説明

画像送信装置およびサーバ並びに画像送信方法

【課題】 送信相手先に応じて送信データを登録するWWWサーバを切替えることにより、使い勝手の良い画像送信装置及びサーバ装置を提供すること。
【解決手段】 画像データをファイル化して画像ファイルを生成し、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルを予め用意しておき、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定し、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録し、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メールシステムを利用してファクシミリと同様のイメージデータを送信する画像送信装置およびサーバ並びに画像送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原稿のイメージデータをTIFF形式のファイルに変換し、このイメージファイルをメール本体に添付ファイルの形で添付し、送信先の電子メールアドレスに電子メールで送信するファクシミリ型画像通信装置としてインタネットFAXが知られている。
【0003】ところで、カラー画像のような大容量のデータを上記インターネットFAXで直接相手装置へ送信するとなると、相手装置に大容量のメモリが必要となる。このため、現実的には電子メールを用いてカラー画像を送信することは困難な場合が多かった。
【0004】そこで、画像データが添付された電子メールを直接相手装置のメールアドレスへ送信するのではなく、ネットワーク上に配置したWWWサーバに登録し、WWWサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Protocol)を相手装置へ送信するようにした画像通信システムが提案されている。この画像通信システムによれば、相手端末のメールボックスに予期しない大容量のデータが直接送り付けられてくる不具合を防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インターネットFAXからWWWサーバに送信データを登録し、相手端末へURLを送信するようにしただけでは、カラー画像などの大容量のデータを送信した場合には依然として使いづらいものであった。
【0006】つまり、WWWサーバに画像データを置いても、受信装置側が取り出すときには大容量のデータを一度に取り出すことが必要になるので、受信装置には大容量のメモリが必要になる。また、WWWサーバから受信したカラー画像をカラー印刷する場合、受信原稿を全部印刷していたので印刷時間がかかるとともに、コストも高くなってしまう。また、標準化された画像データ形式で決められた画質よりも高い品質で送信したり印刷したい場合であっても、必ず決められた画質に制限されてしまう。また、送信相手先に応じて送信データを登録するWWWサーバを切り替えたい場合にもそのようなことはできなかった。
【0007】本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、送信相手先に応じて送信データを登録するWWWサーバを切替えることにより、使い勝手の良い画像送信装置及びサーバ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像データをファイル化して画像ファイルを生成し、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルを備え、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定し、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録する。そして、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して、前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、画像データをページ単位にファイル化するファイル化手段と、ファイル化された画像ファイルをサーバに登録する登録手段と、前記画像データを送信すべき相手に前記サーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信する通知手段と、を具備する構成を採る。
【0010】この構成によれば、画像データをページ単位にファイル化してサーバへ登録するので、受信側にページ単位で画像データを取り込めるようにすることができ、全ページ分の容量の補助記憶装置を受信側に用意する必要が無くなる。
