説明

畝立施肥装置

【課題】 各種作物条件や地域による畝幅の相違等への対応の容易化を図る。
【解決手段】 車体1に耕耘ロータリ6と耕耘土壌を受けて畝成形する畝成形器7を装着し、耕耘ロータリ6の耕耘軸15には畝成形器7で成形する畝の畝幅間で対応する対のディスク25,25を配設し、該ディスク25,25間に粉粒状物を繰り出す繰出装置を設け、対向するディスク25,25間において繰り出された粉粒状物を土壌と共に攪拌する畝立施肥装置において、前記耕耘爪23,23…を着脱自在に装着する爪ホルダ29,29とディスク25,25を着脱自在に装着するディスクホルダ28,28とを一体的に設けた筒状部材26を耕耘爪軸15に対してスライド自在でかつ所定位置に固定可能に設ける。また、耕耘ロータリ6の耕耘フレーム31にツールバー33を設け、該ツールバー33に畝成形器7を左右位置調整自在に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、畝成形器によって形成された畝土壌面に、粉剤、粒剤を混合した肥料、乃至薬剤を施用する畝立施肥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘ロータリの上方部に施肥ホッパ等を配置して、繰出流下させる肥料を耕耘ロータリの左右ディスク間に施肥する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−6550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、耕耘ロータリ軸には、耕耘爪と左右ディスクが取付けられるが、一旦耕耘爪軸に耕耘爪と左右ディスクを取付けると耕耘軸方向の変更が行ない得ず、各種作物条件や地域による畝幅の相違等に容易に対応し難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このためこの発明は次の技術的手段を講じた。
即ち、請求項1に記載の発明は、トラクタ車体1の後方に耕耘ロータリ6と耕耘土壌を受けて畝成形する畝成形器7を装着し、耕耘ロータリ6の耕耘軸15には畝成形器7で成形する畝の畝幅間で対応する対のディスク25,25を配設し、該ディスク25,25間に粉粒状物を繰り出す繰出装置を設け、対向するディスク25,25間において繰り出された粉粒状物を土壌と共に攪拌する畝立施肥装置において、前記耕耘爪23,23…を着脱自在に装着する爪ホルダ29,29とディスク25,25を着脱自在に装着するディスクホルダ28,28とを一体的に設けた筒状部材26を耕耘爪軸15に対してスライド自在でかつ所定位置に固定可能に設けたことを特徴とする畝立施肥装置とする。
【0006】
従って、畝立施肥作業に当たっては、筒状部材26を耕耘軸15に挿通し固定する。作業を開始すると、土壌は耕耘ロータリによって耕耘され、次いで畝成形器7の作用で畝立てされる。繰出装置からの粉粒状物は成形される畝のうち対向するディスク間で攪拌される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、耕耘ロータリ6の耕耘フレーム31にツールバー33を設け、該ツールバー33に畝成形器7を左右位置調整自在に設けたことを特徴とする。
ツールバー33に対して左右に移動させて固定することにより畝の間隔や幅を調整できる。そして筒状部材26は耕耘軸15に沿って軸方向にスライドさせて固定することにより、調整された成形畝に対応させる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、予めボス体26に耕耘爪23,23とディスク25,25を装着し、耕耘軸15に外方から挿通して固定することでこれら耕耘爪23,23とディスク25,25の装着が完了するから、取扱い性、メンテナンスが容易となる。また、畝間隔が変更された圃場への対応も筒状部材26のスライド調整によるのみであるから、調整が簡単容易である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、畝成形器7はツールバー33に対して左右に移動させて固定することにより畝の間隔や幅を調整でき、筒状部材26は耕耘軸15に沿って軸方向にスライドさせて固定することにより、調整された成形畝に容易に対応させることができる。
、施肥位置を簡単、容易に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】畝立施肥装置の側面図。
