疑似基地局装置
【課題】本発明は、作業性を大幅に向上できるようにした疑似基地局装置を提供する。
【解決手段】本発明によると、被測定対象である試験端末と該試験端末に接続可能な少なくとも1つの接続先との間に介挿され、前記試験端末と前記接続先とのいずれか一方から他方に対する接続要求及び切断要求に応じて前記試験端末と前記接続先との間に通信回線を形成すると共に、前記通信回線を切断する疑似基地局部と、前記疑似基地局部によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末と前記接続先との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末と前記疑似基地局部との間、及び前記接続先と前記疑似基地局部との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスを表示させるシーケンス状態表示制御部、前記疑似基地局部を介した前記試験端末と前記接続先との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンスの表示にリンクさせて表示させる接続状態表示制御部とを備えた疑似基地局装置が提供される。
【解決手段】本発明によると、被測定対象である試験端末と該試験端末に接続可能な少なくとも1つの接続先との間に介挿され、前記試験端末と前記接続先とのいずれか一方から他方に対する接続要求及び切断要求に応じて前記試験端末と前記接続先との間に通信回線を形成すると共に、前記通信回線を切断する疑似基地局部と、前記疑似基地局部によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末と前記接続先との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末と前記疑似基地局部との間、及び前記接続先と前記疑似基地局部との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスを表示させるシーケンス状態表示制御部、前記疑似基地局部を介した前記試験端末と前記接続先との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンスの表示にリンクさせて表示させる接続状態表示制御部とを備えた疑似基地局装置が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は疑似基地局装置に係り、特に、例えば、移動通信端末からなる試験端末における接続先との間の通信動作を確認及び試験するための疑似基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の移動通信端末を新規に開発する際には、この移動通信端末が接続先(通信先)との間で正常に通信動作を行うことができることを確認するための通信試験が必要となる。
【0003】
このような通信試験を実行する場合、被試験用の移動通信端末(以下、試験端末)を実際の基地局を介して接続先(通信先)に接続することができないので、実際の基地局と同様の機能を有した疑似基地局装置を用いて試験端末の接続先との間の通信動作を確認するようにしている。
【0004】
このような通信試験を実行する際に、試験端末と正常な機能を有した接続先(通信先)又は測定器との通信に関する手順及び状態を示すシーケンスをその都度検出して表示器に表示する技術を有する疑似基地局装置は、既に非特許文献1に開示されている。
【0005】
この非特許文献1に開示された疑似基地局装置は、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されるまでの間に、試験端末との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されてから、通信回線が切断され、元の状態に至るまでの間に、試験端末と接続先(通信先)又は測定器及び疑似基地局装置との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態をその都度検出して、表示器にシーケンスとして表示している。
【0006】
これにより、試験実施者は、当該試験端末が一連の通信試験のうち、現在どの通信の手順及び通信の遷移状態にあるのかを一瞥して把握することができる。
【0007】
したがって、試験実施者は、当該試験端末の通信試験において、異常発生時における異常原因を短時間で究明することができる。
【非特許文献1】「PHS 1.9GHz シグナリングテスタ MD1620C」 アンリツ株式会社 製品カタログ 1997年4月 発行」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した非特許文献1に開示された疑似基地局装置においても、まだ解消すべき次のような課題がある。
【0009】
近年、試験端末としての移動通信端末の機能が多様化しており、試験端末に接続可能な接続先は、一般の通話用の通話端末の他に、電子メールや情報通信を送受信するための通信サーバや、TV電話等がある。
【0010】
これに伴い、試験端末としての移動通信端末を通して接続先から提供されるサービスも多様化しているので、そのための通信試験を効率的に行うことができる疑似基地局装置が必要となる。
【0011】
このような通信試験を実行する疑似基地局装置は、先ず、試験端末を当該疑似基地局装置と接続状態とし、その後、指定された接続先と接続状態とし、この接続状態において接続先から提供されるサービスの試験を行い、最後に、試験端末と該当接続先との接続状態を解除する。
【0012】
上述した非特許文献1に開示された技術による疑似基地局装置においては、試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等は、表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を把握することが要求される。
【0013】
しかしながら、疑似基地局装置の使用に不慣れな試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等では、表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することが困難であるため、その作業性が低下しがちであるという問題を抱えている。
【0014】
そこで、本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等が表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することができるようにすることにより、試験実施者等の作業性を大幅に向上できるようにした疑似基地局装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の疑似基地局装置は、
被測定対象である試験端末(8)と該試験端末(8)に接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部(13)と、
前記疑似基地局部(13)によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)のシーケンス表示部(4)に表示させるシーケンス状態表示制御部(27)とを含む疑似基地局装置において、
前記疑似基地局部(13)を介した前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部(27)によるシーケンスの表示にリンクさせて前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示させる接続状態表示制御部(29)を備えたことを特徴としている。
【0016】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先との間の一連の通信試験に関して疑似基地局部との間のシーケンスが表示されると共に、このシーケンスの表示に加えて試験端末と接続先との間の接続状態が通信の遷移状態に対応付けてシーケンスの表示にリンクして表示される。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の請求項2の疑似基地局装置は、請求項1に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記接続先のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した仮想接続先(10a,11a,12a)であることを特徴としている。
【0018】
このように構成された疑似基地局装置においては、疑似基地局装置内に、試験端末に接続可能な接続先のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した少なくとも1つの仮想接続先として組込まれているので、別途、試験端末に接続可能な実際の接続先を準備して、それを当該疑似基地局装置に接続する必要はない。
【0019】
この結果、疑似基地局装置単独で試験端末に対する仮想接続先との通信試験を実施することができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の請求項3の疑似基地局装置は、請求項1または請求項2に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の表示画面上における距離(D)を外部操作によって前記試験端末(8)を移動させて変化させるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含む試験端末移動手段(34)と、
前記表示画面上において移動された前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の距離(D)に応じて前記疑似基地局部部(13)から前記試験端末(8)への送信信号のレベルを変更する出力レベル設定手段(38)とをさらに備えていることを特徴としている。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の請求項4の疑似基地局装置は、請求項3に記載の疑似基地局装置において、前記出力レベル設定手段(38)は、前記表示画面上の距離 (D)が所定の距離よりも長くなると、前記疑似基地局部(13)からの前記試験端末 (8)に対する送信信号のレベルを当該距離に応じて低下させ、前記表示画面上の距離 (D)が所定の距離よりも短くなると前記疑似基地局部(13)からの前記送信信号のレベルを当該距離に応じて上昇させることを特徴としている。
【0022】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者は、GUI手法を用いて、試験端末と疑似基地局部との表示画面上における距離を変更することにより、疑似基地局部から試験端末への送信信号のレベルを変更することが可能となり、実際の試験端末と基地局との関係を模擬できるので、試験端末に対する試験の種類の範囲を広げることが可能となる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5の疑似基地局装置は、請求項1乃至4のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続可能な少なくとも1つの接続先 (10,11,12)のうちの1つの接続先が電子メールサーバ(11a)であるとき、前記電子メールサーバ(11a)に対して電子メールの送受信を行うメールアプリケーション(41a)と、
前記メールアプリケーション(41a)が送受信を行う前記電子メールを前記表示器 (2)のメール画面表示部(41)上に表示して外部操作により編集可能とする編集手段(31,32,33)とをさらに備えていることを特徴としている。
【0024】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末が有する電子メールの機能を、疑似基地局シュミレータ装置内に設けられたメールアプリケーションと電子メールの交換を実施し、電子メールの作成、閲覧、編集、操作を用いて、確認(試験)することが可能である。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の請求項6の疑似基地局装置は、請求項1乃至5のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続可能な接続先(10,11,12)のうちの少なくとも1つの接続先は他の疑似基地局装置(43a)であることを特徴としている。
【0026】
このように構成された疑似基地局装置においては、2台以上の疑似基地局装置を互いに接続し、各疑似基地局装置にそれぞれ試験端末を接続して、一方の疑似基地局装置の試験端末から相手側の疑似基地局装置に接続された試験端末を指定することにより、両方の試験端末を用いて、対向試験を実施することができる。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の請求項7の疑似基地局装置は、請求項1乃至6のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス表示部(6)に表示させる前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末(8)の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス(4a)、前記試験端末(8)の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス(4b)、前記試験端末(8)の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス(4c)、前記試験端末(8)の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス(4d)、前記試験端末 (8)の発信状態を示す「発信」シーケンス(4e)、前記試験端末(8)の着信状態を示す「着信」シーケンス(4f)、前記試験端末(8)の通信状態を示す「通信状態」シーケンス(4g)、前記試験端末(8)からの切断状態を示す「UE(試験端末8)切断」シーケンス(4h)、前記接続先(10,11,12)からの切断状態を示す「NW(接続先)切断」シーケンス(4i)で構成されている一連のシーケンス(4a〜4i)を各シーケンス(4a−4i)間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示する際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴としている。
【0028】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されるまでの間に、試験端末との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されてから、通信回線が切断され、元の状態に至るまでの間に、試験端末と接続先(通信先)又は測定器及び疑似基地局装置との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態を表示器に一連のシーケンスとして表示しているので、試験実施者は、当該試験端末が一連の通信試験のうち、現在どの通信の手順及び通信の遷移状態にあるのかを一瞥して把握することができる。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の請求項8の疑似基地局装置は、請求項1乃至7のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記シーケンス状態表示制御部部(27)によって前記表示器(2)の前記シーケンス表示部(6)に表示される前記シーケンス (4a−4i)として、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間における前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとのうちの少なくとも一方を選択可能であることを特徴としている。
【0030】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者等は、必要に応じて、表示器のシーケンス表示部にシーケンスの内容を見たい場所を選択して表示させることが可能である。
【0031】
上記課題を解決するために、本発明の請求項9の疑似基地局装置は、請求項1乃至8のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態表示部(5)に前記試験端末(8)、前記疑似基地局部(13)及び前記仮想接続先としての仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つをそれぞれ図形化して表示させると共に、前記接続状態表示部(5)に図形化して表示される前記疑似基地局部(13)に対する前記試験端末(8)及び前記仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つの間の複数の接続線を図形化して表示させ、且つ、前記複数の接続線を図形化して表示させる際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴としている。
【0032】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者等は、表示器に表示されるシーケンスとリンクして、試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することができる。
【0033】
上記課題を解決するために、本発明の請求項10の疑似基地局装置は、請求項1乃至9のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記通信回路の通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用するとき、前記疑似基地局部(13)は、
前記試験端末(8)から受信部(15a)を介して受信された信号をRF入力処理するRF入力部(15c)と、
前記RF入力部(15c)からの出力を受信処理する受信処理部(16)と、
前記受信処理部(16)内で前記RF入力部(15c)からの出力を低周波数化する入力IF処理部(17)と、
前記入力IF処理部(17)で低周波数化された信号を前記受信処理部(16)内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部(18)及びデコーダ部(19)と、
前記デコーダ部(19)でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、前記試験端末(8)の指定する前記接続先(10,11,12)を呼出す接続先選択部(21)が組込まれた通信制御部(20)と、
