説明

画像読取装置

【課題】 画像読取装置のリトライ回数を減らすこと。
【解決手段】 画像読み取り手段6−3は、媒体上の画像からイメージデータを読み取り、読み取りバッファ3は、イメージデータを受け入れて、所定の文字幅に分割して格納し、データ変換手段6−4は、上記イメージデータを上記文字幅毎に画像データに変換し、不定データ検索手段6−5は、上記画像データから不定データを検索し、リトライ処理手段6−1は、上記不定データ検索手段6−5が不定データを検出すると、上記画像読み取り手段6−3と上記データ変換手段6−4とをリトライ(再稼働)させ、OR演算手段6−7は、読み取りバッファ3が格納する上記画像データと、リトライによって取得されるリトライ画像データとをOR(加算)演算し、その演算結果で上記画像データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MICR(磁気インク文字識別)読み取り機構を有する画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、所謂小切手等の有価証券には、磁気インクを用いて、例えば銀行口座番号等が、所定の位置に記入されていることがある。通常30文字程度が記入されている。このような有価証券から磁気インクで記入されている文字(画像)を読み取るための、MICR(磁気インク文字識別)読み取り機構を有する画像読取装置が、普及している。かかる画像読取装置では、文字が正確に読み取れない場合には、自動的に再読み取りが実行される。再読み取り毎に、読み取れない文字が1文字でも発生した場合には、再読み取りが続行され、1文字も欠けることなく読み取られた場合に始めて再読み取りが終了する。
【0003】
この再読み取りの回数を減らすための技術も公開されている(例えば特許文献1参照)。この技術では、画像読取装置の設置されている環境や、そのときのジョブ毎に、動作内容を変化させることによって再読み取りの回数を減らす努力が成されている。しかし、この技術においても、再読み取り毎に読み取れない文字が1文字でも発生した場合には、再読み取りが続行され、1文字も欠けることなく読み取られた場合に始めて再読み取りを終了させることとしている。
【特許文献1】特開平11−316732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、再読み取り毎に、読み取られない文字が1文字でも発生した場合には再読み取りが続行され、1文字も欠けることなく読み取られた場合に始めて再読み取りを終了させることとしているため、再読み取りの回数が多くなる点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、媒体上の画像から読み取って取得した読み取り画像データを検索し、不定データが検出されると、画像の再読み取りが実行され、その再読み取りによって取得したリトライ画像データと上記読み取りデータとをOR(加算)演算し、そのOR(加算)演算の結果で、読み取り画像データを更新し、更新された読み取り画像データに不定データが検出されなくなると、画像の再読み取りを終了することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
再読み取り毎に、読み取り画像データとリトライ画像データとがOR(加算)演算され、その演算結果で読み取り画像データが更新されるので、更新後の読み取り画像データにおける不定データ数は、更新前の読み取り画像データにおける不定データ数よりも少なくはなっても、多くなることはあり得ない。その結果、再読み取りの回数を低減することが出来るという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
読み取りデータから不定データを検索する不定データ検索手段と、不定データ検索手段が、不定データを検出すると、画像の再読み取りを実行させるリトライ処理手段と、再読み取りによって読み取られた再読み取りデータと、該再読み取りデータに対応する、読み取りデータとをOR(加算)演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータを更新するOR演算手段と、更新した読み取りデータに不定データが検出されなくなるまで画像の再読み取りを実行させる更新結果判定手段とを予め記憶部に格納してある所定のプログラムを制御部が実行することによって構成される制御手段のみによって構成した。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1による画像読取装置のブロック図である。
図に示すように、画像読取装置100は、走行モータ1と、ローラ駆動部2と、読み取りバッファ3と、ネットワークI/F部4と、記憶部(ROM)5と、制御部6とを備える。各部分の詳細説明を行う前に、本発明が適用される画像形成装置の機構部分の概要について説明する。
【0009】
図2は、画像読取装置の機構部分概要説明図である。
この図は、本発明を説明するために必要な機構部分のみを表した、画像読取装置の側面断面図である。
【0010】
図に示すように、本発明のMICR(磁気インク文字識別)読み取り機構を有する画像読取装置(以後、単に画像読取装置と記す)では、用紙20は、搬送路10の上を下走行ローラ12と、上走行ローラ11とによって図中左から右上に向かって搬送される。下走行ローラ12と、上走行ローラ11とは、走行モータ1によって駆動される。用紙20の搬送中に磁気読み取りヘッド13によって用紙20上に磁気インクによって印刷された画像が読み取られる。このとき、用紙20は、磁気読み取りヘッド13に接するように用紙押圧ローラ14によって磁気読み取りヘッド13に向けて押圧される。この押圧は、ローラ駆動部2によって駆動される。以上で本発明を説明するために必要な機構部分の概要説明を終了し、再度図1に戻って、各部分について詳細に説明する。
【0011】
走行モータ1は、読み取り走行手段6−2の制御に基づいて駆動され、上走行ローラ11(図2)、及び、下走行ローラ12(図2)を所定の方向に回転させ、その回転力によって、用紙20(図2)を所定の方向へ搬送する部分である。
【0012】
ローラ駆動部2は、読み取り走行手段6−2の制御に基づいて駆動され、用紙20(図2)を、磁気読み取りヘッド13(図2)に接するように用紙押圧ローラ14(図2)を移動方向A(図2)へ移動させる部分である。
【0013】
読み取りバッファ3は、磁気読み取りヘッド13(図2)が用紙20(図2)上の画像から読み取ったイメージデータを所定の文字幅に分割した状態で格納しておくメモリ領域である。更に、所定の文字幅毎に格納されているイメージデータが画像データに変換された後、その画像データが再格納されるメモリ領域でもある。通常は、画像読取装置100の内部に配置されているRAM(ランダムアクセスメモリ)の一部分に設けられるメモリ領域である。この内部には、磁気読み取りヘッド13(図2)が最初に読み取ったイメージデータを格納し、続いて所定の文字幅毎に変換された画像データで置き換えられ、更に、リトライ(後述する)毎に、変換不能な画像データ(以後不定データと記す)が更新される、読み取りデータ格納領域3−1と、磁気読み取りヘッド13(図2)が2回目以降(リトライ)に読み取ったイメージデータから取得する画像データで、次々に上書き保存(格納)される再読み取りデータ格納領域3−2とが設けられている。
【0014】
ここで、他の図を用いて、読み取りバッファ3内部のメモリ構造と、その機能について説明する。
図3は、読み取りバッファの機能説明図である。
(a)は、バッファ内部に設けられている所定の領域にイメージデータが格納された状態を表し、(b)は、そのイメージデータが画像データに変換されて再格納された状態を表している。
【0015】
(a)に示すように、磁気読み取りヘッド13(図2)によって読み取られた長さLnのイメージデータは、予め定められている文字幅L0に区切って格納される。この文字幅L0が1個の画像データに変換される。従って、長さLnのイメージデータは、n個(n=Ln/L0)のデータに変換されることになる。このように格納されたイメージデータは、後述するデータ変換手段6−4によって(b)のように変換され再格納される。ここで、予め定められている文字情報では、変換不能であった文字幅枠内のイメージデータは、(b)に示すように不定として処理される。
