スタック1a内を直進する。これにより、第2排紙スタック部1aで積載されている第2の長さの切断片8bを圧縮しつつ、第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ押し出す。切断片移動部18eが切断片8bを押し出すのに適した傾斜面をなすようにすることにより、切断片8bの外部排出が可能になる。このように使用者に外部に押し出された第2の長さの切断片8bをあえて見せることで、特別な満載検出装置等を使わずに切屑箱17が満載となっていることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0059】
図11(d)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。図11(b)の状態から、排紙スタック部材18を矢線方向に軸18aを長溝1gに沿わせてスライドさせると、切断片移動部18eが第2排紙スタック1a内を直進する。これにより、第2排紙スタック部1aで積載されている第2の長さの切断片8bを圧縮しつつ、第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ押し出そうとする。しかしながら、図11(d)では、図11(c)の場合と異なり、第2の長さの切断片8bを押し出し切れなかった場合を示す。使用者は、排紙スタック部材18をこれ以上押せなくなることで、第2排紙スタック部1aが満載となっていることを認識することができる。このように特別な満載検出装置等を使わずに第2排紙スタック部1aが満載であることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0060】
図11(e)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材18は軸18aを長溝1gに沿わせながら、かつ、突起部1hをガイド部18fに沿わせながら下方向にスライドし、軸18aと長溝1gの端部が当接することで停止する。
【0061】
排紙スタック部材18が非使用位置である図11(e)の位置まで移動可能になるかは、第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aにどれだけ積載されているかで決まる。排紙スタック部材18を非使用位置に移動する度に第2排紙スタック部1aに積載された切断片8bにより完全に移動できないのでは困る。図11(d)の状態で、排紙スタック部材18の最下端である切断片移動部18eの先端(分別部18c)から第2排紙スタック部1aの底面までの距離を長くすれば、切断片8bの積載可能量が増える。したがって、切断片8bが積載されたままでも排紙スタック部材18を完全に閉じられるようにすることができる。
【0062】
第1〜3の実施形態と本実施形態との違いは排紙スタック部の移動方向である。第1〜3の実施形態では排紙スタック部材3は回動のみで移動し、本実施形態では排紙スタック部材18の回動と直線移動を組み合わせて移動する。これら実施形態からもわかるように、排紙スタック部の移動方向は限定されるものでなく、様々な方向への移動が組み合わされても構わない。
【0063】
(第5の実施形態)
図12は第5の実施形態に係る画像記録装置の要部を示す図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図12(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す要部断面図である。排紙スタック部材3の切断片移動部3eに伸縮部材であるレバー19を内蔵する。切断片移動部3e内においてレバー19はバネ等の付勢部材20で付勢されており、レバー19はその外周面をなすガイド面19a及びガイド突起部19bと排紙スタック部材3内側のガイド面3hとにガイドされながら矢印a方向に摺動して伸縮可能となっている。
【0064】
印刷記録媒体8はカッタ13で切断され、レバー19の先端19cを境にして第1の長さの切断片8cは付勢部材7と駆動ローラ14により排紙スタック部材3によって形成された第1排紙スタック部3d及びリブ部19dにスタックされ、第2の長さの切断片8bは重力や駆動ローラ14の回転により第2排紙スタック部1aに分別積載される。使用状態では、レバー19が伸びるように移動した状態となるので、レバー19を設けていない排紙スタック部材3よりもより多くの切断片8cが積載可能である。
【0065】
図12(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置を後方から見た斜視図である。第2排紙スタック部1aの左右において、第2排紙スタック部1aの底面に滑らかに繋がった状態でガイド部1iが立設されている。左右のガイド部1iに挟まれた空間xは第2の長さの切断片8bが通る通路となるため、空間xの長さは切断片8bの幅より広いことが必要である。
【0066】
図12(c)は図12(a)の(c)部分の拡大図である。レバー19の径方向に突出するガイド突起部19bが、切断片移動部3eの先端のストッパ3jに当接することでレバー19が排紙スタック部材3から抜けないようになっている。これは、排紙スタック部材3にレバー19を組み立てる際の抜け止めであり、組立性向上に繋がっている。ただし、レバー19は製品組み付け状態においてはガイド面19aがストッパ3jに当接することはなく、レバー19の伸縮を阻害するものではない。また、レバー19のリブ部19dは切断片移動部3eの面よりも高くなっており、第1の長さの切断片8cを第1排紙スタック部3dにスタックする際に引っ掛ることなくスタックすることができる。リブ部19dは第1の長さの切断片8cを安定して支えるため複数箇所あることが望ましい。また、回動支持部3a(不可視個所のため点線表示)と装置本体1側の凹部1m(図12(b)を参照)が嵌合し、排紙スタック部材3が回転する際の中心となる。
【0067】
図13は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。図13(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材3が非使用位置にあるとき、レバー19は付勢部材20により矢印b方向に付勢されて、レバー19の先端19cが第2排紙スタック部1aの底面に当接している。これにより、製品背面から見た際に排紙スタック部材3と装置本体1に隙間が無く、外観品位の向上になる。第2排紙スタック部1aの底面には一段低くなった回転係止部1jが形成されており、この回転係止部1jにレバー19の先端19cが当接する。したがって、ロックが掛かった状態になり、非使用状態の画像記録装置が傾いたり、軽い衝撃を受けたりした際にも排紙スタック部材3が容易に動かないようになっており、ロック部材は不要である。逆にロック部材を設けることで回転係止部1jを無くすことも可能である。
【0068】
図13(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。非使用状態ではレバー19の先端19cが回転係止部1jに当接しているが、排紙スタック部材3を矢印c方向にある一定以上回動させると、回転係止部1jが斜面を持っているため、レバー19が矢印d方向に縮み、回転係止部1jを乗り越えることができる。それ以降はレバー19の先端19cが第2排紙スタック部1aの底面、更にはガイド部1iに沿って移動していく。
【0069】
図13(c)は第5の実施形態の画像記録装置の使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は矢印c方向に回動し、レバー19の先端19cが、第2排紙スタック部1aの底面から繋がるガイド部1iに沿って移動していく。ガイド部1iの上端には回転係止部1kが形成されており、その下方には凸状部1pが形成されている。レバー19の先端19cは、回転係止部1kの手前の凸状部1pを乗り越えて回転係止部1kに移動するとともに、位置規制部1nに略並行に当接することで停止する。凸状部1pを乗り越える際はレバー19が伸縮し適度な負荷がかかり、クリック感がでるので、使用者にセッティングが完了したことを報知することが可能になる。