前記通信制御部(20)を介して前記接続先(10,11,12)から入力されたデータを送信処理する送信処理部(22)と、
前記送信処理部(22)内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部(23)と、
前記送信処理部(22)内で前記コーダ部(23)でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部(24)及び出力IF処理部(25)と、
前記出力IF処理部(25)で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部(15d)とを備え、
前記RF出力部(15d)から出力されたRF出力信号は送信部(15b)を介して前記試験端末(8)に送信されることを特徴としている。
【0034】
上記課題を解決するために、本発明の請求項11の疑似基地局装置は、請求項10に記載の疑似基地局装置において、前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出するシーケンス状態検出部(26)をさらに備え、
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス状態検出部(26)によって検出されたシーケンス状態に基づいて、前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を前記シーケンス表示部(6)に表示させることを特徴としている。
【0035】
上記課題を解決するために、本発明の請求項12の疑似基地局装置は、請求項10又は11に記載の疑似基地局装置において、前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を検出する接続状態検出部(28)をさらに備え、
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態検出部(28)によって検出された接続状態に基づいて前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を前記接続状態表示部(5)に表示させることを特徴としている。
【0036】
上記課題を解決するために、本発明の請求項13の疑似基地局装置は、請求項1乃至12のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記試験端末(8)が前記疑似基地局部(13)を介して接続された少なくとも1つの接続先(10,11,12)を示す接続先を表示する接続先表示部(6)をさらに備えていることを特徴としている。
【0037】
上記課題を解決するために、本発明の請求項14の疑似基地局装置は、被測定対象である試験端末(8)と接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの、相手先を指定した発信により対応する前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成し、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの切断指示により、形成された前記回線を切断する疑似基地局部(13)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び該接続された前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)に表示するシーケンス表示部(27)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介した各接続先(10,11,12)との接続状態を前記表示器(2)に前記シーケンスに連動してに表示する接続状態表示部(29)と、
を備えたことを特徴としている。
【0038】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先との間の通信に関して疑似基地局部との間のシーケンスの他に試験端末と接続先との間の接続状態がこのシーケンスに連動して表示される。
【発明の効果】
【0039】
以上のような本発明による疑似基地局装置は、試験端末と接続先との間の通信試験に関するシーケンスを表示すると共に、このシーケンスの表示に加えて試験端末と接続先との間の接続状態がシーケンスの表示にリンクして表示している。
【0040】
したがって、本発明による疑似基地局装置によれば、試験実施者等にとって、試験端末の一連の通信試験における現在の通信手順、及び試験端末の現在の接続状態が一瞥して把握でき、異常発生時における異常原因を短時間で究明でき、試験実施者等の作業性を大幅に向上させることができる。
【0041】
また、本発明による疑似基地局装置によれば、試験端末を通して提供されるサービスの開発やその試験を行う者で、疑似基地局擬装置の使用に不慣れな者であっても、試験端末の現在の通信手順及び試験端末の接続状態を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明による疑似基地局装置に関する幾つかの実施形態を図面を参照して説明する。
【0043】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる疑似基地局装置43の外観図である。
【0044】
図1に示すように、この第1実施形態に係わる疑似基地局装置43においては、筐体1の前面に表示器2及び操作パネル3が設けられている。
【0045】
ここで、表示器2には、必要に応じて後述するようなシーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6が表示される。
【0046】
さらに、筐体1の例えば、前面(以下「前面」として説明するが特に指定するものではない。)に試験端末8が接続される信号端子7、及び後述する接続先としての各機器が接続される信号端子9a、9b、9c、9dが設けられている。
【0047】
以下、信号端子9a、9b、9c、9dは、複数あるものとして説明を行うが、接続形態によって信号端子数が異なる場合もある(例えば、イーサネット(登録商標)では共通に使用可能)。
【0048】
そして、信号端子9b、9c、9dには、必要に応じて、図2に示すように、試験端末8に接続可能な接続先としての実際の通話先10、サーバ11、TV電話12が接続される。
【0049】
なお、この実際の通話先10、サーバ11、TV電話12を信号端子9b、9c、9dに接続しなくても、この通話先10、サーバ11、TV電話12の機能を有した図4に示す仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aを当該疑似基地局装置43の内部に組込むことによって、当該疑似基地局装置43の内部に組込まれた仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aによって各接続先の機能を果たすことが可能であり、各接続先の機能を組合わせることも可能である。
【0050】
以下、この第1実施形態では、当該疑似基地局装置装置43の内部に組込まれた各仮想接続先を用いて試験端末8に対する通信試験を実施する場合について説明する。
【0051】
図3は、表示器2に表示されたシーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6の詳細を示す図である。
【0052】
ここで、シーケンス表示部4には、図3に示すように、試験端末8と擬似基地局部13を介しての仮想接続先10a、11a、12aとの通信に関して、試験端末8と擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示す後述するような複数のシーケンス4a〜4iが表示される。
【0053】
なお、表示されているシーケンス表示部4を、接続した仮想接続先10a、11a、12aのうちのどれか1つと擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスの表示に切替える場合(後述)には、操作パネル3及び外部に接続した不図示のマウス等を使用して図示しない切替ボタンを選択したり、接続状態表示部5に表示されいる接続先を直接選択することによって、その切替え表示を実現することができる。
【0054】
以降の説明では、シーケンス表示部4には、試験端末8と擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスが表示されているものとして説明する。
【0055】
具体的には、シーケンス表示部4には、図3に示すように、後述するシーケンス状態表示制御部27によって、前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス4a、前記試験端末の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス4b、前記試験端末の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス4c、前記試験端末の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス4d、前記試験端末の発信状態を示す「発信」シーケンス4e、前記試験端末の着信状態を示す「着信」シーケンス4f、前記試験端末の通信状態を示す「通信状態」シーケンス4g、前記試験端末からの切断状態を示す「UE:user equipment(試験端末8)切断」シーケンス4h、前記接続先からの切断状態を示す「NW;network(接続先)切断」シーケンス4iで構成されている一連のシーケンスが各シーケンス間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示される際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示されるようになされている。
【0056】
なお、シーケンス表示部4中の各シーケンス4a〜4i間の矢印は、各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す。
【0057】
ここで、各シーケンスが遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示されるとは、該当するシーケンスの遷移状態になったときに、それまでの表示状態とは異なる表示状態として、例えば、表示色を変えたり、表示輝度を変えて表示されるようになされていることを意味している。
【0058】
以下では、説明の単純化のために、それまでの表示状態が非点灯状態であると仮定して、該当するシーケンスの遷移状態になったときに、該当するシーケンスの表示状態が点灯状態になるとして説明する。
【0059】
また、接続状態表示部5には、図3に示すように、試験端末8と疑似基地局部13を介した各仮想接続先との接続状態が表示される。
【0060】
具体的には、接続状態表示部5には、後述する接続状態表示制御部29によって、前記試験端末8、前記疑似基地局部13、前記仮想接続先としての仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aがそれぞれ図形化したアイコンとして表示されると共に、前記疑似基地局部13に対する前記試験端末8、前記仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aそれぞれの間の複数の接続線14を図形化して表示する際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示されるようになされている。
【0061】
ここで、複数の接続線14を図形化して表示する際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示されるとは、接続の有無に応じて該当する接続線14の表示色を変えたり、表示輝度を変えて表示されるようになされていることを意味している。
【0062】
以下では、説明の単純化のために、該当する接続線14が接続されていないときの表示状態が非点灯状態であると仮定して、該当する接続線14が接続になったときに、その表示状態が点灯状態になるとして説明する。
【0063】
そして、試験端末8が疑似基地局部13を介して接続された一つの仮想接続先を示す接続先表示部6は、表示部6aと操作部6bとで構成されている接続先を表示する。
【0064】
この図3において、接続先表示部6には、仮想通話先10aが接続先として選択された状態として仮想通話先10aが図形化して示されている。
【0065】
図4は、この第1実施形態による疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
すなわち、図4に示すように、試験端末8からの信号は受信部15aで受信されて疑似基地局部13へ入力される。
【0067】
疑似基地局部13からの信号は、送信部15bを介して試験端末8に送信される。
【0068】
図5は、通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用する場合の疑似基地局部13の概略構成を示すブロック図である。
【0069】
すなわち、この疑似基地局部13は、試験端末8から受信部15aを介して受信された信号をRF(高周波)入力処理するRF入力部15cと、このRF入力部15cからの出力を受信処理する受信処理部16と、この受信処理部16内で前記RF入力部15cからの出力を低周波数化するための入力IF(中間周波数)処理する入力IF処理部17と、この入力IF処理部17で低周波数化された信号を受信処理部16内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部18及びデコーダ部19と、前記デコーダ部19でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、試験端末8の指定する前記仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)を呼出す接続先指定部21が組込まれている通信制御部20と、この通信制御部20を介して前記仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)から入力されたデータを送信処理する送信処理部22と、この送信処理部22内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部23と、送信処理部22内のコーダ部23でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部24及び出力IF処理部25と、この出力IF処理部25で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部15dとを備えている。
【0070】
すなわち、以上のように構成される疑似基地局部13において、前記RF出力部15dからのRF出力信号は送信部15bを介して前記試験端末8に送信される。
【0071】
この疑似基地局部13においては、受信部15aで受信された受信信号はRF入力部15cを介して受信処理部16内の入力IF処理部17へ入力される。
【0072】
そして、この受信信号は、入力IF処理部17で低周波数化された後に、逆拡散を行う逆拡散部18、デコード処理を行うデコーダ部19を介して、デコードされたデータとして通信制御部20へ入力される。
【0073】
ここで、接続先指定部21が組込まれている通信制御部20は、デコーダ部19でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、試験端末8の指定する仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)を呼出す。
【0074】
この場合、通信制御部20は、仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)のいずれかが指定する試験端末8を呼出すことも可能である。
【0075】
また、通信制御部20は、仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)から入力されたデータを、送信処理部22内のコーダ部23へ送出する。
【0076】
そして、コーダ部23でコード化されたデータは、拡散処理を行う拡散部24、高周波数化処理を行う出力IF処理部25、RF出力部15dを介して、送信部15bへ出力される。
【0077】
図4におけるシーケンス状態検出部26は、疑似基地局部13の通信制御部20から試験端末8に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出する。
【0078】
そして、このシーケンス状態検出部26によって検出されたシーケンス状態は、シーケンス状態表示制御部27を介して、試験端末8に対する通信試験における現在のシーケンス状態として表示器2のシーケンス表示部4に表示される。
【0079】
また、接続状態検出部28は、疑似基地局部13の通信制御部20から試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態を検出する。
【0080】
そして、この接続状態検出部28によって検出された接続状態は、接続状態表示制御部29を介して、試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態として表示器2の接続状態表示部5に表示される。
【0081】
疑似基地局部13の通信制御部20には、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、及び接続先の装置とのインタフェースとして信号を変換するための信号変換部45を介して各信号端子9b、9c、9dが接続されている。
【0082】
接続先選択部30は、接続状態検出部28で検出された試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態から現在の仮想接続先(10a、11a、12a)を選択する。
【0083】
そして、この接続先選択部30によって選択された仮想接続先は、接続先表示制御部31を介して、試験端末8に対する通信試験における現在の接続先として表示器2の接続先表示部6に表示される。
【0084】
表示器2における接続先表示部6の前面には、タッチパネル32が貼付けられ、試験実施者がタッチパネル32を介して操作部6bを操作すると、操作検出部33が操作情報を検出して、接続先選択部30を介して対応する仮想接続先(10a、11a,12a)へ送出する。
【0085】