【0016】
読み取りバッファ3の内部には、この様なメモリ領域が、読み取りデータ格納領域3−1、及び、再読み取りデータ格納領域3−2として2個設けられている。尚、ここでは、文字幅L0内のイメージデータが該当する文字で書き換えられることとして説明するが、この例に限定する必要はない。即ち、イメージデータ格納領域と、そのイメージデータが変換された画像データの格納領域を別々に設けても良い。
【0017】
再度図1に戻って実施例1の各構成部分の説明を続ける。
ネットワークI/F部4は、画像読取装置100とネットワークを介して、又は、直接に外部装置7とを通信接続するインタフェース回路である。この部分は、ネットワーク交信手段6−9によって制御される。
【0018】
記憶部5は、制御部6が実行して画像読取装置100を制御するために必要な制御プログラムと、それに必要な制御データとが、予め格納されているメモリ(ROM)である。制御プログラム、及び、制御データには、画像読取装置100の通常動作の制御に必要な制御プログラム、及び、制御データに加え、本実施例では、制御部6が実行することによって、リトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9とを構成するための制御プログラム、及び、制御データが含まれている。
【0019】
制御部6は、装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)であり、記憶部5に格納されている制御プログラムを実行して画像読取装置100の通常動作の制御を実行すると共に、本実施例では、特に、所定のプログラムを実行することによってリトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9とを構成する部分である。
【0020】
リトライ処理手段6−1は、不定データ検索手段6−5が、読み取りデータ格納領域3−1の内部から不定データを検出すると、走行モータ1を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4とをリトライ(再稼働)させる手段である。
【0021】
読み取り走行手段6−2は、走行モータ1を正回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置から排出方向へ搬送させ、更に、ローラ駆動部2を駆動させて用紙20(図2)を磁気読み取りヘッド13に向けて押圧し、磁気読み取りヘッド13による画像読み取りを可能にする手段である。
【0022】
画像読み取り手段6−3は、磁気読み取りヘッド13を制御して用紙20(図2)上の画像からイメージデータを読み取って読み取りバッファ3へ格納する手段である。
データ変換手段6−4は、予め定められている画像情報に基づいて上記イメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換する手段である。ここで、この画像情報は、予め上記記憶部5に格納されている。
【0023】
不定データ検索手段6−5は、読み取りバッファ3内に格納されている画像データから読み取り不能な不定データ(図3の不定)を検索する手段である。
データ数比較手段6−6は、リトライによって取得され、再読み取りデータ格納領域3−2に格納に格納されているデータ数(図3よりn=Ln/L0)と、読み取りデータ格納領域3−1に格納されているデータ数とを比較し、両者が一致しないときは、エラー情報を設定してリトライ処理を停止させる手段である。即ち、データ数が一致しない限り、後述のOR演算手段6−7の正当性が無くなるからである。
【0024】
即ち、再読み取りデータ格納領域3−2に格納されているデータ数(図3よりn=Ln/L0)と、読み取りデータ格納領域3−1に格納されているデータ数とは、本来、データ数が同じで無ければ成らない筈である。ところが、一致しないのは、リトライによって用紙20(図2)にシワが発生している場合等のように、不都合が発生しているからである。従って、この手段によって、用紙挿入に不都合が発生したまま再読み取りされるのを防止することが出来る。
【0025】
OR演算手段6−7は、読み取りバッファ3の読み取りデータ格納領域3−1に格納されている画像データと、読み取りバッファ3の再読み取りデータ格納領域3−2に格納されているリトライ画像データとをOR(加算)演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータ格納領域3−1に格納されている画像データを更新する手段である。
【0026】
更新結果判定手段6−8は、上記OR演算手段によって更新された画像データから不定データを検索し、不定データを検出すると、上記リトライ処理手段6−1と、上記OR演算手段6−7とを再稼働させ、上記不定データの検出が無くなるまで繰り返し実行させる手段である。
【0027】
ネットワーク交信手段6−9は、ネットワークI/F部4を制御して、画像読取装置100と、ネットワークを介して、又は、直接に外部装置7とを通信接続する手段である。この手段によって、不定データが完全に修復された読み取りデータは、読み取りバッファ3から外部装置7へ送出されることになる。
【0028】
次に実施例1の動作について説明する。
図4は、読み取り走行処理のフローチャートである。
読み取り走行処理の動作は、以下に説明する全ての実施例に共通する動作なので、ステップS0−1からステップS0−6までステップ順に読み取り走行処理の動作について説明し、その後実施例1の動作について説明する。
【0029】
ステップS0−1
用紙20(図2)が搬送路10(図2)に給紙され、下走行ローラ12(図2)によって用紙20(図2)の先端が、磁気読み取りヘッド13(図2)の位置に達する。読み取り走行手段6−2(図1)が稼働し、このときローラ駆動部2(図2)によって用紙押圧ローラ14を押圧し、用紙20(図2)を磁気読み取りヘッド13(図2)に押し付けて挟み込む状態にする。
【0030】
ステップS0−2
読み取り走行手段6−2(図1)は、下走行ローラ12(図2)及び上走行ローラ11(図2)を制御して、用紙20(図2)の搬送を続ける。
【0031】
ステップS0−3
同時に画像読み取り手段6−3(図1)は、磁気読み取りヘッド13(図2)を制御して用紙20(図2)上の画像を読み取り、そのイメージデータを読み取りバッファ3(図1)へ格納する。この格納された状態は図3の(a)の状態である。尚、磁気読み取りヘッド(図2)が初回読み取りのときには、そのイメージデータは、読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納され、2回目以降の再読み取りのとき(リトライ)は、再読み取りデータ格納領域3−2(図1)に格納される。
【0032】
ステップS0−4
読み取り走行手段6−2(図1)が、図示していない用紙端センサが用紙20(図2)の下端を検出するまで、ステップS0−3の動作を続け、用紙端センサが用紙20(図2)の下端を検出するとステップS0−5へ進む。
【0033】
ステップS0−5
読み取り走行手段6−2(図1)は、下走行ローラ12(図2)及び上走行ローラ11(図2)を制御して用紙20(図2)の搬送を停止する。
ステップS0−6
読み取り走行手段6−2(図1)は、用紙20(図2)を磁気読み取りヘッド13(図2)に押し付けて挟み込む状態から開放してフローを終了する。
【0034】
以上で、読み取り走行処理の動作説明を終了したので、実施例1の動作について説明する
図5は、実施例1の動作フローチャートである。
ステップS1−1からステップS1−16まで、ステップ順に実施例1の動作について説明する。
【0035】
ステップS1−1
用紙20(図2)が搬送路10(図2)に給紙され、下走行ローラ12(図2)によって用紙20(図2)の先端が、磁気読み取りヘッド13(図2)の位置に達する
【0036】
ステップS1−2
