説明

画素センサ回路デバイス及びその方法

本明細書において、距離測定デバイス及び光センサ回路が開示されている。LED(140)が物体(190)を照射するように光源からパルスを発生させること、かつ物体により反射された光の位相と光源の本来の位相との間の位相差を測定することによって、物体までの距離が測定され得る。位相差を測定するために、CMOS光センサ又は光センサアレイ(120)が、反射光を受信し、異なる期間の間に生成された電荷を異なる蓄積ノード、即ち、画素セル(202,204)に蓄積するのに使用され得る。異なる蓄積ノードに蓄積された電荷量の間の差を、物体を照射する本来の光と物体による反射光との間の位相差を決定するために使用することが可能である。次いで、この位相差を物体までの距離の決定に使用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には感光性回路に、より詳細には感光性画素セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物体までの距離を測定する一つの方法は、その物体にパルス状の光を照射し、その照射光のパルスの位相と反射光のパルスの位相とを比較することである。一般的に、この方法及び同種の方法を利用する距離測定のためのデバイスには、反射光を検知するための電荷結合デバイス(CCD)、及び、例えばコントローラ、アナログ/デジタル(A/D)変換器等のような関連回路を具体化するための相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路が使用されている。
【0003】
動作の間、CCDにより反射光は受信され、受信された光の量に応じた量の電荷が生成される。この電荷は、特定の期間の間、蓄えられる。この期間のことを蓄積期間と呼ぶ場合もある。蓄積期間の間、CCDはその蓄積した電荷を蓄積ノードに放出する。そのノードに蓄積された電荷量は、ある特定の蓄積期間の間にCCDにより生成された電荷量に対応し、それとは異なる蓄積期間に対応する電荷量と比較することが可能である。それにより、物体を照射するのに使用された光と、物体により反射され、CCDセンサに戻ってきた光との間の位相差が決定される。特別な場合では、全ての蓄積期間に対応する電荷を生成するのに単一のCCDが使用されるのに代わり、異なる蓄積期間の間に電荷を生成するのには異なるCCDが使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばCMOS回路の場合と比較して、CCDでは、相対的に多量の電力が使用され、その製造はより複雑であり、かつより複雑な電源が必要である。加えて、CCDはCMOS回路と不適合であり、CMOS回路は半導体デバイスの製造において頻繁に利用されるものである。この不適合性のため、CCDを距離測定のためのデバイスとして使用する場合は、CMOS回路とCCD回路とを同時に使用できるように、複雑なインターフェイス回路、コンパニオン・チップ等を搭載する必要がある。それゆえ、CCD技術による高消費電力の回路を必要とせずに、かつ高価で複雑なインターフェイス回路を製造せずに、安価なCMOS技術を用いた容易に集積可能なセンサが必要とされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本開示の様々な利点、特徴及び特性、並びに、関連した構造の構成要素の方法、動作及び機能、部品の組み合せ、製造方法の経済性は、添付図面を参照した以下の詳細な説明及び請求項を検討すれば明らかとなろう。それらの全ては、本明細書の一部を形成する。
【0006】
図1〜7は、画素センサを含む回路及びデバイスを示し、そのようなデバイスがどのようにして距離測定に使用可能であるのかを表している。物体に光が照射されるように光源からパルスを発生させることによって、かつCMOS又はCMOSに適合した処理を利用して構成した一つ若しくは複数の光センサを使用することによりその物体からの反射光を受信することによって、その物体までの距離は測定される。CMOS技術を利用して構成された光センサ又は光センサアレイを使用することにより、そのような距離測定デバイスは、CCD技術のような他の技術を利用するデバイスに比べ、効率的かつ安価に構成され得る。
【0007】
最初に、図1を参照すると、本開示の実施形態による距離測定デバイスが説明されている。そのようなデバイスを、一般に、距離測定デバイス(DMD)100と表す。一実施形態におけるDMD100は、例えば発光ダイオード(LED)140のような光源に対し変調されたクロック信号を、並びに、光センサアレイ120に対し同相のクロック信号α1及び異なる位相のクロック信号α2を、供給するためのクロック発振器110を含んでいる。光センサアレイ120は物体190からの反射光を受信し、物体190からの反射光の受信に応答して生成された電荷が、様々な蓄積ノード(図示略)に蓄積され、読み出される期間を決定するのにクロックα1及びα2を利用する。これらの様々な蓄積ノードにおける電荷は、プロセッサ130により光センサアレイ120から読み出され、LED140から放出された光と光センサアレイ120において受信された反射光との間の位相差を決定するのに、プロセッサ130はこの蓄積された電荷の値を利用する。次いで、この位相差は、DMD100から物体190までの距離を決定するのに利用される。
【0008】
