説明

異種生体組織を用いた人工心臓弁膜および製造方法

【課題】豚または牛心嚢およびステントを用いて人体組織との適合性に優れるうえ、拒絶反応および変形が起こらず、非侵襲的方法による施術が可能な、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法は、弁膜体をダクロン体上に重ね合わせた後、縫合糸を用いて縫い合わせ、しかる後に、弁膜体が内側に位置するようにダクロン体を円筒状に巻いて両端を縫合糸で縫い合わせ、形状記憶合金ワイヤーで編んで製造されたステントの内部に挿入して人工心臓弁膜を製造し、前記製造された人工心臓弁膜は、一般なステント挿入装置としてのカテーテルを用いて開胸することなく施術を行えるように構成することを特徴とし、既存の人工組織弁膜または人工組織補綴片を用いる場合より、新しい組織処理法を用いて生体内で化学的、物理的または免疫学的反応によって変性、退行しないようにするという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜および製造方法に関し、特に、豚心嚢または牛心嚢およびステントを用いて人体組織との適合性に優れるうえ、拒絶反応および変形が起こらず、非侵襲的方法による施術が可能な、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人工心臓弁膜は、人間の心臓弁膜に損傷或いは機能上の欠損がある場合に手術的な方法で心臓弁膜を置換するのに用いられる。また、人工心臓弁膜は、最近開発された人工心臓または心室補助装置における血液の逆流を防止するために用いられることもある。
【0003】
人工心臓弁膜は、主な材料の構成によって機械式弁膜、組織弁膜および高分子弁膜に分けられる。機械式弁膜は、環状フレームに円形または半円形蝶番の動きを一方向に制限して血液の逆流を防止する役目をし、組織弁膜は、動物の心臓弁膜または心臓を包んでいる心嚢(pericardium)を心臓の大動脈弁膜または肺動脈弁膜に似た形の構造で製作したものである。高分子弁膜は、医療用高分子を大動脈弁膜に似た形に成形して使用するか、或いは一方向弁の役目をする構造で製作する。
【0004】
ここで、大動脈弁膜の構造は、血液の逆流を防止する柔軟な構造の膜を3つ備えて血液の逆流を防止するが、これを三葉式弁膜といい、従来の組織弁膜と高分子弁膜が主にこのような形態と同様に製作されている。
【0005】
しかも、人工心臓弁膜の弁葉(リーフレット(leaflet))は、生体心臓弁膜の弁葉と同様に、柔軟な特性、および長期間体内で異常なく作動しなければならないため、その耐久性が重要な材料選定の基準である。また、血液と直接接触するため、血液適合性に優れた材料を選定し、或いは血液適合性を付加した材料を使用しなければならない。
【0006】
このような従来の三葉式高分子弁膜の製造は2つの段階からなる。まず、弁葉に該当する部品をまず製作する。
【0007】
この過程は、弁葉(リーフレット)に似た形のモールドを製作し、これを高分子溶液に浸漬した後で乾燥させる過程を繰り返し行った後、モールドから高分子膜を分離して弁葉の模様となるように製作する。その次に製作された弁葉を取り囲む弁膜導管(valve conduit)の内部に3つの弁葉を接着して完成する方法を使用する。この際、弁膜導管は弁膜が閉じるときに血液の停滞領域を最小化するために各弁葉に対する湾曲部(sinus)を形成することが有利であり、厚さは生体内の大動脈の厚さを考慮すると弁葉に比べて2〜20倍程度厚くなり、生体内で十分な強度を持つようにする。
【0008】
上述したような従来の三葉式高分子弁膜を製造する過程は、射出或いは他の方法で成形された弁膜導管を溶液状態の高分子とは別途に製作して接着する過程を経た。この生産にかかる時間は数日以上であり、浸漬および接着工程を手作業で行うため、均一な品質を期待することが難しいうえ、生産性が高くなくて実用性が低いという欠点を持っていた。
【0009】
また、従来のような人工心臓弁膜は、開胸を介しての施術が行われて患者の回復期間が長くかかると共に費用が上昇するという問題点があった。
【0010】
その上、従来のような人工心臓弁膜は、人工補綴弁膜または人工組織補綴片を用いて製作して施術しているが、人体の内部で化学的、物理的または免疫学的反応を起して変性、退行して機能が喪失または消滅してしまうという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上述したような従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、既存の人工組織弁膜または人工組織補綴片を用いる場合に比べて、新しい組織処理法を用いて生体内で化学的、物理的または免疫学的反応によって変性、退行が発生しないようにする、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜および製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、人工心臓弁膜体を、形状記憶合金のワイヤーを編んで製造したステントの内部に挿嵌し、開胸することなく非侵襲的な方法で施術を行えるようにすることにある。