【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様の画像通信装置において、送信すべき画像データを標準化データ形式と非標準化データ形式の複数のデータ形式で生成して前記サーバへ登録する構成を採る。
【0012】この構成によれば、画像データを標準化データ形式と非標準化データ形式の複数のデータ形式で生成して前記サーバへ登録するので、受信側が自機の能力に応じたデータ形式のファイルを選択して取込むことができる、標準化データ形式しかサポートしない装置にはそのようなデータ形式で画像データを送信でき、より高品質な非標準化データ形式を扱う装置に高品質のデータ形式で送信することができる。
【0013】本発明の第3の態様は、第1、2の態様の画像通信装置において、送信先となる複数の電子メールアドレスと、画像データの登録先となる複数のサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルが格納された記憶部と、送信先の電子メールアドレスが入力されたら当該電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルを使って選定するサーバ選定手段と、を具備する構成を採る。
【0014】この構成によれば、送信先の電子メールアドレスに対応したサーバをテーブル使って選定するので、例えば掲示板のように多くのユーザに広く使われるWWWサーバや、限定された会員向けのWWWサーバがあるが、送信相手に応じて適切なサーバを自動選択することができる。
【0015】本発明の第4の態様は、第3の態様の画像通信装置において、前記テーブルは、電子メールアドレスに割り付けられたワンタッチダイヤルキー番号が、電子メールアドレスに対応づけられて登録されており、前記サーバ選定手段は、ワンタッチダイヤルキー番号が入力されたら対応したサーバを前記テーブルを使って選定する構成を採る。
【0016】この構成によれば、ワンタッチダイヤルキーで送信相手が選択された場合にもテーブルを使ってサーバを選定できる。
【0017】本発明の第5の態様は、第1から第4の画像送信装置において、前記サーバへ登録する画像ファイルのファイル名が登録されたメニュー画面を構造化文書で作成して前記サーバへ登録する構成を採る。
【0018】この構成によれば、サーバに登録した画像ファイルの登録されたメニュー画面をサーバに登録して受信側にダウンロードさせることができるので、受信側においてメニュー画面に登録されたファイル名をクリックすることでページ単位で画像データの取り込みが可能となる。
【0019】本発明の第6の態様は、第1から第5の画像送信装置において、前記登録手段は、全ページ分の画像ファイルが揃ったら一括してサーバへ登録する構成を採る。
【0020】この構成によれば、全ページ分の画像ファイルを一括してサーバへ登録するようにしたので、イメージデータのサーバへの登録動作が1回で済み処理の簡略化が図られる。
【0021】本発明の第7の態様は、第1から第5の画像送信装置において、前記登録手段は、1ページ分の画像ファイルが生成される度に、当該画像ファイルをサーバへ逐次登録する構成を採る。
【0022】この構成によれば、1ページ分の画像ファイルが生成される度にサーバへ登録するので、装置本体に大容量の記憶容量を確保する必要が無くなる。
【0023】本発明の第8の態様は、第1から第7のいずれかに記載の画像送信装置から画像ファイルが登録され、画像送信先の画像受信装置がアクセスしてきたら要求している画像ファイルを選んで転送するサーバである。
【0024】このサーバによれば、ページ単位で画像データが登録されているので、受信側に対してページ単位で画像データを転送できる。
【0025】本発明の第9の態様は、第8の態様のサーバにおいて、画像送信先の画像受信装置がアクセスしてきたら、当該画像受信装置に対し最初にメニュー画面を送信する構成を採る。
【0026】この構成により、サーバに登録されている画像データのメニュー画面を受信側に送信することにより、受信側でメニュー画面を使ってページ単位で画像ファイルを取込むことができる。
【0027】本発明の第10の態様は、画像送信装置から受信した電子メールよりサーバアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、抽出したサーバアドレスを使ってサーバにアクセスしてページ単位で画像データを取得する画像取得手段と、を具備する構成を採る。
【0028】この構成によれば、受信した電子メールに含まれたサーバアドレスを使って画像データの登録されているサーバにアクセスでき、ユーザは1ページづつ表示させて必要なページだけを選択して印刷することができる。
【0029】本発明の第11の態様は、第10の態様の画像受信装置において、前記画像取得手段は、サーバに複数のデータ形式で画像データが登録されている場合、自機の処理能力に合ったデータ形式の画像データを選択して取得する構成を採る。
