説明

画像読取装置,画像形成装置,用紙分別方法

【課題】 画像形成装置の給紙部にセットする裏紙に関し,コスト高となるような特別な部材を用いることなく,裏紙利用に適した用紙と,裏紙印刷物が見づらくなるような裏紙利用に適さない用紙とを分別すること。
【解決手段】 搬送ローラ213により搬送中の用紙P1の両面を読み取る第1の読取部201と第2の読取部202を備える画像読取装置及び画像形成装置において,第1の読取部201と第2の読取部202の読取結果により,用紙P1の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,用紙P1の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かをCPU11により判別し,その判別結果に基づいて,用紙P1を少なくとも二手に分別して排出するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,用紙を搬送しつつ,用紙の両面の画像を読み取ることのできる画像読取装置及び,このような画像読取装置を備える画像形成装置において,用紙を分別する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に,地球環境の保護や経費削減の観点から,片面のみに印刷処理が施された片面使用済みの用紙(以下,「裏紙」と称す。)を,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置において記録紙として有効利用して,用紙の消費量を削減する,いわゆる裏紙利用が行われている。
こうした裏紙利用において,画像形成装置の給紙カセットや給紙トレーにセットされた裏紙に表裏逆向きのものや,既に両面に画像が形成されているものが混在すると,既に画像が形成された面に2重印刷することになり,再度印刷処理をやり直す手間がかかったり,トナーを必要以上に消費してしまうといった問題があった。特に多数ページの印刷において表裏逆向きの裏紙や既に両面印刷されている用紙が混在すると,ユーザーが2重印刷してしまったことに気付かないといった問題もあった。
そのため,特許文献1,2では,画像形成装置の給紙部から画像形成部への搬送経路にフォトセンサやCCDセンサを設置して,裏紙の表面(新たに画像を形成しようとする印刷面)に画像が形成されていないことを検知する技術が提案されており,これにより裏紙利用における2重印刷を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−255842号公報
【特許文献2】特開平10−97112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,裏紙に印刷を行った裏紙印刷物は,裏紙の裏面(既に画像が形成された面)の印字率が高かったり,裏面にベタ画像やカラー画像があったりすると裏写りして非常に見づらいものとなることがある。
しかし,特許文献1,2の発明は何れも裏紙の画像の有無を検知しているだけであり,2重印刷は防止できたとしても,裏紙の裏面の画像によって裏紙印刷物が見づらいものとなることは防止できないといった問題があった。
また,特許文献1の発明は,フォトセンサを使用しており,フォトセンサによる検知範囲は非常に狭く,裏紙の表面全面に亘って画像の有無を検知することは難しい。そのため裏紙の表面に小さな画像が形成されているものを検知できないおそれがあり,小さな画像をも洩れ無く検知する為にセンサの数を増やす必要がありコスト高になるといった問題があった。
一方,特許文献2では,CCDセンサを使用しており,裏紙の表面全面に亘って画像の有無を検知することはできるものの,通常の画像形成装置では備えていない給紙部からの搬送経路にCCDセンサを特別に設置する必要があり極めてコスト高になるといった問題があった。
また,特許文献1,2何れの発明も,既に給紙部にセットされた用紙に対して給紙部からの搬送経路において画像形成動作時に裏紙であるか否かの判別がなされているため,画像形成動作にタイムラグが生じ,画像形成動作の動作効率が低下するといった問題もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって,画像形成装置の給紙部にセットする裏紙に関し,コスト高となるような特別な部材を用いることなく,裏紙利用に適した用紙と,裏紙印刷物が見づらくなるような裏紙利用に適さない用紙とを分別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は,用紙を搬送する搬送手段と,前記搬送手段による搬送中の用紙の両面の画像を読み取る両面読取手段とを備える画像読取装置であって,前記両面読取手段の読取結果により,前記用紙の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,前記用紙の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かを判別する判別手段と,前記判別手段による判別結果に基づいて,前記用紙を少なくとも二手に分別して排出可能な分別排出手段と,を備えてなることを特徴とする画像読取装置として構成される。
