説明

異種ケーブル三相一括接続部

【課題】異種ケーブル三相一括接続部の構造をシンプルにし、油止めを確実にし、全体を小型化する。
【解決手段】油止め盤11の3つの穴に挿通された3本のエポキシユニット15と、OFケーブル側の大径保護管17と、CVケーブル側の3本の小径保護管21とを備える。エポキシユニット15はフランジ部27を有する。油止め盤11の各穴の内周面の、中間部にフランジ部27の嵌合部29を、OFケーブル側に内向き環状突縁31を、CVケーブル側に雌ねじ部33を設ける。大径保護管17は油止め盤11に液密に固定する。フランジ部27の外周面は第一のOリング37により、OFケーブル側の端面は第二のOリング39により、CVケーブル23側の端面は第三のOリング41によりシールする。エポキシユニット15のOFケーブル側にOFケーブル19の3本のケーブルコア42を接続し、CVケーブル側に3本のCVケーブル23のケーブルコア44を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3心OFケーブルと単心CVケーブル3本とを接続する三相一括接続部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
OFケーブルとCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)を接続する場合には、OFケーブル内の絶縁油がCVケーブル側へ流れ込まないように油止めをする必要がある。単心OFケーブルと単心CVケーブルとの接続であれば、エポキシユニットの遮蔽電極と導体接続管との間をシールすることで、比較的容易に油止めを行うことができる(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−352655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、外被内に3本のケーブルコアを有する3心OFケーブルと、単心CVケーブル3本とを接続する場合には、エポキシユニットの外側でも油止めをする必要があるため、構造が複雑になり、接続部が大型化するという問題がある。
【0005】
また従来の接続部は、工事現場で殆どの組立を行うため、組立作業に手間と時間がかかり、工期短縮が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、構造的にシンプルで、油止めを確実に行うことができ、接続部を小型化できると共に、工事現場での組立作業が簡単な異種ケーブル三相一括接続部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る異種ケーブル三相一括接続部は、3つの穴を有する油止め盤と、この油止め盤の各穴に挿通された3本のエポキシユニットと、前記3本のエポキシユニットのOFケーブル側の部分を一括して収容する大径保護管と、前記3本のエポキシユニットのCVケーブル側の部分を1本ずつ収容する3本の小径保護管とを備え、
前記エポキシユニットは中間部外周にフランジ部を有しており、
前記油止め盤の各穴の内周面の、軸線方向中間部には前記フランジ部が嵌合する嵌合部が設けられ、OFケーブル側には前記フランジ部の外径より小さい内径を有する内向き環状突縁が形成され、CVケーブル側には雌ねじ部が形成されており、
前記大径保護管は前記油止め盤に液密に固定され、前記小径保護管は前記油止め盤の雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじリング部を有しており、
前記フランジ部の外周面と油止め盤の穴の嵌合部との間は、その両者間に配置された第一のOリングによりシールされており、前記フランジ部のOFケーブル側の端面と油止め盤の内向き環状突縁との間は、その両者間に配置された第二のOリングを、前記油止め盤の雌ねじ部に前記小径保護管の雄ねじリング部をねじ込んで圧迫することによりシールされており、
前記3本のエポキシユニットのOFケーブル側にはOFケーブルの3本のケーブルコアが接続され、CVケーブル側には3本のCVケーブルのケーブルコアが接続されている、
ことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の三相一括接続部において、前記フランジ部のCVケーブル側の端面と前記小径保護管の雄ねじリング部との間は、その両者間に配置された第三のOリングを、前記油止め盤の雌ねじ部に前記小径保護管の雄ねじリング部をねじ込んで圧迫することによりシールされていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の三相一括接続部において、OFケーブルのケーブル導体及びCVケーブルのケーブル導体はそれぞれ、