【0030】この構成によれば、自機の処理能力に合ったデータ形式の画像データを選択して取得する受信時に自機の能力に合った最適な画像データを自動的に選択することができる。
【0031】本発明の第12の態様は、第10又は第11の画像受信装置において、前記画像取得手段は、最初にサーバにアクセスしたときにメニュー画面を読み込んで表示し、当該メニュー画面上で画像ファイルの選択を受付け、選択された画像ファイルをサーバから取得する構成を採る。
【0032】この構成によれば、サーバからメニュー画面を取得してメニュー画面を使ってページ単位で画像データを取得することができる。
【0033】本発明の第13の態様は、第10から第12の画像受信装置において、前記画像取得手段は、サーバから全ページ分のページ番号を取込んで印刷指示バッファに書込み、印刷指示バッファに書き込まれたページ番号の画像ファイルを1ページ分づつ取り込み、1ページ分の印刷が終了すると再度次ページを取込むこと構成を採る。
【0034】この構成によれば、1ページづつサーバから取り出して自動印刷することが出来、受信側に大きな記憶容量を必要としない。
【0035】本発明の第14の態様は、第10から第12の画像受信装置において、前記画像取得手段は、選択指示のあったページ番号を印刷指示バッファに書込み、印刷指示バッファに書き込まれたページ番号の画像ファイルを1ページ分づつ取り込み、1ページ分の印刷が終了すると再度次ページを取込む構成を採る。
【0036】この構成によれば、受信側で選択した画像データだけを1ページづつサーバから取り出して印刷するので、受信側に大きな記憶容量を必要とせず、しかも必要な画像だけを印刷することが出来る。
【0037】本発明の第15の態様は、第10から第14の画像受信装置において、装置本体から分離したディスプレイ付リモートコントローラを備え、装置本体で受信した画像ファイルに含まれた画像データを前記ディスプレイ付リモートコントローラへ転送して表示させる構成を採る。
【0038】この構成によれば、装置本体から分離したディスプレイ付リモートコントローラに画像データを表示させることができる。
【0039】本発明の第15の態様は、第10から第15の画像受信装置において、装置本体から分離したディスプレイ付リモートコントローラを備え、前記ディスプレイ付リモートコントローラから装置本体に対して印刷指示バッファに書き込むページ番号を指示する構成を採る。
【0040】この構成によれば、装置本体から分離したディスプレイ付リモートコントローラから印刷するページ番号を選択できる。
【0041】本発明の第16の態様は、画像データをページ単位にファイル化するステップと、画像データのファイル名が登録されたメニュー画面を構造化文書で作成するステップと、ファイル化された画像データ及びメニュー画面をサーバに登録するステップと、前記画像データを送信すべき相手に前記サーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信するステップとを、を具備する画像送信方法である。
【0042】本発明の第17の態様は、自機宛の画像データが登録されたサーバアドレスの含まれた電子メールを受信するステップと、受信信した電子メールよりサーバアドレスを抽出するステップと、抽出したサーバアドレスを使ってサーバにアクセスしてメニュー画面を取得するステップと、前記メニュー画面を使ってページ単位で画像データを取得するステップと、を具備した画像受信方法である。
【0043】以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0044】図1は本実施の形態にかかるファクシミリ型画像通信装置(以下、「本装置」と呼ぶ)の機能ブロックである。本装置は、CPU1が装置全体の制御を行う。CPU1に対してROM2、RAM3、補助記憶装置4、タッチパネル兼表示部5、スキャナ部6、LAN制御部7、プリンタ部8等が内部バスを介して接続される。ROM2はCPU1によって実行されるプログラムを格納し、RAM3はプログラムの作業エリアや、メールデータ及び画像データの一時記憶等のための記憶エリアに使用される。補助記憶装置4は、ハードディスクで構成され、画像データなどの保存に使用される。送信処理及び受信処理の簡略化で補助記憶装置4を削減した構成をとることもできる。タッチパネル兼表示部5は、画像データや操作指示案内の表示部として機能するとともに、アルファベット、数字、記号、ワンタッチダイヤルを表示して操作指示入力のためのタッチパネルとして機能する。タッチパネル兼表示部5を使用して受信した画像データの表示、印刷指示、電子メールアドレスの入力ができるようになっている。スキャナ部6は、原稿を読取ってイメージデータに変換する。カラー原稿の場合は、カラーイメージデータに変換するものとする。LAN制御部7は、LANインターフェースであり、ネットワークを通してデータの送受信を行う。