【0070】
レバー19の先端19cと排紙駆動ローラ14の距離yは第2の長さの切断片8bが通る切断片用通路となるので、切断片8bの搬送方向長さ以上が望ましい。
【0071】
図14は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図14(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。印刷動作終了時に使用者が第1の長さの切断片8cを第1排紙スタック部3dから取り除き、また第2の長さの切断片8bは重力と排紙駆動ローラ14の回転により第2排紙スタック部1aに落下し溜まっている状態である。本実施形態では、第2排紙スタック部1aの底面は外部に近づくにつれ徐々に高くなるようになっており、切断片8bが容易に外へ飛び出ることがない。この状態でレバー19の先端19cは排紙スタック部材3が時計方向回転しようとすると位置規制部1nが、逆に反時計回りに回転しようとすると凸状部1pがあるため排紙スタック部材3の移動が規制される。すなわち、使用状態の画像記録装置が傾いたり、軽い衝撃を受けたり、第1の長さの切断片8cが第1排紙スタック部3dに溜まったりした際にも、排紙スタック部材3が容易に動かないようにしているので、ロック部材は不要である。逆にロック部材を設けることで回転係止部1kを無くすことも可能である。
【0072】
図14(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を矢印e方向にある一定以上回転させると、回転係止部1kが斜面を持っているため、レバー19が縮み、凸状部1pを乗り越えることができる。それ以降はレバー19の先端19cがガイド部1i、更には第2排紙スタック部1aの底面に沿って移動していく。
【0073】
図14(c)は第5の実施形態に係る画像記録装置の切断片掻き出し状態を示す断面図である。レバー19の先端19cは第2排紙スタック部1aの底面に沿って移動する。このとき、レバー19は付勢部材20により矢印方向に付勢されているので、レバー19の先端19cと第2排紙スタック部1aの底面との間に隙間ができることがなく、第2排紙スタック部1aに溜まった第2の長さの切断片8bをレバー19で確実に掻き出すことができる。
【0074】
図14(d)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。レバー19の先端19cは回転係止部1jに移動し、かつ排紙スタック部材3の先端が装置本体1に設けられた回転規制部1qに当接することで回動が停止し、切断片8bが完全に外部に排出される。その際、切断片8bを受けるための排紙スタック手段を本体内外に設置することも可能である。
【0075】
なお、上記実施形態ではロール状に巻かれた印刷記録媒体の例を説明したが、短冊状の印刷記録媒体を用いても構わない。また、切断片の第1の長さと第2の長さは特定の長さを限定しているものではない。
【符号の説明】
【0076】
1:装置本体、1a:第2排紙スタック部、1f:切屑箱収納部、1i:ガイド部、1k:回転係止部、3:排紙スタック部材、3a:回動支持部、3d:第1排紙スタック部、3e:切断片移動部、3c:分別部、8:印刷記録媒体、8b:第2の長さの切断片、8c:第1の長さの切断片、13:カッタ、14:排紙駆動ローラ、15:排紙従動ローラ、17:切屑箱、18:排紙スタック部材、18d:第1排紙スタック部、18e:切断片移動部、18c:分別部、19:レバー、20:付勢部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を切断手段で切断して複数の切断片とし、これら切断片を別々の排紙スタック部に分別スタック可能とした画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カード状の印刷記録媒体やロール状に巻かれた印刷記録媒体を、カッタ等の切断手段により幅は等しいが長さの異なる切断片として切り出して、これら切断片を別々の排紙スタック部に分別スタック可能とした画像記録装置が提案されている。
【0003】
切断片を分別スタックさせる目的は、使用者が長尺写真部と短尺屑部の仕分け作業がやり易いようにするためである。すなわち、一般的には長さの異なる切断片、例えば長尺に切断された写真部と、短尺に切断された屑部等を混載させてスタックさせるよりも、プリンタ自体で切断片長さ毎に分別スタックさせた方が仕分け作業やり易くなる。
【0004】
特許文献1には、カットオートカッターによってカットされ、カッター排紙駆動ローラの回動によって排出されるロール紙を下方で受ける排紙スタッカが、カッター排紙駆動ローラのほぼ真下に位置する第1の用紙収納部と、これの下流側に位置する第2の用紙収納部とを備え、短尺のロール紙は第1の用紙収納部に、長尺のロール紙は第2の用紙収納部に落下し、仕分けされる構成が開示されている。
【0005】
また一方、カッタで切断された長さの異なるシート切断片を振り分ける方法も提案されている。特許文献2では、ロータリー方式のカッタ装置の下流側に排紙ガイド機構が設けられており、排紙ガイド機構は、固定された排紙ガイド部材と、ロータリーカッタのキャリッジの動きに連動して上下回動する可動フラップから構成されている。長尺写真部を写真排出口へ導き切屑収納部を閉じる可動フラップ位置と、切屑収納部を開放させて短尺の屑を切屑収納部に導く経路を作る可動フラップ位置とを持つ構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−252514号公報
【特許文献2】特開2003−326783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば特許文献1に開示された構成では、複数長さの切断片を分別スタックさせるために必用な排紙スタッカを、その度毎にプリンタ本体にスナップ手段を介して装着させなければならない。そのため、セッティング作業が煩雑で、プリンタを分別スタック可能状態にセッティングするために時間がかかっていた。また、プリンタ本体から取り外した排紙スタッカの管理が面倒で、紛失するおそれもあった。また、複数長さの切断片を分別スタックさせるために必用な排紙スタッカが、手前に短尺部、遠方に長尺部と外に延びる排紙スタック部であるため、プリンタが大型化してしまっていた。また、カッター排紙駆動ローラから切断片が自然落下してから排紙スタッカに到る間での切断片の引っ掛りを取り除く対策が無く、途中で引っ掛った切断片に次々にその後の切断片が引っ掛り、切断片を所望の用紙収納部に積載できなくなる問題があった。また、短尺スタック部(第1の用紙収納部)が満載時の対策が無く、短尺スタック部が満載時は、長尺スタック部(第2の用紙収納部)側に溢れ出し、結局短尺切断片と長尺切断片が混載してしまう問題があった。
【0008】