一実施形態におけるクロック発振器110は基準クロック信号を変調する。その変調された信号はLED140を制御するための、若しくは、LED140からパルスを発生させるための駆動力となり、それによってLED140により放出される光は特定の周波数及び位相のパルスとなる。LED140は、基準クロック信号として利用されている同相のクロック信号α1に同期されたパルスを発生することに注意されたい。クロック発振器110は、光センサアレイ120にも同相のクロック信号α1を提供し、その信号は光センサアレイ120に関連した様々なトランジスタの動作を制御するのに使用される。同相のクロック信号α1に加えて、クロック発振器110は、同相のクロック信号α1とは位相が異なるクロック信号α2も供給する。異なる位相のクロック信号α2は、同相のクロック信号α1と併せて、光センサアレイ120内の他のトランジスタのタイミングを制御するのに使用される。クロック発振器110により生成されるクロック信号と光センサアレイ120内のトランジスタとの特定の相互作用は、以後詳細に説明される。しかしながら、一般に、光センサアレイ120に提供される同相信号及び異なる位相の信号のいずれも、物体190からの反射光に応答して光センサアレイ120により生成された電荷が、いつそのような電荷を蓄積するためのノードに蓄積されるのか、かつ、いつその蓄積ノードからプロセッサ130に読み出されるのか、を制御するために使用される。
【0009】
光センサアレイ120は、一つ若しくは複数の光センサ及び二つ若しくはそれ以上の画素セルを含み得る。各光センサは、物体190からの反射光の受信に応答して電荷を生成するための光検出器を一つ含んでいる。画素セルは蓄積ノードとして使用され、光検出器により生成された電荷を蓄積する。光センサアレイ120において使用される光検出器は、様々な波長又は周波数の光に対して使用可能に設計され得るものであるが、少なくとも一実施形態においては、光センサアレイ120は、LED140により放出される光と同一の波長を使用した際に最適な応答を提供するように構成されている。本明細書において説明する様々な実施形態においては、単一の光センサのセルのみを含む光センサアレイ120が利用されているが、光センサアレイ120は、受信光から物体の三次元(3D)画像を構成するのに使用可能な光センサのセルの二次元的配列を含んでいても構わない。
【0010】
少なくとも一実施形態においては、LED140は赤外LEDであり、約800ナノメートルの波長の光を発生する。しかしながら、他の実施形態においては、LED140は、青色LED、白色LED、又はその他の適当な波長の光を発生するLEDであっても構わない。加えて、LED140は発光ダイオオードである必要はなく、蛍光灯、白熱灯、コヒレーントな光源、或いは、その他の適当な照明装置又は材料のような別の種類の光源により代替されていても構わない。
【0011】
別の実施形態において、クロック発振器110及びLED140は、光を周期的に遮断する機械的なチョッパー又はシャッターと任意の光源との組み合せであっても構わない。その組み合せは、そのチョッパー又はシャッターが光源からの光を透過する、若しくは遮断する時間を検出する手段もまた提供する。この場合、光センサアレイ120に提供されるクロック信号は、チョッパー/シャッター時間に同期されていればよい。
【0012】
プロセッサ130は、汎用コンピュータのような任意の適当な種類の情報処理システムであればよい。例えば、プロセッサ130は、デスクトップ、ラップトップ、メインフレーム又は他のコンピュータであればよい。代替案として、プロセッサ130は、幾多の自動車の用途、携帯用通信機器等において見出される特別に設計されたプロセシング・チップのような特定用途向けのプロセシング・デバイスであっても構わない。一実施形態においては、プロセッサ130は光センサアレイ120からは物理的に分離されており、光センサアレイ120の様々なノードに蓄積された電圧を示す光センサアレイ120からの信号を受信する。他の実施形態においては、プロセッサは、光センサアレイ120の一つ若しくは複数の光センサと同一のシリコン上に形成された集積デバイスであっても構わない。さらに他の実施形態においては、LED140により発生する光の位相と光センサアレイ120において受信される反射光の位相とを区別するのに必要な処理の一部を実行可能なプロセッサ130の部分が、光センサアレイ120の一部と、若しくは別のプロセッサ、コプロセッサ・チップ等の一部と同一のパッケージに含まれていても構わない。
【0013】
次いで、図2を参照すると、本開示の実施形態による光センサが説明されている。そのような光センサを、一般に、光センサ200と表す。光センサ200は、電荷の蓄積及び読み出しデバイスとして機能する二つの画素セル202及び204を含んでいる。画素セル202はトランジスタ220、240、260及び270を含んでおり、画素セル204はトランジスタ210、230、250及び280を含んでいる。二つの画素セル202及び204は、光検出器290を共有しており、その光検出器は、ブルーミング防止のために分流トランジスタ295に接続されていてもよい。少なくとも一実施形態においては、光センサ200を構成するトランジスタ及び光検出器は、CMOS又はCMOSに適合した技術を使用することにより製造されている。
【0014】
特に、光検出器290の一方は、トランスファ・トランジスタ210のソースに接続されている。トランスファ・トランジスタ210は、同相クロック信号α1又は異なる位相のクロック信号α2(図1)のような制御信号を受信するための制御ゲートを有している。トランスファ・トランジスタ210のドレインは、バッファ・トランジスタ250のゲート及びリセット・トランジスタ230のソースに接続されている。リセット・トランジスタ230及びバッファ・トランジスタ250のドレインは、VDDに接続されている。バッファ・トランジスタ250のソースは、行選択トランジスタ280のドレインに接続されており、その行選択トランジスタ280のドレインは、次に、出力285に接続されている。バッファ・トランジスタ250のゲート、トランスファ・トランジスタ210のドレイン及びリセット・トランジスタ230のソースの電気的連結点におけるフローティング・ノード252は、以後詳細に説明するように、光検出器290により生成される電荷を蓄積するのに使用される。
【0015】