先端部に雄型嵌合部を設け、中間部外周に環状突縁を設け、後端部にスリーブ部を設けてなる雄端子と、
前記雄端子が挿通される筒体に、ロック駒を径方向に移動可能に組み込み、このロック駒を、内端部が前記筒体の内周面から突出するように押圧する押圧部材を設けてなる抜け止めユニットと、
この抜け止めユニットを収容する収容部の奥に、前記雄端子の雄型嵌合部が嵌合する雌型嵌合部を設けてなる電極とを備え、
前記雄端子のスリーブ部をケーブル導体の端部に接続し、
前記抜け止めユニットを電極内に固定し、
前記雄端子の雄型嵌合部を、抜け止めユニット内を通過させて、前記電極の雌型嵌合部に嵌合することにより電気的に接続すると共に、前記雄端子の環状突縁を、抜け止めユニットのロック駒の区間を当該ロック駒を押し退けながら通過させて、ロック駒の内端部を押圧部材の押圧力で環状突縁の後端面側に位置させることにより、雄端子の引き抜けを防止した接続構造で、電極に接続されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の三相一括接続部において、OFケーブルのケーブル導体及びCVケーブルのケーブル導体はそれぞれ、
先端部に雄型嵌合部を設け、中間部外周に環状突縁を設け、後端部にスリーブ部を設け、前記雄型嵌合部の外周に弾力性接触リングを装着してなる雄端子と、
前記雄端子が挿通される筒体に、周方向に所定の間隔をおいて複数のロック駒を径方向に移動可能となるように組み込み、この複数のロック駒を、各々の内端部が前記筒体の内周面から突出するように押圧するバネ部材を設け、さらに前記筒体の外周面に雄ねじ部を形成してなる抜け止めユニットと、
この抜け止めユニットを収容する収容凹部の奥に、前記雄端子の雄型嵌合部が嵌合する雌型嵌合部を設け、前記収容凹部の内周面に雌ねじ部を形成してなる遮蔽電極とを備え、
前記雄端子のスリーブ部をケーブル導体の端部に圧縮接続し、
前記抜け止めユニットを、前記筒体の外周面の雄ねじ部を遮蔽電極の内周面の雌ねじ部にねじ込むことにより、遮蔽電極内に固定し、
前記雄端子の雄型嵌合部を、抜け止めユニット内を通過させて、前記遮蔽電極の雌型嵌合部に嵌合することにより、雄型嵌合部と雌型嵌合部を前記弾力性接触リングを介して電気的に接続すると共に、前記雄端子の環状突縁を、抜け止めユニットのロック駒の区間を当該ロック駒を押し退けながら通過させて、ロック駒の内端部をバネ部材の押圧力で環状突縁の後端面側に位置させることにより、雄端子の引き抜けを防止した接続構造で、遮蔽電極に接続されていることが、より好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、OFケーブル側の大径保護管は油止め盤の液密に固定した上で、フランジ部の外周面と油止め盤の穴の嵌合部との間に第一のOリングを配置し、フランジ部のOFケーブル側の端面と油止め盤の内向き環状突縁との間に第二のOリングを配置して、油止め盤の雌ねじ部に小径保護管の雄ねじリング部をねじ込むことで、シールを行うようにしたので、油止めを確実に行うことができると共に、エポキシユニットの外側の油止めに要する径方向寸法を十分小さく抑えることができるため、接続部を小型化できる。
【0012】
また、3つの穴を有する油止め盤と、3本のエポキシユニットと、大径保護管と、3本の小径保護管は、工場で組み立てた状態で工事現場に搬入できるため、工事現場ではOFケーブル及びCVケーブルの端部を加工してエポキシユニットに挿入し、必要な防水処理等を施せばよく、工事現場での組立作業が簡単になり、工期を短縮できると共に、接続部の信頼性を向上させることができる。
【0013】
また、フランジ部のCVケーブル側の端面と雄ねじリングとの間に第三のOリングを配置すれば、仮に絶縁油が漏れだしたとしても、それがCVケーブル側へ流れ込むのをより確実に防止することができる。
【0014】
また、前記雄端子と抜け止めユニットを用いた導体接続構造を採用すれば、接続部の軸線方向寸法を大幅に短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1ないし図3は本発明の一実施形態を示す。図において、11は3つの穴13を有する金属製の油止め盤、15は油止め盤11の各穴13に挿通された3本のエポキシユニット、17は3本のエポキシユニット15のOFケーブル19側を一括して収容する大径保護管、21は3本のエポキシユニット15のCVケーブル23側を1本ずつ収容する3本の小径保護管である。