特許文献2に開示された構成では、長尺切断片と短尺切断片が通過するそれぞれの分別経路形成を、ロータリーカッタ駆動モータによるキャリッジ移動動作に連動させた可動フラップで行っている。そのため、カッタと可動フラップ間の連動をとるための連動部材を設置させる空間や、これを動作させる空間をカッタ下流に必要としていた。すなわち、分別経路構成部品配置の設計制約が生まれ、さらにプリンタ自体の大型化を招いていた。また、可動フラップを可動させないと分別経路が形成されないため、実質可動フラップを駆動させるモータが必須となっていた。また、切屑が切屑収納部で満載になった場合、切屑収納部を取り外して切屑を捨てる以外に、その状態を回避させる方法が無かった。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、記録媒体切断片の分別スタック可能状態へのセッティングを簡単な動作で実現可能とし、さらにスタック部に至る切断片用通路に引っ掛かった切断片やスタック部の満載時の切断片を移動させることのできる構成を、平易な構成で、低コストで実現可能とすることを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像記録装置は、装置本体と、前記装置本体内で記録媒体を搬送する搬送手段と、前記装置本体内で前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、前記記録媒体を切断するための切断手段と、第1の長さで切断された前記記録媒体の切断片を保持するための第1排紙スタック部を有し、前記装置本体に移動可能に支持された排紙スタック部材と、前記装置本体に設けられた、第2の長さで切断された前記記録媒体の切断片を収納するための第2排紙スタック部とを備え、前記排紙スタック部材が排紙位置にあるときに、前記排紙スタック部材により切断片用通路が形成され、前記切断片用通路を通って前記第2の長さの切断片が前記第2排紙スタック部に収納され、前記排紙スタック部材を移動させることにより、前記排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、前記切断片用通路を構成する空間及び前記第2排紙スタック部のうち少なくともいずれかを通過して前記第2の長さの切断片を移動させる構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置本体に排紙スタック部材が支持されており、排紙スタック部材の紛失のおそれはなく、しかも、その排紙スタック部材を移動させるという簡単な動作により、記録媒体切断片の分別スタック可能状態へセッティングすることができる。また、排紙スタック部材を移動させることにより、排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、切断片用通路を構成する空間や第2排紙スタック部を通過するので、切断片用通路に引っ掛かった切断片や第2排紙スタック部の満載時の切断片を移動させることのできる構成を、平易な構成で、低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図10】第3の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【図12】第5の実施形態に係る画像記録装置の要部を示す図である。
【図13】第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。
【図14】第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す斜視図である。図1(a)は画像記録装置を右斜め前方から見た斜視図である。1は装置本体、2はカセットカバー、3は排紙スタック部材である。排紙スタック部材3は、装置本体1に移動可能(回動可能)に支持されており、非使用状態においては画像記録装置の外装に沿う状態で閉じている。
【0014】
図1(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図である。装置本体1の背面には、短尺の画像記録媒体切断片である第2の長さの切断片8b(図3等を参照)を収納するための第2排紙スタック部1aが設けられている。第2排紙スタック部1aは、装置本体1の背面に開口する凹部により構成される。この開口は、第2排紙スタック部1aに積載した第2の長さの切断片8bを使用者が取り除けるようにするためのものである。
【0015】
図1(c)は印刷記録媒体カセット及びインクリボンカセットを画像記録装置に収納する状態を示す斜視図である。カセットカバー2は装置本体1にヒンジを用いて回動可能に取り付けられており、カセット装填時は図1(c)に示すように開放される。装置本体1の右側面には、カセットカバー2を開放したときに現れる、印刷記録媒体カセット4とインクリボンカセット5の略挿入端面形状の開口部が形成されており、使用者は該開口部に合わせて印刷記録媒体カセット4とインクリボンカセット5を挿入する。
【0016】
図2は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す斜視図である。図2(a)は画像記録装置を右斜め前方から見た斜視図、図2(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図である。画像記録装置を使用する場合、使用者は装置本体1の正面の凹部1cと排紙スタック部材3との間に形成される隙間に指を掛け、排紙スタック部材3を使用位置(排紙位置)まで回動させてセッティングする。排紙スタック部材3は、装置本体1に回動自在に保持される回動支持部3aと、排紙スタック部材3の回動位置を規制する長溝及びこれに係合する軸により構成された位置規制部3bとを有する。
【0017】
排紙スタック部材3を使用位置まで回動させることにより開放される装置本体1の上面1dには主電源スイッチ6が配置されている。すなわち、画像記録装置の使用状態では主電源スイッチ6を押下で電源投入ができるが、非使用状態では主電源スイッチ6が覆われるため電源投入ができないようになっており、安全性の向上が図られている。
【0018】
図3は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は、非使用位置にあるときに装置本体1の上面1dを覆い、使用位置にあるときに第1の長さの切断片8cを保持するスタック部として機能する第1排紙スタック部3dを備える。また、第1排紙スタック部3dに対して略垂直に延出し、第1排紙スタック部3dの底部となる切断片移動部3eとを備える。このように排紙スタック部材3に第1排紙スタック部3dを設けているが、第1排紙スタック部3dは排紙方向に長く伸びた形状である。したがって、非使用位置にあるときは、装置本体1の外装に沿う状態まで排紙スタック部材3を回動させる構成とすることにより、画像記録装置を小型化することができる。図3に示すように、排紙スタック部材3が使用位置にあるときに、排紙スタック部材3の切断片移動部3eと、装置本体1の上面1dから第2排紙スタック部1aへと繋がる傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。この切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。
【0019】
印刷記録媒体カセット4には、軸4aにロール状に巻かれた印刷記録媒体8が内包されている。印刷記録媒体カセット4から画像記録装置への搬送方式は、不図示のモータによって軸4aを駆動させることでカセット4内外への印刷記録媒体8の搬送を行う方式とする。その他の搬送方式の例としては、軸4aは従動軸として巻かれたロール状記録媒体8の最外周に付勢されて接する不図示の給紙駆動ローラ等で行う方式としても構わない。また、印刷記録媒体8が印刷記録媒体カセット4から画像記録装置に、逆に画像記録装置から印刷記録媒体カセット4に搬送可能であれば他の方式を用いても構わない。
【0020】
装置本体1内には、印刷記録媒体8を搬送させるための搬送機構9が設けられている。9aは軸表面に微細な突起を有するグリップローラであり、不図示のモータから回転力を得て駆動され、正逆回転回動可能に保持されている。9bはピンチローラであり、不図示の付勢手段でグリップローラ9a側に微細な突起から僅かに離れる間隔を持って付勢されている。グリップローラ9aとピンチローラ9b間に搬送された印刷記録媒体8はニップされてグリップローラ9aの突起に刺さり、搬送力を得て送り出しや引き込み駆動がなされる。搬送機構9の下流にはデカール部10が配置されている。デカール部10は、印刷記録媒体8が通る隙間を持ったガイド形状をなし、経路途中に屈曲部を有し、この屈曲部で印刷記録媒体8をしごくことでカール取りを行う。搬送機構9の下流で、デカール部10に至るまでの間に不図示の記録媒体先端検出手段が配置されており、送られてきた印刷記録媒体8の位置を検出して所望の搬送長さを給紙させる。
