説明

画像読取装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】接続された情報処理装置にユーザが立ち寄ることなく、画像読取装置を使用するための環境の構築を情報処理装置に行わせる画像読取システム、画像読取装置、それらの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像読取装置は、画像データの送信先として選択された情報処理装置に対して、当該情報処理装置が画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、当該情報処理装置が画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示するイベントを送信する。当該情報処理装置は、イベントを受信すると、ハードウェア情報に適合するドライバをインストールするとともに、画像読取装置を使用するための環境を構築し、環境の構築が成功したか否かを示す情報を、前記画像読取装置に通知する。その後、画像読取装置は、当該情報処理装置から環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置からスキャナデバイスなどの周辺機器を利用するには、その周辺機器に対応した特定のデバイスドライバ(スキャナデバイスであればスキャナドライバ)を、情報処理装置上で動作するオペレーションシステム(OS)に組み込む必要がある。したがって、利用するスキャナデバイスが複数台ある場合はその台数分だけスキャナドライバを組み込む必要があった。そしてユーザはその度にIPアドレスを調べたり、対応するスキャナドライバを探してきたり、といった面倒なインストール作業を強いられてきた。
【0003】
そこで、近年、スキャナデバイスの種類によらず共通して利用可能なスキャナドライバである「汎用スキャナドライバ」が研究・開発されている。例えば、アプリケーションからOS汎用スキャナドライバに対してスキャン指示を出した後に、入力可能なネットワークスキャナデバイスを選んでスキャンする方法が提案されている。この方法であれば、予めOS汎用スキャナドライバのみを情報処理装置に組み込んでおくだけで、OS汎用スキャナドライバが対応する全てのスキャナデバイスを利用することが可能である。また、特許文献1では、デバイスから、ネットワーク参加メッセージをユニキャストで管理サーバが受信すると、各クライアントPCに対応するドライバをプッシュインストールすることで、使用環境を構築、管理するシステムが提案されている。
【0004】
また、ネットワーク上のスキャナデバイスでスキャナドライバを使用して実行される各種スキャン処理では、ユーザは、情報処理装置とスキャナデバイスとの間を往来する必要があった。例えば、ユーザは、情報処理装置側で、スキャナデバイスを特定し、対象スキャナデバイスとの関連付けや、スキャン設定、スキャナドライバの起動を行った後に、スキャナデバイスに行き原稿をセットした後に、情報処理装置に戻ってスキャン処理を実行する必要がある。さらに、ユーザは、スキャン処理の実行後に、再びスキャナデバイスに行き、原稿を取り出す必要がある。
【0005】
そこで、近年、USBインタフェース対応のスキャナデバイスで気軽に使用できる特定のスキャンモードの一つとして疑似プッシュスキャン機能をネットワーク対応スキャナドライバで行うシステムが提案されている。疑似プッシュスキャンとは、スキャナデバイスから画像データをあたかもプッシュするように情報処理装置に送信するスキャン処理の1つである。内部動作としては、ユーザの操作により、スキャナデバイスからスキャン先の情報処理装置にスキャン処理をスタートさせるきっかけとなる信号を送信し、信号を受信した情報処理装置がスキャナドライバを介して画像データを取得する。疑似プッシュスキャンシステムは、OSに設けられたプルスキャン用のスキャナドライバを利用でき、さらには真正のプッシュスキャンシステムと比べ、スキャナデバイス側の機能実装も負荷を軽減できる可能性があり注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−145970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には以下に記載する問題がある。例えば、上記背景技術で述べたOS汎用スキャナドライバに対応するスキャナデバイスでは、USBインタフェースのように情報処理装置とスキャナデバイスとが1対1で接続されていない。そのため、疑似プッシュスキャンシステムを構築するために、情報処理装置側では、スキャナデバイスとの関連づけと、各スキャン処理の設定とを行う必要がある。さらに、使用する情報処理装置が複数台ある場合では、各情報処理装置で面倒な上記スキャン設定等の作業を繰り返す必要がある。したがって、ユーザが初めて使用する情報処理装置でスキャンを行う場合には、必ず先に情報処理装置に立ち寄る必要がある。これは、情報処理装置と、スキャナデバイスとの間が離れている場合、人の移動が必要になり、時間的効率が悪く、手間がかかる作業である。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、接続された情報処理装置にユーザが立ち寄ることなく、画像読取装置を使用するための環境の構築を情報処理装置に行わせる画像読取システム、画像読取装置、それらの制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、複数の情報処理装置と、特定のスキャンモードを実行可能な画像読取装置とが接続された画像読取システムとして実現できる。画像読取装置は、原稿から読み取った画像データを送信する送信先の情報処理装置を選択する送信先選択手段と、予めメモリに登録されている登録情報を参照して、選択された送信先の情報処理装置が特定のスキャンモード用の情報処理装置として登録されていなければ、送信先の情報処理装置が画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、送信先の情報処理装置が画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示する第1イベントを送信先の情報処理装置に送信する送信手段と、送信先の情報処理装置から環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する表示制御手段とを備え、各情報処理装置は、ハードウェア情報とともに、第1イベントを受信すると、ハードウェア情報に適合するドライバをインストールするとともに、画像読取装置を使用するための環境を構築する構築手段と、構築手段による環境の構築が成功したか否かを示す情報を、画像読取装置に通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、接続された情報処理装置にユーザが立ち寄ることなく、画像読取装置を使用するための環境の構築を情報処理装置に行わせる画像読取システム、画像読取装置、それらの制御方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本実施形態に係る画像読取システムの構成例を示す図である。
【図1B】本実施形態に係る情報処理装置及びスキャナデバイスの装置構成例を示すブロック図である。
【図2】プルスキャン処理の比較例を示すフローチャートである。
【図3】疑似プッシュスキャン処理の比較例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るスキャナデバイスの疑似プッシュスキャン処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る情報処理装置でのシステム設定アプリケーションのインストール処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るスキャナデバイスでの画面例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るスキャナデバイスでの画面例を示す図である。