【0045】図2に本装置を用いて画像通信するためのネットワーク構成を示す。本装置20はイーサネット(R)に接続されていて、このイーサネット(R)を経由してネットワーク21に接続する。ネットワーク21は、インターネット又はイントラネットである。本装置20は、ネットワーク21に配置されたWWWサーバ22に画像データを登録する一方、ネットワーク21の向こう側にいる相手側端末23にWWWサーバ22のURLを送信する。
【0046】本装置20は、WWWサーバ22に対して複数ページの画像データをページ単位にファイル化して登録する分割登録機能と、送信すべき画像データを標準化データ形式及び非標準化データ形式の複数のデータ形式でWWWサーバ22に登録するマルチフォーム登録機能とを有する。分割登録機能及びマルチフォーム登録機能は、CPU1がROM2に格納されたプログラムを実行することにより実現する機能の一つである。
【0047】なお、本実施の形態では、A4サイズ、300dpi、「YCdCr色空間」、JFIF(JPEG File Interchange Format)データを標準化データ形式、それ以外のデータを非標準化データ形式と想定している。
【0048】また、本装置20は、送信相手に応じてWWWサーバを自動切替えするサーバ選択機能を備えている。送信相手に応じたサーバの選択は、電子メールアドレスとWWWサーバのURLとを対応させた対応テーブルを使って行われる。
【0049】図3にサーバ選択機能に関連してROM2に登録された電子メールアドレス/URL対応テーブルの構成例を示す。この対応テーブルには、送信相手の電子メールアドレスが複数登録できるようになっていて、各電子メールアドレスに対応させてその電子メールアドレスに送信すべき画像データが登録されるWWWサーバのURLアドレスが登録されている。電子メールアドレスは、アドレスを完全に記載しても良いしワイルドカード(*)を使ってアドレスの一部(例えばドメインだけ)だけを登録するようにしても良い。また、ワイルドカードのみの電子メールアドレス(空アドレス)に対応して1つのWWWサーバを登録している。対応テーブルに登録していない電子メールアドレス(全部又は一部)が入力された場合にデフォルトのWWWサーバを選択するためである。
【0050】図4はワンタッチダイヤルを使用して電子メールアドレスを入力した場合に、WWWサーバを選択できるようにした対応テーブルである。同図に示すように、ワンタッチダイヤルと電子メールアドレスと使用するWWWサーバのURLとが対応づけられて設定されている。
【0051】図5(a)(b)には、本装置のマルチフォーム登録機能に関連してROM2に登録された送信データ属性テーブルの構成を示す。図5(a)は標準化データのみを送る場合のテーブルを示しており、同図(b)は標準化データと共に非標準化データを送る場合のテーブルを示している。図5(a)のファイル属性の欄には標準化データである「.jpg」のみが登録されている。図5(b)のファイル属性の欄には標準化データである「.jpg」以外に「.tif」「.bmp」が登録されている。ファイル属性=「.tif」はTIFFファイルを意味しており、ファイル属性=「.bmp」はビットマップファイルを意味しており、これらのファイルは非標準として扱われる。
【0052】また、送信データ属性テーブルには各ファイル属性にマルチページサインが付いている。1ファイルに複数ページが含まれるファイル属性(形式)にはマルチページサイン=1が付与され、それ以外のファイル属性(形式)にはマルチページサイン=0が付与される。
【0053】本装置がWWWサーバから画像データを受信する場合は受信装置となる。図2における相手側端末23を本装置20と同一構成にすることができる。この場合、相手側端末23に自機の処理能力に合ったファイルを選択して取得するファイル選択取得機能を備える。
【0054】図6は相手側端末23にファイル選択取得機能を持たせるための受信能力テーブルの構成図である。受信能力テーブルには、自機の処理能力がファイル属性にて登録されている。複数のファイル属性に対応できる場合は優先順位の高い順番にファイル属性を並べている。
【0055】次に、以上のように構成された本装置の動作について説明する。図7、図8に本装置20の送信動作のフローチャートを示す。タッチパネル兼表示部5のタッチパネル機能によって相手側端末23の電子メールアドレスが入力される(ST701)。入力された電子メールアドレスと一致するメールアドレスを、図3に示す電子メールアドレス/URL対応テーブルから検索する。検索の結果、一致する電子メールアドレスが存在すれば、その電子メールアドレスに対応するWWWサーバのURLを決定し、所定領域に格納する(ST702)。