操作パネル3と共に試験端末移動入力部130を構成するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)34及びアイコン移動制御部35は、試験実施者による操作パネル3の操作に応じて、図12に示すように、表示器2の接続状態表示部5に図形化したアイコンとして表示されている試験端末8を図示矢印で示すように移動させて試験端末8と部(NW)13との表示画面上の距離Dを変化させる。
【0086】
この試験端末8と疑似基地局部(NW)13との表示画面上の距離Dは、距離検出部36によって検出される。
【0087】
出力レベル算出部37は、距離検出部36によって検出された距離Dに基づいて、疑似基地局部13から試験端末8に対する送信信号の出力レベルを算出する。
【0088】
出力レベル設定部38は、算出された出力レベルを疑似基地局部13内のRF出力部15dへ設定する。
【0089】
具体的には、出力レベル設定部38は、表示された距離Dが所定の距離よりも長くなると疑似基地局部13からの記験端末8に対する送信信号のレベルを距離に応じて低下させると共に、表示された距離Dが所定の距離よりも短くなると疑似基地局部13からの送信信号のレベルを距離に応じて上昇させるようにする。
【0090】
これにより、実際の試験端末と基地局との関係を模擬することができるので、試験端末8に対する試験の種類の範囲を広げることが可能となる。
【0091】
この試験端末8と疑似基地局部13との表示画面上の距離Dを変化させる操作は、操作パネル3以外に、外部に接続されたマウス等により行うようにしてもよい。
【0092】
そして、本発明による疑似基地局装置43は、基本的には、被測定対象である試験端末8と該試験端末8に接続可能な少なくとも1つの接続先10,11,12(仮想接続先10a,11a,12aでもよい。以下同じ)との間に介挿され、前記試験端末8と前記接続先10,11,12とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末8と前記接続先10,11,12との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部13と、前記疑似基地局部13によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末8と前記接続先10,11,12との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末8と前記疑似基地局部13との間、及び前記接続先10,11,12と前記疑似基地局部13との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス4a〜4iを表示器2のシーケンス表示部4に表示させるシーケンス状態表示制御部27と、前記疑似基地局部13を介した前記試験端末8と前記接続先10,11,12との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部27によるシーケンスの表示にリンク(連動)させて前記表示器2の接続状態表示部5に表示させる接続状態表示制御部29とを有している。
【0093】
次に、以上のように構成された第1実施形態の疑似基地局装置43における、例えば、移動通信端末からなる試験端末8に対して一連の通信試験を行うために、試験実施者が行う各操作と表示器2の表示状態の変遷を図6乃至図11を用いて説明する。
【0094】
先ず、試験実施者が、前述のように、試験端末8を疑似基地局装置43の信号端子7に接続し、該疑似基地局装置43を起動する。
【0095】
これにより、図6に示すように、表示器2のシーケンス表示部4における「電源OFF」シーケンス4aが試験端末8の現在の遷移状態を示すものとして点灯する。
【0096】
なお、この状態においては、接続状態表示部5の各接続線14は点灯していない。但し、試験端末8が未接続の状態でも同様な表示となってもよい。
【0097】
次に、試験実施者が試験端末8の電源を投入すると、図7に示すように、シーケンス表示部4における「位置登録」シーケンス4cが短時間点灯し、続いて「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯する。
【0098】
続いて、試験実施者が試験端末8をダイヤル操作して接続先(10a、11a、12a)のうちの一つを指定すると、図8に示すように、シーケンス表示部4における「発信」シーケンス4eが点灯すると同時に、接続状態表示部5に表示されている試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0099】
なお、疑似基地局部(NW)部13から試験端末8が指定された呼び出し信号が入力された場合には、シーケンス表示部4における「着信」シーケンス4fが点灯する。
【0100】
例えば、試験実施者が接続先(10a、11a、12a)として仮想通話先10aを指定すると、図9に示すように、接続先表示部6には仮想通話先10aが表示される。
【0101】
試験実施者が、接続先表示部6に表示された操作部6bでオフフック操作をタッチパネル32等を使用して表示画面上で行うと、疑似基地局部13を介して試験端末8と仮想通話先10aとの間で通信回線が形成される。
【0102】
これにより、図9に示すように、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と仮想通話先10aとの間の接続線14が点灯する。
【0103】
なお、仮想通話先10aが呼び出し中のときには、それが識別可能となるように、仮想通話先10aと疑似基地局部(NW)13との間の接続線14を点滅させてもよい。
【0104】
そして、通信回線が形成された状態における試験端末8と接続先としての仮想通話先10aとの間で、疑似基地局部13を介して通信品質、通話品質、及び提供サービスの実施状態等の一連の確認試験が終了すると、試験実施者は、試験端末8をオンフック操作して通信回線を切断する。
【0105】
これにより、図10に示すように、シーケンス表示部4における「UE切断」シーケンス4hが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0106】
なお、接続先としての仮想通話先10a側から通信回線を切断した場合には、シーケンス表示部4における「NW切断」シーケンス4iが点灯し、接続状態表示部5における仮想通話先10aと疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0107】
そして、試験端末8と接続先としての仮想通話先10aとの間の通信回線が完全に切断されると、図11に示すように、シーケンス表示部4における「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯し、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と仮想通話先10aとの間の接続線14が消灯する。
【0108】
また、接続先としての仮想通話先10a側から試験端末8に対して接続要求を行う場合も、試験実施者が、上述した説明と同様な手順(但し、向きが逆になる)で接続先表示部6に表示された操作部6bから操作を行うことにより、仮想通話先10a側から接続が開始され、仮想通話先10aと接続状態表示部5における疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅した後に通信回線が形成される。
【0109】
このときシーケンス表示部4には、試験端末8側が選択されている場合(上述の説明の状態のまま)には、疑似基地局部13と試験端末8との間の着信動作に関する表示が行われる。
【0110】
また、操作パネル3及び外部に接続された不図示のマウス等により接続状態表示部5に表示された仮想通話先10aを示す表示を選択したり、不図示の切替ボタンを選択すると、シーケンス表示部4には仮想通話先10aと疑似基地局部13との間の発信動作及び着信動作に関する表示が行われる。
【0111】
上記シーケンス表示部4の表示の選択操作にて試験端末8と仮想通話先10aとの両方を選択した場合には、試験端末8と疑似基地局部13との間と、仮想通話先10aと疑似基地局部13との間とのそれぞれの通信手順及び通信の遷移状態を示す2つのシーケンスの表示が行われることになる。
【0112】
このように、表示器2には、シーケンス状態表示制御部27によってシーケンス表示部4に表示される試験端末8と接続先(10a、11a、12a)との間の通信に関する 「電源OFF」シーケンス4a、「位置登録解除」シーケンス4b、「位置登録」シーケンス4c、「待ち受け状態」シーケンス4d、「発信」シーケンス4e、「着信」シーケンス4f、「通信状態」シーケンス4g、「UE(試験端末8)切断」シーケンス4h、「NW(接続先)切断」シーケンス4iに加えて、接続状態表示制御部29によって接続状態表示部5に表示される試験端末8と接続先(10a、11a、12a)との間の接続状態が前記シーケンスの表示にリンクして表示される。
【0113】
なお、シーケンス状態表示制御部27によってシーケンス表示部4に表示されるシーケンスの内容は、シーケンスを表示するために選択した場所(例えば、仮想通話先10a又は仮想サーバ11a又は仮想TV電話12aと疑似基地局部13との間)に応じて上述したシーケンス4a〜4iの内容とは異なる場合もある。
【0114】
したがって、試験実施者は、表示器2にシーケンスの表示とリンク(連動)して表示される接続状態の表示に基づいて、試験端末8に対する一連の通信試験における現在の通信手順及び接続状態を一瞥して把握することができ、異常発生時における異常原因を短時間で究明でき、試験実施者の作業性を大幅に向上させることができる。
【0115】
また、試験実施者は、例えば、表示器2のシーケンス表示部4に表示される「待ち受け状態」シーケンス4d、「通信状態」シーケンス4gにおいて、表示器2の接続状態表示部5に表示される試験端末8を移動させて疑似基地局部(NW)13との表示画面上の距離Dを操作パネル3とGUI34とから構成される試験端末移動入力部130及びアイコン移動制御部35で変更して、疑似基地局部(NW)13からの試験端末8に対する送信信号のレベルを変更することが可能である。
【0116】
したがって、試験実施者は、試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の距離が変化したことにより、疑似基地局部(NW)13からの送信信号のレベル変化の影響を受けて、そのときの試験端末8に対する通信試験における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスと接続状態が変化した場合でも、それらの変化をシーケンス表示部4と接続状態表示部5による表示によって簡単に把握することができる。
【0117】
なお、前述したように、この疑似基地局装置43は、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aの代わりに、各信号端子9b、9c、9dに接続された実際の通話先10、サーバ11、TV電話12を用いて試験端末8に対する通信試験を実施することも可能である。
【0118】
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係わる疑似基地局装置43の外観図である。
【0119】
この図13において、前述した図1に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0120】
この第2実施形態の疑似基地局装置43においては、表示器2に、必要に応じて、シーケンス表示部4、接続状態表示部5、メール画面表示部41が表示される。
【0121】
このうちメール画面表示部41には、図14に送信メール作成時の画面を例として示すように、表示部42aと入力部42bとが表示されている。
【0122】
図15は、第2実施形態の疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0123】
この図15において、前述した図4に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0124】
この第2実施形態の疑似基地局装置43においては、接続先の一つである仮想サーバ11aとして電子メールサーバが採用されており、この電子メールサーバにメールアプリケーション41aが接続されている。
【0125】
接続先表示制御部31は、選択された仮想接続先を表示器2に現在の接続先として表示するとともに、仮想サーバ11aが選択された場合には、仮想サーバ11aに接続するメールアプリケーション41aによるメール画面表示部41を図14に示すように表示器2に表示する。
【0126】
この表示器2にメール画面表示部41が表示された状態において、電子メールサーバが受信した電子メールの内容を閲覧したり、タッチパネル32を介して入力部42bを操作して、表示部42aに電子メールによる送信内容を書込むことを含む編集作業を行うことが可能である。
【0127】
そして、表示部42aに書込まれた送信内容は、送信ボタンの押下を操作検出部33が検出して、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aを介して宛先に指定されたメールアドレスへ送出される。
【0128】
すなわち、試験実施者は、メール画面表示部41を表示画面上で操作することにより、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aに対して電子メールの送受信を実施することができる。
【0129】
このような構成の第2実施形態の疑似基地局装置43において、試験実施者が電子メールの送受信機能を有する試験端末8を操作して、接続先として電子メールサーバとしての仮想サーバ11aの管理するメールアドレスを指定して電子メールを送信すると、試験端末8は疑似基地局部13を介して電子メールサーバの仮想サーバ11aに接続される。
【0130】
これにより、試験端末8から送信された電子メールは仮想サーバ11aに渡されて、それの該当するメールアドレスのアカウントに蓄えられる。
【0131】
仮想サーバ11aの該当するメールアドレスのアカウントに蓄えられた電子メールは、メールアプリケーション41aにより取出されて、表示器2に表示されたメール画面表示部41の表示部41aに表示される。
【0132】
また、試験端末8による電子メール受信では、試験実施者がメール画面表示部41で入力部41bから試験端末8のメールアドレスを指定すると共に、送信操作を行うことにより、試験端末8のメールアドレスのアカウントに送信される。
【0133】
試験端末8に送信された電子メールは、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aに蓄えられる。
【0134】
電子メールサーバの仮想サーバ11aが、試験端末8を呼出す機能を有する場合には、その機能を用いて試験端末8を呼出すことにより、試験端末8は電子メールサーバとしての仮想サーバ11aからの電子メールを受信することができる。
【0135】
なお、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aが、試験端末8を呼出す機能を有さない場合には、試験端末8から仮想サーバ11aに接続を要求することにより、試験端末8は電子メールサーバとしての仮想サーバ11aからの電子メールを取出して受信することができる。
【0136】
したがって、試験実施者は試験端末8が有する電子メールの機能を、疑似基地局装置43内に設けられたメールアプリケーション41aと電子メールの交換を実施することによってその動作を確認(試験)することが可能である。
【0137】
なお、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aの代わりに、信号端子9cに接続された実際のサーバ11を使用することも可能である。
【0138】
(第3実施形態)
図16は、本発明の第3実施形態に係わる2台1組の疑似基地局装置43、43aの外観図である。
【0139】
この図16において、前述した図1に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0140】
この第3実施形態においては、一方の疑似基地局装置43と同一構成の他方の疑似基地局装置43aと2台1組として使用される。
【0141】
これらの疑似基地局装置43、43aは、互いの信号端子9a,9aが信号ケーブル44で接続されている。
【0142】
そして、一方の疑似基地局装置43の信号端子7には試験端末8が接続され、他方の疑似基地局装置43aの信号端子7には別の試験端末8aが接続されている。
【0143】
各疑似基地局装置43、43aのそれぞれの表示器2には、図17に示すように、それぞれ、シーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6が表示される。
【0144】
このうち各疑似基地局装置43、43aの接続状態表示部5には、それぞれ、試験端末8(8a)、疑似基地局部13、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、複数の接続線14に加えて互いに相手側の疑似基地局装置43a(43)とで構成されている接続状態が表示される。
【0145】
図18は、第3実施形態の一方の疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0146】
この図18において、前述した図4に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0147】
この第3実施形態の一方の疑似基地局装置43においては、疑似基地局部13の通信制御部20(図5参照)には、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、接続先の装置とのインタフェースとして信号を変換するための信号変換部45を介して接続された各信号端子9b、9c、9dに加えて、信号端子9aを介して、相手側の疑似基地局装置43aの信号端子9aに信号ケーブル44で接続されている。
【0148】
次に、以上のように構成された第3実施形態による2台1組の疑似基地局装置43、43aを用いて、2台の試験端末8、8aの対向試験を試験実施者が行う各操作と、各疑似基地局装置43、43aの表示器2の表示状態の変遷を図19乃至図22を用いて説明する。
【0149】
先ず、試験実施者は、前述のように各試験端末8,8aを各疑似基地局装置43、43aの信号端子7に接続した後、各疑似基地局装置43、43aを起動すると共に、各試験端末8、8aの電源を投入する。
【0150】
これにより、図19に示すように、各疑似基地局装置43、43aのシーケンス表示部4における「位置登録」シーケンス4cが短時間点灯し、続いて「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯する。
【0151】