【図2】畝立施肥装置の背面図。
【図3】耕耘ロータリ部の背面図。
【図4】耕耘ロータリ部の側面図。
【図5】(イ)センター施用部の正断面図。(ロ)サイド施用部の正面図。
【図6】施肥シャッター作用制御のフローチャート。
【図7】(イ)ステップ部の作動状態を示す側面図と、(ロ)裏面図。
【図8】2畝仕様の畝立施肥装置の背面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
トラクタ車体1の後部にリフトアーム2によって昇降されるロアリンク3、トップリンク4等からなる3点リンク機構5を構成し、該3点リンク機構5を介して耕耘ロータリ6及び畝成形器7からなる耕耘畝立部Aを装着している。
【0012】
上記耕耘ロータリ6及び畝成形器7からなる耕耘畝立部Aの上方に、左右中央の粉繰出ホッパ8と左右側方の一対設けられる粒繰出ホッパ9を有する施肥装置Bを設けている。
10,10は車体1の後輪、11はフェンダー、12はキャビンである。
【0013】
前記耕耘ロータリ6はセンタドライブ形態で、左右の耕耘軸15,15を伝動駆動する伝動ケース16を耕耘幅の中央部に垂下状態に設ける構成である。
左右の耕耘軸15,15は、伝動ケース16に近い第1の耕耘軸15a,この第1の耕耘軸15aの先端側異径部に着脱自在に嵌合する主体の第2耕耘爪15bからなり、伝動ケース16から左右に突出する耕耘出力軸17,17に前記第1耕耘軸15aをスプライン嵌合して動力伝動可能に構成し、前記異径嵌合部を介して第1耕耘軸15aの回転動力を第2耕耘軸15bに伝達する構成とし、第2耕耘軸15bの軸方向の抜け止めは長尺のボルト部材18で行なう構成である。
【0014】
第1耕耘軸15aの周りには爪ホルダ19を直接に溶接一体化して取り付け、第2耕耘軸15bには、爪ホルダ20を適宜個数、位相をずらせて配設した短ボス体21,21を外嵌してスライド自在に設け、第2耕耘軸15bの軸方向にスライドさせて所定の位置で締付部22,22によって固定する構成である。これら爪ホルダ19,20には耕耘爪23,23を着脱自在に装着している。
【0015】
前記第2耕耘軸15bには、左右間隔離れて一対のディスク25,25と該一対の耕耘ディスク25,25間に配置する耕耘爪23を設けた長ボス体(筒状体)26をスライド自在に挿通し、締付具27,27で固定できる構成としている。詳述すると、所定間隔(例えば200mm)離して長ボス体(筒状体)26の周面に回転軸15に直交する平面に対して僅かに捻って複数の取付板28a〜28d(図例では4枚)を同位相でありながら半径方向には等間隔に配置し、かつこれら取付板28a〜28dに夫々螺旋羽根形態の複数枚の螺旋羽根からなっている(図例では分割螺旋羽根25a〜25dの4枚)ディスク25を装着する。
【0016】
上記長ボス体(筒状部材)26には所定間隔(例えば200mm)離して上記構成の螺旋羽根25a〜25dからなるディスク25を左右に対向する関係に設けている。この一対のディスク25,25の回転は土壌を耕耘する機能と螺旋状に形成されるため耕耘土壌を対向する側即ち左右ディスク25,25の間隔内側に寄せる機能を備えている。
【0017】
また、長ボス体(筒状部材)26の中間部には複数の爪ホルダ29,29を配設し、該爪ホルダ29,29に前記耕耘爪23,23を着脱自在に装着している。
上記のように構成された耕耘ロータリ6は、第1、第2耕耘軸15a,15bの回転によって耕耘爪23,23…が順次土中に打ち込まれ土壌を耕耘する。また、対向するディスク25,25も同様に回転し、左右に対向する関係となって、螺旋状に配設された螺旋羽根25a〜25d回転は土壌をこの対向する間隔部内に向けて移動させながら耕耘する。
【0018】
第2耕耘軸15bに一対のディスク25,25を配設する構成としたが、伝動ケース16を挟んで左右に位置する第1耕耘軸15a,15aの夫々に一対として対向しあうディスク25,25の取付板28Ca〜28Cdを直接的に設けて、後記のように3畦成形に対応させている。
【0019】
又、この耕耘ロータリ6の上側を覆う耕耘カバー30上に位置する耕耘フレーム31から後方にわたってヒッチ32を設け、このヒッチ32にツールバー33を取付ける。このツールバー33には、畝成形器7、後述のステップ34及び尾輪36等を配置できる。
【0020】