【0013】
本発明の別の目的は、人工心臓弁膜を、カテーテルを用いて非侵襲的方法によって大腿骨動脈または静脈を経由して手術の可能な心臓弁膜不全患者に施術することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、人工弁膜を製造する方法において、豚または牛の心臓を包む心嚢リーフレットを長方形の形状に採取し、3つの半円形の弁膜が形成されるように裁断によって弁膜体を構成し、長方形のダクロン(dacron)布を用いて、弁膜体の弁膜より狭い面積を有する半円形の弁膜開放空間を3つ有するダクロン体を構成し、前記ダクロン体の弁膜開放空間が閉鎖するように弁膜体の弁膜を一部重ね合わせて位置させ、前記重なり合ったダクロン体と弁膜とを縫合糸を用いて半円形に縫い合わせて連結し、前記弁膜弁に縫合糸によって連結されるダクロン体が外部に露出されるように円筒状に巻いて両端を縫合糸で縫合することにより弁膜の互いに当接する人工心臓弁膜体を構成し、前記人工心臓弁膜体を、少なくとも1本の形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、両側に直径の拡張される拡管部を有し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体からなるステントの内部に挿入した後、ダクロン体と形状記憶合金ワイヤーとを縫合糸で多数箇所連結して構成することを特徴とする、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明は、既存の人工組織弁膜または人工組織補綴片を用いる場合に比べて、新しい組織処理法を用いて生体内で化学的、物理的または免疫学的反応によって変性、退行が発生しないようにするという効果がある。
【0016】
また、人工心臓弁膜体を、形状記憶合金ワイヤーを編んで製造したステントの内部に挿嵌し、開胸することなく非侵襲的な方法で施術を行うことができるようにするという効果がある。
また、人工心臓弁膜をカテーテルを用いて非侵襲的方法によって大腿骨動脈または静脈を経由して手術の不可能な心臓弁膜不全患者に施術することができるようにするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る豚心嚢とダクロン体を裁断した状態の平面図である。
【図2】本発明に係る豚心嚢とダクロン体とを重ね合わせた状態の平面図である。
【図3】本発明に係る豚心嚢とダクロン体とを重ね合わせて縫合糸を用いて結合させた状態の平面図である。
【図4】本発明に係る豚心嚢とダクロン体とを縫合糸を用いて結合させた後、円筒状に巻いて縫合糸を用いて結合させた状態の斜視図である。
【図5】図4の人工弁膜体を、両端に拡管部を有するステント内に挿入し、縫合糸を用いて結合させた状態の斜視図である。
【図6】図4の人工弁膜体を円筒状のステント内に挿入して縫合糸を用いて結合させた状態の斜視図である。
【図7】図4の人工弁膜体を、両端に設けられた拡管部のうち一側の拡管部が半分に拡張されたステント内に挿入し、縫合糸を用いて結合させた状態の斜視図である。
【図8】人工弁膜体を、一端に拡管部が設けられたステント内に挿入し、縫合糸を用いて結合させた状態の斜視図である。
【図9】図5の人工心臓弁膜を心臓に挿入施術する過程図である。
【図10】図6および図7の人工心臓弁膜を心臓に挿入施術した施術図である。
【図11】図6および図7の人工心臓弁膜を心臓に挿入施術した施術図である。
【図12】他の実施例に係るダクロン体に弁膜体を結合させて人工心臓弁膜を製造する過程図である。
【図13】他の実施例に係るダクロン体に弁膜体を結合させて人工心臓弁膜を製造する過程図である。
【図14】本発明に係る人工心臓弁膜を心臓に施術する例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1〜図5に示すように、本発明に係る豚心嚢を用いた人工心臓弁膜の製造方法では、弁膜体10をダクロン体20上に重ね合わせた後、縫合糸30を用いて縫い合わせ、しかる後に、弁膜体10が内側に位置するようにダクロン体20を円筒状に巻いて両端を縫合糸30で縫い合わせ、形状記憶合金ワイヤー51を編んで製造されたステント50の内部に挿入することにより、人工心臓弁膜100を構成する。