【0021】
また、印刷記録媒体8を挟む位置に記録手段であるサーマルヘッド11とプラテンローラ12とが配置されている。サーマルヘッド11は不図示の弾性部材でプラテンローラ12側に付勢されており、さらに不図示のモータで適宜上下移動を行いプラテンローラ12に接離する。
【0022】
インクリボンカセット5には、供給側軸5aにインクリボン16が必要枚数巻かれており、巻上げ側軸5bにインクリボン16の端部が巻かれている。画像記録装置に装填されたインクリボンカセット5は不図示のモータで巻き上げ軸5bが駆動されてインクリボン16を巻き上げる。印刷時は、サーマルヘッド11でインクリボン16に塗布されたインクを搬送された印刷記録媒体8に熱転写させる。
【0023】
印刷記録媒体8の搬送方向下流には切断手段であるカッタ13が配置されている。カッタ13は固定刃と可動刃により構成される。また、カッタ13の上方で、装置本体1の上面1dに形成された印刷記録媒体8の排出口には、表面にゴム等の弾性部材を有する排紙駆動ローラ14と排紙従動ローラ15とが配置されている。排紙駆動ローラ14は、不図示のモータから駆動力を得て回転する。排紙従動ローラ15は、不図示の弾性部材で排紙駆動ローラ14側に付勢されている。装置本体1の上面1dには印刷記録媒体8に付勢する付勢部材7が設けられており、排紙駆動ローラ14と排紙従動ローラ15との間でニップされ排紙搬送された印刷記録媒体8の排紙方向を排紙スタック部材3及び第2排紙スタック部1aの方向に変える。
【0024】
排紙駆動ローラ14、排紙従動ローラ15は、第1の実施形態のように排紙方向が略鉛直上向き側に排紙する、いわゆる上方排紙の場合に有効である。すなわち、カッタ13で切断された直後の印刷記録媒体8の切断片8bが、重力で不用意な場所に移動しないように画像記録装置内で確実に保持できる。さらに、排紙駆動ローラ14で重力に抗する駆動力を切断片8bに付与し、切断片8bを確実に画像記録装置の外部に排出することができる。さらに、付勢部材7を用いて、排紙ローラ14、15のニップ位置からの排紙方向を変えることで、排紙済みの切断片が重力で再度排紙ローラ14、15のニップ部に戻って切断片が逆流することを防ぐことができる。
【0025】
第1の実施形態のように上方排紙でない場合、例えばカッタから略水平以下に排紙がされる横排紙の場合、排紙ローラ14、15や付勢部7は必要でない。カッタで印刷記録媒体が切断されると同時に、重力のみでカッタから切断片が離れるためである。故に、本発明の実施では、排紙ローラ14、15や付勢部7が無い場合も存在する。
【0026】
画像記録装置は、印刷記録媒体カセット4に印刷記録媒体8を巻き込み駆動しながら、かつ、インクリボンカセット5の巻上げ側軸5bを巻上げ、印刷記録媒体8に張り付いたインクリボン16を引き剥がしながら印刷する。通常Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、OC(オーバーコート)の4色を1色ずつ印刷しては、再度書き出し位置まで印刷記録媒体8を送り出し、印刷を実行する。
【0027】
OC印刷終了後、サーマルヘッド11を離間させて、カッタ13から第2の長さに適する長さになるように印刷記録媒体8を送り出す。所定の長さ送り出された後、カッタ13で印刷記録媒体8を切断して第2の長さの切断片8bを生成し、排紙駆動ローラ14で送り出す。さらにカッタ13から第1の長さに適する長さになるように印刷記録媒体8を送り出す。所定の長さ送り出された後、再びカッタ13で印刷記録媒体8を切断して第1の長さの切断片8cを生成し、排紙駆動ローラ14で送り出す。最初に切屑等の比較的短尺な第2の長さの切断片8bは、第2排紙スタック部1aに送られる(矢印B経路)。次に写真等の比較的長尺な第1の長さの切断片8cは、排紙スタック部材3の第1排紙スタック部3dに送られる(矢印A経路)。このように排紙スタック部材3が使用位置にあるときに排紙ローラ14、15に接近する排紙スタック部材3の分別部3c(切断片移動部3eの先端部)を境にして分別積載される。
【0028】
第1の長さの切断片8cは、分別部3cの上を通過して直接第1排紙スタック部3dに排紙駆動ローラ14による排紙付勢力と重力で落下する。故に、第1の長さの切断片8cは、排紙後は狭められた隙間を通過することはない。ロール状の印刷記録媒体を用いる場合、ロール状に巻かれていた径差によって切断後の切断片送り出し方向の反り量が変化し易い。第1排紙スタック部3dへのスタックには、搬送方向の反りや長い切断片であっても切断片終端部が分別部3cを通過させることが比較的容易なため、長尺の必要印刷部に好適である。
【0029】
第2の長さの切断片8bは、分別部3cと排紙駆動ローラ14との間の隙間を進入口として、切断片移動部3eと装置本体1の傾斜面により形成される切断片用通路を通って、第2排紙スタック部1aに重力で落下する。故に、第2の長さの切断片8bは、進入口から第2排紙スタック部1aに至る通路に引っかかりにくい短い長さである必要がある。第2の長さの切断片8bは、前記反りの影響が出にくく比較的形状は安定し易い。よって、第2の長さの切断片8bは、全面印刷等で必要印刷部からはみ出た部分が印刷される切屑部に最適である。
【0030】
このように第1排紙スタック部3dには第1の長さの切断片8cをスタックさせ、第2排紙スタック部1aには第2の長さの切断片8bをスタックさせると、安定した分別スタックが可能となる。ちなみに、第1の長さの切断片8cの搬送方向長さは第2の長さの切断片8bの搬送方向長さ以上であることが好ましい。
【0031】
図4は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。図4(a)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す断面図である。画像記録装置の非使用状態で、排紙スタック部材3は、装置本体1の上面1d、排紙ローラ14、15、付勢部材7、主電源スイッチ6を覆っている。すなわち、非使用位置にある排紙スタック部材3は装置本体1の上面1dを覆うように配置され、印刷に必要な部分を見せなくすることができる。
【0032】
また、非使用位置にある排紙スタック部材3の切断片移動部3eは、第2排紙スタック部1aの開口の一部を覆い、画像記録装置の背面外装の一部を成すとともに、開口面積を小さくすることによるデザイン性の向上が図られている。また、塵や埃の排紙ローラ14、15からの進入を防止する機能性の向上が図られている。また、画像記録装置を小型にすることによる収納性向上が図られている。
【0033】
図4(b)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させて使用状態にセッティングする。排紙スタック部材3の移動、すなわち回動動作によって、排紙スタック部材3の切断片移動部3eは、後述する図4(c)の使用状態で完成される切断片用通路を構成する空間を通過して、該空間を狭くする。本実施形態では使用者による手動で排紙スタック部材3を回動させる構成として、動力を削減し、小型化やコストダウンを達成させたが、動力を用いた排紙スタック部3のセッティング駆動であっても構わない。
【0034】
図4(c)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3aを中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。これにより、排紙スタック部材3の切断片移動部3eと装置本体1の傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。すなわち、画像記録装置は、第1の長さの切断片8cと第2の長さの切断片8bを分別スタック可能な状態になる。本実施形態では、排紙スタック部材3の第1排紙スタック部3dと分別部3cと切断片移動部3eを樹脂成型によって一体部品としている。これにより、構造の簡素化、小型化、部品の削減、型構造の簡素化、部品型費用の削減を達成させているが、複数部品化させて接着や嵌め込み等で組み合わせても構わない。また、切断片移動部3eと第1排紙スタック部3dの底部を表裏一体にしているが、別々の形状で構成しても構わない。