畝成形器7は、片培土板40,40の一対を耕耘幅にわたって複数(図例では3対配置して、3条畝成形形態としている)取付け、このツールバー33に沿って横移動可能にして、畝幅調節及び成形畝の間隔を調整することができる。前記施肥装置Bは、耕耘フレーム31、及びヒッチ32等の上方に支持フレーム41を介して支持されるツールバー42に沿って配置し、横方向に取付位置を移動調節可能に構成している。
【0021】
ここにおいて、畝立施肥装置の構成は、トラクタ車体1の後方に耕耘ロータリ6とこの耕耘土壌を培土する畝成形器7を装着し、これら前部の耕耘ロータリ6の上方部で左右中央位置には、粉状物を繰出す粉繰出ホッパ8を設け、後部の畝成形器7の上方部で、左右両側位置には粒状物を繰出す粒繰出ホッパ9,9を設けたものである。車体1の進行によって耕耘ロータリ6によって土壌面が耕耘されて、この耕耘土壌面を畝成形器7によって培土して畝成形する。この畝面には、粉繰出ホッパ8から繰出す粉状物と、粒繰出ホッパ9から繰出す粒状物を施用する。このような粉、粒状物の施用において、粉繰出ホッパ8を前部の耕耘ロータリ6上方の中央部に搭載し、粒繰出ホッパ9を後部の畝成形器7上方の左右両側部に搭載して、各粉状物、及び粒状物等の繰出流下施用を直下方向へ垂直状に行わせる。
【0022】
粉状肥料と粒状肥料を混合しながら畝立土壌面に施用する作業機形態にあっては、これらの肥料を各別に収容しておくと、繰出ホッパの設置数が耕耘ロータリの上部で多くなり、これらの占めるスペースが広くなり、肥料等の供給作業やメンテナンス等が煩雑化となり易いが、前記のように、トラクタ車体1の後方に耕耘ロータリ6とこの耕耘土壌を受けて畝成形する畝成形器7を装着し、これら前部の耕耘ロータリ6の上方部で左右中央位置には、粉状物を繰出す粉繰出ホッパ8を設け、後部の畝成形器7の上方部で、左右両側位置には粒状物を繰出す粒繰出ホッパ9を設けた畝立施肥装置の構成とすることにより上記課題を解消する。すなわち、車体1の進行によって耕耘ロータリ6によって土壌面が耕耘されて、この耕耘土壌面を畝成形器7によって培土して畝成形する。この畝面には、粉繰出ホッパ8から繰出す粉状物と、粒繰出ホッパ9から繰出す粒状物を施用する。このような粉、粒状物の施用において、粉繰出ホッパ8を前部の耕耘ロータリ6上方の中央部に搭載し、粒繰出ホッパ9を後部の畝成形器7上方の左右両側部に搭載して、各粉状物、及び粒状物等の繰出流下施用を直下方向へ垂直状に行わせる。又、これら各ホッパ8、9を前後、左右にずらせて配置しているため、各ホッパ7、8の容量を大きく設定し、中央部のホッパ8に対する粉状物の供給等の作業を行い易くする。従って、上記の構成によると、粉繰出ホッパ8と粒繰出ホッパ9を前後、左右に位置ずれさせた形態に配置するため、これら各ホッパ8、9の容量を大きくして有効に配置することができ、耕耘ロータリ6の上方部における特に中央部の粉繰出ホッパ8に対するメンテナンス性を容易に行うことができる。
【0023】
次に、上記実施例では、前記粉繰出ホッパ8から繰出される粉状物と、粒繰出ホッパ9から繰出される粒状物との各別繰出流下を受けて混合しながら、この混合肥料を分岐施用する流下ホッパ45に、粉状物を流下供給する粉供給口46と、この左右両側部に粒状物を流下供給する粒供給口47,47を配置して、中央部の粉状物を左右両側の粒状物で挾むようにして流下供給する構成としている。このため、粉状物は粉繰出ホッパ8に収容し、粒状物は粒繰出ホッパ9に粉供給口46と粒供給口47,47とから各別に供給収容する。これら各ホッパ8,9に収容された粉状物と粒状物は、パイプ、乃至ホース等に流下案内されて、パイプ、乃至ホース等に流下案内されて、流下ホッパ45に流入し、この流下ホッパ45内で混合されて、左右二個所等に分岐した位置に施用される。この流下ホッパ45に流入される粉、粒状物は、中央部の粉供給口46から流下される粉状物の左右両側部を、粒供給口47,47から流下される粒状物で挾むようにして流下供給してこれら粉状物と粒状物との混合を行われ易くする。従って、粉、粒状物の各繰出ホッパ8、9から繰出される粉、粒状物を受ける流下ホッパ45に流入させる粉供給口46の左右両側に、粒供給口47,47から流下する粒状物を当てて、中央部の粉状物を左右両側部の粒状物で挾むようにしてこれら粉状物と粒状物を混合させるため、特別の撹拌器のような構成を要しないで、簡単な構成によって粉状物と粒状物を混合することができる。
【0024】