【図8】本実施形態に係るスキャナデバイスでの画面例を示す図である。
【図9】本実施形態に係るスキャナデバイスでの画面遷移例を示す図である。
【図10】本実施形態に係るスキャン処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図11】本実施形態に係るハードウェア情報の一例を示す図である。
【図12】本実施形態に係る疑似プッシュスキャンの設定処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るスキャナドライバのインストール処理を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るスキャン設定処理を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係るスキャン環境構築イベントの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
<第1の実施形態>
<画像読取システムの構成>
まず、図1Aを参照して、本実施形態における画像読取システムについて説明する。なお、以下で説明する構成は、一例であり本発明を限定する意図はない。また、以下で記載する、Simple Object Access ProtocolSOAP)に関しては、W3C(http://www.w3.org/)で公開されており、WS−Eventingに関しては、(http://www.w3.org/Submission/WS−Eventing/)で公開されている情報であるため、その説明を省略する。
【0014】
図1Aに示すように、画像読取システム100は、情報処理装置(パーソナルコンピュータ:PC)101a、101b、画像読取装置であるスキャナデバイス102a、102b、及びドライバ配信サーバ103を含む。各装置は、Ethernet(登録商標)で構成されるネットワーク(LAN)104を介して接続される。なお、以下では、特に限定する必要がない場合は、情報処理装置101a、101bを単に情報処理装置101と記載し、スキャナデバイス102a、102bをスキャナデバイス102と記載する。スキャナデバイス102は、原稿を読み取って画像データを生成し、情報処理装置101に送信する。
【0015】
<各装置の構成例>
次に、図1Bを参照して、情報処理装置101とスキャナデバイス102との装置構成について説明する。情報処理装置101において、CPU111は、RAM112に記憶されているプログラムに従って、システムバス114に接続される各デバイスを統括的に制御する。RAM112は、CPU111の主メモリ、ワークエリア等としても機能する。ROM113は、各種プログラム及びデータを格納する。
【0016】
キーボードコントローラI/F115は、キーボード119や不図示のポインティングデバイス(マウス)からのキー入力を制御する。ディスプレイI/F116は、ディスプレイ120への表示を制御する。外部メモリI/F117は、例えばハードディスク(HD)、Solid State Disk(SSD)等の外部メモリ121とのアクセスを制御する。外部メモリ121は、オペレーティングシステムプログラム(以下、OS)122、各種アプリケーション123、スキャン処理関連プログラム124、ユーザファイル、編集ファイル等を記憶するコンピュータが保存又は、読み取り可能な記憶媒体として機能する。
【0017】
スキャン処理関連プログラム124は、本実施形態に係るシステム設定アプリケーション125、専用スキャナドライバ126、OS汎用スキャナドライバ127、OS汎用アプリケーション128、ハードウェア情報129及び専用アプリケーション130を含む。なお、これらスキャン処理関連プログラム124は、ユーザが新しく使用する情報処理装置101上の外部メモリ121には初めから保存されていない場合もある。本実施形態では、スキャンシステム環境の構築を司るシステム設定アプリケーション125が保存されていない場合は、スキャナデバイス102からの遠隔操作により、情報処理装置101内でOS122がOS汎用スキャナドライバの更新インストール作業を行う。さらに、スキャナデバイス102の遠隔操作により、当該インストール作業に合わせて、システム設定アプリケーション125を外部メモリ121にコピーし、RAM112で起動させる。このシステム設定アプリケーション125が保存又は起動されていない場合のスキャン先の情報処理装置101でのシステム設定アプリケーション125のインストール処理については、図5を参照して詳細に後述する。
【0018】
外部メモリ121には、さらに、更新インストールされたOS汎用スキャナドライバ127とOS汎用アプリケーション128とも保存される。OS汎用スキャナドライバ127とOS汎用アプリケーション128とは、対応するデバイスモデルが共通で持つ機能を利用することができる。一方、専用スキャナドライバ126とは、単一のデバイスモデルにのみ対応したスキャナドライバである。専用スキャナドライバ126は、対応するスキャナデバイスの機能を最大限に引き出すことが可能である。専用アプリケーション130は、システム設定アプリケーション125、専用スキャナドライバ126と連携して動作することに最適化された、疑似プッシュスキャンを実行可能なアプリケーションである。専用スキャナドライバ126と専用アプリケーション130とが外部メモリ121に保存されていない場合は、システム設定アプリケーション125がインストール処理を行う。
【0019】
ハードウェア情報129は、スキャナデバイス102から送付される情報で、システム設定アプリケーション125がスキャナデバイス102から受信した内容を、外部メモリ121に一時保存する。ネットワークI/F118は、LAN104を介してスキャナデバイス102に接続され、スキャナデバイス102との間で通信制御処理を行なう。なお、本実施形態では、スキャナデバイス102から送信するイベント信号に、WS−Eventingを使用するため、ネットワークI/F118は対応するWeb Serviceプロトコルを実装している。ドライバ配信サーバ103も情報処理装置101と同様の装置構成を備える。
【0020】
次に、スキャナデバイス102の構成例について説明する。CPU132は、スキャナデバイス102の動作を統括的に制御する。RAM133は、CPU132の主メモリ、ワークエリア等として機能するとともに、入力情報展開領域、環境データ格納領域としても用いられる。RAM133は、NVRAM(Non−volatile RAM:不揮発性RAM)領域も備えており、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができる。RAM134は、各種フォント、CPU132により実行される制御プログラム等、及び各種データを記憶している。
【0021】
ネットワークI/F138は、情報処理装置101との間でデータの送受信を行なう。プリンタI/F138は、プリンタエンジンである印刷部139とのインタフェースを制御する。スキャナI/F140は、スキャナエンジンであるスキャン部141とのインタフェースを制御している。
【0022】
外部メモリ143は、外部メモリI/F142によりアクセスが制御され、オプションとして接続されるハードディスク(HD)、Solid State Disk(SSD)等を含み、画像読取システム100のハードウェア情報144を記憶してもよい。なお、ハードディスク等の外部メモリ143が接続されていない場合には、RAM134に、情報処理装置101で利用される情報等を記憶することになる。
【0023】