【0056】次に、タッチパネル兼表示部5からの操作入力に応じてスキャナ部6を動作させて原稿をスキャンし画像データを取り込む。複数の原稿がセットされている場合は、連続して原稿読取動作を実行して複数ページの画像データを取り込む(ST703)。スキャナ部6から取込まれた画像データをページ単位でファイル化し、ページ毎に”fax01”、”fax02”のように連番を含んだファイル名を付けて、補助記憶装置4に順次格納する(ST703)。補助記憶装置4に画像データをページ単位で格納するときにページカウントも併せて行う。
【0057】次に、上記ステップST702で選択したWWWサーバ(URL)にホームディレクトリを作成する(ST704)。以下、ステップST702で選択したWWWサーバはWWWサーバ22であるとする。具体的には、WWWサーバ22内の、予めFTP(File Transfer Protocol)登録用に設定されたディレクトリ下に、そのサーバ内でユニークになるように時分秒などを含んだ名前を持つサブディレクトリをFTPのコマンドで作成する。本明細書では、このサブディレクトリをホームディレクトリと呼ぶ。ホームディレクトリは、ステップST703で保存したファイル(ページ単位のファイル)を登録するために使われる。
【0058】次に、原稿のメニューとなるHTML(Hyper Text Markup Language)の原形の文字列を、RAM3上に用意する(ST705)。図9にメニューHTMLの原形文字列を示す。
【0059】補助記憶装置4に上記ステップST703で格納した画像データファイルが存在する場合(ST706)、補助記憶装置4に保存した原稿の画像データファイルを”fax01”から1ページずつ読み出す。そして、読み出した画像データファイルをJFIFに変換し(ST707)、WWWサーバ22のホームディレクトリに同じファイル名でFTPで登録する(ST708)。ホームディレクトリに登録したファイル名と同じファイル名を含んだHTMLの行を、RAM3上に用意したメニューHTMLの文字列の中(<BODY>の部分)に挿入する(ST709)。このHTMLを新たなHTMLの原形とする。
【0060】メニューHTMLにホームディレクトリに登録したファイル名のHTMLの行を挿入したら、次に送信データ属性テーブルに非標準化データの送信指示が設定されているかどうかチェックする(ST710)。非標準化データの送信指示が設定されていなければ、ステップST706に戻り画像データファイルが残っているか判断する。補助記憶装置4に格納された全ページ分の画像データが終了するまで、ステップST707からステップST709の処理を繰り返す。
【0061】一方、ステップST710で非標準化データの送信指示が設定されていれば、さらに1ファイルマルチページの非標準化データか否か判断する(ST711)。送信データ属性テーブルに設定したマルチページサインに基づいて判断する。マルチページサイン=0であれば、送信データ属性テーブルに登録されている非標準化データ形式に画像データを変換する(ST712)。
【0062】そして、非標準化形式に変換された画像データを、WWWサーバ22内のホームディレクトリにFTPで登録する(ST713)。ホームディレクトリに登録した画像データのファイル名を含んだ行をメニューHTMLに挿入する(ST714)。
【0063】なお、送信データ属性テーブルに登録されたマルチページサイン=1の場合は、複数のページを1ファイルにまとめる必要がある。補助記憶装置4に保存された画像データファイルは1ファイルが1ページ分である。1ページずつ読み込んで非標準形式に編集し、最終的に複数ページを1ファイルに変換して補助記憶装置4に一時格納する(ST715)。
【0064】このようにして完成したHTMLの記述例を図10に示す。図10は、3ページの原稿を標準化データ形式と、2つの非標準化データ形式(TIFFとビットマップ)とで記述した例である。
【0065】一方、上記ステップST706において、補助記憶装置4に格納したファイルを全てホームディレクトリに格納したと判断した場合は、1ファイルマルチページの非標準化データを作成したか否か判断する(ST716)。1ファイルマルチページの非標準化データを作成して補助記憶装置4に格納している場合は、その格納している非標準化データをWWWサーバ22のホームディレクトリにFTPで登録する(ST717)。ホームディレクトリに登録した非標準化データのファイル名を含んだ行を、RAM3上のメニューHTMLに挿入する(ST718)。
【0066】次に、以上のようにしてRAM上に作成したメニューHTMLを、WWWサーバ22内のホームディレクトリにindex.htmlというファイル名を付けてFTPで登録する(ST719)。
【0067】そして、上記ステップST702で保存したURL(WWWサーバ22のURL)の後ろにホームディレクトリ名を付け加えたURLを作成する(ST720)。この作成したURLを、電子メールのMIMEヘッダのExternal-Body Subtypeフィールドに記述し、相手側端末23に電子メールで送信する。