【0016】
エポキシユニット15は内部に遮蔽電極25を埋め込み、中間部外周にフランジ部27を突設したものである。遮蔽電極25は、OFケーブル19の絶縁油がエポキシユニット15の内部を通ってCVケーブル23側へ漏れないように、軸線方向中間部が隔壁で遮断されているものである。
【0017】
また、油止め盤11の各穴13の内周面の、軸線方向中間部には前記エポキシユニット15のフランジ部27が嵌合する嵌合部29が設けられ、OFケーブル19側には前記フランジ部27の外径より小さい内径を有する内向き環状突縁31が形成され、CVケーブル23側には雌ねじ部33が形成されている。
【0018】
また、大径保護管17の一端部は油止め盤11に絶縁油が漏れないように溶接等により固定されている。小径保護管21は、油止め盤11側の端部に、前記油止め盤11の雌ねじ部33にねじ込まれる雄ねじリング部35を有している。
【0019】
また、エポキシユニット15のフランジ部27の外周面と油止め盤11の穴13の嵌合部29との間には第一のOリング37が配置され、前記フランジ部27のOFケーブル19側の端面と油止め盤11の内向き環状突縁31との間には第二のOリング39が配置され、前記フランジ部27のCVケーブル23側の端面と雄ねじリング25との間には第三のOリング41が配置されている。エポキシユニット15は、油止め盤11のCVケーブル23側から穴13に挿入される。エポキシユニット15のフランジ部27が嵌合部29に嵌合すると、第一のOリング37が径方向に圧迫され、油止め盤11の嵌合部29とエポキシユニット15のフランジ部27との間が第一のOリング37でシールされる。その後、小径保護管21の雄ねじリング部35を、油止め盤11の雌ねじ部33にねじ込むと、第二及び第三のOリング39、41が軸線方向に圧迫されて、フランジ部27と内向き環状突縁31の間及びフランジ部27と雄ねじリング部35の間がシールされる。これで、エポキシユニット15の外周側での油漏れを防止できる。
【0020】
油止め盤11と、3本のエポキシユニット15と、大径保護管17と、3本の小径保護管21は工場で組み立てられた状態で工事現場に搬入される。
【0021】
工事現場では、上記のように油止め盤11に取り付けられた3本のエポキシユニット15のOFケーブル側に、OFケーブル19の3本のケーブルコア42を接続し、CVケーブル側に、3本のCVケーブル23のケーブルコア44を接続する作業が行われる。
【0022】
OFケーブル19のケーブルコア42の先端部のケーブル導体43は、雄端子45と抜け止めユニット47により遮蔽電極25に接続される。CVケーブル23のケーブルコア44の先端部のケーブル導体49も同様に、雄端子45と抜け止めユニット47により遮蔽電極25に接続される。
【0023】
図4〜図6は、CVケーブル23のケーブル導体49の接続構造を示すが、OFケーブル19のケーブル導体43の接続構造も同様である。図4〜図6において、49はケーブル導体、51はケーブル絶縁体、53はストレスコーン、45はケーブル導体49の端部に取り付けられた雄端子である。また、15はエポキシユニット、25はエポキシユニット15の内部に一体に設けられた遮蔽電極、47は遮蔽電極25内に組み込まれた抜け止めユニットである。
【0024】
雄端子45は、先端側から順に雄型嵌合部57、中間胴部59、スリーブ部61を有している。雄型嵌合部57の外周には環状溝が形成され、この環状溝には弾力性接触リング63が装着されている。弾力性接触リング63は、コンタクトバンド等の商品名で市販されているものである。また、中間胴部59の先端側には環状突縁65が形成されている。
【0025】
抜け止めユニット47は、前記雄端子45が挿通可能な筒体67を有している。この筒体67には周方向に所定の間隔をおいて複数の径方向貫通穴が形成され、各貫通穴にはロック駒69が径方向に移動可能となるように組み込まれている。各ロック駒69及び筒体67の外周には、図6に示すように、周方向に連続する環状溝71が形成され、この環状溝71には環状コイルバネ73が引張状態で装着されている。このため、各ロック駒69は、環状コイルバネ73によって常に内向きに押圧され、内端部が筒体67の内周面から突出する状態となる。