【0035】
なお、第2排紙スタック部1aの底面の開口側には第2の長さの切断片8bが外部に流れ出さないようにするためのリブ1eが設けられている。よって、第2排紙スタック部1aには所定枚数の第2の長さ切断片8bを外部に落下させないで積載させることができる。
【0036】
図4(c)に示すように、第1の実施形態では、排紙スタック部材3の分別部3cを境に重力方向上に第1排紙スタック部3d、重力方向下に第2排紙スタック部1aが配置される構成となっている。例えば必要印刷部を長尺切断片として第1排紙スタック部3dに、切屑を短尺切断片として第2排紙スタック部1aにスタックさせる場合、第2排紙スタック部1aの鉛直上側を排紙スタック部材3で覆うことになる。これにより、第2排紙スタック部1a全体が上方から使用者に見えにくくなり、切屑を使用者には直接見せないようにすることができ、美観上の都合が良い。
【0037】
上述したように、使用者は図4(a)〜4(c)に至る1回の排紙スタック部材3の開動動作を行うだけで非使用状態から使用状態への切り替え及びその逆が可能になる。したがって、分別スタック可能状態(使用状態)と非使用状態への切換が簡便で、切換に要する時間も僅かである。また、排紙スタック部材3が装置本体1に回転可能に支持されているので、排紙スタック部材3を装置本体1と別に管理する必要は無く、排紙スタック部材3を紛失することが本来起きない。
【0038】
また、排紙スタック部材3に分別部3cを設けたことで、画像記録装置自体に分別部を設ける必要が無くなり、画像記録装置の特に背面形状が簡素化できる。すなわち、第1排紙スタック部3dの上部に、分別部3cと排紙ガイドとなる切断片移動部3eの両方の機能を持つリブ形状を作成する必要が無くなるため、型構造が簡素化され、部品費、型費用削減に繋がる。
【0039】
図5は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図5(a)は第1の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。同図において、短尺屑部である第2の長さの切断片8bが、第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路の途中で引っ掛って滞留してしまっている。
【0040】
図5(b)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eが、図5(a)の使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過する。これにより、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができ、第2の長さの切断片8bは重力により第2排紙スタック部1aに落下する。
【0041】
図5(c)は第1の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0042】
以上のように、排紙スタック部材3の移動動作によって、切断片移動部3eが切断片用通路を構成する空間を通過し、切断片用通路に滞留した切断片8bの移動が可能になる。このように排紙スタック部材3の移動によって、排紙を妨げる滞留切断片の移動がなされることで、排紙が所望の位置に確実に移動できる一助となる。特にカッタ13から第2排紙スタック1aまでに至る切断片用通路に十分な空間を確保できない場合に有効である。
【0043】
(第2の実施形態)
図6は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す斜視図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図6(a)、(b)は画像記録装置を右斜め後方から見た斜視図であり、図6(a)は切屑箱17を取り付けた状態、図6(b)は切屑箱17を取り外した状態を示す。第1の実施形態との相違点は、第2排紙スタック部として、装置本体1の背面に切屑箱収納部1fを形成し、上端開口を有する切屑箱17を収納した点である。このように切屑箱17に第2の長さの切断片8bである切屑がまとめて積載されるので、切屑箱17を取り出して切屑をまとめて捨てることができる。切屑箱17が切屑箱収納部1dに収納されることにより、装置本体1の背面に開口がない外装とすることができ、デザイン的にも画像記録装置の一体感が増す。切屑箱17を不透明部材で形成すれば、切屑箱17に積載される切屑を外部から見えなくすることが可能で、美観向上につながる。逆に切屑箱17を透明部材で形成すれば、切屑箱17内の積載状態を外部から確認することが可能になる。
【0044】
図6(b)に示すように、切屑箱収納部1fの底部にはリブが形成されており、切屑箱17の底部に形成された溝部が嵌合することで切屑箱17の位置決めがなされる。
【0045】
図7は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図7(a)は第2の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部である切屑箱17内で浮き上がり気味に積載されている。第2の長さの切断片8bは、切屑箱17に重力で積み重なるだけなので、切屑箱17の内壁面への引っ掛かりや切断片8b同士の傾き等で切断片8b間に隙間ができやすい。
【0046】
図7(b)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eの先端が、第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過する。これにより、切屑箱17の上部で浮き上がっていた第2の長さの切断片8bを切屑箱17内へと圧縮することができる。
【0047】
図7(c)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0048】
図8は、図7と同じく、第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図8(a)は第2の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。同図において、第2の長さの切断片8bが切屑箱17に満載となっており、切屑箱17の上端開口から溢れ出ている。
【0049】
図8(b)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を回動支持部3aを中心に矢印方向に回動させると、切断片移動部3eの先端が、第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過する。これにより、切屑箱17の上部で浮き上がっていた第2の長さの切断片8bを切屑箱17内へと圧縮しつつ、それでもなお切屑箱17の上端開口より上に溢れ出ている第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ掻き出す。このように使用者に外部に掻き出された第2の長さの切断片8bをあえて見せることで、特別な満載検出装置等を使わずに切屑箱17が満載となっていることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0050】
図8(c)は第2の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は回動支持部3を中心に矢線方向に回動し、位置規制部3bの長溝端と軸が当接することで停止する。
【0051】