光検出器290の他方は、トランスファ・トランジスタ220のソースに接続されている。トランスファ・トランジスタ220は、同相クロック信号α1又は異なる位相のクロック信号α2(図1)のような制御信号を受信するための制御ゲートを有している。トランスファ・トランジスタ220のドレインは、バッファ・トランジスタ260のゲート及びリセット・トランジスタ240のソースに接続されている。リセット・トランジスタ240及びバッファ・トランジスタ260のドレインは、VDDに接続されている。バッファ・トランジスタ260のソースは、行選択トランジスタ270のドレインに接続されており、その行選択トランジスタ270のドレインは、次に、出力275に接続されている。バッファ・トランジスタ260のゲート、トランスファ・トランジスタ220のドレイン及びリセット・トランジスタ240のソースの電気的連結点におけるフローティング・ノード262は、以後詳細に説明するように、光検出器290により生成される電荷を蓄積するのに使用される。
【0016】
既に説明した接続に加えて、光検出器290は分流トランジスタ295のソースに接続されている。分流トランジスタ295は、VDDに接続されたドレイン、ブルーミング防止をもたらす制御信号を受信するためのゲート296を有している。
【0017】
光センサ200の全体の動作は、画素セル202及び204の動作を個別に検討することにより理解されよう。例えば、画素セル204を検討する。最初、フローティング・ノード252及び光検出器290は、取得サイクルの開始時において、事前に充電される。この充電は、幾多の異なる方法により成されるが、少なくとも一実施形態においては、光検出器290が、蓄積周期の開始時において、完全に消耗されていることを保証するために分流トランジスタ295はオンの状態にされる。分流トランジスタ295がオンの状態にされるのと同時に、リセット・トランジスタ230もオンの状態にされ、フローティング・ノード252の事前充電が成される。光検出器290を消耗するためには分流トランジスタ295をオンの状態にするのに代えて、リセット・トランジスタ230とトランスファ・トランジスタ210とを組み合わせてオンの状態にしても同様の結果は得られる。
【0018】
一旦、フローティング・ノード252の事前充電が成され、かつ光検出器290が完全に消耗されたならば、分流トランジスタ295及びリセット・トランジスタ230はオフの状態にされてもよい。しかしながら、他の実施形態においては、蓄積期間の間、相関ダブルサンプリングを促進するためにリセット・トランジスタ230のオンの状態は維持される。当然のことながら、相関ダブルサンプリングを利用した時は、第一に適当な蓄積ノードから基準電荷が読み出され、光検出器290から電荷が同一の蓄積ノードに移送され、次いで、第二時刻にその蓄積ノードが読み出される。
【0019】
事前充電期間の後、光検出器290は、観測される背景内にある物体からの反射光を受信し、その受信光に応答して電荷を生成し、蓄積期間の間、その電荷は光検出器290に蓄積される。蓄積期間の間、ゲート296に可変制御電圧を供給することにより、分流トランジスタ295は制御され得る。分流トランジスタ295のゲート296に可変制御電圧を供給することにより、光検出器290のダイナミック・レンジは、物体からの反射光が高コントラストの状態で適切に検出されるように拡張される。
【0020】
蓄積段階の最後において、光検出器290が反射光に応答して生成された電荷を蓄積した時、仮に予めリセット・トランジスタ230及びトランスファ・トランジスタ210がオフの状態ではないのならば、それらはオフの状態にされ、事前充電段階の間にフローティング・ノード252に蓄積された電荷は、行選択トランジスタ280を導電又はオンの状態にすることにより、読み出される。事前充電段階の間にフローティング・ノード252に蓄積された電荷は、相関ダブルサンプリングのための基準電圧として機能出来ることを思い起こされたい。
【0021】
フローティング・ノード252からの基準電圧の読み出しの後、行選択トランジスタ280はオフの状態に、トランスファ・トランジスタ210はオンの状態にされ、それによって、光検出器290に蓄積された電荷はフローティング・ノード252に移送可能となる。この時点において、フローティング・ノード252は第一蓄積段階の間に光検出器290により生成された電荷を含んでいる。光検出器290からフローティング・ノード252に電荷が移送された後、行選択トランジスタ280は再びオンの状態にされ、フローティング・ノード252に蓄積された電荷は第二時刻に読み出される。また、仮に相関ダブルサンプリングを要求しない場合は、蓄積段階の間、トランスファ・トランジスタ210はオンの状態に、リセット・トランジスタ230はオフの状態に維持される。トランスファ・トランジスタ210をオンの状態に維持することにより、光検出器290により生成された電荷はフローティング・ノード252に継続的に移送される。当然のことながら、上述の様々なトランジスタを説明した順序とは異なる順序で動作させることにより、相関ダブルサンプリング又は他の同様のサンプリング技術を、本明細書において説明した示唆から逸脱せずに、具体化することは可能である。
【0022】
信号の読み出しの以下の説明において、検知される電圧は、フローティング・ノードの基準(リセット)レベルに対して測定されると仮定されている。画素セル202は、画素セル204について上述した動作と同様の動作を行い、フローティング・ノード262において電荷を蓄積する。画素セル204及び202は協調して、異なる蓄積期間の間、それぞれのフローティング・ノードに電荷を蓄積する。例えば、第一蓄積期間の間に光検出器290により生成された電荷はフローティング・ノード252に蓄積され、一方、第二蓄積期間の間に光検出器290により生成された電荷はフローティング・ノード262に蓄積されることが可能である。第一蓄積期間は透過光と同位相で発生し、第二蓄積期間は透過光とは異なる位相で発生し、フローティング・ノード252及び262において蓄積された電圧は、透過光のパルスと物体からの反射光のパルスとの間の位相差を決定するように処理することが可能である。次いで、当業者はこの位相差を物体までの距離を決定するのに利用することが可能である。フローティング・ノード252及び262に蓄積された電圧に基づいて、透過光のパルスと反射光のパルスとの間の位相差を決定するのに使用可能な方法を以後詳細に説明する。
【0023】