操作部I/F136は、スキャナデバイス102のスキャン処理を設定する操作部137とのインタフェースを制御する。操作部137には、ユーザによる操作を受け付ける操作パネルが設けられ、その操作パネルには操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。また、不図示のNVRAMを有し、操作パネルからのスキャン設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0024】
CPU132は、RAM134に記憶された制御プログラム等に基づき、スキャナI/F140を介してスキャン部141から画像データを取得する。また、CPU132は、ネットワークI/F138を介して情報処理装置101との通信処理が可能となっており、情報処理装置101に画像データを送信すると共に、スキャナデバイス102内の情報等を情報処理装置101に通知する。本実施形態では、スキャナデバイス102から送信するイベント信号に、WS−Eventingを使用するため、ネットワークI/F138は対応するWeb Serviceプロトコルを実装している。
【0025】
<プルスキャン処理(比較例)>
次に、図2を参照して、情報処理装置101のOS122によるプルスキャン処理の比較例について説明する。ユーザは、適切なスキャナドライバをインストールし、スキャン処理の設定をすることで、プルスキャン処理を行うことができる。なお、以下で説明する処理は、CPU111によって統括的に制御される。また、図2では、ユーザ操作が含まれる処理を台形で示している。
【0026】
プルスキャン処理を開始すると、S201において、CPU111は、使用する適切な専用スキャナドライバ126の選択と、インストールの指示とをユーザから受け付ける。S202において、CPU111は、ユーザからのインストール指示に従ってOS122にスキャナドライバをインストールする。
【0027】
次に、S203において、CPU111は、ユーザ操作を受け付けて、スキャナデバイス102をOS122の機能を使用して検索し、選択する。その後、S204において、ユーザは、対象のスキャナデバイス102に原稿を持って移動し、スキャナデバイス102のスキャン部141に原稿をセットする。
【0028】
次に、S205において、ユーザは情報処理装置101に戻り、アプリケーション123を開き、専用スキャナドライバ126を呼び出し、スキャンの実行を指示する。ここで、CPU111は、ユーザからのスキャンの実行指示を受け付けてスキャン処理を開始する。さらに、スキャンが終了すると、S206において、ユーザはスキャナデバイス102に再度移動し、原稿を取り除き、情報処理装置101に戻り、アプリケーション123に取り込まれた画像データを使用し画像処理などの作業を行う。ここで、CPU111は、ユーザがアプリケーション123での作業が終えると、プルスキャン処理を終了する。
【0029】
<疑似プッシュスキャン処理(比較例)>
次に、図3を参照して、情報処理装置101のOS122によるOS汎用スキャナドライバ127の疑似プッシュスキャン処理の比較例について説明する。なお、疑似プッシュスキャン処理とは、本実施例における特定のスキャンモードの一例である。ユーザが情報処理装置101上で使用したいスキャナデバイス102を選択した場合、OS汎用スキャナドライバ127が、OS122の内部メモリ、外部メモリ121、あるいは他の記憶装置からインストールされる。インストールされたOS汎用スキャナドライバ127は、アプリケーション123から起動され、RAM112上で動作し、疑似プッシュスキャン処理を行うことができる。なお、以下で説明する処理は、CPU111によって統括的に制御される。また、図3では、ユーザ操作が含まれる処理を台形で示している。
【0030】
疑似プッシュスキャン処理を開始すると、S301において、CPU111は、ユーザ操作を受け付けて、使用するスキャナデバイス102を検索し、選択する。スキャナデバイス102が選択されると、S302において、CPU111は、内部メモリ、外部メモリ121、あるいは他の記憶装置からOS汎用スキャナドライバをOS122にインストールする。さらに、S302では、CPU111は、上記OS汎用スキャナドライバ127のインストール処理に続き、OS汎用アプリケーション128におけるスキャン処理の設定、及び疑似プッシュスキャン処理の設定も行う。
【0031】
次に、S303において、ユーザは、スキャナデバイス102に原稿を持って移動し、操作部137でスキャン先の情報処理装置101を選択する。ここで、CPU111は、ユーザ操作により選択された情報を受け付けるとともに、スキャンする設定を更新する必要があれば更新してもよい。続いて、S304において、ユーザは、スキャナデバイス102のスキャン部141に原稿をセットし、疑似プッシュスキャンの開始を指示する。
【0032】
スキャン処理が終了すると、S305において、ユーザは、スキャナデバイス102の原稿を取り除き、情報処理装置101に戻り、OS汎用アプリケーション128に取り込まれた画像データを使用し画像処理などの作業を行う。ここで、CPU111は、ユーザがOS汎用アプリケーション128での作業が終えると、疑似プッシュスキャン処理を終了する。
【0033】
以上のように通常のネットワークを介してのスキャン処理を説明したが、図2及び図3に示すプルスキャン処理、疑似プッシュスキャン処理にはどちらも課題が2つある。1つは、必ずユーザが情報処理装置101に移動し、設定操作S201、S301を行わなければいけないことである。2つ目は、ユーザが上記設定操作のために複数回にわたり、情報処理装置101とスキャナデバイス102との間を移動する必要があるという課題である。
【0034】
<疑似プッシュスキャン処理(本実施例)>
次に、図4を参照して、スキャナデバイス102による、本実施形態に係る疑似プッシュスキャン処理について説明する。なお、以下で説明する処理は、CPU132によって統括的に制御される。また、図4では、ユーザ操作が含まれる処理を台形で示している。
【0035】
スキャナデバイス102による疑似プッシュスキャン処理を開始すると、CPU132は、送信先選択手段として機能し、まず操作部137を介してユーザ操作を受け付け、スキャンデータを送信する先の送信先の情報処理装置を選択する。送信先の情報処理装置の選択には、ユーザによるIPアドレス又は情報処理装置名称等の情報入力を受け付ける。続いて、S402において、CPU132は、選択された情報処理装置101が、スキャナデバイス102内に、既に疑似プッシュスキャン用(特定のスキャンモード用)のスキャン先に登録されているかをRAM133又は外部メモリ143の設定情報(登録情報)を検索して確認する。
【0036】
登録されていない場合は、S403に進み、CPU132は、ハードウェア情報をパラメータとして含むWS−Eventing準拠のPush Modeイベント(第1イベント)を、選択された情報処理装置101へ送信する。ハードウェア情報の詳細については、図11を参照して後述する。その後、S404において、CPU132は、イベントを送信した情報処理装置101からの返答イベントであるスキャン環境構築イベントを受信するまで一定期間の間待機する。スキャン環境構築イベントの詳細については、図15を参照して後述する。
【0037】
一定期間内にスキャン環境構築イベントを受信しない場合、或いは、エラーを情報処理装置101から受信した場合は、CPU132は、情報処理装置101でシステム設定アプリケーションが動作していない状態であると判断し、S405に進む。この場合、以前に使用したことがない情報処理装置101が選択されたとして、その後の動作を行う。具体的には、S405において、CPU132は、情報処理装置101のOS122に、システム設定アプリケーションのインストール処理を起動させるイベント(第2イベント)を送信する。ここで、情報処理装置101は、上記イベントを受信すると、外部メモリ121、ドライバ配信サーバ103などの参照可能な記憶装置から、システム設定アプリケーションをOS122にインストールし、RAM112で起動させる処理を開始させる。S405のスキャナデバイス102からの指示によって行われる情報処理装置101によるシステム設定アプリケーションのインストール処理については、図5を用いて後述する。