これにより,用紙の両面それぞれが第1,第2の所定条件を満たすか判別され,判別結果に基づいて用紙が分別されて排出されるので,第1及び第2の所定条件によって,裏紙の裏面(他方の面)に形成された画像が表面(一方の面)に裏写りしてしまって表面に新たに形成される画像が見づらくなるものや,既に表面に画像が形成されているものを除外することができる。つまり,裏紙利用に適した用紙と適さない用紙とに分別することができる。
さらに,従来の両面読取手段を備える画像読取装置を利用することにより,両面読取手段を特別に設置する必要がなく,また画像形成装置の給紙部等にセットする用紙を事前に分別することができる。そのため画像形成装置において裏紙利用する場合に,画像形成動作中にタイムラグが生じて画像形成動作の動作効率が低下するといったこともない。
上記構成に加えて,前記第1又は第2の所定条件それぞれについて,ユーザーが満たすと判断する画像を記憶する条件充足画像記憶手段と,前記第1又は第2の所定条件それぞれについて,ユーザーが満たさないと判断する画像を記憶する条件非充足画像記憶手段と,用紙の画像を前記両面読取手段で読み取ることにより得られた画像を前記条件充足画像記憶手段あるいは前記条件非充足画像記憶手段に配分記憶する画像配分記憶手段と,前記条件充足画像記憶手段及び/又は前記条件非充足画像記憶手段に記憶された画像に基づいて前記第1又は第2の所定条件を設定する所定条件設定手段を備えていてもよい。
このように構成すると,実際に利用される状態を目視できる印刷済み用紙における実画像を第1又は第2の所定条件設定に用いることになるので,裏紙利用に適する用紙の基準となる第1又は第2の所定条件を視覚的に定めることができる。
前記第1の所定条件としては,例えば前記用紙の前記一方の面における画像濃度の最大値が予め定められた濃度閾値以下であることが挙げられる。
前記第2の所定条件としては,前記用紙の前記他方の面における印字率が予め定められた印字率閾値以下であることや,前記用紙の前記他方の面において,予め定められた面積閾値より大きい面積についてベタ画像が形成されていないことや,前記用紙の前記他方の面にカラー画像が形成されていないことが挙げられる。
本発明は上記したような画像読取装置を備える画像形成装置として構成されてもよく,また,上記したような画像読取装置を用いて用紙を分別する方法として捉えてもよい。
また,本発明は,用紙を搬送する搬送手段と,前記搬送手段による搬送中の用紙の両面の画像を読み取る両面読取手段とを備え,前記両面読取手段が,原稿の片面を読み取る片面読取手段と,原稿の他面を読み取る他面読取手段とを備えてなる画像読取装置であって,前記両面読取手段の読取結果により,前記用紙の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,前記用紙の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かを判別すると共に,その判別結果に基づいて,前記用紙を少なくとも二手に分別して排出する分別排出モードと,少なくとも前記両面読取手段の一部を構成する前記片面読取部の読み取り結果を所定の読取結果記憶手段に記憶する通常読取モードとを備え,前記通常読取モード時における前記片面読取手段による原稿の読取工程中に,前記両面読取手段の一部を構成する前記他面読取部によって原稿の他面を読み取り,該他面読取部による読み取り結果を所定の裏面画像記憶手段に記憶し,前記裏面画像記憶手段に記憶された画像に基づいて前記第2の所定条件を設定してなることを特徴とする画像読取装置,或いはこのような画像読取装置を備える画像形成装置として構成される。
このようにすると,従来の両面読取手段を備える画像読取装置を利用することにより,両面読取手段を特別に設置する必要がなく,また画像形成装置の給紙部等にセットする用紙を事前に裏紙利用に適した用紙と適さない用紙とに分別することができることに加え,既に裏紙利用された用紙の表面の画像を読み取る画像読取動作中に,裏紙利用に適する用紙の基準となる第2の所定条件を自動的に定めることができ,ユーザーの作業工数を軽減できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると,用紙の両面それぞれが第1,第2の所定条件を満たすか判別され,判別結果に基づいて用紙が分別されて排出されるので,第1及び第2の所定条件によって,裏面(他方の面)に形成された画像が表面(一方の面)に裏写りしてしまって表面に新たに形成される画像が見づらくなるものや,既に表面に画像が形成されているものを除外することができる。つまり,裏紙利用に適した用紙と適さない用紙とに分別することができる。
さらに,従来の両面読取手段を備える画像読取装置を利用することにより,両面読取手段を特別に設置する必要がなく,また画像形成装置の給紙部等にセットする用紙を事前に分別することができる。そのため画像形成装置において裏紙利用する場合に,画像形成動作中にタイムラグが生じて画像形成動作の動作効率が低下するといったこともない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す模式断面図。