当然のことながら、トランスファ・トランジスタ210及び220における制御信号が180度異なる位相である場合は、第一蓄積期間の間に生成される電荷はフローティング・ノード252に独占的に蓄積され、第二蓄積期間の間に生成される電荷はフローティング・ノード262に独占的に蓄積される。しかしながら、トランジスタ210及び220における制御信号が180度異なる位相ではない実施形態においては、フローティング・ノード252と262との間の蓄積電荷には多少のオーバーラップが発生する。例えば、トランスファ・トランジスタ210又は220の一方における制御信号の位相をその名目上の位相から、90度以下の角度だけずらしてもよく、その時、それらの制御信号は180度異なる位相ではない。フローティング・ノードの間の単一の電圧の関係が一つ以上の位相差を表し得る時に発生するエリアジングの問題を最小にするために、この制御信号の一方の位相のずらしを利用することは可能である。エリアジングを最小化することは、図6及び図7を参照してさらに説明される。
【0024】
フローティング・ノード252及び262に蓄積された電荷量は、行選択トランジスタ280又は270の一方がオンの状態にある読み出し段階の間に判断することが可能である。行選択トランジスタ280をオンの状態にすることによって、出力ポート285における出力はフローティング・ノード252に蓄積された電圧を反映する。同様に、行選択トランジスタ270を作動させることにより、出力ポート275の出力は、フローティング・ノード262に蓄積された電圧を反映する。
【0025】
次いで、図3を参照すると、本開示の一実施形態による光検出器の断面及び関連するウェル図が説明されている。ウェル図340及び350は光検出器300の断面に対応する様々な点における電位の一例を表す。図3の図では、ピンフォトダイオードとして光検出器300は表されている。しかしながら、本明細書において提示される開示を、ピンフォトダイオードの使用に制限するべきではなく、他の適当な光検出器も本明細書に説明される示唆と矛盾せずに利用することは可能であることは当然であろう。例えば、本開示の様々な実施形態において、標準的なフォトダイオード、フォトゲート又はCMOS技術に適合する他の適当な感光性部品を利用しても構わない。
【0026】
光検出器300は、トランスファ・ゲート370及び380、ドープされていない、若しくは少量ドープされたPウェル330、及びP基板315上に形成された多量にドープされたNウェル310を含んでいる。トランスファ・ゲート370及び380は、トランスファ・トランジスタ210及び220(図2)の一つの具体化である。距離を測るべき物体により反射された受信光320がピンフォトダイオード300に突き当たると、光検出器300は電荷を生成し、蓄積する。光検出器300により蓄積された電荷は、トランスファ・ゲート370及び380に制御電圧を印加することにより、蓄積ノード、例えば蓄積ノード352又は362に移送される。
【0027】
光検出器300以下に表すウェル図340及び350は、トランスファ・ゲート370及び380に印加された特定の制御電圧に基づいた電荷360の流れを示している。トランスファ・ゲート370がオンの状態であり、かつトランスファ・ゲート380がオフの状態である場合、ウェル図340は、電荷360は光検出器300から蓄積ノード362には流れるが、蓄積ノード352に流れることは防止されていることを表している。逆に、トランスファ・ゲート380がオンの状態であり、かつトランスファ・ゲート370がオフの状態である場合、ウェル図350に表すように、電荷360は蓄積ノード352に流れる。この例は、単一の光検出器300を使用することにより、入射光から電荷を生成し、その電荷を制御信号のタイミングに依存して二つの異なるノードのうちの一方に蓄積する一つの方法を表している。例えば、ピンフォトダイオードのような特定の種類の光検出器においては、トランスファ・トランジスタ210及び220(図2)は必要ではないことは当然のことであろう。
【0028】
次いで、図4を参照すると、本開示による光センサの別の実施形態が説明されている。そのような光検出器を、一般に、デュアルセンサ400と表す。点線により示されているように、デュアルセンサ400は、第一光センサ420及び第二光センサ410を含んでいる。
【0029】
第一光センサ420は、リセット信号RG1に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及びフローティング・ノード454に接続された電流電極を有するリセット・トランジスタ404を含んでいる。第一光センサ420はまた、フローティング・ノード454に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及び出力トランジスタ408の電流電極に接続された電流電極を有するバッファ・トランジスタ406を含んでいる。出力トランジスタ408は出力462に接続された別の電流電極も有している。第一光センサ420はまた、トランスファ制御信号TG1に接続された制御ノード、フローティング・ノード454に接続された電流電極、及び光検出器470の電荷ウェルに接続された電流電極を有するトランスファ・トランジスタ402を含んでいる。
【0030】
第一光センサ420はさらに、リセット信号RGに接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及びフローティング・ノード456に接続された電流電極を有するリセット・トランジスタ412を含んでいる。第一光センサ420はまた、フローティング・ノード456に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及び出力トランジスタ416の電流電極に接続された電流電極を有するバッファ・トランジスタ414を含んでいる。出力トランジスタ416は出力466に接続された別の電流電極も有している。第一光センサ420はまた、トランスファ制御信号TGに接続された制御ノード、フローティング・ノード456に接続された電流電極、及び光検出器470の電荷ウェルに接続された電流電極を有するトランスファ・トランジスタ418を含んでいる。第一光センサ420はまた、VDDに接続された電流電極、光検出器470の電荷ウェルに接続された電流電極、及び分流制御信号SCに接続された制御ノードを有する分流トランジスタ472を含んでいる。
