説明

画像読取記録装置

【課題】 画像読取記録装置において、ファクシミリやコピー機としての使用時に、違ったモードでの使用を防止する。
【解決手段】 原稿を検出等すれば、その時点での機能モードを音声ガイダンスし、ユーザに報知する。ユーザはこれを聞いて正しいモードであるかを知ることができるので、間違った処理を行わさせることが無くなり、入力が受け付けられず、再度の入力が必要となることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ機能やコピー機能などの各種機能を備えた画像読取記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置等の使用時に、設定状態を表示してユーザに認識させたり(特許文献1)、ユーザの入力した設定項目を確認させるために処理のスタートキーを押下させ、その間に設定内容を知らせたり(特許文献2)、コピー条件が初期値から変更されているとアラームでユーザに知らせたりして(特許文献3)、ユーザの所望しない処理を防止することは知られている。
【0003】
しかしながら例えばコピーモードであるにもかかわらず、ファクシミリ送信をしようとして送信先のファクシミリ番号を入力すると、入力された数字はコピー枚数であると認識して、3桁以上の数字の入力は拒否されることがある。そのような場合ユーザはモード切替を行い、再度ファクシミリ番号を入力し直す必要があり、手間がかかるなどの問題がある。またこのような場合、従来の技術では、ユーザの使い勝手については検討されていない。
【特許文献1】特開2004−70081
【特許文献2】特開2004−66504
【特許文献3】特開2003−280463
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、画像読取記録装置をユーザが使用する際に、所望の機能モードとは異なるモードである場合に、これに気づかず処理を開始させることがないようにし、無駄な処理が行われることを防止することにある。さらにこの発明では、ファクシミリ番号等の再入力などの手間を省き、ユーザにとって使い勝手のよい画像読取記録装置を提供することにある(請求項1〜3)。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の画像読取記録装置は、少なくともファクシミリ機能とコピー機能とを備えた画像読取記録装置であって、原稿を検出するための手段と、該検出時の装置の機能モードを音声により報知するための報知手段とを設けたことを特徴とする(請求項1)。この発明において、機能モードには例えばファクシミリモード、コピーモード、スキャンモード、プリンタモードがある。また好ましくは原稿の検出では、ADF(オートマチックドキュメントフィーディング)やFBS(フラットベッドスキャニング)に載置された原稿を検出する。
【0006】
またこの発明の画像読取記録装置は、少なくともファクシミリ機能とコピー機能とを備えた画像読取記録装置において、FBSカバーのオープンを検出するための手段と、該検出時の装置の機能モードを音声により報知するための報知手段とを設けたことを特徴とする(請求項2)。
【0007】
好ましくは、前記装置が省エネモード時に、原稿を検出、あるいはFBSカバーのオープンを検出すると、省エネモードを解除し待機モードにすると共に、待機モードであることおよび前記機能モードとを前記報知手段で報知するようにしたことを特徴とする(請求項3)。
【発明の効果】
【0008】
この発明の画像読取記録装置では、
1.ユーザによって載置された原稿を検出すると、その時点でのモードがユーザに報知されるので、間違った処理を行うことを防止することができる。
2.また例えばコピーモードである時に、ファクシミリ番号を入力すると、3桁以上の数字の入力は受け付けられないなどの事態を防ぐことができ、ユーザにとって再入力等の無駄な操作を行う必要がなくなる。
3.ユーザに対して音声による報知を行うので、違ったモードであればそれに気づき易い。
4.ユーザはファクシミリ機能かコピー機能を使用することが多く、特にこの両モードを取り違えて処理することがことがなくなる。
5.ユーザは装置に原稿を載置する、あるいはFBSカバーをオープンするだけで、その時点での機能モードを知ることができ、設定入力等を円滑にかつ正しく行うことができる(請求項1,2)。
【0009】
6.請求項3の発明では、省エネモード時に原稿を載置する、またはFBSカバーをオープンすると、省エネモードを解除し、待機モードであることとその時点での機能モードとをユーザに報知するので、ユーザは円滑に処理を行わせることができる、
という効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0011】
図1、図2に、実施例を示す。実施例では画像読取記録装置である複合機2について説明する。図1に、複合機2の構成を示す。4は主制御としてのCPUで、6は網制御装置(NCU)で、公衆電話回線網に対して呼を確立し、8は公衆電話回線を介して画データ等を送受信するためのモデムである。また複合機2はLANインターフェース10で、LAN12を介しパーソナルコンピュータ14等に接続されている。16はプログラム等を記憶するためのROM、18は画データ等を記憶するためのRAMである。
【0012】
20はコピー機能処理部で、原稿を読み取って画データに変換するためのスキャナと画データをハードコピーするためのプリンタとを用いてコピーを行う。22はG3ファクシミリ機能処理部で、公衆回線網を介して従来のG3やG4のファクシミリの送受信を行う。また24はスキャナ機能処理部で、スキャナで画像を読み取りパーソナルコンピュータなどに画像データを送信するなどの処理を行う。26はプリンタ機能処理部で、プリンタにネットワークプリンタ機能を持たせて、パーソナルコンピュータ14などからの依頼に応じてネットワークプリンタとしてのプリント等を行う。
【0013】
28はLCDなどの表示パネル、30は操作部で、LCD表示パネルのタッチパネルやキーボード等を用い、モードの切り替えを行ったり、ファクシミリ番号やコピー時の枚数、画質等の設定条件の入力等を行う。32は音声制御部で、34はADFやFBSに載置された原稿を検出する原稿検出部、35はFBSカバーオープン検出部で、モード検知部36で、原稿の検出時やFBSカバーオープン検出時の複合機2の機能モードを検知する。検知したモードは音声制御部32でスピーカ38を介しユーザに報知する。
【0014】
図2を用い、実施例での複合機2の動作を説明する。ユーザがADFによりコピーまたはファックス機能を使用するつもりで原稿を載置した場合(ステップS1)、あるいはプラテンガラス上に原稿を載置するためにFBSカバーを開けた場合(ステップS2)、これを検出する。そのとき複合機が省エネモードであればこれを解除し(ステップS3,S4)、「待機モードです」との音声を出力し、省エネ状態が解除されており処理可能であることをユーザに報知する(ステップS5)。なお実施例ではFBSでの使用の場合、そのカバーをオープンすれば待機モードに移行するが、カバーをオープンしプラテンガラス上に原稿が載置されたことを検出した際に、待機モードにすることとしても良い。
【0015】
なお原稿の載置やFBSカバーのオープンを検出しないときでも、ユーザが省エネモードを解除する操作を行うと、省エネモードを解除し、待機モードであることをユーザに報知する(ステップS6、S4,S5)。また省エネモード時に、ユーザが例えばLCD等のタッチパネルにふれるなどしたときにも、省エネモードを解除し、待機モードであることを報知することとしても良い。さらに省エネモード時には、例えば所定時間毎に省エネモードであることを報知することとしてもよい(ステップS7)。
【0016】
次に複合機の現在の機能モードを、ユーザに報知する。FAXモードであれば「FAXモードです」との音声ガイダンスを出力し(ステップS8,S9)、コピーモードであれば「コピーモードです」との音声ガイダンスを出力する(ステップS10,S11)。次にスキャンモードであれば、「スキャンモードです」(ステップS12,S13)との音声ガイダンスを出力する。
【0017】
上記のいずれのモードでもなければ、「プリンタモードです」との音声を出力する(ステップS14)。しかし例えば受信FAX文書等のプリント処理中やプリントするジョブがたまっている場合には、「プリント中です、コピーが遅れます」との音声ガイダンスを出力し、ユーザに報知する(ステップS15.S16)。実施例でコピーが遅れることを報知するのは、ユーザが複合機の側で処理の終了を待つのはコピーの場合がほとんどであることに対応させるためである。例えばファクシミリで原稿を送信する時には、ユーザは送信条件を入力し原稿を読み取らせて立ち去っても良く、送信ジョブが複数あっても送信処理は複合機が順次行うため、ユーザは送信処理が終了するのを待つ必要はない。
次にユーザがモード切替を行えば(ステップS17)、ステップS8に戻り、そのときの機能モードを出力する。
【0018】
このようにユーザは複合機の機能モードや状態を音声によって報知されるので、所望のモードであるかどうかを知ることができ、所望のモードであればその処理を行い、モードが異なればモード切替を行うことができる。またプリント中やプリント待機中であればそれが報知されるので、コピーが遅れることをユーザは知ることができる。そしてFAX文書の出力等が終了した後にコピー処理が行われることがあらかじめ分っているので、他人のプリントされた用紙であることを確認せずに自分のものとして持ち出すことがなくなる。なおここでプリントするジョブの出力が終了し、指示されたコピー処理を行うときに、これからコピー処理を行います、等の音声ガイダンスを行っても良い。
【0019】
実施例では、例えばFAXモードがガイダンスされた時に、これがユーザの所望のモードであれば相手先のファクシミリ番号や送信画像の読み取り条件等を入力し、FAXスタートボタンを押せばよい。コピーをしたい時にFAXの音声ガイダンスがあれば、枚数等の入力前にモードの違いに気づき、機能モードの切り替えボタンでFAXモードへの切替を行い、コピー枚数や拡大、縮小の指定等を行い、コピーを開始すればよい。
【0020】
また最初からコピーモードにあり、コピーを所望するのであれば処理を開始させるが、FAXをしたければ、コピーモードであるとの音声でモードの違いに気づき、モード切替を行うことができる。
【0021】
またスキャンモードであるのにFAXやコピーモードであると思い、スキャンモードで原稿を読み取ってしまい、読み取った画データをパーソナルコンピュータに送信してしまうこと等もない。またプリンタモードであるにもかかわらず、例えばファクシミリ番号を入力して無駄になるということもなくなる。
【0022】
このように実施例によれば、複合機のそのときの機能モード等をユーザに報知するので、ユーザはその時点での複合機の機能モードや状態がすぐに分かり、無駄な操作をしたり、間違った処理を行わせることがなくなる。

