説明

界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物および界面活性剤フリーの皮膚化粧料

【課題】 乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物および、この皮膚用乳化組成物よりなる、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 この皮膚用乳化組成物は、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水を含有し、1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下の物質を実質的に含有しない。または、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質を含有し、これらの成分の合計濃度が99.5重量%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用医薬、皮膚化粧料を含む皮膚外用剤などに乳化剤として一般的に適用される界面活性剤を含有せず、かつ、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物およびその皮膚用乳化組成物からなる皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、敏感肌の人が多くなってきていることが注目されており、その原因としては、気候による低温や乾燥等の刺激、物理的刺激、化学的刺激等の外的な刺激や、ストレス、食生活等による内的な要因が考えられる。
【0003】
敏感肌に対応する皮膚外用剤を造るには、皮膚安全性の高い原料(油分、保湿剤、乳化剤、防腐剤、薬剤、香料、着色剤、pH緩衝剤、その他)の選択が必要となるが、特に重要なのは乳化安定性を保つために用いる乳化剤の選択にある。
【0004】
乳化剤としては、これまで一般的に、イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤および高分子界面活性剤が使用されてきた。
【0005】
一般に、イオン性界面活性剤や両性界面活性剤は皮膚安全性が低い。また、非イオン界面活性剤の方がイオン性界面活性剤や両性界面活性剤に比較して皮膚安全性が高いことは知られているが、非イオン界面活性剤でも分子量や分子構造によって皮膚安全性が大きく左右されることも周知の事実である。
【0006】
非イオン界面活性剤の中で特に皮膚安全性の高いものは、疎水基として、炭素数が14以上の枝分かれしていてもよいアルキル基を有する、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、シュガーエステル等の誘導体や、親水基として、一分子中のオキシエチレン繰り返し単位が20個以上のPOE(ポリオキシエチレン)のアルキル誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、フィトステロール、コレステロール誘導体等が挙げられるが、界面活性剤である以上、皮膚への刺激性を完全に抑えることは不可能である。
【0007】
いわゆる界面活性剤を使用しない製剤化技術としては、水溶性高分子と粘土鉱物を併用して乳化剤としたW/O(water−in−oil)型の皮膚化粧料の開発(例えば特許文献1,2参照。)も行われているが、W/O型という特性に起因して、閉塞性は大きいが、どうしても油っぽさを感じさせるため、使用性的にはあまり好まれていない。
【0008】
高分子界面活性剤としては、たとえば、カルボキシビニルポリマー(たとえば、和興純薬社製、ハイビスワコー105)を乳化剤としたものや、アクリル酸−メタアクリル酸アルキル共重合体を乳化剤としたPEMULEN乳化法(たとえば特許文献3参照。)による皮膚化粧料の開発も行われているが、塗布時に乳化粒子がすぐ破壊してしまうために使用感的には物足りなさを感じることなどがある。
【0009】
また、界面活性剤としての機能を有する動物性・植物性の脂質を用いた脂肪乳剤や皮膚化粧料の開発(たとえば特許文献4参照。)も行われているが経時による変臭、変色、防黴的な問題があり、満足すべき製品の開発が行われていない状況である。
【特許文献1】特開平11−188253号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2002−253949号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平09−255529号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2001−151624号公報(特許請求の範囲)
【非特許文献1】冊子「グリチルリチン酸ジカリウム」,丸善製薬株式会社,1994年3月作成
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題を解決して、界面活性剤を含有せず、かつ、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物およびその皮膚用乳化組成物からなる、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水を含有し、1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下の物質を実質的に含有しない界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物が提供される。
【0012】