【0068】図11に上記URLを含む電子メールのヘッダの例を示す。上記URLをメール本文やsubjectフィールドに記述しても良い。
【0069】なお、標準化データ形式の画像ファイルのみを送信するタイプの簡易的な本装置の例では、1ページ分の画像ファイルが生成される度に、当該画像ファイルをサーバへ逐次登録するように構成しても良い。すなわち、1ページ分読み取り、JFIF変換、WWWサーバへの登録、の一連の処理を全ページ分繰り返すようにする。このようにすることで、全ページの一括読み取りが不要になり、補助記憶装置4の容量を削減できる。
【0070】次に、相手側端末23がWWWサーバ22から登録された画像ファイルを取込む受信動作に付いて、図12及び図13のフローチャートに従って説明する。上述したように、本装置20がWWWサーバ22のURLを電子メールで相手側端末23のメールアドレスに送信している。
【0071】相手側端末23は、WWWサーバ22のURLが含まれた電子メールを受信すると(ST1201)、その電子メールのメールヘッダ(MIMEヘッダ)からURLを取り出す(ST1202)。そして、そのURLが示すWWWサーバ22にHTTPでアクセスし、そのWWWサーバ22からメニューHTMLを取り出す(ST1203)。
【0072】次に、メニューHTMLに登録されたファイル属性の中から自機の能力に合ったファイル属性を選択する(ST1204)。そのため、受信能力テーブル(図6)から優先度の高い順位にファイル属性を取り出し、メニューHTMLのファイル名記述行中のファイル属性と比較する。最も優先度の高いファイル属性と一致するファイル属性がメニューHTMLに存在すれば、そのファイル属性のファイル名を受信対象ファイルに決定する。一方、優先度の高いファイル属性と一致するファイル属性がメニューHTMLに存在しない場合は、受信能力テーブル内の次の優先度のファイル属性を取り出して同様のチェックを行う。一致するファイル属性が見つかるまで順次優先度を下げながら受信能力テーブルからファイル属性を取り出して同等のチェックを実行する。
【0073】このようにして決定したファイル名の属性が、「.TIF」のように1つのファイルに複数ページを含むファイルである場合は(ST1205)、WWWサーバ22からそのファイル全体を読み込み、ページ単位で読み出しが可能な形に変換して自機の補助記憶装置に書き込む(ST1206)。このとき、ファイル内の全ページ数を数え、数えたページ数を記憶する(ST1208)。また、1つのファイルに複数ページを含むファイルでない場合は、メニューHTMLの記述から全ページ枚数を数え、その数えた枚数を記憶する(ST1207)。
【0074】次に、自動印刷モードが指定されているか否か判断する(ST1209)。自動印刷モードが指定されている場合は、全ページのページ番号を印刷指示バッファに書き込む(ST1210)。図14に印刷指示バッファの例を示す。自動印刷モード時は全ページのページ番号が一度に書かれる。
【0075】まず、印刷指示バッファ内のページ番号のポインタを先頭におく(ST1211)。ポインタが印刷指示バッファを越えていないことを確認して(ST1212)、ポインタが示すページの画像データをWWWサーバ22又は自機の補助記憶装置から読み出し(ST1213)、その読み出したページを印刷する(ST1214)。印刷指示バッファ内のポインタを一つ進め(ST1215)、同様にして次ページの画像データの印刷処理を実行する。この印刷処理をポインタが印刷指示バッファを越えるまで繰り返す。
【0076】なお、ステップST1209で自動印刷モードが設定されていないと判断した場合は、印刷指示バッファに入れるページ番号を選択指示する(ST1216)。相手側端末23は、図15に示すようなタッチパネル兼表示部を備えているものとする。このタッチパネル兼表示部を使った操作によって、ページ順に1ページづつ画像データをWWWサーバ22又は自機の補助記憶装置から読み出し、タッチパネル兼表示部のパネルに表示させ(ST1217)、ページ単位で印刷の有無を選択させる。パネルに1ページの画像データを表示させた状態で印刷指示を待ち(ST1218)、印刷指示が入力されれば、そのページ番号を印刷指示バッファに書き込み(ST1219)、タッチパネル兼表示部の次ページボタンを押してページを1つ進める(ST1220)。印刷指示が入力されなければ、そのままページを1つ進める(ST1220)。図15のタッチパネル兼表示部の場合、画像が表示されている範囲内を指で押せば印刷指示と判断し、外枠が表示されるように構成される。
【0077】図16に相手側端末の構成例を示す。本実施の形態では、画像データをWWWサーバから受信する端末を相手側装置と呼んでおり、本装置20と同一構成であっても良い。同図に示す相手側端末は、本装置20と同等の機能を備えていて、さらにタッチパネル兼表示部が装置本体から分離したリモコンタイプになっている。装置本体側にリモコン通信部9を設け、リモコン側にタッチパネル兼表示部10とリモコン通信部11を設けている。
