説明

画像読取装置、画像形成装置およびその制御方法

【課題】ヒータによる画像読取装置の消費電力を低減でき、画像読取装置の設置環境下での結露を発生させない画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置内の負荷の少なくとも一部に電力を供給する燃料電池装置400と、画像読取装置の環境温度を検出する温度検出手段112と、画像読取装置の環境湿度を検出する湿度検出手段113と、温度検出手段および湿度検出手段による検出結果に基づいて、燃料電池装置からの発生熱により画像読取装置の環境温度を調節するか否かを判別する判別手段406と、判別手段で調節すると判別したとき前記発生熱により画像読取装置の環境温度を調節する温度調節手段404とを備えた画像読取装置により課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池による発電電力を装置一部乃至全ての電力源として動作し、原稿の反射光に基づく画像データを作成する画像読取装置(例えばスキャナー等)に関するものである。特に、移動光学系を持った画像形成装置において、装置が設置されている環境(温度・湿度)が変化した場合に発生する光学系部品への結露による画像読取不良を防止する様に制御する場合に用いて好適な結露防止構成を持った画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、画像読取装置、画像形成装置の主電源をオフにした場合や、省電力モード時に、光学系を構成する折り返しミラー群のホームポジション近傍とレンズ近傍に設けられたヒータを常時オン制御している。これにより、光学系雰囲気温度を高く維持し、結露が発生しないようにしていた。
【0003】
しかし、近年、消費電力の低減を更に図るため、画像読取装置内に内部に温度センサおよび湿度センサを配置し、これらの測定値から結露の発生しやすい環境になったことを判断するものがある。そして、結露の発生しやすい環境になったと判断した場合に、画像読取装置内部をヒータで暖めることのできる画像読取装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、例えば従来の画像形成装置内にある定着部や現像部周辺の温度検出用サーミスタの検出値より画像読取部の装置内温度を算出し、画像形成装置内部の湿度を検出するための湿度検出用センサからも温度と同様に画像読取装置内の湿度を算出する。そして、画像読取内部の露点温度を算出し装置内部をヒータまたはファン等を用いて温度調節を行い、装置内に結露が発生しない画像形成装置が提案されている(特許文献2)。
【0005】
一方、エネルギーの変換効率が高く、大気汚染物質を殆ど排出しないクリーンなエネルギーとして、水素と酸素とを化学反応させて電気エネルギーを取り出す燃料電池が近年注目されている。この燃料電池では、酸素は大気中から取り入れられるものであるため、例えば天然ガスやメタノールなどを改質して作られる水素を補給することによって電池としての性能が維持される。このような燃料電池としては、発電システム用、コージェネレーションシステム用、自動車用、一般家庭用などといった用途に応じて、燃料電池に使用される電解質の種類や作動温度などが異なる各種の燃料電池が開発されている。
【特許文献1】特開2003−018340号公報
【特許文献2】特開2005−181779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像読取装置では、原稿照射光を被結像物に反射・集光する光学系を構成するミラー・レンズに発生する結露のレンズ効果により、被結像物(CCD、感光ドラム)上に形成される原稿反射光のMTFが著しく損なわれた画像となる。その結果、原稿の忠実な再現が行われない状態に陥ることがある。
【0007】
更に、一度発生した結露は、画像読取装置のメイン電源投入後の自然放置状態では通常1〜2時間位の復帰時間を要し、オフィス等、頻繁に装置を使用する環境下に於いては、ダウンタイムが問題となり、対策を講じる必要がある。
【0008】
しかし、従来からの手法のように、メイン電源が落ちている間、ヒータをオンオフ制御した場合、複写機といった画像形成装置と画像読取装置が別体構造であるとき、電源系の構成が複雑になる。且つ画像読取装置内のヒータの電力は画像形成装置側の電源を使用するため、画像形成装置側はそれを含めた電源設計を行う必要があると言った問題がある。
【0009】
また、画像形成装置側の温度、湿度センサを画像読取装置側と併用した場合も同様に、別体構造であった場合、画像形成装置側の制御が複雑になると言った問題がある。
【0010】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、ヒータによる画像読取装置の消費電力を低減でき、画像読取装置の設置環境下で結露を発生させない画像読取装置、および電源系、制御系が複雑でない画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明では、画像読取装置を次の(1)のとおりに構成する。
【0012】
(1)原稿を読み取って画像データを作成する画像読取装置において、
前記画像読取装置内の負荷の少なくとも一部に電力を供給する燃料電池装置と、
前記画像読取装置の環境温度を検出する温度検出手段と、