更に本実施例では、前記耕耘ロータリ6による耕耘幅の中央位置に施用するセンタ施用口48に対して、この左右両側部位置に施用するサイド施用口49,49を、左右方向へ移動可能に設けた構成としている。このため、前記耕耘ロータリ6によって耕耘された土壌面は畝成形器7により畝立て成形される。この耕耘幅の中央部に位置する畝面には、センタ施用口48による施用が行われ、左右側の畝面にはサイド施用口49,49による施用が行われる。畝成形器7による畝間隔が変化する等によって施用条位置が変ったときは、センタ施用口48による施用位置に対して左右のサイド施用口49,49を左右方向へ移動することによって、施用条間隔を調節する。従って、センタ施用口48は、耕耘伝動ケース等の位置に合わせて固定位置に配置し、左右両側に位置するサイド施用口47,47のみ左右方向へ移動することによって施肥条間隔に合わせることができ、施肥位置を簡単、容易に合わせることができる。
【0025】
つまり前記耕耘ロータリ6による耕耘幅の中央位置に施用するセンタ施用口48に対して、この左右両側部位置に施用するサイド施用口49,49を、左右方向へ移動可能に設けている。前記耕耘ロータリ6によって耕耘された土壌面は畝成形器7により畝立て成形される。この耕耘幅の中央部に位置する畝面には、センタ施用口48による施用が行われ、左右側の畝面にはサイド施用口49,49による施用が行われる。畝成形器7による畝間隔が変化する等によって施用条位置が変ったときは、センタ施用口48による施用位置に対して左右のサイド施用口49,49を左右方向へ移動することによって、施用条間隔を調節する構成とする。
【0026】
前記各繰出ホッパ8、9は、平面視略方形状形態に設けられて、開閉可能の蓋50を有する。各繰出ホッパ8、9の底部には、繰出ロールをモータで駆動して該ホッパ8、9の粉状物、又は粒状物を繰出す繰出装置51を設ける。各繰出装置51には中央部と左、右両側部との3個所に繰出口52,53,53を設け、各々ホース54,55,55を連結し、このホース54,55,55によって流下ホッパ45へ流下案内する。この流下ホッパ45の中央部には粉繰出ホッパ8の中央部のホース54の粉供給口46をのぞませ、この粉供給口46の左右両側部に粒繰出ホッパ9のホース55の粒供給口47をのぞませる。そして、各流下ホッパ45の粉供給口46は略垂直状に設定しているが、左右両側部の粒供給口47は、適宜の交差角度のもとに交差状態に設定して、粉供給口46から流下される粉状物に対して粒供給口47から流下される粒状物を交差混合させるように構成している。
【0027】
このような流下ホッパ45は、各畝成形器7によって形成される畝部に施用するように耕耘ロータリ6の上方部に設けられるが、このうち中央部の畝部に施用する流下ホッパ45Cの施用口に左右に分岐する分岐ホース57をセンタ施用口48に形成し、この分岐ホース57を耕耘伝動ケース16の左右両側部近くに案内してセンタ施用口48を、この伝動ケース16側面近くの耕耘部にのぞませて、混合肥料の耕耘土壌への撹拌混合性を良好に維持する。
【0028】
又、左右両側部の流下ホッパ45S,45S,45Sの各施用口49には単一のホース58を連通してサイド施用口49を設けて、外側に形成される畝部の耕耘土壌に混合するように流下案内する。
【0029】
このようにして各流下ホッパ45C,45Sには、粉供給口46から供給される粉状物と、粒供給口47から供給される粒状物とを流下混合させて、センタ施用口48、サイド施用口49,49から各畝土壌中に施用する。
【0030】
前記各施用口48、49,49は、これら各畝部条の前記左右対向する3対の耕耘ディスク25,25間に位置してのぞませて施用するように設け、これら各施用口48、49,49から排出施用された肥料を、耕耘ディスク25,25の螺旋羽根の回転によって耕耘土壌と撹拌混合させるものである。肥料はこの左右両側の耕耘ディスク25,25間に仕切られて外側の畝間溝部に出ることなく有効に混合施用される。
【0031】
この構成において耕耘ディスク25,25の径に対して耕耘爪23の回転径を小さく設定しているが、大きく設定することも可能である。又、各繰出装置51の繰出口52,53,53を開閉するシャッター60を設け、前記リフトアーム2の昇降作動によって連動ワイヤー61等を介してこのシャッター60を開閉連動する構成とし、図5のフローチャートのように繰出装置51等を上昇させた状態では、このシャッター60を閉鎖して施肥作動を停止させ、下降させた状態でシャッター60を開いて施用開始させる。
【0032】