この状態で、試験実施者が、一方の疑似基地局装置43側の試験端末8をダイヤル操作して相手側の試験端末8aを指定すると、図20に示すように、当該疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「発信」シーケンス4eが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8と疑似基地局13との間の接続線14が点滅する。
【0152】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「着信」シーケンス4fが点灯すると同時に、接続状態表示部5の疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点滅する。
【0153】
そして、他方の試験端末8aにおいては着信音が鳴る。
【0154】
このとき、発信側の疑似基地局装置43においては、疑似基地局部(NW)13と他方の疑似基地局装置43aとの間の接続線14を点滅表示させてもよいと共に、他方の疑似基地局装置43aにおいては、疑似基地局部(NW)13と試験端末8aとの間の接続線14も点滅表示させてもよい。
【0155】
試験実施者が他方の試験端末8aでオフフック操作を行うと、一方の試験端末8に対して、一方の疑似基地局装置43側の疑似基地局部(NW)13、他方の疑似基地局装置43a側の疑似基地局部(NW)13を介して他方の試験端末8aとの間で通信回線が形成される。
【0156】
その結果、図21に示すように、一方の疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14及び疑似基地局部(NW)13と他方の疑似基地局装置43aとの間の接続線14が点灯する。
【0157】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8aと疑似基地局部 (NW)13との間の接続線14及び疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点灯する。
【0158】
そして、試験実施者は、通信回線が形成された状態における試験端末8、8a間で、2台の疑似基地局装置43、43aを介して、通信品質、通話品質、及び提供サービスの実施状態等の一連の確認試験が終了すると、試験端末8をオンフック操作して通信回線を切断する。
【0159】
すると、図22に示すように、一方の疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「UE切断」シーケンス4hが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0160】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「NW切断」シーケンス4iが点灯すると同時に、接続状態表示部5の疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点滅する。
【0161】
そして、試験端末8、8a間の通信回線が完全に切断されると、2台の疑似基地局装置43、43aにおけるの各シーケンス表示部4,4における「待ち受け状態」シーケンス4d,4dが点灯し、各接続状態表示部5,5における試験端末8、8aと疑似基地局 (NW)部13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と各疑似基地局装置43,43aとの間の接続線14が消灯する。
【0162】
なお、ここまで説明した接続線14の表示形態はあくまでも一例であり、接続の進捗状況が識別可能であれば、点滅や点灯の順序、点滅方法、色、明るさを変えて表示するようにしてもよい。
【0163】
このように構成された第3実施形態においては、試験実施者は、2台1組の疑似基地局装置43,43aを用いて、2台の試験端末8、8aの対向試験を簡単に実施することができ、かつ、各シーケンス表示部4,4及び各接続状態表示部5,5による表示に基づいて対向試験実行段階における各試験端末8、8aの詳細なシーケンス、及び詳細な接続状態をそれぞれ区別して確認することが可能となる。
【0164】
なお、ここまでの説明では、それぞれ同一構成の2台1組の疑似基地局装置43、43aにおける接続について説明を行ってきたが、信号ケーブル44の途中に分配器(例えば、イーサネット(登録商標)で接続する場合はハブ)を使用することにより、それぞれ同一構成の2台以上の疑似基地局装置43、43a、…を接続することができる。
【0165】
この場合も、試験実施者による接続先の決定は試験端末8、8a等のダイヤル操作で行うことができる。
【0166】
また、それぞれ同一構成の3台以上の疑似基地局装置43、43a、…を接続することによって、3台以上の試験端末8、8a、…で同時に通話が可能となる三者通話等の試験も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図2】図2は、図1の疑似基地局装置に実際の接続先を接続した状態を示す図であり、
【図3】図3は、図1の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図4】図4は、図1の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図5】図5は、図1の疑似基地局装置に組込まれた疑似基地局部の詳細構成を示すブロック図であり、
【図6】図6は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図7】図7は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図8】図8は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図9】図9は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図10】図10は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図11】図11は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図12】図12は、図1の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図13】図13は、本発明の第2実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図14】図14は、図13の疑似基地局装置における表示器に表示される表示内容の詳細を示す図であり、
【図15】図15は、図13の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図16】図16は、本発明の第3実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図17】図17は、図16の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図18】図18は、図16の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図19】図19は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図20】図20は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図21】図21は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図22】図22は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図である。
【符号の説明】
【0168】
1…筐体、
2…表示器、
3…操作パネル、
4…シーケンス表示部、
5…接続状態表示部、
6…接続先表示部、
8、8a…試験端末、
10…通話先、
10a…仮想通話先、
11…サーバ、
11a…仮想サーバ、
12…TV電話、
12a…仮想TV電話、
13…疑似基地局部、
14…接続線、
16…受信処理部、
20…通信制御部、
22…送信処理部、
26…シーケンス状態検出部、
27…シーケンス状態表示制御部、
28…接続状態検出部、
29…接続状態表示制御部、
30…接続先選択部、
31…接続先表示制御部、
32…タッチパネル、
33…操作検出部、
34…グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、
35…アイコン移動制御部、
36…距離検出部、
37…出力レベル算出部、
38…出力レベル設定部、
41…メール画面表示部、
41a…メールアプリケーション、
43、43a…疑似基地局装置、
45…信号変換部、
130…試験端末移動入力部。
【技術分野】
【0001】
本発明は疑似基地局装置に係り、特に、例えば、移動通信端末からなる試験端末における接続先との間の通信動作を確認及び試験するための疑似基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の移動通信端末を新規に開発する際には、この移動通信端末が接続先(通信先)との間で正常に通信動作を行うことができることを確認するための通信試験が必要となる。
【0003】
このような通信試験を実行する場合、被試験用の移動通信端末(以下、試験端末)を実際の基地局を介して接続先(通信先)に接続することができないので、実際の基地局と同様の機能を有した疑似基地局装置を用いて試験端末の接続先との間の通信動作を確認するようにしている。
【0004】
このような通信試験を実行する際に、試験端末と正常な機能を有した接続先(通信先)又は測定器との通信に関する手順及び状態を示すシーケンスをその都度検出して表示器に表示する技術を有する疑似基地局装置は、既に非特許文献1に開示されている。
【0005】
この非特許文献1に開示された疑似基地局装置は、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されるまでの間に、試験端末との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されてから、通信回線が切断され、元の状態に至るまでの間に、試験端末と接続先(通信先)又は測定器及び疑似基地局装置との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態をその都度検出して、表示器にシーケンスとして表示している。
【0006】
これにより、試験実施者は、当該試験端末が一連の通信試験のうち、現在どの通信の手順及び通信の遷移状態にあるのかを一瞥して把握することができる。
【0007】
したがって、試験実施者は、当該試験端末の通信試験において、異常発生時における異常原因を短時間で究明することができる。
【非特許文献1】「PHS 1.9GHz シグナリングテスタ MD1620C」 アンリツ株式会社 製品カタログ 1997年4月 発行」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した非特許文献1に開示された疑似基地局装置においても、まだ解消すべき次のような課題がある。
【0009】
近年、試験端末としての移動通信端末の機能が多様化しており、試験端末に接続可能な接続先は、一般の通話用の通話端末の他に、電子メールや情報通信を送受信するための通信サーバや、TV電話等がある。
【0010】
これに伴い、試験端末としての移動通信端末を通して接続先から提供されるサービスも多様化しているので、そのための通信試験を効率的に行うことができる疑似基地局装置が必要となる。
【0011】
このような通信試験を実行する疑似基地局装置は、先ず、試験端末を当該疑似基地局装置と接続状態とし、その後、指定された接続先と接続状態とし、この接続状態において接続先から提供されるサービスの試験を行い、最後に、試験端末と該当接続先との接続状態を解除する。
【0012】
上述した非特許文献1に開示された技術による疑似基地局装置においては、試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等は、表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を把握することが要求される。
【0013】
しかしながら、疑似基地局装置の使用に不慣れな試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等では、表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することが困難であるため、その作業性が低下しがちであるという問題を抱えている。
【0014】
そこで、本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、試験端末を通して提供するサービスの開発者及び試験実施者等が表示器に表示されるシーケンスの内容を解析して試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することができるようにすることにより、試験実施者等の作業性を大幅に向上できるようにした疑似基地局装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の疑似基地局装置は、
被測定対象である試験端末(8)と該試験端末(8)に接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部(13)と、
前記疑似基地局部(13)によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)のシーケンス表示部(4)に表示させるシーケンス状態表示制御部(27)とを含む疑似基地局装置において、
前記疑似基地局部(13)を介した前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部(27)によるシーケンスの表示にリンクさせて前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示させる接続状態表示制御部(29)を備えたことを特徴としている。
【0016】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先との間の一連の通信試験に関して疑似基地局部との間のシーケンスが表示されると共に、このシーケンスの表示に加えて試験端末と接続先との間の接続状態が通信の遷移状態に対応付けてシーケンスの表示にリンクして表示される。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の請求項2の疑似基地局装置は、請求項1に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記接続先のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した仮想接続先(10a,11a,12a)であることを特徴としている。
【0018】
このように構成された疑似基地局装置においては、疑似基地局装置内に、試験端末に接続可能な接続先のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した少なくとも1つの仮想接続先として組込まれているので、別途、試験端末に接続可能な実際の接続先を準備して、それを当該疑似基地局装置に接続する必要はない。
【0019】
この結果、疑似基地局装置単独で試験端末に対する仮想接続先との通信試験を実施することができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の請求項3の疑似基地局装置は、請求項1または請求項2に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の表示画面上における距離(D)を外部操作によって前記試験端末(8)を移動させて変化させるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含む試験端末移動手段(34)と、
前記表示画面上において移動された前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の距離(D)に応じて前記疑似基地局部部(13)から前記試験端末(8)への送信信号のレベルを変更する出力レベル設定手段(38)とをさらに備えていることを特徴としている。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の請求項4の疑似基地局装置は、請求項3に記載の疑似基地局装置において、前記出力レベル設定手段(38)は、前記表示画面上の距離 (D)が所定の距離よりも長くなると、前記疑似基地局部(13)からの前記試験端末 (8)に対する送信信号のレベルを当該距離に応じて低下させ、前記表示画面上の距離 (D)が所定の距離よりも短くなると前記疑似基地局部(13)からの前記送信信号のレベルを当該距離に応じて上昇させることを特徴としている。
【0022】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者は、GUI手法を用いて、試験端末と疑似基地局部との表示画面上における距離を変更することにより、疑似基地局部から試験端末への送信信号のレベルを変更することが可能となり、実際の試験端末と基地局との関係を模擬できるので、試験端末に対する試験の種類の範囲を広げることが可能となる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5の疑似基地局装置は、請求項1乃至4のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続可能な少なくとも1つの接続先 (10,11,12)のうちの1つの接続先が電子メールサーバ(11a)であるとき、前記電子メールサーバ(11a)に対して電子メールの送受信を行うメールアプリケーション(41a)と、
前記メールアプリケーション(41a)が送受信を行う前記電子メールを前記表示器 (2)のメール画面表示部(41)上に表示して外部操作により編集可能とする編集手段(31,32,33)とをさらに備えていることを特徴としている。
【0024】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末が有する電子メールの機能を、疑似基地局シュミレータ装置内に設けられたメールアプリケーションと電子メールの交換を実施し、電子メールの作成、閲覧、編集、操作を用いて、確認(試験)することが可能である。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の請求項6の疑似基地局装置は、請求項1乃至5のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続可能な接続先(10,11,12)のうちの少なくとも1つの接続先は他の疑似基地局装置(43a)であることを特徴としている。