【0038】
次に、S406において、CPU132は、情報処理装置101のOS122にシステム設定アプリケーションがインストールされ、RAM112での起動が成功した後に、情報処理装置101から応答として送信されるイベントを受信したか否かを判定する。当該イベントには、上記ハードウェア情報がパラメータとして含まれる。当該イベントを受信した場合はS403に戻り、CPU132は、再度ハードウェア情報をパラメータとして含むイベントを、選択された情報処理装置へ送信する。一方、S406で当該イベントを受信していない場合は、S409に進む。
【0039】
また、S404でスキャン環境構築イベントを受信したと判定すると、S407において、CPU132は、当該イベントの内容から、スキャン環境構築が完了したか否かを判定する。ここで、スキャン環境が構築されていない場合はS409に進み、CPU132は、表示制御手段として機能し、操作部137に情報処理装置の用意ができなかったという内容を伝えるメッセージを表示し、ユーザに他のスキャナデバイスでのスキャン実行を促し、処理を終了する。
【0040】
一方、スキャン環境が構築された場合はS408に進み、CPU132は、表示制御手段として機能し、情報処理装置101の用意ができたという旨のメッセージを操作部137に表示し、スキャンを実行するボタンを有効にすることで、ユーザにスキャン実行を促す。その後、S410において、CPU132は、ユーザがスキャン実行をするためのスキャンボタンを押下するまで待機する。
【0041】
スキャンボタンが押下されると、S411において、CPU132は、情報処理装置101に対して、プッシュスキャンイベントを送信する。その後、S412において、CPU132は、情報処理装置101からスキャンコマンドが送信されて来るまで待機し、スキャンコマンドを受信するとS413に進み、スキャン部141によるスキャン処理を実行し、処理を終了する。S409でメッセージを表示した後、及び、S413でスキャン処理を実行した後、スキャナデバイス102の疑似プッシュスキャン処理が終了S414する。
【0042】
<インストール処理>
次に、図5を参照して、情報処理装置101におけるシステム設定アプリケーションのインストール処理について説明する。ここでは、各情報処理装置101a、101bのOS122上のポリシー及び設定を統一しておくことを前提とする。具体的には、2つの設定を予め疑似プッシュスキャンシステムに施しておく。1つ目は、OS汎用スキャナドライバの自動インストール機能を可能にする設定をしておく。2つ目は、本実施形態で使用するシステム設定アプリケーションと、OS汎用スキャナドライバが共存した更新版のOS標準スキャナドライバパッケージを、各情報処理装置がアクセス可能な記憶装置に準備しておく。更新版のOS標準スキャナドライバパッケージとは、更新されたインストール設定ファイルと同時に関連アプリケーションをインストールさせるCo−Installerの対象アプリケーションとしてシステム設定アプリケーションの設定を施したパッケージである。なお、更新版のOS標準スキャナドライバパッケージでは、OS標準スキャナドライバ自体は変更されない。以下で説明する処理は、CPU111によって統括的に制御される。
【0043】
まず、S501において、CPU111は、所定のスキャナデバイスからOS122へのインストール用イベントを受信する状態で待機する。インストール用イベントを受信すると、S502において、CPU111は、OS汎用スキャナドライバ対応用デバイスIDを含んだインストール用イベントか否かを判定する。OS汎用スキャナドライバ対応用デバイスIDを含んだイベントである場合はS503に進み、CPU111は、当該デバイスに対するOS汎用スキャナドライバのインストールを開始する。ここでのインストール処理は、OS122の内部に保存されているOS標準スキャナドライバパッケージだけではなく、更新されたOS標準スキャナドライバを検索する。ここで、予め設定された更新版のOS標準スキャナドライバパッケージがOS122にインストールされる。
【0044】
次に、S504において、CPU111は、Co−Installerを起動し、同時にシステム設定アプリケーションを外部メモリ121にコピーし、インストールする。続いて、S505において、CPU111は、インストールされたシステム設定アプリケーション125を起動し、RAM112にロードする。さらに、CPU111は、スキャナデバイス102のハードウェア情報をパラメータとして含むWS−Eventing準拠のPush Modeイベントを受信するためのポートを、ネットワークI/F118に設定する。ここで、システム設定アプリケーションは、スキャナデバイス102に対して、Subscribeイベントを送信する。以上の処理によりシステム設定アプリケーションとOS汎用スキャナドライバとのインストール処理を終了する。
【0045】
<画面例>
次に、図6乃至図8を参照して、スキャナデバイス102における操作部137に表示する画面例について説明する。図6は、操作部137が備えるユーザインタフェース(画面)600を示す。当該画面600は、ユーザが操作部137でスキャンメニューを選択すると表示される。
【0046】
スキャン宛先一覧601には、現在設定されているスキャン先の情報処理装置の一覧が表示される。ユーザが、スキャン実行ボタン602を押下することで、601で指定したスキャン先の情報処理装置に疑似プッシュスキャンを行う設定で、スキャナデバイス102はスキャン処理を実行する。画面600には、本実施形態特有の設定として、新しくスキャン先の情報処理装置を選択するボタン603が表示される。ユーザが、603のボタンを押下することで、これまでユーザが使用、設定を行ったことがない情報処理装置を選択することが可能になり、「新しく情報処理装置を選択」画面610が操作部137に表示される。
【0047】
画面610では、ユーザが任意の情報処理装置をIPアドレス設定ボックス611又は情報処理装置名称設定ボックス612で選択し、選択ボタン614を押下することで、図4の疑似プッシュスキャン処理がスキャナデバイス102において開始される。選択ボタン614を押下する前に、ユーザが、スキャン先情報処理装置の環境設定ボタン613押下した場合は、図7の「スキャン先の情報処理装置の環境設定」画面700が操作部137に表示される。
【0048】
図7は、スキャン先の情報処理装置にユーザが希望する疑似プッシュスキャン処理の方法を選択するための「スキャン先の情報処理装置の環境設定」画面700を示す。スキャナドライバとしてスキャナデバイス102専用のスキャナドライバを優先して使用するかを選択するチェックボックス701と、優先して使用するスキャン用のアプリケーションを選択するラジオボタン702、703、704をユーザが選択できる。ユーザが設定ボタン705を押下することで、図6の「新しく情報処理装置を選択」画面610に戻り、新しいスキャン先の情報処理装置に対して、画面700を介した設定を反映することができる。また、戻るボタン706を押下した場合は、変更を保存せず画面610に戻る。
【0049】
図8は、図6の画面610で、選択ボタン614を押下した後、スキャン先となる情報処理装置での環境設定が完了した場合に表示される「情報処理装置の用意ができました」画面800を示す。画面800は、スキャナデバイス102で、図4の疑似プッシュスキャン処理が開始され、S407のステップに到達したときの、操作部137の表示例である。
【0050】
主な環境の設定である、使用するアプリケーション名、画像タイプ、解像度、及び画像サイズが801に表示される。これらの内容は、ユーザの「変更…」ボタン802押下により他の設定可能な値に変更することが可能な設定となる。スキャナデバイス102は、ボタン802が押下されて変更された変更内容を反映したハードウェア情報144を作成する。その後、再度図4のS403の処理が行われ、結果として、更新された内容で、「情報処理装置の用意ができました」画面800が操作部137に表示される。スキャン設定を確認したユーザは、スキャンボタン802押下を行い、スキャナデバイス102が疑似プッシュスキャン処理を開始する。