前記画像読取装置の環境湿度を検出する湿度検出手段と、
前記温度検出手段および前記湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記燃料電池装置からの発生熱により前記読取装置の環境温度を調節するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で調節すると判別したとき前記発生熱により前記読取装置の環境温度を調節する温度調節手段と、
を備えた画像読取装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料電池で発電する際発生する熱を有効に利用することで、ヒータによる画像読取装置の消費電力を低減でき、画像読取装置の設置環境下で結露を防止することができる。また、請求項12に係る発明によれば、電源系、制御系の構成が複雑になることを避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1である“画像形成装置”の概略内部構造を示す断面図である。
図1において、100は、画像読取装置である。画像読取装置100は、原稿台ガラス101上に搬入された原稿を露光ランプ102により照明し、その反射光をミラー103,104,105によりレンズ106に導き、更に画像読み取り素子としてのCCDセンサ107に結像させる構成となっている。
【0016】
燃料電池装置400は、画像読取装置100にカセット形態で交換可能に構成されている。なお、詳細については後で詳しく説明するが、結露の発生によって読み取り画像に不具合が発生する個所は、ミラー103,104,105および、レンズ106である。
【0017】
次に画像記録装置200の構成を以下に説明する。
画像形成装置は、例えば1ドラムのカラー複写機として構成されており、レーザユニット6・多面体ミラー(ポリゴンミラー)7・スキャナモータ8・ビーム検出信号(BD信号)発生回路を有するスキャナユニット1を備えている。また、中間転写ベルト4、ホームポジション検出センサ5、各色の現像剤ユニット10a〜10dを有する現像ロータリ10、二次転写ローラ11、パッチ検出センサ13、クリーニングブレード15、定着器16を備えている。さらに、記録紙等の記録媒体17を給紙する給紙カセット18、手差しトレイ19、排出口20、手差しトレイ紙サイズ検出センサ21等を備えている。
【0018】
前述の構成にて画像形成装置各部の構成を説明する。スキャナユニット1において、レーザユニット(以下レーザと略称)6は、画像読取装置100より得られた原稿P0の画像データを画像形成装置内の画像コントローラにて画像処理を施しその結果得られた画像信号をエンジンコントローラへ送出する。エンジンコントローラでは画像形成装置内の各種センサ情報に基づいてレーザ発光信号であるパルス信号を生成する。パルス信号は画像信号に基づき、且つ本体情報から所定の変調制御を加えたものである。生成されたパルス信号はレーザ6に送出され発光制御される。多面体ミラー(ポリゴンミラー)7は、レーザ6から発光されたレーザ光を偏向して感光ドラム3上を走査し、該感光ドラム3上に静電潜像を形成するための回転多面鏡である。スキャナモータ8は、ポリゴンミラー7を回転駆動する。なお、カラー画像形成時に必要となる副走査方向の各色のレーザの書き込みタイミングは中間転写ベルト裏に貼付されたホームポジションマーク12をホームポジション検出センサ5で検出され各色の副走査方向の色あわせが行われる。
【0019】
感光ドラム3は、静電潜像が形成される前に不図示の帯電器により帯電バイアス制御が実施されドラム表面の電位を一様な状態とする。現像ロータリ10は、感光ドラム3上に形成された静電潜像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の現像剤ユニット10a、10b、10c、10dにより現像する。
【0020】
感光ドラム3は、現像ロータリ10により現像された感光ドラム3上の現像剤を中間転写ベルト4に一次転写させる。二次転写ローラ11は、中間転写ベルト4に当接し、中間転写ベルト4上の現像剤を、給紙カセット18或いは手差しトレイ19から給送される記録紙等の記録媒体に二次転写させる。
【0021】
クリーニングブレード15は、中間転写ベルト4に対し離間、当接が可能な構成になっており、当接時に中間転写ベルト4表面の残留トナーを掻き取ることで清掃を行う。定着器16は、記録媒体17上に転写されたトナー像を加熱および加圧により記録媒体17に融着させる定着動作を行う。給紙カセット18は、複数枚の記録媒体17を収納するものであり、給紙カセット18からピックアップローラ30により記録媒体17は分離ローラ31まで搬送される。給紙された記録媒体17はレジローラ32に搬送され、レジローラ32近傍に設けられた記録媒体検出フラグにより検出され、その位置に停止する。
【0022】
作像制御に同期しレジローラ32が駆動し、中間転写ベルト4が回転駆動され、二次転写ローラ11は中間転写ベルトとの当接圧により従動駆動される。記録媒体17はレジローラ32を通過後その下流にある二次転写位置に給紙される。二次転写位置にて二次転写ローラ11の転写バイアスにより中間転写ベルト4上のトナー像は、記録媒体17上に静電転写される。その後、定着部16にて記録媒体17上のトナー像は熱融着され、記録媒体17上に定着される。手差しトレイ19は、記録媒体17を手差し給紙する際に用いるものである。排出口20には、画像形成(コピー)が完了した記録媒体17が排出される。