本発明の他の一態様によれば、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質を含有する皮膚用乳化組成物であって、皮膚用乳化組成物中における油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて存在する、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質の合計濃度が99.5重量%以上である、界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物が提供される。
【0013】
これらの発明態様により、いわゆる界面活性剤を含有せず、かつ、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物を実現できる。
【0014】
いずれの態様においても、乳化粒子の平均粒径が0.1〜2.5μmの範囲内にあること、グリチルリチン酸塩をグリチルリチン酸として0.01〜3.0重量%含有すること、グリチルリチン酸塩が、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、塩基性アミノ酸塩およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものであることが好ましい。
【0015】
本発明の他の一態様によれば、上記の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物よりなる界面活性剤フリーの皮膚化粧料が提供される。
【0016】
本発明態様により、いわゆる界面活性剤を含有せず、かつ、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚外用剤を実現できる。
【0017】
このような界面活性剤フリーの皮膚化粧料は敏感肌用として好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、いわゆる界面活性剤を含有せず、かつ、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物およびその皮膚用乳化組成物からなる、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態を図、表、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0020】
検討の結果、グリチルリチン酸塩を使用すれば、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤としての使用に適した、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物を形成できることが見出された。
【0021】
グリチルリチン酸塩は、抗炎症作用、抗アレルギー作用があることから、主に薬剤として、皮膚化粧料を含む皮膚外用剤に配合されている(たとえば非特許文献1参照。)。このグリチルリチン酸塩にも若干の界面活性能があることは知られている(たとえば非特許文献1参照。)が、グリチルリチン酸ジカリウムのCMC(臨界ミセル濃度)の溶液である0.72重量%水溶液における表面張力は556μN/cmと大きく、一般的に界面活性剤として認められる水準にはない。このような事情から、グリチルリチン酸塩のみを乳化剤として使用したエマルジョンの研究はされておらず、皮膚化粧料等の皮膚外用剤としての使用に適した皮膚用乳化組成物が得られることは予想外の結果であった。
【0022】
本発明に係る皮膚用乳化組成物は、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水を含有し、1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下の物質を実質的に含有しない界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物であり、界面活性剤に代えて、通常薬剤として用いられているグリチルリチン酸塩を乳化剤として用いるので皮膚への刺激性が少なく、抗炎症作用、抗アレルギー作用を有することから敏感肌の人でも安心して使用することができる。
【0023】
本発明で乳化剤として用いるグリチルリチン酸塩は、その構造から、機能的にはイオン性界面活性剤に似た働きを持つと考えられ、本発明に係る、油分、保湿剤および水と共存する環境では、均一性のよい乳化粒子を持ったエマルジョンを造りさえすれば、その乳化安定性は極めて良好である。
【0024】
また、水溶性高分子等に属する高分子界面活性剤を用いたエマルジョンに比較して、本発明に係る皮膚用乳化組成物は皮膚上に塗布しても乳化粒子の破壊が直ぐに起こらないので、ものたりなさや高分子特有のぬめり感がないことから従来の皮膚化粧料の使用性と変わりなく良好である。
【0025】
このようにして得られた皮膚用乳化組成物は、クリーム類、乳液類、エッセンス類、化粧水類、パック類、軟膏等の最終製品の形態で、皮膚化粧料等の皮膚外用剤として使用することができる。
【0026】
本発明に係る皮膚用乳化組成物に関し、1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下の物質には、イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子界面活性剤が含まれる。
【0027】
イオン性界面活性剤のうちのアニオン界面活性剤としては、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、POEトリデシルエーテル酢酸ナトリウム、高級脂肪酸ナトリウム、高級脂肪酸カリウムを挙げることができる。