【0020】
まず、前記弁膜体10は、豚の心臓を包む心嚢リーフレットを長方形の形状に採取し、3つの半円形の弁膜11が設けられるように裁断する。
【0021】
前記ダクロン体20は、長方形のダクロン(Dacron)布を、弁膜体10の弁膜11より狭い面積を有する3つの半円形の弁膜開放空間21を形成するように裁断して構成する。
【0022】
前記ダクロン体20の弁膜開放空間21を閉鎖するように弁膜体10の弁膜11を一部重ね合わせて位置させる。
【0023】
その後、前記重なり合ったダクロン体20と弁膜11とを縫合糸30を用いて半円形に縫い合わせて連結する。
【0024】
前記弁膜体10に縫合糸30によって連結されるダクロン体20が外部に露出されるように円筒状に巻いて両端を縫合糸30で縫い合わせることにより、弁膜11が互いに当接する人工心臓弁膜体40を製造する。
【0025】
前記人工心臓弁膜体40をステント60の内部に挿入するが、前記ステント60は、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤー61を編んで多数の菱形の空間部62を形成するが、両側に直径の拡張される拡管部63を有し、多数の折曲端64が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体65からなる。しかる後に、ダクロン体20と形状記憶合金ワイヤー61とを縫合糸30で多数箇所連結する。
【0026】
図6に示すように、他の実施例として、ステント50は、少なくとも1本の形状記憶合金ワイヤー51を互いに編んで或いはジグザグに交差させて空間部52を形成する円筒状胴体53の両端には多数の折曲端54を円周に沿って形成して構成することができる。
【0027】
図7に示すように、別の実施例として、前記ステント70は、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤー71を編んで多数の菱形の空間部72を形成するが、両側に設けられる拡管部73のうち一側の拡管部は直径の拡張される半分拡管部73aを形成し、多数の折曲端74が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体75から構成することもできる。
【0028】
図8に示すように、別の実施例として、前記ステント80は、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤー81を互いに編んで多数の菱形の空間部82を形成する。
【0029】
一側に直径の拡張される拡管部83を設け、多数の折曲端84が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体85から構成することができる。
【0030】
このような前記ステント80は肺動脈導管内に挿入して施術することができる。
【0031】
以下、上述したように構成された本発明の人工心臓弁膜100の施術過程および作用について説明する。
【0032】
まず、前記人工心臓弁膜100を、一般なステント挿入装置の一種であるカテーテルの内部に体積を縮小させて挿入する。
この際、前記人工心臓弁膜100は、カテーテルの外部チューブ内に挿入し、前記外部チューブ内で前後方に移動する移動チューブによって外部に露出される。
図9〜図11に示すように、前記人工心臓弁膜100を施術するためには、まず、大腿骨動脈または静脈を介して、カテーテルを誘導することが可能なガイドワイヤー110を心臓120の内部に挿入し、人工心臓弁膜100を、施術すべき大動脈導管140の内部に位置させる。
ここで、前記人工心臓弁膜100は、大動脈導管140の内部に施術する施術法を例として説明しているが、肺動脈導管にも施術することが可能なものであって、大動脈導管と肺動脈導管に兼用できるので、拡大された適用性を有する。
この際、前記大動脈または肺動脈導管の内径を拡張しなければならない場合があるときは、風船状のバルーン130を用いて拡張した後で施術することができる。
その後、前記ガイドワイヤー110に沿ってカテーテルを挿入して大動脈または肺動脈導管の内部に位置させた状態で、移動チューブを前方に押せば、人工心臓弁膜100が外部のチューブ内から引き出される。
この際、前記外部チューブから引き出された人工心臓弁膜100は、ステント50、60、70の形状記憶合金ワイヤー51、61、71の復元機能によって円筒状に復元しながらステント50、60、70が大動脈または肺動脈導管の内壁面を加圧して支持する。
ここで、前記大動脈導管140の下部から上部へは血液が流動し且つ前記大動脈導管140の上部から下部へは血液が流動しないように、弁膜体10の弁膜11によって遮断される。
【0033】