以上のように、排紙スタック部材3の移動動作によって、切断片移動部3eが第2排紙スタック部(切屑箱17)の上部を通過し、第2排紙スタック部で浮き上がった状態にある切断片8bの圧縮や、第2排紙スタック部で満載となった切断片8bの画像印刷装置の外部への移動が可能になる。このように排紙スタック部材3の移動によって、排紙を妨げる滞留切断片の移動がなされることで、排紙が所望の位置に確実に移動できる一助となる。特にカッタ13から第2排紙スタック1aまでに至る切断片用通路に十分な長さを確保できず、その間に切断片が詰まりやすい場合に有効である。
【0052】
(第3の実施形態)
図9は第3の実施形態に係る画像記録装置を上面から見た斜視図である。第1、2の実施形態との相違点は、排紙スタック部材3の切断片移動部3eに、第1排紙スタック部1dと第2排紙スタック部通路とを連通する開口部3f又は切欠き3gを形成したことである。排紙スタック部材3が使用位置にあり、第2排紙スタック部を覆う場合でも、第1排紙スタック部3d側から開口3f又は切欠き3gを通じて、第2排紙スタック部へ至る切断片用通路に滞留した切断片や、第2排紙スタック部の上部にある切断片を使用者が移動させることが可能になる。
【0053】
(第4の実施形態)
図10は第4の実施形態に係る画像記録装置を示す斜視図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図10(a)第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を右斜め後方から見た斜視図である。排紙スタック部材18は、非使用状態においては第2排紙スタック部1aの開口を塞いでおり、その状態から排紙スタック部材18を上方へ引き上げることができる。
【0054】
図10(b)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を右斜め前方から見た斜視図である。排紙スタック部材18は上方へ引き上げられた後、後方に僅かに回動させて使用状態にセッティングされる。図10(c)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を右斜め後方から見た斜視図である。排紙スタック部材18を引き上げることにより、第2排紙スタック部1aの開口が開放されている。
【0055】
図11は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。排紙スタック部材18は、非使用位置にあるときに第2排紙スタック部1aの開口を塞ぎ、使用位置にあるときに第1の長さの切断片8cを保持するスタック部として機能する第1排紙スタック部18dを備える。また、第1排紙スタック部18dの下部から斜め方向に延出し、第1排紙スタック部18dの底部となる切断片移動部18eを備える。排紙スタック部材18が使用位置にあるときに、排紙スタック部材18の切断片移動部18eと、装置本体1の上面1dから第2排紙スタック部1aへと繋がる傾斜面とが相まって切断片用通路が形成される。この切断片用通路を通って第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aに収納される。また、比較的長尺な第1の長さの切断片8cと比較的短尺な第2の長さの切断片8bとは、排紙スタック部材18が使用位置にあるときに排紙スタック部材18の分別部18c(切断片移動部18eの先端部)を境にして分別積載される。
【0056】
図11(a)は第4の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材18には、第2排紙スタック部1aの側壁面に形成された長溝1gと嵌合する軸18aが設けられている。また、排紙スタック部材18には、第2排紙スタック部1aの側壁面の上部に設けられた突起部1hに係止する係止凹部18bが形成されている。また、排紙スタック部材18の背面には、排紙スタック部材18を非使用位置に移動させるときに突起部1hに沿うガイド部18fが設けられている。
【0057】
図11(b)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材18を軸18aを中心に矢印方向に回動させると、突起部1hと係止凹部18bとの係止が解ける。そして、切断片移動18eが、図11(a)の使用状態で形成されていた第2排紙スタック部1aへ至る切断片用通路を構成する空間を通過する。これにより、切断片用通路に滞留した第2の長さの切断片8bを掻き落とすことができ、第2の長さの切断片8bは重力により第2排紙スタック部1aに落下する。
【0058】
図11(c)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。図11(b)の状態から、排紙スタック部材18を矢線方向に軸18aを長溝1gに沿わせてスライドさせると、切断片移動部18eが第2排紙スタック1a内を直進する。これにより、第2排紙スタック部1aで積載されている第2の長さの切断片8bを圧縮しつつ、第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ押し出す。切断片移動部18eが切断片8bを押し出すのに適した傾斜面をなすようにすることにより、切断片8bの外部排出が可能になる。このように使用者に外部に押し出された第2の長さの切断片8bをあえて見せることで、特別な満載検出装置等を使わずに切屑箱17が満載となっていることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0059】
図11(d)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。図11(b)の状態から、排紙スタック部材18を矢線方向に軸18aを長溝1gに沿わせてスライドさせると、切断片移動部18eが第2排紙スタック1a内を直進する。これにより、第2排紙スタック部1aで積載されている第2の長さの切断片8bを圧縮しつつ、第2の長さの切断片8bを画像記録装置の外部へ押し出そうとする。しかしながら、図11(d)では、図11(c)の場合と異なり、第2の長さの切断片8bを押し出し切れなかった場合を示す。使用者は、排紙スタック部材18をこれ以上押せなくなることで、第2排紙スタック部1aが満載となっていることを認識することができる。このように特別な満載検出装置等を使わずに第2排紙スタック部1aが満載であることを認識させ、切屑を捨てさせることを促すことができる。
【0060】
図11(e)は第4の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材18は軸18aを長溝1gに沿わせながら、かつ、突起部1hをガイド部18fに沿わせながら下方向にスライドし、軸18aと長溝1gの端部が当接することで停止する。
【0061】
排紙スタック部材18が非使用位置である図11(e)の位置まで移動可能になるかは、第2の長さの切断片8bが第2排紙スタック部1aにどれだけ積載されているかで決まる。排紙スタック部材18を非使用位置に移動する度に第2排紙スタック部1aに積載された切断片8bにより完全に移動できないのでは困る。図11(d)の状態で、排紙スタック部材18の最下端である切断片移動部18eの先端(分別部18c)から第2排紙スタック部1aの底面までの距離を長くすれば、切断片8bの積載可能量が増える。したがって、切断片8bが積載されたままでも排紙スタック部材18を完全に閉じられるようにすることができる。
【0062】
第1〜3の実施形態と本実施形態との違いは排紙スタック部の移動方向である。第1〜3の実施形態では排紙スタック部材3は回動のみで移動し、本実施形態では排紙スタック部材18の回動と直線移動を組み合わせて移動する。これら実施形態からもわかるように、排紙スタック部の移動方向は限定されるものでなく、様々な方向への移動が組み合わされても構わない。
【0063】
(第5の実施形態)