【0026】
このように構成された疑似基地局装置においては、2台以上の疑似基地局装置を互いに接続し、各疑似基地局装置にそれぞれ試験端末を接続して、一方の疑似基地局装置の試験端末から相手側の疑似基地局装置に接続された試験端末を指定することにより、両方の試験端末を用いて、対向試験を実施することができる。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の請求項7の疑似基地局装置は、請求項1乃至6のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス表示部(6)に表示させる前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末(8)の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス(4a)、前記試験端末(8)の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス(4b)、前記試験端末(8)の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス(4c)、前記試験端末(8)の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス(4d)、前記試験端末 (8)の発信状態を示す「発信」シーケンス(4e)、前記試験端末(8)の着信状態を示す「着信」シーケンス(4f)、前記試験端末(8)の通信状態を示す「通信状態」シーケンス(4g)、前記試験端末(8)からの切断状態を示す「UE(試験端末8)切断」シーケンス(4h)、前記接続先(10,11,12)からの切断状態を示す「NW(接続先)切断」シーケンス(4i)で構成されている一連のシーケンス(4a〜4i)を各シーケンス(4a−4i)間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示する際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴としている。
【0028】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されるまでの間に、試験端末との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態、試験端末と接続先(通信先)又は測定器との間に通信回線が形成されてから、通信回線が切断され、元の状態に至るまでの間に、試験端末と接続先(通信先)又は測定器及び疑似基地局装置との間で交わされる通信の手順及び通信の遷移状態を表示器に一連のシーケンスとして表示しているので、試験実施者は、当該試験端末が一連の通信試験のうち、現在どの通信の手順及び通信の遷移状態にあるのかを一瞥して把握することができる。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の請求項8の疑似基地局装置は、請求項1乃至7のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記シーケンス状態表示制御部部(27)によって前記表示器(2)の前記シーケンス表示部(6)に表示される前記シーケンス (4a−4i)として、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間における前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとのうちの少なくとも一方を選択可能であることを特徴としている。
【0030】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者等は、必要に応じて、表示器のシーケンス表示部にシーケンスの内容を見たい場所を選択して表示させることが可能である。
【0031】
上記課題を解決するために、本発明の請求項9の疑似基地局装置は、請求項1乃至8のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態表示部(5)に前記試験端末(8)、前記疑似基地局部(13)及び前記仮想接続先としての仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つをそれぞれ図形化して表示させると共に、前記接続状態表示部(5)に図形化して表示される前記疑似基地局部(13)に対する前記試験端末(8)及び前記仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つの間の複数の接続線を図形化して表示させ、且つ、前記複数の接続線を図形化して表示させる際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴としている。
【0032】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験実施者等は、表示器に表示されるシーケンスとリンクして、試験端末と接続先との接続状態を外部から把握することができる。
【0033】
上記課題を解決するために、本発明の請求項10の疑似基地局装置は、請求項1乃至9のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記通信回路の通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用するとき、前記疑似基地局部(13)は、
前記試験端末(8)から受信部(15a)を介して受信された信号をRF入力処理するRF入力部(15c)と、
前記RF入力部(15c)からの出力を受信処理する受信処理部(16)と、
前記受信処理部(16)内で前記RF入力部(15c)からの出力を低周波数化する入力IF処理部(17)と、
前記入力IF処理部(17)で低周波数化された信号を前記受信処理部(16)内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部(18)及びデコーダ部(19)と、
前記デコーダ部(19)でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、前記試験端末(8)の指定する前記接続先(10,11,12)を呼出す接続先選択部(21)が組込まれた通信制御部(20)と、
前記通信制御部(20)を介して前記接続先(10,11,12)から入力されたデータを送信処理する送信処理部(22)と、
前記送信処理部(22)内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部(23)と、
前記送信処理部(22)内で前記コーダ部(23)でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部(24)及び出力IF処理部(25)と、
前記出力IF処理部(25)で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部(15d)とを備え、
前記RF出力部(15d)から出力されたRF出力信号は送信部(15b)を介して前記試験端末(8)に送信されることを特徴としている。
【0034】
上記課題を解決するために、本発明の請求項11の疑似基地局装置は、請求項10に記載の疑似基地局装置において、前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出するシーケンス状態検出部(26)をさらに備え、
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス状態検出部(26)によって検出されたシーケンス状態に基づいて、前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を前記シーケンス表示部(6)に表示させることを特徴としている。
【0035】
上記課題を解決するために、本発明の請求項12の疑似基地局装置は、請求項10又は11に記載の疑似基地局装置において、前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を検出する接続状態検出部(28)をさらに備え、
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態検出部(28)によって検出された接続状態に基づいて前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を前記接続状態表示部(5)に表示させることを特徴としている。
【0036】
上記課題を解決するために、本発明の請求項13の疑似基地局装置は、請求項1乃至12のいずれか一に記載の疑似基地局装置において、前記試験端末(8)が前記疑似基地局部(13)を介して接続された少なくとも1つの接続先(10,11,12)を示す接続先を表示する接続先表示部(6)をさらに備えていることを特徴としている。
【0037】
上記課題を解決するために、本発明の請求項14の疑似基地局装置は、被測定対象である試験端末(8)と接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの、相手先を指定した発信により対応する前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成し、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの切断指示により、形成された前記回線を切断する疑似基地局部(13)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び該接続された前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)に表示するシーケンス表示部(27)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介した各接続先(10,11,12)との接続状態を前記表示器(2)に前記シーケンスに連動してに表示する接続状態表示部(29)と、
を備えたことを特徴としている。
【0038】
このように構成された疑似基地局装置においては、試験端末と接続先との間の通信に関して疑似基地局部との間のシーケンスの他に試験端末と接続先との間の接続状態がこのシーケンスに連動して表示される。
【発明の効果】
【0039】
以上のような本発明による疑似基地局装置は、試験端末と接続先との間の通信試験に関するシーケンスを表示すると共に、このシーケンスの表示に加えて試験端末と接続先との間の接続状態がシーケンスの表示にリンクして表示している。
【0040】
したがって、本発明による疑似基地局装置によれば、試験実施者等にとって、試験端末の一連の通信試験における現在の通信手順、及び試験端末の現在の接続状態が一瞥して把握でき、異常発生時における異常原因を短時間で究明でき、試験実施者等の作業性を大幅に向上させることができる。
【0041】
また、本発明による疑似基地局装置によれば、試験端末を通して提供されるサービスの開発やその試験を行う者で、疑似基地局擬装置の使用に不慣れな者であっても、試験端末の現在の通信手順及び試験端末の接続状態を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明による疑似基地局装置に関する幾つかの実施形態を図面を参照して説明する。
【0043】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる疑似基地局装置43の外観図である。
【0044】
図1に示すように、この第1実施形態に係わる疑似基地局装置43においては、筐体1の前面に表示器2及び操作パネル3が設けられている。
【0045】
ここで、表示器2には、必要に応じて後述するようなシーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6が表示される。
【0046】
さらに、筐体1の例えば、前面(以下「前面」として説明するが特に指定するものではない。)に試験端末8が接続される信号端子7、及び後述する接続先としての各機器が接続される信号端子9a、9b、9c、9dが設けられている。
【0047】
以下、信号端子9a、9b、9c、9dは、複数あるものとして説明を行うが、接続形態によって信号端子数が異なる場合もある(例えば、イーサネット(登録商標)では共通に使用可能)。
【0048】
そして、信号端子9b、9c、9dには、必要に応じて、図2に示すように、試験端末8に接続可能な接続先としての実際の通話先10、サーバ11、TV電話12が接続される。
【0049】
なお、この実際の通話先10、サーバ11、TV電話12を信号端子9b、9c、9dに接続しなくても、この通話先10、サーバ11、TV電話12の機能を有した図4に示す仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aを当該疑似基地局装置43の内部に組込むことによって、当該疑似基地局装置43の内部に組込まれた仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aによって各接続先の機能を果たすことが可能であり、各接続先の機能を組合わせることも可能である。
【0050】
以下、この第1実施形態では、当該疑似基地局装置装置43の内部に組込まれた各仮想接続先を用いて試験端末8に対する通信試験を実施する場合について説明する。
【0051】
図3は、表示器2に表示されたシーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6の詳細を示す図である。
【0052】
ここで、シーケンス表示部4には、図3に示すように、試験端末8と擬似基地局部13を介しての仮想接続先10a、11a、12aとの通信に関して、試験端末8と擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示す後述するような複数のシーケンス4a〜4iが表示される。
【0053】
なお、表示されているシーケンス表示部4を、接続した仮想接続先10a、11a、12aのうちのどれか1つと擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスの表示に切替える場合(後述)には、操作パネル3及び外部に接続した不図示のマウス等を使用して図示しない切替ボタンを選択したり、接続状態表示部5に表示されいる接続先を直接選択することによって、その切替え表示を実現することができる。
【0054】
以降の説明では、シーケンス表示部4には、試験端末8と擬似基地局部13との間の通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスが表示されているものとして説明する。
【0055】
具体的には、シーケンス表示部4には、図3に示すように、後述するシーケンス状態表示制御部27によって、前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス4a、前記試験端末の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス4b、前記試験端末の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス4c、前記試験端末の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス4d、前記試験端末の発信状態を示す「発信」シーケンス4e、前記試験端末の着信状態を示す「着信」シーケンス4f、前記試験端末の通信状態を示す「通信状態」シーケンス4g、前記試験端末からの切断状態を示す「UE:user equipment(試験端末8)切断」シーケンス4h、前記接続先からの切断状態を示す「NW;network(接続先)切断」シーケンス4iで構成されている一連のシーケンスが各シーケンス間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示される際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示されるようになされている。
【0056】
なお、シーケンス表示部4中の各シーケンス4a〜4i間の矢印は、各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す。
【0057】
ここで、各シーケンスが遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示されるとは、該当するシーケンスの遷移状態になったときに、それまでの表示状態とは異なる表示状態として、例えば、表示色を変えたり、表示輝度を変えて表示されるようになされていることを意味している。
【0058】
以下では、説明の単純化のために、それまでの表示状態が非点灯状態であると仮定して、該当するシーケンスの遷移状態になったときに、該当するシーケンスの表示状態が点灯状態になるとして説明する。
【0059】
また、接続状態表示部5には、図3に示すように、試験端末8と疑似基地局部13を介した各仮想接続先との接続状態が表示される。
【0060】
具体的には、接続状態表示部5には、後述する接続状態表示制御部29によって、前記試験端末8、前記疑似基地局部13、前記仮想接続先としての仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aがそれぞれ図形化したアイコンとして表示されると共に、前記疑似基地局部13に対する前記試験端末8、前記仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aそれぞれの間の複数の接続線14を図形化して表示する際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示されるようになされている。
【0061】
ここで、複数の接続線14を図形化して表示する際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示されるとは、接続の有無に応じて該当する接続線14の表示色を変えたり、表示輝度を変えて表示されるようになされていることを意味している。
【0062】
以下では、説明の単純化のために、該当する接続線14が接続されていないときの表示状態が非点灯状態であると仮定して、該当する接続線14が接続になったときに、その表示状態が点灯状態になるとして説明する。
【0063】
そして、試験端末8が疑似基地局部13を介して接続された一つの仮想接続先を示す接続先表示部6は、表示部6aと操作部6bとで構成されている接続先を表示する。