【0026】
また各ロック駒69の外端部にはストッパー75が形成され、これによってロック駒69の内端部が一定限度以上、筒体67の内周面から突出しないようになっている。ロック駒69の厚さ(径方向寸法)は、ストッパー75が図6のように筒体67の外周面に突き当たったときに、複数のロック駒69の内接円の大きさが、前記雄端子45の中間胴部59の外径と同じか、それより若干小さくなるように設定されている。
【0027】
また、筒体67の後端側は、複数のロック駒69の外接円よりも外径が若干大きく形成されており、その部分の外周面に雄ねじ部77が形成されている。さらに、筒体67の後端には、抜け止めユニット47を回転させる工具を掛けるための切欠き部79が形成されている。
【0028】
遮蔽電極25は、抜け止めユニット47を収容する収容凹部81を有しており、この収容凹部81の奥には、前記雄端子45の雄型嵌合部57が嵌合する雌型嵌合部83が形成されている。また収容凹部81の内周面には、前記抜け止めユニット47の雄ねじ部77がねじ込まれる雌ねじ部85が形成されている。
【0029】
ケーブル導体49を遮蔽電極25に接続するには、図5に示すように、まず抜け止めユニット47を収容凹部81に挿入し、筒体67の雄ねじ部77を遮蔽電極25の雌ねじ部85にねじ込む。このねじ込みは、筒体67の先端面が収容凹部81の奥壁87に突き当たるまで行う。これにより抜け止めユニット47が遮蔽電極25内に同軸状に固定される。その一方で、雄端子45のスリーブ部61をケーブル導体49の端部に圧縮接続する。なお、前記抜け止めユニット47を遮蔽電極25内に固定する作業は工場内で行うこともでき、この場合、両者を固定した状態で出荷することができる。
【0030】
その後、雄端子45の雄型嵌合部57を、抜け止めユニット47内を通過させて、遮蔽電極25の雌型嵌合部83に嵌合する。これにより、弾力性接触リング63が厚さ方向に圧縮され、雄型嵌合部57と雌型嵌合部83が弾力性接触リング63を介して電気的に接続される。また、雄型嵌合部57を雌型嵌合部83に嵌合させていくと、その途中で、雄端子45の環状突縁65が、抜け止めユニット47のロック駒69の区間を、ロック駒69を押し退けながら通過するので、通過後はロック駒69の内端部が環状コイルバネ73の押圧力で図4に示すように雄端子の中間胴部59上(環状突縁65の後端面側)に当接する状態となる。この状態になると、雄端子45に引き抜き力がかかった場合に、環状突縁65がロック駒69に引っ掛かる(係合する)ことになるので、雄端子45の引き抜けを防止することができる。
【0031】
特に、図示のように、環状突縁65の後端面及びロック駒69の先端面を、軸線に垂直に形成しておくと、雄端子45の引き抜けをより確実に防止することができる。また、環状突縁65の外周面及びロック駒69の内周面を、図示のように傾斜面(テーパー面又は面取り面)にしておくと、環状突縁65がロック駒69の区間を通過するときに、ロック駒69を押し退けやすくなり、雄端子45の挿入を容易に行うことができる。
【0032】
また、抜け止めユニット47は工場で遮蔽電極25内に固定した状態で出荷できるため、このようにすれば工事現場で施される特別な抜け止め処理は不要となり、工事現場における接続作業は雄端子45を抜け止めユニット47内を通過させて遮蔽電極25の雌型嵌合部83に嵌合するだけでよくなり、工事現場での接続作業性を向上させることができる。
【0033】
以上で導体接続完了であるが、その後に、導体接続を解除する必要が生じたときは、ストレスコーン53を後退させた後、筒体67の後端の切欠き部79に工具を掛けて、抜け止めユニット47をねじを弛める方向に回転させ、雄ねじ部77と雌ねじ部85のねじ結合を解除する。そうすると、大きな引き抜き力を加えなくとも、雄端子45を抜け止めユニット47と一緒に引き抜くことができ、接続を簡単に解除できる。
【0034】
ケーブル導体49の接続手段としては、従来から使用されているチューリップコンタクトを使用することも可能であるが、上記のような雄端子45と抜け止めユニット47を用いた接続構造を採用すると、接続部の軸線方向の寸法を大幅に短くすることができると共に、抜け止め作用が確実であり、接続解除も容易に行えるという利点がある。
【0035】
上記のようにしてケーブル導体49を遮蔽電極25に接続した後は、図2に示すように、ストレスコーン53をスプリングユニット89の押圧力でエポキシユニット15に押し付け、さらに小径保護管21の外端に外端部保護管91を接続する。外端部保護管91とCVケーブル23の外被との間はテープ巻き等による防水処理(図示せず)が施される。