付け加えると、前記大動脈導管140の下部から上部へ血液が流動すると、互いに当接している弁膜11は血液の流動力によって互いに広げられることになって血液が流動し、逆に、血液が上部から下部へ流動すると、弁膜11が互いに緊密に当接して血液流動が防止される。
【0034】
しかも、前記ステント70の場合、両側に設けられる拡管部73のうち一側の拡管部を直径の半分のみ拡張させて、ステント70が大動脈導管140に挿入されたときに僧帽弁膜と接触することを防止するために、半分のみ拡張される拡管部73を構成したのである。
【0035】
前記人工心臓弁膜100は、弁膜体10が豚または弁膜の大きさに応じて適正厚さの牛心嚢から構成され、前記ダクロン体20はポリエステルで製造された二重構造であって、新しい組織処理法を用いて生体内に施術する場合、化学的、物理的または免疫学的反応によっても変性、退行作用が発生しなくなる。
これにより、前記人工心臓弁膜100の機能喪失または機能消滅が発生せず、開胸施術を用いることなく施術が可能であって患者の負担が少なくなるという利点がある。
図12〜図14に示すように、他の実施例として、前記ダクロン体20は、長方形の板状にして、弁膜体10と結合するように構成することができる。
【0036】
すなわち、前記ダクロン体20の一側面に弁膜体10の弁膜11を縫合糸30を用いて半円形に縫い付けた後、ダクロン体20を円筒状に巻いて縫合糸30で連結してステント50、60、70の内部に挿入し、しかる後に、縫合糸30を用いて前記ダクロン体20と連結する。
【0037】
この際、前記人工心臓弁膜100aは、肺動脈導管150にカテーテルを用いて挿入施術することができる。前記人工心臓弁膜100aは肺動脈導管150に局限して専用使用することができる。
【0038】
しかも、前記人工心臓弁膜100、100aは、身体を開胸することなく心臓120に施術することを例示として説明するが、必要に応じて身体を開胸した状態でもカテーテルを用いることなく施術することもできる。
以上、本発明を特定の好適な実施例を例として図示および説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されず、本発明の精神から外れない範囲内で、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々な変更または修正を加えることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 弁膜体
11 弁膜
20 ダクロン体
21 弁膜開放空間
30 縫合糸
40 人工心臓弁膜体
50 ステント
51 形状記憶合金ワイヤー
52 空間部
53 円筒状胴体
54 折曲端
60 ステント
61 形状記憶合金ワイヤー
62 空間部
63 拡管部
64 折曲端
65 円筒状胴体
70 ステント
71 形状記憶合金ワイヤー
72 空間部
73 拡管部
74 折曲端
75 円筒状胴体
100 人工心臓弁膜
110 ガイドワイヤー
120 心臓
130 バルーン
140 大動脈導管
150 肺動脈導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工弁膜を製造する方法において、
豚または牛の心臓を包む心嚢リーフレットを長方形の形状に採取し、3つの半円形の弁膜が形成されるように裁断によって弁膜体を構成し、
長方形のダクロン布を用いて、弁膜体の弁膜より狭い面積を有する3つの半円形の弁膜開放空間を有するダクロン体を構成し、
前記ダクロン体の弁膜開放空間が閉鎖するように弁膜体の弁膜を一部重ね合わせて位置させ、
前記重なり合ったダクロン体と弁膜とを縫合糸を用いて半円形に縫い合わせて連結し、
前記弁膜弁に縫合糸によって連結されるダクロン体が外部に露出されるように円筒状に巻いて両端を縫合糸で縫合することにより弁膜の互いに当接する人工心臓弁膜体を構成し、
前記人工心臓弁膜体を、少なくとも1本の形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、両側に直径の拡張される拡管部を有し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体からなるステントの内部に挿入した後、ダクロン体と形状記憶合金ワイヤーとを縫合糸で多数箇所連結して構成することを特徴とする、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法。
【請求項2】
前記ステントは、少なくとも1本の形状記憶合金ワイヤーを互いに編んで或いはジグザグに交差させて空間部を形成する円筒状胴体の両端には多数の折曲端を円周に沿って形成して構成することを特徴とする、請求項1に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法。