【0064】
この図3において、接続先表示部6には、仮想通話先10aが接続先として選択された状態として仮想通話先10aが図形化して示されている。
【0065】
図4は、この第1実施形態による疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
すなわち、図4に示すように、試験端末8からの信号は受信部15aで受信されて疑似基地局部13へ入力される。
【0067】
疑似基地局部13からの信号は、送信部15bを介して試験端末8に送信される。
【0068】
図5は、通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用する場合の疑似基地局部13の概略構成を示すブロック図である。
【0069】
すなわち、この疑似基地局部13は、試験端末8から受信部15aを介して受信された信号をRF(高周波)入力処理するRF入力部15cと、このRF入力部15cからの出力を受信処理する受信処理部16と、この受信処理部16内で前記RF入力部15cからの出力を低周波数化するための入力IF(中間周波数)処理する入力IF処理部17と、この入力IF処理部17で低周波数化された信号を受信処理部16内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部18及びデコーダ部19と、前記デコーダ部19でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、試験端末8の指定する前記仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)を呼出す接続先指定部21が組込まれている通信制御部20と、この通信制御部20を介して前記仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)から入力されたデータを送信処理する送信処理部22と、この送信処理部22内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部23と、送信処理部22内のコーダ部23でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部24及び出力IF処理部25と、この出力IF処理部25で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部15dとを備えている。
【0070】
すなわち、以上のように構成される疑似基地局部13において、前記RF出力部15dからのRF出力信号は送信部15bを介して前記試験端末8に送信される。
【0071】
この疑似基地局部13においては、受信部15aで受信された受信信号はRF入力部15cを介して受信処理部16内の入力IF処理部17へ入力される。
【0072】
そして、この受信信号は、入力IF処理部17で低周波数化された後に、逆拡散を行う逆拡散部18、デコード処理を行うデコーダ部19を介して、デコードされたデータとして通信制御部20へ入力される。
【0073】
ここで、接続先指定部21が組込まれている通信制御部20は、デコーダ部19でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、試験端末8の指定する仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)を呼出す。
【0074】
この場合、通信制御部20は、仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)のいずれかが指定する試験端末8を呼出すことも可能である。
【0075】
また、通信制御部20は、仮想接続先10a、11a、12a(接続先10、11、12でもよい)から入力されたデータを、送信処理部22内のコーダ部23へ送出する。
【0076】
そして、コーダ部23でコード化されたデータは、拡散処理を行う拡散部24、高周波数化処理を行う出力IF処理部25、RF出力部15dを介して、送信部15bへ出力される。
【0077】
図4におけるシーケンス状態検出部26は、疑似基地局部13の通信制御部20から試験端末8に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出する。
【0078】
そして、このシーケンス状態検出部26によって検出されたシーケンス状態は、シーケンス状態表示制御部27を介して、試験端末8に対する通信試験における現在のシーケンス状態として表示器2のシーケンス表示部4に表示される。
【0079】
また、接続状態検出部28は、疑似基地局部13の通信制御部20から試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態を検出する。
【0080】
そして、この接続状態検出部28によって検出された接続状態は、接続状態表示制御部29を介して、試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態として表示器2の接続状態表示部5に表示される。
【0081】
疑似基地局部13の通信制御部20には、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、及び接続先の装置とのインタフェースとして信号を変換するための信号変換部45を介して各信号端子9b、9c、9dが接続されている。
【0082】
接続先選択部30は、接続状態検出部28で検出された試験端末8に対する通信試験における現在の接続状態から現在の仮想接続先(10a、11a、12a)を選択する。
【0083】
そして、この接続先選択部30によって選択された仮想接続先は、接続先表示制御部31を介して、試験端末8に対する通信試験における現在の接続先として表示器2の接続先表示部6に表示される。
【0084】
表示器2における接続先表示部6の前面には、タッチパネル32が貼付けられ、試験実施者がタッチパネル32を介して操作部6bを操作すると、操作検出部33が操作情報を検出して、接続先選択部30を介して対応する仮想接続先(10a、11a,12a)へ送出する。
【0085】
操作パネル3と共に試験端末移動入力部130を構成するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)34及びアイコン移動制御部35は、試験実施者による操作パネル3の操作に応じて、図12に示すように、表示器2の接続状態表示部5に図形化したアイコンとして表示されている試験端末8を図示矢印で示すように移動させて試験端末8と部(NW)13との表示画面上の距離Dを変化させる。
【0086】
この試験端末8と疑似基地局部(NW)13との表示画面上の距離Dは、距離検出部36によって検出される。
【0087】
出力レベル算出部37は、距離検出部36によって検出された距離Dに基づいて、疑似基地局部13から試験端末8に対する送信信号の出力レベルを算出する。
【0088】
出力レベル設定部38は、算出された出力レベルを疑似基地局部13内のRF出力部15dへ設定する。
【0089】
具体的には、出力レベル設定部38は、表示された距離Dが所定の距離よりも長くなると疑似基地局部13からの記験端末8に対する送信信号のレベルを距離に応じて低下させると共に、表示された距離Dが所定の距離よりも短くなると疑似基地局部13からの送信信号のレベルを距離に応じて上昇させるようにする。
【0090】
これにより、実際の試験端末と基地局との関係を模擬することができるので、試験端末8に対する試験の種類の範囲を広げることが可能となる。
【0091】
この試験端末8と疑似基地局部13との表示画面上の距離Dを変化させる操作は、操作パネル3以外に、外部に接続されたマウス等により行うようにしてもよい。
【0092】
そして、本発明による疑似基地局装置43は、基本的には、被測定対象である試験端末8と該試験端末8に接続可能な少なくとも1つの接続先10,11,12(仮想接続先10a,11a,12aでもよい。以下同じ)との間に介挿され、前記試験端末8と前記接続先10,11,12とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末8と前記接続先10,11,12との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部13と、前記疑似基地局部13によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末8と前記接続先10,11,12との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末8と前記疑似基地局部13との間、及び前記接続先10,11,12と前記疑似基地局部13との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス4a〜4iを表示器2のシーケンス表示部4に表示させるシーケンス状態表示制御部27と、前記疑似基地局部13を介した前記試験端末8と前記接続先10,11,12との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部27によるシーケンスの表示にリンク(連動)させて前記表示器2の接続状態表示部5に表示させる接続状態表示制御部29とを有している。
【0093】
次に、以上のように構成された第1実施形態の疑似基地局装置43における、例えば、移動通信端末からなる試験端末8に対して一連の通信試験を行うために、試験実施者が行う各操作と表示器2の表示状態の変遷を図6乃至図11を用いて説明する。
【0094】
先ず、試験実施者が、前述のように、試験端末8を疑似基地局装置43の信号端子7に接続し、該疑似基地局装置43を起動する。
【0095】
これにより、図6に示すように、表示器2のシーケンス表示部4における「電源OFF」シーケンス4aが試験端末8の現在の遷移状態を示すものとして点灯する。
【0096】
なお、この状態においては、接続状態表示部5の各接続線14は点灯していない。但し、試験端末8が未接続の状態でも同様な表示となってもよい。
【0097】
次に、試験実施者が試験端末8の電源を投入すると、図7に示すように、シーケンス表示部4における「位置登録」シーケンス4cが短時間点灯し、続いて「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯する。
【0098】
続いて、試験実施者が試験端末8をダイヤル操作して接続先(10a、11a、12a)のうちの一つを指定すると、図8に示すように、シーケンス表示部4における「発信」シーケンス4eが点灯すると同時に、接続状態表示部5に表示されている試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0099】
なお、疑似基地局部(NW)部13から試験端末8が指定された呼び出し信号が入力された場合には、シーケンス表示部4における「着信」シーケンス4fが点灯する。
【0100】
例えば、試験実施者が接続先(10a、11a、12a)として仮想通話先10aを指定すると、図9に示すように、接続先表示部6には仮想通話先10aが表示される。
【0101】
試験実施者が、接続先表示部6に表示された操作部6bでオフフック操作をタッチパネル32等を使用して表示画面上で行うと、疑似基地局部13を介して試験端末8と仮想通話先10aとの間で通信回線が形成される。
【0102】
これにより、図9に示すように、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と仮想通話先10aとの間の接続線14が点灯する。
【0103】
なお、仮想通話先10aが呼び出し中のときには、それが識別可能となるように、仮想通話先10aと疑似基地局部(NW)13との間の接続線14を点滅させてもよい。
【0104】
そして、通信回線が形成された状態における試験端末8と接続先としての仮想通話先10aとの間で、疑似基地局部13を介して通信品質、通話品質、及び提供サービスの実施状態等の一連の確認試験が終了すると、試験実施者は、試験端末8をオンフック操作して通信回線を切断する。
【0105】
これにより、図10に示すように、シーケンス表示部4における「UE切断」シーケンス4hが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0106】
なお、接続先としての仮想通話先10a側から通信回線を切断した場合には、シーケンス表示部4における「NW切断」シーケンス4iが点灯し、接続状態表示部5における仮想通話先10aと疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0107】
そして、試験端末8と接続先としての仮想通話先10aとの間の通信回線が完全に切断されると、図11に示すように、シーケンス表示部4における「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯し、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と仮想通話先10aとの間の接続線14が消灯する。
【0108】
また、接続先としての仮想通話先10a側から試験端末8に対して接続要求を行う場合も、試験実施者が、上述した説明と同様な手順(但し、向きが逆になる)で接続先表示部6に表示された操作部6bから操作を行うことにより、仮想通話先10a側から接続が開始され、仮想通話先10aと接続状態表示部5における疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅した後に通信回線が形成される。
【0109】
このときシーケンス表示部4には、試験端末8側が選択されている場合(上述の説明の状態のまま)には、疑似基地局部13と試験端末8との間の着信動作に関する表示が行われる。
【0110】
また、操作パネル3及び外部に接続された不図示のマウス等により接続状態表示部5に表示された仮想通話先10aを示す表示を選択したり、不図示の切替ボタンを選択すると、シーケンス表示部4には仮想通話先10aと疑似基地局部13との間の発信動作及び着信動作に関する表示が行われる。
【0111】
上記シーケンス表示部4の表示の選択操作にて試験端末8と仮想通話先10aとの両方を選択した場合には、試験端末8と疑似基地局部13との間と、仮想通話先10aと疑似基地局部13との間とのそれぞれの通信手順及び通信の遷移状態を示す2つのシーケンスの表示が行われることになる。
【0112】
このように、表示器2には、シーケンス状態表示制御部27によってシーケンス表示部4に表示される試験端末8と接続先(10a、11a、12a)との間の通信に関する 「電源OFF」シーケンス4a、「位置登録解除」シーケンス4b、「位置登録」シーケンス4c、「待ち受け状態」シーケンス4d、「発信」シーケンス4e、「着信」シーケンス4f、「通信状態」シーケンス4g、「UE(試験端末8)切断」シーケンス4h、「NW(接続先)切断」シーケンス4iに加えて、接続状態表示制御部29によって接続状態表示部5に表示される試験端末8と接続先(10a、11a、12a)との間の接続状態が前記シーケンスの表示にリンクして表示される。
【0113】
なお、シーケンス状態表示制御部27によってシーケンス表示部4に表示されるシーケンスの内容は、シーケンスを表示するために選択した場所(例えば、仮想通話先10a又は仮想サーバ11a又は仮想TV電話12aと疑似基地局部13との間)に応じて上述したシーケンス4a〜4iの内容とは異なる場合もある。
【0114】
したがって、試験実施者は、表示器2にシーケンスの表示とリンク(連動)して表示される接続状態の表示に基づいて、試験端末8に対する一連の通信試験における現在の通信手順及び接続状態を一瞥して把握することができ、異常発生時における異常原因を短時間で究明でき、試験実施者の作業性を大幅に向上させることができる。
【0115】
また、試験実施者は、例えば、表示器2のシーケンス表示部4に表示される「待ち受け状態」シーケンス4d、「通信状態」シーケンス4gにおいて、表示器2の接続状態表示部5に表示される試験端末8を移動させて疑似基地局部(NW)13との表示画面上の距離Dを操作パネル3とGUI34とから構成される試験端末移動入力部130及びアイコン移動制御部35で変更して、疑似基地局部(NW)13からの試験端末8に対する送信信号のレベルを変更することが可能である。
【0116】
したがって、試験実施者は、試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の距離が変化したことにより、疑似基地局部(NW)13からの送信信号のレベル変化の影響を受けて、そのときの試験端末8に対する通信試験における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスと接続状態が変化した場合でも、それらの変化をシーケンス表示部4と接続状態表示部5による表示によって簡単に把握することができる。
【0117】
なお、前述したように、この疑似基地局装置43は、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12aの代わりに、各信号端子9b、9c、9dに接続された実際の通話先10、サーバ11、TV電話12を用いて試験端末8に対する通信試験を実施することも可能である。
【0118】
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係わる疑似基地局装置43の外観図である。
【0119】
この図13において、前述した図1に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0120】
この第2実施形態の疑似基地局装置43においては、表示器2に、必要に応じて、シーケンス表示部4、接続状態表示部5、メール画面表示部41が表示される。
【0121】
このうちメール画面表示部41には、図14に送信メール作成時の画面を例として示すように、表示部42aと入力部42bとが表示されている。
【0122】
図15は、第2実施形態の疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0123】
この図15において、前述した図4に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0124】
この第2実施形態の疑似基地局装置43においては、接続先の一つである仮想サーバ11aとして電子メールサーバが採用されており、この電子メールサーバにメールアプリケーション41aが接続されている。
【0125】
接続先表示制御部31は、選択された仮想接続先を表示器2に現在の接続先として表示するとともに、仮想サーバ11aが選択された場合には、仮想サーバ11aに接続するメールアプリケーション41aによるメール画面表示部41を図14に示すように表示器2に表示する。