【0028】
イオン性界面活性剤のうちのカチオン界面活性剤としては、POEステアリン酸アミド、POEステアリルプロピレンジアミン、塩化セチルトリメチルアンモニウムを挙げることができる。
【0029】
両性界面活性剤としては、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを挙げることができる。
【0030】
非イオン界面活性剤としては、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE−POP(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルを挙げることができる。
【0031】
高分子界面活性剤としては、アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体を挙げることができる。
【0032】
上記のような界面活性剤のうち、1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下のものは、本発明に係る皮膚用乳化組成物には実質的に存在しない。実質的に存在しないとは、下限が0.1重量%の測定機器で測定できない程度のことを意味する。ここで、「1重量%水溶液における表面張力」は円環法に従って測定することができる。
【0033】
なお、上記は、いわゆる界面活性剤を使用しない皮膚用乳化組成物の観点から説明したものであるが、単に、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水を含有する皮膚用乳化組成物という観点から見た場合には、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質を含有する皮膚用乳化組成物であって、皮膚用乳化組成物中における油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて存在する、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質の合計濃度が99.5重量%以上である皮膚用乳化組成物でも、乳化安定性、皮膚安全性、使用性に優れた皮膚用乳化組成物として役立つことが判明した。この場合には、いわゆる界面活性剤を最大0.5重量%まで含有させることができるが、皮膚安全性、使用性の点からは、その含有量が少ない方が一般的には好ましい。具体的には、合計濃度が99.7重量%以上であることがより好ましい。なお、本発明において「界面活性剤フリー」には、このような界面活性剤が微少量存在する場合も含まれており、界面活性剤を全く含まないものであることを、必ずしも意味するものではない。
【0034】
本発明に係る皮膚用乳化組成物に用いることのできるグリチルリチン酸塩は、甘草から得られる配糖体であるグリチルリチン酸をいろいろな塩基で中和して得られるものであるが、カルボキシ基が三つあることからトリ塩まで造ることは可能である。モノ、ジ塩が乳化の点で好ましい。対イオンの種類によって乳化性は若干異なるが、乳化安定性はほとんど変わらない。
【0035】
グリチルリチン酸塩としては、入手の容易さから、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、塩基性アミノ酸塩およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものが好ましい。一つの分子に複数種の塩基が含まれていてもよい。図1にグリチルリチン酸ジカリウムの一構造例を示す。なお、本発明に係るグリチルリチン酸塩中には塩になっていないグリチルリチン酸が含まれていてもよい。
【0036】
本発明に係る皮膚用乳化組成物に用いることのできる油分としては特に制限はなく、皮膚外用医薬、皮膚化粧料を含む皮膚外用剤に用いることもできる全ての油分から適宜選択することができる。複数の油分を使用してもよい。
【0037】
皮膚安全性のよい油分としては、シリコーン油(信越化学工業社製の商品名シリコーンDC246、シリコーンKF56等)、スクワラン、中高粘度流動パラフィン、合成流動パラフィン(日光ケミカルズ(株)社製商品名NIKKOLシンセラン4)、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、精製オリーブ油、ヘーゼルナッツ油、アボガト油等の植物油、テトラ(2−エチルヘキサン酸)ペンタエリスリトール、トリ(2−エチルヘキサン酸)トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等の合成エステル油等を例示することができる。
【0038】
なお、本発明に係る油分の流動性としては、混合、分散の安定性から、50℃において液状であることが好ましいが、流動性の大きい油分だけを組み合わせるよりも、精製ワセリン(たとえば、日興リカ社製、ワセリンP−200)、高級脂肪酸、高級アルコール等(たとえば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)の半固形、固形の油分(すなわち、脂)を、油相全体の相溶性を考慮して混合配合した方が使用性上は一般的に良好である。
【0039】
なお、スキンローションタイプのように低粘度の皮膚化粧料に使用する場合には、乳化粒子の浮き上がりを防止する意味から、比重の大きい油分が好ましい。たとえば、シリコーンKF56(信越化学工業社製、25℃の比重は0.990〜1.005)、テトラ(2−エチルヘキサン酸)ペンタエリスリトール(日光ケミカル社製、30℃の比重は0.955〜0.965)を例示することができる。
【0040】
本発明に用いる保湿剤は、次に挙げる一種または二種以上の保湿剤を組み合わせて使用してよい。