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を読み取ったイメージデータは、図3(a)に示すように、読み取りバッファ3(図1)の読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納されている。
【0037】
ステップS1−3
データ変換手段6−4(図1)は、予め定められている画像情報に基づいてイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0038】
ステップS1−4
不定データ検索手段6−5(図1)は、読み取りデータ格納手段3−1(図1)に格納されている画像データから不定データを検索する。
ステップS1−5
不定データが検出された場合にはステップS1−6へ進み、検出されない場合にはフローを終了する。
【0039】
ステップS1−6
リトライ処理手段6−1(図1)は、図示していないリトライ回数カウンタを0にクリアする。
ステップS1−7
リトライ処理手段6−1(図1)は、走行モータ1(図2)を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2(図1)と、画像読み取り手段6−3(図1)を、リトライ(再稼働)させる。
【0040】
ステップS1−8
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を再読み取りしたイメージデータが、再読み取りデータ格納領域3−2(図1)に格納される。
【0041】
ステップS1−9
データ数比較手段6−6(図1)は、読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納されているデータ数と、再読み取りデータ格納領域3−2(図1)に格納されているイメージデータの長さLnと文字幅L0からデータ数n(=Ln/L0)を求めて比較する。
【0042】
ステップS1−10
データ数に相違が無ければステップS1−11へ進み、データ数に相違が有ればステップS1−16へ進む。
【0043】
ステップS1−11
データ変換手段6−4(図1)は、予め定められている画像情報に基づいて再読み取りデータ格納領域3−2(図1)に格納されているイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0044】
ステップS1−12
OR演算手段6−7(図1)は、読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納されている画像データと、再読み取りデータ格納領域3−2(図1)に格納されているリトライ画像データとをOR演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータ格納領域3−1に格納されている画像データを更新する。
【0045】
ステップS1−13
更新結果判定手段6−8は、上記ステップS1−12で更新された画像データから不定データを検索し、不定データを検出すると、ステップS1−14へ進み、不定データが無くなっていればフローを終了する。
【0046】
ステップS1−14
更新結果判定手段6−8は、リトライ回数をインクリメントし、その回数が予め規定されているリトライの制限回数に達していない場合にはステップS1−7へ戻って、同じフローを繰り返し、制限回数に達していればステップS1−15へ進む。
【0047】
ステップS1−15
更新結果判定手段6−8(図1)は、エラー情報を設定したフローを終了する。
ステップS1−16
データ数比較手段6−6(図1)は、エラー情報を設定したフローを終了する。
【0048】
尚、ステップS1−5に於いて、又は、ステップS1−13に於いて不定データが検出されないでフローを終了した場合には、ネットワーク交信手段6−9(図1)は、MICR正常情報として、ネットワークI/F部4(図1)を介して、読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納されている読み取りデータを外部装置7(図1)へ送出する。又、ステップS1−16を経てフローを終了した場合には、リトライによって用紙20(図2)にシワが発生している場合等のように、不都合が発生している。従って、エラー情報を設定して操作者に警告する。操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS2−1から開始することになる。また、ステップS1−15を経てフローを終了した場合には、読み取り不能と判定する。
【0049】
以上説明したように、本実施例によれば、再読み取り毎に、読み取り画像データとリトライ画像データとがOR(加算)演算され、その演算結果で読み取り画像データが更新されるので、更新後の読み取り画像データにおける不定データ数は、更新前の読み取り画像データにおける不定データ数よりも少なくはなっても、多くなることはあり得ない。その結果、再読み取りの回数を低減することが出来るという効果を得る。
【実施例2】
【0050】
磁気ストライプでは、データ次第によって、ストライプの間隔が、かなり狭くなる場合がある。又、用紙に折り目などが発生したために、読取率が悪くなっている場合もある。かかる場合に、走行速度を遅くして読取率を上げる必要がある。かかる要求を満たすこが、本実施例の目的である。
【0051】
図6は、実施例2による画像読取装置のブロック図である。
図に示すように、画像読取装置200は、走行モータ1と、ローラ駆動部2と、読み取りバッファ3と、ネットワークI/F部4と、記憶部(ROM)25と、制御部26とを備える。実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については、実施例1と同一の符合が付されている。
【0052】
記憶部25は、制御部26が実行して画像読取装置200を制御するために必要な制御プログラムと、それに必要な制御データとが、予め格納されているメモリ(ROM)である。制御プログラム、及び、制御データには、画像読取装置200の通常動作の制御に必要な制御プログラム、及び、制御データに加え、本実施例では、制御部26が実行することによって、リトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度変更手段26−1とを構成するための制御プログラム、及び、制御データが含まれている。この制御データには、走行速度設定テーブル25−1が追加される。
【0053】
図7は、走行速度設定テーブルの説明図である。
(a)は、読取率(%)と等級との関係を表し、(b)は、等級と速度との関係を表している。一例を挙げて説明すると、読取率が75%と25%との間であるときには、等級2であり、そのときの走行速度は、Bに設定される。
【0054】
再度図6に戻って、実施例2による画像読取装置の構成について説明する。
制御部26は、装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)であり、記憶部25に格納されている制御プログラムを実行して画像読取装置200の通常動作の制御を実行すると共に、本実施例では、特に、所定のプログラムを実行することによってリトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度設定手段26−1とを構成する部分である。
【0055】
走行速度設定手段26−1は、不定データの発生率が高い場合に、走行速度設定テーブル25−1(図7)に基づいて走行速度を変更する手段である。
かかる速度変更が必要なのは磁気ストライプの形態等に起因する。
【0056】
図8は、磁気ストライプパターン説明図である。
図に示すように、データ次第によって、このストライプの間隔が、かなり狭くなったり、広く成ったりすることになる。従って、ストライプの間隔が狭く、更に、用紙に折り目などが発生したために、読取率が悪くなっている場合等は、読取率を上げるために速度を低下させる必要がある。
その他の構成部分は、実施例1と同様なので説明を省略する。
【0057】
次に実施例2の動作について説明する。
図9は、実施例2の動作フローチャートである。
ステップS2−1からステップS2−18まで、ステップ順に実施例2の動作について説明する。