【0126】
この表示器2にメール画面表示部41が表示された状態において、電子メールサーバが受信した電子メールの内容を閲覧したり、タッチパネル32を介して入力部42bを操作して、表示部42aに電子メールによる送信内容を書込むことを含む編集作業を行うことが可能である。
【0127】
そして、表示部42aに書込まれた送信内容は、送信ボタンの押下を操作検出部33が検出して、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aを介して宛先に指定されたメールアドレスへ送出される。
【0128】
すなわち、試験実施者は、メール画面表示部41を表示画面上で操作することにより、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aに対して電子メールの送受信を実施することができる。
【0129】
このような構成の第2実施形態の疑似基地局装置43において、試験実施者が電子メールの送受信機能を有する試験端末8を操作して、接続先として電子メールサーバとしての仮想サーバ11aの管理するメールアドレスを指定して電子メールを送信すると、試験端末8は疑似基地局部13を介して電子メールサーバの仮想サーバ11aに接続される。
【0130】
これにより、試験端末8から送信された電子メールは仮想サーバ11aに渡されて、それの該当するメールアドレスのアカウントに蓄えられる。
【0131】
仮想サーバ11aの該当するメールアドレスのアカウントに蓄えられた電子メールは、メールアプリケーション41aにより取出されて、表示器2に表示されたメール画面表示部41の表示部41aに表示される。
【0132】
また、試験端末8による電子メール受信では、試験実施者がメール画面表示部41で入力部41bから試験端末8のメールアドレスを指定すると共に、送信操作を行うことにより、試験端末8のメールアドレスのアカウントに送信される。
【0133】
試験端末8に送信された電子メールは、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aに蓄えられる。
【0134】
電子メールサーバの仮想サーバ11aが、試験端末8を呼出す機能を有する場合には、その機能を用いて試験端末8を呼出すことにより、試験端末8は電子メールサーバとしての仮想サーバ11aからの電子メールを受信することができる。
【0135】
なお、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aが、試験端末8を呼出す機能を有さない場合には、試験端末8から仮想サーバ11aに接続を要求することにより、試験端末8は電子メールサーバとしての仮想サーバ11aからの電子メールを取出して受信することができる。
【0136】
したがって、試験実施者は試験端末8が有する電子メールの機能を、疑似基地局装置43内に設けられたメールアプリケーション41aと電子メールの交換を実施することによってその動作を確認(試験)することが可能である。
【0137】
なお、電子メールサーバとしての仮想サーバ11aの代わりに、信号端子9cに接続された実際のサーバ11を使用することも可能である。
【0138】
(第3実施形態)
図16は、本発明の第3実施形態に係わる2台1組の疑似基地局装置43、43aの外観図である。
【0139】
この図16において、前述した図1に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0140】
この第3実施形態においては、一方の疑似基地局装置43と同一構成の他方の疑似基地局装置43aと2台1組として使用される。
【0141】
これらの疑似基地局装置43、43aは、互いの信号端子9a,9aが信号ケーブル44で接続されている。
【0142】
そして、一方の疑似基地局装置43の信号端子7には試験端末8が接続され、他方の疑似基地局装置43aの信号端子7には別の試験端末8aが接続されている。
【0143】
各疑似基地局装置43、43aのそれぞれの表示器2には、図17に示すように、それぞれ、シーケンス表示部4、接続状態表示部5、接続先表示部6が表示される。
【0144】
このうち各疑似基地局装置43、43aの接続状態表示部5には、それぞれ、試験端末8(8a)、疑似基地局部13、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、複数の接続線14に加えて互いに相手側の疑似基地局装置43a(43)とで構成されている接続状態が表示される。
【0145】
図18は、第3実施形態の一方の疑似基地局装置43の概略構成を示すブロック図である。
【0146】
この図18において、前述した図4に示す第1実施形態の疑似基地局装置43と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0147】
この第3実施形態の一方の疑似基地局装置43においては、疑似基地局部13の通信制御部20(図5参照)には、仮想通話先10a、仮想サーバ11a、仮想TV電話12a、接続先の装置とのインタフェースとして信号を変換するための信号変換部45を介して接続された各信号端子9b、9c、9dに加えて、信号端子9aを介して、相手側の疑似基地局装置43aの信号端子9aに信号ケーブル44で接続されている。
【0148】
次に、以上のように構成された第3実施形態による2台1組の疑似基地局装置43、43aを用いて、2台の試験端末8、8aの対向試験を試験実施者が行う各操作と、各疑似基地局装置43、43aの表示器2の表示状態の変遷を図19乃至図22を用いて説明する。
【0149】
先ず、試験実施者は、前述のように各試験端末8,8aを各疑似基地局装置43、43aの信号端子7に接続した後、各疑似基地局装置43、43aを起動すると共に、各試験端末8、8aの電源を投入する。
【0150】
これにより、図19に示すように、各疑似基地局装置43、43aのシーケンス表示部4における「位置登録」シーケンス4cが短時間点灯し、続いて「待ち受け状態」シーケンス4dが点灯する。
【0151】
この状態で、試験実施者が、一方の疑似基地局装置43側の試験端末8をダイヤル操作して相手側の試験端末8aを指定すると、図20に示すように、当該疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「発信」シーケンス4eが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8と疑似基地局13との間の接続線14が点滅する。
【0152】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「着信」シーケンス4fが点灯すると同時に、接続状態表示部5の疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点滅する。
【0153】
そして、他方の試験端末8aにおいては着信音が鳴る。
【0154】
このとき、発信側の疑似基地局装置43においては、疑似基地局部(NW)13と他方の疑似基地局装置43aとの間の接続線14を点滅表示させてもよいと共に、他方の疑似基地局装置43aにおいては、疑似基地局部(NW)13と試験端末8aとの間の接続線14も点滅表示させてもよい。
【0155】
試験実施者が他方の試験端末8aでオフフック操作を行うと、一方の試験端末8に対して、一方の疑似基地局装置43側の疑似基地局部(NW)13、他方の疑似基地局装置43a側の疑似基地局部(NW)13を介して他方の試験端末8aとの間で通信回線が形成される。
【0156】
その結果、図21に示すように、一方の疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14及び疑似基地局部(NW)13と他方の疑似基地局装置43aとの間の接続線14が点灯する。
【0157】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「通信状態」シーケンス4gが点灯すると同時に、接続状態表示部5の試験端末8aと疑似基地局部 (NW)13との間の接続線14及び疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点灯する。
【0158】
そして、試験実施者は、通信回線が形成された状態における試験端末8、8a間で、2台の疑似基地局装置43、43aを介して、通信品質、通話品質、及び提供サービスの実施状態等の一連の確認試験が終了すると、試験端末8をオンフック操作して通信回線を切断する。
【0159】
すると、図22に示すように、一方の疑似基地局装置43側においては、シーケンス表示部4における「UE切断」シーケンス4hが点灯すると同時に、接続状態表示部5における試験端末8と疑似基地局部(NW)13との間の接続線14が点滅する。
【0160】
他方の疑似基地局装置43a側においては、シーケンス表示部4における「NW切断」シーケンス4iが点灯すると同時に、接続状態表示部5の疑似基地局部(NW)13と一方の疑似基地局装置43との間の接続線14が点滅する。
【0161】
そして、試験端末8、8a間の通信回線が完全に切断されると、2台の疑似基地局装置43、43aにおけるの各シーケンス表示部4,4における「待ち受け状態」シーケンス4d,4dが点灯し、各接続状態表示部5,5における試験端末8、8aと疑似基地局 (NW)部13との間の接続線14、及び疑似基地局部(NW)13と各疑似基地局装置43,43aとの間の接続線14が消灯する。
【0162】
なお、ここまで説明した接続線14の表示形態はあくまでも一例であり、接続の進捗状況が識別可能であれば、点滅や点灯の順序、点滅方法、色、明るさを変えて表示するようにしてもよい。
【0163】
このように構成された第3実施形態においては、試験実施者は、2台1組の疑似基地局装置43,43aを用いて、2台の試験端末8、8aの対向試験を簡単に実施することができ、かつ、各シーケンス表示部4,4及び各接続状態表示部5,5による表示に基づいて対向試験実行段階における各試験端末8、8aの詳細なシーケンス、及び詳細な接続状態をそれぞれ区別して確認することが可能となる。
【0164】
なお、ここまでの説明では、それぞれ同一構成の2台1組の疑似基地局装置43、43aにおける接続について説明を行ってきたが、信号ケーブル44の途中に分配器(例えば、イーサネット(登録商標)で接続する場合はハブ)を使用することにより、それぞれ同一構成の2台以上の疑似基地局装置43、43a、…を接続することができる。
【0165】
この場合も、試験実施者による接続先の決定は試験端末8、8a等のダイヤル操作で行うことができる。
【0166】
また、それぞれ同一構成の3台以上の疑似基地局装置43、43a、…を接続することによって、3台以上の試験端末8、8a、…で同時に通話が可能となる三者通話等の試験も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図2】図2は、図1の疑似基地局装置に実際の接続先を接続した状態を示す図であり、
【図3】図3は、図1の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図4】図4は、図1の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図5】図5は、図1の疑似基地局装置に組込まれた疑似基地局部の詳細構成を示すブロック図であり、
【図6】図6は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図7】図7は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図8】図8は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図9】図9は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図10】図10は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図11】図11は、図1の疑似基地局装置における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図12】図12は、図1の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図13】図13は、本発明の第2実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図14】図14は、図13の疑似基地局装置における表示器に表示される表示内容の詳細を示す図であり、
【図15】図15は、図13の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図16】図16は、本発明の第3実施形態に係わる疑似基地局装置の外観図であり、
【図17】図17は、図16の疑似基地局装置における表示器の表示内容を示す図であり、
【図18】図18は、図16の疑似基地局装置の概略構成を示すブロック図であり、
【図19】図19は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図20】図20は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図21】図21は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図であり、
【図22】図22は、図16の疑似基地局装置を用いた対向試験実施時における表示器に表示されたシーケンスと接続関係を示す図である。
【符号の説明】
【0168】
1…筐体、
2…表示器、
3…操作パネル、
4…シーケンス表示部、
5…接続状態表示部、
6…接続先表示部、
8、8a…試験端末、
10…通話先、
10a…仮想通話先、
11…サーバ、
11a…仮想サーバ、
12…TV電話、
12a…仮想TV電話、
13…疑似基地局部、
14…接続線、
16…受信処理部、
20…通信制御部、
22…送信処理部、
26…シーケンス状態検出部、
27…シーケンス状態表示制御部、
28…接続状態検出部、
29…接続状態表示制御部、
30…接続先選択部、
31…接続先表示制御部、
32…タッチパネル、
33…操作検出部、
34…グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、
35…アイコン移動制御部、
36…距離検出部、
37…出力レベル算出部、
38…出力レベル設定部、
41…メール画面表示部、
41a…メールアプリケーション、
43、43a…疑似基地局装置、
45…信号変換部、
130…試験端末移動入力部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象である試験端末(8)と該試験端末(8)に接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部(13)と、
前記疑似基地局部(13)によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)のシーケンス表示部(4)に表示させるシーケンス状態表示制御部(27)とを含む疑似基地局装置において、
前記疑似基地局部(13)を介した前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部(27)によるシーケンスの表示にリンクさせて前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示させる接続状態表示制御部(29)を備えたことを特徴とする疑似基地局装置。
【請求項2】
前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記接続先(10,11,12)のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した仮想接続先(10a,11a,12a)であることを特徴とする請求項1記載の疑似基地局装置。
【請求項3】
前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の表示画面上における距離(D)を外部操作によって前記試験端末(8)を移動させて変化させるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含む試験端末移動手段(34)と、
前記表示画面上において移動された前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の距離(D)に応じて前記疑似基地局部部(13)から前記試験端末(8)への送信信号のレベルを変更する出力レベル設定手段(38)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の疑似基地局装置。
【請求項4】
前記出力レベル設定手段(38)は、前記表示画面上の距離(D)が所定の距離よりも長くなると、前記疑似基地局部(13)からの前記試験端末(8)に対する送信信号のレベルを当該距離に応じて低下させ、前記表示画面上の距離(D)が所定の距離よりも短くなると前記疑似基地局部(13)からの前記送信信号のレベルを当該距離に応じて上昇させることを特徴とする請求項3記載の疑似基地局装置。
【請求項5】
前記接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)のうちの1つの接続先が電子メールサーバ(11a)であるとき、前記電子メールサーバ(11a)に対して電子メールの送受信を行うメールアプリケーション(41a)と、
前記メールアプリケーション(41a)が送受信を行う前記電子メールを前記表示器 (2)のメール画面表示部(41)上に表示して外部操作により編集可能とする編集手段(31,32,33)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項6】
前記接続可能な接続先(10,11,12)のうちの少なくとも1つの接続先は他の疑似基地局装置(43a)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項7】