【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例の複合機の構成を示す図
【図2】実施例のモード通知を行う処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0024】
2 複合機
4 CPU
6 網制御装置(NCU)
8 モデム
10 LANインターフェース
12 LAN
14 パーソナルコンピュータ
16 ROM
18 RAM
20 コピー機能処理部
22 G3ファクシミリ機能処理部
24 スキャナ機能処理部
26 プリンタ機能処理部
28 表示パネル
30 操作/入力部
32 音声制御部
34 原稿検出部
35 FBSカバーオープン検出部
36 モード検知部
38 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともファクシミリ機能とコピー機能とを備えた画像読取記録装置において、
原稿を検出するための手段と、該検出時の装置の機能モードを音声により報知するための報知手段とを設けたことを特徴とする、画像読取記録装置。
【請求項2】
少なくともファクシミリ機能とコピー機能とを備えた画像読取記録装置において、
FBSカバーのオープンを検出するための手段と、該検出時の装置の機能モードを音声により報知するための報知手段とを設けたことを特徴とする、画像読取記録装置。
【請求項3】
前記装置が省エネモード時に、原稿を検出、あるいはFBSカバーのオープンを検出すると、省エネモードを解除し待機モードにすると共に、待機モードであることおよび前記機能モードとを前記報知手段で報知するようにしたことを特徴とする、請求項1または2の画像読取記録装置。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−20113(P2006−20113A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196431(P2004−196431)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】