【図2】本発明に係る画像形成装置の要部を示すブロック図。
【図3】本発明に係る画像形成装置における用紙分別動作の一例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず,図1,2を用いて,本発明に係る画像形成装置の一例であるデジタル複合機Xの概略構成及びその動作について説明する。尚,デジタル複合機Xは画像形成装置の一例にすぎず,他の例として,複写機,ファクシミリ装置等であってもかまわない。
図1に示される本発明の実施形態にかかるデジタル複合機Xの構成は大別して,画像形成装置本体100,原稿読取部200,後処理部300に分類される。原稿読取部200は,画像形成装置本体100の上方に配設され,後処理部300は画像形成装置本体100の側面であって,画像形成処理後の記録紙の排出側に配設されている。
かかるデジタル複合機Xは,原稿の画像を読み取るスキャナ機能,スキャナ機能で読み取った画像を複写したり外部より入力された画像をプリントしたりする印刷機能,印刷機能により印刷済みの用紙を部数毎やページ毎等に仕分けする仕分け機能等の基本的機能の他,用紙の両面を読み取ってその紙面状態(例えば両面画像形成済み,片面画像形成済み,未画像形成の別)に応じて分別する用紙分別機能を有するものである。
以下,画像形成装置本体100,原稿読取部200,後処理部300について説明する。
【0009】
画像形成装置本体100には,その下部に複数の給紙カセット102,103が配設され,給紙カセット102,103の上方に画像形成部A及び定着装置104が配設されている。
画像形成部Aは,静電潜像を担持する感光体ドラム105と,その周囲に,感光体ドラム105の表面を一様に帯電させる帯電装置106,感光体ドラム105の表面にレーザービームを照射して静電潜像を形成する不図示の露光装置,静電潜像を現像する現像装置107,現像されたトナー画像を記録紙に転写する転写装置109,転写後の感光体ドラム105の表面に残存するトナー粒子を除去するクリーニング装置108等が配設されて構成されている。
画像形成装置本体100は,印刷機能を果たすものであり,給紙カセット102,103から給紙ローラ112,113によって送り出され搬送ローラ114によって画像形成部Aに供給される用紙P2,P3に印刷処理を施し,後述する原稿読取部200により読み取られた画像,若しくは不図示の通信部より取得された画像を形成するものである。
画像形成装置本体100による印刷処理(画像形成動作)は,従来の画像形成装置と特に変わるところはなく,感光体ドラム105が回転駆動されながら帯電装置106によって帯電され,露光装置(不図示)の発するレーザー光が感光体ドラム105の表面を露光して静電潜像を形成し,現像装置107から供給される現像剤(トナー)によって静電潜像が顕像化されて感光体ドラム105の表面にトナー像が形成される。
その後,転写装置109にバイアス電圧が印加されることで,前記トナー像が給紙カセット102又は103から供給された用紙P2又はP3に転写される。トナー像が用紙P2又はP3に転写された後,感光体ドラム105の表面に残留する未転写トナーは,クリーニング装置108によって除去される。
トナー像が転写された用紙P2又はP3は画像形成部Aの搬送方向下流側に設けられた定着装置104に運ばれ,定着装置104にて加熱,加圧されることより,用紙P2上又は用紙P3上のトナーが溶融定着される。
トナーが定着された用紙P2又はP3は,搬送ローラ115により後処理部300へ搬送される。
なお,図1では説明の便宜上,画像形成部Aを1つのみ示しており単色の画像形成装置としているが,これに限定されるものではなく,ブラック,イエロー,シアン,マゼンダの各色トナー用の画像形成部Aを備え,各色トナーを用紙に積層すればフルカラー画像を形成可能な画像形成装置とすることができる。
また,感光体ドラム105から用紙にトナーを直接転写せず,一旦,中間転写ベルト等の中間転写体を介して用紙Pに転写する2次転写方式の画像形成装置としても良い。
さらに,定着装置104を通過した用紙の未使用面(非画像形成面)に画像を形成するために,用紙の表面と裏面を反転させて再び画像形成部Aへ搬送する両面ユニット101を備えていてもよい。
【0010】
原稿読取部200は,1枚以上の原稿Mをセットする原稿セット部203と,この原稿セット部203にセットされた原稿Mを1枚ずつ原稿搬送路に送り出す原稿給紙ローラ210と,前記原稿搬送路内に設けられ原稿Mを搬送する複数の搬送ローラ213(搬送手段の一例)と,搬送ローラ213により搬送中の原稿Mの上面の画像データを読み取るCCD或いはCMOS等からなる第1の画像読取部201(両面読取手段の一部,片面読取手段一例)と,下面の画像データを読み取る第2の画像読取部202(両面読取手段の一部,他面読取手段の一例)と,原稿Mを原稿排出部216へ排出する原稿排出ローラ215と,後述する用紙分別処理において用紙P1を後処理部300へ送り出す後処理搬送ローラ214及び,原稿排出部216へ排出するか後処理部300へ送り出すかを切り替える切替フラップ217とを備えて構成されている。
ここで,上面とは,原稿M(又は用紙P1)を原稿セット部203にセットした時に上方を向いた面を意味し,下面とは下方を向いた面を意味する(以下の説明においても同様)。