【0023】
300は原稿フィーダーである。不図示の操作部のキー入力部から同じく不図示のコピースタートボタンを押すことにより、原稿トレイ301に積載された原稿P0は画像読み取り部101に搬入されて画像を読み取られる。また、不図示の操作部のキー入力部から指示を入力することにより、原稿P0の両面の画像を読み取ることも可能である。
【0024】
図2は画像読取装置100を本実施例の詳細説明用に書き直したものである。
画像読取装置100は、原稿を露光ランプ102により照明し、その反射光をミラー103,104,105によりレンズ106に導き、更に画像読み取り素子としてのCCDセンサ107に結像させる構成となっている。また、原稿を読み取る際には、第1ミラー台を構成する101(原稿照射光源102とミラー103によって構成される)とミラー104,105によって構成される第2ミラー台が2:1の速度比で原稿に対して相対的な速度で副走査方向への原稿走査を行う。その際、前記第1ミラー台と第2ミラー台を駆動制御する駆動源が光学モータ114であり、モータ駆動軸と光学駆動軸108の間に渡された駆動ベルトを介してワイヤー116,117の駆動制御を行う。前記第1ミラー台と第2ミラー台は共にワイヤーに固定されており、ワイヤー駆動に伴って原稿走査を行うことになる。また、不図示の画像メモリを搭載しない画像読取装置においては、原稿を読み取る変倍率に応じて走査速度が変化してくる。即ち、100%(等倍)読み込みの場合には、400dpi解像度の原稿読取装置で63.5μm間隔で画像を読み取り、600dpi解像度の原稿読取装置で42.3μm間隔での画像読み取りを行う。そして50%読み込みの場合には読み取り間隔が倍の127μm,84.6μmとなる。これは2分の1に縮小するために読み取り間隔を二倍に広げて間引いた結果である。なお、温度センサ112,湿度センサ113は画像読取装置内に図の様に配置されており、夫々装置内の温度情報、湿度情報を検出するために用いる。
【0025】
また、燃料電池装置400は、例えばDMFC(ダイレクトメタノール方式)等の小型燃料電池401a(図5参照)を含む燃料電池制御部401と、小型燃料電池401aにメタノール燃料を供給するための燃料貯蔵部402を有する。更に、小型燃料電池401aにより電気エネルギーを化学反応(酸素還元反応)により生成する際に発生する水を回収貯蔵するための貯水部、燃料電池による発熱を温度調整するための温度調整ファン404とから構成される。なお、燃料電池装置は、画像読取装置100下部に設置されており、カセット状に引き出して装置内の燃料電池制御部401、小型電量電池401a、燃料電池貯蔵部402、貯水部403が個々に、もしくは一体で交換も可能な構成となっている。
【0026】
本実施例においては、電気エネルギーの供給対象として、燃料電池制御部401、温度調節ファン404、温度センサ112、湿度センサ113が燃料電池装置の電気エネルギーのみで駆動するよう構成されている。これにより、前述の画像形成装置が消費電力低減状態でも装置電源からの電源供給に依存しない構成となっている。
【0027】
燃料電池装置内の各部の配置構成は、燃料電池制御部401内の小型燃料電池401aから発生する熱を結露防止に有効利用するため、ミラー103,104,105および、レンズ106の中間位置に配置される。
【0028】
次に、結露が発生する仕組みを説明する。結露は空気中に存在する水蒸気が冷却することによって液化したものである。逆に結露は暖められることによって水蒸気になり空気中に発散する。この関係は、温度に対して空気中に存在できる水蒸気量の関係として指数関数的な関係が成り立っていることが知られており、その一例を図3に示した。図3は湿度が80%の時の温度に対する露点(結露する温度)を飽和水蒸気圧線として示したものである。図3−A’が温度18度、湿度80%を示しているとすると、図3−Aのポイント、即ち、温度15度、湿度80%で結露を生じることを意味している。同様に、図3−B’が温度28度、湿度80%を示しているとすると、図3−Bのポイントは、温度24度、湿度80%で結露が発生することを意味している。この飽和水蒸気圧線を見ても解るとおり、温度上昇に対する水蒸気圧は指数関数的な変化を示しており、結露防止制御における最も有効な手段は温度を上げる手法であることが解る。また、温度約40度以上においては極めて結露が発生しにくい環境であることがあわせて解る。
【0029】
次に燃料電池による発電を行った際の燃料電池による反応熱の発生について説明する。燃料電池による反応熱とは、DMFCにおいては、メタノール水溶液を改質することで得られる水素と空気中の酸素との反応時に発生する反応熱のことである。この反応熱(廃熱)を有効に利用することで、燃料のエネルギー変換効率を高効率にて使用することが出来る。
【0030】
なお、図4に示した通り、経過時間に伴い発生熱は増加の傾向にあり、装置が設置された周辺温度環境が5℃においては、燃料電池周辺は80℃程度まで温度が上昇する。また、0℃においても、燃料電池周辺は50℃程度までは温度上昇が可能である。但し、これは燃料電池単体での試験結果であるため、本実施例の様に画像読取装置の内部に配置された場合は、燃料電池周辺環境も燃料電池自体の発熱によって温度上昇するためこれ以上の反応発熱が推測される。よって、結露防止熱源としてこの廃熱を利用した場合、それに十分な発熱能力を有しているのが解る。