【0058】
ステップS2−1
用紙20(図2)が搬送路10(図2)に給紙され、下走行ローラ12(図2)によって用紙20(図2)の先端が、磁気読み取りヘッド13(図2)の位置に達する。
【0059】
ステップS2−2
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を読み取ったイメージデータは、図3(a)に示す読み取りバッファ3(図1)の読み取りデータ格納領域3−1(図1)に格納されている。
【0060】
ステップS2−3
データ変換手段6−4(図6)は、予め定められている画像情報に基づいてイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0061】
ステップS2−4
不定データ検索手段6−5(図6)は、読み取りデータ格納手段3−1(図1)に格納されている不定データを検索する。
ステップS2−5
走行速度変更手段26−1(図6)は、読み取りデータ格納領域3−1(図6)から画像データの総数と不定データの個数をカウントする。
【0062】
ステップS2−6
不定データが検出された場合にはステップS2−7へ進み、検出されない場合にはフローを終了する。例えば、ここでは画像データの総数が20で不定データ数が3個検出されたとする。
ステップS2−7
リトライ処理手段6−1(図6)は、図示していないリトライ回数カウンタを0にクリアする。
【0063】
ステップS2−8
走行速度設定手段26−1(図6)は、走行速度設定テーブル25−1(図6)に基づいて走行速度を設定する。ここでは、上記仮定(不定データ数が3個)より読取率は85%なので等級1となり、その走行速度は、Aに設定される。
【0064】
ステップS2−9
リトライ処理手段6−1(図6)は、走行モータ1(図2)を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2(図6)と、画像読み取り手段6−3(図6)とを、リトライ(再稼働)させる。
【0065】
ステップS2−10
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を再読み取りしたイメージデータが、再読み取りデータ格納領域3−2(図6)に格納される。
【0066】
ステップS2−11
データ数比較手段6−6(図6)は、読み取りデータ格納領域3−1(図6)に格納されているデータ数と、再読み取りデータ格納領域3−2(図6)に格納されているイメージデータの長さLnと文字幅L0からデータ数n(=Ln/L0)を求めて比較する。
【0067】
ステップS2−12
データ数に相違が無ければステップS2−13へ進み、データ数に相違が有ればステップS2−18へ進む。
【0068】
ステップS2−13
データ変換手段6−4(図6)は、予め定められている画像情報に基づいて再読み取りデータ格納領域3−2(図6)に格納されているイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0069】
ステップS2−14
OR演算手段6−7(図6)は、読み取りデータ格納領域3−1(図6)に格納されている画像データと、再読み取りデータ格納領域3−2(図6)に格納されているリトライ画像データとをOR演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータ格納領域3−1に格納されている画像データを更新する。
【0070】
ステップS2−15
更新結果判定手段6−8(図6)は、上記ステップS2−14で更新された画像データから不定データを検索し、不定データを検出すると、ステップS2−16へ進み、不定データが無くなっていればフローを終了する。
【0071】
ステップS2−16
更新結果判定手段6−8(図6)は、リトライ回数をインクリメントし、その回数が予め規定されているリトライの制限回数に達していない場合にはステップS2−9へ戻って、同じフローを繰り返し、制限回数に達していればステップS2−17へ進む。
【0072】
ステップS2−17
更新結果判定手段6−8(図6)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
ステップS2−18
データ数比較手段6−6(図6)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
【0073】
尚、ステップS2−6に於いて、又は、ステップS2−15に於いて、不定データが検出されないでフローを終了した場合には、ネットワーク交信手段6−9(図6)は、MICR正常情報として、ネットワークI/F部4(図6)を介して、読み取りデータ格納領域3−1(図6)に格納されている読み取りデータを外部装置7(図6)へ送出する。又、ステップS2−12に於いて、文字数が相違するのは、リトライによって用紙20(図2)にシワが発生している場合等のように、不都合が発生しているからである。従って、エラー情報を設定して操作者に警告する。操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS2−1から開始することになる。また、ステップS2−17を経てフローを終了した場合には、読み取り不能と判定する。
【0074】
以上説明したように、本実施例に依れば、用紙状態が悪化していたり、印刷されているデータの磁気ストライプの間隔が狭くて、読取率が低い場合には、走行速度を再設定し尚して読み取り実行可能なので、読取率を向上させることが出来るという効果をえる。
【実施例3】
【0075】
チェック紙が、斜めに挿入され、或いは又、チェック紙の挿入方向が間違って挿入された場合には、磁気読み取りヘッド13(図2)を全ての磁気文字が通過しない場合が発生する。このような場合に、不都合を早急に検出し、操作者にチェック紙の再挿入を求めることによって、処理時間の無駄を省くことが本実施例の目的である。
【0076】
図10は、実施例3による画像読取装置のブロック図である。
図に示すように、画像読取装置300は、走行モータ1と、ローラ駆動部2と、読み取りバッファ3と、ネットワークI/F部4と、記憶部(ROM)35と、制御部36とを備える。実施例2との相違部分のみについて説明する。実施例2と同様の部分については、実施例2と同一の符合が付されている。
【0077】
記憶部35は、制御部36が実行して画像読取装置300を制御するために必要な制御プログラムと、それに必要な制御データとが、予め格納されているメモリ(ROM)である。制御プログラム、及び、制御データには、画像読取装置300の通常動作の制御に必要な制御プログラム、及び、制御データに加え、本実施例では、制御部36が実行することによって、リトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度変更手段26−1と、データ数量解析手段36−1とを構成するための制御プログラム、及び、制御データが含まれている。この制御データには、データ数量閾値テーブル35−1が追加される。
【0078】
図11は、データ数量閾値テーブルの説明図である。
図に示すように、用紙(チェック紙)の種類と、その種類毎に定められている登録文字数と、その閾値と、読取率(%)とが定められている。一例を挙げて説明すると、用紙Aの場合には、登録文字数が20なので、読み取られた文字数が15未満の場合又は読取率90(%)未満の場合には、スキュー等の不都合が発生していると判断される。
【0079】
再度図10に戻って、実施例3による画像読取装置の構成につい説明する。
制御部36は、装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)であり、記憶部35に格納されている制御プログラムを実行して画像読取装置300の通常動作の制御を実行すると共に、本実施例では、特に、所定のプログラムを実行することによってリトライ処理手段6−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度設定手段26−1と、データ数量解析手段36−1とを構成する部分である。
【0080】