原稿読取部200は,スキャナ機能を果たすものであり,原稿給紙ローラ210により送り出され,搬送ローラ213により搬送中の原稿Mの両面を第1の画像読取部201及び第2の画像読取部202により略同時に,あるいは原稿Mの上面のみを第1の画像読取部201により読み取り,読み取った画像データを,不図示の光電変換装置により電気的な画像情報信号に変換し,記憶部20(図2,読取結果記憶手段の一例)に記憶させる。画像が読み取られた後,原稿Mは原稿排出ローラ215により原稿排出部216へ排出される。原稿読取部200が上記スキャナ機能を果たす状態が,デジタル複合機Xの通常読取モードである。
記憶部20内の画像データは,ユーザーにより設定された機能に基づいて画像処理が実行され,不図示の通信部より外部端末に送信される或いは,印刷処理のため不図示の露光装置に送信される。
【0011】
後処理部300は,画像形成装置本体100より搬送された用紙を排出する複数の排紙トレイ320a〜320cと,各排紙トレイ320a〜320cに用紙を分別する分別排出装置301(分別排出手段)とを備えて構成されている。分別排出装置301は,用紙を搬送する搬送ローラ315,排紙ローラ317,用紙を搬送する搬送路,必要に応じて用紙を反転させる用紙反転部302,用紙反転部302へ導く搬送ローラ316等により構成されている。
後処理部300は,仕分け機能を果たすものであり,画像形成装置本体100から搬送された印刷済みの用紙を,分別排出装置301が上下方向に移動することによって,部数毎やページ毎等に仕分けして,搬送ローラ315,排紙ローラ317等を介して各排紙トレイ320a〜320cへ排出する。
【0012】
デジタル複合機Xの概略システムは,図2に示すようにシステムバス40を介して,画像形成装置本体100が備える制御部10,記憶部20及び操作表示部30と,原稿読取部200が備える第1の画像読取部201,第2の画像読取部202と,後処理部300が備える分別排出装置301とが接続されて構成されている。
制御部10は,図2に示されるように,CPU11及びROM12,RAM13,オペレーティングシステムやアプリケーション等のプログラムが保存されるハードディスク(以下HDと略す)14等を備え,そのROM12やHD14に予め記憶された制御プログラムを実行することにより,既述のスキャナ機能,印刷機能,仕分け機能の基本的機能に加えて,後述する用紙分別機能等を含めた,本発明の実施形態にかかるデジタル複合機Xの統括的な制御を行うものである。
記憶部20は,フラッシュメモリ等の不揮発性メモリやハードディスク等からなるものであり,第1の画像読取部201或いは上記第2の画像読取部202により読み取られた原稿の両面の画像データが記憶される。なお,デジタル複合機Xでは,記憶部20が画像形成装置本体100内部に設けられた構成をしているが,原稿読取部200に設けられていてもよく,また画像形成装置本体100の外部に設けられた不揮発性メモリやハードディスク等の記憶装置として構成されていても差し支えない。
【0013】
デジタル複合機Xは,上記説明した印刷機能,スキャナ機能,仕分け機能の基本的機能に加えて,用紙の両面を原稿読取部200で読み取って,その紙面状態に応じて後処理部300にて分別排出する用紙分別機能を有することを特徴とする。
この用紙分別機能は,例えば,画像形成装置において片面のみに印刷処理が施された片面使用済みの用紙(以下,「裏紙」と称す。)を記録紙として利用する,いわゆる裏紙利用に適する用紙と適さない用紙とを事前に分別して,裏紙利用に適する用紙のみを抽出する場合等に有効である。
以下の説明において,裏紙利用に適さない用紙とは,既に両面印刷済みである用紙,片面のみ印刷済みであるが,印刷された面(裏紙の裏面)の画像が印刷されていない面(裏紙の表面)に裏写りしてしまっているような用紙,及び表面に印刷に適さない程度の汚れがある用紙等とする。
なお,実際には,両面印刷済みの用紙であっても,その片面の印字率や濃度が低い用紙等も裏紙利用に適する用紙であり,本発明の用紙分別機能はこのような用紙も抽出可能である。
用紙分別機能によって行われる用紙分別処理は,原稿読取部200(画像読取装置の一例)にて,第1の画像読取部201,第2の画像読取部202(両面読取手段の一例)で読み取った用紙P1の両面の読取り結果に基づいて,後処理部300にて,分別排出装置301(分別排出手段)によって実行される。
具体的には,原稿セット部203にセットされた用紙P1を原稿給紙ローラ210,搬送ローラ213(搬送手段の一例)で1枚ずつ搬送しながら,第1の画像読取部201,第2の画像読取部202(両面読取手段の一例)で用紙P1の両面を読み取った後,用紙P1を切替フラップ217により後処理搬送ローラ214へと導き,後処理搬送ローラ214によって後処理部300へと送る。
第1の画像読取部201,第2の画像読取部202で読み取った用紙P1の両面の読み取り結果は,CPU11(判別手段の一例)により,用紙P1の上面に画像が形成されているか否か,或いは上面から読み取られた画像が予め定められHD14に記憶された第1の所定条件を満たすか否かが判別されると共に,用紙P1の下面から読み取られた画像が予め定められHD14に記憶された第2の所定条件を満たすか否かが判別される。