【0031】
第二光センサ410は、リセット信号RG1に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及びフローティング・ノード452に接続された電流電極を有するリセット・トランジスタ438を含んでいる。第二光センサ410はまた、フローティング・ノード452に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及び出力トランジスタ432の電流電極に接続された電流電極を有するバッファ・トランジスタ434を含んでいる。出力トランジスタ432は出力464に接続された別の電流電極も有している。第二光センサ410はまた、トランスファ制御信号TG1に接続された制御ノード、フローティング・ノード452に接続された電流電極、及び光検出器470の電荷ウェルに接続された電流電極を有するトランスファ・トランジスタ436を含んでいる。
【0032】
第二光センサ410はさらに、リセット信号RGに接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及びフローティング・ノード458に接続された電流電極を有するリセット・トランジスタ426を含んでいる。第二光センサ410はまた、フローティング・ノード458に接続された制御ノード、電源VDDに接続された電流電極、及び出力トランジスタ422の電流電極に接続された電流電極を有するバッファ・トランジスタ424を含んでいる。出力トランジスタ422は出力468に接続された別の電流電極も有している。第二光センサ410はまた、トランスファ制御信号TG2に接続された制御ノード、フローティング・ノード458に接続された電流電極、及び光検出器470の電荷ウェルに接続された電流電極を有するトランスファ・トランジスタ428を含んでいる。
【0033】
第一光センサ420は、図2において説明した光センサ200と完全に同一の動作を行う。第二光センサ410は、第二光センサ410が分流トランジスタを含まないことを除いて、光センサ200と同一の動作を行うが、これは、特定の光検出器のブルーミング防止を提供するためには単一の分流トランジスタのみが必要であるためである。第一光センサ420に関してであっても分流トランジスタは任意の部品であり、本来、画素セルの読み出しの間のブルーミングを防止するために備えられていることに注意されたい。第一光センサ420及び第二光センサ410は、図6を参照しながら以後説明するように、エリアジングの効果を最小にするために協調して動作してもよい。
【0034】
光センサ200(図2)及び光センサ400はどちらも、物体を照射するのに使用された光とその物体から反射された光との間の位相差を決定するために使用可能である。デュアルセンサ400の動作と光センサ200(図2)の動作との間の主な違いは、光センサ200(図2)は電荷を蓄積するのに二つの交互の蓄積期間を使用するが、デュアルセンサ400は電荷を蓄積するのに四つの蓄積期間を使用することにある。
【0035】
次いで、図2を踏まえて図5を参照すると、本開示の実施形態による光センサ200の動作を示すタイミング図が説明されている。物体までの距離を測定する際に、パルス状の光が光源から透過され、反射されて光検出器に戻ってきていることを思い起こされたい。透過光のパルスは曲線510により表され、反射光のパルスは曲線520により表されている。透過光のパルスの位相と反射光のパルスの位相との間の差はΔφにより表されている。
【0036】
トランスファ・トランジスタ210は信号530により制御されているが、トランスファ・トランジスタ220は、信号540により制御されている。信号530は透過光の曲線510と同相であるが、制御信号540は透過光の曲線510と180度異なる位相であることに注意されたい。他の実施形態においては、制御信号530及び540が正確に180度異なる位相ではないように曲線530又は540に位相のずれを導入しても構わない。フローティング・ノード252及び262における電圧は、曲線560及び570によりそれぞれ表される。
【0037】
リセット期間(図5のx軸におけるRP)の間、信号550により、リセット・トランジスタ230及び240はオン状態にされ、それにより、フローティング・ノード252及び262の事前充電が成される。リセット期間が終了すると、信号530及び540により、交互の蓄積期間の間に、トランスファ・ゲート210及び220はオン及びオフの状態にされ、フローティング・ノード252及び262へ対応する電荷の流れがもたらされる。第一蓄積期間(図5のx軸におけるI1)の間では、信号530により、トランスファ・トランジスタ210はオンの状態にされており、光検出器290により生成された電荷はフローティング・ノード252に移送され、それによって、曲線560により表されるフローティング・ノード252の電圧はより低下する。
【0038】
第二蓄積期間(図5のx軸におけるI2)の間では、フローティング・ノード252における電荷は不変であるが、曲線570により表されるフローティング262に蓄積された電圧は減少する。これは、トランスファ・トランジスタ220がオンの状態にされ、それによって、電荷が光検出器290からフローティング・ノード262に移送可能になるためである。このトランスファ・トランジスタ210及び220の交互の作動は、所望の回数のクロックサイクルの間、継続する。10クロックサイクルが例示されているが、それ以上、若しくはそれ以下のクロックサイクルが所望通りに利用されても構わないことに注意されたい。また、トランスファ・トランジスタ210がオンの状態にある時の期間に光検出器290により生成される電荷量は、トランスファ・トランジスタ220がオンの状態にある時の期間に光検出器290により生成される電荷量よりも多いことにも注意されたい。これは、トランスファ・トランジスタ210が透過光のパルス510と同相でオンの状態である時は、異なる位相でオンの状態である時に比べ、各光のパルスの大部分が光検出器290に突き当たるためである。