データ数量解析手段36−1は、予め定める文字数情報に基づいて、データ変換手段6−4が変換した画像データの総数(不定データ数を含む)が所定数量未満であるか、又は読取率が所定の値以下の場合には、以後の処理を停止させる手段である。更に、以後の処理を停止させると、エラー情報及びスキュー発生情報を所定の表示部に表示して操作者に警告する手段である。
【0081】
即ち、チェック紙が、斜めに挿入され、或いは又、チェック紙の挿入方向が間違って挿入された場合には、磁気読み取りヘッド13(図2)を全ての磁気文字が通過しない場合が発生し、一例として文字列の前半部分は正常に読み取れるが、後半部分は、不定文字に成ってしまう等の不都合を避けるための手段である。
その他の構成部分は、実施例2と同様なので説明を省略する。
【0082】
次に実施例3の動作について説明する。
図12は、実施例3の動作フローチャートである。
ステップS3−1からステップS3−21まで、ステップ順に実施例3の動作について説明する。
【0083】
ステップS3−1
用紙20(図2)が搬送路10(図2)に給紙され、下走行ローラ12(図2)によって用紙20(図2)の先端が、磁気読み取りヘッド13(図2)の位置に達する。
ステップS3−2
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を読み取ったイメージデータは、図3(a)に示す読み取りバッファ3(図1)の読み取りデータ格納領域3−1(図10)に格納されている。
【0084】
ステップS3−3
データ変換手段6−4(図10)は、予め定められている画像情報に基づいてイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0085】
ステップS3−4
不定データ検索手段6−5(図10)は、読み取りデータ格納手段3−1(図10)に格納されている画像データから不定データを検索する。
【0086】
ステップS3−5
走行速度変更手段26−1(図10)は、読み取りデータ格納領域3−1(図10)から画像データの総数と不定データの個数をカウントする。ここでは画像データの総数が20で不定データ数が3個検出されたとする。
【0087】
ステップS3−6
データ数量解析手段36−1(図10)は、画像データの総数とデータ数量閾値テーブル35−1(図10)を参照し、画像データの総数が、用紙の種類に応じた閾値未満の場合にはステップS3−21へ進み、閾値以上の場合にはステップS3−7へ進む。
【0088】
ステップS3−7
不定データが検出された場合にはステップS3−8へ進み、検出されない場合にはフローを終了する。
【0089】
ステップS3−8
データ数量解析手段36−1(図10)は、画像データの総数と不定データの個数から読取率を算出し、その読取率が、データ数量閾値テーブル35−1(図10)に定められている値以下の場合にはステップS3−21へ進み、定められている値以上の場合にはステップS3−9へ進む。ここでは、上記仮定より読取率が85%なのでステップS3−9へ進むことになる。
【0090】
ステップS3−9
リトライ処理手段6−1(図10)は、図示していないリトライ回数カウンタを0にクリアする。
ステップS3−10
走行速度設定手段26−1(図10)は、走行速度設定テーブル25−1(図10)に基づいて走行速度を設定する。ここでは、上記仮定(不定データ数が3個)より読取率は85%なので等級1となり、その走行速度は、Aに設定される。
【0091】
ステップS3−11
リトライ処理手段6−1(図10)は、走行モータ1(図2)を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2(図10)と、画像読み取り手段6−3(図10)とを、リトライ(再稼働)させる。
【0092】
ステップS3−12
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を再読み取りしたイメージデータが、再読み取りデータ格納領域3−2(図10)に格納される。
【0093】
ステップS3−13
データ数比較手段6−6(図10)は、読み取りデータ格納領域3−1(図10)に格納されているデータ数と、再読み取りデータ格納領域3−2(図10)に格納されているイメージデータの長さLnと文字幅L0からデータ数n(=Ln/L0)を求めて比較する。
【0094】
ステップS3−14
データ数に相違が無ければステップS3−15へ進み、データ数に相違が有ればステップS3−20へ進む。
【0095】
ステップS3−15
データ変換手段6−4(図10)は、予め定められている画像情報に基づいて再読み取りデータ格納領域3−2(図10)に格納されているイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0096】
ステップS3−16
OR演算手段6−7(図10)は、読み取りデータ格納領域3−1(図10)に格納されている画像データと、再読み取りデータ格納領域3−2(図10)に格納されているリトライ画像データとをOR演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータ格納領域3−1に格納されている画像データを更新する。
【0097】
ステップS3−17
更新結果判定手段6−8(図10)は、上記ステップS3−16で更新された画像データから不定データを検索し、不定データを検出すると、ステップS3−18へ進み、不定データが無くなっていればフローを終了する。
【0098】
ステップS3−18
更新結果判定手段6−8(図10)は、リトライ回数をインクリメントし、その回数が予め規定されているリトライの制限回数に達していない場合にはステップS3−10へ戻って、同じフローを繰り返し、制限回数に達していればステップS3−19へ進む。
【0099】
ステップS3−19
更新結果判定手段6−8(図10)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
ステップS3−20
データ数比較手段6−6(図10)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
ステップS3−21
データ数量解析手段36−1(図10)は、以後の処理を停止させ、エラー情報及びスキュー発生情報を所定の表示部に表示して操作者に警告する。
【0100】
尚、ステップS3−7に於いて、ステップS3−17において不定データが検出されないでフローを終了した場合には、ネットワーク交信手段6−9(図10)は、MICR正常情報として、ネットワークI/F部4(図10)を介して、読み取りデータ格納領域3−1(図10)に格納されている読み取りデータを外部装置7(図10)へ送出する。又、ステップS3−20に於いて、文字数が相違するのは、リトライによって用紙20(図2)にシワが発生している場合等のように、不都合が発生しているからである。従って、エラー情報を設定して操作者に警告する。操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS3−1から開始することになる。更に、ステップS3−21を通ってフローを終了した場合には、チェック紙が、斜めにセットされ、磁気読み取りヘッド13(図2)を全ての磁気文字が通過しない場合等なので、操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS3−1から開始することになる。また、ステップS3−19を経てフローを終了した場合には、読み取り不能と判定する。
【0101】
以上説明したように、本実施例に依れば、チェック紙が、斜めに挿入され、或いは又、チェック紙の挿入方向が間違って挿入された場合には、処理を停止させ、操作者に再度挿入を要求することが出来るので、無駄な処理に時間を費やすことが無くなるという効果を得る。
【実施例4】
【0102】
本実施例では、用紙の強度が劣化している場合等に、リトライする度毎にスキュー量が増大し正常読み取りの可能性現象すること、及び、リトライする度毎にスキュー量が大きくなり用紙を排出しにくくなる等の不都合を排除することを目的とする。
【0103】