CPU11により,まず前記上面に画像が形成されていないか,或いは上面から読み取られた画像が前記第1の所定条件を満たすと判別された用紙P1は,次に前記下面から読み取られた画像が前記第2の所定条件を満たすか否かが判別され,これらの判別結果に基づいて,分別排出装置301(分別排出手段)により,用紙P1が各排紙トレイ320a〜320cに分別されて排出される。
上記した用紙分別処理を実行する状態がデジタル複合機Xの分別排出モードである。
ここで,第1の所定条件は,例えば用紙Pの上面における画像濃度の最大値が予め定められた濃度閾値TC以下であるとすることが考えられる。ここに濃度閾値TCは,用紙P1の上面から読み取られる画像の濃度が,その上面に印刷を施しても使用に耐えうるものと考えられる値であり,該画像形成装置のメーカー或いはユーザーによって予め設定されるものである。これによりCPU11により読み取られた画像が第1の所定条件を満たすと判別された用紙P1の上面は,実際には画像が形成されておらず下面に形成された画像が裏写りしているだけであるか,画像が形成されていても濃度の薄いものであり新たに画像形成可能な面であるといえる。つまり,CPU11により,用紙P1の上面に画像が形成されていない場合も含んで,読み取られた画像が第1の所定条件を満たすと判別されたとみなすことができる。
また,第2の所定条件としては,用紙P1の下面の印字率が予め定められた印字率閾値TP以下であることや,用紙P1の下面において予め定められた面積閾値TAより大きい面積についてベタ画像が形成されていないことや,用紙Pの下面にカラー画像が形成されていないこと等が挙げられる。これにより,用紙P1の下面に形成された画像が用紙P1の上面(裏紙の表面)に裏写りするような裏紙利用に適さない用紙を除外することができる。
なお,一般にユーザーが裏紙として利用しようとする用紙P1は,概ね表裏の向きを揃えて回収されていることが多いため,ここでは用紙P1の上面について画像が形成されているか否か,或いは第1の所定条件を満たすか否か(即ち上面が裏紙の表面かどうか)が判別され,用紙P1の下面について第2の所定条件を満たすか否かが判別されるようにしているが,これに限定されるものではない。
例えば,用紙P1の上面と下面の両面について画像が形成されているか否か,或いは第1の所定条件を満たすか否かが判別され,何れか一方の面について画像が形成されていないか,或いは読み取られた画像が第1の所定条件を満たすと判別された場合に,他方の面について第2の所定条件を満たすか否かが判別されるようにしてもよい。この場合,上面が裏紙の表面と判別されるものと,下面が裏紙の表面と判別されるものが混在するが,上面が裏紙の表面と判別されたものについては搬送ローラ315,排紙ローラ317を介してそのままの向きで排出し,下面が裏紙の表面と判別されたものについては搬送ローラ316により用紙反転部302へ導いて表裏反転させてから排出するようにすれば表裏の向きを揃えて排出することができる。
【0014】
前記第1又は第2の所定条件は,ユーザーが画像形成装置における裏紙利用に適すると判断する用紙及び/又は裏紙利用に適さないと判断する用紙に形成された画像を基準に予め定められる。
詳しくは,まずユーザーが画像形成装置における裏紙利用に適すると判断する用紙と,裏紙利用に適さないと判断する用紙との上面の画像をそれぞれ第1の画像読取部201で読み取らせる。そして,読み取られた画像を操作表示部30(画像配分記憶手段の一例)からの入力に基づき,それぞれ第1の所定条件を充足する画像と,第1の所定条件を充足しない画像として配分して記憶部20(条件充足画像記憶手段,条件非充足画像記憶手段の一例)に記憶させておく。そして,ROM12又はHD14に格納されたプログラムに従って,CPU11(所定条件設定手段の一例)が記憶部20に記憶された第1の所定条件を充足する画像及び/又は第1の所定条件を充足しない画像を基に最適な濃度閾値TCを算出してHD14に記憶させることにより,第1の所定条件を定める。同様に,ユーザーが裏紙利用に適すると判断する用紙と,裏紙利用に適さないと判断する用紙との下面の画像をそれぞれ第2の画像読取部202で読み取らせて,読み取られた画像を操作表示部30からの入力に基づき,それぞれ第2の所定条件を充足する画像と,第2の所定条件を充足しない画像として配分して記憶部20に記憶させておく。CPU11が記憶部20に記憶された第2の所定条件を充足する画像及び/又は第2の所定条件を充足しない画像を基に最適な印字率閾値TPや面積閾値TAを算出してHD14に記憶させることにより,第2の所定条件を定める。
濃度閾値TCの具体的な算出方法は,例えば,記憶部20に記憶された第1の所定条件を充足する画像の中で,最も濃度の高い画像の濃度を濃度閾値TCと定めてもよいし,記憶部20に記憶された第1の所定条件を充足しない画像の中で,最も濃度の低い画像の濃度を濃度閾値TCと定めてもよい。また,第1の所定条件を充足する画像の中で,最も濃度の高い画像の濃度と第1の所定条件を充足しない画像の中で,最も濃度の低い画像の濃度の中間の値を濃度閾値TCと定めてもよい。