【0041】
保湿剤としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、低重合度ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール−300、ポリエチレングリコール−400、ポリエチレングリコール−600)、グリコシドトレハロース(たとえば林原社製、商品名トルナーレ)、オリゴ糖、マルチトール(たとえば林原社製、商品名マビット)、ポリエチレンメチルグリコシド(たとえば日本油脂社製、商品名マクビオブライド)等を例示できる。
【0042】
さらに、本発明の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物は、必要に応じて着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノール、有機系増粘剤、薬剤等を、本発明の趣旨に反しない範囲内で適宜配合することができる。
【0043】
エタノールは、比重調整、清涼感付与、防腐効果付与のために添加する。有機系増粘剤は乳化粒子の浮き上がりを防止できるので乳液等に好適に使用できる。薬剤は、本発明に係る皮膚用乳化組成物を、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤として使用する場合に、その具体的目的に応じて使用される。更に、粘度低下防止の目的で、キレート化剤または金属封止剤であるヘキサメタリン酸ナトリウムを添加することもできる。
【0044】
このようにして、たとえば、クリーム類、乳液類、エッセンス類、化粧水類、パック類、軟膏等の最終製品を適宜作製することができる。
【0045】
着色剤としては、ベニバナ黄、ベニバナ赤、メチルヘスペリジン、シアノコバラミン、β−カロチン、カロット油、オバクエキス(オオバク抽出液)を、防腐剤としてはフェノキシエタノール、グリセリン脂肪酸エステルの混合物(たとえば商品名ニコガードDL(日光ケミカル(株)社製))を、酸化防止剤としてはトコフェロール、ビタミンC、L−システィンを、紫外線防御剤としては、日光ケミカル(株)社製の微粒子酸化亜鉛(商品名Z−COTE)、シリカ被覆酸化チタン(商品名マックスライトTS−04)、シリカ被覆酸化亜鉛(商品名マックスライトZS−032)を、薬剤としてはビタミンE(酢酸トコフェロール、ビタミンEアセテート)、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリン、アラントインを、有機系増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム(たとえば、大日本製薬社製、商品名ケルトロール)、ポリビニルアルコール、高重合度ポリエチレングリコール(分子量2000以上)、ポリアスパラギン酸ポリマー、アテロコラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩(たとえばナトリウム塩)を、粘土鉱物としてはベントナイト(商品名クニピアG−4、クニミネ工業社製),コロイダルケイ酸アルミニウムマグネシウム(商品名ビーガムHV、バンダービルト社製)を、pH緩衝剤としては、クエン酸/クエン酸三ナトリウム、乳酸/乳酸ナトリウム、塩基性アミノ酸(例えばl-アルギニン)等を挙げることができる。
【0046】
本発明に係る皮膚用乳化組成物の組成に関しては、グリチルリチン酸塩をグリチルリチン酸として0.01〜3.0重量%含有させることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。グリチルリチン酸塩の配合量がグリチルリチン酸として0.01重量%未満では乳化力が不足し、乳化安定性が悪くなるので好ましくない場合があり、グリチルリチン酸として3.0重量%を超える場合には、使用性的にもべたつくようになり好ましくない。上記の「グリチルリチン酸としてのグリチルリチン酸塩量」は、組成物中にグリチルリチン酸が塩として存在するか否かに拘わらず、組成物中に存在するグリチルリチン酸量として測定された値を意味する。
【0047】
その他の成分との関係では、いわゆるしゃぶしゃぶタイプと呼ばれる低粘度の皮膚用乳化組成物の場合には、油分を1〜10重量%、グリチルリチン酸塩をグリチルリチン酸として0.01〜3.0重量%、保湿剤を5〜50重量%および水を94〜40重量%含有させることができる。また、ミルクローションのような乳状の皮膚用乳化組成物の場合には、油分を3〜40重量%、グリチルリチン酸塩をグリチルリチン酸として0.01〜3.0重量%、保湿剤を5〜40重量%および水を92〜20重量%含有させることができる。これらの場合の油分とグリチルリチン酸塩と保湿剤と水との合計量が100重量%を超えることはない。
【0048】
なお、本発明に係る皮膚用乳化組成物を使用する、皮膚外用医薬、皮膚化粧料等の皮膚外用剤は、使用目的に応じて種々の粘度のものとすることが好ましいが、本発明に係る皮膚用乳化組成物では、油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水の量比を適宜選択することにより、このような要請に対応することができる。
【0049】
本発明に係る皮膚用乳化組成物を作製するに当たっては充分な乳化処理が重要である。本発明の乳化には強力な剪断力を与えることのできる、衝突混合方式のマイクロフルイダイザーやマントンガウリンが必要となるが、乳化粒子の均一性をよくするために、たとえば、一次乳化として、まず、グリチルリチン酸塩と油分と水とよりなる組成物について、グリチルリチン酸塩と油分とが高濃度の状態での乳化法(コンクベース乳化法または濃縮乳化法と呼称する場合もある)で、撹拌混合方式のホモミキサーにより処理することによって予め乳化粒子を整え、更にマイクロフルイダイザー等による処理を行い、粒子径を小さくすることによって、使用性、乳化安定性のよいエマルジョン(高濃度のグリチルリチン酸塩と油分を含有するので以下「コンクベースエマルジョン」と言う)を造り、更にこのコンクベースエマルジョンに水および種々の保湿剤、必要に応じて、pH緩衝剤、その他の添加剤を加えることによって、乳化安定性に優れた皮膚用乳化組成物を作製することができる。