【0051】
画面800で設定した内容の疑似プッシュスキャン処理が行われ、S413のスキャン処理を終了すると、新たな情報処理装置とスキャン設定についての情報とが、スキャナデバイス102によりRAM133に記憶され、画面600が表示される。この場合、図8の画面620のように、スキャン宛先一覧621に直前のスキャン処理の設定(新たな情報処理装置の情報)が追加表示される。
【0052】
<画面遷移>
次に、図9を参照して、スキャナデバイス102の操作部137における画面遷移について説明する。まず、操作部137は、「宛先指定」画面600を表示する。「新しい情報処理装置を選択…」のボタン603が押下されると、操作部137は、「新しく情報処理装置を選択」画面610を表示する。「新しく情報処理装置を選択」画面610では、全く新しい情報処理装置へスキャンする設定が可能である。スキャン先情報処理装置の特定と「選択」ボタン614が押下されると、操作部137は、指定先情報処理装置へ疑似プッシュスキャン環境構築処理を実行し、「情報処理装置の用意ができました」画面800を表示する。
【0053】
また、「新しく情報処理装置を選択」画面610には、「スキャン先情報処理装置の環境設定…」ボタン613が表示される。当該ボタン61が押下されると、「スキャン先の情報処理装置の環境設定」画面700が表示される。「設定」ボタン705で設定が反映され、また「戻る」ボタン706で設定が反映されず、どちらも元の「新しく情報処理装置を選択」画面610に戻る。
【0054】
また、「情報処理装置の用意ができました」画面800で、「スキャン」ボタン806が押下されると、疑似プッシュスキャン処理を開始するとともに、「宛先指定」画面600が表示される。その時に疑似プッシュスキャン処理が終了したときには、「宛先指定」画面600のスキャン宛先一覧621に直前のスキャン処理の設定が追加表示され、再度設定した内容の指定が可能になる。
【0055】
<スキャン処理>
次に、図10を参照して、スキャン処理の処理手順について説明する。また、ここでは、一連のスキャン処理中に各関連プログラムの間でどのようなシステム環境構築処理が行われているかについても説明する。まず、前提として、既にシステム設定アプリケーションがスキャン先情報処理装置101にインストールされ、RAM112で起動されている状態を前提とする。
【0056】
まず、S1000において、ユーザがスキャナデバイス102の操作部137に表示された画面610を通じてをスキャン先の情報処理装置を選択する。次に、S1001において、スキャナデバイス102は、スキャン先の情報処理装置に対して、ハードウェア情報144をパラメータとして含むWS−Eventing準拠のPush Modeイベントを送信する。続いて、S1002において、スキャン先の情報処理装置101のRAM112で起動されているシステム設定アプリケーション125は、OS122に問い合わせ、インストールされているプッシュスキャン対応アプリケーションを検索する。システム設定アプリケーション125は、このように任意のスキャナデバイス102からイベントが送信されてきたときに動作を開始するプログラムであり、後述する疑似プッシュスキャン環境の構築、汎用・専用スキャナドライバの管理など固有の処理を担う。
【0057】
次に、S1003において、システム設定アプリケーション125は、適切なアプリケーション123、130を選択し、必要であればインストールし、S1004において起動する。続いて、S1005において、システム設定アプリケーション125は、適切なスキャナドライバがあるか検索し、選択したスキャナドライバ126、127が必要であればS1006でインストールし、S1007で起動する。起動した専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127は、S1008で自身の初期設定を行い、S1009で必要に応じてアプリケーション123、130にスキャン設定を通知する。
【0058】
次に、S1011において、システム設定アプリケーション125は、アプリケーション123、128、130の1つに、ハードウェア情報129に従ったスキャン設定及びプッシュイベント設定を行う。以上により、疑似プッシュスキャン環境が構築される。その後、S1012において、システム設定アプリケーション125は、構築した環境の結果情報をスキャン環境構築イベントとして作成し、S1013でスキャン環境構築イベントをスキャナデバイス102に送信し、処理を終了する。
【0059】
スキャン環境構築イベントを受信すると、S1014において、スキャナデバイス102は、操作部137に画面800を表示する。その後、S1015において、ユーザは、当該表示を確認し、原稿をセットし、スキャンボタン806を押下する。スキャンボタン806が押下されると、S1016において、スキャナデバイス102は、スキャン先の情報処理装置に、プッシュスキャンイベントを送信する。情報処理装置101では、必要に応じて専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127が介在し、送信されたプッシュスキャンイベントは、OS122経由で、アプリケーションに送信される。上記プッシュスキャンイベントを受信したアプリケーションは、S1017で起動してスキャン処理を開始し、S1018で専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127を起動する。
【0060】
S1019において、専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127は、アプリケーション123、128、130の1つからの指示によりスキャン処理を開始し、S1020でスキャンコマンドをスキャナデバイス102に送信する。S1021において、スキャナデバイス102は、スキャン処理を開始し、S1022で専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127に読み取った画像データを転送する。S1023において、専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127は、受け取った画像データをアプリケーション123、128、130の1つに画像処理を指示するとともに、S1024で当該アプリケーションに画像データを転送する。
【0061】
S1025において、アプリケーション123、128、130の1つは、受信した画像データを一時的に外部メモリ121に保存するか、又は、RAM112にロードし、ユーザがスキャン先の情報処理装置に来るまで待機する。続いて、S1026において、アプリケーション123、128、130の1つは、スキャン処理が完了した旨を専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127にメッセージ送信する。S1027において、専用スキャナドライバ126又はOS汎用スキャナドライバ127は、スキャン完了メッセージをスキャナデバイス102に送信する。その後、S1028において、スキャナデバイス102は、操作部137にスキャン処理が終了したことを伝えるメッセージを表示する。
【0062】
<ハードウェア情報>
次に、図11を参照して、本実施形態のハードウェア情報の一例について説明する。ハードウェア情報144は、システム設定アプリケーション125が情報処理装置101側に疑似プッシュスキャン環境を構築するために必要な情報をまとめたものである。また、ハードウェア情報144は、スキャナデバイス102上の外部メモリに143等に静的に保存されているデータと、ユーザが操作部137で操作した操作情報を動的に付加して生成される。生成されたハードウェア情報144は、スキャナデバイス102が、スキャン先の情報処理装置101に送信するイベントに付与されて送られる。