印字率閾値TP,面積閾値TAについても記憶部20に記憶された第2の所定条件を充足する画像及び/又は第2の所定条件を充足しない画像に基づき,濃度閾値TCと同様にして定めてもよい。
これにより,実際に利用される状態を目視できる印刷済み用紙における実画像を第1又は第2の所定条件設定に用いることになるので,裏紙利用に適する用紙の基準となる第1又は第2の所定条件を視覚的に定めることができる。そのため,濃度や印字率等,ユーザーにとって具体的な数値を決定しづらいものについて入力することなく第1又は第2の所定条件の設定ができる。
なお,第1又は第2の所定条件の設定は上記したものに限定されるものではない。例えば,既述の通常読取モード時において両面に画像が形成された原稿Mの上面のみを第1の画像読取部201により読み取って記憶部20に記憶させる場合,即ち,既に裏紙利用された用紙の表面の画像を通常読取モードで読み取る場合に,その読取工程中に,第2の画像読取部202で原稿Mの下面を読み取り,第2の所定条件を充足する画像として記憶部20(裏面画像記憶手段の一例)に記憶させておき,これを基に最適な印字率閾値TPや面積閾値TAを算出して第2の所定条件を定めることもできる。このようにすると,通常読取モードにおいて,裏紙利用に適する用紙の基準となる第2の所定条件を自動的に定めることができるので,分別排出モードのために態々所定条件の設定作業を行う必要がなく,ユーザーの作業工数を軽減できる。
また,操作表示部30よりユーザーが上記した濃度閾値TC,印字率閾値TP,面積閾値TAの各閾値の数値やカラー画像の有無について判別するかを入力することによって第1又は第2の所定条件を設定するようにしてもよい。
【0015】
以下,用紙分別機能によって行われる用紙分別処理について,裏紙と認められない用紙(既に両面印刷済みの用紙)と,裏紙と認められてメモ用紙等にはもちいることができるが画像形成装置における裏紙利用に適さない用紙と,画像形成装置における転写用紙としての裏紙利用に適する用紙とを分別する場合を例に,図3のフローチャートを用いて説明する。ここに,図3に示すS1,S2,…は処理手順(ステップ)番号を表している。
用紙分別処理は,まず,概ね裏紙であると想定できる用紙P1の束を裏紙の表面になると思しき面を上方に向けた状態で原稿セット部203にセットした状態で開始される。
【0016】
(ステップS1)
操作表示部30より用紙分別処理の開始を示す入力操作がなされると,初めに,用紙P1両面の画像読取動作が行われる。
原稿給紙ローラ210により1枚ずつ送り出され,搬送ローラ213により搬送中の用紙P1の両面を第1の画像読取部201及び第2の画像読取部202により略同時に読み取り,読み取った両面画像データを,いったん記憶部20(図2)に記憶させる。
用紙P1両面の画像読取動作が実行されると処理はステップS2に移行する。
【0017】
(ステップS2)
ステップS2では,ステップS1で読み取った用紙P1の上面の画像データの有無がCPU11によって判別される。
なお,用紙P1の「上面」とは既述のように原稿セット部203にセットした時に上方を向く面であり,即ちここでは裏紙の表面になると思しき面である。また,その反対側の面が「下面」である。
用紙P1の上面の画像データ有りと判別された場合(ステップS2のNo側),処理はステップS3に移行する。
用紙P1の上面に画像データなしと判別された場合(ステップS2のYes側),処理はステップS5へ移行する。
【0018】
(ステップS3)
ステップS3では,ステップS2で上面の画像データ有りと判別された用紙P1に関して,その上面の画像濃度の最大値Cが,予め設定されHD14に記憶された濃度閾値TCと比較して大きいか小さいかがCPU11によって判別される。
上面の画像濃度の最大値Cが,濃度閾値TCより大きいと判別された場合(ステップS3のNo側),処理はステップS4へ移行する。
上面の画像濃度の最大値Cが,濃度閾値TC以下であると判別された場合(ステップS3のYes側),処理はステップS5へ移行する。
【0019】
(ステップS4)
ステップS3で,画像濃度の最大値Cが,濃度閾値TCより大きいと判別されたということは,用紙P1の上面には画像が形成されているということであり,即ち用紙P1は裏紙ではなく再利用できない用紙である。
ステップS4では,再利用できない用紙と判別された用紙P1を分別排出装置301により排紙トレイ320cに排出する。
【0020】
(ステップS5〜S7)
ステップS2で上面に画像データなしと判別された用紙P1は,その上面に画像が形成されていないものであり,ステップS3で上面の画像濃度の最大値Cが濃度閾値TC以下であると判別された用紙P1は,実際には上面に画像が形成されておらず下面に形成された画像が裏写りしているだけであるか,画像が形成されていても濃度の薄いものであり,少なくともメモ用紙等に用いることができる面であるといえる。つまり,これらの用紙P1は裏紙であると判別されたといえる。
ステップS5〜S7では,ステップS2又はステップS3で裏紙であると判別された用紙P1に関して,画像形成装置における裏紙利用に適するものであるのか,裏面に形成された画像が裏写りして見難くなる等して裏紙利用に適さないものであるのかが判別される。