【0050】
さらに、コンクベース乳化法において、油分量を少なくし、グリチルリチン酸塩を多く配合して乳化を行えば、その後にマイクロフルイダイザーなどの強力な撹拌力を与えなくとも、ホモミキサーなどの弱い撹拌力でも均一性のよい乳化粒子を造ることができ安定なエマルジョンを得ることも可能であることが判明した。その際、上記のごとく、衝突混合方式と撹拌混合方式とを組み合わせ、または衝突混合方式のみもしくは撹拌混合方式のみで混合を行うことが考えられる。
【0051】
グリチルリチン酸塩の配合量は、コンクベースマイクロエマルジョンを造る段階では油分量によって異なる。油分量が増す(乳化粒子中における内相の割合φが大きくなる)とマイクロフルイダイザーなどの高圧処理時に乳化粒子径が小さくなる段階で極端に粘度が上昇するので、一般的に油分量は60重量%(φ=0.6)が限度である。60重量%の油分を乳化するために必要なグリチルリチン酸塩はグリチルリチン酸として0.5〜6.0重量%である。
【0052】
乳化安定性は乳化粒子の大きさや均一性に大きく左右されることから、乳化粒子径を小さくする必要がある。具体的には、乳化粒子の平均粒径が0.1〜2.5μmの範囲内にあることが好ましい。2.5μmより大きいと、時間と共に水相と油相とに分離する傾向が現れやすくなる。0.1μmより小さい平均粒径の乳化粒子は作製が困難であり、作製できたとしても長時間を要したり過度に粘度が上昇したりするため、好ましくない。平均粒径は、たとえばレーザ回折粒径測定装置(Laser Diffraction Particle Size Analyzer)で測定することができる。このためには、上記のごとく、衝突混合方式を採用することが有用であるが、本発明に係る組成物においては、条件を選べば撹拌混合方式のみでも、このような粒子径を得ることができる。
【実施例】
【0053】
次に本発明の実施例を詳述する。以下の実施例および表中「%」は特に断らない限り重量%である。なお、次の評価方法を採用した。また、精製水は島津製作所社製の純水製造装置(SWAC)にによって作製した。
【0054】
・乳化粒子径(直径)
光学式顕微鏡下の目視観察によった。ただし、平均粒子径(直径)は、レーザ回折粒径測定装置(Laser Diffraction Particle Size Analyzer: 島津製作所社製SALD−700)を使用して求めた。
【0055】
・乳化安定性試験
試験用サンプルを、40℃、室温、0℃、−5℃の一定温度条件および5〜45℃のサイクルを2回/24時間の頻度で繰り返す条件(サイクルテスト)下に所定期間放置し、乳化粒子同士の合一による分離、ボトムクリア(二層分離して下層が澄んで見えるようになること)およびオイルアップ(二層分離して上層に油分が見られるようになること)の有無を観察した。○印は、ボトムクリアも、乳化粒子同士の合一による分離も、オイルアップもなかったことを意味する。
【0056】
・使用試験
募集した一般人から事前のアンケート調査により選択した敏感肌の被験者について、試験用サンプルを2週間、顔面に塗布させる試験を実施した。塗布は、毎朝洗顔後に行い、就寝前に石鹸を使用した洗顔により除去した。なお、試験期間中は口紅等のポイントメイクアップ以外の他の化粧品の使用を一切禁止した。使用結果をアンケート調査し、事前に調査した被験者の日常気になる症状と関連付けた。
【0057】
[実施例1]
(コンクベースエマルジョン処方Aの製造工程)
表1の成分(1)〜(5)を室温にて撹拌溶解して水相を調製した。他方、成分(6)〜(8)を撹拌混合して油相の調製を行い、ホモミキサー処理(8500rpm)しながら油相を水相にゆっくり添加し、更に成分(9)をゆっくり添加して、乳化粒子径が2.0〜5.0μmのコンクベースエマルジョンを得た。
【0058】
このエマルジョンの乳化粒子径を更に小さくするために、室温にてマイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックスインタ−ナショナルコーポレーション社製)で2回処理(1400kg/cm2)することによって、0.2〜0.5μm(平均粒子径0.31μm)の均一な乳化粒子径をもつ乳化安定性の良好なコンクベースマイクロエマルジョンを得た。
【0059】
(コンクベースエマルジョン処方Aの希釈工程)
本コンクベースマイクロエマルジョンは、油分の多いミルクローションとしてそのまま使用することもできるが、使用性の向上をはかるために、表2に示す成分で更に希釈を行い、最終的に表3に示す界面活性剤フリーのミルクローション(さっぱりタイプ)を得た(pH:5.87,粘度:2600mPa)。平均粒子径は0.31μmであった。
【0060】
具体的には、表2の成分(2)に成分(3)を添加して室温にてプロペラ撹拌翼で撹拌し溶解した後、成分(4)〜(7)を添加し、更に成分(8)に(9)〜(12)を添加して撹拌溶解させた。最後に成分(1)のコンクベースマイクロエマルジョンAを加え、エマルジョンが均一になるようにホモミキサー処理(4000rpm)を行い、表3に示す油分量9.0重量%、グリチルリチン酸モノアンモニウム0.2重量%を含有する界面活性剤フリーのミルクローション(さっぱりタイプ)を得た。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