図12は第5の実施形態に係る画像記録装置の要部を示す図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図12(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す要部断面図である。排紙スタック部材3の切断片移動部3eに伸縮部材であるレバー19を内蔵する。切断片移動部3e内においてレバー19はバネ等の付勢部材20で付勢されており、レバー19はその外周面をなすガイド面19a及びガイド突起部19bと排紙スタック部材3内側のガイド面3hとにガイドされながら矢印a方向に摺動して伸縮可能となっている。
【0064】
印刷記録媒体8はカッタ13で切断され、レバー19の先端19cを境にして第1の長さの切断片8cは付勢部材7と駆動ローラ14により排紙スタック部材3によって形成された第1排紙スタック部3d及びリブ部19dにスタックされ、第2の長さの切断片8bは重力や駆動ローラ14の回転により第2排紙スタック部1aに分別積載される。使用状態では、レバー19が伸びるように移動した状態となるので、レバー19を設けていない排紙スタック部材3よりもより多くの切断片8cが積載可能である。
【0065】
図12(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置を後方から見た斜視図である。第2排紙スタック部1aの左右において、第2排紙スタック部1aの底面に滑らかに繋がった状態でガイド部1iが立設されている。左右のガイド部1iに挟まれた空間xは第2の長さの切断片8bが通る通路となるため、空間xの長さは切断片8bの幅より広いことが必要である。
【0066】
図12(c)は図12(a)の(c)部分の拡大図である。レバー19の径方向に突出するガイド突起部19bが、切断片移動部3eの先端のストッパ3jに当接することでレバー19が排紙スタック部材3から抜けないようになっている。これは、排紙スタック部材3にレバー19を組み立てる際の抜け止めであり、組立性向上に繋がっている。ただし、レバー19は製品組み付け状態においてはガイド面19aがストッパ3jに当接することはなく、レバー19の伸縮を阻害するものではない。また、レバー19のリブ部19dは切断片移動部3eの面よりも高くなっており、第1の長さの切断片8cを第1排紙スタック部3dにスタックする際に引っ掛ることなくスタックすることができる。リブ部19dは第1の長さの切断片8cを安定して支えるため複数箇所あることが望ましい。また、回動支持部3a(不可視個所のため点線表示)と装置本体1側の凹部1m(図12(b)を参照)が嵌合し、排紙スタック部材3が回転する際の中心となる。
【0067】
図13は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング動作を示す断面図である。図13(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態を示す断面図である。排紙スタック部材3が非使用位置にあるとき、レバー19は付勢部材20により矢印b方向に付勢されて、レバー19の先端19cが第2排紙スタック部1aの底面に当接している。これにより、製品背面から見た際に排紙スタック部材3と装置本体1に隙間が無く、外観品位の向上になる。第2排紙スタック部1aの底面には一段低くなった回転係止部1jが形成されており、この回転係止部1jにレバー19の先端19cが当接する。したがって、ロックが掛かった状態になり、非使用状態の画像記録装置が傾いたり、軽い衝撃を受けたりした際にも排紙スタック部材3が容易に動かないようになっており、ロック部材は不要である。逆にロック部材を設けることで回転係止部1jを無くすことも可能である。
【0068】
図13(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。非使用状態ではレバー19の先端19cが回転係止部1jに当接しているが、排紙スタック部材3を矢印c方向にある一定以上回動させると、回転係止部1jが斜面を持っているため、レバー19が矢印d方向に縮み、回転係止部1jを乗り越えることができる。それ以降はレバー19の先端19cが第2排紙スタック部1aの底面、更にはガイド部1iに沿って移動していく。
【0069】
図13(c)は第5の実施形態の画像記録装置の使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。排紙スタック部材3は矢印c方向に回動し、レバー19の先端19cが、第2排紙スタック部1aの底面から繋がるガイド部1iに沿って移動していく。ガイド部1iの上端には回転係止部1kが形成されており、その下方には凸状部1pが形成されている。レバー19の先端19cは、回転係止部1kの手前の凸状部1pを乗り越えて回転係止部1kに移動するとともに、位置規制部1nに略並行に当接することで停止する。凸状部1pを乗り越える際はレバー19が伸縮し適度な負荷がかかり、クリック感がでるので、使用者にセッティングが完了したことを報知することが可能になる。
【0070】
レバー19の先端19cと排紙駆動ローラ14の距離yは第2の長さの切断片8bが通る切断片用通路となるので、切断片8bの搬送方向長さ以上が望ましい。
【0071】
図14は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態への戻し動作を示す断面図である。図14(a)は第5の実施形態に係る画像記録装置の使用状態を示す断面図である。印刷動作終了時に使用者が第1の長さの切断片8cを第1排紙スタック部3dから取り除き、また第2の長さの切断片8bは重力と排紙駆動ローラ14の回転により第2排紙スタック部1aに落下し溜まっている状態である。本実施形態では、第2排紙スタック部1aの底面は外部に近づくにつれ徐々に高くなるようになっており、切断片8bが容易に外へ飛び出ることがない。この状態でレバー19の先端19cは排紙スタック部材3が時計方向回転しようとすると位置規制部1nが、逆に反時計回りに回転しようとすると凸状部1pがあるため排紙スタック部材3の移動が規制される。すなわち、使用状態の画像記録装置が傾いたり、軽い衝撃を受けたり、第1の長さの切断片8cが第1排紙スタック部3dに溜まったりした際にも、排紙スタック部材3が容易に動かないようにしているので、ロック部材は不要である。逆にロック部材を設けることで回転係止部1kを無くすことも可能である。
【0072】
図14(b)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング途中を示す断面図である。排紙スタック部材3を矢印e方向にある一定以上回転させると、回転係止部1kが斜面を持っているため、レバー19が縮み、凸状部1pを乗り越えることができる。それ以降はレバー19の先端19cがガイド部1i、更には第2排紙スタック部1aの底面に沿って移動していく。
【0073】
図14(c)は第5の実施形態に係る画像記録装置の切断片掻き出し状態を示す断面図である。レバー19の先端19cは第2排紙スタック部1aの底面に沿って移動する。このとき、レバー19は付勢部材20により矢印方向に付勢されているので、レバー19の先端19cと第2排紙スタック部1aの底面との間に隙間ができることがなく、第2排紙スタック部1aに溜まった第2の長さの切断片8bをレバー19で確実に掻き出すことができる。
【0074】
図14(d)は第5の実施形態に係る画像記録装置の非使用状態へのセッティング完了状態を示す断面図である。レバー19の先端19cは回転係止部1jに移動し、かつ排紙スタック部材3の先端が装置本体1に設けられた回転規制部1qに当接することで回動が停止し、切断片8bが完全に外部に排出される。その際、切断片8bを受けるための排紙スタック手段を本体内外に設置することも可能である。
【0075】
なお、上記実施形態ではロール状に巻かれた印刷記録媒体の例を説明したが、短冊状の印刷記録媒体を用いても構わない。また、切断片の第1の長さと第2の長さは特定の長さを限定しているものではない。
【符号の説明】
【0076】