ステップS5では,ステップS1で読み取った用紙P1の下面の画像データについて,その印字率Pが,予め設定されHD14に記憶された印字率閾値TPと比較して大きいか小さいかがCPU11によって判別される。
下面の印字率Pが,印字率閾値TPより大きいと判別された場合(ステップS5のNo側),処理はステップS8へ移行する。
下面の印字率Pが,印字率閾値TP以下であると判別された場合(ステップS5のYes側),処理はステップS6へ移行する。
ステップS6では,ステップS1で読み取った用紙P1の下面の画像データにベタ画像が含まれる場合,そのベタ画像の面積Aが,予め設定されHD14に記憶された面積閾値TAと比較して大きいか小さいかがCPU11によって判別される。
下面の画像データに含まれるベタ画像の面積Aが,面積閾値TAより大きいと判別された場合(ステップS6のNo側),処理はステップS8へ移行する。
下面の画像データに含まれるベタ画像の面積Aが,面積閾値TA以下であると判別された場合(ステップS6のYes側),処理はステップS7へ移行する。
ステップS7では,ステップS1で読み取った用紙P1の下面の画像データについて,その画像データにカラー画像のデータが含まれるかどうかがCPU11によって判別される。
下面の画像データに,カラー画像のデータが含まれる場合(ステップS7のNo側),処理はステップS8へ移行する。
下面の画像データに,カラー画像のデータが含まれない場合(ステップS7のYes側),処理はステップS9へ移行する。
【0021】
(ステップS8)
ステップS5で,下面の印字率Pが,印字率閾値TPより大きいと判別された用紙P1,又はステップS6で,下面の画像データに含まれるベタ画像の面積Aが面積閾値TAより大きいと判別された用紙P1,又はステップS7で,下面の画像データに,カラー画像のデータが含まれると判別された用紙P1は,裏面に形成された画像が裏写りして見難くなる等の虞があり,裏紙ではあるものの画像形成装置における裏紙利用には適さない用紙である。
ステップS8では,裏紙ではあるが画像形成装置における裏紙利用には適さない用紙P1を分別排出装置301により排紙トレイ320bに排出する。
なお,排紙トレイ320bに排出された用紙P1は,画像形成装置における裏紙利用には適さないが,例えばメモ用紙等の用途で再利用することができる。
【0022】
(ステップS9)
ステップS5で,下面の印字率Pが,印字率閾値TP以下であると判別され,且つステップS6で,下面の画像データに含まれるベタ画像の面積Aが,面積閾値TA以下であると判別され,更にステップS7で,下面の画像データに,カラー画像のデータが含まれないと判別された用紙P1は,
画像形成装置における裏紙利用に適した裏紙である。
ステップS9では,画像形成装置における裏紙利用に適した裏紙と判別された用紙P1を分別排出装置301により排紙トレイ320aに排出する。
以上,説明したステップS1〜S9の各処理を原稿セット部203にセットされた用紙P1の束について1枚毎に実行することにより,用紙P1を裏紙と認められない用紙と,裏紙と認められるが画像形成装置における裏紙利用に適さない用紙と,裏紙利用に適する用紙とに分別することができる。
なお,上記の例では3つの排出トレイ320a〜320cにそれぞれ画像形成装置における裏紙利用に適する用紙と,裏紙と認められるが裏紙利用に適さない用紙と,裏紙と認められない用紙とを分別して排出するようにしているが,単に画像形成装置における裏紙利用に適する用紙と,裏紙利用に適さない用紙との二手に分別して排出するようにしてもよい。
また,後処理部300(分別排出装置301)は必ずしも具備されている必要もない。例えば,後処理部300に代えて原稿読取部200の外側で後処理搬送ローラ214に対向する位置に排紙トレイを設けて,後処理搬送ローラ214,原稿排出ローラ215,及び切替フラップ217を分別排出手段として機能させて,裏紙利用に適する用紙と裏紙利用に適さない用紙とを前記排紙トレイと原稿排出部216とに分別排出するようにしてもよい。その他,裏紙利用に適する用紙を原稿排出部216に排出し,裏紙利用に適さない用紙を原稿セット部203にリターンさせて分別排出するリターン機構や,原稿排出部216において裏紙利用に適する用紙と,裏紙利用に適さない用紙とをシフトさせて分別排出するシフト機構を分別排出手段として設けてもよい。
【0023】
以上,本発明に係る画像形成装置の一例として,デジタル複合機Xについて説明したが,本発明はこのデジタル複合機Xのような画像形成装置の他,このデジタル複合機Xの原稿読取部200を単体の画像読取装置として構成したものも含む。この場合,制御部10,記憶部20,操作表示部30が原稿読取部200に具備されることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0024】
X デジタル複合機(画像形成装置の一例)
100 画像形成装置本体
200 原稿読取部(画像読取装置の一例)
300 後処理部
10 制御部
11 CPU(判別手段,所定条件設定手段の一例)
20 記憶部
30 操作表示部(画像配分記憶手段の一例)
201 第1の画像読取部(両面読取手段の一部,片面読取手段の一例)