【0078】このような本実施の形態によれば、ページ単位にファイル化した画像データをWWWサーバ22へ登録し、このWWWサーバ22にアクセスするためのURLを相手側端末23のメールアドレスに送信するので、受信側でWWWサーバ上の画像データを処理すとき、1ページ単位で受信ができ、全ページ分の補助記憶装置を備える必要が無くなる。
【0079】また本実施の形態によれば、送信すべき画像データを標準化データ形式、非標準化データ形式の複数のデータ形式でWWWサーバ22に登録し、このWWWサーバ22にアクセスするためのURLを相手側端末23のメールアドレスに送信するので、標準化データ形式しかサポートしない簡単な装置にも、より高品質な非標準化データ形式までサポートする装置にも、相手先の能力を最大限に生かす形で、1回の読み取り処理で送信できる。
【0080】また本実施の形態によれば、相手先の電子メールアドレスと画像登録すべきサーバアドレスとを対応づけた対応テーブルを用意してサーバを自動選択するようにしたので、操作内容を複雑にすること無く、相手先に応じてWWWサーバを選択できるようになった。たとえば、掲示板のように多くの人に使ってもらうWWWサーバや、限定された会員向けのWWWサーバといった使い分けを相手先に応じてできるようになった。
【0081】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、本発明によれば、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像登録すべきサーバアドレスとを対応づけたテーブルを用意してサーバを自動選択するようにしたので、操作内容を複雑にすること無く、相手先に応じてサーバを選択でき、例えば掲示板のように多くの人に使ってもらうWWWサーバや、限定された会員向けのWWWサーバといった使い分けを相手先に応じてできる。さらに、送信側ではページ単位で画像ファイルを作成し、受信側でページ単位で画像データを取り込んで選択的に印刷指示するような構成にすると、受信側で大容量のメモリを必要としない、使い勝手の良い画像通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるファクシミリ型画像通信装置の機能ブロック図
【図2】本装置を備えたネットワーク構成図
【図3】上記一実施の形態における電子メールアドレス/URL対応テーブルの構成図
【図4】上記一実施の形態におけるワンタッチダイヤルに登録された電子メールアドレス/URL対応テーブルの構成図
【図5】上記一実施の形態における送信データ属性テーブルの構成図
【図6】上記一実施の形態における受信能力テーブルの構成図
【図7】上記一実施の形態における送信動作の前半部のフロー図
【図8】上記一実施の形態における送信動作の後半部のフロー図
【図9】上記一実施の形態におけるメニューHTMLの原形文字列を示す図
【図10】上記一実施の形態において作成されたメニューHTMLを示す図
【図11】上記一実施の形態において作成されたURLを含んだメールヘッダを示す図
【図12】上記一実施の形態における受信動作の前半部のフロー図
【図13】上記一実施の形態における受信動作の後半部のフロー図
【図14】上記一実施の形態における印刷指示バッファを示す図
【図15】上記一実施の形態におけるタッチパネル兼表示部の概念図
【図16】上記一実施の形態における相手側端末の機能ブロック図
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 補助記憶装置
5、10 タッチパネル兼表示部
6 スキャナ部
7 LAN制御部
8 プリンタ部
9、11 リモコン通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像データをページ単位にファイル化して画像ファイルを生成するファイル化手段と、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルが格納された記憶部と、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定するサーバ選定手段と、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録する登録手段と、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信する通知手段と、を具備する画像送信装置。
【請求項2】 前記テーブルは、ワンタッチダイヤルキー番号が、電子メールアドレスに対応づけられて登録されており、前記サーバ選定手段は、ワンタッチダイヤルキー番号が入力されたら対応したサーバを前記テーブルから選定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】 前記サーバへ登録する画像ファイルのファイル名が登録されたメニュー画面を構造化文書で作成して前記サーバへ登録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像送信装置。