【0036】
一方、OFケーブル19側も、ケーブル導体43の接続構造はCVケーブル23側と同じである。OFケーブル19側は、ケーブル絶縁体93の外周に、油浸紙巻回層95とベルマウス97が設けられ、さらに大径保護管17の外端に外端部保護管99が接続される。外端部保護管99の外端はOFケーブル19の外被(図示せず)につながる。大径保護管17及び外端部保護管99の内部は、OFケーブル19の内部と連通しており、絶縁油で満たされている。
【0037】
図7は本発明の他の実施形態を示す。上記の実施形態では、図3に示すように、第一ないし第三のOリング37、39、41により油止めのシールを行ったが、図7の実施形態は、第三のOリングを省略し、第一と第二のOリング37、39により油止めにシールを行ったものである。このような構造でも、油止め盤11とエポキシユニット15の境目からの油漏れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に用いる油止め盤の、CVケーブル側から見た正面図。
【図2】図1の油止め盤を使用した本発明に係る三相一括接続部の一実施形態を、図1のA−A線で示した断面図。
【図3】図2の接続部の要部を拡大して示す断面図。
【図4】図2の接続部における導体接続構造の好ましい実施形態を示す断面図。
【図5】図4の導体接続構造を組み立てる過程を示す断面図。
【図6】図4の導体接続構造に使用される抜け止めユニットを示す、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB−B線における横断面図。
【図7】本発明に係る異種ケーブル三相一括接続部の他の実施形態を示す要部の拡大断面図。
【符号の説明】
【0039】
11:油止め盤
13:穴
15:エポキシユニット
17:大径保護管
19:OFケーブル
21:小径保護管
23:CVケーブル
25:遮蔽電極
27:フランジ部
29:嵌合部
31:内向き環状突縁
33:雌ねじ部
35:雄ねじリング部
37:第一のOリング
39:第二のOリング
41:第三のOリング
42:ケーブルコア
43:ケーブル導体
44:ケーブルコア
45:雄端子
47:抜け止めユニット
49:ケーブル導体
51:ケーブル絶縁体
53:ストレスコーン
57:雄型嵌合部
59:中間胴部
61:スリーブ部
63:弾力性接触リング
65:環状突縁
67:筒体
69:ロック駒
73:環状コイルバネ
75:ストッパー
77:雄ねじ部
83:雌型嵌合部
85:雌ねじ部
97:ベルマウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの穴(13)を有する油止め盤(11)と、この油止め盤(11)の各穴(13)に挿通された3本のエポキシユニット(15)と、前記3本のエポキシユニット(15)のOFケーブル側の部分を一括して収容する大径保護管(17)と、前記3本のエポキシユニット(15)のCVケーブル側の部分を1本ずつ収容する3本の小径保護管(21)とを備え、
前記エポキシユニット(15)は中間部外周にフランジ部(27)を有しており、
前記油止め盤(11)の各穴(13)の内周面の、軸線方向中間部には前記フランジ部(27)が嵌合する嵌合部(29)が設けられ、OFケーブル側には前記フランジ部(27)の外径より小さい内径を有する内向き環状突縁(31)が形成され、CVケーブル側には雌ねじ部(33)が形成されており、
前記大径保護管(17)は前記油止め盤(11)に液密に固定され、前記小径保護管(21)は前記油止め盤(11)の雌ねじ部(33)にねじ込まれる雄ねじリング部(35)を有しており、
前記フランジ部(27)の外周面と油止め盤(11)の嵌合部(29)との間は、その両者間に配置された第一のOリング(37)によりシールされており、前記フランジ部(27)のOFケーブル側の端面と油止め盤(11)の内向き環状突縁(31)との間は、その両者間に配置された第二のOリング(39)を、前記油止め盤(11)の雌ねじ部(33)に前記小径保護管(21)の雄ねじリング部(35)をねじ込んで圧迫することによりシールされており、
前記3本のエポキシユニット(15)のOFケーブル側にはOFケーブル(19)の3本のケーブルコア(42)が接続され、CVケーブル側には3本のCVケーブル(23)のケーブルコア(44)が接続されている、