【0063】
図11に示すように、ハードウェア情報144には、例えば、ハードウェアID、MACアドレス、IPアドレス、プロトコル、推奨アプリケーション、及びスキャン設定情報が含まれる。ハードウェアID及びMACアドレスは、スキャナデバイス102において固有の値であり、静的にRAM134に保持されている。IPアドレスは、スキャナデバイス102が接続されているLAN104の環境で設定された値であり、外部メモリ143に保持されている。
【0064】
プロトコル#1、プロトコル#2は、スキャナデバイス102が動作するために使用するスキャナプロトコル名称であり、スキャン先の情報処理装置101のRAM112で動作するシステム設定アプリケーション125が扱う。複数のスキャナプロトコルがサポートされている場合は、#1のプロトコルを優先的に使用する。また、プロトコルを使用する優先順位は、ユーザの操作により変更が可能で、例えば、図7の「専用ドライバを優先する」チェックボックス701の結果が反映される。チェックボックス701がチェックされている場合は、例えばプロトコル#1の値が、Vendor Network Protocolという専用ドライバが使用されるように、ハードウェア情報144のスキャナプロトコル名称が変更される。
【0065】
推奨アプリケーションは、疑似プッシュスキャンで使用するアプリケーションを指定する。設定は、例えば、ユーザの操作により変更が可能で、図7の「優先使用アプリケーション」ラジオボタン702、703、704の結果が反映される。この推奨アプリケーションの設定は、情報処理装置101の設定状況により推奨以外のアプリケーションが動作することを許容してもよい。スキャン設定情報はユーザが希望する設定をリストで保持する。設定は、例えば、図6の「スキャン設定…」ボタン604押下により表示されるスキャン設定の結果が反映される。
【0066】
<疑似プッシュスキャンの設定処理>
次に、図12を参照して、システム設定アプリケーション125による本実施形態特有のアプリケーション及びプッシュイベントの設定処理について説明する。なお、以下で説明する処理は、ハードウェア情報144を含むイベントをシステム設定アプリケーション125が受信すると開始される。
【0067】
まず、S1201において、システム設定アプリケーション125は、受信したハードウェア情報129をRAM112にロードする。続いて、S1202において、システム設定アプリケーション125は、OS122に問い合わせ、インストールされているプッシュスキャンに対応するアプリケーションがどれだけインストールされているかリストアップする。さらに、S1203において、システム設定アプリケーション125は、ハードウェア情報129の推奨アプリケーション項目を参照し、専用アプリケーションを使用するか否かを判定する。専用アプリケーションを使用する場合はS1204に進み、専用アプリケーションを使用しない場合はS1208に進む。
【0068】
S1204において、システム設定アプリケーション125は、専用アプリケーションがインストールされているか否かを判定する。インストールされている場合はS1206に進む。一方、インストールされていない場合はS1205に進み、システム設定アプリケーション125は、専用アプリケーション130を外部メモリ121又は参照可能な記憶装置からインストールプログラムを呼び出し、インストールし、S1206に進む。S1206において、システム設定アプリケーション125は、スキャナドライバの選択、インストール処理を行う。S1206の詳細な処理については、図13で後述する。
【0069】
次に、S1207において、システム設定アプリケーション125は、専用アプリケーション130へのプッシュイベントの設定をOS122に行い、スキャン環境構築イベントに各設定情報を設定する。その後、S1212において、システム設定アプリケーション125は、スキャン環境構築イベントをスキャナデバイス102に送信し、処理を終了する。
【0070】
一方、S1203で専用アプリケーションを使用しないと判断した場合は、S1208において、システム設定アプリケーション125は、ハードウェア情報129を参照し、OS汎用アプリケーションを使用するか否かを判定する。OS汎用アプリケーションを使用する場合はS1210に進み、システム設定アプリケーション125は、OS122に対して、OS汎用アプリケーション128を使用するように設定させる。一方、S1208で別のアプリケーションを使用すると判定した場合はS1209に進み、システム設定アプリケーション125は、スキャナドライバのセットアップ記述ファイルに記述されているアプリケーションを確認する。S1209で対象のアプリケーションが見つからなかった場合はS1210に進み、システム設定アプリケーション125は、OS汎用アプリケーション128を使用するようにOS122に設定する。対象のアプリケーションが見つかった場合はS1211に進み、システム設定アプリケーション125は、当該アプリケーションを使用するようにS1210と同様に設定する。S1210及びS1211において、それぞれ使用するアプリケーションが設定されると、S1206に進み、専用アプリケーションを使用する場合と同様の処理が行われる。
【0071】
<スキャナドライバのインストール>
次に、図13を参照して、システム設定アプリケーション125による本実施形態特有のスキャナドライバの選択及びインストール処理について説明する。なお、以下で説明する処理は図12のS1206の詳細な処理である。
【0072】
まず、S1301において、システム設定アプリケーション125は、OS122にインストール済みのドライバ内にハードウェアIDに適合するドライバがあるか否かを判定する。具体的には、システム設定アプリケーション125は、OS122に登録されている各スキャナドライバのハードウェア情報129と、S1201で取得したスキャナデバイス102のハードウェア情報とを比較し、一致するものがあればすべて取得する。本実施形態では、ハードウェア情報として、プラグアンドプレイ・インストールに用いられるハードウェアIDが取得される。なお、適合するドライバがあればS1308に進み、適合するドライバがなければS1302に進む。
【0073】
S1302において、システム設定アプリケーション125は、ドライバストア内、ドライバ配信サーバ103内、スキャナデバイス102内の外部メモリ143に適合するスキャナドライバがあるか否か判定する。ここで、適合するドライバがあればS1303に進み、適合するドライバがなければS1310に進む。上記ドライバストアとは、Windows(登録商標) Vistaで導入されたデバイスドライバのデータベースシステムであり、インストール前のデバイスドライバのパッケージをOS122に格納する仕組みである。システム設定アプリケーション125は、このドライバストアに格納されているスキャナドライバの中に、S1201で取得したスキャナデバイス102のハードウェア情報に一致するものがないかOS122に問い合わせることができる。さらに、システム設定アプリケーション125は、ドライバ配信サーバ103に、RPC(Remote Procedure Call)やHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などを用いて、LAN104を経由して、所定のハードウェア情報に適合するスキャナドライバがあるか問い合わせることができる。また、システム設定アプリケーション125は、スキャナデバイス102内を検索し、適合するドライバがあるかどうか判定する。スキャナデバイス102は、その外部メモリ143に、スキャナデバイス自身を利用するために必要な専用スキャナドライバを記憶することができる。システム設定アプリケーション125は、このスキャナデバイス102に記憶されたスキャナドライバも、ドライバ配信サーバ103と同様にLAN104を経由して、問い合わせることが可能である。問い合わせの結果、1つ以上適合するものがあればドライバ配信サーバ103等からスキャナドライバのパッケージを情報処理装置101に転送して、外部メモリ121に記憶する。