【0031】
そこで、本実施例においては、画像読取装置内部にセットした温度センサ112と湿度センサ113の検出結果を基に予め求められている飽和水蒸気圧線に対する環境条件をモニタする。これによって結露発生条件に応じて、温度調節ファン404への通電オンオフを制御し、画像読取装置内の環境温度を調節し、ミラー103,104,105および、レンズ106に結露発生を防止するものである。一方で、図3に示した飽和水蒸気圧線からも明らかなように、画像読取装置内の温度環境を50℃以上に維持した場合は、結露は発生しないということも合わせて解る。
【0032】
図5にある燃料電池装置の構成ブロック図、および図6にある燃料電池制御フローを用いて、燃料電池装置の構成および制御を説明する。
燃料電池装置400は、画像形成装置200のメインスイッチが投入されると、リーダーコントローラ501を介して、燃料制御部401内のCPU406に起動信号が通知される。起動信号が通知されると、CPU406により小型燃料電池401aに対し、燃料制御部401以外の各負荷に対し通電を開始する(S601)。通電開始後、燃料量センサ402a、水量検出センサ403aは随時、燃料貯蔵部402内の燃料残量(S602)および貯水部403内の水量のモニタを開始し(S603)、モニタ情報は夫々CPU406に対し通知される。CPU406はモニタ情報を元にメモリ407を照会し、燃料残量が所定警告量以下である時(S605)、または水量が所定水量以上を検出した時(S603)は、小型燃料電池401aに対し、燃料制御部401以外の各負荷への通電を停止する(S606)。通電停止後は燃料電池制御部のみの通電状態となり、ユーザーによる燃料貯蔵部402または貯水部403の交換実施を検出するまで、全制御を停止し待機状態を維持する(S607)。
【0033】
温度センサ112、湿度センサ113は、電力供給後は変換器405へ検出情報が常時通知される(S608)。各センサ出力形式はアナログ出力であり、本実施例では変換器405はAD変換処理を行う。変換後のデジタル出力はCPU406へ入力され、入力された温度、湿度情報に基づいてメモリ407を照会する(S609)。そして、検出温度が基準となる上限温度βを超える場合は、結露を発生する可能性が極めて少なく、むしろ高温度のため他の電子部品に影響を与える可能性がある。このため温度調節ファン404がCPU406により駆動され、画像読取装置100内の温度を低下させる(S610)。基準上限温度はここでは50℃から60℃の間で設定されている。また、検出温度が基準上限温度βを下回る場合は湿度条件によっては結露を発生する可能性があるため、湿度条件に対する水蒸気圧線と、検出温度条件から結露発生条件を判定し、条件に達した場合或いは達する直前にファンを停止する。これにより一時的に装置内温度の上昇を実施する(S612)。
【0034】
以上説明した燃料電池制御フローが繰り返し実施されることにより、常時画像読取装置内の温度、湿度環境は結露が発生しない状態を維持することができる。また、結露防止に燃料電池で発生する熱を利用しているので、ヒータ使用の場合に比べ消費電力を低減することができる。
【実施例2】
【0035】
次に、実施例2である“画像形成装置”について説明する。
実施例1において説明した、図1にある画像形成装置および図6にある燃料電池制御フローに関しては本実施例も同様のため説明は省略する。また、図2で説明した画像読取装置においては、温度センサ112および湿度センサ113が、本実施例においては露点センサの一つのデバイスに集約されている点が異なる。しかし、露点センサに関しては次に詳述するため画像読取装置としての差異説明は省略する。
【0036】
図7は本実施例における燃料電池装置の構成ブロック図である。
図7と図5との差異である露点センサ701に関してのみ説明する。
露点センサ701は、センサ素子内部に演算処理部、温度素子、湿度素子、メモリを1つのデバイスにて包括して構成されている。湿度素子による検出情報に基づき、図3で前述の水蒸気圧線を演算処理部により内部メモリを照会し算出する。そして温度素子情報と水蒸気圧線の算出値より露点温度を決定し、CPU406に対しデジタルデータとして通知する。この時露点センサより送出されるデジタルデータは、シリアルデータ変換された温度情報と露点温度情報である。CPU406は、前述の燃料電池制御フローS611の判断条件と同様の処理を行う。具体的には露点温度情報に対し、温度情報が下回る場合或いは下回る直前に、ファンを停止することにより装置内温度の上昇を実施し、上回る場合はS613のフローへと進む。
【0037】
本実施例により、燃料電池制御部401内に設ける必要のある変換器405およびメモリ内の湿度―水蒸気圧線テーブルと温度―水蒸気圧線テーブルを設ける必要がないため、実施例1に比してコストダウンおよび制御の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1の概略構造を示す断面図
【図2】実施例1の詳細説明用の図
【図3】飽和水蒸気圧線の例を示す図
【図4】燃料電池発熱温度と時間の関係の1例を示す図
【図5】実施例1で用いる燃料電池装置の構成を示すブロック図
【図6】実施例1の動作を示すフローチャート