【0039】
最後の蓄積期間、例示の実施形態においては蓄積段階10が終了すると、行選択トランジスタ270及び280が導電状態にされ、読み出し期間590の間に、光センサ200を構成する二つの画素セルが読み出される。読み出し期間590の後、リセット・トランジスタ230及び240が作動し、再びサイクルが開始される。
【0040】
フローティング・ノード252及び262(図2)に蓄積された二つの異なる電圧は、以下の公式によって、位相差に変換することが可能である。
0<Δφ<πの場合、
Δφ=π/2(1−(VFD1−VFD2)/(VFD1+VFD2)),
π<Δφ<2πの場合、
Δφ=π/2(3−(VFD1−VFD2)/(VFD1+VFD2)),
ここで、Δφはパルス状の照射源と反射光のパルスとの間のラジアンを単位とした位相差であり、
FD1は、「同相の」蓄積ノードにおける(リセット状態を基準とする)電圧の大きさであり、
FD2は、他の蓄積ノードにおける(リセット状態を基準とする)電圧の大きさである。
【0041】
以下の公式もまた利用可能である。
0<Δφ<πの場合、
Δφ=π/2(1−(VOUT1−VOUT2)/(VOUT1+VOUT2)),
π<Δφ<2πの場合、
Δφ=π/2(3−(VOUT1−VOUT2)/(VOUT1+VOUT2)),
ここで、Δφはパルス状の照射源と反射光のパルスとの間のラジアンを単位とした位相差であり、
OUT1は、光センサ200の「同相の」出力における(リセットレベルを基準とする)電圧の大きさであり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数である。
OUT2は、光センサ200の他の出力における(リセットレベルを基準とする)電圧の大きさであり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数である。
【0042】
また、仮にデュアルセンサ400(図4)のようなデュアルセンサが使用される場合は、デュアルセンサ400の出力は、以下の公式によって、位相差に変換することが可能である。
Δφ=Arctan[(VOUT2−VOUT4)/(VOUT1−VOUT3)],
ここで、Δφはパルス状の照射源と反射光のパルスとの間のラジアンを単位とした位相差であり、
OUT1は、光センサ400の第一出力における電圧であり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数である、
OUT2は、光センサ400の第二出力における電圧であり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数であり、
OUT3は、光センサ400の第三出力における電圧であり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数であり、
OUT4は、光センサ400の第四出力における電圧であり、その出力は対応する蓄積ノードの電圧の関数である。
【0043】
次いで、この位相差を、公式D=ΔφcT÷4πにより、物体までの距離を決定するのに利用することが可能である。ここで、Dは距離、Δφは物体を照射するのに使用された光と物体から反射された光との間の位相差であり、cは光速であり、かつTはLEDを駆動するための一クロックサイクルの周期(図5に示す)である。
【0044】
次いで、図2を踏まえて図6を参照すると、本開示の実施形態によったエリアジングの防止方法が説明されている。本開示の観点では、フローティング・ノード252及び262(図2)における電圧値の単一のセットが一つ以上の位相のずれの値をもたらし得る時に、エリアジングは発生する。例えば、曲線620を検討する。図6に示すグラフのx軸は、物体を照射するのに使用される透過光のパルスと反射光のパルスとの間の位相差であり、y軸は正規化された電圧である。この例の目的のため、フローティング・ノード252とフローティング・ノード262との間の正規化された電位差はゼロであると仮定されている。図6を検討すると、曲線620は、π/2,3π/2,5π/2等においてゼロの値を有することは明らかであろう。これらの複数の可能な「エリアジング」により、さらなる情報を有せずに実際の位相のずれを決定することは不可能である。
【0045】
0から2πの間におけるエリアジングを排除するために必要な追加の情報は曲線610により提供される。曲線620は、トランスファ・トランジスタの制御信号が180度異なる位相である場合における透過光のパルスと反射光のパルスとの間の位相差をプロットしたものであるが、点線による曲線610は、その制御信号が正確に180度異なる位相ではない場合における透過光のパルスと反射光のパルスとの間の位相差をプロットしたものである。曲線610の場合、制御信号の一方は透過光のパルスと同相であるが、他方の制御信号は、Δφ1により表される量だけずれている。ここで、Δφ1には0からπの間の全てが含まれる。曲線610及び620の両方を用いることにより、0から2πの間におけるエリアジングに伴う問題を排除することが可能となる。
【0046】
次いで、使用時において、仮に180度異なる位相である制御信号を利用することにより、二つの蓄積段階の間において、フローティング・ノード252及び262に電荷が蓄積される場合、その結果は、曲線620が生成される。仮に正確に180度異なる位相ではない制御信号を利用することにより、継続的な二つの蓄積段階の間において、フローティング・ノード252及び262に電荷が蓄積される場合、その結果は、曲線610が生成され得る。その時、その二つの曲線を、透過光のパルスと反射光のパルスとの間の位相のずれを一意的に決定するのに使用することが可能である。
【0047】