【0074】
S1302で適合するスキャナドライバが見つかった場合は、S1303において、システム設定アプリケーション125は、見つかったドライバが複数個あるか否か判定する。複数適合するものがあればS1304に進み、1つであればS1305に進む。S1304において、システム設定アプリケーション125は、その中から最も適切なスキャナドライバを選択する。本実施形態では、S1201でRAM112にロードしたハードウェア情報の優先度項目、スキャナプロトコル名称、バージョン情報などからインストールすべき対象のドライバを自動選択する。例えば、各スキャナドライバにはバージョンが付与されており、たとえ同じデバイスモデルのスキャナドライバであっても作成された時期が違えば、通常は異なるバージョンを有する。バージョンの表現方法としては例えば「10/10/2009.2.6.1.0」のように日付と数値の組み合わせで表現し、どちらの方が新しく作成されたものか容易に判断することができる。このような情報を用いてシステム設定アプリケーション125はインストールすべき対象のドライバを選択する。その後、S1305において、システム設定アプリケーション125は、選択されたスキャナドライバをOS122にインストールし、S1306に進む。
【0075】
S1308及びS1309は、S1303乃至S1305の特殊なケースに関しての処理である。すなわち、インストール済みスキャナドライバ内に適合するスキャナドライバがあった場合に処理されるステップであり、S1308はS1303と、またS1309はS1304と同様の処理である。S1305が不要なのは、既にスキャナドライバがインストールされているためである。
【0076】
S1310乃至S1312では、S1301及びS1302の一連の処理の結果、適合するスキャナドライバがどこにも見つからない場合の処理であり、予めS1003でインストールされたOS汎用スキャナドライバ(汎用ドライバ)のポートを作成する。まず、S1310において、システム設定アプリケーション125は、S1201でRAM112にロードしたハードウェア情報から、プロトコル情報を取得し、汎用スキャナサービスがプロトコルとしてサポートしているか否かを判定する。サポートしている場合はS1311に進み、それ以外の場合はS1312に進む。S1311において、システム設定アプリケーション125は、スキャナデバイス102に対応した汎用ポートをOS122に設定し、S1306に進む。一方、S1312において、システム設定アプリケーション125は、対応するスキャナドライバが見つからなかったため、スキャン環境イベントのインストール結果にFail(失敗)をセットし、処理を終了する。
【0077】
最後に、S1306において、システム設定アプリケーション125は、S1201でRAM112にロードしたハードウェア情報から、スキャン設定情報を取得し、対象アプリケーションにスキャン設定を施す。スキャン設定処理の詳細については、図14参照して後述する。続いて、S1307において、システム設定アプリケーション125は、スキャン環境構築イベントのインストール結果にSuccess(成功)、各設定情報をセットし、処理を終了する。
【0078】
<スキャン設定処理>
次に、図14を参照して、システム設定アプリケーション125による本実施形態特有のスキャン設定処理について説明する。以下で説明する処理は、図13のS1306の詳細な処理である。
【0079】
まず、S1401において、システム設定アプリケーション125は、使用するアプリケーションを外部メモリ121から起動する。続いて、S1402において、システム設定アプリケーション125は、アプリケーション、スキャナドライバから取得されるスキャン情報と、S1201でRAM112にロードしたハードウェア情報から、スキャン設定情報を比較する。スキャン設定は、OS122の設定プロファイルとして取得可能である場合もあり、スキャナドライバの設定ファイルとして反映できる場合もある。また、本実施形態特有の専用アプリケーションでは、システム設定アプリケーション125が自由にスキャン設定の参照、設定が可能である。
【0080】
次に、S1403において、システム設定アプリケーション125は、S1402で比較した結果、ハードウェア情報と同じ情報であるか否かを判定する。ハードウェア情報と内容が違う場合はS10404に進み、システム設定アプリケーション125は、反映可能なスキャン設定をアプリケーションに設定し、S1406に進む。一方、比較結果が同じ場合はS1405に進み、システム設定アプリケーション125は、スキャン設定をデフォルトの設定にし、S1406に進む。最後に、S1406において、システム設定アプリケーション125は、スキャン環境構築イベントのスキャン設定結果に最終的なアプリケーションの各スキャン設定情報をセットし、スキャン設定処理を終了する。
【0081】
<スキャン環境構築イベント>
次に、図15を参照して、本実施形態のスキャン環境構築イベントの情報の一例について説明する。本実施形態のスキャン環境構築イベントは、XML−SOAPで記述されているメッセージである。図15に示す値は、疑似プッシュスキャン環境を情報処理装置101側にシステム設定アプリケーション125が構築したときの結果情報をまとめたものであり、情報処理装置101上のRAM112等に動的に保存されている。
【0082】
システム設定アプリケーション125は、スキャナデバイス102に送信するスキャン環境構築イベントのSOAPメッセージ部分に図15に示す情報を設定する。インストール結果は、S1307又はS1312において、システム設定アプリケーション125によって設定される。スキャナドライバ名、ドライババージョン、スキャナドライバ日付は、図13のスキャナドライバ選択、インストール処理の結果が反映される。登録アプリケーションは、図12のアプリケーション、プッシュイベント設定処理の結果が反映される。スキャン設定結果は、図14のスキャン設定処理の結果が反映される。
【0083】
スキャナデバイス102が、スキャン環境構築イベントを受信すると、操作部137の表示部に疑似プッシュスキャン環境の設定結果内容が表示される。例えば、スキャン先情報処理装置での環境設定が完了した場合に表示される図8の画面800に表示されるように、801の使用するアプリケーション名、画像タイプ、解像度、画像サイズで表示される値は、スキャン環境構築イベントの情報から参照される。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、スキャン先として選択された情報処理装置で動作するシステム設定アプリケーションが、自動的に最適なスキャナドライバとアプリケーションをその場でインストールし、各疑似プッシュスキャン環境設定も行う。これにより、ユーザは、面倒な情報処理装置側での、事前のスキャン環境設定作業を強いられることなく、ユーザが初めて使用する情報処理装置でも、初めに立ち寄ることなくスキャナデバイスに直接行くことで疑似プッシュスキャン機能を利用することが可能になる。
【0085】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、情報制御装置とスキャナデバイスの間のイベント送信などの通知をWS−Eventingで定義されるプロトコルを採用している、しかしながら、本発明はこの限りではなく例えばGENA(General Event Notification Architecture)などを利用することでも実現可能である。また、情報処理装置上で動作するシステム設定アプリケーションに、適切にハードウェア情報を伝えることができ、同様の結果が得られるプロトコルであればいずれのプロトコルでも運用可能である。このように、本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形が可能である。また、上記実施形態では、システム設定アプリケーションをインストールする方法として、発見したネットワークスキャナデバイスに対応したOS汎用スキャナドライバのインストールを採用している。しかしながら、本発明は、ネットワークサービスやネットワークアプリケーションなどを、情報処理装置101に自動的にインストールする方法を採用しても運用可能である。