【図7】実施例2で用いる燃料電池装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0039】
100 画像読取装置
200 電子写真方式の画像記録装置
112 温度センサ
113 湿度センサ
400 燃料電池装置
401a 小型燃料電池
402 燃料貯蔵部
403 貯水部
404 温度調節ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを作成する画像読取装置において、
前記画像読取装置内の負荷の少なくとも一部に電力を供給する燃料電池装置と、
前記画像読取装置の環境温度を検出する温度検出手段と、
前記画像読取装置の環境湿度を検出する湿度検出手段と、
前記温度検出手段および前記湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記燃料電池装置からの発生熱により前記画像読取装置の環境温度を調節するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で調節すると判別したとき前記発生熱により前記画像読取装置の環境温度を調節する温度調節手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記判別手段は、結露発生条件に基づいて前記画像読取装置の環境温度を調節するか否かを判別することを特徴とする画像読取装置
【請求項3】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記温度調節手段は、前記画像読取装置の環境温度を調節するファンの動作を停止することにより該画像読取装置の環境温度を調節することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記燃料電池装置は、燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、該燃料貯蔵部からの燃料の化学反応により電気エネルギーを発生する燃料電池部と、該燃料電池部から発生する水を回収し貯水する貯水部と、を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記燃料電池装置は、前記画像読取装置内に設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
原稿を読み取って画像データを作成する画像読取装置において、
前記画像読取装置内の負荷の少なくとも一部に電力を供給する燃料電池装置と、
前記画像読取装置の環境温度と環境露点温度を検出する露点検出手段と、
前記露点検出手段の検出結果に基づいて、前記燃料電池装置からの発生熱により前記画像読取装置の環境温度を調節するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で調節すると判別したとき前記発生熱により前記画像読取装置の環境温度を調節する温度調節手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像読取装置において、
前記判別手段は、結露発生条件に基づいて前記画像読取装置の環境温度を調節するか否かを判別することを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項6に記載の画像読取装置において、
前記温度調整手段は、前記画像読取装置の環境温度を調節するファンの動作を停止することにより該画像読取装置の環境温度を調節することを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記燃料電池装置は、燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、該燃料貯蔵部からの燃料の化学反応により電気エネルギーを発生する燃料電池部と、該燃料電池部から発生する水を回収し貯水する貯水部と、を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記燃料電池装置は、前記画像読取装置内に設けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、
前記画像読取装置の電源系および各検出手段が該画像読取装置専用となっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
燃料電池装置を備えた画像読取装置の制御方法であって、
前記画像読取装置内が結露の発生しやすい環境になっているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで結露の発生しやすい環境になっていると判定したときに、前記画像読取装置の換気を行うファンの動作を停止する動作停止ステップと、
を備えたことを特徴とする画像読取装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−259027(P2007−259027A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80318(P2006−80318)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】