図13は、実施例4による画像読取装置のブロック図である。
図に示すように、画像読取装置400は、走行モータ1と、ローラ駆動部2と、読み取りバッファ3と、ネットワークI/F部4と、記憶部(ROM)45と、制御部46とを備える。実施例3との相違部分のみについて説明する。実施例3と同様の部分については、実施例3と同一の符合が付されている。
【0104】
記憶部45は、制御部46が実行して画像読取装置400を制御するために必要な制御プログラムと、それに必要な制御データとが、予め格納されているメモリ(ROM)である。制御プログラム、及び、制御データには、画像読取装置300の通常動作の制御に必要な制御プログラム、及び、制御データに加え、本実施例では、制御部46が実行することによって、リトライ処理手段46−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度変更手段26−1と、データ数量解析手段36−1とを構成するための制御プログラム、及び、制御データが含まれている。
【0105】
制御部46は、装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)であり、記憶部35に格納されている制御プログラムを実行して画像読取装置400の通常動作の制御を実行すると共に、本実施例では、特に、所定のプログラムを実行することによってリトライ処理手段46−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度設定手段26−1と、データ数量解析手段36−1とを構成する部分である。
【0106】
リトライ処理手段46−1は、不定データ検索手段6−5が、読み取りバッファ3の内部から不定データを検出すると、走行モータ1を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4とをリトライ(再稼働)させる手段である。更に、本実施例では、用紙戻し走行制御機能46−1−1を有する手段である。
【0107】
用紙戻し走行制御機能46−1−1は、読み取り走行時に、用紙押圧ローラ14(図2)の押圧効果によってスキューされた用紙を用紙戻し走行時に元に戻す機能である。他の構成部分については、実施例3と同様なので説明を省略する。
【0108】
次に実施例4の動作について説明する。最初に上記押圧効果によって読み取り走行時に用紙がスキューされる原理について以下に説明する。
図14は、用紙戻し走行制御の原理説明図である。
(a)は、読み取り開始状態を表し、(b)は、押圧効果によって用紙がスキューされる様子を表し、(c)は、読み取り走行が終了した状態を表している。
【0109】
(a)に示すように、左右一対の下走行ローラ12によって用紙走行方向Yへ搬送されてくる用紙20は、この読み取り開始位置までは、スキューなしに搬送されてくる。この位置で用紙20は、用紙押圧ローラ14と、磁気読み取りヘッド13によって挟み込まれる。尚、磁気ストライプは、通常用紙の上側(図では右側)に印刷されている。
【0110】
(b)に示すように用紙先端が上走行ローラ11に達するまでは、用紙には、一対の下走行ローラ12の用紙走行方向Yへの駆動力に対して、用紙押圧ローラ14による磁気読み取りヘッド13への押圧効果が負荷となり、図では右方向へのスキュー発生原因となる。即ち、(a)の状態から用紙20が用紙走行方向Yに向かって距離b1移動する間は、スキューが発生し易い状態になる。
【0111】
用紙20が用紙走行方向Yに向かって距離b1移動し、用紙先端が上走行ローラ11に達すると、用紙20は、一対の下走行ローラ12と一対の上走行ローラ11とによって用紙走行方向Yに向かって駆動されるので、用紙押圧ローラ14による磁気読み取りヘッド13への押圧効果を受けにくく成る。(b)の状態から(c)の状態、即ち、読み取り走行が終了する状態までは、(b)のスキュー状態を維持したまま用紙走行方向Yに向かって搬送される。
【0112】
従って、用紙押圧ローラ14による磁気読み取りヘッド13への押圧効果によって発生した用紙20のスキューを用紙戻し走行に於いて元に戻すために、本実施例では、以下のように用紙戻し制御を実行する。
【0113】
図15は、用紙戻し走行のフローチャートである。
このフローチャートと図14とを用いて、ステップS4−1からステップS4−6までステップ順に従って、用紙押圧ローラ14による磁気読み取りヘッド13への押圧効果によって発生する用紙20のスキューを用紙戻し走行に於いて元に戻す動作について説明する。
【0114】
ステップS4−1
用紙戻し走行制御機能46−1−1(図13)が稼働する。
ステップS4−2
上走行ローラ11(図14)及び下走行ローラ(図14)を逆回転させて用紙20(図14)を用紙走行方向Yと逆方向へ搬送する。このとき用紙押圧ローラ14(図14)は押圧解除している。この状態は、紙上端検出用センサT(図14)が用紙20(図14)の上端を検出するまで継続する。
【0115】
ステップS4−3
用紙戻し走行制御機能46−1−1(図13)は、紙上端検出用センサT(図14)が用紙20(図14)の上端を検出すると用紙搬送を一旦停止し、用紙押圧ローラ14(図14)を磁気読み取りヘッド13へ押圧する(図14の(b)の状態)。
【0116】
ステップS4−4
用紙戻し走行制御機能46−1−1(図13)は、用紙押圧ローラ14(図14)を磁気読み取りヘッド13へ押圧した状態で、下走行ローラ(図14)を逆回転させて用紙20(図14)を用紙走行方向Yと逆方向へ搬送再起動する。
【0117】
ステップS4−5
用紙戻し走行制御機能46−1−1(図13)は、用紙20を用紙走行方向Yと逆方向へ搬送し続ける。
ステップS4−6
用紙戻し走行制御機能46−1−1(図13)は、上記ステップS4−3で紙上端検出用センサT(図14)が用紙20(図14)の上端を検出した位置から用紙20をb1用紙走行方向Yと逆方向してフローを終了する。
上記フローを終了した状態では、用紙20は、図14の(a)の状態に戻っている。尚、このフロー以後の動作は実施例3の動作と全く同様なので説明を省略する。
【0118】
以上説明したように、本実施例では、リトライ処理手段が、用紙戻し走行制御機能を有しているので、用紙の強度が劣化している場合であっても、リトライ読み取りの開始時点では、通常の用紙並行状態に戻すことが出来るため、正常読み取りの可能性を増加させることが出来ると言う効果をえる。又、リトライする度毎にスキュー量が大きくなり用紙を排出しにくい状態になる等の問題をも緩和することが出来るという効果を得る。
【実施例5】
【0119】
本実施例では、上記実施例3で説明したデータ数量閾値テーブルを、予め所持しなくても、1種類のみの用紙を読み取る画像読取装置の場合には、データ数量(文字数)を読み取り履歴から自動的に求めることを目的とする。
【0120】
図16は、実施例5による画像読取装置のブロック図である。
図に示すように、画像読取装置500は、走行モータ1と、ローラ駆動部2と、読み取りバッファ3と、ネットワークI/F部4と、記憶部(ROM)55と、制御部56とを備える。実施例4との相違部分のみについて説明する。実施例4と同様の部分については、実施例4と同一の符合が付されている。
【0121】
記憶部55は、制御部56が実行して画像読取装置500を制御するために必要な制御プログラムと、それに必要な制御データとが、予め格納されているメモリ(ROM)である。制御プログラム、及び、制御データには、画像読取装置500の通常動作の制御に必要な制御プログラム、及び、制御データに加え、本実施例では、制御部56が実行することによって、リトライ処理手段46−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度変更手段26−1と、データ数量解析手段56−1と、文字数登録手段56−2とを構成するための制御プログラム、及び、制御データが含まれている。この制御データには、文字数登録メモリ55−1が追加される。
【0122】