【0086】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置と、特定のスキャンモードを実行可能な画像読取装置とが接続された画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、
原稿から読み取った画像データを送信する送信先の情報処理装置を選択する送信先選択手段と、
予めメモリに登録されている登録情報を参照して、選択された前記送信先の情報処理装置が特定のスキャンモード用の情報処理装置として登録されていなければ、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示する第1イベントを該送信先の情報処理装置に送信する送信手段と、
前記送信先の情報処理装置から前記環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と
を備え、
各情報処理装置は、
前記ハードウェア情報とともに、前記第1イベントを受信すると、前記ハードウェア情報に適合するドライバをインストールするとともに、前記画像読取装置を使用するための環境を構築する構築手段と、
前記構築手段による前記環境の構築が成功したか否かを示す情報を、前記画像読取装置に通知する通知手段と
を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記構築手段は、
自装置の記憶手段又は該自装置に接続された外部の記憶手段から、前記ハードウェア情報に適合するドライバを検索する検索手段を備え、
前記検索手段によって検索されたドライバをインストールすることを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記ハードウェア情報には、少なくとも前記送信先の情報処理装置と前記画像読取装置との間で通信を行うための複数のプロトコルを示す情報及び該複数のプロトコルを使用する優先順位を示す情報を含み、
前記構築手段は、
前記検索手段によって複数のドライバが検索されると、該複数のドライバから前記優先順位に従ってインストールするドライバを選択するドライバ選択手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記構築手段は、
前記検索手段によって前記ドライバが検索されなかった場合に、前記送信先の情報処理装置におけるオペレーティングシステムで動作する汎用ドライバを使用して、前記環境を構築することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記送信手段は、
前記通知手段から前記環境の構築が失敗したことを示す情報を受信すると、前記環境を構築するためのアプリケーションのインストールを指示する第2イベントを該送信先の情報処理装置に送信し、該第2イベントに対する応答として前記アプリケーションのインストールが成功したことを示す情報を該送信先の情報処理装置から受信すると、前記第1イベントを再び該送信先の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読取システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記送信手段から前記第2イベントを受信すると、自装置の記憶手段又は該自装置に接続された外部の記憶手段から、前記アプリケーションの情報を検索し、検索されたアプリケーションの情報を用いて該アプリケーションをインストールするインストール手段をさらに備え、
前記通知手段は、
前記第2イベントに対する応答として、前記インストール手段による前記アプリケーションのインストールが成功したか否かを示す情報を前記画像読取装置に通知することを特徴とする請求項5に記載の画像読取システム。
【請求項7】
複数の情報処理装置と接続され、特定のスキャンモードを実行可能な画像読取装置であって、
原稿から読み取った画像データを送信する送信先の情報処理装置を選択する送信先選択手段と、
予めメモリに登録されている登録情報を参照して、選択された前記送信先の情報処理装置が特定のスキャンモード用の情報処理装置として登録されていなければ、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示する第1イベントを該送信先の情報処理装置に送信する送信手段と、
前記送信先の情報処理装置から前記環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
複数の情報処理装置と、特定のスキャンモードを実行可能な画像読取装置とが接続された画像読取システムの制御方法であって、
前記画像読取装置は、
送信先選択手段が、原稿から読み取った画像データを送信する送信先の情報処理装置を選択する送信先選択ステップと、
送信手段が、予めメモリに登録されている登録情報を参照して、選択された前記送信先の情報処理装置が特定のスキャンモード用の情報処理装置として登録されていなければ、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示する第1イベントを該送信先の情報処理装置に送信する送信ステップと、
表示制御手段が、前記送信先の情報処理装置から前記環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する表示制御ステップと
を実行し、
各情報処理装置は、
構築手段が、前記ハードウェア情報とともに、前記第1イベントを受信すると、前記ハードウェア情報に適合するドライバをインストールするとともに、前記画像読取装置を使用するための環境を構築する構築ステップと、
通知手段が、前記構築ステップにおいて前記環境の構築が成功したか否かを示す情報を、前記画像読取装置に通知する通知ステップと
を実行することを特徴とする画像読取システムの制御方法。
【請求項9】
複数の情報処理装置と接続され、特定のスキャンモードを実行可能な画像読取装置の制御方法であって、
送信先選択手段が、原稿から読み取った画像データを送信する送信先の情報処理装置を選択する送信先選択ステップと、
送信手段が、予めメモリに登録されている登録情報を参照して、選択された前記送信先の情報処理装置が特定のスキャンモード用の情報処理装置として登録されていなければ、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するためのハードウェア情報とともに、前記送信先の情報処理装置が前記画像読取装置を使用するための環境を構築することを指示する第1イベントを該送信先の情報処理装置に送信する送信ステップと、
表示制御手段が、前記送信先の情報処理装置から前記環境の構築が成功した旨の通知を受信すると、スキャンの実行を促す旨を表示部に表示する表示制御ステップと
を実行することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項10】
請求項8に記載の画像読取システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項9に記載の画像読取装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−44419(P2012−44419A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183388(P2010−183388)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】