実施例1のミルクロ−ション(さっぱりタイプ)についての乳化安定性試験結果を表4に、敏感肌の被験者を対象とした使用試験結果を表5、表6に、また、使用試験と同時に実施された使用性についてのアンケート調査結果を表7に示す。
【0064】
【表4】

乳化安定性試験の結果、40℃、室温、0℃、−5℃およびサイクルテスト(5〜45℃のサイクルを2回/24時間の頻度で繰り返し実施)での乳化安定性は、6ヶ月後でも極めて安定であり、乳化粒子のボトムクリアも、乳化粒子同士の合一による分離も、オイルアップも見られず、全ての条件下で良好であった。
【0065】
敏感肌の被験者を対象とした使用試験では、事前のアンケート調査による被験者選択の結果、表5の左欄に示す日常気になる症状(複数回答)を有する敏感肌(アトピー皮膚を含む)と回答した50名を対象に、実施例1のミルクロ−ションを実際に2週間使用させる試験を実施した。その結果、表5の右欄および表6に示す成績を得た。
【0066】
【表5】

【0067】
【表6】

すなわち、ヒリヒリ感や肌にシミる感じを有する敏感肌の被験者や、皮膚の乾燥やカユミ等のアトピ−皮膚特有の症状を気にする超敏感肌を有する被験者を対象とした使用試験であったにもかかわらず、表6に示すごとくほとんど(94%)の人が何ら症状を示さず使用できたこと、および実施例1のミルクロ−ションの使用中に症状が悪化した例がなかったことは、皮膚に対して非常に安全に使用できたことを示している。また、表5の左欄に示した症状別改善率がいずれも90%以上と高かったことから、実施例1のミルクロ−ションはアトピ−皮膚のみならずアトピ−性皮膚炎の症状の緩和にも役立つものと考えられる。
【0068】
実施例1のミルクロ−ションの使用性についても同時に50名のアンケート調査を行った。その結果を表7に示す。
【0069】
【表7】