【請求項4】 前記登録手段は、全ページ分の画像ファイルが揃ったら一括してサーバへ登録することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像送信装置。
【請求項5】 前記登録手段は、1ページ分の画像ファイルが生成される度に、当該画像ファイルをサーバへ逐次登録することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像送信装置。
【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像送信装置から画像ファイルが登録され、画像送信先の画像受信装置がアクセスしてきたら当該画像受信装置に対し最初にメニュー画面を送信し、その後要求してきた画像ファイルを転送することを特徴とするサーバ。
【請求項7】 画像データをページ単位にファイル化して画像ファイルを生成し、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルを予め用意しておき、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定し、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録し、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信することを特徴とする画像送信方法。
【請求項8】 画像データをファイル化して画像ファイルを生成するファイル化手段と、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルが格納された記憶部と、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定するサーバ選定手段と、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録する登録手段と、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信する通知手段と、を具備する画像送信装置。
【請求項9】 前記テーブルは、ワンタッチダイヤルキー番号が、電子メールアドレスに対応づけられて登録されており、前記サーバ選定手段は、ワンタッチダイヤルキー番号が入力されたら対応したサーバを前記テーブルから選定する、ことを特徴とする請求項8に記載の画像送信装置。
【請求項10】 前記サーバへ登録する画像ファイルのファイル名が登録されたメニュー画面を構造化文書で作成して前記サーバへ登録することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像送信装置。
【請求項11】 請求項8又は請求項9に記載の画像送信装置から画像ファイルが登録され、画像送信先の画像受信装置がアクセスしてきたら当該画像受信装置に対し最初にメニュー画面を送信し、その後要求してきた画像ファイルを転送するサーバ。
【請求項12】 画像データをファイル化して画像ファイルを生成し、受信側となる相手の電子メールアドレスと画像ファイルの登録先となるサーバのサーバアドレスとを対応づけたテーブルを予め用意しておき、受信側となる相手の電子メールアドレスが入力されたら当該入力電子メールアドレスに対応したサーバを前記テーブルから選定し、前記画像ファイルを前記選定されたサーバに登録し、受信側となる相手の前記入力電子メールアドレスに対して前記選定されたサーバのサーバアドレスを含む電子メールを送信することを特徴とする画像送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図14】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図15】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【公開番号】特開2003−179721(P2003−179721A)
【公開日】平成15年6月27日(2003.6.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−244087(P2002−244087)
【分割の表示】特願平11−35889の分割
【出願日】平成11年2月15日(1999.2.15)
【出願人】(597000489)パナソニック コミュニケーションズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】