例えば、仮に最初の二つの蓄積段階の間におけるフローティング・ノード252と262との間の正規化された電位差がゼロであるならば、その場合は、曲線620を用いることにより、π/2又は3π/2のいずれかの角度が示唆される。仮に二つの継続的な蓄積段階の間に、フローティング・ノード252と262との間の正規化された電位差が0.5であるならば、その場合は、曲線610を曲線620と併せて使用することにより、真の位相差はπ/2であると判断することが可能である。仮にフローティング・ノード252と262との間の正規化された電位差が−0.5であったならば、その場合は、真の位相差は3π/2である。このように、曲線620と610との間の差を、0から2πの範囲における位相差をエリアジングの影響を受けずに一意的に識別するために、利用することが可能である。同様のテクニックを使用することにより、追加の曲線を生成することは可能であり、それゆえ、本明細書において説明した示唆の技術思想及び範囲を逸脱することなく、エリアジングが防止される範囲は2πを超えて拡張可能であることは当然であろう。
【0048】
次いで、図2及び図5を踏まえて図7を参照すると、本開示の実施形態による第二のエリアジングの防止方法が説明されている。本開示の観点では、フローティング・ノード252及び262(図2)における電圧値の単一のセットが一つ以上の位相のずれの値をもたらし得る時に、エリアジングは発生する。例えば、図7のグラフ710及び760を検討する。図7に示すグラフ710のx軸は時間であり、一方、垂直軸は透過及び反射光のパルスの光の信号を表している。
【0049】
その光の信号は、二つの異なるパルス周波数に対して表されている。グラフ710の上半分では、透過光信号720及び反射光信号730が、位相検出サイクルの第一の部分において、周期T1及び生じる位相のずれΔφ1を有する変調信号として表されている。グラフ710の下半分では、透過光信号740及び反射光信号750が、位相検出サイクルの第二部分の間において、周期T2及び生じるの位相のずれはΔφ2を有する変調信号として表されている。その例示の実施形態において、透過光信号740の周期T2は透過光信号720の周期T1よりも長い。
【0050】
距離の関数としての検出される位相のずれは、グラフ760に示されているように、変調信号の周期がより長い場合はより小さなものとなる。透過光信号720及び反射光信号730に対して検出される位相のずれΔφ1は、曲線770により距離の関数として表されている。透過光信号740及び反射光信号750に対して検出される位相のずれΔφ2は、曲線780により距離の関数として表されている。位相のずれΔφ1は、位相のずれΔφ2の場合に比べ、反射物体までの距離とともに急速に増加する。
【0051】
この光の変調周波数を変化させることによる位相のずれの変化を、検出される位相のずれの信号のエリアジングを排除するために使用することは可能である。例えば、異なる周波数に対して異なる位相のずれが検出されるように、継続的なフレームの間において異なる変調周波数を用いることによって、光の変調システムの周波数は、位相検出サイクルの異なる部分の間において変化させ得るものである。周波数の変化に伴う位相のずれの変化により、エリアジングの検出が可能であり、正しい位相のずれを決定することが可能になる。図7に関連して説明した実施形態に追加して、さらに位相検出サイクルの異なる部分の間に異なる周波数を印加することを含めることが可能であることは当然のことであろう。
【0052】
次いで、要約すると、CMOS技術により構成された光検出器をCMOS画素セルと組み合わせて使用することにより、物体までの距離の測定に使用するための光センサを構成することが可能である。クロック信号が第一画素セルの一つのトランスファ・トランジスタに対して使用され、それによって、その第一画素セルに第一蓄積期間の間に生成された電荷が蓄積され、基準信号に対して180度異なる位相である第二クロック信号が第二画素セルの一つのトランスファ・トランジスタに対して印加され、それによって、その第二画素セルに第二蓄積段階の間に光検出器によって生成された電荷が蓄積される。それらの画素セルのフローティング・ノードに蓄積された電荷は読み出され、物体を照射する光と物体から反射された光との間の位相差を決定するために使用される。この位相差は、次いで、その物体までの距離を決定するのに使用される。蓄積及び読み出しの両方の間における光検出器のブルーミングを防止するために、分流トランジスタが備えられていても、若しくは備えられていなくても構わない。
【0053】
上述の図の詳細な説明において、添付図面が参照された。その図面は、本開示を実行し得る例示の特定の実施形態により表されており、その一部を形成している。これらの実施形態は、当業者が本開示を実行し得るように十分詳細に説明されているが、他の実施形態も利用し得るものであり、本開示の技術思想又は範囲から逸脱することなく、論理的、機械的、化学的並びに電気的変更を成し得るものであることは理解されよう。例えば、上記の説明では、主にnチャンネルCMOSトランジスタを使用する場合に焦点を当てたが、基準電圧、ウェルタイプ及び極性、並びに出力信号の解釈の適切な改良によりpチャンネルCMOSトランジスタの利用も可能である。MOSトランジスタ、及び他の適当なトランジスタのタイプを利用することも可能である。加えて、上記の特定の実施形態では特定のタイプの光センサが説明されたが、ピンフォトダイオード、フォトダイオード、フォトゲート等のような様々な光センサが全て、本開示を実施する際における適切な状況下で利用可能である。上記の特定の例において、分流トランジスタの電圧は時間とともに変化し得るものであり、それによって、光センサのブルーミングを防止するために、かつ/若しくは、画素セルの拡大されたダイナミックレンジを提供するために、光センサにより生成された過剰電荷は分流されることも説明された。
【0054】