若干さっぱり感には欠けるものの、肌へのなじみ、しっとりさは好まれ、総合評価においても70%の人がとてもよいと答えている。乳化剤としてグリチルリチン酸モノアンモニウムのみを使用した乳液にもかかわらず、使用感的には満足な結果が得られた。
【0070】
[実施例2]
(コンクベースエマルジョン処方Bの製造工程)
表8の成分(4)を成分(1)〜(3)に添加し、撹拌溶解して水相を調製した。他方、成分(5)〜(7)を撹拌混合して油相を調製した。次いで、ホモミキサー処理(9,000rpm)を行いながら油相を水相にゆっくり添加し、更に成分(8)をゆっくり添加して乳化粒子径が2.0〜5.0μmのコンクベースエマルジョンBを得た。
【0071】
更に、このエマルジョンをマイクロフルイダイザ−で2回処理(1400kg/cm2)することによって、油分が60重量%、乳化粒子径0.1〜0.3μm(平均粒子径0.23μm)のコンクベースマイクロエマルジョンBを得た。
【0072】
(コンクベースマイクロエマルジョンBの希釈工程)
表9の成分(11)に成分(8)および(9)を撹拌溶解してから、成分(2)〜(7)、(10)を順次添加して撹拌混合した後に、成分(1)のコンクベースマイクロエマルジョンBを加えてプロペラ撹拌を十分に行い、表10に示す油分量6.0重量%、グリチルリチン酸ジカリウム0.5重量%を含有する界面活性剤フリーの化粧水状ミルクローション(しっとりタイプ))を得た(pH=5.20)。
【0073】
乳化粒子径が0.1〜0.3μm(平均粒子径0.23μm)と小さいことからほとんど粘度がない(たとえば50cP以下)にも拘わらず各温度(6ヶ月間の40℃、室温、0℃、−5℃、サイクルテスト(5〜45℃のサイクルを2回/24時間の頻度で繰り返し実施)での乳化安定性試験では、表11に示すように、乳化粒子のボトムクリアも、乳化粒子同士の合一による分離も、オイルアップもなく非常に良好であった。
【0074】
また、界面活性剤フリーでしかも保湿剤、アルコール等の添加によって水分活性を低くしたことによって、防腐剤としてさらにオオバク抽出液(着色剤としても使用可能)を加えただけで、防黴的にも強く、敏感肌の人にも安心して使用できる乳化安定性のよい、使用性の良好な化粧水状のミルクローション(しっとりタイプ)が得られた。
【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

[実施例3]
(コンクベースマイクロエマルジョンBの希釈工程)
表12の成分(8)に成分(9)を撹拌溶解させた後、成分(10)をダマにならないように均一に分散してからプロペラ撹拌を十分に行って溶解させ、更に成分(2)〜(7)、(15)を順次加えて撹拌混合し水相を調製した。他方、成分(11)に成分(12)〜(14)を添加して撹拌溶解した後に、前に調製した水相に添加し、撹拌中和を行った。次いで、成分(1)のコンクベースマイクロエマルジョンBを添加してホモミキサ−処理(1/4馬力、4,000rpm)を行い、表13に示すミルクローション(しっとりタイプ)を得た。平均粒子径は0.23μmであった。
【0079】
【表12】

【0080】
【表13】

実施例3のミルクローション(しっとりタイプ)の乳化安定性試験結果は、表14に示すとおり、極めて安定であった。
【0081】
【表14】

[実施例4]
(コンクベースエマルジョン処方Cの製造工程)
表15の成分(1)に(2)〜(5)を加えて撹拌溶解して水相を調製した。他方、成分(6)〜(8)を撹拌混合して油相の調製を行い、ホモミキサー処理(1/4馬力、9000 rpm)しながら油相を水相にゆっくり添加し乳化を行い、さらに成分(9)を加え、乳化粒子径が2.0〜5.0μmのコンクベースエマルジョンを得た。
【0082】
更に、マイクロフルイダイザーによる高圧処理((1060kg/cm2)、3回)を行い、乳化粒子径が0.2〜0.5μmの乳化粒子のコンクベースマイクロエマルジョンCを得た。
【0083】
(コンクベースマイクロエマルジョンCの希釈工程)
表16の成分(2)に成分(3)〜(5)を添加し撹拌溶解した後、成分(6)〜(7)をプロペラ撹拌により溶解し、更に、成分(8)〜(12)を添加し撹拌混合を行った。成分(14)に成分(13)を溶解して、前に調製した水相に添加し撹拌中和を行った。最後に、成分(1)のコンクベースマイクロエマルジョンCを添加し、ホモミキサー処理(1/4馬力、4,000rpm)を行い、表17に示すpH=7.0、粘度3,900mPaで油分を2.5重量%含有する界面活性剤フリーの乳化安定性の良好なエッセンスを得た。平均粒子径は0.36μmであった。
【0084】
【表15】