文字数登録メモリ55−1は、本実施例の画像読取装置500によって画像読み取りされる用紙(1種類)に適合する文字数を登録(格納)するメモリ領域である。文字数が登録された後では、最初の読み取り走行によってカウントされたデータの個数(この中には不定データも含む)が、登録された文字数から予め定められている所定個数αを減算した数量以上の場合には、スキュー等の不都合が発生していないと判断される。
【0123】
制御部56は、装置全体を制御するCPU(中央演算処理装置)であり、記憶部55に格納されている制御プログラムを実行して画像読取装置500の通常動作の制御を実行すると共に、本実施例では、特に、所定のプログラムを実行することによってリトライ処理手段46−1と、読み取り走行手段6−2と、画像読み取り手段6−3と、データ変換手段6−4と、不定データ検索手段6−5と、データ数比較手段6−6と、OR演算手段6−7と、更新結果判定手段6−8と、ネットワーク交信手段6−9と、走行速度設定手段26−1と、データ数量解析手段56−1と、文字数登録手段56−2とを構成する部分である。
【0124】
データ数量解析手段56−1は、予め定める文字数情報に基づいて、データ変換手段6−4が変換した画像データの総数(不定データ数を含む)が、文字数登録メモリ55−1に登録されている文字数から、予め定められている個数αを減算した数量未満である場合には、以後の処理を停止させる手段である。更に、以後の処理を停止させると、エラー情報及びスキュー発生情報を所定の表示部に表示して操作者に警告する手段である。
【0125】
即ち、チェック紙が、斜めに挿入され、或いは又、チェック紙の挿入方向が間違って挿入された場合には、磁気読み取りヘッド13(図2)を全ての磁気文字が通過しない場合が発生し、一例として文字列の前半部分は正常に読み取れるが、後半部分は、不定文字に成ってしまう等の不都合を避けるための手段である。
【0126】
文字数登録手段56−2は、正常読み取り出来たときの画像データ数を、画像読取装置500によって画像読み取りされる用紙(1種類)に適合する文字数として文字数登録メモリ55−1に登録(格納)する手段である。
その他の構成部分は、実施例4と同様なので説明を省略する。
【0127】
次に実施例5の動作について説明する。
図17は、実施例5の動作フローチャートである。
ステップS5−1からステップS5−24まで、ステップ順に実施例5の動作について説明する。
【0128】
ステップS5−1
用紙20(図2)が搬送路10(図2)に給紙され、下走行ローラ12(図2)によって用紙20(図2)の先端が、磁気読み取りヘッド13(図2)の位置に達する。
【0129】
ステップS5−2
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を読み取ったイメージデータは、図3(a)に示す読み取りバッファ3(図16)の読み取りデータ格納領域3−1(図16)に格納されている。
【0130】
ステップS5−3
データ変換手段6−4(図16)は、予め定められている画像情報に基づいてイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0131】
ステップS5−4
不定データ検索手段6−5(図16)は、読み取りデータ格納手段3−1(図16)に格納されている画像データから不定データを検索する。
ステップS5−5
走行速度変更手段26−1(図16)は、読み取りデータ格納領域3−1(図16)から画像データの総数と不定データの個数をカウントする。ここでは画像データの総数が20で不定データ数が3個検出されたとする。
【0132】
ステップS5−6
データ数量解析手段56−1(図16)は、文字数登録メモリ55−1(図16)に文字数が、既に登録されている場合にはステップS5−7へ進み、未だ登録されていない場合にはステップS5−8へ跳ぶ。
【0133】
ステップS5−7
画像データの総数(不定データ数を含む)が、文字数登録メモリ55−1(図16)に登録されている文字数から、予め定められている個数αを減算した数量未満である場合には、ステップS5−21へ進み、数量以上のときはステップS5−8へ進む。
【0134】
ステップS5−8
不定データが検出された場合にはステップS5−9へ進み、検出されない場合にはステップS5−22へ進む。
【0135】
ステップS5−9
リトライ処理手段6−1(図16)は、図示していないリトライ回数カウンタを0にクリアする。
ステップS5−10
走行速度設定手段26−1(図16)は、走行速度設定テーブル25−1(図16)に基づいて走行速度を設定する。ここでは、上記仮定(不定データ数が3個)より読取率は85%なので等級1となり、その走行速度は、Aに設定される。
【0136】
ステップS5−11
リトライ処理手段6−1(図16)は、走行モータ1(図2)を逆回転させて用紙20(図2)を読み取り開始位置まで戻し、読み取り走行手段6−2(図16)と、画像読み取り手段6−3(図16)とを、リトライ(再稼働)させる。
【0137】
ステップS5−12
図4の読み取り走行処理(ステップS0−1〜ステップS0−6)が実行される。このステップ終了時点では、用紙20(図2)上に印刷されている磁気インクで印刷された画像を再読み取りしたイメージデータが、再読み取りデータ格納領域3−2(図16)に格納される。
【0138】
ステップS5−13
データ数比較手段6−6(図16)は、読み取りデータ格納領域3−1(図16)に格納されているデータ数と、再読み取りデータ格納領域3−2(図16)に格納されているイメージデータの長さLnと文字幅L0からデータ数n(=Ln/L0)を求めて比較する。
【0139】
ステップS5−14
データ数に相違が無ければステップS5−15へ進み、データ数に相違が有ればステップS5−20へ進む。
【0140】
ステップS5−15
データ変換手段6−4(図16)は、予め定められている画像情報に基づいて再読み取りデータ格納領域3−2(図16)に格納されているイメージデータを文字幅(図3)毎に画像データに変換して置き換える。ここで変換不能の場合は不定と置き換える。
【0141】
ステップS5−16
OR演算手段6−7(図16)は、読み取りデータ格納領域3−1(図16)に格納されている画像データと、再読み取りデータ格納領域3−2(図16)に格納されているリトライ画像データとをOR演算し、該OR演算の演算結果で読み取りデータ格納領域3−1(図16)に格納されている画像データを更新する。
【0142】
ステップS5−17
更新結果判定手段6−8(図16)は、上記ステップS5−16で更新された画像データから不定データを検索し、不定データを検出すると、ステップS5−18へ進み、不定データが無くなっていればフローを終了する。
【0143】
ステップS5−18
更新結果判定手段6−8(図16)は、リトライ回数をインクリメントし、その回数が予め規定されているリトライの制限回数に達していない場合にはステップS5−11へ戻って、同じフローを繰り返し、制限回数に達していればステップS5−19へ進む。
【0144】
ステップS5−19
更新結果判定手段6−8(図16)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
ステップS5−20
データ数比較手段6−6(図16)は、エラー情報を設定してフローを終了する。
ステップS5−21
データ数量解析手段56−1(図16)は、以後の処理を停止させ、エラー情報及びスキュー発生情報を所定の表示部に表示して操作者に警告する。
【0145】
ステップS5−22
文字数登録メモリ55−1(図16)に既に登録数が登録(格納)されている場合には、ステップS5−23へ進み、まだ登録(格納)されていない場合にはステップS5−24へ跳ぶ。
【0146】
ステップS5−23
文字数登録メモリ55−1(図16)に、文字数を登録(格納)可能状態であればステップS5−24へ進み、登録不可能状態の場合にはフローを終了する。ここで登録不可能状態とは、画像読取装置500が、複数種類の用紙の読み取りに使われている場合等である(この場合は実施例3が好適である)。但し、有る程度の時間内は1種類の用紙のみを読み取り、その後他の1種類の用紙のみを読み取る場合には、上位装置からの支持コマンドや、装置のメニュー機能等で、用紙が替わる毎に文字数を登録変更することも可能なので登録登録可能状態である。
【0147】