さらに、本開示の示唆を組み入れた数多くの他の変形形態が、当業者により容易に構成され得る。例えば、上述の実施形態では、行及び列を選択してアクセスする構成を利用する出力を表されている。光センサ内の画素セルにより蓄積された電荷を読み出すのに、他の適当なアクセス構成も、本開示の技術思想及び範囲から逸脱せずに、利用可能である。当業者が本発明を実行する際に不要な詳細を避けるため、上記説明においては、当業者にとって周知の特定の情報は省略してある。従って、本開示が、本明細書において説明された特定の形態に制限されることは意図されない。逆に、そのような代替、改良及び均等物使用は、本発明の技術思想及び範囲に合理的に含まれ、本開示の対象とみなされるものと意図される。それゆえ、上述の詳細な説明を制限の意味で捉えるべきではなく、本開示の範囲は添付請求項によってのみ確定される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本開示の実施形態による位置測定デバイスの動作を示す図。
【図2】本開示の一実施形態による光センサの結合回路及びブロック図。
【図3】本開示の一実施形態によるピンフォトダイオードの断面図及び対応するウェル図。
【図4】本開示の別の実施形態による光センサの結合回路及びブロック図。
【図5】本開示の実施形態による図2において表された光センサの動作を示すタイミング図。
【図6】本開示の実施形態による、トランスファ・ゲート信号のタイミングをずらすことによってエリアジングを回避する方法を示すグラフ。
【図7】本開示の実施形態による、トランスファ・ゲート信号の周波数を変化させることによってエリアジングを削減する方法を示す一連のタイミング図及び関連する相図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
入射光に応答して電荷を生成するCMOSに適合した光検出器と、
前記光検出器により生成された電荷を蓄積するための複数の蓄積ノードと、
前記光検出器から前記複数の蓄積ノードに電荷を伝送するための複数の制御トランジスタと、
を備える回路。
【請求項2】
距離測定デバイスであって、
光源と、
前記光源に接続されたクロック発振器と、
光センサであって、
入射光に応答して電荷を生成するCMOSに適合した光検出器と、
前記光検出器により生成された電荷を蓄積するための複数の蓄積ノードと、
前記蓄積ノードを前記光検出器の出力に接続するための複数の出力トランジスタと、
前記光検出器を前記蓄積ノードに選択的に接続するための複数の制御トランジスタとを含む光センサと、
を備える距離測定デバイス。
【請求項3】
方法であって、
基準クロックを生成すること、
前記基準クロックに同期したパルスを光源から発生させること、
前記パルス状の光を背景に照射すること、
CMOS光センサを用いることにより、前記背景内にある物体により反射された光を所定期間にわたって受信することであって、
光検出器により生成された電荷が第一蓄積ノードに蓄積されるように、前記所定期間の第一部分の間、第一ゲートに前記基準クロックと同相のクロックを印加すること、
前記光検出器により生成された電荷が第二蓄積ノードに蓄積されるように、前記所定期間の第二部分の間、第二ゲートに前記基準クロックと異なる位相のクロックを印加すること、
前記第一蓄積ノードに蓄積された電荷量及び前記第二蓄積ノードに蓄積された電荷量に基づいて、物体までの距離を決定することを含む物体により反射された光を所定期間にわたって受信すること、
を備える方法。
【請求項4】
方法であって、
位相検出サイクルの第一部分の間では第一周波数を有し、かつ前記位相検出サイクルの第二部分の間では前記第一周波数とは異なる第二周波数を有する基準クロックを生成すること、
前記位相検出サイクルの前記第一部分の間に、前記基準クロックと同期したパルスを光源から発生させること、
前記パルス状の光を背景に照射すること、
CMOS光センサを用いることにより、前記背景内にある物体により反射された光を第一所定期間にわたって受信することであって、
光検出器により生成された電荷が第一蓄積ノードに蓄積されるように、前記第一所定期間の第一部分の間、第一ゲートに前記基準クロックと同相のクロックを印加すること、
前記光検出器により生成された電荷が第二蓄積ノードに蓄積されるように、前記第一所定期間の第二部分の間、第二ゲートに前記基準クロックと異なる位相のクロックを印加すること、
前記第一蓄積ノードに蓄積された電荷量及び前記第二蓄積ノードに蓄積された電荷量に基づいて、第一位相差を決定することを含む物体により反射された光を第一所定期間にわたって受信すること、
前記位相検出サイクルの前記第二部分の間に、前記基準クロックと同期したパルスを光源から発生させること、
前記パルス状の光を背景に照射すること、
CMOS光センサを用いることにより、前記背景内にある物体により反射された光を第二所定期間にわたって受信することであって、
光検出器により生成された電荷が前記第一蓄積ノードに蓄積されるように、前記第二所定期間の第一部分の間、前記第一ゲートに前記基準クロックと同相のクロックを印加すること、
前記光検出器により生成された電荷が前記第二蓄積ノードに蓄積されるように、前記第二所定期間の第二部分の間、第二ゲートに前記基準クロックと異なる位相のクロックを印加すること、
前記第一蓄積ノードに蓄積された電荷量及び前記第二蓄積ノードに蓄積された電荷量に基づいて、第二位相差を決定すること、
前記第一位相差及び前記第二位相差に基づいて前記物体までの距離を決定することを含む物体により反射された光を第二所定期間にわたって受信すること、
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−516324(P2006−516324A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524585(P2004−524585)
【出願日】平成15年7月11日(2003.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/021674
【国際公開番号】WO2004/012269
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】