【請求項3】
前記ステントは、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、両側に設けられる拡管部のうち一側の拡管部は直径の半分のみ形成される半分拡管部を形成し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体から構成することを特徴とする、請求項1に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法。
【請求項4】
前記ダクロン体は、長方形の板状にして、弁膜体と結合するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法。
【請求項5】
前記ステントは、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、一側に直径の拡張される拡管部を設け、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体から構成することを特徴とする、請求項1に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜の製造方法。
【請求項6】
人工弁膜において、
弁膜の大きさに応じて適正厚さに豚または牛の心臓を包む心嚢リーフレットを長方形の形状に採取し、3つの半円形の弁膜が形成されるように裁断によって構成する弁膜体と、長方形のダクロン布を用いて、弁膜体の弁膜より狭い面積を有する3つの半円形の弁膜開放空間を形成して構成するダクロン体とを含んでなるものであって、前記ダクロン体の弁膜開放空間を閉鎖するように前記弁膜体の弁膜を一部重ね合わせて前記ダクロン体と前記弁膜とを縫合糸を用いて半円形に縫い合わせて連結し、前記弁膜体に縫合糸によって連結される前記ダクロン体が外部に露出されるように円筒状に巻いて両端を縫合糸で縫い合わせて前記弁膜が互いに当接するように構成される人工心臓弁膜体と、
少なくとも1本の形状記憶合金ワイヤーを互いに編んで或いはジグザグに交差させて空間部を形成する円筒状胴体の両端に多数の折曲端を円周に沿って形成してなるステントとを含んでなり、
前記人工心臓弁膜体を前記ステントの内部に挿入した後、前記ダクロン体と前記形状記憶合金ワイヤーとを縫合糸で多数箇所連結して構成することを特徴とする、異種生体組織を用いた人工心臓弁膜。
【請求項7】
前記ステントは、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、両側に直径の拡張される拡管部を有し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体から構成することを特徴とする、請求項6に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜。
【請求項8】
前記ステントは、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、両側に設けられる拡管部のうち一側の拡管部は直径の拡張される半分拡管部を形成し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体から構成することを特徴とする、請求項6に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜。
【請求項9】
前記ダクロン体は、長方形の板状にして、弁膜体と結合するように構成することを特徴とする、請求項6に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜。
【請求項10】
前記ステントは、少なくとも1本の超弾性形状記憶合金のようなステント製造用ワイヤーを編んで多数の菱形の空間部を形成するが、一側に直径の拡張される拡管部を有し、多数の折曲端が円周に沿って端部に形成された中空式の円筒状胴体から構成することを特徴とする、請求項6に記載の異種生体組織を用いた人工心臓弁膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−16589(P2012−16589A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139187(P2011−139187)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(510045092)テウーン メディカル カンパニー リミティッド (14)
【出願人】(510229005)
【Fターム(参考)】