202 第2の画像読取部(両面読取手段の一例,他面読取手段の一例)
213 搬送ローラ(搬送手段の一例)
301 分別排出装置(分別排出手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送手段と,
前記搬送手段による搬送中の用紙の両面の画像を読み取る両面読取手段とを備える画像読取装置であって,
前記両面読取手段の読取結果により,前記用紙の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,前記用紙の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かを判別する判別手段と,
前記判別手段による判別結果に基づいて,前記用紙を少なくとも二手に分別して排出可能な分別排出手段と,を備えてなることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1又は第2の所定条件それぞれについて,ユーザーが満たすと判断する画像を記憶する条件充足画像記憶手段と,
前記第1又は第2の所定条件それぞれについて,ユーザーが満たさないと判断する画像を記憶する条件非充足画像記憶手段と,
用紙の画像を前記両面読取手段で読み取ることにより得られた画像を前記条件充足画像記憶手段あるいは前記条件非充足画像記憶手段に配分記憶する画像配分記憶手段と,
前記条件充足画像記憶手段及び/又は前記条件非充足画像記憶手段に記憶された画像に基づいて前記第1又は第2の所定条件を設定する所定条件設定手段とを備える請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1の所定条件が,少なくとも前記用紙の前記一方の面における画像濃度の最大値が予め定められた濃度閾値以下であることを含む請求項1又は2の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第2の所定条件が,少なくとも前記用紙の前記他方の面における印字率が予め定められた印字率閾値以下であることを含む請求項1〜3の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第2の所定条件が,少なくとも前記用紙の前記他方の面において,予め定められた面積閾値より大きい面積についてベタ画像が形成されていないことを含む請求項1〜4の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記第2の所定条件が,少なくとも前記用紙の前記他方の面にカラー画像が形成されていないことを含む請求項1〜5の何れかに記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の画像読取装置を備える画像形成装置。
【請求項8】
用紙を搬送する搬送手段と,
前記搬送手段による搬送中の用紙の両面の画像を読み取る両面読取手段とを備える画像読取装置を用いて用紙を分別する方法であって,
前記両面読取手段の読取結果により,前記用紙の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,前記用紙の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かを判別し,
当該判別結果に基づいて,前記用紙を少なくとも二手に分別して排出することを特徴とする用紙分別方法。
【請求項9】
用紙を搬送する搬送手段と,
前記搬送手段による搬送中の用紙の両面の画像を読み取る両面読取手段とを備え,前記両面読取手段が,原稿の片面を読み取る片面読取手段と,原稿の他面を読み取る他面読取手段とを備えてなる画像読取装置であって,
前記両面読取手段の読取結果により,前記用紙の一方の面に画像が形成されていないか,或いは前記一方の面から読み取られた画像が予め定められた第1の所定条件を満たす場合に,前記用紙の他方の面から読み取られた画像が予め定められた第2の所定条件を満たす画像であるか否かを判別すると共に,その判別結果に基づいて,前記用紙を少なくとも二手に分別して排出する分別排出モードと,
少なくとも前記両面読取手段の一部を構成する前記片面読取部の読み取り結果を所定の読取結果記憶手段に記憶する通常読取モードとを備え,
前記通常読取モード時における前記片面読取手段による原稿の読取工程中に,前記両面読取手段の一部を構成する前記他面読取部によって原稿の他面を読み取り,該他面読取部による読み取り結果を所定の裏面画像記憶手段に記憶し,
前記裏面画像記憶手段に記憶された画像に基づいて前記第2の所定条件を設定してなることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像読取装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−195310(P2011−195310A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65899(P2010−65899)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】