1:装置本体、1a:第2排紙スタック部、1f:切屑箱収納部、1i:ガイド部、1k:回転係止部、3:排紙スタック部材、3a:回動支持部、3d:第1排紙スタック部、3e:切断片移動部、3c:分別部、8:印刷記録媒体、8b:第2の長さの切断片、8c:第1の長さの切断片、13:カッタ、14:排紙駆動ローラ、15:排紙従動ローラ、17:切屑箱、18:排紙スタック部材、18d:第1排紙スタック部、18e:切断片移動部、18c:分別部、19:レバー、20:付勢部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内で記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記装置本体内で前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、
前記記録媒体を切断するための切断手段と、
第1の長さで切断された前記記録媒体の切断片を保持するための第1排紙スタック部を有し、前記装置本体に移動可能に支持された排紙スタック部材と、
前記装置本体に設けられた、第2の長さで切断された前記記録媒体の切断片を収納するための第2排紙スタック部とを備え、
前記排紙スタック部材が排紙位置にあるときに、前記排紙スタック部材により切断片用通路が形成され、前記切断片用通路を通って前記第2の長さの切断片が前記第2排紙スタック部に収納され、
前記排紙スタック部材を移動させることにより、前記排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、前記切断片用通路を構成する空間及び前記第2排紙スタック部のうち少なくともいずれかを通過して前記第2の長さの切断片を移動させる構成にしたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記切断片移動部は、前記切断片用通路を構成する空間に滞留した前記第2の長さの切断片を掻き落とすことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記切断片移動部は、前記第2排紙スタック部に積載された前記第2の長さの切断片を圧縮することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記切断片移動部は、前記第2排紙スタック部に積載された前記第2の長さの切断片を外部に排出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
排紙位置にある前記排紙スタック部材の一部を境に重力方向上に前記第1排紙スタック部、重力方向下に前記第2排紙スタック部が配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記切断片移動部は前記排紙スタック部材に一体部品として形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記排紙スタック部材には、排紙位置にあるときに前記第1排紙スタック部と前記第2排紙スタック部とを連通する穴又は切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記排紙スタック部材は、伸縮部材及び前記伸縮部材を付勢する付勢部材を具備しており、
前記排紙スタック部材の移動に伴って前記伸縮部材が伸縮して、前記伸縮部材が前記切断片移動部として前記第2排紙スタック部の底面を通過することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記装置本体は前記排紙スタック部材の移動に伴って前記伸縮部材を伸縮させるガイド部を備え、前記ガイド部は、排紙位置にある前記排紙スタック部材を係止する係止部を有することを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記排紙スタック部材の移動は手動であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記第1の長さは前記第2の長さ以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内で記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記装置本体内で前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、
前記記録媒体を切断するための切断手段と、
第1の長さで切断された前記記録媒体の切断片を保持するための第1排紙スタック部を有し、前記装置本体に移動可能に支持された排紙スタック部材と、
前記装置本体に設けられた、第2の長さで切断された前記記録媒体の切断片を収納するための第2排紙スタック部とを備え、
前記排紙スタック部材が排紙位置にあるときに、前記排紙スタック部材により切断片用通路が形成され、前記切断片用通路を通って前記第2の長さの切断片が前記第2排紙スタック部に収納され、
前記排紙スタック部材を移動させることにより、前記排紙スタック部材に設けられた切断片移動部が、前記切断片用通路を構成する空間及び前記第2排紙スタック部のうち少なくともいずれかを通過して前記第2の長さの切断片を移動させる構成にしたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記切断片移動部は、前記切断片用通路を構成する空間に滞留した前記第2の長さの切断片を掻き落とすことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記切断片移動部は、前記第2排紙スタック部に積載された前記第2の長さの切断片を圧縮することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記切断片移動部は、前記第2排紙スタック部に積載された前記第2の長さの切断片を外部に排出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
排紙位置にある前記排紙スタック部材の一部を境に重力方向上に前記第1排紙スタック部、重力方向下に前記第2排紙スタック部が配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記切断片移動部は前記排紙スタック部材に一体部品として形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記排紙スタック部材には、排紙位置にあるときに前記第1排紙スタック部と前記第2排紙スタック部とを連通する穴又は切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記排紙スタック部材は、伸縮部材及び前記伸縮部材を付勢する付勢部材を具備しており、
前記排紙スタック部材の移動に伴って前記伸縮部材が伸縮して、前記伸縮部材が前記切断片移動部として前記第2排紙スタック部の底面を通過することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記装置本体は前記排紙スタック部材の移動に伴って前記伸縮部材を伸縮させるガイド部を備え、前記ガイド部は、排紙位置にある前記排紙スタック部材を係止する係止部を有することを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記排紙スタック部材の移動は手動であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記第1の長さは前記第2の長さ以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−81697(P2012−81697A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231525(P2010−231525)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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