【0085】
【表16】

【0086】
【表17】

[実施例5]
(コンクベースエマルジョン処方Dの製造工程)
表18の成分(1)に成分(2)〜(4)を50℃に加熱溶解して水相を調製した。他方、成分(5)〜(11)を65〜70℃で加熱溶解した後50℃に温度調節し、ホモミキサー処理をしながらこれを前の水相にゆっくり添加し、更に50℃に加熱した成分(12)をゆっくり添加して乳化を行い、乳化粒子径が1〜4μmのコンクベースエマルジョンDを得た。
【0087】
更に、1回目のマイクロフルイダイザー処理((1400kg/cm2)を50℃で行い、2〜3回目のマイクロフルイダイザー処理((1400kg/cm2)を室温で行い、乳化粒子径が0.1〜0.2μm(平均粒子径0.16μm)のコンクベースマイクロエマルジョンDを得た。
【0088】
(コンクベースマイクロエマルジョンDの希釈工程)
表19の成分(7)に成分(6)を撹拌溶解させた後、撹拌混合方式であるプロペラ撹拌によって成分(4)〜(5)を加えて溶解させ、更に成分(2)〜(3)を加えて撹拌混合した。また、成分(8)に成分(9)〜(11)を加えて撹拌溶解したものを、前に調整した液に添加し中和を行った後に、成分(1)のコンクベースマイクロエマルジョンDを加えてホモミキサー処理(1/4馬力、3,500rpm)を行って、表20に示す、油分19.5重量%、グリチルリチン酸ジカリウム3.0重量%を含有する界面活性剤フリーのミルクローションを得た(pH=6.87、粘度4,100mPa)。平均粒子径は0.16μmであった。このミルクローションは、成分構成から、手荒れ改善効果の高い、乳化安定性、皮膚安全性、使用性のいずれにも優れた手荒れ改善用として機能するものと考えられる。
【0089】
【表18】

【0090】
【表19】

【0091】
【表20】

この手荒れ用ミルクローションの乳化安定性試験結果は、表21に示すとおり、極めて安定であった。
【0092】
【表21】

【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】グリチルリチン酸ジカリウムの一構造例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤および水を含有し、
1重量%水溶液における表面張力が500μN/cm以下の物質を実質的に含有しない
界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物。
【請求項2】
油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質を含有する皮膚用乳化組成物であって、当該皮膚用乳化組成物中における油分、グリチルリチン酸塩、保湿剤、水および、必要に応じて存在する、着色剤、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、粘土鉱物、pH緩衝剤、エタノールおよび有機系増粘剤からなる群から選ばれた物質の合計濃度が99.5重量%以上である、界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物。
【請求項3】
乳化粒子の平均粒径が0.1〜2.5μmの範囲内にある、請求項1または2に記載の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物。
【請求項4】
前記グリチルリチン酸塩をグリチルリチン酸として0.01〜3.0重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物。
【請求項5】
前記グリチルリチン酸塩が、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、塩基性アミノ酸塩およびこれらの混合物からなる群から選ばれたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤フリーの皮膚用乳化組成物よりなる界面活性剤フリーの皮膚化粧料。
【請求項7】
敏感肌用である、請求項6に記載の界面活性剤フリーの皮膚化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2006−124319(P2006−124319A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−314357(P2004−314357)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(504401994)株式会社セプテム総研 (11)
【出願人】(398062312)皮膚臨床薬理研究所株式会社 (2)
【出願人】(504072602)
【Fターム(参考)】