図4において符号62,62はディスクホルダ28に対して螺旋羽根25a〜25dを固着するために設ける長孔である。耕耘爪23に対して磨耗性が高い螺旋羽根25a〜25dはディスクホルダ28に対する半径方向取付位置を当該長孔62,62の範囲で任意に変更できるように設け、磨耗程度に応じて螺旋羽根外周側が半径方向外側に位置するように付け替えする。62,62は締付金具である。このように構成すると耕耘爪23に対し螺旋羽根25a〜25dの磨耗度が早くても適時に対応できる。
【0033】
又、前記耕耘軸15a,15bにはその回転に連動して揺動する揺動杆(図示せず)を設け、この揺動杆の上端部を各ホース54、55にリング63,63等で係合させて、このホース54、55を微振動させるように構成し、ホース54、55内の粉、粒状物の流下詰りを防止することができる。
【0034】
次に図7に基づいて、前記最後部に突出するステップ34を、この取付ツールバー33の取付ブラケット64に対する支持ピン65の周りに上下に反転回動可能に設け、上方へ回動させた収納位置Xでは、このステップ34の裏側に形成した袋仕切ホルダ66を露出させて、肥料袋67を保持することができる。このステップ25の支持アーム68の上下回動位置をロックピン69の抜き差しによって、ステップ位置と収納位置Xとに切替えることができる。ステップ34を収納位置Xへ切替えることによって後方への突出を短かくして、車体の格納を容易化する。袋仕切ホルダ66に肥料袋67を支持させておき、肥料補給を容易化することができる。
【0035】
前記耕耘ロータリ6の耕耘爪23,23…の構成において、成形畝の山部に相当する耕耘爪23(主として一対のディスク25,25間に配設される耕耘爪)は爪径を短く構成し、成形畝の谷部に相当する耕耘爪23は爪径を標準ないしやや長く構成する。このように構成すると、谷部は深く耕耘し、山部は播種等表面を細かく土壌耕耘できることになり、無駄な馬力ロスを防止する。
【0036】
前記実施例では所謂3畝仕様について説明したが、図8の2畝仕様のほか4畝以上についても同様に実施できる。図8において、中央の粉繰出ホッパ8と左右の粒繰出ホッパ9,9とを備える構成のとき、各繰出装置70C,70S,70Sには夫々2本の繰出ホース71C,71C,71S,71S,71S,71Sを設ける。このとき、左右の繰出ホース71S,71Sの供給先は、2本共同一の成形畝に供給する状態を標準状態とし、この標準状態に対して2本が夫々左右2畝に分けて供給できるように、左側(及び右側)粒繰出ホッパ9の繰出ホース71C,71Cの一方を左側畝(及び右側畝)に供給する状態71S´と右側(左側)に形成の畝に供給する状態71S´に付け替え可能に設ける。このように構成することにより、左右の繰出ホッパ9,9に異なる種類の肥料を収容して施用する場合にも対応できる(図8仮想線)。
【符号の説明】
【0037】
1 トラクタ車体
6 耕耘ロータリ
7 畝成形器
15 耕耘軸1
23 耕耘爪
25 ディスク
26 筒状部材(長ボス体)
28 ディスクホルダ
29 爪ホルダ
31 耕耘フレーム
33 ツールバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタ車体(1)の後方に耕耘ロータリ(6)と耕耘土壌を受けて畝成形する畝成形器(7)を装着し、耕耘ロータリ(6)の耕耘軸(15)には畝成形器(7)で成形する畝の畝幅間で対応する対のディスク(25,25)を配設し、該ディスク(25,25)間に粉粒状物を繰り出す繰出装置を設け、対向するディスク(25,25)間において繰り出された粉粒状物を土壌と共に攪拌する畝立施肥装置において、前記耕耘爪(23,23…)を着脱自在に装着する爪ホルダ(29,29)とディスク(25,25)を着脱自在に装着するディスクホルダ(28,28)とを一体的に設けた筒状部材(26)を耕耘爪軸(15)に対してスライド自在でかつ所定位置に固定可能に設けたことを特徴とする畝立施肥装置。
【請求項2】
耕耘ロータリ(6)の耕耘フレーム(31)にツールバー(33)を設け、該ツールバー(33)に畝成形器(7)を左右位置調整自在に設けたことを特徴とする畦立施肥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−172310(P2010−172310A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21033(P2009−21033)
【出願日】平成21年1月31日(2009.1.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】