ステップS5−24
文字数登録手段56−2は、文字数を文字数登録メモリ55−1(図16)へ登録(格納)してフローを終了する。次回以降の読み取りでは、この文字数に基づいてスキュー状態が判断されることになる。
【0148】
尚、ステップS5−8に於いて、又は、ステップS5−17において不定データが検出されないでフローを終了した場合には、ネットワーク交信手段6−9(図16)は、MICR正常情報として、ネットワークI/F部4(図16)を介して、読み取りデータ格納領域3−1(図16)に格納されている読み取りデータを外部装置7(図16)へ送出する。又、ステップS5−20に於いて、文字数が相違するのは、リトライによって用紙20(図2)にシワが発生している場合等のように、不都合が発生しているからである。従って、エラー情報を設定して操作者に警告する。操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS5−1から開始することになる。更に、ステップS5−21を通ってフローを終了した場合には、チェック紙が、斜めにセットされ、磁気読み取りヘッド13(図2)を全ての磁気文字が通過しない場合等なので、操作者は、用紙20(図2)を一旦排出し、再度フローをステップS5−1から開始することになる。又ステップS5−19を通ってフローを終了した場合には、読み取り不能と判定する。
【0149】
以上説明したように、本実施例に依れば、1種類の用紙を読み取る画像読取装置では、その用紙に対する文字数等の規格が分かっていない場合であっても、読み取り履歴から求めることが出来るので、チェック紙が、斜めに挿入され、或いは又、チェック紙の挿入方向が間違って挿入された場合には、処理を停止させ、操作者に再度挿入を要求することが出来るので、無駄な処理に時間を費やすことが無くなるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上の説明では、本発明を、画像読取装置に対するソフトウェアの面からの利用についてのみ説明したが、本発明は、この例に限定されるものでは無い。即ち、上記実施例において説明した各制御手段の全て、又はその一部を専用の電子回路で構成し、本発明を画像読取装置に対してハードウェアの面から利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】実施例1による画像読取装置のブロック図である。
【図2】画像読取装置の機構部分概要説明図である。
【図3】読み取りバッファの機能説明図である。
【図4】読み取り走行処理のフローチャートである。
【図5】実施例1の動作フローチャートである。
【図6】実施例2による画像読取装置のブロック図である。
【図7】走行速度設定テーブルの説明図である。
【図8】磁気ストライプパターン説明図である。
【図9】実施例2の動作フローチャートである。
【図10】実施例3による画像読取装置のブロック図である。
【図11】データ数量閾値テーブルの説明図である。
【図12】実施例3の動作フローチャートである。
【図13】実施例4による画像読取装置のブロック図である。
【図14】用紙戻し走行制御の原理説明図である。
【図15】用紙戻し走行のフローチャートである。
【図16】実施例5による画像読取装置のブロック図である。
【図17】実施例5の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0152】
1 走行モータ
2 ローラ駆動部
3 読み取りバッフア
3−1 読み取りデータ格納領域
3−2 再読み取りデータ格納領域
4 ネットワークI/F部
5 記憶部(ROM)
6 制御部(CPU)
6−1 リトライ処理手段
6−2 読み取り走行手段
6−3 画像読み取り手段
6−4 データ変換手段
6−5 不定データ検索手段
6−6 データ数比較手段
6−7 OR(加算)手段
6−8 更新結果判定手段
6−9 ネットワーク交信手段
100 画像読取装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上の画像からイメージデータを読み取る画像読み取り手段と、
該画像読み取り手段が読み取ったイメージデータを受け入れて、所定の文字幅に分割して格納する第一の記憶部と、
予め定められている画像情報に基づいて前記イメージデータを前記文字幅毎に画像データに変換するデータ変換手段と、
前記第一の記憶部が格納する画像データから不定データを検索する不定データ検索手段と、
前記不定データ検索手段が前記不定データを検出すると、前記画像読み取り手段と前記データ変換手段とをリトライ(再稼働)させるリトライ処理手段と、
前記第一の記憶部が格納する画像データと、前記リトライによって取得されるリトライ画像データとをOR(加算)演算し、該OR演算の演算結果で前記第一の記憶部が格納する画像データを更新するOR演算手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置に於いて、
前記リトライ画像データを格納する第二の記憶部を更に備え、
前記OR演算手段は、前記第一の記憶部が格納する画像データと前記第二の記憶部が格納するリトライ画像データとをOR(加算)演算し、該OR演算の演算結果で前記読み取りデータを更新することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置に於いて、
前記OR演算手段によって更新され、前記第一の記憶部が格納する画像データから不定データを検索し、該不定データの検出が無くなるまで、前記リトライを繰り返させる、更新結果判定繰返手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像読取装置に於いて、
前記第一の記憶部が格納する、前記画像データの個数と、前記リトライ処理に基づいて第二の記憶部が格納するイメージデータの前記文字幅の個数とを比較し、両者が一致しないと、以後の処理を停止させるデータ数比較手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像読取装置に於いて、
予め定める不定データの発生情報に基づいて、前記媒体の走行速度を設定する走行速度設定手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像読取装置に於いて、
前記不定データの発生情報は、読取率(=読取成功文字数/読み取るべき文字数)であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像読取装置に於いて、
予め定める文字数情報に基づいて、前記画像読み取り手段によって読み取られる前記イメージデータの数量が所定数未満であると以後の処理を停止させるデータ数量解析手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像読取装置に於いて、
前記所定数を予め設定するデータ数閾値情報を更に有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項7に記載の画像読取装置に於いて、
前記所定数を読み取り履歴に基づいて登録する文字数登録手段を更に備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項7に記載の画像読取装置に於いて、
前記データ数量解析手段は、以後の処理を停止させると、不都合発生情報を設定する警告機能を有すること特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像読取装置に於いて、
前記リトライ処理手段は、
読み取り走行時に、スキューされた用紙を用紙戻し走行時に元に戻す用紙戻し走行制御機能を有すること特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−40003(P2006−40003A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219949(P2004−219949)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】