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス表示部(6)に表示させる前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末(8)の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス(4a)、前記試験端末(8)の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス(4b)、前記試験端末(8)の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス(4c)、前記試験端末(8)の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス(4d)、前記試験端末(8)の発信状態を示す「発信」シーケンス(4e)、前記試験端末(8)の着信状態を示す「着信」シーケンス(4f)、前記試験端末(8)の通信状態を示す「通信状態」シーケンス(4g)、前記試験端末(8)からの切断状態を示す「UE(試験端末8)切断」シーケンス(4h)、前記接続先(10,11,12)からの切断状態を示す「NW(接続先)切断」シーケンス(4i)で構成されている一連のシーケンス(4a〜4i)を各シーケンス(4a〜4i)間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示する際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項8】
前記シーケンス状態表示制御部部(27)によって前記表示器(2)の前記シーケンス表示部(6)に表示される前記シーケンス(4a−4i)として、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間における前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとのうちの少なくとも一方を選択可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項9】
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態表示部(5)に前記試験端末(8)、前記疑似基地局部(13)及び前記仮想接続先としての仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つをそれぞれ図形化して表示させると共に、前記接続状態表示部(5)に図形化して表示される前記疑似基地局部 (13)に対する前記試験端末(8)及び前記仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つの間の複数の接続線を図形化して表示させ、且つ、前記複数の接続線を図形化して表示させる際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項10】
前記通信回路の通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用するとき、前記疑似基地局部(13)は、
前記試験端末(8)から受信部(15a)を介して受信された信号をRF入力処理するRF入力部(15c)と、
前記RF入力部(15c)からの出力を受信処理する受信処理部(16)と、
前記受信処理部(16)内で前記RF入力部(15c)からの出力を低周波数化する入力IF処理部(17)と、
前記入力IF処理部(17)で低周波数化された信号を前記受信処理部(16)内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部(18)及びデコーダ部(19)と、
前記デコーダ部(19)でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、前記試験端末(8)の指定する前記接続先(10,11,12)を呼出す接続先選択部(21)が組込まれた通信制御部(20)と、
前記通信制御部(20)を介して前記接続先(10,11,12)から入力されたデータを送信処理する送信処理部(22)と、
前記送信処理部(22)内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部(23)と、
前記送信処理部(22)内で前記コーダ部(23)でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部(24)及び出力IF処理部(25)と、
前記出力IF処理部(25)で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部(15d)とを備え、
前記RF出力部(15d)から出力されたRF出力信号は送信部(15b)を介して前記試験端末(8)に送信されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項11】
前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出するシーケンス状態検出部(26)をさらに備え、
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス状態検出部(26)によって検出されたシーケンス状態に基づいて、前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を前記シーケンス表示部(6)に表示させることを特徴とする請求項10に記載の疑似基地局装置。
【請求項12】
前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を検出する接続状態検出部(28)をさらに備え、
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態検出部(28)によって検出された接続状態に基づいて前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を前記接続状態表示部(5)に表示させることを特徴とする請求項10又は11に記載の疑似基地局装置。
【請求項13】
前記試験端末(8)が前記疑似基地局部(13)を介して接続された少なくとも1つの接続先(10,11,12)を示す接続先を表示する接続先表示部(6)をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項14】
被測定対象である試験端末(8)と接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの、相手先を指定した発信により対応する前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成し、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの切断指示により、形成された前記回線を切断する疑似基地局部(13)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び該接続された前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)に表示するシーケンス表示部(27)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介した各接続先(10,11,12)との接続状態を前記表示器(2)に前記シーケンスに連動してに表示する接続状態表示部(29)と、
を備えたことを特徴とする疑似基地局装置。
【請求項1】
被測定対象である試験端末(8)と該試験端末(8)に接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)とのいずれか一方から他方に対する接続要求に応じて前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成すると共に、前記いずれか一方又は前記他方からの切断要求に応じて前記通信回線を切断する少なくとも1つの疑似基地局としての機能を有する疑似基地局部(13)と、
前記疑似基地局部(13)によって形成された前記通信回線を介して接続された前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間の一連の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)のシーケンス表示部(4)に表示させるシーケンス状態表示制御部(27)とを含む疑似基地局装置において、
前記疑似基地局部(13)を介した前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との接続状態を前記通信の遷移状態に対応付けて前記シーケンス状態表示制御部(27)によるシーケンスの表示にリンクさせて前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示させる接続状態表示制御部(29)を備えたことを特徴とする疑似基地局装置。
【請求項2】
前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記接続先(10,11,12)のうち少なくとも1つが実際の接続先を模擬した仮想接続先(10a,11a,12a)であることを特徴とする請求項1記載の疑似基地局装置。
【請求項3】
前記接続状態表示制御部(29)によって前記表示器(2)の接続状態表示部(5)に表示される前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の表示画面上における距離(D)を外部操作によって前記試験端末(8)を移動させて変化させるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含む試験端末移動手段(34)と、
前記表示画面上において移動された前記試験端末(8)から前記疑似基地局部(13)までの間の距離(D)に応じて前記疑似基地局部部(13)から前記試験端末(8)への送信信号のレベルを変更する出力レベル設定手段(38)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の疑似基地局装置。
【請求項4】
前記出力レベル設定手段(38)は、前記表示画面上の距離(D)が所定の距離よりも長くなると、前記疑似基地局部(13)からの前記試験端末(8)に対する送信信号のレベルを当該距離に応じて低下させ、前記表示画面上の距離(D)が所定の距離よりも短くなると前記疑似基地局部(13)からの前記送信信号のレベルを当該距離に応じて上昇させることを特徴とする請求項3記載の疑似基地局装置。
【請求項5】
前記接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)のうちの1つの接続先が電子メールサーバ(11a)であるとき、前記電子メールサーバ(11a)に対して電子メールの送受信を行うメールアプリケーション(41a)と、
前記メールアプリケーション(41a)が送受信を行う前記電子メールを前記表示器 (2)のメール画面表示部(41)上に表示して外部操作により編集可能とする編集手段(31,32,33)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項6】
前記接続可能な接続先(10,11,12)のうちの少なくとも1つの接続先は他の疑似基地局装置(43a)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項7】
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス表示部(6)に表示させる前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとして、前記試験端末(8)の電源OFF状態を示す「電源OFF」シーケンス(4a)、前記試験端末(8)の位置登録解除状態を示す「位置登録解除」シーケンス(4b)、前記試験端末(8)の位置登録状態を示す「位置登録」シーケンス(4c)、前記試験端末(8)の待ち受け状態を示す「待ち受け状態」シーケンス(4d)、前記試験端末(8)の発信状態を示す「発信」シーケンス(4e)、前記試験端末(8)の着信状態を示す「着信」シーケンス(4f)、前記試験端末(8)の通信状態を示す「通信状態」シーケンス(4g)、前記試験端末(8)からの切断状態を示す「UE(試験端末8)切断」シーケンス(4h)、前記接続先(10,11,12)からの切断状態を示す「NW(接続先)切断」シーケンス(4i)で構成されている一連のシーケンス(4a〜4i)を各シーケンス(4a〜4i)間で各通信手順及び通信状態の遷移方向を示す矢印を伴わせてフローチャート状に表示する際に遷移状態に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項8】
前記シーケンス状態表示制御部部(27)によって前記表示器(2)の前記シーケンス表示部(6)に表示される前記シーケンス(4a−4i)として、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信試験に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間における前記通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス及び前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における通信手順及び通信の遷移状態を示すシーケンスとのうちの少なくとも一方を選択可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項9】
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態表示部(5)に前記試験端末(8)、前記疑似基地局部(13)及び前記仮想接続先としての仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つをそれぞれ図形化して表示させると共に、前記接続状態表示部(5)に図形化して表示される前記疑似基地局部 (13)に対する前記試験端末(8)及び前記仮想通話先(10a)、仮想サーバ(11a)、仮想TV電話(12a)のうちの少なくとも一つの間の複数の接続線を図形化して表示させ、且つ、前記複数の接続線を図形化して表示させる際に接続の有無に応じて表示状態を変化させて表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項10】
前記通信回路の通信方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の符号分割多元接続方式を使用するとき、前記疑似基地局部(13)は、
前記試験端末(8)から受信部(15a)を介して受信された信号をRF入力処理するRF入力部(15c)と、
前記RF入力部(15c)からの出力を受信処理する受信処理部(16)と、
前記受信処理部(16)内で前記RF入力部(15c)からの出力を低周波数化する入力IF処理部(17)と、
前記入力IF処理部(17)で低周波数化された信号を前記受信処理部(16)内で順次に逆拡散及びデコード処理を行う逆拡散部(18)及びデコーダ部(19)と、
前記デコーダ部(19)でデコードされたデータに基づいて、接続先選択等を含む交換機の機能を実行して、前記試験端末(8)の指定する前記接続先(10,11,12)を呼出す接続先選択部(21)が組込まれた通信制御部(20)と、
前記通信制御部(20)を介して前記接続先(10,11,12)から入力されたデータを送信処理する送信処理部(22)と、
前記送信処理部(22)内で前記入力されたデータをコード化するコーダ部(23)と、
前記送信処理部(22)内で前記コーダ部(23)でコード化されたデータを順次に拡散処理及び高周波数化処理を行う拡散部(24)及び出力IF処理部(25)と、
前記出力IF処理部(25)で高周波数化処理された信号をRF出力信号として出力するRF出力部(15d)とを備え、
前記RF出力部(15d)から出力されたRF出力信号は送信部(15b)を介して前記試験端末(8)に送信されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項11】
前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を検出するシーケンス状態検出部(26)をさらに備え、
前記シーケンス状態表示制御部(27)は、前記シーケンス状態検出部(26)によって検出されたシーケンス状態に基づいて、前記試験端末(8)に対する通信試験における現在のシーケンス状態を前記シーケンス表示部(6)に表示させることを特徴とする請求項10に記載の疑似基地局装置。
【請求項12】
前記疑似基地局部(13)の前記通信制御部(20)から前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を検出する接続状態検出部(28)をさらに備え、
前記接続状態表示制御部(29)は、前記接続状態検出部(28)によって検出された接続状態に基づいて前記試験端末(8)に対する通信試験における現在の接続状態を前記接続状態表示部(5)に表示させることを特徴とする請求項10又は11に記載の疑似基地局装置。
【請求項13】
前記試験端末(8)が前記疑似基地局部(13)を介して接続された少なくとも1つの接続先(10,11,12)を示す接続先を表示する接続先表示部(6)をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の疑似基地局装置。
【請求項14】
被測定対象である試験端末(8)と接続可能な少なくとも1つの接続先(10,11,12)との間に介挿され、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの、相手先を指定した発信により対応する前記試験端末(8)と前記接続先(10,11,12)との間に通信回線を形成し、前記試験端末(8)又は前記接続先(10,11,12)からの切断指示により、形成された前記回線を切断する疑似基地局部(13)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介して接続された前記接続先(10,11,12)との間の通信に関して、前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)との間、及び該接続された前記接続先(10,11,12)と前記疑似基地局部(13)との間における少なくとも1つの通信の手順及び通信の遷移状態を示すシーケンス(4a−4i)を表示器(2)に表示するシーケンス表示部(27)と、
前記試験端末(8)と前記疑似基地局部(13)を介した各接続先(10,11,12)との接続状態を前記表示器(2)に前記シーケンスに連動してに表示する接続状態表示部(29)と、
を備えたことを特徴とする疑似基地局装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−50567(P2006−50567A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176566(P2005−176566)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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