ことを特徴とする異種ケーブル三相一括接続部。
【請求項2】
前記フランジ部(27)のCVケーブル側の端面と前記小径保護管(21)の雄ねじリング部(35)との間は、その両者間に配置された第三のOリング(41)を、前記油止め盤(11)の雌ねじ部(33)に前記小径保護管(21)の雄ねじリング部(35)をねじ込んで圧迫することによりシールされていることを特徴とする請求項1記載の異種ケーブル三相一括接続部。
【請求項3】
請求項1又は2記載の異種ケーブル三相一括接続部であって、OFケーブル(19)のケーブル導体(43)及びCVケーブル(23)のケーブル導体(49)はそれぞれ、
先端部に雄型嵌合部(57)を設け、中間部外周に環状突縁(65)を設け、後端部にスリーブ部(61)を設けてなる雄端子(45)と、
前記雄端子(45)が挿通される筒体(67)に、ロック駒(69)を径方向に移動可能に組み込み、このロック駒(69)を、内端部が前記筒体(67)の内周面から突出するように押圧する押圧部材(73)を設けてなる抜け止めユニット(47)と、
この抜け止めユニット(47)を収容する収容部(81)の奥に、前記雄端子(45)の雄型嵌合部(57)が嵌合する雌型嵌合部(83)を設けてなる電極(25)とを備え、
前記雄端子(45)のスリーブ部(61)をケーブル導体(43・49)の端部に接続し、
前記抜け止めユニット(47)を電極(25)内に固定し、
前記雄端子(45)の雄型嵌合部(57)を、抜け止めユニット(47)内を通過させて、前記電極(25)の雌型嵌合部(83)に嵌合することにより電気的に接続すると共に、前記雄端子(45)の環状突縁(65)を、抜け止めユニット(47)のロック駒(69)の区間を当該ロック駒(69)を押し退けながら通過させて、ロック駒(69)の内端部を押圧部材(73)の押圧力で環状突縁(65)の後端面側に位置させることにより、雄端子(45)の引き抜けを防止した接続構造で、電極(25)に接続されていることを特徴とする異種ケーブル三相一括接続部。
【請求項4】
請求項1又は2記載の異種ケーブル三相一括接続部であって、OFケーブル(19)のケーブル導体(43)及びCVケーブル(23)のケーブル導体(49)はそれぞれ、
先端部に雄型嵌合部(57)を設け、中間部外周に環状突縁(65)を設け、後端部にスリーブ部(61)を設け、前記雄型嵌合部(57)の外周に弾力性接触リング(63)を装着してなる雄端子(45)と、
前記雄端子(45)が挿通される筒体(67)に、周方向に所定の間隔をおいて複数のロック駒(69)を径方向に移動可能となるように組み込み、この複数のロック駒(69)を、各々の内端部が前記筒体(67)の内周面から突出するように押圧するバネ部材(73)を設け、さらに前記筒体(67)の外周面に雄ねじ部(77)を形成してなる抜け止めユニット(47)と、
この抜け止めユニット(47)を収容する収容凹部(81)の奥に、前記雄端子(45)の雄型嵌合部(57)が嵌合する雌型嵌合部(83)を設け、前記収容凹部(81)の内周面に雌ねじ部(85)を形成してなる遮蔽電極(25)とを備え、
前記雄端子(45)のスリーブ部(61)をケーブル導体(43・49)の端部に圧縮接続し、
前記抜け止めユニット(47)を、前記筒体(67)の外周面の雄ねじ部(77)を遮蔽電極(25)の内周面の雌ねじ部(85)にねじ込むことにより、遮蔽電極(25)内に固定し、
前記雄端子(45)の雄型嵌合部(57)を、抜け止めユニット(47)内を通過させて、前記遮蔽電極(25)の雌型嵌合部(83)に嵌合することにより、雄型嵌合部(57)と雌型嵌合部(83)を前記弾力性接触リング(63)を介して電気的に接続すると共に、前記雄端子(45)の環状突縁(65)を、抜け止めユニット(47)のロック駒(69)の区間を当該ロック駒(69)を押し退けながら通過させて、ロック駒(69)の内端部をバネ部材(73)の押圧力で環状突縁(65)の後端面側に位置させることにより、雄端子(45)の引き抜けを防止した接続構造で、遮蔽電極(25)に接続されていることを特徴とする異種ケーブル三相一括接続部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−312527(P2007−312527A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139834(P2006−139834)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】